JP3679465B2 - 飲料貯蔵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数杯の飲料を複数個の貯蔵槽に貯えるようにした貯蔵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種自動販売機においては、例えば特開平4−354912号公報(A47J31/30)に抽出装置として示される如く、コーヒー豆等の原料からコーヒー等の飲料を抽出し、他の砂糖或いはミルク等と混合した後、カップに注入して販売するよう構成されている。また、これまでは食品衛生法の規制により、自動販売機では抽出した飲料を所定量予め保存して置いて販売することが不可能であったため、従来では販売毎に一杯つづ原料からコーヒーを抽出して販売する方式が採られていた。
【0003】
係る販売毎の抽出によれば毎回新鮮なコーヒーを抽出して販売できる利点があるものの、抽出には時間がかかるため、商品の選択から販売までに比較的長い時間(40秒/杯)顧客は待たなければならない。また、抽出に必要なペーパーフィルタ等の消耗品の消費量も多くなるため、効率的な販売ができなくなる問題があった。
【0004】
前記食品衛生法の改正により、この種自動販売機においても飲料を予め所定量抽出して保存して置き、販売毎にカップに注入して販売する方式を採ることが可能となる。このような構造が示された公報として、特開平5−135274号公報がある。この公報では、抽出器でまとめて数杯分抽出した飲料(コーヒー)を並列に配置された2つの貯溜容器へ同時に流し込み、一方の貯溜容器から順次飲料を供給するというものである。
【0005】
又、販売によって貯溜容器内の飲料の量が少なくなると、逐次抽出を行ってこの容器へ追加するといういわゆる「先入れ先出し」の考えを採用している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に示された装置によれば、常に両方の貯溜容器を同時に使用しているため、次のような課題が考えられる。第1に、これら貯溜容器は衛生管理上所定時間毎に洗浄工程を行う必要があるため、この所定時間は貯溜容器の使用が不可能となり、例えばこのような容器が備えられた自動販売機の販売機能を停止せざるを得ない。第2に「先入れ先出し」の考えを採用すると、特にコーヒー飲料においては販売毎に味覚が変質することがある。
【0007】
第1の点について詳述すると、次のとおりである。飲料を作り溜めしておく場合にあっては、その貯溜容器を常に飲料を貯蔵するに好ましい状態に維持する必要がある。例えば、自動販売機で粉末原料(コーヒーひき豆など)からコーヒー飲料を作ると、市販食品の様に十分な防腐処理(防腐剤の添加)をすることができない。このため、貯溜容器は、毎日リンスや乾燥などの衛生保持の処理(洗浄工程等)をする必要がある。この中で、乾燥工程で、貯溜容器内の雑菌増殖を抑制する処理には約2時間程度の乾燥処理時間が必要とされる。すなわち、この約2時間は自動販売機の販売機能を停止させなければならず、利用者に不満を与える。これは、自動販売機は高速道路のサービスエリア、3交替工場、少人数でも昼夜勤務のガードマン、設備などの保守担当者等24時間稼動中の場所などに無人店舗で飲料を提供できるという概念が一般的にあるため、上述したように販売機能を停止させなければならない自動販売機は、その自動販売機の存在感(意義)がなくなり、致命点な課題である。
【0008】
第2の点について、図9に基づいて説明する。図は例えば5杯分のコーヒーを一つの貯蔵槽に貯えて2杯販売終了後に、新たに2杯分を抽出して残りの3杯分と混合し、且つ5分間隔で1杯づつ販売されたと仮定した場合を示したもので、順次販売が進むにつれて初回抽出分のコーヒーは除々に減少するもの9〜10杯目の販売すなわち初回抽出後45〜50分経過しても約16%の初回抽出分のコーヒーが残って販売されることとなり、このことは風味を大切にする飲料(コーヒー)にとっては許容できないことである。一般的にコーヒー飲料は抽出してから30分前後に売り切れる事が好ましいとされている。従って、この例では初回の5杯作り溜めした後は、多くても2杯補給(追加)を1回で終りにして次の補給の場合は、例えば別の貯蔵槽へ導くのが好ましい。これによって7杯目(初回抽出から35分後)は初回の抽出分は残らないようになる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、まとめて抽出して貯蔵する装置において、常に新鮮な風味の良いコーヒーを提供すること並びに貯蔵槽を常に衛生的に保ちつつこの装置の作動を停止させないようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、第1並びに第2の発明は、複数杯分の飲料を複数個の貯蔵槽に貯えて、適宜この飲料をこれら貯蔵槽から導出する飲料貯蔵装置において、これら複数個の貯蔵槽内の洗浄を同時に行なわせない、あるいは、これら複数個の貯蔵槽内の洗浄を交代的に行わせるようにしたので、少なくとも一つの貯蔵槽には常に飲料が貯えられる状態となる。
【0011】
第3の発明は、一方の貯蔵槽に飲料が貯溜している時間が所定値以上の場合には、他方の貯蔵槽に抽出した飲料を導くようにしたので、抽出時間の異なるあるいは風味の異なる飲料が一つの貯蔵槽に混合されることはない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の自動販売機の説明をする。この自動販売機は、自動販売機内で調理したコーヒーを、商品購入者にカップで提供するようにしたものであり、図1はそのコーヒーの調理部の構造図である。同図に示すように、この調理部1は、大別して給水部2と抽出販売部3から構成されている。
【0013】
給水部2は、水道の水を貯蔵するシスターン11と、シスターン11の下流側に設けられ、シスターン11の水を加圧して給水パイプ12を介して自動販売機内の各部に供給する水ポンプ(メインポンプ)13と、給水された水を冷却して希釈水として冷却パイプ20を介してカップCに供給する冷却水タンク14と、給水された水を加熱して湯を貯蔵する湯タンク15とを備えている。給水部2では、水道から給水された水を一旦シスターン11に貯水した後、水ポンプ13が、貯水した水を加圧して、湯タンク15、冷却パイプ20を介して冷却水タンク14および給水パイプ12を介して後述する蒸気発生器16に供給している。湯タンク15は、給水された水をヒータ17で加熱して90度以上の湯を作り、これを貯蔵する。湯タンク15に貯蔵された湯は、湯弁18を介して、後述する抽出装置19に給湯される。また、冷却水タンク14は、図示しない冷凍サイクルによって冷却した水が貯水してあり、冷却タンク14内に蛇行状に配設した冷却水パイプ20の中に、供給された水を通過させることにより、希釈水弁21を介して、冷却した希釈水をカップCに供給する。
【0014】
抽出販売部3は、カップCを供給するカップ供給装置22と、コーヒーの粉末原料(飲料原料)を貯蔵するコーヒーキャニスタ23と、粉末原料と湯を混合してコーヒーを抽出する抽出装置19と、この抽出装置19で抽出されたコーヒーを温蔵するバッチ槽24と、クリームを貯蔵するクリームキャニスタ25と、砂糖を貯蔵する砂糖キャニスタ26と、シロップを貯蔵するシロップキャニスタ27と、砂糖キャニスタ26およびクリームキャニスタ25から、販売命令に従ってそれぞれ供給された砂糖およびクリームを、抽出されたコーヒーと混合するミキシングボール28と、水ポンプ13からフィルタ29を介して給水された水を蒸発させて抽出装置19に送り込む蒸気発生器16と、カップCを置くためのカップ受台30と、このカップ受台の下方に配置された廃棄バケツ31とを備えている。なお、フィルタ29は、給水パイプ12内を流動する水に含まれるマグネシウムやカルシウムなどを除去することにより、純水を生成して、抽出装置16の後述する蓄熱体の表面へのマグネシウムなどの化合物が付着するのを防止する。
【0015】
蒸気発生器16には、ここで発生された蒸気を導びくための蒸気パイプ32がつながれており、2つに分岐し、一方の蒸気パイプ33は抽出弁34を介して抽出装置19に導かれており、他方の蒸気パイプ35はミキシング弁36を介してミキシングボール28に導かれている。
又、バッチ槽24の下部には販売パイプ37と廃棄パイプ38とがつながれており販売パイプ37は販売弁39を介して、その先端がミキシングボール28に臨んでおり、一方廃棄パイプ38は廃棄弁40を介してその先端が廃棄バケツ31に臨んでいる。
【0016】
この抽出販売部3では、あらかじめ抽出装置19でまとめて抽出したコーヒー数杯分を飲料供給パイプ41を介してバッチ槽24に温蔵しておき、コーヒーの商品選択スイッチ(図示せず)が押されると、カップ供給装置22がカッブ受台30にカップCを供給する。同時に、ミキシングボール28にバッチ槽24からコーヒーが一杯分、砂糖キャニスタ26から砂糖が、クリームキャニスタ25からクリームが夫々供給され、これらがミキシングボール28内で混合され、その後、この混合液がカップCに供給される。
【0017】
図2、図3はバッチ槽(貯蔵槽)24を中心に示した説明図で、図1に示した部品と同一部品には同一符号を示してその説明は省略する。この図2、図3において100は切換装置(図1では省略した)で、抽出装置19からの入口管101とバッチ槽につながれた2本の第1出口管102,103とカップCへ直接臨んでいる第2の出口管104とがつながれている。そして、抽出装置19で抽出されたコーヒーをバッチ槽24へ導く場合はそのコーヒーを第1出口管102,103へ、一方、そのコーヒーをカップCへ導く場合は第2出口管104へ夫々切り換えて流すものである。
【0018】
前記バッチ槽24は、具体的には2つ並列に配置された槽Aと槽Bとからなり、これら両槽A,Bはいずれも同一構造となっており、その内部構造は図4に示すようになっている。これら槽A,Bは筒状のシリンダ42と、このシリンダの上部開口を閉じる上蓋43と、下部開口を閉じる下蓋44とから構成されており、両蓋を貫通するボルト45とナット46とで、この三者は一体的に組み合わせられている。47は上蓋に設けた接続孔で、オーバーフローチューブ48がつながれる。このオーバーフローチューブ48は、廃棄バケツ31(図1参照)に臨んでおり、槽A内をオーバーフローした飲料は、このチューブ48を介して廃棄バケツ31に導かれる。又、このオーバーフローチューブ48には、後述する販売弁の開放や廃棄弁の開放によってコーヒーを槽Aから流下させる時の空気取入口としても作用し、これによって速やかにコーヒーが槽Aから流れ出るようになる。尚、この上蓋には飲料供給パイプ41もつながれている。
【0019】
下蓋44は、その断面が略ロート状に形成されており、この蓋の側部には空気管49(図1では省略)につながる孔50が設けられている。空気管49は、槽Aの左側部に沿って上方へ立ち上げられており、その上部に左右に分岐されており一方の分岐管51には圧力センサ52が、他方の分岐管53には空気電磁弁54とエアポンプ55とが夫々つながれている。この圧力センサ52、空気電磁弁54、エアポンプ55等の動作等については後述する。56は、シリンダ42に巻き付けたヒータであり、槽Aに貯溜されたコーヒーXを一定温度(約65℃)に保つよう制御されている。
【0020】
一方、この下蓋44の下部には販売チューブ37並びに廃棄チューブ38に夫々つながれる孔57,58が設けられている。これら両チューブ37,38はシリコンゴム製で、販売弁59、廃棄弁60の可動板61,69の先端71,77で押されることによって変形し、チューブ37,38に流れる流体(コーヒー)制御を行う。尚、75は販売チューブ37に設けられた空気抜き孔である。
【0021】
販売弁(販売手段)59は、販売チューブの変形を行わせる可動板61と、この可動板に力を加える逆への字型のレバー62と、このレバー62の軸63よりも左側をつき上げ且つ電磁コイル64に挿入されたプランジャー65と、レバーの左端と固定フック66とに跨ったスプリング67とから構成されている。そして、飲料の販売時には、電磁コイル64への通電によってプランジャー65が押し上げられ、これによってレバー62は、その軸63に対し左が上りその右端68が下がって可動片が左側へ押し戻され販売チューブの変形が解除され、飲料が販売チューブより流下する。
【0022】
一方、廃棄弁(廃棄手段)60は、廃棄チューブ38の変形を行わせる可動板69と、この可動板69に力を加えるへの字型のレバー70と、このレバー70の軸71よりも右側を引き下げ且つ電磁コイル71に挿入されたプランジャー72と、レバー70の右端と固定フック73とに跨ったスプリング74とから構成されている。そして、通常は、電磁コイル71への通電によってプランジャー72が引き下げられ、これによって可動弁69の先端77によって廃棄チューブ38が変形し、槽A内の飲料が廃棄チューブ38より流下しないようにしている。そして、飲料の廃棄時や停電時には、電磁コイル71への非通電によってプランジャー72が引き上げられそれによってレバー70の左端78が下がって可動片69が右側へ押し戻され廃棄のチューブ38の変形が解除され(図4参照)、衛生上の観点から飲料が廃棄チューブ38を介して廃棄バケツ31(図1参照)へ捨てられる。
【0023】
ここで、圧力センサ52、空気電磁弁54は夫々の槽A,Bからの空気管49に設けられているがエアポンプ55はその空気管49の合流管(図3参照)に1つ備えられている。エアポンプ55を備えた目的は、夫々の槽A,Bの衛生管理を行うため(洗浄工程)であり、その工程は、リンス作業と乾燥作業とから構成されている。この工程について以下説明する。
【0024】
槽A,B内に貯溜していたコーヒーX等によってこの槽Aの内面には汚れが発生するおそれがあるため、このような場合は、次の動作によって槽A内を洗浄する。まず、抽出装置19(図1参照)にはコーヒーの粉末原料を供給せず、湯弁18の開放によって湯のみを抽出装置19に導入し、ポンプ(図示せず)を用いてこの湯を洗浄湯として槽Aに供給する。この際、図5で示すように販売弁59や廃棄弁60は閉じられている。従ってこの槽Aには洗浄湯Yが貯溜される。その後、エアポンプ55を運転させると共に、空気弁54を開放する。するとエアポンプ55から吐出された加圧空気は空気管54を介して実線矢印のように槽A内で洗浄湯Yを激しく撹拌するので、槽A内の汚れは除去される。このように加圧空気を槽A内に送り込む時間は、槽Aの大きさや洗浄湯の量、汚れの状態によって変わるが、概ね1分程度が適当と考えられる。次にエアポンプ55の運転を停止し、廃棄弁60を一定時間開放することによって、洗浄湯Yは廃棄チューブ38を介して廃棄バケツ31(図1参照)へ流し込む。このように槽A内に洗浄湯Yを貯えた後強制的にエアポンプ55で、加圧空気を槽A内へ送り込んだのでこの加圧空気によって槽A内の汚れを効果的に落として、リンス効果を高めている。
【0025】
このリンス動作の終了後は図6で示すように廃棄弁60を閉じると共に、槽Aのシリンダ42に備えた保温ヒータ56へ約2時間程度通電させ、この槽Aのシリンダ42の壁面の温度上昇を図る。その後、エアポンプ55を運転させると共に、空気弁54を開放することによって、加圧空気を一定時間(例えば数10分程度)このバッチ槽Aに供給させる。これによってバッチ槽A内の乾燥時間を短くできる。尚、加圧されてバッチ槽Aに導かれた空気は接続孔47を介してオーバーフロー管48より排出される。このような一連のリンス動作、乾燥動作によって槽A内の衛生を保つことができる。
【0026】
上述した槽A,Bは図3で示すように2つ並列に設けられており、本発明はいかにしたら効率的に、かつ衛生的に使用できるかという技術的課題に対してなされたものである。以下その点について説明する。
図3において、200はこの自動販売機の制御装置で、エアポンプ55、切換装置100、抽出装置19等を図7で示すフローチャートに基づいて制御する。
【0027】
図7において、自動販売機の動作がスタートするとステップS1では槽A,Bを交代的に洗浄工程(図5、図6で示す状態)を実施する。これは、2つの槽A,Bが同時に洗浄工程とならないようにして、どちらか一方の槽A,Bには、常に飲料が貯えられるようにしておくためである。そしてステップS2では、A槽B槽いずれも洗浄済であるか、B槽のみ洗浄中であるか、あるいはA槽のみ洗浄中であるか、という状態を検出する。ステップS3では、上記ステップS2の検出状態を踏まえ、A槽B槽いずれも洗浄済並びにB槽のみ洗浄中の場合は「A槽使用」と決定し、A槽のみ洗浄中の場合は「B槽使用」と決定する。その後抽出を開始し、抽出されたコーヒーは、図3で示す抽出機19−飲料供給パイプ41−切換装置100を介して、先程「A槽使用」と決定したのであれば一方の分岐供給パイプ102を介してA槽へ、「B槽使用」と決定したのであれば他方の分岐供給パイプ103を介してB槽へ切換えて導入する。そしてステップS4〜S7ではコーヒーを抽出して、そのコーヒーをA槽もしくはB槽に貯え、コーヒーの販売を開始する。ステップS8でその販売中に抽出開始時刻より所定時間(例えば30分)経過したか否かを判断して、過ぎていればコーヒーの風味が低下(酸化)していると考えてそのコーヒーを廃棄(ステップS9、図3の廃棄弁60を開放)処分し、ステップS10へ至る。このステップS10では使用した槽の汚れ具合に応じてステップS1へ行くかステップS2へ行くか判断する。一方、所定時間を過ぎていなければ、ステップS11に移行し、ここではその販売量が所定量以上か否か(言い換えれば、バッチ槽内のコーヒーが所定量以下となったか否か)を判断し、以上であれば、バッチ槽内のコーヒー量が少ないためステップS12で両抽出を開始しその抽出したコーヒーを追加する。一方、販売量が所定量以下の場合はそのままステップS7に戻って販売を継続する。このように2つの槽A,Bはあるものの、その槽A,Bの洗浄工程は、交代的言い換えれば、同時に行うのを禁止させ、且つ抽出したコーヒーはどちらか一方の槽A,Bにのみ導くようにしたものである。これによって、抽出時刻の異なるコーヒーが同一のバッチ槽に混合されることはない。
【0028】
上記の制御内容と異なる方法(別の実施の形態)としては図8で示すフローチャートもある。図8において、自動販売機の動作がスタートすると、ステップS80〜S82では抽出を開始して、その抽出されたコーヒーはバッチ槽Aへ導く(図3において切換装置100は102側に連通)。そしてステップS83ではA槽に貯えられているコーヒーの販売を開始する。ステップS84では、その販売量が所定量以上か否か(言い換えれば、槽A内のコーヒーが所定量以下となったか否か)を判断し、以上であればバッチ槽内のコーヒー量が少ないためステップS85で両抽出を開始する。ここで、ステップS86では、初回の抽出開始時刻より所定時間(例えば15分)経過したか否かを判断して過ぎていなければ槽Aへ追加するものの(ステップS87)、その時間が過ぎていれば槽Bへ切り換えて流す(ステップS88)。そして槽A、槽Bによる販売を行って(ステップS89)、その後、廃棄時間(いずれの槽A,Bにおいても抽出時刻より30分経過)を経過したか否かを判断して(ステップS90)、過ぎていればコーヒーの風味が低下(酸化)していると考えてそのコーヒーを廃棄処分し、ステップ(S91,S80)に戻る。一方、所定時間を過ぎていなければ、ステップS89に移行し、ここではその販売を継続する。これによって、抽出時刻の異なるコーヒーは、異なるバッチ槽へ夫々導くようにしたものである。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、第1並びに第2の発明によれば、飲料が貯えられる複数個の貯蔵槽内の洗浄を同時に行わせない、あるいはこれら複数個の貯蔵槽内の洗浄を交代的に行わせるようにして、少なくとも一つの貯蔵槽には常に飲料が貯えられるようにしたので、貯蔵槽の衛生管理を行いつつ常にこの装置の貯溜を行うことができる。
【0030】
第3の発明によれば、一方の貯蔵槽に飲料が貯溜している時間が所定値以上の場合には、他方の貯蔵槽に抽出した飲料を導くようにしたので、抽出時刻の異なるあるいは風味の異なる飲料が一つの貯蔵槽に混合されることを防止して飲料の販売毎に味覚が変質しにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す説明図である。
【図2】図1に示した構成の要部斜視図である。
【図3】図2に示したバッチ槽を中心にした説明図である。
【図4】図3に示した槽Aの内部構造図である。
【図5】図5に示した槽Aの洗浄状態を示す説明図である。
【図6】同槽Aの乾燥状態を示す説明図である。
【図7】本発明の制御を示すフローチャートである。
【図8】図7に示した制御と異なる制御を示すフローチャートである。
【図9】従来の貯蔵槽の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
A,B (貯蔵)槽
S1,S2 ステップ(洗浄)
X 飲料(コーヒー)
S86 ステップ
Claims (3)
- 複数杯分の飲料を複数個の貯蔵槽に貯えて、適宜この飲料をこれら貯蔵槽から導出する飲料貯蔵装置において、これら複数個の貯蔵槽内の洗浄を同時に行なわせないようにして、少なくとも一つの貯蔵槽には常に飲料が貯えられるようにしたことを特徴とする飲料貯蔵装置。
- 複数杯分の飲料を複数個の貯蔵槽に貯えて、適宜この飲料をこれら貯蔵槽から導出する飲料貯蔵装置において、これら複数個の貯蔵槽内の洗浄を交代的に行い、少なくとも一つの貯蔵槽には常に飲料が貯えられるようにしたことを特徴とする飲料貯蔵装置。
- 複数杯分の飲料をまとめて抽出して複数個の貯蔵槽に貯えて、適宜この飲料をこれら貯蔵槽から導出する飲料貯蔵装置において、一方の貯蔵槽に飲料が貯溜している時間が所定値以上の場合には、新たに抽出した飲料を他方の貯蔵槽に導くことを特徴とする飲料貯蔵装置。
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