JP3680903B2 - 面光源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、点又は線状光源からの光を面状に拡げて出射させる面光源装置に係り、特に、屋内等の照明に適用可能な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の面光源装置の光源として、半導体を用いた固体発光素子であるLEDが広く用いられており、LEDは小型、高輝度で、電気−光変換効率が高く長寿命であるといった特長を有し、電光掲示板や各種機器の液晶(LCD)のバックライト等に用いられている。もともと点光源であるLEDを光源とする面光源装置は、導光板を用いることにより面光源に変換している。
【0003】
従来の面光源装置を図11の斜視図及び図12の断面図により示す。面光源装置100は、光を閉じ込めるための導光板2と、発光部3と、反射板4とから構成されている。導光板2は、ポリカーボネイト樹脂やメタクリル樹脂等の透明で屈折率の大きな樹脂により成形されており、導光板2の下面には凹凸加工や拡散反射インクのドット印刷等によって拡散パターンPが形成されている。発光部3は、回路基板3a上に複数の発光ダイオード(LED)等のいわゆる点光源3bを実装したものであって、導光板2の側面(光入射面7)に対向している。反射板4は、反射率の高い、例えば白色樹脂シートによって形成されており、両面テープ12によって両側部を導光板2の下面に貼り付けられている。
【0004】
しかして、図12に示すように、発光部3から出射されて光入射面7から導光板2の内部に導かれた光fは、導光板2内部で全反射することによって導光板2内部に閉じ込められる。導光板2内部の光fは、拡散パターンPに入射すると、拡散反射され、光出射面6へ向けて全反射の臨界角よりも小さな角度で反射された光fが、光出射面6から外部へ取り出される。また、導光板2下面の拡散パターンPの存在しない箇所を透過した光fは、反射板4によって反射されて、再び導光板2内部へ戻るので、導光板2下面からの光量損失を防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような面光源装置を、屋内等の照明分野で利用することも考えられている。具体的には、省エネルギー効率が高い上に、丈夫で長持ちする新しいタイプの室内照明装置(将来のあかり)の開発が望まれており、そのために、LEDを室内照明器具として活用することで、消費電力を白熱灯のほぼ1/8、蛍光灯のほぼ1/2に抑えると共に、耐用年数も高めるとの構想である。
【0006】
しかしながら、上述したような、液晶(LCD)のバックライト等に用いられる面光源装置は、そのサイズが高々6インチ(15.2cm)程度のものである。それに比べて、一般の室内照明器具では、広範囲を均一に照明できる面光源である必要があり、数メートル(m)サイズの大きさが要求される。すなわち、室内照明の場合には、導光板のサイズが、従来のバックライトの場合に比べて10倍以上の大きさとなる。また、導光板の出射パターンと光の取り込み口の作成精度が要求される。
【0007】
上述した従来の拡散パターン付き導光板は、エッチング等によってパターンを作製した原盤をもとに、金型を起こし、射出成型によって作製するか、導光板に拡散反射インクドットをプリントすることによって作製されてきた。そして、金型による作製が可能であるため、出射パターンや光の取り込み口は、導光板と一体になっていた。ところが、数mサイズの大きな面積を有する導光板となると、大きい金型が必要となり、そのような金型を作製することや、大きい導光板自体に精度良くパターンをプリントすることが困難となり、従来の構成・方法では作製が困難になる。また、要求される作製精度の異なる光の取り込み口と導光板部分を一体で作製すると、取り込み口を精度良く作製することができなくなり、出射光の輝度の均一化が困難となる。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、光の取り込み口をモジュール化し、導光板とは別に作製することにより、光の取り込み口のみを高精度で作製すればよく、結果的に大型の導光板を容易かつ安価に作製することができ、出射光の輝度を均一にでき、室内用LED照明装置に好適な面光源装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、点又は線状光源からの光を面状に拡げて出射させる面光源装置であって、前記光源は、導光性材料の内部にLEDを備えた光源モジュールから成り、光拡散作用を持つパターンを形成した導光板と、透明媒体から成り前記導光板の厚みよりも薄い光取り込み口モジュールとを備え、前記導光板に形成された切り欠きに前記光取り込み口モジュールが嵌合されるとともに、前記光取り込み口モジュールに形成された切り欠きに前記光源モジュールが嵌合されることにより、全体が平板状に一体化されて成るものである。
この構成においては、導光板への光の取り込み口がモジュール化され、この光取り込み口モジュールを導光板とは別に作製すればよいので、光取り込み口モジュールのみを高精度に作製すればよく、導光板部分の作製は簡単に行え、結果的に大型の導光板を容易かつ安価に作製することができる。
【0010】
また、前記光取り込み口モジュールと導光板との境界面の形状は、光源から発する光線が境界面で全反射しないようにしたものである。この構成においては、光取り込み口モジュールと導光板との境界面での光伝播ロスが少なくなり、効率の向上が図れる。
【0011】
また、前記光取り込み口モジュールと導光板との間は透明樹脂で埋められているものである。この構成においては、光取り込み口モジュールと導光板との境界面での光の反射が少なくなり、効率の向上が図れる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の面光源装置の一実施形態による導光型照明装置の概略外観図である。導光型照明装置1は、透明アクリル樹脂等でなる導光板2と、点又は線状の光源モジュール3と、この光源モジュール3からの光を導光板2の端面(光入射面)から入射させる透明媒体から成る光取り込み口モジュール13とから構成され、光源モジュール3は光取り込み口モジュール13に光が入射するように配置されている。導光板2には、光拡散作用を持つパターンが形成されていて、導光板2の全面から均一に光を出射する機能を持つ。
【0014】
光源モジュール3には、白色又はR,G,Bの3色を混合するLEDアレイから成るLEDモジュールを用いればよい。さらに、紫外線を出すLEDを蛍光管に封入して白色光を発光するものを用いてもよい。また、この導光型照明装置1は、室内の天井に貼り付けて用いられたり、看板用に用いられ、特に、将来のLED室内照明装置として、省エネルギー、耐用年数が長く、小型、軽量であり、点灯や消灯の速度が早い等の利点がある。室内の天井に貼り付ける場合、導光板2の片側面に反射板を取り付け、この反射板を天井面に固定すればよい。導光板2のサイズは、例えば1m×1mのものを用い、厚みは10mm程度である。図で破線部は、光源モジュール3と光取り込み口モジュール13と導光板2との境界面での光漏れを防止するための反射板取り付け位置を示す。
【0015】
図2は同装置の光取り込み部の拡大図、図3は図2のA−A´線断面図である。導光板2には、光取り込み口モジュール13が嵌合される切り欠きが形成されると共に光源モジュール3を係止するための係合爪14及び下面を保持する係止片15が設けられ、光取り込み口モジュール13には、光源モジュール3が嵌合される切り欠きが形成されている。光源モジュール3が光取り込み口モジュール13を挟んで導光板2に係合爪14により装着されることで、全体を一体化することができる。光源モジュール3は点又は線光源であり、放射状に光が拡がり、光取り込み口モジュール13と導光板2とは、ベクター放射結合とされている。
【0016】
この構造により、導光板2への光の取り込み口がモジュール化され、この光取り込み口モジュール13は導光板2とは別に作製すればよいので、高精度が要求される同モジュールのみを精度良く作製すればよく、従って、導光板2の作製は簡単に行え、結果的に大型の導光板を容易かつ安価に作製することができる。
【0017】
導光型照明装置1の光出射面から光を取り出す機構は、基本的には上述の従来技術で説明したのと同等であり、光入射面から導光板2内に導入された光は導光板2内で全反射し、不図示の拡散用のパターンに入射すると拡散反射され、光出射面に向けて全反射の臨界角よりも小さな角度で反射された光が外部へ出射される。
【0018】
図4、図5は導光型照明装置における光取り込み口モジュール13と導光板2との境界面の各種形態を示す一部平面図である。この境界面の形状は、光源モジュール3から発した光線が、境界面で全反射を生じないような角度に設定される。ここでは、光源モジュール3が点光源である場合を想定し、光線と境界端面の角度は、その法線ベクトルが光源からの光線に対して全反射角以下の角度(90度が理想)になり、または、ほとんど光線と交わらない面としている。この構成により、境界面での反射が減少し、光の利用効率が向上する。
【0019】
図6は光取り込み口モジュール13と導光板2との境界面のさらに他の実施形態を示す平面図である。光取り込み口モジュール13と導光板2との間を透明樹脂16で埋め、境界面での反射を防止している。透明樹脂16として、透明両面接着テープを用いてもよい。なお、この場合、光取り込み口モジュール13の屈折率n1と、透明樹脂16の屈折率n2と、導光板2の屈折率n3との関係は、n1≦n2≦n3であることが出射効率の向上には望ましい。
【0020】
図7は、光取り込み口モジュール13と導光板2との組み合わせの他の実施形態を示す端面図である。この例では、光取り込み口モジュール13の厚みを導光板2の厚みよりも薄くする。これにより、境界での漏れ光が減少し、また、実装誤差にも強くなる。
【0021】
図8は、光取り込み口モジュール13の導光板2への実装構造を示す端面図である。導光板2の端面縁部に係止片15を設け、かつ、この端面を下方ほど引っ込んだ若干の傾斜面とし、光取り込み口モジュール13が光源モジュール3によって矢印方向に後方から押されることで、係止片15に食い込むようになる。これにより、光取り込み口モジュール13は導光板2に固定される。
【0022】
図9は、上記とは別の実装形態を示す端面図であり、導光板2の端面縁部に係止片15を設ける代わりに、反射板4を導光板2に固定し、この反射板4を用いて光取り込み口モジュール13を導光板2に固定する。
【0023】
図10は、光源モジュール3が点光源の場合(ほぼ点光源と見なせるような場合を含む)の導光板2に形成されている拡散パターンの実施形態による模式図である。拡散パターン5は、出射光の均一性を向上するために、光源モジュール3を中心として同心円状とし、光源モジュール3に近い程、粗であり、遠い程、密とされている。最小パターンサイズ、及び最小パターン間距離は、いずれもパターンPのスタンプ(印刷)精度が出せる程度の大きさであり、例えば、300μm程度(200〜500μmの範囲やそれ以上又はそれ以下であっても構わない)とする。
【0024】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能であり、反射板を導光板の片側の全面に設けることで、片側面に光を出射するものとなる。また、この面光源装置を用いて、光取り込み口モジュール13や拡散パターン5を工夫することで、静的な画像を表示する表示板を構成することも可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、導光板の端面から光を入射させる透明媒体から成る光取り込み口モジュールを導光板とは別に作製することができるので、光取り込み口のモジュールのみを要求される高い精度に作製することで、導光板部分の作製は簡単となり、従って、大型の導光板を容易かつ安価に作製することができると共に出射光の輝度を均一にでき、室内用LED照明装置に好適な面光源装置を提供できる。
また、導光板の端面から光を入射させる透明媒体から成る光取り込み口モジュールを、要求される精度に合わせて容易に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面光源装置の一実施形態による導光型照明装置の概略外観図である。
【図2】同装置の光取り込み部の拡大図である。
【図3】図2のA−A´線断面図である。
【図4】導光型照明装置における光取り込み口モジュールと導光板との境界面の各種形態を示す一部平面図である。
【図5】導光型照明装置における光取り込み口モジュールと導光板との境界面の各種形態を示す一部平面図である。
【図6】光取り込み口モジュールと導光板との境界面のさらに他の実施形態を示す平面図である。
【図7】光取り込み口モジュールと導光板との組み合わせの他の実施形態を示す端面図である。
【図8】光取り込み口モジュールの導光板への実装構造を示す端面図である。
【図9】上記とは別の実装形態を示す端面図である。
【図10】光源モジュールが点光源の場合の導光板に形成されている拡散パターンの実施形態による模式図である。
【図11】従来の面光源装置の斜視図である。
【図12】従来の面光源装置の断面図である。
【符号の説明】
1 導光型照明装置
2 導光板
3 光源モジュール
13 光取り込み口モジュール
16 透明樹脂
Claims (3)
- 点又は線状光源からの光を面状に拡げて出射させる面光源装置であって、
前記光源は、導光性材料の内部にLEDを備えた光源モジュールから成り、
光拡散作用を持つパターンを形成した導光板と、
透明媒体から成り前記導光板の厚みよりも薄い光取り込み口モジュールとを備え、
前記導光板に形成された切り欠きに前記光取り込み口モジュールが嵌合されるとともに、前記光取り込み口モジュールに形成された切り欠きに前記光源モジュールが嵌合されることにより、全体が平板状に一体化されて成る面光源装置。 - 前記光取り込み口モジュールと導光板との境界面の形状は、光源から発する光線が境界面で全反射しないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
- 前記光取り込み口モジュールと導光板との間は透明樹脂で埋められていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の面光源装置。
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