JP3679194B2 - Wireless door unlock system for vehicles - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キーをキー孔に差し込む操作を行うことなく使用者の所望するドア或いはトランクのロック機構を解錠することができる車両用ワイヤレスドアロック解除システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両のドアのロック機構を解錠する際、その都度キーをキー孔に差し込まなければならないという面倒な操作を簡略化するために、例えばイグニッションキーに送信機を内蔵し、この送信機から操作ボタンに対する操作に応じて電波信号を発信させて遠隔操作でロック機構を解錠する構成がある。
【0003】
このような構成の場合、車両側においてはドアロック制御用の制御回路とアンテナとを設けている。そして、使用者が車両に近付いて送信機を操作すると、送信機から自身を識別する識別コードを含んだ電波信号が送信される。すると、車両側の制御回路は、アンテナから上記電波信号を受信し、その電波信号に含まれる識別コードが予め登録されている識別コードと一致しているか否かを判断し、一致している場合には、ドアロック機構を解錠するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなワイヤレスドアロック解除システムは、通常、送信機からの信号を受信すると、運転席のドアのロック機構を解錠させるか或いは全てのドア及びトランクのロック機構を解錠させるように構成されている。
【0005】
しかしながら、運転席のドアのロック機構を解錠する構成の場合、使用者が助手席のドアやトランクを解錠することを所望する場合には、キーをキー孔に差し込むという操作が必要であるため、依然不便であった。また、全てのロック機構を解錠する構成の場合、ロック機構を解錠した後の施錠忘れが生じ、セキュリティ性能が低下してしまうという問題点があった。
【0006】
そこで、運転席及び助手席のドア及びトランクのロック機構を解錠する構成であって、しかも、ユーザーの所望するドア或いはトランクのロック機構のみを遠隔操作で解錠し得るワイヤレスドアロック解除システムが望まれている。この場合、操作性を向上させるため、使用者が車両に近付くだけで自動的にロック機構を解錠するシステムが望ましい。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、車両のドア及びトランクのうち使用者の所望するドア或いはトランクのロック機構を解錠することができ、しかも、使い勝手を良くすることができるワイヤレスドアロック解除システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用ワイヤレスドアロック解除システムは、車両のドア及びトランクの近傍に夫々対応して設けられた磁界発生用アンテナを備え、当該磁界発生用アンテナから同一強度の磁界信号を送信する質問器と、前記磁界発生用アンテナと近距離で電磁結合する受信用アンテナを備え当該受信用アンテナが受信した磁界信号の強度を示す磁界強度データを得ると共にこの磁界強度データを含んだ返信信号を前記質問器に送信する応答器とを具備し、前記質問器は、受信した前記返信信号に含まれた磁界強度データに基づいて、前記応答器が受信した磁界信号のうち強度が最大となる磁界信号を送信した磁界発生用アンテナを判断し、当該磁界発生用アンテナに対応したドア或いはトランクのロック機構を解錠する機能を有することを特徴とするものである。
【0009】
このような構成によれば、質問器側から磁界信号が送信されると、応答器は、車両のドアやトランクに設けられた各アンテナとの距離に応じた強度の磁界信号を受信すると共に、その磁界信号の強度を示す磁界強度データを含んだ返信信号を返信するようになる。この場合、磁界信号の距離に対する信号強度の減衰率が電波信号のそれよりも10倍程度大きいため、応答器が受信する磁界信号の強度が、当該応答器と車両に設けられた各アンテナとの距離に応じて大きく異なるようになる。
【0010】
従って、質問器は、応答器からの返信信号に含まれる磁界強度データに基づいて車両に設けられた各アンテナと応答器との距離の大小を正確に判定することができると共に、この判定に基づいて、応答器との距離が最も短いアンテナに対応したドア或いはトランクのロック機構、即ち、使用者が解錠を所望するドア或いはトランクを解錠することができる。この場合、ロック機構の解錠は、使用者が所望するドア或いはトランクに対してのみ行われるので、他のロック機構に対して不必要な解錠が行われることがなく、施錠忘れを防止することができる等、セキュリティー性能が低下してしまうことはない。しかも、この場合、使用者が特定のスイッチを押す操作が不要であるから、使い勝手が良い。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図3を参照して説明する。まず、図1には、ワイヤレスドアロック解除システムの全体構成を機能ブロックの組合わせにより模式的に示されている。
【0012】
この図1において、車両用ワイヤレスドアロック解除システムは、車両(図2参照)11側に設けられた質問器12と、イグニッションキー(図2参照)13のキーグリップに対しユニット化された状態で内蔵される応答器14とから構成されている。
【0013】
まず、質問器12は、磁界発生用アンテナとして3個のコイル状のアンテナ15〜17を備えて構成されている。これら3個のアンテナ15〜17は、図2に示すように、それぞれ、運転席及び助手席のドア並びにトランクの近傍に対応して設けられており、以下、順にDアンテナ15、Pアンテナ16、Tアンテナ17と称する。この場合、詳しくは図示しないが、各アンテナ15〜17は各ドア及びトランクのアウタハンドルまたはキーシリンダの近傍に配設されている。
【0014】
また、質問器12は、判断回路18を中心として構成されている。この判断回路18は、例えばマイクロコンピュータにより構成されており、質問器12の動作全般を制御するコントローラとしての機能を有していると共に、そのための制御プログラムを記憶している。
【0015】
上記各アンテナ15〜17を通じた磁界信号の送信制御は、判断回路18により行われる構成となっている。即ち、判断回路18は、磁界信号発生回路19から間欠的に磁界信号を発生させると共に、切替器20を予め設定された所定時間ごとに切替え動作させることにより、各アンテナ15〜17から磁界信号を順に送信させるように構成されている。
【0016】
この場合、各アンテナ15〜17から発振(送信)される磁界信号は、それぞれ同一強度で、且つ、図3に示すように、開始を示すパルスP1とこのパルスP1より幅の小さいパルスP2との組み合わせから構成されており、パルスP2のパルスP1からの遅れ時間ΔTが、各アンテナ15〜17に固有の値とされている。
【0017】
一方、判断回路18には、応答器14からの返信信号が高周波受信回路21を介して入力されるように構成されている。ここで、応答器14から返信される返信信号について該応答器14の全体構成と共に説明する。
【0018】
応答器14は、制御回路22を中心として構成されたもので、外部からの磁界信号を受信するコイル状の受信用アンテナ23を備えている。受信用アンテナ23は、信号ラインSLとグランド端子との間にコイル23a及びコンデンサ23bを並列接続して構成されており、車両11側に設けられた質問器12の磁界発生用アンテナ15〜17と近距離、例えば約1m以内にて電磁結合することにより各アンテナ15〜17からの磁界信号を受信するように構成されている。
【0019】
従って、車両11側において各アンテナ15〜17が、夫々1m以上離れて設けられていることから、受信用アンテナ23は多くとも2個のアンテナからの磁界信号しか受信しないように構成されている。そして、受信用アンテナ23が質問器12からの磁界信号を受信すると、その磁界信号がウェイクアップ回路24に入力されるようになっている。そして、ウェイクアップ回路24は、入力された磁界信号の信号レベルが規定値を上回ったときは制御回路22に起動信号を出力して能動状態に切替える。
【0020】
また、受信用アンテナ23が質問器12からの磁界信号を受信すると、この磁界信号は処理回路25に入力されるようになっている。そして、処理回路25においては、磁界信号により前記受信用アンテナ23に誘起される信号レベルに対応した値を示す磁界強度データΔBが生成されると共に、磁界信号を構成するパルスP1に対するパルスP2の遅れ時間データΔTが得られるように構成されている。
【0021】
続いて、処理回路25にて得られた磁界強度データΔB及び遅れ時間データΔTは、制御回路22に入力されるようになっている。制御回路22には、対応するイグニッションキー13に固有のID識別コードΔAが予め記憶されており、前記磁界強度データΔB及び遅れ時間データΔTが入力されると、コード化回路26にて前記ID識別コードΔAに続けて遅れ時間ΔTに対応したフレーム順で磁界強度データΔBをコード化して出力するように構成されている。
【0022】
つまり、パルスP1に続けてパルスP2を受信するまでの時間がΔT1であったときはID識別コードΔAに続く1回目のデータ出力フレームで磁界強度データΔBを出力し、パルスP1に続けてパルスP2を受信するまでの時間がΔT2であったときはID識別コードΔAに続く2回目のデータ出力フレームで磁界強度データΔBを出力し、パルスP1に続けてパルスP2を受信するまでの時間がΔT3であったときはID識別コードΔAに続く3回目のデータ出力フレームで磁界強度データΔBを出力する。
【0023】
そして、高周波送信回路27は、コード化回路26の出力に基づいて変調した高周波信号(返信信号)を返信用アンテナ28から送信(返信)するように構成されている。
【0024】
これに対して、質問器12においては、返信用アンテナ28から返信信号が送信されると、この返信信号は車両11側の受信用アンテナ29を介して高周波受信回路21に取り込まれ、判断回路18に入力されるのである。判断回路18には、当該自動車用としてイグニッションキー13側の制御回路22に記憶されたID識別コードΔAと同じID識別コードΔAが記憶されている。
【0025】
判断回路18は、返信信号を解読して、該返信信号に含まれるID識別コードΔAと予め判断回路18に記憶されているID識別コードΔAとが一致しているか否か判断する。両者が一致しているとき、判断回路18は、返信信号に含まれる磁界強度データΔB及びそのデータフレーム順に基づいて、応答器14が受信した磁界信号のうち強度が最大となる磁界信号を送信したアンテナを判定し、その判定結果Saを駆動回路30に与えるようになっている。
【0026】
尚、本実施例においては、返信信号に複数種類の磁界強度データΔBが含まれる場合は大きい値を示す方の磁界強度が所定レベル以上のとき、1種類の磁界強度データΔBが含まれる場合はその磁界強度が所定レベル以上のとき、具体的には応答器14がアンテナから約50cm以内のエリア内に位置するときに受信した磁界信号の磁界強度であるとき、判断回路18はその磁界強度データΔBのデータフレーム順からアンテナを判断するように構成されている。
【0027】
これにより、そのアンテナに対応したドア或いはトランクのロック機構31を解錠するためのロック機構解錠指令信号Sbがロック機構31の電動アクチュエータに与えられ、この電動アクチュエータのロック解除用電磁石が通電駆動されてロック機構が解錠動作されるように構成されている。そして、運転席及び助手席のドア並びにトランクは、ロック機構31が解錠された状態でアウタハンドルが回動動作されると、ドア及びトランクの閉鎖状態を保持するラッチ機構が外れてドア或いはトランクが開放されるようになっている。尚、各ドア及びトランクは、ロック機構が解錠された後、アウタハンドルが回動動作されることなく所定時間経過すると、自動的に施錠されるようになっている。
【0028】
さて、上記構成の作用を、使用者が運転席のドアを解錠すべく車両11に近付いてくる場合の動作を例にあげて説明する。この場合、使用者が車両11の横側ないし前方(図2において、車両11の上側ないし左側)から運転席に近付いてきた場合、及び使用者が車両11の後方(図2において、車両11の右側ないし右上側)から運転席に近付いてきた場合に分けて説明する。
【0029】
まず、車両11側においては、各アンテナ15〜17から磁界信号が順に発信されている。即ち、判断回路18は、磁界信号発生回路19を間欠的に動作させると共に、切替器20を切替え動作させることにより、各アンテナ15〜17から、図3に示すような、パルスP1とパルスP2との組合わせからなる同一強度の磁界信号が発信される。
【0030】
このとき、各アンテナ15〜17から送信される磁界信号におけるパルスP2のパルスP1からの遅れ時間ΔTは夫々固有の値とされており、具体的には、Dアンテナ15の磁界信号における遅れ時間はΔT1に、Pアンテナ16の磁界信号における遅れ時間はΔT2に、Tアンテナ15の磁界信号における遅れ時間はΔT3とされている。また、磁界信号は、Dアンテナ15、Pアンテナ16、Tアンテナ17の順に連続的に送信されると共に、各アンテナ15〜17からn回目の磁界信号が送信された後は所定の時間をおいてn+1回目の磁界信号が送信されるようになる。
【0031】
そして、使用者が車両11の横側ないし前方(図2において、車両11の上側ないし左側)から運転席に近付いてきた場合、まず、使用者(イグニッションキー13)がDアンテナ15から約1m以内のエリア内に入ると、応答器14の受信用アンテナ23はDアンテナ15と電磁結合することにより磁界信号を受信する。これにより、応答器14においては、上述したようにウェイクアップ回路24により制御回路22が能動状態に切換えられるに応じて、Dアンテナ15からの磁界信号に対応する磁界強度データΔB及び遅れ時間データΔT1が制御回路22に入力される。
【0032】
制御回路22においては、予め記憶されているID識別コードΔAに続けて遅れ時間データΔT1に基づく所定タイミングで磁界強度データΔBがコード化回路26によりコード化されて出力される。そして、高周波送信回路27は、コード化回路26の出力に基づいて返信信号を作成し、返信用アンテナ28から返信(送信)する。
【0033】
ところで、車両11側の質問器12からは、所定時間毎に全てのアンテナ15〜17を介して磁界信号が順に送信されているので、応答器14においては、パルスP1が入力されてから所定時間経過する毎に、受信した磁界信号に対応する返信信号を作成するようになっている。
【0034】
そして、車両11側の質問器12においては、上記応答器14からの返信信号を受信用アンテナ29を介して受信し、高周波受信回路27にて復調した後、判別回路18にて解読する。判別回路18は、返信信号に含まれるID識別コードΔAと、予め判別回路18に記憶されているID識別コードΔAとを比較し、両者が一致しない場合には、全てのロック機構31の解錠を禁止する。
【0035】
従って、ID識別コードが一致しない不適正なイグニッションキーを保持した使用者が近付いてきても、車両11のいずれのロック機構31も解錠されないため、盗難に対するセキュリティ性能が低下することはない。
【0036】
一方、返信信号に含まれるID識別コードΔAと予め判別回路18に記憶されているID識別コードΔAとが一致した場合には、判別回路18は、返信信号に含まれる磁界強度データΔBの強度レベルが所定レベルに達しているか否か判断する。そして、磁界強度データΔBの強度レベルが所定レベルに達していない、即ち、使用者がDアンテナ15から約50cm以内のエリア外で磁界信号を受信したときには、動作を終了して次の返信信号が入力されるのを待つ。
【0037】
これに対して、使用者がDアンテナ15から約50cm以内のエリア内に位置し、磁界強度データΔBの強度レベルが所定レベルに達している場合、判別回路18は、磁界信号が各アンテナ15〜17のうちのいずれから送信されたものであるか、即ち、返信信号に含まれる磁界信号データΔBの入力タイミングに基づいてDアンテナ15からの磁界信号であると判定し、判定結果Saを駆動回路30に与える。そして、駆動回路30は、判定結果Saに基づいて運転席のドアのロックを解除するロック解除指令信号Sbをロック機構31の電動アクチュエータに与え、これにより、運転席のドアのロック機構31が解錠動作される。
【0038】
次に、使用者が車両11の後方(図2において、車両11の右側ないし右上側)から運転席に近付いてきた場合について説明する。
まず、使用者(イグニッションキー13)が、Dアンテナ15とTアンテナ17の両方から1m以内のエリア内に位置するときは、応答器14の受信アンテナ23は、Dアンテナ15及びTアンテナ17と電磁結合することにより両方から磁界信号を受信する。
【0039】
これにより、応答器14側においては、ID識別コードΔA、Dアンテナ15に対応する磁界強度データΔB、Tアンテナ17に対応する磁界強度データΔBに基づいて返信信号が作成され、返信用アンテナ28から返信される。
【0040】
そして、車両11側の質問器12においては、応答器14からの返信信号が受信用アンテナ29を介して受信され、判別回路18にて解読される。このとき、返信信号に含まれるID識別コードΔAと、予め判別回路18に記憶されているID識別コードΔAとが一致しない場合には、判別回路18は、上述したように全てのロック機構31の解錠を禁止する。
【0041】
一方、返信信号に含まれるID識別コードΔAと予め判別回路18に記憶されているID識別コードΔAとが一致した場合には、判別回路18は、返信信号に含まれる磁界強度データΔBのうち大きい値を示す方の強度レベルが所定レベルに達しているか否か判断する。この場合、使用者はDアンテナ15及びTアンテナ17の両方から磁界信号を受信する位置(即ち、約1m以内)におり、換言すればDアンテナ15及びTアンテナ17のいずれからも約50cm以内のエリア内に位置しない。従って、両アンテナ15,17からの磁界信号に対応する磁界強度データΔBの強度レベルはいずれも所定レベルに達していないため、動作を終了して次の返信信号を待つことになる。
【0042】
そして、使用者が運転席に近付いてDアンテナ15から約50cm以内のエリア内に位置するとき、この場合はTアンテナ17から約1m以内のエリア内には位置しないので、応答器14の受信用アンテナ23は、Dアンテナ15からの磁界信号のみを受信する。すると、応答器14は、ID識別コードΔA,Dアンテナ15からの磁界信号に対応した磁界強度データΔBに基づいて返信信号を作成して返信する。その結果、上述したと同様に運転席のドアのロック機構31が解錠されるのである。
【0043】
尚、ここでは、使用者が運転席のドアの解錠を所望する場合において、運転席のドアのみが解錠される場合の動作について説明したが、たとえ使用者が所望しない助手席のドアやトランクが解錠されることがあっても、アウタハンドルが回動動作されることなく所定時間経過すると自動的に施錠されるので、セキュリティーの面で優れている。
【0044】
このような構成の本実施例によれば、車両11の運転席および助手席のドア並びにトランクのアウタハンドルまたはキーシリンダ付近に夫々アンテナ15〜17を設け、これらアンテナ15〜17から約1m以内のエリア内に応答器14が位置するときに、応答器14は各アンテナ15〜17からの距離に応じた強度の磁界信号を受信して磁界強度データΔBを作成し、この磁界強度データΔBを含んだ返信信号を送信すると共に、質問器12は、応答器14から返信される返信信号に含まれる磁界強度データΔBに基づいて、応答器14との距離が最も短いアンテナを正確に判定し、このアンテナに対応する、即ち使用者が所望するドア或いはトランクのみを解錠するように構成したので、全てのロック機構を解錠する場合と異なり、不必要なロック解除が行われないので、施錠忘れを防止することができる等、セキュリティー性能が向上する。
【0045】
しかも、応答器14が車両11側からの磁界信号を受信して且つ応答器14がDアンテナ15から約50cm以内のエリア内に位置するときにドアロック機構31が解錠されるように構成したので、使用者がロック解除を所望するドア等を正確に判断でき、不用意にロック機構31が解錠されることを防止できる。
【0046】
そして、使用者は特定のスイッチを押す操作をすることなく、車両11に近付くだけでロック機構31が解錠されるので使い勝手が向上する。
また、質問器12は、比較的近距離で応答器14からの返信信号(電波信号)を受信することになるので、返信信号に対する通信電波等のノイズの影響を極力少なくすることができる。
【0047】
図4は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と異なるところを説明する。即ち、本実施例では、質問器12において各磁界発生用アンテナ15〜17からの磁界信号が、所定の間隔をおいて間欠的に送信されるように構成されている。そして、本実施例においては磁界信号は、図4に示すように、Dアンテナ15、Pアンテナ16、Tアンテナ17の順に送信され、各磁界信号は同一強度で且つ単一のパルスP3から構成されている。
【0048】
これに対して、応答器14は、質問器12から磁界信号を受信する毎に、その磁界信号についての磁界強度データΔBと予め制御回路22に記憶されているID識別コードΔAとを含んだ返信信号を生成し、返信用アンテナ28から返信するように構成されている。
【0049】
そして、車両11側の質問器12においては、応答器14からの返信信号を受信し、その返信信号に含まれるID識別コードΔAと、予め判別回路18に記憶されているID識別コードΔAとを比較すると共に、両者が一致している場合には、磁界強度データΔBに基づき、応答器14が受信した磁界信号の強度が所定の強度レベルに達しているか否か判別する。
【0050】
このとき、質問器12は、磁界信号を送信した後、次の磁界信号を送信するまでの間に、応答器14からの返信信号を受信するように構成されている。これにより、質問器12は、応答器14からの返信信号がいずれのアンテナ15〜17からの磁界信号に対応するものであるかを識別することができる。
従って、本実施例においても、上記第1実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、以下に述べるような拡大或いは変更が可能である。
応答器14からの返信信号は、電波信号に限らず磁界信号や光信号としても良い。
また、応答器14においては受信用アンテナ23と返信用アンテナ28とをそれぞれ別個に設けたが、同一のアンテナとしても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の車両用ワイヤレスドアロック解除システムによれば、質問器側から磁界信号が送信されると、応答器は、車両のドアやトランクに設けられた各アンテナとの距離に応じた強度の磁界信号を受信して、その磁界信号の強度を示す磁界強度データを含んだ返信信号を返信すると共に、質問器は、受信した返信信号に含まれる磁界強度データに基づいて、応答器との距離が最も短いアンテナに対応したドアあるいはトランクのドアロック機構のみを解錠するようにしたので、ロック機構の不必要な解錠が行われることがなく、施錠忘れを防止することができる等、セキュリティー性能が向上する。しかも、この場合、使用者が特定のスイッチを押す操作が不要であるから、使い勝手を良くすることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、システム全体の構成を示す機能ブロック図
【図2】車両側におけるアンテナの配置とイグニッションキーに内蔵された応答器とを模式的に示す図
【図3】質問器からの磁界信号の信号波形図及び磁界信号に対する返信信号の内容を示す図
【図4】本発明の第2実施例を示す図3相当図
【符号の説明】
図中、11は車両、12は質問器、14は応答器、15はDアンテナ(磁界発生用アンテナ)、16はPアンテナ(磁界発生用アンテナ)、17はTアンテナ(磁界発生用アンテナ)、23は受信用アンテナ、31はロック機構を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a wireless door unlocking system for a vehicle that can unlock a door or trunk locking mechanism desired by a user without performing an operation of inserting a key into a key hole.
[0002]
[Prior art]
In order to simplify the troublesome operation of having to insert the key into the key hole each time the door locking mechanism of a vehicle such as an automobile is unlocked, for example, the transmitter has a built-in transmitter and the transmitter There is a configuration in which a radio signal is transmitted in response to an operation on an operation button from a remote control to unlock the lock mechanism by remote control.
[0003]
In such a configuration, a door lock control circuit and an antenna are provided on the vehicle side. When the user approaches the vehicle and operates the transmitter, a radio signal including an identification code for identifying itself is transmitted from the transmitter. Then, the control circuit on the vehicle side receives the radio signal from the antenna, determines whether or not the identification code included in the radio signal matches the identification code registered in advance, and matches The door lock mechanism is unlocked.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Such a wireless door unlocking system is usually configured to unlock the driver's door locking mechanism or unlock all door and trunk locking mechanisms upon receipt of a signal from the transmitter. ing.
[0005]
However, in the case of a configuration in which the lock mechanism of the driver's seat door is unlocked, if the user desires to unlock the passenger's seat door or trunk, an operation of inserting the key into the key hole is required. Therefore, it was still inconvenient. Further, in the case of a configuration in which all the lock mechanisms are unlocked, there is a problem that forgetting to lock after unlocking the lock mechanisms occurs, and the security performance is lowered.
[0006]
Therefore, there is a wireless door unlock system that unlocks the door and trunk locking mechanisms of the driver's seat and passenger seat, and that can unlock only the door or trunk locking mechanism desired by the user by remote control. It is desired. In this case, in order to improve operability, it is desirable to have a system that automatically unlocks the lock mechanism only by the user approaching the vehicle.
[0007]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object thereof is to unlock a door or trunk locking mechanism desired by a user among vehicle doors and trunks, and to improve usability. An object of the present invention is to provide a wireless door unlocking system that can perform the above.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The vehicle wireless door unlocking system of the present invention includes a magnetic field generating antenna provided corresponding to the vicinity of a vehicle door and a trunk, respectively, and transmits a magnetic field signal having the same strength from the magnetic field generating antenna. A receiving antenna that is electromagnetically coupled to the magnetic field generating antenna at a short distance and obtains magnetic field strength data indicating the strength of the magnetic field signal received by the receiving antenna and sends a reply signal including the magnetic field strength data to the query The interrogator transmits a magnetic field signal having the maximum intensity among the magnetic field signals received by the transponder based on the magnetic field intensity data included in the received reply signal. It has a function of judging a transmitted magnetic field generating antenna and unlocking a door or trunk locking mechanism corresponding to the magnetic field generating antenna. Is shall.
[0009]
According to such a configuration, when the magnetic field signal is transmitted from the interrogator side, the responder receives the magnetic field signal having a strength corresponding to the distance from each antenna provided in the door or trunk of the vehicle, A reply signal including magnetic field strength data indicating the strength of the magnetic field signal is returned. In this case, since the attenuation rate of the signal strength with respect to the distance of the magnetic field signal is about 10 times larger than that of the radio signal, the strength of the magnetic field signal received by the transponder is the It will vary greatly depending on the distance.
[0010]
Therefore, the interrogator can accurately determine the distance between each antenna provided on the vehicle and the responder based on the magnetic field strength data included in the reply signal from the responder, and based on this determination. Thus, the door or trunk locking mechanism corresponding to the antenna having the shortest distance from the responder, that is, the door or trunk that the user desires to unlock can be unlocked. In this case, since the unlocking of the lock mechanism is performed only on the door or trunk desired by the user, unnecessary unlocking is not performed on the other lock mechanisms, and forgetting to lock is prevented. Security performance is not degraded. In addition, in this case, since the user does not need to press a specific switch, it is easy to use.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a first embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. First, FIG. 1 schematically shows the overall configuration of the wireless door lock release system by a combination of functional blocks.
[0012]
In FIG. 1, the wireless door lock release system for a vehicle is unitized with respect to an
[0013]
First, the
[0014]
The
[0015]
The transmission control of the magnetic field signal through each of the
[0016]
In this case, the magnetic field signals oscillated (transmitted) from the
[0017]
On the other hand, the
[0018]
The
[0019]
Therefore, since the
[0020]
When the receiving antenna 23 receives the magnetic field signal from the
[0021]
Subsequently, the magnetic field strength data ΔB and the delay time data ΔT obtained by the
[0022]
That is, when the time until the pulse P2 is received after the pulse P1 is ΔT1, the magnetic field strength data ΔB is output in the first data output frame following the ID identification code ΔA, and the pulse P2 is continued from the pulse P1. Is ΔT2, the magnetic field strength data ΔB is output in the second data output frame following the ID identification code ΔA, and the time until the pulse P2 is received following the pulse P1 is ΔT3. If there is, the magnetic field strength data ΔB is output in the third data output frame following the ID identification code ΔA.
[0023]
The high-
[0024]
On the other hand, in the
[0025]
The
[0026]
In the present embodiment, when a plurality of types of magnetic field strength data ΔB are included in the reply signal, when one of the magnetic field strengths indicating a larger value is equal to or higher than a predetermined level, one type of magnetic field strength data ΔB is included. When the magnetic field strength is equal to or higher than a predetermined level, specifically, when the
[0027]
As a result, a lock mechanism unlock command signal Sb for unlocking the door or trunk lock mechanism 31 corresponding to the antenna is given to the electric actuator of the lock mechanism 31, and the unlocking electromagnet of this electric actuator is energized and driven. Thus, the lock mechanism is configured to be unlocked. When the outer handle is rotated while the lock mechanism 31 is unlocked, the door and the trunk of the driver seat and the passenger seat are released from the latch mechanism that holds the door and the trunk closed. Is now open. Each door and trunk are automatically locked after a predetermined time has passed without the outer handle being rotated after the lock mechanism is unlocked.
[0028]
Now, the operation of the above configuration will be described by taking as an example the operation when the user approaches the vehicle 11 to unlock the driver's door. In this case, when the user approaches the driver's seat from the side or front of the vehicle 11 (upper or left side of the vehicle 11 in FIG. 2), and when the user is behind the vehicle 11 (in FIG. This will be explained separately when approaching the driver's seat from the right side or upper right side).
[0029]
First, on the vehicle 11 side, magnetic field signals are sequentially transmitted from the
[0030]
At this time, the delay time ΔT from the pulse P1 of the pulse P2 in the magnetic field signal transmitted from each of the
[0031]
When the user approaches the driver's seat from the side or front of the vehicle 11 (in FIG. 2, the upper side or the left side of the vehicle 11), first, the user (ignition key 13) is within about 1 m from the
[0032]
In the
[0033]
By the way, since the
[0034]
The
[0035]
Therefore, even if a user holding an improper ignition key whose ID identification code does not match approaches, none of the lock mechanisms 31 of the vehicle 11 is unlocked, so that the security performance against theft does not deteriorate.
[0036]
On the other hand, when the ID identification code ΔA included in the return signal matches the ID identification code ΔA stored in advance in the
[0037]
On the other hand, when the user is located within an area within about 50 cm from the
[0038]
Next, a case where the user approaches the driver's seat from the rear of the vehicle 11 (the right side or the upper right side of the vehicle 11 in FIG. 2) will be described.
First, when the user (ignition key 13) is located within an area within 1 m from both the
[0039]
As a result, on the
[0040]
In the
[0041]
On the other hand, when the ID identification code ΔA included in the reply signal matches the ID identification code ΔA stored in advance in the
[0042]
When the user approaches the driver's seat and is located within an area within about 50 cm from the
[0043]
Here, the operation in the case where only the driver's door is unlocked when the user desires to unlock the driver's seat door has been described. Even if the trunk is unlocked, the outer handle is automatically locked after a predetermined period of time without being rotated, which is excellent in terms of security.
[0044]
According to the present embodiment having such a configuration, the
[0045]
Moreover, the door lock mechanism 31 is unlocked when the
[0046]
And since a lock mechanism 31 is unlocked only by approaching the vehicle 11, a user does not press a specific switch, usability improves.
Further, since the
[0047]
FIG. 4 shows a second embodiment of the present invention, and different points from the first embodiment will be described. That is, in this embodiment, the
[0048]
On the other hand, each time the
[0049]
The
[0050]
At this time, the
Therefore, also in the present embodiment, it is possible to obtain the same effects as those in the first embodiment.
[0051]
The present invention is not limited to the above-described embodiments, and can be expanded or modified as described below.
The reply signal from the
In the
[0052]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, according to the vehicle wireless door lock release system of the present invention, when a magnetic field signal is transmitted from the interrogator side, the responder is connected to each antenna provided on the vehicle door or trunk. And a reply signal including magnetic field strength data indicating the strength of the magnetic field signal is returned, and the interrogator converts the magnetic field strength data included in the received reply signal to the magnetic field strength data included in the received reply signal. Based on this, only the door or trunk door lock mechanism corresponding to the antenna with the shortest distance from the transponder is unlocked, so that unnecessary unlocking of the lock mechanism is not performed and forgetting to lock Security performance can be improved. In addition, in this case, since the user does not need to press a specific switch, there is an excellent effect that usability can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a first embodiment of the present invention, and is a functional block diagram showing a configuration of the entire system. FIG. 2 schematically shows an antenna arrangement on a vehicle side and a responder built in an ignition key. FIG. 3 is a signal waveform diagram of a magnetic field signal from an interrogator and a diagram showing the contents of a reply signal to the magnetic field signal. FIG. 4 is a diagram corresponding to FIG. 3 showing a second embodiment of the present invention.
In the figure, 11 is a vehicle, 12 is an interrogator, 14 is a responder, 15 is a D antenna (magnetic field generating antenna), 16 is a P antenna (magnetic field generating antenna), 17 is a T antenna (magnetic field generating antenna), Reference numeral 23 denotes a receiving antenna, and 31 denotes a lock mechanism.
Claims (1)
前記磁界発生用アンテナと近距離で電磁結合する受信用アンテナを備え、当該受信用アンテナが受信した磁界信号の強度を示す磁界強度データを得ると共にこの磁界強度データを含んだ返信信号を前記質問器に送信する応答器とを具備し、
前記質問器は、受信した前記返信信号に含まれた磁界強度データに基づいて、前記応答器が受信した磁界信号のうち強度が最大となる磁界信号を送信した磁界発生用アンテナを判断し、当該磁界発生用アンテナに対応したドア或いはトランクのロック機構を解錠する機能を有することを特徴とする車両用ワイヤレスドアロック解除システム。An interrogator that includes magnetic field generating antennas provided correspondingly in the vicinity of the door and trunk of the vehicle, and transmits a magnetic field signal of the same strength from the magnetic field generating antenna;
A receiving antenna that is electromagnetically coupled to the magnetic field generating antenna at a short distance, obtains magnetic field strength data indicating the strength of a magnetic field signal received by the receiving antenna, and sends a reply signal including the magnetic field strength data to the interrogator A responder for transmitting to
The interrogator determines a magnetic field generating antenna that has transmitted a magnetic field signal having the maximum intensity among the magnetic field signals received by the responder, based on the magnetic field strength data included in the received reply signal, and A wireless door unlocking system for a vehicle having a function of unlocking a door or trunk locking mechanism corresponding to a magnetic field generating antenna.
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