JP3680613B2 - 筒内噴射式エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタを備えるとともに、エンジンの排気通路にリーンNOx触媒を備えた筒内噴射式エンジンの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタを備え、低負荷領域では成層燃焼によるリーン運転で燃費を改善するようにした筒内噴射エンジンが知られている。この種のエンジンでは、酸素過剰雰囲気でNOxを吸蔵し酸素濃度が減少するに伴ってNOxを放出するリーンNOx触媒を排気通路に設け、このリーンNOx触媒でリーン運転時にもNOxを浄化することが行われている。
【0003】
このリーンNOx触媒を備える場合に、そのNOx吸蔵量が増加したときにリーンNOx触媒からNOxを放出させてリフレッシュする必要があるので、例えばリーン運転状態が長時間持続するような場合に定期的に所定時間だけ空燃比を理論空燃比以下に変更することで触媒のリフレッシュを図っている。触媒リフレッシュ時には、NOxの離脱反応を起こり易くするとともに、離脱したNOxをそのまま排出させないように還元する必要があり、そのために雰囲気中にCO等の還元材を充分に存在させることが要求される。
【0004】
このようなリーンNOx触媒のリフレッシュのための技術としては、例えば特開平10−274085号に示されるように、触媒リフレッシュ時に、成層燃焼のための主噴射以外に膨張行程中に追加噴射を行うようにしたものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に示されるような従来装置では、触媒リフレッシュ時に、膨張行程中に追加噴射が行われることにより排気中のCOが増加し、リーンNOx触媒からのNOxの離脱及びそのNOxの還元が促進されるが、エンジンの要求トルクに見合う噴射量の主噴射に加えて膨張行程中に追加噴射が行われ、この追加噴射による燃料は専らリーンNOx触媒からのNOxの離脱、還元のためのCO生成に用いられるだけなので、燃費が悪化し易いといった問題がある。
【0006】
なお、このほかに触媒のリフレッシュを行う技術として、吸気行程で燃料を一括噴射するとともに、空燃比を理論空燃比よりも大幅にリッチにするように燃料噴射量を増量することが考えられるが、この場合も燃料の増量によって燃費の悪化を招く。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑み、NOxを吸蔵したリーンNOx触媒のリフレッシュを効果的に行うことができ、とくに上記の膨張行程中に追加噴射等によって余分に燃料を消費するようなものと比べると燃費悪化を抑制しつつ、リフレッシュ効果を高めることができる筒内噴射式エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタを備え、エンジンの低負荷領域で空燃比を理論空燃比よりも大きくしてリーン運転を行うようにするとともに、エンジンの排気通路に、酸素過剰雰囲気でNOxを吸蔵し酸素濃度が減少するに伴ってNOxを放出するリーンNOx触媒を備えた筒内噴射式エンジンにおいて、理論空燃比より大きい空燃比と略理論空燃比もしくはそれ以下の空燃比とにわたって空燃比を変更する空燃比変更手段と、理論空燃比より大きい空燃比から略理論空燃比もしくはそれ以下の空燃比へ空燃比変更が行われた時から所定時間だけ、触媒リフレッシュ制御として、上記インジェクタからの燃料噴射を吸気行程期間内に噴射開始するタイミングで複数回に分割して行わせるとともに、点火時期をMBTよりもリタードさせるようにした制御手段とを備えたものである(請求項1)。
【0009】
この発明の装置によると、リーン空燃比からリッチ側への空燃比変更が行われたときに触媒リフレッシュ制御が行われ、この触媒リフレッシュ制御時に、略理論空燃比もしくはそれ以下の空燃比とされるとともに吸気行程での分割噴射が行われることにより燃焼安定性が高められ、これによって点火時期を大きくリタードすることが可能となり、この点火時期リタードにより、エンジン本体からリーンNOx触媒へ導かれる排気ガス中のNOxが低減される。このため、NOxの量(リーンNOx触媒から放出されるNOxと排気ガス中のNOxとを加えた量)に対する排気ガス中のCOの量の相対的な比率が大きくなり、リーンNOx触媒からのNOxの離脱及び還元が促進される。
【0010】
上記発明において、触媒リフレッシュ制御として行う複数回の燃料噴射の各噴射タイミングは、吸気行程を3等分した前期、中期、後期のうちの前期から中期にかけての期間内に噴射開始されるよう設定しておけばよい(請求項2)。
【0011】
このようにすると、燃焼安定性の向上及び燃費低減に有利となる。
【0012】
また、上記発明において、触媒リフレッシュ制御として行う複数回の燃料噴射における後の噴射のタイミングを、吸気行程を3等分した前期、中期、後期のうちの後期の期間内に噴射開始されるよう設定してもよい(請求項3)。
【0013】
このようにすると、吸気行程の前期から中期にかけての期間内に分割噴射を行う場合と比べ、排気ガス中のCOの量が増加し、これと点火時期リタードによるNOxの低減とにより、NOxの量に対するCOの量の相対的な比率が増大する。
【0014】
また、上記のような構成に加え、排気ガスの一部を吸気系に還流させる排気還流手段を備えるとともに、上記制御手段は、触媒リフレッシュ制御時に排気還流を行わせるように上記排気還流手段を制御すること(請求項4)が好ましい。
【0015】
このようにすると、触媒リフレッシュ時に、排気還流によってもNOxが低減され、NOxの量に対するCOの量の相対的な比率がさらに増大する。
【0016】
請求項1乃至4のいずれかに記載の装置において、リーン運転を行う運転領域より高負荷側の運転領域で空燃比を略理論空燃比もしくはそれ以下とし、運転状態の変化に応じて空燃比を変更するように空燃比変更手段を構成する場合に、リーン運転を行う運転領域から略理論空燃比もしくはそれ以下の空燃比とする運転領域へ移行したときに触媒リフレッシュ制御を行うようにすればよい(請求項5)。
【0017】
このようにすると、アクセル開度の変化等によりリーン運転を行う運転領域から略理論空燃比もしくはそれ以下の運転領域に移行するときに、効果的に触媒のリフレッシュが行われる。
【0018】
また、請求項1乃至4のいずれかに記載の装置において、リーン運転中にリーンNOx触媒のNOx吸蔵量が所定値以上となる状態になったとき、略理論空燃比もしくはそれ以下に空燃比を変更し、リフレッシュ制御を行うようにしてもよい(請求項6)。
【0019】
このようにすると、リーン運転が長時間続くような場合でも、触媒のリフレッシュが効果的に行われる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明が適用される筒内噴射式エンジンの全体構造を概略的に示したものである。この図において、エンジン本体10は複数の気筒12を有し、各気筒12には、そのシリンダボアに挿入されたピストン14の上方に燃焼室15が形成されており、この燃焼室15には吸気ポート及び排気ポートが開口し、これらのポートは吸気弁17及び排気弁18によってそれぞれ開閉されるようになっている。
【0021】
上記燃焼室15の中央部には点火プラグ20が配設され、そのプラグ先端が燃焼室15内に臨んでいる。また、燃焼室15内には側方からインジェクタ22の先端部が臨み、このインジェクタ22から燃焼室15内に直接燃料が噴射されるようになっている。上記インジェクタ22には図外の高圧燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ等を具備する燃料回路が接続され、各気筒のインジェクタ22に燃料が供給されるとともにその燃圧が圧縮行程における筒内圧力よりも高い所定圧力となるように燃料回路が構成されている。
【0022】
上記エンジン本体10には吸気通路24及び排気通路34が接続されている。上記吸気通路24には、その上流側から順に、エアクリーナ25、吸入空気量検出手段としてのエアフローセンサ26、モータ27により駆動されるスロットル弁28及びサージタンク30が設けられており、上記スロットル弁28及びこれを駆動するモータ27により吸入空気量調節手段が構成されている。
【0023】
サージタンク30の下流には気筒別の独立吸気通路が設けられ、各独立吸気通路が吸気ポートに連通している。当実施形態では、各独立吸気通路の下流側部分が第1,第2の通路31a,31bに分岐し、その下流の2つの吸気ポートが燃焼室に開口するとともに、第2の通路31bにスワール生成用のコントロール弁32(以下、S弁32と呼ぶ)が設けられている。
【0024】
上記S弁32はアクチュエータ33により駆動されて開閉作動するもので、このS弁32により第2の通路31bが閉じられたときは第1の通路31aを通る吸気によって燃焼室15内にスワールが生成され、S弁32が開かれるにつれてスワールが弱められるようになっている。
【0025】
また、上記排気通路34には、排気ガス浄化のため三元触媒35とリーンNOx触媒36とが配設されている。上記三元触媒35は、一般に知られているように、理論空燃比及びその付近の空燃比でHC,CO及びNOxに対して高い浄化性能を有するものである。
【0026】
また、上記リーンNOx触媒36は、空燃比が理論空燃比よりもリーンなリーン運転状態でもNOx浄化性能を有するものであって、酸素過剰雰囲気で排気ガス中のNOxを吸蔵し、空燃比がリッチ側に変化して酸素濃度が低下したとき、吸蔵していたNOxを放出するとともに、雰囲気中に存在するCO等の還元材によりNOxを還元させるようになっている。
【0027】
より詳しく説明すると、上記リーンNOx触媒36は、コージェライト製ハニカム構造体等からなる担体の上にNOx吸蔵材層と触媒材層とが前者を下(内側)、後者を上(外側)にして層状に形成されたものである。上記NOx吸蔵材層は、比表面積の大きな活性アルミナにPt成分とNOx吸蔵材としてのBa成分とを担持させたものを主成分として構成されている。また、触媒材層は、ゼオライトを担持母材としてこれにPt成分及びRh成分を担持させてなる触媒材を主成分として構成されている。なお、上記触媒材層の上にセリア層を形成してもよい。
【0028】
さら排気通路34と吸気通路24との間には、排気ガスの一部を吸気系に還流させるEGR装置(排気還流手段)が設けられ、このEGR装置は、排気通路34と吸気通路24とを接続するEGR通路37と、このEGR通路37に介設されたEGR弁38とを備えている。上記EGR弁38はアクチュエータ39(図5参照)により駆動されて開閉作動するようになっている。
【0029】
このエンジンには、上記エアフローセンサ26の他、サージタンク30内の吸気負圧を検出するブーストセンサ40、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ41、エンジン回転数を検出する回転数センサ42、アクセル開度(アクセル操作量)を検出するアクセル開度センサ43、吸気温を検出する吸気温センサ44、大気圧を検出する大気圧センサ45、エンジン冷却水温を検出する水温センサ46、排気ガス中の酸素濃度の検出によって空燃比を検出するO2 センサ47、EGR弁のリフト量を検出するEGR弁リフトセンサ48、インジェクタ22に与えられる燃料の燃圧を検出する燃圧センサ49等のセンサ類が装備され、これらセンサの出力信号(検出信号)がECU(コントロールユニット)50に入力されている。
【0030】
上記ECU50は、インジェクタ22からの燃料噴射量及び噴射タイミングを制御するとともに、スロットル弁28を駆動するモータ27に制御信号を出力することによりスロットル弁28の制御を行ない、また、点火回路21に制御信号を出力することにより点火時期を制御し、さらに、アクチュエータ39に制御信号を出力することによりEGR弁38の制御も行なうようになっている。なお、この他にS弁32の制御等も上記ECU50により行なわれる。
【0031】
当実施形態の筒内噴射式エンジンの基本的な制御としては、上記インジェクタ22からの燃料噴射時期及び空燃比等が異なる各種運転モードが選択可能とされ、運転領域によって運転モードが変更されるようになっている。
【0032】
具体的には、後にも説明するように、低負荷低回転側の所定領域が成層燃焼領域、それ以外の領域が均一燃焼領域とされる(図3参照)。そして、成層燃焼領域では、上記インジェクタ22から圧縮行程の後期に燃料が噴射されることにより、点火プラグ20付近に混合気が偏在する成層状態で燃焼が行なわれるような成層燃焼モードとされ、この場合、スロットル弁28の開度が大きくされて吸入空気量が多くされることにより燃焼室全体の空燃比としては大幅なリーン状態(例えば30以上)とされる。一方、均一燃焼領域では、上記インジェクタ22から吸気行程の前期に燃料噴射が開始されることにより、燃焼室15全体に均一に混合気が拡散する状態で燃焼が行なわれる均一燃焼モードとされる。この均一燃焼では空気過剰率λがλ=1、つまり理論空燃比(A/F=14.7)とされる。
【0033】
図2は上記ECU50に機能的に含まれる手段の構成を示している。上記ECU50は、吸気温センサ44及び大気圧センサ45からの信号に基づいて吸気密度状態を検出する吸気密度状態検出手段51を有するとともに、アクセル開度センサ43及びエンジン回転数センサ42からの信号に基づき、上記吸気密度状態を加味して、目標負荷に相当する値を設定する目標負荷設定手段52を有している。
【0034】
上記目標負荷設定手段52は、アクセル開度accel及びエンジン回転数neに応じてマップから求めた仮想体積効率と上記吸気密度状態とから、空燃比を理論空燃比に保つ標準運転条件を想定した場合の要求エンジントルクに見合う充填効率を仮想充填効率として求め、この仮想充填効率からこれに対応した値である目標図示平均有効圧力を求めて、これを目標負荷とする。
【0035】
なお、上記仮想体積効率は、標準大気状態下で、かつ空燃比を理論空燃比に保った標準運転条件下において要求される出力性能が得られるような体積効率であって、予めベンチテスト等によりアクセル開度及びエンジン回転数と仮想体積効率との対応関係が定めら、マップとしてECU50内のメモリに記憶されている。
【0036】
また、上記目標負荷設定手段52において仮想充填効率から目標図示平均有効圧力を求める際、所定の計算で第1の目標図示平均有効圧力Piobjを求める一方、仮想充填効率になまし処理を施し、このなまし処理後の仮想充填効率から第2の目標図示平均有効圧力Piobjdを求めるようになつている。
【0037】
ECU50はさらに基本的な運転モードmodsの設定を行う運転モード設定手段53を有し、この運転モード設定手段53は、第1の目標図示平均有効圧力Piobjとエンジン回転数neとに応じて基本的な運転モードmodsを設定する。すなわち、図3に示すように、第1の目標図示平均有効圧力Piobjが所定の低負荷側閾値より低く、かつ、エンジン回転数が低い領域(成層燃焼領域)では成層燃焼モードとし、この領域より負荷側及び高回転側の領域(均一燃焼領域)ではλ=1の均一燃焼モード(以下、ストイキオモードと呼ぶ)とする。なお、均一燃焼領域のうち、アクセル全開域やその付近の高負荷域及び高回転域では、空燃比を理論空燃比よりもリッチ(λ<1)に設定してもよい。
【0038】
さらにECU50は、エンジン出力に関係する各種制御パラメータの値を目標負荷等に応じて決定する。当実施形態では、スロットル弁28で調節される吸入空気量、EGR弁38で調節されるEGR量、S弁32で調節されるスワール、インジェクタ22からの燃料噴射量、燃料噴射時期及び点火プラグ20の点火時期が制御パラメータとされ、これら制御パラメータの値が目標負荷及びエンジン回転数ne等に応じて決定される。この場合、制御パラメータのうちの低速応答系の制御値を決定するための目標負荷としては第1の目標図示平均有効圧力Piobjが用いられ、高速応答系の制御値を決定するための目標負荷としては第2の目標図示平均有効圧力Piobjdが用いられる。
【0039】
すなわち、上記各制御パラメータのうちで吸入空気量、EGR量及びスワールはそれぞれスロットル弁28、EGR弁38及びS弁32の作動に対する応答性が比較的低い低速応答系であって、これらの制御量であるスロットル開度tvoobj、EGR弁38の制御量egrobj及びS弁32の開度は第1の目標図示平均有効圧力Piobjとエンジン回転数ne等に応じて決定される。一方、燃料噴射量、燃料噴射時期及び点火時期は制御信号に速やかに応答する高速応答系であって、これら燃料噴射量、燃料噴射時期及び点火時期は第2の目標図示平均有効圧力Piobjdとエンジン回転数ne等に応じて決定されるようになっている。
【0040】
具体的に説明すると、吸入空気量制御のための手段としては目標空燃比設定手段54、目標充填効率演算手段55及びスロットル開度演算手段56を有している。上記目標空燃比設定手段54は、吸入空気量制御用の目標空燃比afwbを、上記運転モード設定手段53で設定される運転モード別に設定するものであり、成層燃焼モードでは第1の目標図示平均有効圧力Piobjとエンジン回転数neとに応じ、予め作成されているマップから目標空燃比afwbを求め、また、ストイキオモードでは目標空燃比afwbを理論空燃比とするようになっている。
【0041】
上記目標充填効率演算手段55は、仮想充填効率ceimgと上記目標空燃比afwbとから目標充填効率ceobjを求める。この場合、リーン運転時には目標空燃比の空気過剰率分(afwb/14.7)と燃費改善効果分とを加味して目標充填効率を求める。つまり、上記仮想充填効率ceimgは理論空燃比で運転される状態を想定した目標負荷に相当する値であり、これに対し、リーン運転時に同等の燃料噴射量を確保するには上記空気過剰分を加味する必要があるが、このようにするとリーン運転時は熱効率が高められて燃費が改善されるので、その分だけトルクが理論空燃比の場合と比べて高くなってしまう。そこで、目標負荷に対応するトルクを得るために、上記空気過剰率分に見合う程度に目標充填効率を減少方向に補正する。
【0042】
スロットル開度演算手段56は、上記目標充填効率から吸気密度補正を加味して目標体積効率を求め、この目標体積効率及びエンジン回転数neに応じてスロットル開度を決定する。この際、体積効率及びエンジン回転数とスロットル開度との対応関係はEGRが有る場合と無い場合とで異なるため、その各場合についてそれぞれ上記対応関係を示すマップを予め作成し、EGR判別手段56cによるEGRの有無の判別に応じていずれかのマップから目標体積効率に応じてスロットル開度を求めるようにすればよい。
【0043】
EGR量制御のための手段としてはEGR弁基本制御量設定手段59及びEGR弁制御量演算手段60を有するEGR弁制御手段58が設けられている。上記EGR弁基本制御量設定手段59は、EGR弁38の基本制御量pbaseを上記運転モード設定手段53で設定される運転モードmods別に設定するものであり、成層燃焼モードでは第1の目標図示平均有効圧力Piobjとエンジン回転数neとに応じ、予め作成されているマップから基本制御量pbaseを求め、ストイキオモードではエアフローセンサ26の出力に基づいて求められる実充填効率ceとエンジン回転数neとに応じ、予め作成されているマップから基本制御量を求めるようになっている。
【0044】
また、EGR弁制御量演算手段60は、上記基本制御量に対し、各種補正を加味して最終的なEGR弁制御量を求める。
【0045】
S弁開度制御のための手段としてはS弁開度設定手段61を有している。このS弁開度設定手段61は、S弁開度を上記運転モード設定手段53で設定される運転モードmods別に、各モードで要求されるスワールが得られるように設定するものであり、成層燃焼モードでは第1の目標図示平均有効圧力Piobjとエンジン回転数neとに応じ、予め作成されているマップからS弁開度scvobjを求め、ストイキオモードでは実充填効率ceとエンジン回転数neに応じ、予め作成されているマップからS弁開度scvobjを求めるようになっている。
【0046】
インジェクタ22からの燃料噴射を制御する手段としては、目標空燃比作成手段62、運転モード設定手段63、分割比設定手段64、噴射量演算手段65、噴射時期設定手段66及び噴射制御手段67を有する。
【0047】
上記目標空燃比作成手段62は、燃料噴射量等の制御に用いる目標空燃比を求めるものであり、主として過渡時に利用される目標空燃比afw0と、主として定常時に利用される目標空燃比afwbdとを求めるとともに、これら目標空燃比afw0,afwbdのいずれかを選択して最終的な目標空燃比afwを決定する。
【0048】
主として過渡時に利用される目標空燃比afw0は、実充填効率の下で目標負荷に対応するトルクが得られるように、第2の目標図示平均有効圧力Piobjdもしくはこれに対応する仮想充填効率と実充填効率ceとに基づき、燃費改善効果分を加味して求められる。一方、主として定常時に利用される目標空燃比afwbdは、成層燃焼モードでは第2の目標図示平均有効圧力Piobjdとエンジン回転数neとに応じ、予め作成されているマップから求められ、ストイキオモードでは理論空燃比(λ=1)とされる。
【0049】
そして目標空燃比作成手段62は、吸入空気量制御用の目標空燃比afwbと上記のように演算された目標空燃比afw0との偏差dafwbを演算し、この偏差dafwbが大きくなる過渡時には目標空燃比afw0を最終的な目標空燃比afwとし、偏差dafwbが小さい定常時には目標空燃比afwbdを最終的な目標空燃比afwとするようになっている。
【0050】
この目標空燃比作成手段62及び上記目標空燃比設定手段54により、理論空燃比より大きい空燃比と略理論空燃比もしくはそれ以下の空燃比とにわたって空燃比を変更する空燃比変更手段が構成されている。
【0051】
運転モード設定手段63は、高速系の制御パラメータを決定するために用いる運転モードmodfを、燃料噴射量等制御用の目標空燃比afw0に応じて例えば図4のように設定する。すなわち、上記目標空燃比afw0が成層燃焼下限側基準値(例えば19程度)よりも大きい値となるときは成層燃焼モードとし、それ以下の値となるときはストイキオモードとする。
【0052】
分割比設定手段64は、運転モード設定手段63により設定される運転モードmodfに応じて吸気行程噴射と圧縮行程噴射の分割比を設定するものであって、成層燃焼モードでは吸気行程噴射割合を0%(圧縮行程噴射割合を100%)とし、ストイキオモードでは吸気行程噴射割合を100%(圧縮行程噴射割合を0%)とする。また、後述の分割噴射が行われるときは、それに応じて噴射割合を設定する。
【0053】
噴射量演算手段65は、エアフローセンサ26の出力から求められた実充填効率ceと、目標空燃比作成手段62により求められた目標空燃比afwと、分割比設定手段64により設定された噴射割合とに応じ、燃料噴射量を演算する。この場合、先ず実充填効率ce及び目標空燃比afwに応じた基本噴射量(分割噴射を行う場合はその各噴射の基本噴射量)を演算し、さらに、燃圧に応じた補正値及びその他の各種補正値を加味して最終噴射量を演算し、この最終噴射量に比例した噴射パルス幅を求める。
【0054】
噴射時期設定手段66は、燃料噴射時期thtinjを上記運転モード設定手段63で設定される運転モード別に設定するものであり、成層燃焼モードでは第2の目標図示平均有効圧力Piobjdとエンジン回転数neとに応じて予め作成されているマップから圧縮行程噴射用の噴射時期を求め、ストイキオモードではエンジン回転数neに応じて予め作成されているテーブルから吸気行程噴射用の噴射時期を求める。
【0055】
上記噴射制御手段67は、上記噴射時期設定手段66により設定された噴射時期に、上記噴射量演算手段により演算された噴射パルス幅Tiに相当する時間だけインジェクタ22を作動させるように、噴射パルスを出力する。
【0056】
また、点火時期を制御する手段としては、基本点火時期及び補正量を設定する設定手段68と、点火時期演算手段69とを有する点火時期制御手段70が設けられている。
【0057】
上記設定手段68は、上記運転モード設定手段63で設定される運転モードmodf別に基本点火時期や、各種の点火時期補正値を設定し、上記点火時期演算手段69は、上記設定手段68で設定された基本噴射量及び各種補正値から点火時期を求めるようになっている。
【0058】
また、ECU50には上記各手段に加え、触媒リフレッシュ制御のための制御手段71が設けられている。
【0059】
この制御手段71は、図5にも示すように、運転モード設定手段63による設定に基づいて成層燃焼モードからストイキオモードに切り替わったとき、次のように分割比設定手段64、噴射量演算手段65、噴射時期設定手段66等を介して触媒リフレッシュのための燃料噴射の制御を行うとともに、EGR制御手段58の制御を行うようになっている。
【0060】
すなわち、触媒リフレッシュ制御として、ストイキオモードへ切り替わってから所定時間だけ、上記インジェクタ22からの燃料噴射を吸気行程期間内に噴射開始するタイミングで複数回に分割して行わせ、例えば2回に分割して行わせる。具体的には、図6(a)に示すように、吸気行程を3等分した前期、中期、後期のうち前期から中期にかけての期間内に2回の噴射を開始させる。つまり、先の噴射を吸気行程前期に開始させるとともに、後の噴射を吸気行程の前期もしくは中期に開始させるように、上記各噴射の噴射時期を設定する。
【0061】
あるいは、図6(b)に示すように、先の噴射を吸気行程前期に開始させるとともに、後の噴射を吸気行程の後期に開始させるように設定してもよい。
【0062】
各噴射の噴射割合は本発明で限定しないが、例えば先の噴射の噴射量と後の噴射の噴射量とを略等しくするように各噴射の噴射割合を設定しておけばよい。また、空燃比を略理論空燃比かこれより多少リッチとするように噴射量を調整する。
【0063】
さらに制御手段71は、触媒リフレッシュ制御時に、点火時期をリタードするように点火時期制御手段70を制御する。すなわち、触媒リフレッシュ制御時には上記のように吸気行程での分割噴射が行われるが、このような噴射形態で燃焼が行われるときのMBTを基本点火時期とし、これに所定量のリタード補正を加味することによりの触媒リフレッシュ制御時の点火時期を求める。
【0064】
なお、制御手段71は、触媒リフレッシュ制御時に、さらに、ある程度のEGRを行わせるようにEGR制御手段58を制御してもよい。
【0065】
図7は、上記制御手段71による触媒リフレッシュ制御の具体例をタイムチャートで示している。
【0066】
この図のように、アクセル開度変化に応じた目標負荷の変化等により成層燃焼モードから均一燃焼のストイキオモードに移行するとき、先ず運転モード設定手段53により設定される運転モードmodsが移行した時点t1から、吸入空気量の調整により空燃比を変更すべくスロットル開度が小さくなる方向に制御され、それに対しある程度の応答遅れをもって吸入空気量が減少方向に変化する。そして、目標空燃比作成手段62による吸入空気量等に応じた噴射量等制御用の目標空燃比の演算及びそれに応じた燃料噴射量の制御により、実際の空燃比が次第にリッチ方向に変化し、その空燃比が所定値α(例えば19程度)まで減少した時点t2で、運転モード設定手段53により設定される運転モードmodfがストイキオモードに切り替わる。
【0067】
この時点t2から所定時間だけ、触媒リフレッシュ制御として、空燃比が理論空燃比より若干小さい値(例えば14程度)に設定されるとともに、インジェクタ22からの燃料噴射が吸気行程で分割して行われる。
【0068】
また、触媒リフレッシュ制御が行われる時点t2で、点火時期がMBT(上記分割噴射が行われている状態でのMBT)よりリタードされる。この点火時期のリタードは、上記時点t2で空燃比が理論空燃比以下まで一気に変化するように燃料噴射量が急増することによるトルクの急変を抑制する作用をなすとともに、後に上述するようにNOx発生量を減少させることで触媒リフレッシュを促進する作用をなすものである。
【0069】
触媒リフレッシュ開始時から所定時間が経過した時点t3以後は、ストイキオモードでの制御としてインジェクタ22からの燃料噴射が吸気行程一括噴射とされるとともに、空燃比が理論空燃比に移行し、点火時期がMBTに戻される。
【0070】
以上のような当実施形態の装置による触媒リフレッシュ促進等の作用、効果を、図8を参照しつつ説明する。
【0071】
リーンNOx触媒36は、リーン空燃比で排気ガス中のNOxを吸蔵し、空燃比がリッチになったときNOxを放出するが、このときに、リーンNOx触媒36から放出されたNOxがそのまま触媒下流に排出されてしまうことを避けるためには、雰囲気中に存在する還元材によってNOxを還元することが必要となる。この還元材としてはCOが効果的であり、相対的にNOxの量に対するCOの量の比率、つまり〔(CO量)/(NOx量)〕を大きくするほど、リーンNOx触媒36からのNOxの離脱及び還元が促進されることにより、触媒下流へのNOx排出量が低減される。
【0072】
ここで、上記比率におけるNOx量とは、リーンNOx触媒から放出されるNOxと触媒に導かれる排気ガス中に含まれるNOxとを加えた量であり、〔(CO量)/(NOx量)〕を小さくするには、触媒に導かれる排気ガス中のCOの量を増加させるか、この排気ガス中のNOxの量を減少させるようにすればよい。
【0073】
ところで、分割噴射における後期側噴射タイミング(後の噴射の噴射開始タイミング)を種々変えつつ、燃焼不安定性を示すPi変動率(Picov)、燃費(Be)、エンジン本体から排出されるCOの量、及びエンジン本体から排出されるNOxの量を調べると、図8(a)〜(d)のような結果が得られた。分割噴射における先の噴射の噴射開始タイミングは吸気上死点後20°で固定とした。
【0074】
図8(a)〜(d)の各グラフ中、実線で示す各データは先の噴射と後の噴射の分割割合が50%:50%、70%:30%、30%:70%の各場合を示している。また、破線で示すデータは分割割合を50%:50%とするとともに点火時期をリタードした場合を示している。
【0075】
なお、これらのグラフにおいて横軸は圧縮上死点を基準とした上死点前のクランク角(CA BTDC)を表し、BTDC360°が吸気上死点、BTDC180°が下死点(BDC)であり、時間的には横軸の右側ほど早く、左側ほど遅い時期となる。
【0076】
この図に示すように、後期側噴射タイミングを吸気行程の前期乃至中期とした場合、Pi変動率が低くて燃焼安定性が良いことを示し、さらに燃費も低く保たれ、またCOの量は少ない。このような傾向が生じるのは、吸気行程の早い時期に燃料が噴射されることにより、噴射燃料が燃焼室全体に均一に分散するとともに、点火までの間に燃料の気化、霧化が充分行われるためである。そして、吸気行程で一括噴射が行われる場合と比べても、分割して燃料が噴射されることで噴射燃料の分散性が高められ、より均一な混合気分布状態が得られることにより、燃焼安定性が高められるとともに燃費が改善される。
【0077】
吸気行程後半から圧縮行程にかけては、後期側噴射タイミングが遅くなるにつれ、Pi変動率及び燃費が高くなるとともに、COの量が増加する。これは、後期側噴射タイミングが遅くなると点火までの時間が短くなって、燃料の分散及び気化、霧化が悪くなること等によると推測される。なお、後期側噴射タイミングが圧縮行程中期となるところで、Pi変動率及び燃費がある程度低くなる(その理由として圧縮行程中期にはピストンの移動速度が速いため噴射燃料のミキシングが行われ易くなること等が考えられる)が、さらに後期側噴射タイミングが遅くなるにつれ、Pi変動率及び燃費が大きく上昇する。
【0078】
また、図8中の破線は点火時期をリタードさせた場合のデータであり、点火時期のリタードによりNOxは減少し、Pi変動率及び燃費は高くなる傾向がある。
【0079】
このような図8のデータから明らかなように、吸気行程の前期から中期にかけての期間内に分割噴射を行えば燃焼安定性が高められるため、点火時期を比較的大きくリタードさせても燃焼安定性が許容範囲内に保たれ、この点火時期のリタードにより、リーンNOx触媒に導かれる排気ガス中のNOxの量が大幅に低減される。
【0080】
従って、触媒リフレッシュ時に、吸気行程の前期から中期にかけての期間内に噴射開始されるよう分割噴射を行うとともに点火時期をリタードさせることにより、排気ガス中のCOは比較的少ないものの、排気ガス中のNOxが減少するために〔(CO量)/(NOx量)〕が大きくなり、リーンNOx触媒に吸蔵されていたNOxの離脱、還元が促進され、触媒下流に排出されるNOxの量が充分に減少することとなる。そして、燃費は、点火時期をリタードしない場合と比べると多少高くなるものの、燃料の増量や追加噴射を行うような場合と比べると充分に低くなる。
【0081】
なお、触媒リフレッシュ時における分割噴射のタイミングとしては、後期側噴射タイミングを吸気行程後期の期間内に噴射開始されるよう設定することも効果的である。
【0082】
すなわち、図8から明らかなように、後期側噴射タイミングを吸気行程後期の期間内に噴射開始されるようにすると、吸気行程の前期乃至中期の期間内に噴射開始されるよう設定した場合と比べ、Pi変動率及び燃費が多少高くなるものの、COの量は増加する。
【0083】
従って、触媒リフレッシュ時に、後期側噴射タイミングを吸気行程後期の期間内に噴射開始されるよう分割噴射を行うとともに、この場合の燃焼安定性を損なわない範囲で点火時期をリタードすることにより、リーンNOx触媒に導かれる排気ガス中のCOの量が増加し、かつNOxの量が減少するため、〔(CO量)/(NOx量)〕が大きくなり、リーンNOx触媒に吸蔵されていたNOxの離脱、還元が促進されることとなる。
【0084】
図9は、別の実施形態として、リーン運転の持続中にリーンNOx触媒36のNOx吸蔵量が増加する状態となったときに、所定時間だけ触媒リフレッシュ制御を行う場合の例をタイムチャートで示している。
【0085】
この実施形態でも前述の図1、図2のようにエンジン及びECUが構成されるが、触媒リフレッシュ用の制御手段71は、成層燃焼モードによるリーン運転中にリーンNOx触媒のNOx吸蔵量が所定値以上となる状態を判定して触媒リフレッシュを行い、例えば、リーン運転持続時間あるいはリーン運転中の燃料噴射量の累計値を調べて、その値が所定値以上になったとき、図9に示すような触媒リフレッシュを行う。
【0086】
すなわち、成層燃焼モードによるリーン運転中にリーンNOx触媒のNOx吸蔵量が所定値以上となる状態が判定されたとき、略理論空燃比もしくはそれ以下の空燃比とすべくスロットル開度が小さくなる方向に制御され、それに対しある程度の応答遅れをもって吸入空気量が減少方向に変化する。そして、吸入空気量の変化に応じて空燃比が次第に減少方向(リッチ方向)に変化し、その空燃比が所定値まで減少した時点で、それまでの圧縮行程一括噴射から吸気行程分割噴射に噴射形態が変更されるとともに、空燃比が理論空燃比より若干小さい値にまで変化するように燃料噴射量が制御される。
【0087】
この場合も、前述の図7に示したモード移行時の触媒リフレッシュ制御と同様に、吸気行程の前期から中期にかけての期間内に噴射開始する分割噴射、あるいは後期側噴射開始タイミングが吸気行程後期に設定された分割噴射が行われるとともに、点火時期のリタードが行われる。なお、特にこの例では、先の噴射と後の噴射とを略同じ量とすることが、極低負荷領域での燃料噴射量の制御などの面で好ましい。つまり、この例では、成層燃焼領域内で、燃料供給量の少ない極低負荷領域でも触媒リフレッシュ制御としての分割噴射が行われることがあり、このように燃料供給量の少ない領域で分割噴射が行なわれるとき、分割された噴射量が制御可能な最小噴射量(最小パルス幅)に近づくため、先の噴射と後の噴射の量が異なると少ない方の噴射量が最小噴射量を下回る懸念があるが、噴射量を等しくしておけばこのような事態が避けられる。
【0088】
この例によっても、触媒リフレッシュ制御時に、空燃比が略理論空燃比もしくはそれ以下に変更されることにより、リーンNOx触媒36に吸蔵されていたNOxの放出、還元が行われ、この場合に、吸気行程での分割噴射が行われつつ点火時期がリタードされることにより、〔(CO量)/(NOx量)〕が大きくなり、リーンNOx触媒に吸蔵されていたNOxの離脱、還元を促進する作用がさらに高められる。
【0089】
そして、触媒リフレッシュ制御の開始から所定時間が経過した後は、圧縮行程一括噴射による成層燃焼モードのリーン運転に戻される。
【0090】
なお、上記の図7に示す例や図9に示す例において、触媒リフレッシュ時に、吸気行程分割噴射及び点火時期のリタードに加え、EGRを行うようにしてもよく、このようにすると、EGRによってもリーンNOx触媒に導かれる排気ガス中のNOxが減少し、上記のNOx離脱、還元作用が高められる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように本発明は、リーンNOx触媒を備えた筒内噴射式エンジンにおいて、理論空燃比より大きい空燃比から略理論空燃比もしくはそれ以下の空燃比へ空燃比変更が行われた時から所定時間だけ、触媒リフレッシュ制御として、上記インジェクタからの燃料噴射を吸気行程期間内に噴射開始するタイミングで複数回に分割して行わせるとともに、点火時期をMBTよりもリタードさせるようにしているため、触媒リフレッシュ制御時に、吸気行程分割噴射により燃焼安定性を確保しつつ点火時期のリタードにより排気ガス中のNOxを低減し、NOxの量に対する排気ガス中のCOの量の相対的な比率を大きくすることができる。このため、燃料の増量や追加噴射を行うような従来技術と比べると燃費を低く抑え得るようにしつつ、リーンNOx触媒からのNOxの離脱及び還元を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一実施形態を示す全体概略図である。
【図2】ECUの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】運転モードの領域設定を示す説明図である。
【図4】燃料噴射量等の演算の際に用いる運転モードの設定を示す説明図である。
【図5】図2中の触媒リフレッシュ用の制御に関わる部分を抽出して示すブロック図である。
【図6】燃料噴射のタイミングを示す説明図である。
【図7】触媒リフレッシュ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図8】分割噴射における後期側噴射タイミングを種々変えつつ、Pi変動率、燃費、エンジン本体から排出されるCOの量及びNOxの量を調べたデータを示すグラフである。
【図9】別の実施形態による触媒リフレッシュ制御の例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 エンジン本体
15 燃焼室
22 インジェクタ
26 エアフローセンサ
36 リーンNOx触媒
38 EGR弁
50 ECU
58 EGR弁制御手段
67 噴射制御手段
70 点火時期制御手段
71 制御手段

Claims (6)

  1. 燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタを備え、エンジンの低負荷領域で空燃比を理論空燃比よりも大きくしてリーン運転を行うようにするとともに、エンジンの排気通路に、酸素過剰雰囲気でNOxを吸蔵し酸素濃度が減少するに伴ってNOxを放出するリーンNOx触媒を備えた筒内噴射式エンジンにおいて、理論空燃比より大きい空燃比と略理論空燃比もしくはそれ以下の空燃比とにわたって空燃比を変更する空燃比変更手段と、理論空燃比より大きい空燃比から略理論空燃比もしくはそれ以下の空燃比へ空燃比変更が行われた時から所定時間だけ、触媒リフレッシュ制御として、上記インジェクタからの燃料噴射を吸気行程期間内に噴射開始するタイミングで複数回に分割して行わせるとともに、点火時期をMBTよりもリタードさせるようにした制御手段とを備えたことを特徴とする筒内噴射式エンジンの制御装置。
  2. 触媒リフレッシュ制御として行う複数回の燃料噴射の各噴射タイミングを、吸気行程を3等分した前期、中期、後期のうちの前期から中期にかけての期間内に噴射開始されるよう設定したことを特徴とする請求項1記載の筒内噴射式エンジンの制御装置。
  3. 触媒リフレッシュ制御として行う複数回の燃料噴射における後の噴射のタイミングを、吸気行程を3等分した前期、中期、後期のうちの後期の期間内に噴射開始されるよう設定したことを特徴とする請求項1記載の筒内噴射式エンジンの制御装置。
  4. 排気ガスの一部を吸気系に還流させる排気還流手段を備えるとともに、上記制御手段は、触媒リフレッシュ制御時に排気還流を行わせるように上記排気還流手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンの制御装置。
  5. リーン運転を行う運転領域より高負荷側の運転領域で空燃比を略理論空燃比もしくはそれ以下とし、運転状態の変化に応じて空燃比を変更するように空燃比変更手段を構成するとともに、リーン運転を行う運転領域から略理論空燃比もしくはそれ以下の空燃比とする運転領域へ移行したときに触媒リフレッシュ制御を行うようにしたことを特徴する請求項1乃至4のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンの制御装置。
  6. リーン運転中にリーンNOx触媒のNOx吸蔵量が所定値以上となる状態になったとき、略理論空燃比もしくはそれ以下に空燃比を変更し、リフレッシュ制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンの制御装置。
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