JP3681321B2 - 薄膜の開口比測定方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円形の半導体ウエハやガラス基板(以下、単に基板と称する)に対して光を照射し、基板からの反射光に基づき基板上に形成された薄膜の開口比を測定する薄膜の開口比測定方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体製造プロセスにおいてはパターンの微細化が進み、その線幅および間隔(Line & Spaceを略してL&S と称する)は1μmを下回っている。このようなL&S で微細パターン化された第1の薄膜(例えば、酸化膜)の間を埋め、かつ表面を覆うように第2の薄膜(例えば、銅膜)が被着された基板は、第2の薄膜がCMP(化学機械研磨)工程で研磨され、余分な膜を除去することで第2の薄膜による配線が行われている。
【0003】
しかしながら、研磨の状態が悪く均等に研磨されなかった場合には、基板表面における第1の薄膜と第2の薄膜との平面視における開口比率が変わってしまい、微細パターンで設計されたパターンが崩れてしまう場合があるので、研磨状態を検査するためにSEM(走査型電子顕微鏡)を用い、断面を観察することで第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を測定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、SEMで開口比を測定するためには当然のことながら基板を破壊する必要があり、容易に測定を行うことができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、開口比に応じて分光反射スペクトルが変位する特性を利用することにより、容易に薄膜の開口比を測定することができる薄膜の開口比測定方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、薄膜が形成された基板からの反射光に基づき薄膜の開口比を測定する薄膜の開口比測定方法であって、第1の薄膜と、この第1の薄膜とは異種であり、かつ、平面視で前記第1の薄膜の間に形成された第2の薄膜とを含む測定領域内からの分光反射スペクトルを測定する測光過程と、予め第2の薄膜の分光反射スペクトルを記憶しておく過程と、前記測光過程で測定した分光反射スペクトルから、予め記憶しておいた第2の薄膜の分光反射スペクトルを減算して前記第1の薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクトルとして抽出する抽出過程と、前記抽出分光反射スペクトルに基づいて前記第1の薄膜の膜厚を求め、求めた膜厚における理論的な分光反射スペクトルを理論分光反射スペクトルとして作成する作成過程と、前記抽出分光反射スペクトルと前記理論分光反射スペクトルとの差異に基づき第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出する算出過程と、を実施することを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、第1の薄膜が形成された基板の表面を覆うとともに第1の薄膜とは異種である第2の薄膜を所定量だけ除去して、基板上に第1の薄膜および第2の薄膜を含む層を露出させる過程で、基板上の薄膜の開口比を測定する薄膜の開口比測定方法であって、平面視で第1の薄膜の間に形成された第2の薄膜を含む測定領域内からの分光反射スペクトルを測定する測光過程と、予め第2の薄膜の分光反射スペクトルを記憶しておく過程と、前記測光過程で測定した分光反射スペクトルと第2の薄膜の分光反射スペクトルとを比較する比較過程と、比較過程で測定領域内からの分光反射スペクトルと第2の薄膜の分光反射スペクトルとが不一致である場合に、測定領域内からの分光反射スペクトルから予め記憶しておいた第2の薄膜の分光反射スペクトルを減算して第1の薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクトルとして抽出する抽出過程と、前記抽出分光反射スペクトルに基づいて第1の薄膜の膜厚を求め、求めた膜厚における理論的な分光反射スペクトルを理論分光反射スペクトルとして作成する作成過程と、前記抽出分光反射スペクトルと前記理論分光反射スペクトルとの差異に基づき第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出する算出過程と、を実施することを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の薄膜の開口比測定方法において、前記算出過程は、前記抽出分光反射スペクトルの振幅に係数を乗じて前記理論分光反射スペクトルに合わせるように調整し、前記係数に基づいて第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出することを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の薄膜の開口比測定方法において、前記算出過程は、前記抽出分光反射スペクトルの振幅に係数を乗じるとともに、オフセットを加算して前記理論分光反射スペクトルに合わせるように調整し、前記係数及び前記オフセットに基づいて第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出することを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、薄膜が形成された基板からの反射光に基づき薄膜の開口比を測定する薄膜の開口比測定装置であって、第1の薄膜と、この第1の薄膜とは異種であり、かつ、平面視で前記第1の薄膜の間に形成された第2の薄膜とを含む測定領域内からの分光反射スペクトルを測定する測光手段と、予め第2の薄膜の分光反射スペクトルを記憶しておく記憶手段と、前記測光手段で測定した分光反射スペクトルから、前記記憶手段に予め記憶しておいた第2の薄膜の分光反射スペクトルを減算して前記第1の薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクトルとして抽出する抽出手段と、前記抽出分光反射スペクトルに基づいて前記第1の薄膜の膜厚を求め、求めた膜厚における理論的な分光反射スペクトルを理論分光反射スペクトルとして作成する作成手段と、前記抽出分光反射スペクトルと前記理論分光反射スペクトルとの差異に基づき第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出する算出手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、第1の薄膜が形成された基板の表面を覆うとともに第1の薄膜とは異種である第2の薄膜を所定量だけ除去して、基板上に第1の薄膜および第2の薄膜を含む層を露出させる過程で、基板上の薄膜の開口比を測定する薄膜の開口比測定装置であって、予め第2の薄膜の分光反射スペクトルを記憶しておく記憶手段と、平面視で第1の薄膜の間に形成された第2の薄膜を含む測定領域内からの分光反射スペクトルを測定する測光手段と、前記測光手段で測定した分光反射スペクトルと第2の薄膜の分光反射スペクトルとを比較する比較手段と、測定領域内からの分光反射スペクトルと第2の薄膜の分光反射スペクトルとが不一致である場合に、測定領域内からの分光反射スペクトルから、前記記憶手段に予め記憶しておいた第2の薄膜の分光反射スペクトルを減算して第1の薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクトルとして抽出する抽出手段と、前記抽出分光反射スペクトルに基づいて第1の薄膜の膜厚を求め、求めた膜厚における理論的な分光反射スペクトルを理論分光反射スペクトルとして作成する作成手段と、前記抽出分光反射スペクトルと前記理論分光反射スペクトルとの差異に基づき第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出する算出手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の薄膜の開口比測定装置において、前記算出手段は、前記抽出分光反射スペクトルの振幅に係数を乗じて前記理論分光反射スペクトルに合わせるように調整し、前記係数に基づいて第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出することを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の薄膜の開口比測定装置において、前記算出手段は、前記抽出分光反射スペクトルの振幅に係数を乗じるとともに、オフセットを加算して前記理論分光反射スペクトルに合わせるように調整し、前記係数及び前記オフセットに基づいて第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出することを特徴とするものである。
【0014】
【作用】
請求項1に記載の方法発明の作用は次のとおりである。
第1の薄膜と第2の薄膜とを含む測定領域からの分光反射光スペクトルを測定し、これから予め記憶しておいた第2の薄膜の分光反射スペクトルを減算することで、第2の薄膜の成分を除去して第1の薄膜の成分だけとした抽出分光反射スペクトルを抽出する。この抽出分光反射スペクトルには山谷が現れるが、その数は第1の薄膜の膜厚に応じたものとなる。そこで、まず、抽出分光反射スペクトル、特にその山谷の数に基づいて第1の薄膜の膜厚を求め、求めた膜厚における理論的な分光反射スペクトルを理論分光反射スペクトルとして作成する。実測による分光反射スペクトルから抽出した抽出分光反射スペクトルと、計算によって求めた理論分光反射スペクトルとの間には当然のことながら差異が生じる。発明者らは、種々の実験等により、その差異が第1の薄膜と第2の薄膜との開口比に応じたものとなっており、これに基づき開口比を求めることができることを見い出した。
【0015】
また、請求項2に記載の方法発明によれば、第1の薄膜が形成された基板の表面を覆うとともに第1の薄膜とは異種である第2の薄膜を所定量だけ除去して、基板上に第1の薄膜および第2の薄膜を含む層を露出させる過程で、分光反射スペクトルを測定した結果、分光反射スペクトルと第2の薄膜による分光反射スペクトルとのプロファイルが一致している場合には、基板の表面が第2の薄膜により覆われている状態であり、分光反射スペクトルを測定してもこれから抽出分光反射スペクトルを求めることができない。そこで、第1の薄膜が露出した状態であるか否かを分光反射スペクトルと第2の薄膜による分光反射スペクトルとの比較過程で調べ、これが不一致である場合にだけ、測定領域内からの分光反射スペクトルから、予め記憶しておいた第2の薄膜の分光反射スペクトルを減算して第1の薄膜の成分だけを抽出する抽出過程に移行する。
【0016】
なお、露出する過程とは、第2の薄膜が残っている状態と、第2の薄膜が完全に除去されて第1の薄膜が露出している状態をも含む。
【0017】
また、請求項3に記載の方法発明によれば、抽出分光反射スペクトルと理論分光反射スペクトルとの間にある差異を無くすように、抽出分光反射スペクトルの振幅に係数を乗じて理論分光反射スペクトルに合わせるように調整する。このようにして得られた係数は第1の薄膜と第2の薄膜との開口比に相関を有する。
【0018】
また、請求項4に記載の方法発明によれば、抽出分光反射スペクトルと理論分光反射スペクトルとの間にある差異を無くすように、抽出分光反射スペクトルの振幅に係数を乗じて理論分光反射スペクトルに合わせるように調整するとともに、振幅だけでは調整できない成分をオフセットにより調整する。このようにして得られた係数及びオフセットは第1の薄膜と第2の薄膜との開口比に応じている。
【0019】
また、請求項5に記載の装置発明によれば、第1の薄膜と第2の薄膜とを含む測定領域からの分光反射光スペクトルを測光手段で測定し、これから、記憶手段に予め記憶しておいた第2の薄膜の分光反射スペクトルを減算することで第2の薄膜の成分を除去して抽出手段で抽出分光反射スペクトルを抽出する。この抽出分光反射スペクトルには山谷が現れるが、その数は第1の薄膜の膜厚に応じたものとなる。そこで、その抽出分光反射スペクトルに基づいて第1の薄膜の膜厚を求め、求めた膜厚における第1の薄膜の理論的な分光反射スペクトルを理論分光反射スペクトルとして作成手段が作成する。抽出した抽出分光反射スペクトルと、理論分光反射スペクトルとの間には当然のことながら差異が生じるが、この差異は第1の薄膜と第2の薄膜との開口比に応じたものとなっている。したがって、この差異に基づいて算出手段が開口比を求めることができる。
【0020】
また、請求項6に記載の装置発明によれば、第1の薄膜が形成された基板の表面を覆うとともに第1の薄膜とは異種である第2の薄膜を所定量だけ除去して、基板上に第1の薄膜および第2の薄膜を含む層を露出させる過程で、分光反射スペクトルと第2の薄膜による分光反射スペクトルとのプロファイルが一致している場合には、表面が第2の薄膜により覆われている状態であり、分光反射スペクトルを測定してもこれに基づき抽出分光反射スペクトルを抽出することができない。そこで、第1の薄膜が露出したか否かを、分光反射スペクトルと第2の薄膜による分光反射スペクトルとを比較手段が比較することにより行う。その結果が不一致である場合にだけ、測定領域内からの分光反射スペクトルから、記憶手段に予め記憶しておいた第2の薄膜の分光反射スペクトルを減算して第1の薄膜の成分だけを抽出する抽出手段による抽出に移行する。
【0021】
また、請求項7に記載の装置発明によれば、抽出分光反射スペクトルと理論分光反射スペクトルとの間にある差異を無くすように、抽出分光反射スペクトルの振幅に係数を乗じて理論反射スペクトルに合わせるように算出手段が調整し、この係数に基づき開口比を算出する。
【0022】
また、請求項8に記載の装置発明によれば、算出手段は、抽出分光反射スペクトルと理論分光反射スペクトルとの間にある差異を無くすように、抽出分光反射スペクトルの振幅に係数を乗じて理論分光反射スペクトルに合わせるように調整するとともに、振幅だけでは調整できない成分をオフセットにより調整する。このようにして得られた係数及びオフセットに基づき開口比を求める。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1を参照して本発明に係る薄膜の開口比測定装置について説明する。なお、図1は薄膜の開口比測定装置の略構成を示したブロック図である。
【0024】
薄膜の開口比測定の対象である基板Wは、図示しない移動機構により水平面内で移動可能に構成されたステージ1に載置されている。このステージ1の上方には、光源部3が配備されており、この光源部3から横向きに射出された光はビームスプリッタ5により下方に反射されて対物レンズ7を通り、基板Wに対して照射される。対物レンズ7を通して基板Wに光が照射される範囲内の所定範囲が本発明における測定領域に相当し、その大きさは、対物レンズ7の倍率と後述のプレート1aに形成されたピンホールの大きさにより決定されるもので、概ね数十μm径である。
【0025】
光源部3は、ハロゲンランプまたはハロゲンランプ及び重水素ランプを備えたランプ3aと、複数個のレンズ3bとを備えており、可視光または紫外光を含んだ可視光を射出する。なお、測定対象の目的薄膜の膜厚や膜種によってはランプ3aを重水素ランプだけで構成して紫外光だけを射出するようにしてもよい。
【0026】
基板Wの表面からの反射光は、再び対物レンズ7を通るとともに、その上方の光軸上に配備されたビームスプリッタ5を透過し、その上方に配備されているチューブレンズ9により集光されて分光ユニット11に入射される。
【0027】
また、分光ユニット11とチューブレンズ9の間には、プリズム13が配備されており、基板Wからの反射光の一部を取り出すようになっている。取り出された反射光の一部は撮像ユニット15に導かれ、レンズ15aを介して所定位置に集光される。集光位置には撮像素子15bが配設されており、測定領域に対応した画像信号が画像処理部17に出力される。
【0028】
画像処理部17は、入力された画像信号に所定の処理を施してI/O21に出力する。出力された画像信号は、CPUやメモリを内蔵した制御部23の制御の下でディスプレイ装置25に出力される。測定者は、このようにして表示される画像を見ながら、操作部27を操作してステージ1を移動させ、基板W表面の所望の位置に測定領域を設定して膜厚測定を行うようになっている。
【0029】
分光ユニット11は、反射光の入射位置にピンホールが形成されたプレート11aと、このプレート11aの上方に配備されて反射光を分光する凹面回折格子11bと、この凹面回折格子11bによって分光された回折光の分光光強度を検出する光検出器11cとを備えている。光検出器11cは、例えば、フォトダイオードアレイやCCDなどにより構成されており、プレート11aに形成されているピンホールと共役な関係に配置されている。したがって、分光ユニット11に入射した反射光は、凹面回折格子11bで分光され、この光の分光光強度に対応した信号が光検出11cから分光反射スペクトルとしてデータ処理部19に出力される。
【0030】
なお、分光ユニット11が本発明における測光手段に相当する。
【0031】
データ処理部19は、詳細は後述するが、操作部27を介しての測定者の指示に基づく制御部23からの制御信号に応じて処理を行う。
【0032】
具体的な処理を簡単に説明すると、測定した分光反射スペクトルに基づき基板Wに被着された第1の薄膜と第2の薄膜のうち、第1の薄膜についての分光反射スペクトルだけを抽出するとともに、このようにして求められた抽出分光反射スペクトルのプロファイルに基づき理論分光反射スペクトルを算出し、抽出分光反射スペクトルと理論分光反射スペクトルとの差異に基づいて第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を求める等の処理を行う。このようにして求められた開口比は、ディスプレイ装置25に表示される。
【0033】
また、データ処理部19は、第1の薄膜とは異種であって、平面視で第1の薄膜の間に形成された第2の薄膜についての分光反射スペクトルを予め記憶しており、上記の開口比を求める処理に先立ち、このプロファイルと、測定した分光反射スペクトルのプロファイルとを比較して、ほぼ同じであった場合には研磨処理が不足していると判断する。そのため第1の薄膜が第2の薄膜で未だ覆われていて、第1の薄膜と第2の薄膜との開口比測定ができない状態であるとし、データ処理を中断するとともにディスプレイ装置25にその旨を表示するようになっている。または、第2の薄膜だけの分光反射スペクトルと測定した分光反射スペクトルとのプロファイルを比較して、これらが一致しない場合には、第2の薄膜が第1の薄膜を覆っていない状態であると判断して開口比測定のためのデータ処理を実施する。上記の比較の対象となる第2の薄膜の分光反射スペクトルは、予め実際に測定しておいてもよく、理論的な計算から求められたスペクトルを用いてもよい。
【0034】
さらに、データ処理部19は、次のような「開口比に関する検量線データ」についても記憶している。
【0035】
つまり、第1の薄膜と第2の薄膜が“既知の開口比で形成された基板" をサンプル基板とし、このようなサンプル基板で測定された分光反射スペクトルに基づく抽出分光反射スペクトルと理論分光反射スペクトルとの差異(後述する補正係数kとオフセットfに相関を有する係数及びオフセット)を求めておき、これらを開口比と対応付けて記憶する。さらに、各種の開口比の基板について同様の処理を行って、各種開口比とスペクトルの差異とを対応付けて記憶しておく。
【0036】
なお、上述したデータ処理部19は、本発明における抽出手段及び作成手段並びに算出手段に相当するとともに比較手段及び記憶手段にも相当する。
【0037】
次に、図2のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図2は、本発明に係る薄膜の開口比測定方法の流れを示したフローチャートである。
【0038】
また、基板Wは、図3の測定領域Rにおける薄膜の状態を示した平面図及び縦断面図に示すように、一例としてシリコン基板Waの上に第1の薄膜に相当する酸化膜F1が形成され、その上にタンタルナイトライド(TaN) などのバリアメタル膜F2が被着され、さらにその上に第2の薄膜に相当する銅配線用の銅膜F3が被着されているものとする。
【0039】
そして、図3(b)に示すように、銅膜F3をバリアメタル膜F2とともに研磨処理し、最終的には図3(c)に示すように、酸化膜F1が表面に露出する状態まで研磨処理を施せば研磨処理は完了である。したがって、本発明は、図3(c)に示すような研磨完了の直前に、研磨処理が正常に施されているか否かの確認のために実施されることになる。
【0040】
なお、本実施例では、図3(c)に示す研磨処理後の膜厚測定において、第2の薄膜を銅膜F3としてこの成分を分光反射スペクトルから除去するが、バリアメタル膜F2の成分は除去しない。これは、バリアメタル膜F2の線幅d3が酸化膜F1の線幅d1や銅膜F3の線幅(d1−d3×2)と比較して極めて細く影響が少ないためである。
【0041】
ステップS1(測光過程)
まず、測定者は研磨処理をとりあえず終えた基板Wをステージ1に載置し、ディスプレイ装置25に映し出される測定領域Rの画像を見ながら、操作部27を操作してステージ1を移動させることにより所望の位置に測定領域Rを位置させる。
【0042】
そして、所望の位置に移動した場合には、操作部27を介して測定開始の指示を行う。すると、測定領域Rからの分光反射スペクトルが分光ユニット11からデータ処理部19に与えられる。図4は、このようにして測定された分光反射スペクトルの一例を示したグラフである。
【0043】
ステップS2(比較過程)
データ処理部19は、測定した分光反射スペクトルと、予め記憶しておいた第2の薄膜である銅膜F3の分光反射スペクトルとを比較し、この結果に応じて処理を分岐する。
【0044】
すなわち、このステップS2では、図3(b)の状態から研磨処理が進み、図3(c)のように研磨処理が完了して酸化膜F1が所定の開口比で表面に露出した状態であるか否かを判断するのである。研磨処理が完了していない場合には、測定した分光反射スペクトルが第2の薄膜である銅膜F3の分光反射スペクトル(図5)と一致するので、ステップS3に戻って研磨処理を行った後にステップS2に戻り、処理が完了している場合にはそれらが不一致となるので、次のステップS4に移行する。
【0045】
なお、銅膜F3のみの分光反射スペクトルは、図5に示すように、長波長側に向かうにつれて徐々に反射比率が上昇するとともに550nm付近で急激に上昇し、その後、600nm付近で緩やかな上昇カーブを描くようになっている。本実施例では、処理の簡略化を図るために、波長400〜550nmまでの分光反射スペクトルのプロファイルと、測定した分光反射スペクトルのプロファイルとを比較するようにしている。また、後述する抽出処理においてもこの波長範囲だけを対象にして処理を行っているが、比較処理や抽出処理において全波長範囲を対象に処理を行うようにしてもよい。
【0046】
このように基板Wの表面全体を銅膜F3で覆った後に酸化膜F1と銅膜F3との開口比を測定する場合には、不要な銅膜F3が除去できているか否かを、銅膜F3の分光反射スペクトルのプロファイルと比較することで判断することができる。その比較の結果、プロファイルが一致しなかった場合には銅膜F3が除去されていると判断されるので抽出処理へと移行することで、開口比の測定を適切に行うことができるようになっている。
【0047】
ステップS4(抽出過程)
ここでは、ステップS2において測定された分光反射スペクトルから第2の薄膜である銅膜F3による成分を除去して第1の薄膜である酸化膜F1の成分だけを抽出する。
【0048】
具体的には、次の(1)式によって抽出分光反射スペクトルF(λ)を算出する。なお、式中の記号λは400〜550(あるいは800)nmであり、M (λ)は測定領域Rにおける分光反射スペクトルであり、N(λ)は第2の薄膜である銅膜F3の分光反射スペクトルを表している。また、kは第1の薄膜のL&S に応じた補正係数であり、f(offset) は反射比率オフセットを表しているが、ここでは不明である。
【0049】
ΣF(λ)=Σ{M(λ)−N(λ)・k+f(offset) } ………(1)
【0050】
この(1)式により、ステップS1で測定した分光反射スペクトルM(λ)から、第2の薄膜である銅膜F3の分光反射スペクトルN(λ)を差し引いて抽出分光反射スペクトルF(λ)とするのである(イメージ的には、図4から図5を引く)。なお、本実施例における分光反射スペクトルM(λ),N(λ)は、シリコン基板Waに対する相対反射率である。
【0051】
但し、第1の薄膜である酸化膜F1と第2の薄膜である銅膜F3との線幅比L&S によって銅膜F3の影響が異なるので、その分を補うための補正係数kと、銅膜F3を含む基板W面の分光反射率スペクトルM(λ)から銅膜F3の成分を除去することで全体的に分光反射比率方向(上下方向)にシフトする傾向を補うためのオフセットf(offset) は不明である。したがって、上記の(1)式により求めた抽出分光反射スペクトルF(λ)には、これら補正係数kとオフセットf(offset) とが誤差として含まれていることになる。
【0052】
因みに、図6は、上記の(1)式により図4から図5の成分を除去して求めた、誤差を含んだ抽出分光反射スペクトルである。なお、上述した理由から、この場合に有効なのは二点鎖線で示した波長550nm以下である。
【0053】
ステップS5(作成過程)
データ処理部19は、上記のようにして求めた抽出分光反射スペクトルF(λ)のプロファイルを分析して、おおよその膜厚を求めるとともに、その膜厚における理論的な分光反射スペクトルを計算によって理論分光反射スペクトルとして算出する。
【0054】
これは図7に示すように、同じ膜質であれば、その分光反射スペクトルのプロファイルからおおよその膜厚を知ることができることを概念的に表したものである。つまり、膜厚が薄いと図7(a)のように山谷の数が少なく、膜厚が厚くなるにしたがって図(b)のように干渉が増大して山谷の数が増える特性がある。そこで、予め山谷の数およびそれらの位置などと膜厚との関連性を調べておけば、抽出分光反射スペクトルF(λ)を分析することにより理論分光反射スペクトルを求めることができるのである。
【0055】
因みに、図8は、図6に示した抽出分光反射スペクトルF(λ)の山谷の数や、それらの波長位置に基づいて求めた理論分光反射スペクトルの一例である。
【0056】
ステップS6(確認工程)
ステップS5で作成した理論分光反射スペクトルが適切であるか否かを確認し、適切であれば次のステップS7に移行シ、不適切であればステップS6に戻り先のステップS6で求めたおおよその膜厚を少し変化させた膜厚における理論分光反射スペクトルを算出する。
【0057】
理論分光反射スペクトルが適切であるか否かの判断は、例えば、抽出分光反射スペクトルおよび理論反射スペクトルの山谷の位置情報(図6,図8に示す横軸波長に対する山谷のピーク及びボトム位置など)が互いに一致しているか、若しくはその相違が基準値内であれば、理論分光反射スペクトルは適切であるとし、それ以外は不適切であるとして行われる。
【0058】
ステップS7(算出過程)
図6の抽出分光反射スペクトルF(λ)と、図8の理論分光反射スペクトルとを比較し、抽出分光反射スペクトルF(λ)のプロファイルが理論分光反射スペクトルのプロファイルに一致するように抽出分光反射スペクトルF(λ)に係数を乗じて振幅を調整する。模式的に示すと、図6中に点線及び点線矢印で示すように調整されることになる。
【0059】
ステップS8(算出過程)
係数を乗じて振幅を調整した抽出分光反射スペクトルF(λ)と、理論分光反射スペクトルの誤差を求めて、それに応じて処理を分岐する。もし、誤差が基準値を越えているならばステップS6に戻って振幅を調整し直し、基準値内であれば次のステップS8に分岐する。
【0060】
ステップS9(算出過程)
上記のステップS6、S7では振幅を調整するだけであるので、抽出分光反射スペクトルF(λ)を理論分光反射スペクトルに精度よく一致させることができない場合がある。そこで、ここでは、振幅を調整した抽出分光反射スペクトルF(λ)にオフセットを加えて微調整を行う。この処理を模式的に示すと、図6中に二点鎖線及び二点鎖線矢印で示すようになり、振幅のプロファイルをそのままに上下方向にシフトするように調整される。
【0061】
ステップS10(算出過程)
オフセットを加えることにより調整された抽出分光反射スペクトルF(λ)と、理論分光反射スペクトルとの誤差を求め、基準値に対する関係に応じて処理を分岐する。つまり、誤差が基準値より大きいならばステップS8に戻ってオフセットを調整し直し、基準値より以内であれば次のステップS10に分岐する。
【0062】
ステップS11(算出過程)
上記のステップS6〜S9により、抽出分光反射スペクトルF(λ)(図6参照)を理論分光反射スペクトル(図8参照)に合わせるように調整した。そのときの調整値である係数とオフセットとに基づいて、酸化膜F1と銅膜F3との開口比を求める。
【0063】
これは上述したように、例えば、予め記憶しておいた開口比に関する検量線データと、上記の係数とオフセットとの対応から求めるのである。
【0064】
上述したように本実施例によれば、酸化膜F1の成分だけを含む抽出分光反射スペクトルF(λ)と、計算で求められた理論分光反射スペクトルとに生じる差異に基づいて、銅膜F3による影響を求めることができる。これによって酸化膜F1と銅膜F3との開口比を求めることができる。そのため基板Wからの分光反射スペクトルを測定するという簡単な方法で酸化膜F1と銅膜F3との開口比を求めることができ、しかも非破壊で測定することができるので、容易に薄膜の開口比を求められる。
【0065】
なお、本発明は以下のように変形実施が可能である。
【0066】
(1)研磨処理が完了していることが明らかな基板を対象にして開口比測定を行う場合には、上述したステップS2,S3を実施する必要はない。
【0067】
(2)銅膜F3などの第2の薄膜を除去する処理は研磨処理に限定されず、例えば、エッチングにより第2の薄膜を除去している過程において本発明を適用してもよい。
【0068】
(3)研磨処理を行いながらインラインで開口比測定が可能なように、上述した薄膜の開口比測定装置を研磨処理装置に組み込んだ構成としてもよい。
【0069】
(4)研磨処理後(図3(c))において、第2の薄膜を銅膜だけとして、バリアメタル膜の影響を無視しているが、この分光反射スペクトルをも考慮して抽出反射分光スペクトルを算出するようにしてもよい。
【0070】
(5)上述した実施例では研磨処理後の基板の分光反射スペクトルに基づき薄膜の開口比を求めたが、研磨処理途中の基板の分光反射スペクトルに基づき開口比を求めてもよい。図9は、図3(b)に示す状態と図3(c)に示す状態の間の状態を示し、銅膜F3/バリアメタル膜F2/酸化膜F1からなる層を所定量だけ研磨し、酸化膜F1上のバリアメタル膜F2に銅膜F3が厚さF4で形成されている状態である。銅膜F3の厚さd4が例えば50μm以下になると銅膜F3中を光が透過するので、酸化膜F1およびバリアメタル膜F2の分光反射スペクトルを測定することが可能となる。この測定した分光反射スペクトルから銅膜F3およびバリアメタル膜F2の成分を除去して抽出分光反射スペクトルを算出し、これに基づいて上述のように薄膜の開口比を求めてもよい。
【0071】
図9の状態からさらに研磨処理が進み、酸化膜F1にバリアメタル膜F2のみが残っている状態においても、上述と同様に測定した分光反射スペクトルから銅膜F3およびバリアメタル膜F2の成分を除去して酸化膜F1の成分だけを抽出することができる。
【0072】
(6)上述した実施例では第1の薄膜を酸化膜と、第2の薄膜を銅膜としたが、本発明はこれらの膜種に限定されるものではないことは言うまでもない。例えば、測定波長に対する透明膜を第1の薄膜とし、金属膜などの測定波長に対する不透明膜を第2の薄膜としてもよい。また、測定領域内に複数種の透明膜が存在する場合には、その中の一つを第1の薄膜とし、他の透明膜を第2の薄膜とすることも可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の方法発明によれば、第1の薄膜の成分だけを含む抽出分光反射スペクトルと、計算で求められた理論分光反射スペクトルとの間に生じる差異に基づいて、第2の薄膜による影響を求めることができ、これにより第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を求めることができる。そのため基板からの分光反射スペクトルを測定するという簡単な方法で薄膜の開口比を求めることができ、しかも非破壊で測定することができる。したがって、容易に薄膜の開口比を求めることができる。
【0074】
また、請求項2に記載の方法発明によれば、表面が第2の薄膜により覆われている状態であるか否かに応じて処理を分岐することにより抽出分光反射スペクトルを正確に抽出することができる。したがって、開口比をより正確に求めることができる。
【0075】
また、請求項3に記載の方法発明によれば、抽出分光反射スペクトルの振幅に補正係数を乗じて理論分光反射スペクトルに合わせるように調整することにより、第1の薄膜と第2の薄膜との開口比に応じた補正係数を求めることができる。したがって、この補正係数に基づいて開口比を算出することができる。
【0076】
また、請求項4に記載の方法発明によれば、分光反射スペクトルの振幅に補正係数を乗じるとともに、これだけでは補正しきれない成分に対して、オフセットを加えて理論分光反射スペクトルに合わせるように調整する。これにより分光反射スペクトルを、理論分光反射スペクトルに対して合わせ込む調整を正確に行うことができる。したがって、第1の薄膜と第2の薄膜との開口比に応じた補正係数及びオフセットによって、より正確に開口比を算出することができる。
【0077】
また、請求項5に記載の装置発明によれば、請求項1に記載の方法発明を好適に実施することができる。
【0078】
また、請求項6に記載の装置発明によれば、請求項2に記載の方法発明を好適に実施することができる。
【0079】
また、請求項7に記載の装置発明によれば、請求項3に記載の方法発明を好適に実施することができる。
【0080】
また、請求項8に記載の装置発明によれば、請求項4に記載の方法発明を好適に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜の開口比測定装置の略構成を示したブロック図である。
【図2】本発明に係る薄膜の開口比測定方法の流れを示したフローチャートである。
【図3】基板上の測定領域における薄膜の状態を示した平面図及び縦断面図である。
【図4】測定領域からの分光反射スペクトルを示したグラフである。
【図5】銅膜からの分光反射スペクトルを示したグラフである。
【図6】銅膜の成分を除去した後の分光反射スペクトルを示したグラフである。
【図7】膜厚既知の基板を使って測定された種々の膜厚毎の分光反射スペクトルを示すグラフである。
【図8】理論的に求められた分光反射スペクトルを示したグラフである。
【図9】基板上の測定領域における薄膜の状態を示した縦断面図である。
【符号の説明】
W … 基板
Wa … シリコン基板
F1 … 酸化膜(第1の薄膜)
F3 … 銅膜(第2の薄膜)
M(λ) … 酸化膜の分光反射スペクトル
N(λ) … 銅膜の分光反射スペクトル
F(λ) … 抽出分光反射スペクトル
1 … ステージ
3 … 光源部
5 … ビームスプリッタ
11 … 分光ユニット
19 … データ処理部

Claims (8)

  1. 薄膜が形成された基板からの反射光に基づき薄膜の開口比を測定する薄膜の開口比測定方法であって、
    第1の薄膜と、この第1の薄膜とは異種であり、かつ、平面視で前記第1の薄膜の間に形成された第2の薄膜とを含む測定領域内からの分光反射スペクトルを測定する測光過程と、
    予め第2の薄膜の分光反射スペクトルを記憶しておく過程と、
    前記測光過程で測定した分光反射スペクトルから、予め記憶しておいた第2の薄膜の分光反射スペクトルを減算して前記第1の薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクトルとして抽出する抽出過程と、
    前記抽出分光反射スペクトルに基づいて前記第1の薄膜の膜厚を求め、求めた膜厚における理論的な分光反射スペクトルを理論分光反射スペクトルとして作成する作成過程と、
    前記抽出分光反射スペクトルと前記理論分光反射スペクトルとの差異に基づき第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出する算出過程と、
    を実施することを特徴とする薄膜の開口比測定方法。
  2. 第1の薄膜が形成された基板の表面を覆うとともに第1の薄膜とは異種である第2の薄膜を所定量だけ除去して、基板上に第1の薄膜および第2の薄膜を含む層を露出させる過程で、基板上の薄膜の開口比を測定する薄膜の開口比測定方法であって、
    平面視で第1の薄膜の間に形成された第2の薄膜を含む測定領域内からの分光反射スペクトルを測定する測光過程と、
    予め第2の薄膜の分光反射スペクトルを記憶しておく過程と、
    前記測光過程で測定した分光反射スペクトルと第2の薄膜の分光反射スペクトルとを比較する比較過程と、
    比較過程で測定領域内からの分光反射スペクトルと第2の薄膜の分光反射スペクトルとが不一致である場合に、測定領域内からの分光反射スペクトルから予め記憶しておいた第2の薄膜の分光反射スペクトルを減算して第1の薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクトルとして抽出する抽出過程と、
    前記抽出分光反射スペクトルに基づいて第1の薄膜の膜厚を求め、求めた膜厚における理論的な分光反射スペクトルを理論分光反射スペクトルとして作成する作成過程と、
    前記抽出分光反射スペクトルと前記理論分光反射スペクトルとの差異に基づき第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出する算出過程と、
    を実施することを特徴とする薄膜の開口比測定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の薄膜の開口比測定方法において、
    前記算出過程は、前記抽出分光反射スペクトルの振幅に係数を乗じて前記理論分光反射スペクトルに合わせるように調整し、前記係数に基づいて第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出することを特徴とする薄膜の開口比測定方法。
  4. 請求項3に記載の薄膜の開口比測定方法において、
    前記算出過程は、前記抽出分光反射スペクトルの振幅に係数を乗じるとともに、オフセットを加算して前記理論分光反射スペクトルに合わせるように調整し、前記係数及び前記オフセットに基づいて第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出することを特徴とする薄膜の開口比測定方法。
  5. 薄膜が形成された基板からの反射光に基づき薄膜の開口比を測定する薄膜の開口比測定装置であって、
    第1の薄膜と、この第1の薄膜とは異種であり、かつ、平面視で前記第1の薄膜の間に形成された第2の薄膜とを含む測定領域内からの分光反射スペクトルを測定する測光手段と、
    予め第2の薄膜の分光反射スペクトルを記憶しておく記憶手段と、
    前記測光手段で測定した分光反射スペクトルから、前記記憶手段に予め記憶しておいた第2の薄膜の分光反射スペクトルを減算して前記第1の薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクトルとして抽出する抽出手段と、
    前記抽出分光反射スペクトルに基づいて前記第1の薄膜の膜厚を求め、求めた膜厚における理論的な分光反射スペクトルを理論分光反射スペクトルとして作成する作成手段と、
    前記抽出分光反射スペクトルと前記理論分光反射スペクトルとの差異に基づき第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出する算出手段と、
    を備えたことを特徴とする薄膜の開口比測定装置。
  6. 第1の薄膜が形成された基板の表面を覆うとともに第1の薄膜とは異種である第2の薄膜を所定量だけ除去して、基板上に第1の薄膜および第2の薄膜を含む層を露出させる過程で、基板上の薄膜の開口比を測定する薄膜の開口比測定装置であって、
    予め第2の薄膜の分光反射スペクトルを記憶しておく記憶手段と、
    平面視で第1の薄膜の間に形成された第2の薄膜を含む測定領域内からの分光反射スペクトルを測定する測光手段と、
    前記測光手段で測定した分光反射スペクトルと第2の薄膜の分光反射スペクトルとを比較する比較手段と、
    測定領域内からの分光反射スペクトルと第2の薄膜の分光反射スペクトルとが不一致である場合に、測定領域内からの分光反射スペクトルから、前記記憶手段に予め記憶しておいた第2の薄膜の分光反射スペクトルを減算して第1の薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクトルとして抽出する抽出手段と、
    前記抽出分光反射スペクトルに基づいて第1の薄膜の膜厚を求め、求めた膜厚における理論的な分光反射スペクトルを理論分光反射スペクトルとして作成する作成手段と、
    前記抽出分光反射スペクトルと前記理論分光反射スペクトルとの差異に基づき第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出する算出手段と、
    を備えたことを特徴とする薄膜の開口比測定装置。
  7. 請求項5又は6に記載の薄膜の開口比測定装置において、
    前記算出手段は、前記抽出分光反射スペクトルの振幅に係数を乗じて前記理論分光反射スペクトルに合わせるように調整し、前記係数に基づいて第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出することを特徴とする薄膜の開口比測定装置。
  8. 請求項7に記載の薄膜の開口比測定装置において、
    前記算出手段は、前記抽出分光反射スペクトルの振幅に係数を乗じるとともに、オフセットを加算して前記理論分光反射スペクトルに合わせるように調整し、前記係数及び前記オフセットに基づいて第1の薄膜と第2の薄膜との開口比を算出することを特徴とする薄膜の開口比測定装置。
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