JP3681280B2 - Optical filter for display - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイの画面上に設置される光学フィルターに関するものであり、さらに詳しくは、ディスプレイの発熱が原因で起こる変色等の異常発生を抑制した光学フィルターに関するものである。ディスプレイが発熱量の大きいプラズマディスプレイパネルである場合に、特に効果を発揮するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、社会が高度化するに従って、光エレクトロニクス関連部品、機器は著しく進歩している。その中で、画像を表示するディスプレイは、従来のテレビジョン装置用に加えて、コンピューターモニター装置用等としてめざましく普及しつつある。その中でも、ディスプレイの大型化及び薄型化に対する市場要求は高まる一方である。
【0003】
最近、大型かつ薄型化を実現することが可能であるディスプレイとしてプラズマディスプレイパネル(PDP)が、注目されている。しかし、プラズマディスプレイパネルは、原理上、強い近赤外線を放出する。この近赤外線は、コードレス電話や赤外線方式のリモートコントローラ等の誤動作を引き起こす。光学フィルターはディスプレイの画面から放出される波長が800nm〜1000nmの近赤外線を遮断するために用いられ、ディスプレイの画面上に設置される。そのため光学フィルターの光線透過率は、波長が800nm〜1000nmの近赤外線に対しては低く、波長が380nm〜800nmの可視光線に対しては高いことが望ましい。また可視光域に関しては単に透過率が高いだけでなく、例えば色調等ディスプレイの映像を損なわせないだけの光学特性が必要とされる。
【0004】
近赤外線を遮断するための手段としては、(1)近赤外線を吸収する材料をフィルターを構成する材料中に混入させる。(2)近赤外線を反射する材料をフィルター表面にコーティングする。の二種類に大別される。近赤外線を吸収する材料としてはジチオール錯体化合物が挙げられ、これは近赤外線吸収色素として市販されているものである。また、近赤外線を反射する材料としては銀が知られている。 また、プラズマディスプレイパネルは、強い電磁波を装置外に放出することが知られている。電磁波は、計器に障害を及ぼすことが知られており、最近では、電磁波が人体にも障害を及ぼす可能性もあるとの報告もされている。このため、電磁波放出に関しては、法的に規制されるようになってきている。例えば、現在日本では、VCCI(Voluntary Control Council for Interference by data processing equipment electronic office machine)による規制があり、米国では、FCC(Federal Communication Commission)による製品規制がある。近年、画面から放出される電磁波を遮断する機能を併せもつ光学フィルターが開発されてきた。電磁波を遮断する機能をもつフィルターは、二種類に大別することができる。一つは、金属メッシュタイプと呼ばれているものであり、基体全面に細く金属を格子状に配置させたものである。これは、優れた電磁波遮断能力を持つが、透明性が優れずモワレ像が生じることからディスプレイフィルター用途に対して、あまり好ましくない。もう一つは、透明薄膜タイプと呼ばれているものであり、透明導電性薄膜を全面にわたって配置したものである。薄膜の材料としては抵抗率の低いものが好ましく、銀や金が適当な材料として挙げられる。なかでも銀は近赤外線反射能をも併せ持つため、適当な厚みに設計された銀薄膜を配置すれば、近赤外線遮断機能及び電磁波遮断機能をもつ光学フィルターを得ることができる。実際には銀薄膜と適当な屈折率を有する薄膜との積層により、可視光線領域の光学特性を制御した電磁波遮断機能付き光学フィルターが開発されている。このタイプは金属メッシュタイプと異なりモワレ像が生じることはなく、ディスプレイの映像性能を落とすことがない。
【0005】
透明導電性薄膜タイプの光学フィルターは、高分子成形体基板やガラス基板に透明導電性薄膜フィルムを貼り合わせてある場合が多い。このフィルムを貼り合わせる手法の利点は、薄膜形成が基材フィルムをロールに巻き取りながら連続的に行えるため量産に適している点である。また、反射率低減機能、防幻機能または調色機能を持った光学フィルムを透明導電性フィルムに組み合わせて貼り合わせることも多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
赤外線遮断能を有する光学フィルターを、プラズマディスプレイパネルの表示画面上に設置して表示体を完成させこれを点灯し長時間放置すると、光学フィルターが変色し色調が変化する不具合が発生した。これはプラズマディスプレイの長期信頼性を損なうものであり、この解決が強く求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、プラズマディスプレイパネルで生成される熱が光学フィルターに伝わり、光学フィルターの一部が加熱された結果異常が生じたことを突き止めた。光学フィルターが加熱されるのはディスプレイに近い部分の一部であり、その箇所に異常が発生してしまう。本発明者らは、光学フィルターの熱抵抗を制御することで、その異常発生を抑制できることを発見し本発明に到った。
【0008】
すなわち本発明は、(1)熱抵抗が0.005(m2・K/W)以上、0.1(m2・K/W)以下であり、かつ、ディスプレイの画面上に設置されることを特徴とする近赤外線吸収色素を含有してなるディスプレイ用光学フィルター、(2)透明な板状成形体と透明な薄膜とが積層されていることを特徴とする(1)記載のディスプレイ用光学フィルター、(3)透明な薄膜のシート抵抗が10(Ω/□)以下であることを特徴とする(2)記載のディスプレイ用光学フィルター、(4)透明な薄膜がコーティングされた高分子フィルムと、透明な板状成形体とが貼り合わされていることを特徴とする(2)乃至(3)のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルター、(5)ディスプレイがプラズマディスプレイであることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルターに関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における光学フィルターは、熱抵抗が0.005(m2・K/W)以上0.1(m2・K/W)以下である。熱抵抗をこの範囲に限定しなければならないのは、ディスプレイの連続点灯時における画面の発熱により光学フィルターが劣化するのを防止するためである。これは、表示画面からの発生熱量が大きいプラズマディスプレイの光学フィルターとして用いる場合に特に有効である。プラズマディスプレイの表示画面は連続点灯時に80℃〜90℃程度にまで達し、画面上に設置された光学フィルターを加熱させる。すなわちプラズマディスプレイパネル自体が、光学フィルターを加熱する熱源となってしまう。プラズマディスプレイパネルの連続点灯時には、プラズマディスプレイパネルとの距離が近い部分において光学フィルターが加熱されて、光学フィルターの熱抵抗が大きいと放熱されず蓄熱されることになる。この蓄熱により、近赤外線を遮断するために用いられている近赤外線吸収色素や銀薄膜が劣化し、変色等の不具合が引き起こされる。この問題は、光学フィルターの熱抵抗を上限以下とすることで解決することができるのである。
【0010】
光学フィルターの熱抵抗の下限値は0.005(m2・K/W)でなければならない。熱抵抗が0.005(m2・K/W)以下だと、ディスプレイで発生した熱が光学フィルターを通して外部にまで達し放熱性はよくなるものの、人が触れる可能性のある光学フィルターの外側までもが熱くなってしまうのである。従って光学フィルターの熱抵抗は0.005(m2・K/W)以上0.1(m2・K/W)以下とする必要がある。
【0011】
本発明を添付図面でもって説明する。図1は、本発明の実施形態の一例を示しており、光学フィルターがディスプレイの画面上に設置された様子を断面から見た図である。図1において光学フィルター10は、プラズマディスプレイパネル20の表示画面21上に設置されている。プラズマディスプレイパネルの連続点灯時にこの表示画面が80℃〜90℃にまで達し、光学フィルターの表示画面側11に伝わる。光学フィルターの熱抵抗が大きいとこの部分に蓄熱してしまい、劣化が生じるのである。逆に光学フィルターの熱抵抗が小さいと、光学フィルターの外側12までもが熱くなり、この部分は人が直接触れる可能性があるので危険である。25は光学フィルターをディスプレイの表示画面上に設置するための留め具である。
【0012】
光学フィルターの形状はディスプレイの画面上に設置するため板状が好ましい。また、十分な機械的強度を有し、軽量で割れにくいものが好ましく、基材となる材料としてはポリメタクリル酸メチルをはじめとするアクリルやポリカーボネート等の高分子材料が好適に使用できる。近赤外線を吸収して遮断する光学フィルターを製造する場合には、基材となる材料の中に近赤外線吸収色素を混入させて、平面状に成形すればよい。近赤外線の透過率は、近赤外線吸収色素の混入量により制御することができる。また近赤外線を反射させて遮断する光学フィルターを製造する場合には、板状に形成された基材の表面上に銀薄膜を形成すればよい。この場合も基材としてはポリメタクリル酸メチルやポリカーボネートといった材料が適している。近赤外線の透過率の制御及び可視光線の透過率は銀薄膜の膜厚により制御することができる。
【0013】
近赤外線吸収剤を混入させて近赤外線を吸収する方法と近赤外線を反射する薄膜を形成する方法の二つの手法を組み合わせて光学フィルターを製造しても良い。その場合には、近赤外線吸収剤を混入させて成形した基材の表面上に銀薄膜を形成すればよい。
【0014】
近赤外線を遮断するのに銀薄膜を使用するとこれを電磁波遮断にも使用することができるため、画面から電磁波を放射するプラズマディスプレイの光学フィルターとして使用するのには最適である。この場合、ディスプレイの画面上に光学フィルターを設置する時に、銀薄膜をディスプレイのアースと電気的に接続すればディスプレイの画面から放射される電磁波を減衰させることができる。この際の銀薄膜のシート抵抗値は10Ω/□以下が好ましい。シート抵抗値が高いと電磁波遮断能が低下し、電磁波遮断膜として使用できなくなる。画面サイズを大きくする場合にはシート抵抗値をさらに小さくしなければならず、42インチサイズの画面を持つプラズマディスプレイパネルに使用する場合には2Ω/□以下が好ましい。シート抵抗値は銀薄膜の膜厚により決定されるので、光学特性を損なわない範囲で膜厚を制御すればよい。
【0015】
銀は近赤外線を反射すること、導電性に優れること、の二点において本発明の光学フィルターを構成する薄膜材料として最適なものであるが、高湿下における耐久性が低いという欠点を有する。この欠点を改良するために、銀に金、パラジウム、白金、銅等の貴金属を1重量%〜50重量%ドープさせてもよい。貴金属のドープにより銀の光学特性は若干変化するが、高湿下における耐久性を飛躍的に向上させることができる。
【0016】
また、銀と屈折率の異なる材料を適当な構成で積層させることにより可視光透過率の波長分散を制御できることが知られている。屈折率の異なる材料としては、波長550nmの光線に対する屈折率が1.4以上で可視光領域での吸収が小さく波長が400nm〜700nmの光線に対する透過率が60%以上の材料が好ましい。具体的には、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化シリコン、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化亜鉛等の酸化物が挙げられる。なかでも酸化スズをドープした酸化インジウム、酸化アルミニウムを酸化亜鉛、酸化アンチモンをドープした酸化スズは屈折率が2.0以上と大きいのに加え、導電性も有しているので最適な材料である。可視光領域での波長分散を制御するのに適した積層構成を列挙すれば、A/b/c/b、A/b/c/b/c/b、A/b/c/b/c/b/c/b、A/b/c/b/c/b/c/b/c/b、A/b/c/b/c/b/c/b/c/b/c/b等である。ここでAは基材、bは酸化物薄膜、cは銀薄膜を表している。
【0017】
銀薄膜や酸化物薄膜の成膜は真空蒸着法やスパッタリング法といった従来からよく知られている手法により行えばよい。真空蒸着法では、所望の材料を蒸着源として使用し、抵抗加熱、電子ビーム加熱等により、加熱蒸着させることで、簡便に金属薄膜を形成することができる。また、スパッタリング法を用いる場合は、ターゲットに所望の材料を用いて、スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガスを使用し、直流スパッタリング法や高周波スパッタリング法を用いて金属薄膜を形成することができる。酸化物薄膜を成膜する場合にはスパッタリングガス中に酸素を混合し酸素と反応させながら成膜してもよい。成膜速度を上昇させるために、直流マグネトロンスパッタリング法や高周波マグネトロンスパッタリング法が用いられることも多い。
【0018】
基材は板状の成形体を使用すればよく、アクリル板やポリカーボネート板が基材として使用できる。板状成形体には、表面の硬度または密着性を増す等の理由でハードコート層が設けられることが多い。ハードコート層材料としては、アクリレート樹脂またはメタクリレート樹脂が用いられる場合が多いが、特に限定されるわけではない。またハードコート層の形成方法は、紫外線硬化法または重合転写法が用いられる場合が多いが、特にこれに限定されるわけではない。重合転写法は、対象となる材料が、メタクリレート樹脂等セルキャスト重合ものに限定されるが、連続製版方式によって非常に生産性良く、ハードコート層を形成することができる。このため、重合転写法によるメタクリレート樹脂層形成は、最も好適に用いられるハードコート層形成手法である。
【0019】
銀薄膜を形成する蒸着法やスパッタリング法は真空容器を必要とする手法であるため、大きなサイズの板状成形体に全面にわたって均質な銀薄膜を直接成膜することが困難な場合がある。そのような場合には巻き取り可能な高分子フィルムにロール・ツ・ロールで銀薄膜を形成した後、これを板状成形体に貼り合わせればよい。高分子フィルムの材料は、透明性があれば特に制限はない。具体的に例示すると、ポリイミド、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。なかでもポリエチレンテレフタレート(PET)及びトリアセチルセルロース(TAC)は、特に好適に用いられる。図2は、このようにして製造した光学フィルターの構成を断面方向から見た図である。高分子フィルム31の表面上に銀薄膜30を形成し、板状成形体33に粘着剤32でもって貼り合わせ光学フィルターを完成した。高分子フィルムはロール状に巻き取ることができるので、銀薄膜形成の大量加工に適している。
【0020】
板状成形体と透明導電性薄膜付きフィルムとを貼り合わせるのに用いられる粘着材は、できるだけ透明なものが好ましい。使用可能な粘着剤を例示すると、アクリル系粘着材、シリコン系粘着材、ウレタン系粘着材、ポリビニルブチラール粘着材(PVB)、エチレンー酢酸ビニル系粘着材(EVA)等である。中でもアクリル系粘着材は、透明性及び耐熱性に優れるために特に好適に用いられる。また、フィルムまたはシート状の誘電体を光学フィルターに貼り合わせる場合にも同じ粘着剤を使用することができる。
【0021】
粘着材の形態は、大きく分けてシート状のものと液状のものに分けられる。シート状粘着材は、通常、感圧型であり、貼り付け後に各部材をラミネートする事によって貼り合わせを行う。液状粘着材は、塗布貼り合わせ後に室温放置または加熱により硬化させるものであり、粘着材の塗布方法としては、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ロールコート法等が挙げられ、粘着材の種類、粘度、塗布量等から考慮選定される。粘着材層の厚みに特に制限はないが、0.5〜50μm、好ましくは、1〜30μmである。粘着材を用いて貼り合わせを行った後は、貼り合わせた時に入り込んだ気泡を脱法させたり、粘着材に固溶させ、さらには部材間の密着力を向上させるために、加圧、加温条件下にて養生を行うことが好ましい。この時、加圧条件としては、一般的に数気圧〜20気圧程度であり、加温条件としては、各部材の耐熱性にも依るが、一般的には室温以上、80℃以下である。
【0022】
本発明において粘着剤を使用した貼り合わせ方法に特に制限はない。通常は、高分子フィルムに粘着材を貼り付け、その上を離型フィルムで覆ったものをロール状態であらかじめ用意しておき、ロールから高分子成形フィルムを繰り出しながら、離型フィルムをはがしていき、高分子成形体基板上へ貼り付け、ロールで押さえつけながら貼り付けていく。貼り合わせられたフィルム上に重ねて貼り合わせる場合も同様である。
【0023】
光学フィルターの熱抵抗は、厚さや貼り合わせ枚数を変化させることにより制御することができる。板状試料の熱抵抗R(m2・K/W)は、その材料の熱伝導率λ(W/(m・K))と厚さd(m)とから(1)式により算出できる。
【0024】
R(m2・K/W)=d(m)/λ(W/(m・K)) (1)
熱抵抗を変化させる簡便な手法は厚さd(m)を制御することであるが、厚さの設定は機械的強度を十分保ち、重量もあまり重くならない範囲でなければならない。厚さを変化させるだけでは熱抵抗を所望の範囲に設定し難い場合には、高分子フィルムの貼り合わせにより熱抵抗を変化させることができる。異なる材料を貼り合わせることになるため(1)の熱伝導率λ(W/(m・K))を変化させることができるからである。
【0025】
熱抵抗の測定は、ASTM C−518やJIS A−1412に記載された、平板直接法、平板比較法、平板熱流計法、保護熱板熱流計法のいずれかに準拠した方法で測定することができる。これらの方法に準拠した方法で熱抵抗を簡便に測定することのできる装置が市販されている。
上記の方法により作製した、光学フィルターの層構成及び各層の状態は、断面の光学顕微鏡測定、走査型電子顕微鏡(SEM)測定、透過型電子顕微鏡測定(TEM)を用いて調べることができる。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレートペレット1203(ユニチカ(株)製)に下記式(1)[化1]で示されるジオール錯体を0.3重量%混合し、260℃〜280℃で溶融させ、押し出し機により厚み100μmのフィルムを作製し、その後このフィルムを2軸延伸して、厚み50μmの色素フィルムを作製した。
この色素フィルムを、厚さ3mmのポリメタクリル酸メチル板(三菱レイヨン(株)製)にアクリル系粘着剤を介して貼り合わせディスプレイ用光学フィルターを完成させた。大きさは42型ワイドディスプレイの画面に装着できる大きさとした。
【0027】
【化1】
【0028】
(実施例2)無色透明な厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、ターゲットインジウムを、スパッタガスにアルゴン酸素混合ガス(全圧266mPa、酸素分圧80mPa)を用いて酸化インジウム薄膜を、ターゲットに銀を、スパッタガスにアルゴンガス(全圧266mPa)を用いて銀薄膜を、マグネトロン直流スパッタリング法により、酸化インジウム薄膜40nm、銀薄膜10nm、酸化インジウム薄膜70nm、銀薄膜10nm、酸化インジウム薄膜40nm、銀薄膜10nm、酸化インジウム薄膜70nm、銀薄膜10nm、酸化インジウム薄膜40nm、銀薄膜10nm、酸化インジウム薄膜40nmの順に積層し、積層フィルムを作製した。
【0029】
(実施例3)
厚さ3mmのポリメタクリル酸メチル板の一方の面に、実施例1で作製した色素フィルムを、もう一方の面に実施例2で作製した積層フィルムをアクリル系粘着剤を用いて貼り合わせディスプレイ用光学フィルターを完成させた。
【0030】
(実施例4)
ポリメタクリル酸メチル板の厚さを7mmに変更した以外は実施例3と同じ手法でディスプレイ用光学フィルターを完成させた。
【0031】
(実施例5)
ポリメタクリル酸メチル板の厚さを1.5mmに変更した以外は実施例3と同じ手法でディスプレイ用光学フィルターを完成させた。
【0032】
(比較例1)
ポリメタクリル酸メチル板の厚さを1mmに変更した以外は実施例3と同じ手法によりディスプレイ用光学フィルターを完成させた。
【0033】
(比較例2)
厚さ7mmのポリメタクリル酸メチル板を厚さ7mmのポリカーボネート板に変更した以外は実施例3と同じ手法によりディスプレイ用光学フィルターを完成させた。
【0034】
以上の手法により作製したディスプレイ用光学フィルターの熱抵抗を、ASTM C−518に準拠した熱伝導率測定装置(英弘精機(株)製 型番:HC−072)を使用して、熱流計法により測定した。なお、高温板側温度は40℃、低温板側温度は10℃とした。
【0035】
次に、ディスプレイ用光学フィルターを42型ワイドプラズマディスプレイパネルの画面上に面同士を接触させて装着し、ディスプレイを点灯させ放置した。点灯後500時間経過後、ディスプレイ用光学フィルターをプラズマディスプレイ画面から取り外し、目視で変色等異常の有無を調べた。その結果を[表1]にまとめた。
【0036】
【表1】
[表1]から本発明のディスプレイ光学フィルターは、プラズマディスプレイの画面上に設置して長時間使用しても外観不良の発生しないものであることが分かる。
【0037】
【発明の効果】
ディスプレイ長期点灯時において、ディスプレイ表示画面上に設置する光学フィルターの劣化を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明のディスプレイ光学フィルターの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 本発明のディスプレイ用光学フィルター
11 ディスプレイ用光学フィルターの表示画面側
12 ディスプレイ用光学フィルターの外側
20 ディスプレイ
21 ディスプレイの表示画面
25 ディスプレイ用光学フィルターを取り付けるための留め具
30 銀薄膜
31 高分子フィルム
32 粘着剤
33 板状成形体[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an optical filter installed on the screen of a display, and more particularly to an optical filter that suppresses the occurrence of abnormalities such as discoloration caused by heat generation of the display. This is particularly effective when the display is a plasma display panel that generates a large amount of heat.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the advancement of society, optoelectronic-related parts and devices have made remarkable progress. Among them, a display for displaying an image has been remarkably spread for a computer monitor device and the like in addition to a conventional television device. Among them, market demands for increasing the size and thickness of displays are increasing.
[0003]
Recently, a plasma display panel (PDP) has attracted attention as a display that can be made large and thin. However, in principle, the plasma display panel emits strong near infrared rays. This near infrared ray causes malfunction of a cordless telephone or an infrared remote controller. The optical filter is used to block near-infrared light having a wavelength of 800 nm to 1000 nm emitted from the display screen, and is installed on the display screen. Therefore, the light transmittance of the optical filter is desirably low for near infrared rays having a wavelength of 800 nm to 1000 nm and high for visible rays having a wavelength of 380 nm to 800 nm. Further, the visible light region requires not only high transmittance but also optical characteristics such as color tone that do not impair the image of the display.
[0004]
As means for blocking near infrared rays, (1) a material that absorbs near infrared rays is mixed into the material constituting the filter. (2) The filter surface is coated with a material that reflects near infrared rays. It is roughly divided into two types. Examples of the material that absorbs near infrared rays include dithiol complex compounds, which are commercially available as near infrared absorbing dyes. Silver is known as a material that reflects near infrared rays. Moreover, it is known that a plasma display panel emits strong electromagnetic waves outside the apparatus. Electromagnetic waves are known to cause damage to instruments, and recently, it has been reported that electromagnetic waves may also damage the human body. For this reason, electromagnetic wave emission has been legally regulated. For example, in Japan, there is a regulation by VCCI (Voluntary Control Council for Interference by data processing equipment electronic machinery machine), and in the United States by FCC (Federal Communications). In recent years, optical filters having a function of blocking electromagnetic waves emitted from a screen have been developed. Filters having a function of blocking electromagnetic waves can be roughly classified into two types. One is called a metal mesh type, in which thin metals are arranged in a lattice pattern on the entire surface of the substrate. This has an excellent electromagnetic wave shielding ability, but is not so preferable for display filter applications because it has poor transparency and produces a moire image. The other is called a transparent thin film type in which a transparent conductive thin film is arranged over the entire surface. As a material for the thin film, a material having a low resistivity is preferable, and silver or gold is a suitable material. In particular, since silver also has near-infrared reflectivity, an optical filter having a near-infrared blocking function and an electromagnetic wave blocking function can be obtained by arranging a silver thin film designed to have an appropriate thickness. Actually, an optical filter with an electromagnetic wave shielding function has been developed in which the optical characteristics in the visible light region are controlled by laminating a silver thin film and a thin film having an appropriate refractive index. Unlike the metal mesh type, this type does not produce a moire image and does not degrade the video performance of the display.
[0005]
A transparent conductive thin film type optical filter often has a transparent conductive thin film bonded to a polymer molded body substrate or a glass substrate. The advantage of this method of laminating films is that thin film formation can be performed continuously while winding the substrate film on a roll, which is suitable for mass production. In addition, an optical film having a reflectance reduction function, an antiglare function or a color matching function is often combined with a transparent conductive film.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
When an optical filter having an infrared blocking ability was installed on the display screen of a plasma display panel to complete a display body, and this was turned on and left for a long time, the optical filter changed color and the color tone changed. This impairs the long-term reliability of the plasma display, and there has been a strong demand for this solution.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors conducted heat as a result of the heat generated in the plasma display panel being transmitted to the optical filter and heating a part of the optical filter. I found out. The optical filter is heated in a part of the portion close to the display, and an abnormality occurs in that portion. The present inventors have found that the occurrence of abnormality can be suppressed by controlling the thermal resistance of the optical filter, and have arrived at the present invention.
[0008]
That is, according to the present invention, (1) the thermal resistance is 0.005 (m 2 · K / W) or more and 0.1 (m 2 · K / W) or less and installed on the screen of the display. (2) A display optical filter comprising a near-infrared absorbing dye , characterized in that : (2) a transparent plate-like molded article and a transparent thin film are laminated; (3) The optical filter for display according to (2), wherein the sheet resistance of the transparent thin film is 10 (Ω / □) or less, (4) a polymer film coated with the transparent thin film, (2) The optical filter for display according to any one of (2) to (3), wherein the display is a plasma display. The present invention relates to the optical filter for display according to any one of (1) to (4).
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The optical filter of the present invention has a thermal resistance of 0.005 (m 2 · K / W) or more and 0.1 (m 2 · K / W) or less. The reason why the thermal resistance must be limited to this range is to prevent the optical filter from deteriorating due to heat generated on the screen when the display is continuously lit. This is particularly effective when used as an optical filter for a plasma display that generates a large amount of heat from the display screen. The display screen of the plasma display reaches about 80 ° C. to 90 ° C. during continuous lighting, and the optical filter installed on the screen is heated. That is, the plasma display panel itself becomes a heat source for heating the optical filter. During continuous lighting of the plasma display panel, the optical filter is heated at a portion close to the plasma display panel, and if the thermal resistance of the optical filter is large, the heat is stored without being dissipated. Due to this heat storage, near-infrared absorbing pigments and silver thin films used to block near-infrared rays deteriorate and cause problems such as discoloration. This problem can be solved by setting the thermal resistance of the optical filter below the upper limit.
[0010]
The lower limit of the thermal resistance of the optical filter must be 0.005 (m 2 · K / W). If the thermal resistance is 0.005 (m 2 · K / W) or less, the heat generated in the display reaches the outside through the optical filter, improving heat dissipation, but even outside the optical filter that may be touched by humans. Will become hot. Therefore, the thermal resistance of the optical filter needs to be 0.005 (m 2 · K / W) or more and 0.1 (m 2 · K / W) or less.
[0011]
The present invention will be described with reference to the accompanying drawings. FIG. 1 shows an example of an embodiment of the present invention, and is a view of a state in which an optical filter is installed on a screen of a display, as viewed from a cross section. In FIG. 1, the
[0012]
The optical filter is preferably in the form of a plate because it is placed on the display screen. In addition, a material that has sufficient mechanical strength, is lightweight, and is difficult to break, and a polymer material such as acrylic or polycarbonate including polymethyl methacrylate can be suitably used as a material for the base material. In the case of producing an optical filter that absorbs and blocks near infrared rays, a near infrared absorbing dye may be mixed in the material to be a base material and formed into a planar shape. The near infrared transmittance can be controlled by the amount of the near infrared absorbing dye mixed therein. When an optical filter that reflects and blocks near-infrared rays is produced, a silver thin film may be formed on the surface of the substrate formed in a plate shape. In this case as well, a material such as polymethyl methacrylate or polycarbonate is suitable as the substrate. Control of near infrared transmittance and visible light transmittance can be controlled by the film thickness of the silver thin film.
[0013]
The optical filter may be manufactured by combining two methods of mixing a near infrared absorber to absorb near infrared rays and forming a thin film that reflects near infrared rays. In that case, a silver thin film may be formed on the surface of a base material formed by mixing a near infrared absorber.
[0014]
If a silver thin film is used to block near-infrared rays, it can also be used to block electromagnetic waves, so it is optimal for use as an optical filter for a plasma display that emits electromagnetic waves from a screen. In this case, when the optical filter is installed on the screen of the display, electromagnetic waves radiated from the screen of the display can be attenuated by electrically connecting the silver thin film to the ground of the display. At this time, the sheet resistance value of the silver thin film is preferably 10 Ω / □ or less. When the sheet resistance value is high, the electromagnetic wave shielding ability is lowered, and the sheet cannot be used as an electromagnetic wave shielding film. When the screen size is increased, the sheet resistance value must be further decreased, and when it is used for a plasma display panel having a 42-inch screen, it is preferably 2Ω / □ or less. Since the sheet resistance value is determined by the film thickness of the silver thin film, the film thickness may be controlled within a range that does not impair the optical characteristics.
[0015]
Silver is optimal as a thin film material constituting the optical filter of the present invention in that it reflects near infrared rays and is excellent in electrical conductivity, but has a drawback of low durability under high humidity. In order to improve this defect, silver may be doped with 1 to 50% by weight of a noble metal such as gold, palladium, platinum or copper. Although the optical properties of silver are slightly changed by doping with noble metals, the durability under high humidity can be remarkably improved.
[0016]
It is also known that the wavelength dispersion of visible light transmittance can be controlled by laminating materials having different refractive indexes from silver in an appropriate configuration. As a material having a different refractive index, a material having a refractive index of 1.4 or more for a light beam having a wavelength of 550 nm, a small absorption in the visible light region, and a transmittance of 60% or more for a light beam having a wavelength of 400 nm to 700 nm is preferable. Specific examples include oxides such as titanium oxide, indium oxide, tin oxide, silicon oxide, antimony oxide, aluminum oxide, bismuth oxide, and zinc oxide. Among them, indium oxide doped with tin oxide, zinc oxide with aluminum oxide, and tin oxide doped with antimony oxide are optimal materials because they have a high refractive index of 2.0 or more and also have conductivity. . The laminated structures suitable for controlling the chromatic dispersion in the visible light region are listed as A / b / c / b, A / b / c / b / c / b, A / b / c / b / c. / B / c / b, A / b / c / b / c / b / c / b / c / b, A / b / c / b / c / b / c / b / c / b / c / b Etc. Here, A represents a base material, b represents an oxide thin film, and c represents a silver thin film.
[0017]
The silver thin film or the oxide thin film may be formed by a well-known method such as a vacuum evaporation method or a sputtering method. In the vacuum deposition method, a metal thin film can be easily formed by using a desired material as a deposition source and performing heat deposition by resistance heating, electron beam heating, or the like. In the case of using a sputtering method, a metal thin film can be formed by using a desired material for a target, an inert gas such as argon or neon as a sputtering gas, and a direct current sputtering method or a high frequency sputtering method. it can. When forming an oxide thin film, the film may be formed while mixing oxygen in a sputtering gas and reacting with oxygen. In order to increase the deposition rate, a direct current magnetron sputtering method or a high frequency magnetron sputtering method is often used.
[0018]
The substrate may be a plate-shaped molded body, and an acrylic plate or a polycarbonate plate can be used as the substrate. The plate-shaped molded body is often provided with a hard coat layer for the reason of increasing the surface hardness or adhesion. As the hard coat layer material, an acrylate resin or a methacrylate resin is often used, but is not particularly limited. The hard coat layer is often formed by an ultraviolet curing method or a polymerization transfer method, but is not particularly limited thereto. In the polymerization transfer method, a target material is limited to a cell cast polymerization material such as a methacrylate resin, but a hard coat layer can be formed with very high productivity by a continuous plate-making method. For this reason, formation of a methacrylate resin layer by a polymerization transfer method is a hard coat layer formation method that is most suitably used.
[0019]
Since the vapor deposition method and the sputtering method for forming a silver thin film are techniques that require a vacuum vessel, it may be difficult to directly form a uniform silver thin film over the entire surface of a large-sized plate-shaped molded body. In such a case, after forming a silver thin film with a roll-to-roll on a rollable polymer film, this may be bonded to a plate-shaped molded body. The material of the polymer film is not particularly limited as long as it has transparency. Specifically, polyimide, polysulfone (PSF), polyethersulfone (PES), polyethylene terephthalate (PET), polymethylene methacrylate (PMMA), polycarbonate (PC), polyetheretherketone (PEEK), polypropylene (PP ), Triacetylcellulose (TAC) and the like. Among these, polyethylene terephthalate (PET) and triacetyl cellulose (TAC) are particularly preferably used. FIG. 2 is a view of the configuration of the optical filter manufactured in this way as seen from the cross-sectional direction. The silver
[0020]
The adhesive material used for bonding the plate-shaped body and the film with a transparent conductive thin film is preferably as transparent as possible. Examples of usable adhesives include acrylic adhesives, silicon adhesives, urethane adhesives, polyvinyl butyral adhesives (PVB), ethylene-vinyl acetate adhesives (EVA), and the like. Among these, acrylic pressure-sensitive adhesive materials are particularly preferably used because they are excellent in transparency and heat resistance. The same adhesive can also be used when a film or sheet-like dielectric is bonded to an optical filter.
[0021]
The form of the adhesive material is roughly divided into a sheet form and a liquid form. The sheet-like pressure-sensitive adhesive material is usually a pressure-sensitive type, and bonding is performed by laminating each member after bonding. The liquid adhesive material is cured by being left at room temperature after application and bonding or by heating. Examples of the application method of the adhesive material include a bar coating method, a reverse coating method, a gravure coating method, a roll coating method, and the like. Selected based on the type, viscosity, and coating amount. Although there is no restriction | limiting in particular in the thickness of an adhesive material layer, It is 0.5-50 micrometers, Preferably, it is 1-30 micrometers. After bonding using an adhesive material, pressurization and heating are performed in order to eliminate the air bubbles that have entered during bonding, dissolve in the adhesive material, and improve the adhesion between the members. Curing is preferably performed under conditions. At this time, the pressurizing condition is generally about several to 20 atm, and the heating condition is generally room temperature or higher and 80 ° C. or lower, although it depends on the heat resistance of each member.
[0022]
There is no restriction | limiting in particular in the bonding method using an adhesive in this invention. Usually, an adhesive material is pasted on a polymer film and the release film is covered with a release film in advance, and the release film is peeled off while feeding the polymer molded film from the roll. Then, affixing on the polymer molded body substrate and pressing with a roll. The same applies to the case where the films are laminated and bonded together.
[0023]
The thermal resistance of the optical filter can be controlled by changing the thickness and the number of bonded sheets. The thermal resistance R (m 2 · K / W) of the plate-like sample can be calculated by the equation (1) from the thermal conductivity λ (W / (m · K)) and the thickness d (m) of the material.
[0024]
R (m 2 · K / W) = d (m) / λ (W / (m · K)) (1)
A simple method for changing the thermal resistance is to control the thickness d (m). However, the thickness should be set within a range in which the mechanical strength is sufficiently maintained and the weight is not so heavy. When it is difficult to set the thermal resistance within a desired range simply by changing the thickness, the thermal resistance can be changed by laminating the polymer film. This is because, since different materials are bonded together, the thermal conductivity λ (W / (m · K)) of (1) can be changed.
[0025]
The measurement of thermal resistance should be measured by a method based on any of the flat plate direct method, flat plate comparison method, flat plate heat flow meter method and protective hot plate heat flow meter method described in ASTM C-518 and JIS A-1412. Can do. Devices that can easily measure thermal resistance by a method based on these methods are commercially available.
The layer configuration of the optical filter and the state of each layer produced by the above method can be examined using cross-sectional optical microscope measurement, scanning electron microscope (SEM) measurement, and transmission electron microscope measurement (TEM).
[0026]
【Example】
Next, the present invention will be specifically described with reference to examples.
(Example 1)
Polyethylene terephthalate pellets 1203 (manufactured by Unitika Ltd.) are mixed with 0.3% by weight of a diol complex represented by the following formula (1) [Chemical Formula 1], melted at 260 ° C. to 280 ° C., and extruded to a thickness of 100 μm. A film was prepared, and then the film was biaxially stretched to prepare a dye film having a thickness of 50 μm.
This dye film was bonded to a polymethyl methacrylate plate (manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.) having a thickness of 3 mm via an acrylic adhesive to complete an optical filter for display. The size is such that it can be mounted on a 42-inch wide display screen.
[0027]
[Chemical 1]
[0028]
(Example 2) An indium oxide thin film is formed on one surface of a colorless and transparent polyethylene terephthalate film having a thickness of 50 μm using a target indium and an argon-oxygen mixed gas (total pressure 266 mPa, oxygen partial pressure 80 mPa) as a sputtering gas. A silver thin film using silver as a target and argon gas (total pressure of 266 mPa) as a sputtering gas, an indium oxide thin film 40 nm, a silver
[0029]
(Example 3)
A laminated film prepared in Example 2 on one side of a polymethyl methacrylate plate having a thickness of 3 mm and a laminated film prepared in Example 2 on the other side are bonded to each other using an acrylic adhesive. An optical filter was completed.
[0030]
(Example 4)
An optical filter for display was completed in the same manner as in Example 3 except that the thickness of the polymethyl methacrylate plate was changed to 7 mm.
[0031]
(Example 5)
An optical filter for display was completed in the same manner as in Example 3 except that the thickness of the polymethyl methacrylate plate was changed to 1.5 mm.
[0032]
(Comparative Example 1)
An optical filter for display was completed by the same method as in Example 3 except that the thickness of the polymethyl methacrylate plate was changed to 1 mm.
[0033]
(Comparative Example 2)
An optical filter for display was completed by the same method as in Example 3 except that the polymethyl methacrylate plate having a thickness of 7 mm was changed to a polycarbonate plate having a thickness of 7 mm.
[0034]
The thermal resistance of the optical filter for display produced by the above method is measured by a heat flow meter method using a thermal conductivity measuring device (Eihiro Seiki Co., Ltd. model number: HC-072) based on ASTM C-518. did. The high temperature plate side temperature was 40 ° C., and the low temperature plate side temperature was 10 ° C.
[0035]
Next, the optical filter for display was mounted on the screen of a 42-inch wide plasma display panel with the surfaces in contact with each other, and the display was turned on and left. After 500 hours from lighting, the optical filter for display was removed from the plasma display screen, and the presence or absence of abnormalities such as discoloration was examined visually. The results are summarized in [Table 1].
[0036]
[Table 1]
From [Table 1], it can be seen that the display optical filter of the present invention does not cause appearance defects even when installed on the screen of a plasma display and used for a long time.
[0037]
【The invention's effect】
Suppresses the deterioration of the optical filter installed on the display screen when the display is lit for a long time.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing an example of a display optical filter of the present invention.
[Explanation of symbols]
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