JP3682310B2 - 滅菌動物飼料組成物およびその製造方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は不規則形のチャンクおよびソースまたはベースを含有する滅菌動物飼料組成物に関する。本発明はさらにこの組成物の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
特許ＥＰ−２６５，７４０号明細書は動物給飼用の不規則形チャンクの製造方法を既に記載する。この方法の不利は大量の乾燥タン白物質（１５〜３５重量％）の添加を必要とすることであり、これにより組成物は一層高価になり、さらにこのタン白物質含量はこの方法の実施に絶対に必要であるので処方は限定される。
【０００３】
本発明の目的は微細物の存在が少なく、ごく数量のタン白物質の添加を必要とするか、または必要としない不規則形チャンクを含有する組成物の製造を可能にすることである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明はチャンクおよびソースまたはベースを含有する滅菌動物飼料組成物に関し、チャンクは５５〜８５％の肉および肉副産物、１０〜２５％の穀類および６〜１５％の水分の混合物から調製され、チャンクは破損のない、きれいなカットの不規則形であり、９７％のチャンクは４ｍｍの網目を有する篩を通過しないような大きさであり、４０〜７０％のこれらのチャンクは正しい角度の幾何学的体積ではない形状を有する。
【０００５】
肉および肉副産物は生鮮状態または適切な処理により保存された温血屠殺動物のすべての肉部分および温血動物の身体または体部の加工から生ずるすべての生産物および副産物を意味する。肉は特にチキン、ウサギ、牛または羊の肉およびくず肉を意味する。くず肉は肺葉および肝臓または腎臓を意味する。肉副産物は上記屠体から得たあら粉を意味する。本明細書では、魚および魚副産物は肉および肉副産物の定義内に入るものと見做される。魚および魚副産物は生鮮状態または適切な処理により保蔵された魚または魚部分およびその加工副産物を意味する。鮭またはいわしは魚として使用でき、魚粉は副産物として使用できる。
【０００６】
魚または魚副産物を使用する場合、多くても１５％の割合で使用される。
本明細書ではすべての％は重量による。
【０００７】
穀類はその外観に拘らずすべての穀類種、または穀類の中心部澱粉質の加工により得た生産物を意味する。好ましくは小麦、とうもろこし、大豆または米、およびその穀粉から製造されたものが使用される。
【０００８】
本発明組成物のチャンクは４ｍｍ未満の寸法を有する粒子を３％未満含有する。組成物が猫用か犬用かによりチャンクの寸法が異なることは明らかに理解される。犬用では、５０〜６０％のチャンクが１６ｍｍの網目を有する篩を通過しない。猫用では、反対に５〜１５％のチャンクのみが１４ｍｍの網目を有する篩を通過せず、４５〜６５％のチャンクは８〜１４ｍｍの寸法を有する。
【０００９】
本発明の目的は不規則形チャンク、すなわち正しい角度の幾何学的体積ではない形状を有する４０〜７０％のチャンク、すなわち立方体でもなく、正しい角度の平行六面体でもないが任意の三次元形を有する４０〜７０％のチャンクを含有する組成物を得ることである。
【００１０】
チャンクはソースまたはベースに併せる。ソースは９８％までの水、残部はハイロコロイドのような１種以上の増粘剤、染料およびフレーバ付与剤を含有する混合物を意味するものと解される。ベースは６０〜８０％の水および２０〜４０％の微粉砕肉、残部はゲル化剤、染料およびアロマに基づく混合物を意味する。
【００１１】
組成物に含むチャンクもさらに０〜５％の植物タン白抽出物を含有する混合物から製造することもできる。植物タン白抽出物は植物起源のすべての生成物、そのタン白は適当な処理により濃縮され、乾物含量に関し少なくとも５０％の粗タン白を含有し、再構成できるものを意味する。使用タン白は例えば小麦またはとうもろこしグルテンまたは大豆分離物である。
【００１２】
好ましい態様では、チャンクは５８〜６８％の肉および肉副産物、１６〜２５％の穀類、２〜５％の植物タン白抽出物および５〜１４％の水を含有する混合物から調製される。好ましくは肉および肉副産物は最低１０％の豚または牛肝臓および０〜５％の豚または牛血漿粉末および穀類は少なくとも１０％の割合で含み、穀類は小麦、とうもろこしまたは米粉であり、これらによりカットしたチャンクは十分なテクスチャーを有し、微細物および裂けたものの形成を回避できる。
【００１３】
血漿粉末は有利には血漿と同じ役割を演ずる植物タン白抽出物の少なくとも２％により代替できる。
チャンクはさらに３％までの染料、ビタミンおよび無機塩を含有できる。
【００１４】
組成物には、チャンクは２０〜５０％の割合で含み、残部はソースまたはベースである。
ソースを有する組成物の場合、４０〜５０％の割合のチャンクを含むが、ベースを有する組成物では、チャンクは２０〜４０％の割合で含む。
【００１５】
チャンク調製用混合物では、水分含量は、５０〜６０％、好ましくは５２〜５８％のチャンクの最終水分量を得るために、製造方法ではエマルジョンの正しい含量を確保するために、肉および穀類含量に従って０〜１５％に調整される。
【００１６】
本発明はさらに上記組成物の製造方法に関し、この方法では肉および肉副産物は穀類および水と混合され、混合物は乳化、押し出し、加熱、予備カット、冷却およびキューブに成型され、こうして得たチャンクはソースまたはベースと混合され、製品は容器に充填され、滅菌される。
【００１７】
肉および肉副産物の混合前、１２ｍｍのオーダの寸法を得るために肉の大きさを減縮する。肉（および場合により魚）はチャンク組成物の他の成分（場合により植物タン白抽出物）と混合して均質化し、弾性ペーストを得る。
【００１８】
乳化は二重格子乳化機（例えばカールシュネル型）で行なう。乳化は最高温度１５℃で行なう。この工程は以後の脂肪分離を避けるために必要である。
【００１９】
次に乳化ペーストは脱気し、または脱気せずに連続成形システムにポンプ輸送し、ここで２０×２０ｍｍ枠に適合できる卵形、長方形または正方形横断面を有するプディングを押し出すことができる。こうして得たプディングは８０〜９５℃の中心温度を得るように任意の連続加熱システム（例えば、熱風、蒸気、熱風および蒸気またはマイクロ波システム）により加熱される。これを行なうために、９０〜１２０℃の温度のトンネルオーブンを使用する。プディングは凝結させ、加熱装置の出口でスライスすることができる。プディングは４０〜４００ｍｍの長さを有するチャンクに加熱システムの出口で連続予備カットする。次にチャンクは１０〜４０℃の温度に冷却して硬化する。冷却はチャンクの相互の粘着を防止するため水を噴霧し、または水に浸漬して行なうことが好ましい。
【００２０】
最後に冷却をプディングをキューブにする。これを行なうために、当業者に既知のキューブ成型機、例えばウルシエルキューブ成型機を使用する。チャンクはバルクまたは無作為にベルト上に落して連続的にキューブ成型機ベルトに供給する。ベルトにはたえず水を噴霧してチャンクの通過を有利にし、機械における粘着を防止することが好ましい。
【００２１】
得た最終チャンクはその寸法および形状の双方で不規則である。キューブ成型機の横および横断カット寸法の選択に関しプディング横断面の選択が形状の不規則性を規定する。プディングの長さの選択は寸法の不規則性を規定する。
【００２２】
こうして得た不規則形チャンクは本質的に既知方法でソースまたはベースと混合され、猫用または犬用に製造するかにより容器に異る量を満たす。組成物は最後に通例１２０〜１３５℃の温度で２０〜１００分滅菌する。
【００２３】
以下の記載は例を引用して行なう。
例１：猫用組成物
７３％の家禽屠体、豚肺臓および牛肝臓（磨砕）、１６％の小麦粉、２％の牛血漿粉末、６．８％の水および２．２％の染料、ビタミンおよび無機塩から混合物を調製する。この混合物は１２℃で乳化し、側面１２ｍｍの正方形横断面を有するプディング形に押し出す。このプディングは９０℃の温度（１００℃のトンネル）で加熱し、８０ｍｍ長さのチャンクにカットする。これらは３０℃に冷却し、キューブ成型機でカットして不規則形チャンクを得、その３％は５ｍｍ未満の寸法を有し、その３０％は５〜１１ｍｍの寸法を有し、その５５％は１１〜１４ｍｍの寸法を有し、そしてその１２％は１４ｍｍより大きい寸法を有する。これらのチャンクの４５％は９８％の水、１％の染料および１％のグアーガムから調製した５５％のソースと混合する。
ブリキ缶に充填し、１２５℃で４０分滅菌する。
【００２４】
例２：猫用組成物
５６％の家禽屠体、豚肺臓および豚肝臓（磨砕）、１３％の魚、１６％の小麦粉、２％の血漿、１０．８％の水および２．２％の染料、ビタミンおよび無機塩から混合物を調製する。次に例１のように製造して例１と同じ寸法を有する不規則形チャンクを得る。これらのチャンク（水分含量５８％）の３０％は２３％の家禽屠体、１％のゲル化剤、１％の染料およびアロマおよび７５％の水から調製したベースに添加する。
次にブリキ缶に充填し、１２７℃で６０分滅菌する。
【００２５】
例３：犬用組成物
６９％の家禽屠体、牛肺臓および豚肝臓は２０％の小麦粉、１％の牛血漿粉末、７．８％の水および２．２％の染料、ビタミンおよび無機塩と混合する。この混合物は１２℃で乳化し、１７×９ｍｍの長方形横断面を有するプディング形に押し出す。このプディングは９０℃（１００℃のトンネル）の温度で加熱し、８０ｍｍ長さのチャンクにカットする。３０℃に冷却し、キューブ成型機でカットして不規則チャンクを得、その３％は５ｍｍ未満の寸法を有し、その３７％は５〜１６ｍｍの寸法を有し、そしてその６０％は１６ｍｍより大きい寸法を有する。
これらのチャンクの５０％は９８％の水、１％の染料および１％のグアーガムから調製した５０％のソースと混合する。ブリキ缶に充填し、１２５℃で６０分滅菌する。

Claims (11)

1. チャンクおよびソースまたはベースを含有する滅菌動物飼料組成物であって、チャンクは５５〜８５％の肉および肉副産物、１０〜２５％の小麦、とうもろこし、米及びその穀粉から選択される穀類、および０〜１５％の水の混合物から調製され、このチャンクはきれいなカットで破損のない不規則形であり、このチャンクの９７％は４ｍｍの網目を有する篩を通過しないような寸法を有し、４０〜７０％のこれらのチャンクは直角を有する幾何学形状ではない形状を有することを特徴とする、上記動物飼料組成物。
2. チャンクはさらに０〜５％の植物タン白抽出物を含有する混合物から調製される、請求項１記載の組成物。
3. チャンクは５８〜６８％の肉および肉副産物、１６〜２５％の穀類、２〜５％の植物タン白抽出物および５〜１４％の水を含有する混合物から調製される、請求項１または２記載の組成物。
4. ２０〜５０％のチャンクを含有し、残部はソースまたはベースである、請求項１から３のいずれか１項に記載の組成物。
5. チャンクは５０〜６０％の水分含量を有する、請求項１から４のいずれか１項に記載の組成物。
6. 肉および肉副産物を穀類および水と混合し、混合物を乳化し、押し出し、加熱し、予備カットし、１０−４０℃に冷却し、キューブに成型し、こうして得たチャンクをソースまたはベースと混合し、容器に製品を充填し、滅菌することを特徴とする、請求項１から５のいずれか１項に記載の組成物の製造方法。
7. 最高１５℃の温度で乳化する、請求項６記載の方法。
8. ２０×２０ｍｍ枠に合う横断面を有する形状に押し出す、請求項６または７記載の方法。
9. 押出されたものを８０〜９５℃の温度を有するように加熱する、請求項６から８のいずれか１項に記載の方法。
10. ４０〜４００ｍｍの長さを有するチャンクを得るために予備カッティングを行なう、請求項６から９のいずれか１項に記載の方法。
11. キューブ成型機にチャンクを無作為に供給する、請求項６から１０のいずれか１項に記載の方法。