JP3681349B2 - マイクロミラーアクチュエータの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロミラーアクチュエータの製造方法に係り、特にフィルム状有機膜のラミネーション工程を用いてマイクロミラーの扁平度を改善して平坦化製造工程を単純化したマイクロミラーアクチュエータの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信用のMOXC(Micro Optical Cross Connector)は、光信号がいずれの入力端子から所定の出力端子に伝送されるように光路を選択する装置である。このような光通信用のMOXCでは、マイクロミラーが核心的な要素であって、マイクロミラーの反射度及び正確な直立性などがMOXCの光通信効率及び性能を左右する。
【0003】
図1を参照すれば、トレンチを有するマイクロミラーアクチュエータは、基板100と、前記基板100に形成されたトレンチ105と、前記トレンチ105の底面及び側面に各々形成された下部電極110及び側面電極113と、前記トレンチ105の両側の基板上に突設されたポスト115と、前記ポスト115に支持されたトーションバネ120と、前記トーションバネ120に弾力的に回動可能に支持され、前記下部電極110と相互作用して静電力により回動しつつ前記側面電極113と相互作用して垂直に直立されたり、電圧供給がオフされると水平状態を保たせるマイクロミラー125とを含む。
【0004】
前述したように構成されたマイクロミラーアクチュエータは基板100に対して垂直に直立されたマイクロミラーに対しては光信号を反射させ、水平状態のマイクロミラーに対しては光信号を通過させることによって光路を選択可能になっている。
【0005】
特に、前述したようにトレンチ105を有するマイクロミラーアクチュエータの場合にはマイクロミラーの反射度の向上のためにマイクロミラーの平坦化工程が要求される。図2Aないし図2Cは、図1のV−V方向の断面図であって、従来の技術によるマイクロミラーアクチュエータの平坦化工程は、シリコンウェーハ130にトレンチ105をエッチングする段階(図2A)と、厚膜フォトレジスト135をスピンコーティング法により塗布する段階(図2B)と、前記フォトレジスト層135を化学機械的研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)工程により平坦化する段階(図2C)とを含む。
【0006】
しかし、前述したように化学機械的研磨方法によりフォトレジストを平坦化する工程によれば、図3に示されたようにフォトレジスト層135でクッション現象が生じてフォトレジストの表面が不均一になる。すなわち、前記平坦化工程時にラッピング装置(図示せず)内で前記フォトレジスト層135に荷重を加えつつ平坦化工程を行うことになる。ところが、平坦化作業後、ラッピング装置で前記シリコンウェーハ130を取り出すと荷重により押された部分が突き出るクッション現象が生じる。このようなクッション現象は次のような原因により生じる。
【0007】
図2Bで前記シリコンウェーハ130上に厚さhに塗布されるフォトレジスト135は軟性の材質よりなっていてトレンチ105の形成部分はトレンチのない他の部分に比べてh’だけ低く塗布される。したがって、前記トレンチ105の形成部分のフォトレジストが薄く形成されて他の部分との厚さ差がh’だけ生じる。以後、化学機械的研磨工程を通じて全体的なフォトレジストの表面を均一した厚さに研磨する。
【0008】
しかし、このような工程後にもトレンチの形成部分及びトレンチの形成されていない部分においてフォトレジストの硬度差が生じる。すなわち、トレンチの形成部分で厚さ方向への全体的な硬度は化学機械的研磨後のフォトレジスト135t1とトレンチ部分のフォトレジスト135t2、そして残りの下部ウェーハ130tの硬度の組合わせよりなる。これに比べて、トレンチの形成されていない部分で厚さ方向への全体的な硬度は、化学機械的研磨後のフォトレジスト135nと残りの下部シリコンウェーハ130nとの硬度の組合わせよりなる。ここで、シリコンウェーハ130よりはフォトレジスト135の硬度が小さいためにトレンチの形成部分の厚さ方向の硬度がトレンチの形成されていない部分より小さくなる。
【0009】
したがって、トレンチ105の形成部分でクッション効果が大きく生じて化学機械的研磨作業後、図3に示されたようにフォトレジスト110が上方に突出Cすることになる。このようにトレンチ105の形成部分に対してシリコンに適用する化学機械的研磨方法をフォトレジストにもそのまま適用する場合、クッション効果により平坦化ができなくなり、平坦化のために再び化学機械的研磨工程に反復投入するようになってコスト高となり、かつマイクロミラーの反射率も低下されて光損失が増加する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記問題点を解決するために案出されたものであって、フィルム状のポリイミド膜をラミネーションすることによってマイクロミラーの平坦化を図り、これによりマイクロミラーの反射度を向上させ、平坦化製造工程を単純化したマイクロミラーアクチュエータの製造方法を提供するのにその目的がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造方法は、基板上にトレンチ対応領域をエッチングする段階と、前記トレンチ対応領域が中空状態を保つように基板上にフィルム状有機膜をラミネーションする段階と、前記フィルム状有機膜上に金属膜を蒸着してパターニングした後、前記フィルム状有機膜を除去する段階とを含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記トレンチ対応領域をエッチングした後、前記基板に絶縁膜及び金属膜を蒸着し、前記金属膜をパターニングして下部電極及び側面電極を形成する段階と、前記フィルム状有機膜をラミネーションした後、ポスト用のホールをパターニングする段階と、前記フィルム状有機膜上の金属膜をパターニングした後、前記フィルム状有機膜を除去してマイクロミラー、トーションバネ及びポストを形成する段階とをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づき本発明を詳しく説明する。図4A及び図4Bに示されたように、基板10上にフォトレジスト15を塗布し、写真エッチング工程を通じてパターニングした後、トレンチ対応領域20を形成し、前記フォトレジスト15を除去する。次いで、図4Cのように、前記基板10上に絶縁膜25及び金属膜30を蒸着した後、図4Dのように写真エッチング工程を用いて下部電極35及び側面電極37を形成する。
【0014】
それから、図4Eのように前記下部電極35及び側面電極37上に絶縁膜40を蒸着し、この絶縁膜40上に図4Fのようにフィルム状有機膜45を用いて温度及び圧力を加えてラミネーションする。すなわち、前記トレンチ20には前記フィルム状有機膜45が充填されず中空状態を保つために平坦化を達成しうる。前記フィルム状有機膜45はポリイミド系よりなることが望ましい。
【0015】
ここで、前記フィルム状有機膜45の厚さは多様に製作できる。但し、薄いほど下部電極35、側面電極37及びマイクロミラー125間の間隔が狭くなってこれらの間の静電力が増加して大きな駆動力を出せるので薄膜を使用することが望ましい。また、厚い有機膜をラミネーションした後、反応イオンエッチング(RIE)またはにアッシングのような乾式エッチング工程を通じて有機膜を薄くする工程を行っても良い。
【0016】
前述したように、平坦化した後には図4G及び図4Hのように前記フィルム状有機膜45上に金属膜50を蒸着し、写真エッチング工程を通じてパターニングする。次いで、等方性乾式エッチング工程により前記フィルム状有機膜45を除去してマイクロミラー(図1の125)及びトーションバネ(図1の120)を形成する。
【0017】
一方、図5Aないし図5Cは、本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造方法を説明するための図1のV−V方向の断面図であって、これは各々図4Fないし図4Hに対応する段階を示した図面である。
【0018】
図4Fにおいてフィルム状有機膜45をラミネーションした後、図5Aに示されたように写真エッチング工程を通じてポスト用ホール55を形成する。そして図4G及び図5Bのように前記ポスト用ホール55を含む前記有機膜45上に金属膜50を蒸着してからパターニングし、図5Cのように前記有機膜45を除去してマイクロミラー125、トーションバネ120及びポスト115を形成する。
【0019】
【発明の効果】
前述したように本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造方法は、トレンチが形成されている基板上にフィルム状の有機膜をラミネーションすることによって簡単に平坦化できてコストを節減させ、かつマイクロミラー面の平坦度が改善されて反射率を増加させることによって光伝送効率を増大させうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マイクロミラーアクチュエータの斜視図である。
【図2A】 従来のマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す図面である。
【図2B】 従来のマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す図面である。
【図2C】 従来のマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す図面である。
【図3】 クッション効果を示す図面である。
【図4A】 図1のIV−IV方向の断面図であって、本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す。
【図4B】 図1のIV−IV方向の断面図であって、本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す。
【図4C】 図1のIV−IV方向の断面図であって、本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す。
【図4D】 図1のIV−IV方向の断面図であって、本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す。
【図4E】 図1のIV−IV方向の断面図であって、本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す。
【図4F】 図1のIV−IV方向の断面図であって、本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す。
【図4G】 図1のIV−IV方向の断面図であって、本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す。
【図4H】 図1のIV−IV方向の断面図であって、本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す。
【図5A】 図1のV−V方向の断面図であって、本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す。
【図5B】 図1のV−V方向の断面図であって、本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す。
【図5C】 図1のV−V方向の断面図であって、本発明に係るマイクロミラーアクチュエータの製造工程を示す。
【符号の説明】
10 基板
20 トレンチ
25 絶縁膜
30 金属膜
35 下部電極
37 側面電極
40 絶縁膜
45 フィルム状有機膜
Claims (1)
- 基板上にトレンチ対応領域をエッチングする段階と、
前記トレンチ対応領域をエッチングした後、前記基板に絶縁膜及び第1金属膜を蒸着し、前記第1金属膜をパターニングして下部電極及び側面電極を形成する段階と、
前記トレンチ対応領域が中空状態を保つように基板上にフィルム状有機膜をラミネーションする段階と、
前記フィルム状有機膜をラミネーションした後、該フィルム状有機膜にポスト用のホールをパターニングする段階と、
前記フィルム状有機膜上に第2金属膜を蒸着してパターニングした後、前記フィルム状有機膜を除去してパターニングされた前記第2金属膜からなるマイクロミラー、トーションバネ及びポストを形成する段階と、
を含むことを特徴とするマイクロミラーアクチュエータの製造方法。
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