JP3678377B2 - 異常陰影抽出方法および装置 - Google Patents

異常陰影抽出方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は異常陰影抽出方法および装置に関し、詳細には原画像信号から形状的に特徴のある画像部分を抽出するモーフォロジー演算の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々の画像取得方法により得られた原画像を表す画像信号に対して、階調処理や周波数処理等の画像処理を施し、画像の観察読影性能を向上させることが行なわれている。特に人体を被写体とした放射線画像のような医用画像の分野においては医師等の専門家が、得られた画像に基づいて患者の疾病や傷害の有無を的確に診断する必要があり、その画像の読影性能を向上させる画像処理は不可欠なものとなっている。
【0003】
ところで画像処理のひとつとして、原画像のうち異常な陰影等の特定の画像部分だけを選択的に抽出する、モーフォロジー(Morphology;モフォロジーまたはモルフォロジーとも称する)のアルゴリズムに基づく処理(以下、モーフォロジー演算またはモーフォロジー処理という)が知られている。
【0004】
このモーフォロジー処理は、特に乳癌における特徴的形態である微小石灰化像を検出するのに有効な手法として研究されているが、対象画像としてはこのようなマンモグラムにおける微小石灰化像に限るものではなく、検出しようとする特定の画像部分(異常陰影等)の大きさや形状が予めある程度分かっているものについては、いかなる画像に対しても適用することができる。
【0005】
そしてこのモーフォロジー処理は、抽出しようとする陰影の大きさ、形状に対応した構造要素Bを用いた処理を行なうものであり、
(1)石灰化像そのものの抽出に有効であること、
(2)複雑なバックグラウンド情報に影響されにくいこと、
(3)抽出した石灰化像がひずまないこと、
などの特徴がある。
【0006】
すなわち、この手法は一般の微分処理に比べて、石灰化像のサイズ・形状・濃度分布などの幾何学的情報をよりよく保って検出することができる。
【0007】
以下、このモーフォロジー処理の概要を、マンモグラムにおける微小石灰化像の検出に適用した例について説明する。
【0008】
(モーフォロジーの基本演算)
モーフォロジー処理は一般的にはN次元空間における集合論として展開されるが、直感的な理解のために2次元の濃淡画像を対象として説明する。
【0009】
濃淡画像を座標(x,y)の点が濃度値f(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなす。ここで、濃度値f(x,y)は、濃度が低い(CRTに表示した場合には輝度が高い)程大きな画像信号値となる高輝度高信号レベルの信号とする。
【0010】
まず、簡単のため上記2次元の濃淡画像の断面に相当する1次元の関数f(x)を考える。モーフォロジー演算に用いる構造要素gは次式(1)に示すように、原点について対称な対称関数
【0011】
【数1】
Figure 0003678377
【0012】
であり、定義域内で値が0で、その定義域Gが下記式(2)であるとする。
【0013】
【数2】
Figure 0003678377
【0014】
このとき、モーフォロジー演算の基本形は式(3)〜(6)に示すように、非常に簡単な演算となる。
【0015】
【数3】
Figure 0003678377
【0016】
すなわち、ダイレーション(dilation)処理は、注目画素を中心とした、±m(構造要素Bに応じて決定される値であって、図7中のマスクサイズに相当)の幅の範囲内の最大値を探索する処理であり(同図(A)参照)、一方、エロージョン(erosion )処理は、注目画素を中心とした、±mの幅の範囲内の最小値を探索する処理である(同図(B)参照)。また、オープニング(opening )処理はエロージョン処理後にダイレーション処理を行なう処理、すなわち最小値の探索の後に最大値を探索する処理であり、クロージング(closing )処理は、ダイレーション処理後にエロージョン処理を行なう処理、すなわち最大値の探索の後に最小値を探索する処理に相当する。
【0017】
つまりオープニング処理は、低輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凸状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が高い部分)を取り除くことに相当する(同図(C)参照)。
【0018】
一方、クロージング処理は、高輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凹状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が低い部分)を取り除くことに相当する(同図(D)参照)。
【0019】
なお、構造要素gが原点に対して対称ではない場合の、式(3)に示すダイレーション演算をミンコフスキー(Minkowski )和、式(4)に示すエロージョン演算をミンコフスキー差という。
【0020】
ここで、濃度の高いもの程大きな値となる高濃度高信号レベルの信号の場合においては、濃度値f(x)の画像信号値が高輝度高信号レベルの場合に対して大小関係が逆転するため、高濃度高信号レベルの信号に対するダイレーション処理と高輝度高信号レベルに対するエロージョン処理(同図(B))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するエロージョン処理と高輝度高信号レベルに対するダイレーション処理(同図(A))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するオープニング処理と高輝度高信号レベルに対するクロージング処理(同図(D))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するクロージング処理と高輝度高信号レベルに対するオープニング処理(同図(C))とは一致する。
【0021】
なお、本項では高輝度高信号レベルの画像信号(輝度値)の場合について説明する。
【0022】
(石灰化陰影検出への応用)
石灰化陰影の検出には、原画像から平滑化した画像を引き去る差分法が考えられる。単純な平滑化法では石灰化陰影と細長い形状の非石灰化陰影(乳腺、血管および乳腺支持組織等)との識別が困難であるため、東京農工大の小畑らは、多重構造要素を用いたオープニング処理に基づく下記式(7)で表されるモーフォロジーフィルターを提案している(「多重構造要素を用いたモルフォロジーフィルタによる微小石灰化像の抽出」電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II No.7 P1170 〜1176 1992年7月、「モルフォロジーの基礎とそのマンモグラム処理への応用」MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY Vol.12 No.1 January 1994 等)。
【0023】
【数4】
Figure 0003678377
【0024】
ここでBi (i=1,2,…,n)は、直線状の大きさがm画素でn個(例えば図8に示すものでは、9画素4方向でありm=9,n=4)の構造要素(これらを全体として以下、m画素n方向の多重構造要素という)である。構造要素Bi を検出対象である石灰化陰影よりも大きく設定すれば、上記オープニング演算による処理で、構造要素Bi よりも細かな信号変化部分(空間的に狭い範囲で信号が変動する画像部分)であって周囲よりも輝度値の大きい凸状の部分である石灰化陰影は取り除かれる。一方、細長い形状の乳腺の陰影等の非石灰化陰影はその長さが構造要素Bi よりも長く、その傾きが4つの構造要素Bi のいずれかに一致すればオープニング処理(式(7)の第2項の演算)をしてもそのまま残る。したがってオープニング処理によって得られた平滑化画像(石灰化陰影のみが取り除かれた画像)を原画像fから引き去ることで、小さな石灰化陰影のみが含まれる画像が得られる。これが式(7)の考え方である。
【0025】
なお、前述したように、高濃度高信号レベルの信号の場合においては、石灰化陰影は周囲の画像部分よりも濃度値が低くなり、石灰化陰影は周囲部分に対して濃度値の小さい凹状の信号変化部分となるため、オープニング処理に代えてクロージング処理を適用し、式(7)に代えて式(8)を適用する。
【0026】
【数5】
Figure 0003678377
【0027】
なお、モーフォロジー演算の一例である式(8)のクロージング処理を具体的に説明する。
【0028】
すなわち、高濃度高信号レベルの画像信号である濃度値Sorg についてのモーフォロジー演算によれば、例えば図9(1)の実線に示すような濃度値Dorg の分布を有する画像データに対して、同図(2)に示すような直線状の3画素の構造要素Bで、最大値処理(ダイレーション処理)を行うことにより、ある注目画素の濃度値Si は、その注目画素を中心として互いに隣接する3画素(構造要素Bにより決定される)の中の最大値Si+1 を採用したSi ′に変換される。この演算を全画素について行うことにより、濃度値Sorg ′の分布を有する同図(1)の破線で示す最大値信号に変換される。
【0029】
次に、この最大値処理により得られた最大値信号に対してさらに構造要素Bによる最小値処理(エロージョン処理)を考えると、同図(1)の破線で示された注目画素の最大値信号Si ′は、その注目画素を中心として互いに隣接する3画素の中の最小値Si-1 ′を採用したSi ″(=Si )に変換される。この演算を全画素について行うことにより、最大値処理後の最小値信号Sorg ″の分布は同図(1)の一点鎖線で示すものとされる。この一点鎖線で示された画像信号は、もとの実線のオリジナルの画像データに対して、構造要素Bよりも空間的に狭い範囲で信号が変動する画像部分が消え、構造要素Bよりも空間的に広い範囲で変動する信号値の変化部分である画像部分や変動のない画像部分はもとの形状のまま残っていることを示している。すなわち、以上の処理(クロージング処理)は、画像濃度の分布を高濃度側から平滑化する処理として作用する。
【0030】
このようにクロージング処理で得られた値(Sorg に対して最大値処理を行なった後にさらに最小値処理を行なった値)を原画像信号Sorg から差し引くことにより得られた値Smor は、上記クロージング処理で消された空間的に狭い範囲で変動する信号値の変化部分である画像部分を表す。
【0031】
ここで、本来、画像信号は2次元の要素である位置(x,y)と、3次元目の要素である信号値f(x,y)を有するが、上記説明においては、理解の容易化のために、この2次元上に展開された画像の所定の断面に現れた、1次元状の画像信号分布曲線について説明した。
【0032】
したがって実際には、以上の説明を2次元画像に適用する必要があり、多重構造要素を用いるのも2次元画像に対応させるためである。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
ところで画像信号から特定の画像部分を抽出する式(7)または式(8)で表されるモーフォロジー演算では、原画像信号に対して、最小値処理を施した後に最大値処理を施し、または最大値処理を施した後に最小値処理を施す、という2段階の演算が必要である。すなわち例えばクロージング処理においては、原画像信号に対してまず最大値処理を施してこの最大値処理の結果を保存し、次いでこの保存された最大値処理の結果に対して最小値処理を施す必要がある。
【0034】
ここで原画像がYライン×X画素(合計の画素数はY×X画素)により構成されており、m画素n方向の多重構造要素を用いてクロージング処理を行なう場合、原画像の全画素について前述の最大値処理を施すとともに、この最大値処理をn個の構造要素ごとに行なう必要があるため、保存すべき最大値処理の結果は、Y×X×n個となる。これを具体的に、原画像を1024ライン×1024画素、多重構造要素の方向数nを8とした場合に適用すると、最大値処理の結果を保存するためには約 8,400,000(=1024×1024×8)もの記憶領域を確保しなければならない。
【0035】
一方、この最大値処理の結果は、クロージング処理の結果を得るための中間的な結果にすぎず、このような中間結果を保存するために約 8,400,000もの膨大な記憶領域を確保するのは実用的ではない。
【0036】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、モーフォロジー演算におけるクロージング処理またはオープニング処理の中間結果を保存するための記憶領域を大幅に低減させた異常陰影抽出方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明の異常陰影抽出方法および装置は、モーフォロジー演算(クロージング処理またはオープニング処理)における中間的な演算結果である最大値処理(または最小値処理)の結果が、最小値処理(または最大値処理)を行なうことができるだけの数だけ揃った時点で逐次最小値処理(または最大値処理)を実行し、既に終了した最小値処理(または最大値処理)のためにのみ必要な最大値処理(または最小値処理)の結果を逐次廃棄し、この廃棄して得られた空領域に新たな最大値処理(または最小値処理)の結果を保存することによって、中間結果を保存するために必要な記憶容量を大幅に減少させたものである。
【0038】
すなわち本発明の第1の異常陰影抽出方法は、Yライン×X画素の原画像信号に対して、m画素n方向の多重構造要素を用いた最大値処理と最小値処理とを順次施すことにより、該原画像信号が表す原画像から前記多重構造要素よりも空間的に狭い範囲で前記原画像信号が変動する画像部分を抽出する異常陰影抽出方法において、
(A)前記n方向の多重構造要素を構成するn個の構造要素についてそれぞれ下記(1)から(7)の操作を行い、
(1)各構造要素を用いて、前記原画像信号のラインに沿って該原画像信号を1画素ずつ走査し、
(2)該1画素を走査するごとに、前記構造要素と重なる前記原画像信号のうち最大値の信号を抽出して、該最大値の信号を、mライン×X画素からなる中間メモリの、第m番目のラインの前記走査する画素と対応する画素に格納せしめ、
(3)前記1ラインを走査した後に、前記中間メモリの第m番目のラインに記憶せしめられた前記各最大値の信号を該中間メモリの第(m−1)番目のラインにシフトし、
(4)前記中間メモリの中間のラインに前記最大値の信号が格納されるまで、前記走査するラインを順次代えて前記(2),(3)の操作を行ない、
(5)さらに前記走査するラインを代えて前記(2)の操作を行なって前記中間メモリの第m番目のラインから中間ラインまで前記最大値の信号を格納し、
(6)前記構造要素を用いて、前記中間メモリの中間ラインに沿って前記最大値の信号を1画素ずつ走査し、
(7)該1画素を走査するごとに、前記構造要素と重なる中間メモリの最大値の信号のうち最小値の信号を抽出し、
(B)各構造要素による前記(A)の操作により抽出されたn個の最小値の信号のうち最小の信号を選択し、
(C)該選択された最小の信号に対応する原画像信号から該選択された最小の信号を減算し、
(D)以後、前記(A)における前記中間メモリのラインのシフト、構造要素による前記原画像信号のラインの走査、前記中間メモリの第m番目のラインへの最大値信号の格納、構造要素による前記中間メモリの中間ラインの走査、前記(B)における最小の信号の選択、および前記(C)における減算の操作を、前記原画像信号のラインを順次代えて前記Yラインまで繰り返すことを特徴とするものである。
【0039】
なお、上記中間メモリを、第1番目のラインと第m番目のラインとが隣接するようにリング状に形成してもよく、この場合、(2)の行程において第m番目のラインに最大値の信号を格納するのに代えて、第1番目のラインに最大値の信号を格納し、(3)の行程において第m番目のラインに格納された最大値の信号を第(m−1)番目のラインにシフトするのに代えて、リング状の中間メモリを1ライン分だけ回転させ、以後の格納を第2番目のライン、第3番目のラインというように順次、次のラインに格納していけばよい。以下の発明においても同様である。
【0040】
また本発明の第2の異常陰影抽出方法は、Yライン×X画素の原画像信号に対して、m画素n方向の多重構造要素を用いた最大値処理と最小値処理とを順次施すことにより、該原画像信号が表す原画像から前記多重構造要素よりも空間的に狭い範囲で前記原画像信号が変動する画像部分を抽出する異常陰影抽出方法において、
(A)前記n方向の多重構造要素を構成するn個の構造要素についてそれぞれ下記(1)から(7)の操作を行い、
(1)各構造要素を用いて、前記原画像信号のラインに沿って該原画像信号を1画素ずつ走査し、
(2)該1画素を走査するごとに、前記構造要素と重なる前記原画像信号のうち最小値の信号を抽出して、該最小値の信号を、mライン×X画素からなる中間メモリの、第m番目のラインの前記走査する画素と対応する画素に格納せしめ、
(3)前記1ラインを走査した後に、前記中間メモリの第m番目のラインに記憶せしめられた前記各最小値の信号を該中間メモリの第(m−1)番目のラインにシフトし、
(4)前記中間メモリの中間のラインに前記最小値の信号が格納されるまで、前記走査するラインを順次代えて前記(2),(3)の操作を行ない、
(5)さらに前記走査するラインを代えて前記(2)の操作を行なって前記中間メモリの第m番目のラインから中間ラインまで前記最小値の信号を格納し、
(6)前記構造要素を用いて、前記中間メモリの中間ラインに沿って前記最小値の信号を1画素ずつ走査し、
(7)該1画素を走査するごとに、前記構造要素と重なる中間メモリの最小値の信号のうち最大値の信号を抽出し、
(B)各構造要素による前記(A)の操作により抽出されたn個の最大値の信号のうち最大の信号を選択し、
(C)該選択された最大の信号に対応する原画像信号から該選択された最大の信号を減算し、
(D)以後、前記(A)における前記中間メモリのラインのシフト、構造要素による前記原画像信号のラインの走査、前記中間メモリの第m番目のラインへの最小値信号の格納、構造要素による前記中間メモリの中間ラインの走査、前記(B)における最大の信号の選択、および前記(C)における減算の操作を、前記原画像信号のラインを順次代えて前記Yラインまで繰り返すことを特徴とするものである。
【0041】
本発明の第1の異常陰影抽出装置は、Yライン×X画素の原画像信号に対して、m画素n方向の多重構造要素を用いた最大値処理と最小値処理とを順次施すことにより、該原画像信号が表す原画像から前記多重構造要素よりも空間的に狭い範囲で前記原画像信号が変動する画像部分を抽出する異常陰影抽出装置において、
前記n方向の多重構造要素を構成するn個の構造要素のそれぞれを各別に用いて前記原画像信号のラインに沿って該原画像信号を1画素ずつ走査し、該1画素を走査するごとに、前記各構造要素と重なる前記原画像信号のうち該各構造要素毎の最大値の信号を抽出するn個の最大値信号抽出手段と、
該各最大値信号を、前記n個の構造要素毎に画素を対応させて格納するmライン×X画素からなるn個の中間メモリと、
前記中間メモリの第i番目(i=2,3,…,m)の各ラインに記憶せしめられた前記各最大値の信号を該中間メモリの第(i−1)番目のラインにシフトするシフト手段と、
全ラインのうち少なくとも中間のラインまで前記最大値の信号が格納された前記中間メモリに対して、対応する前記構造要素を用いて、該中間メモリのラインに沿って前記最大値の信号を1画素ずつ走査し、該1画素を走査するごとに、前記構造要素と重なる中間メモリの最大値の信号のうち最小値の信号を抽出するn個の最小値信号抽出手段と、
前記n個の最小値信号抽出手段から出力されたn個の最小値の信号のうち最小の信号を選択する最小値選択手段と、
該最小値選択手段により選択された前記最小の信号を、対応する原画像信号から減算する減算手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0042】
なお、上記中間メモリを、第1番目のラインと第m番目のラインとが隣接するようにリング状に形成されたものとしてもよく、この場合、最大値信号の格納は第1番目のラインから、第2番目のライン、第3番目のラインというように順次、次のラインに格納していけばよく、シフト手段に代えて、このリング状の中間メモリを順方向に1ラインずつ回転させる回転手段とすればよい。以下の発明においても同様である。
【0043】
また本発明の第2の異常陰影抽出装置は、Yライン×X画素の原画像信号に対して、m画素n方向の多重構造要素を用いた最大値処理と最小値処理とを順次施すことにより、該原画像信号が表す原画像から前記多重構造要素よりも空間的に狭い範囲で前記原画像信号が変動する画像部分を抽出する異常陰影抽出装置において、
前記n方向の多重構造要素を構成するn個の構造要素のそれぞれを各別に用いて前記原画像信号のラインに沿って該原画像信号を1画素ずつ走査し、該1画素を走査するごとに、前記各構造要素と重なる前記原画像信号のうち該各構造要素毎の最小値の信号を抽出するn個の最小値信号抽出手段と、
該各最小値信号を、前記n個の構造要素毎に画素を対応させて格納するmライン×X画素からなるn個の中間メモリと、
前記中間メモリの第i番目(i=2,3,…,m−1)の各ラインに記憶せしめられた前記各最小値の信号を該中間メモリの第(i−1)番目のラインにシフトするシフト手段と、
全ラインのうち少なくとも中間のラインまで前記最小値の信号が格納された前記中間メモリに対して、対応する前記構造要素を用いて、該中間メモリのラインに沿って前記最小値の信号を1画素ずつ走査し、該1画素を走査するごとに、前記構造要素と重なる中間メモリの最小値の信号のうち最大値の信号を抽出するn個の最大値信号抽出手段と、
前記n個の最大値信号抽出手段から出力されたn個の最大値の信号のうち最大の信号を選択する最大値選択手段と、
該最大値選択手段により選択された前記最大の信号を、対応する原画像信号から減算する減算手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0044】
【発明の効果】
本発明の異常陰影抽出方法および装置は、モーフォロジー演算におけるクロージング処理またはオープニング処理の中間的な演算結果である最大値処理(または最小値処理)の結果が、最小値処理(または最大値処理)を行なうことができるだけの数だけ揃った時点で逐次最小値処理(または最大値処理)を実行し、既に終了した最小値処理(または最大値処理)のためにのみ必要な最大値処理(または最小値処理)の結果を逐次廃棄し、この廃棄して得られた空領域に新たな最大値処理(または最小値処理)の結果を保存することによって、中間結果を保存するために必要な記憶容量を大幅に減少させることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の異常陰影抽出装置の具体的な実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の異常陰影抽出装置の一実施形態である微小石灰化陰影抽出装置100 を示すブロック図である。
【0046】
ここで図1に示した微小石灰化陰影抽出装置100 により扱われる原画像信号Sorg は図2に示すように乳房の放射線画像(マンモグラム)Pを縦1024ライン×横1024画素で読み取って得られた信号であり、入力メモリ200 に予め格納されている。
【0047】
この原画像信号Sorg の一部には乳癌の特徴的形態である微小石灰化陰影P1を示す微小石灰化陰影信号S1を含んでおり、この微小石灰化陰影P1は、画像全体を上記縦1024ライン×横1024画素で読み取ったとき直径略6画素程度の円形形状の陰影として把握される。
【0048】
図示の石灰化陰影抽出装置100 は詳しくは、抽出しようとする微小石灰化陰影P1の大きさ(6画素)より僅かに大きい直線状に連なる7画素からなる構造要素Bであってその傾きが22.5度ずつずれた8方向にそれぞれ延びる8つの構造要素Bk (k=1,2,…,8)の集合である多重構造要素Bk (図3参照)を備えており、各構造要素Bk ごとに対応してそれぞれ以下に構成となっている。
【0049】
以下、説明の簡便化のために、構造要素B3 を代表してその構成を説明する。
【0050】
すなわち構造要素B3 については、構造要素B3 を用いて原画像信号Sorg の各ラインに沿って原画像信号Sorg を1画素ずつ走査し、この1画素を走査するごとに構造要素B3 と重なる原画像信号Sorg の7つの画素のうち最大の信号値を採る画素の画像信号(最大値信号)Smax を抽出する最大値信号抽出手段23と、この最大値信号抽出手段23により抽出された最大値信号Smax を、それぞれ第7番目のラインにおける、対応する走査画素に格納する7ライン×1024画素からなるバッファ33と、このバッファ33の第i番目(i=2,3,…,7)の各ラインにそれぞれ記憶せしめられた各最大値信号Smax をバッファ33の第(i−1)番目のラインにバックシフトするシフト手段43と、バッファ33の中間ラインである第4ラインまで最大値信号が格納された時点から、対応する構造要素B3 を用いて、バッファ33の第4ライン(すなわち原画像における第1ラインに相当)に沿って最大値信号Smax を1画素ずつ走査し、この1画素を走査するごとに、構造要素B3 と重なるバッファ33の最大値信号Smax のうち最小値の信号(最小値信号)Smin を抽出する最小値信号抽出手段53とを備えた構成である。
【0051】
そして、これらの最大値信号抽出手段23、バッファ33、シフト手段43、最小値信号抽出手段53とそれぞれ同一の作用をなす最大値信号抽出手段21,22,24〜28、バッファ31,32,34〜38、シフト手段41,42,44〜48、最小値信号抽出手段51,52,54〜58が、各構造要素B1 ,B2 ,B4 〜B8 に対応して設けられている。
【0052】
さらに、各最小値信号抽出手段51〜58により抽出された各走査画素に対応した最小値信号Smin のうち、最も小さい信号値 min(Smin )を選択する最小値選択手段60と、入力メモリ200 から入力された原画像信号Sorg を、最小値選択手段60が出力する信号値 min(Smin )に対応する走査画素に対して、その信号値Sorg の出力を4ライン分だけ遅延させる遅延手段70と、遅延手段70から出力された原画像信号Sorg からこの原画像信号Sorg の画素に対応する画素の最小値選択手段60から出力された信号値 min(Smin )を減算する減算器80を備えている。
【0053】
ここで遅延手段70が、最大値信号抽出手段21〜28による走査画素に対して4ライン分の遅延を行なうのは、最大値信号抽出手段21〜28による原画像の走査が4ライン分を完了した時点から最小値信号抽出手段51〜58によるバッファ31〜38の第4ライン(原画像に対応するのは第1ライン)の走査が開始され、減算器80において、原画像と最小値選択手段60の出力との画素を対応させるためである。
【0054】
なお、各バッファ31〜38の第1番目のラインまでシフトされた最大値信号Smax は、第2番目のラインに記憶された最大値信号がシフト手段41〜48により第1番目のラインにシフトされることによって上書きされて消去される。
【0055】
次に本装置100 の作用を、構造要素B3 を用いて時系列的に説明する(他の構造要素による作用も、以下に示す構造要素B3 の作用と同期して同時に進行している)。
【0056】
0)入力メモリ200 に記憶された原画像信号Sorg が遅延手段70および各最大値信号抽出手段21〜28に入力される。
【0057】
1)最大値信号抽出手段23は、入力メモリ200 に記憶された縦1024ライン×横10 24画素の原画像の第1ラインに構造要素B3 の中心画素Cを一致させて第1ラインを1画素ずつ走査する(図4参照)。
【0058】
2)この1画素を走査するごとに、原画像と構造要素B3 とが重なる画素のうちその信号値が最大となる画素の信号値(最大値画像信号)を抽出し、バッファ 33の第7ライン第1画素に格納する。
【0059】
第1ラインの第1画素を走査した時点(図4において構造要素B3 が実線で記載された状態)では、構造要素B3 の中心画素Cと原画像の第1ライン第1画素S(1,1) (以下、一般に第yライン第x画素をS(x,y) と表現し、この画素S(x,y) の原画像信号も便宜上S(x,y) で表す)が重なるだけであるため、バッファ33の第7ライン第1画素に格納されるのは原画像の第1ライン第1画素S(1,1) の画像信号S(1,1) である。
【0060】
なお、バッファ33の各ラインの各画素には、デフォルト値として予め原画像信号のダイナミックレンジの最大値(8 bit画像であれば 255、10 bit画像であれば1023)が格納されているものとする(これは、後にバッファ33を構造要素B3 で走査して最小値信号を抽出する操作の際、信号値が格納されていない部分が生じるのを防止するためである)。
【0061】
3)最大値信号抽出手段23による原画像の第1ラインの走査が終了すると、図5に示す7ライン×1024画素のバッファ33の第7ラインには、最大値信号抽出手段23による原画像の第1ラインの走査画素に対応して、それぞれ最大値画像信号が格納される(以下、一般にバッファ33上の第yライン第x画素をB(x,y) と表現する。例えばバッファ33の画素B(1,7) は第7ライン第1画素であることを示す。)
4)ここで、シフト手段43がバッファ33の第7ラインB(x,7) に格納された各最大値信号を第6番目のラインB(x,6) に移動(バックシフト)する(第7ライン は空になる)。
【0062】
5)次いで、最大値信号抽出手段23が、原画像の第2ラインに構造要素B3 の中心画素Cを一致させて第2ラインを1画素ずつ走査し、上記2)〜4)と同様の作用がなされる。
【0063】
なお、最大値信号抽出手段23が抽出した最大値信号は常にバッファ33の第7ラインB(x,7) に格納される。
【0064】
6)以上の操作を繰り返して、バッファ33の第4ラインB(x,4) に、最大値信号が第5ラインB(x,5) からバックシフトされて格納されると、最大値信号抽出手段23は、原画像の第4ラインの走査を開始し、2),3)と同様の操作により、バッファ33の第7ラインに最大値信号が格納され、バッファ33の第4ラインB(x,4) から第7ラインB(x,7) には最大値信号が格納された状態となる。
【0065】
なお、第1ラインB(x,1) から第3ラインB(x,3) には前述したように1023というデフォルト値が格納された状態となっている。
【0066】
7)ここで最小値信号抽出手段53が、バッファ33の第4ラインB(x,4) の第1画素に構造要素B3 の中心画素Cを一致させて第4ラインB(x,4) を1画素ずつ走査する(図5参照)。
【0067】
8)第4ラインの第1画素B(1,4) を走査したときに、バッファ33と構造要素B 3 とが重なる画素のうちその信号値が最小となる画素の信号値(最小値画像信号)を抽出し、この抽出した最小値画像信号を最小値選択手段80に出力する。
【0068】
ここで最小値選択手段80に出力された最小値画像信号は、原画像信号Sorg に対して構造要素B3を用いた最大値処理をした後、さらにこの最大値処理された信号に対する構造要素B3を用いた最小値処理が施された画像信号であり、原画像信号Sorg に対して構造要素B3を用いてクロージング処理を施したモーフォロジー信号Smor3に他ならない。
【0069】
9)以上、1)〜8)の作用が他の構造要素についても同時に進行しているため、最小値選択手段80には8個の最小値画像信号が入力され、最小値選択手段80はこれら入力された8個の最小値画像信号のうち最も小さい最小値信号を選択し、減算器80に出力する。
【0070】
ここで最小値選択手段80が選択した最小値画像信号は、式(8)の第2項を示している。
【0071】
【数5】
Figure 0003678377
【0072】
10)減算器80は、遅延手段70から遅延して出力された原画像の第1ライン第1画素の原画像信号S(1,1) から、9)で最小値選択手段80から出力された最小値信号を減算し、出力メモリ300 にその減算結果を出力する。
【0073】
11)これにより出力メモリ300 には、原画像の第1ライン第1画素S(1,1) を構造要素Bk (k=1,2,…,8)で走査したときの、下記式(9)で示す処理がなされた結果S′(1,1) が格納された状態となる。
【0074】
【数6】
Figure 0003678377
【0075】
なおこの式(9)は、前述の式(8)と同義である。
【0076】
12)最小値信号抽出手段53によるバッファ33の第4ラインの画素B(x,4) を走査するごと(最小値信号抽出手段53は常に第4ラインを走査)に、上記8)から 11)の作用を繰り返すことにより出力メモリ300 には、原画像の第1ライン第1画素S(1,1) から第1024画素S(1024,1)を構造要素Bk (k=1,2,…,8)で走査したときの、式(9)で示す処理がなされた結果S′(1,1) 〜S′(1 024,1)が格納された状態となる。
【0077】
13)次いでシフト手段43がバッファ33の各ラインB(x,y) に格納された各最大値信号を1ライン分バックシフトし、最大値信号抽出手段23が、原画像の第5ラインに構造要素B3 の中心画素Cを一致させて第5ラインを1画素ずつ走査し、上記12)までの作用を繰り返す。
【0078】
14)以上の作用を、最大値信号抽出手段23が、原画像の第1024ライン第1024画素の走査をするまで繰り返すことにより、出力メモリ300 には原画像の第1024ライン第1024画素に対応した、式(9)で示す処理がなされた結果S′(1,1) 〜S′(1024,1024) が格納される。
【0079】
以上の作用の結果、原画像信号Sorg のうち、いずれの構造要素Bi とも延びる方向が一致することがなく、かついずれの構造要素Bi よりもサイズが小さく、濃度値(原画像信号Sorg )が周囲よりも小さい画像部分、すなわち乳癌における微小石灰化領域P1を表す画像信号(異常陰影画像信号)S′(式(9)参照)を精度よく抽出することができる。
【0080】
また本実施形態の異常陰影抽出装置100 は、モーフォロジー演算の中間処理の結果である最大値信号抽出手段21〜28の出力(最大値信号)を格納する領域として、わずか約57,000画素(=7ライン×1024画素×8(構造要素の数))分だけ準備すればよく、従来必要とされた約 8,400,000(=1024ライン×1024画素×8方向)画素に比べて大幅に低減することができる。
【0081】
なお上記バッファ31〜38を図5に示すように平面的なものとする代わりに、図6に示すように第1ラインと第7ラインとが隣接するようにリング状に形成したリングラインバッファ31′〜38′とすることにより、各ラインに格納された最大値信号をバックシフトさせる代わりにこのリングラインバッファ31′〜38′を矢印の方向に1ライン分だけ回転させればよく、バッファの内容を格納し換えるのに要する時間が掛からず、処理時間の短縮を図ることができる。
【0082】
また上記実施形態の異常陰影抽出装置100 は、最大値処理を施した後に最小値処理を施すクロージング処理を行う形態の構成としたが、これとは逆に、最小値処理を施した後に最大値処理を施すオープニング処理を行う形態の構成を採ることもできる。このような構成を採用した場合、原画像信号Sorg のうち、いずれの構造要素Bi とも延びる方向が一致することがなく、かついずれの構造要素Bi よりもサイズが小さく、輝度値(原画像信号Sorg )が周囲よりも小さい画像部分を表す画像信号(異常陰影画像信号)S′(式(10)参照)を精度よく抽出することができ、本発明の第2の異常陰影抽出装置の実施形態とすることができる。
【0083】
【数7】
Figure 0003678377
【0084】
なおこの式(10)は、前述の式(7)と同義である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の異常陰影抽出装置を含む石灰化陰影抽出装置の一実施形態を示すブロック図
【図2】図1に示した異常陰影抽出装置に用いられるマンモグラムを示す図
【図3】図1に示した異常陰影抽出装置に適用される8つの構造要素を示す図
【図4】原画像信号を構造要素が走査する作用を示す図
【図5】バッファを構造要素が走査する作用およびバッファの格納内容をバックシフトさせる作用を示す図
【図6】リングラインバッファの構造を示す図
【図7】モーフォロジー演算の基本的な作用を説明する図
【図8】モーフォロジーフィルターにおける構造要素Bi (i=1,2,…,M;M=4)を示す図
【図9】モーフォロジー演算による処理を具体的に説明するための濃度分布図
【符号の説明】
21〜28 最大値信号抽出手段
31〜38 バッファ
41〜48 シフト手段
51〜58 最小値信号抽出手段
60 最小値選択手段
70 遅延手段
80 減算器
100 異常陰影抽出装置
200 入力メモリ
300 出力メモリ
Bi 多重構造要素
Sorg 原画像信号
Smor モーフォロジー信号

Claims (4)

  1. Yライン×X画素の原画像信号に対して、m画素n方向の多重構造要素を用いた最大値処理と最小値処理とを順次施すことにより、該原画像信号が表す原画像から前記多重構造要素よりも空間的に狭い範囲で前記原画像信号が変動する画像部分を抽出する異常陰影抽出方法において、
    (A)前記n方向の多重構造要素を構成するn個の構造要素についてそれぞれ下記(1)から(7)の操作を行い、
    (1)各構造要素を用いて、前記原画像信号のラインに沿って該原画像信号を1画素ずつ走査し、
    (2)該1画素を走査するごとに、前記構造要素と重なる前記原画像信号のうち最大値の信号を抽出して、該最大値の信号を、mライン×X画素からなる中間メモリの、第m番目のラインの前記走査する画素と対応する画素に格納せしめ、
    (3)前記1ラインを走査した後に、前記中間メモリの第m番目のラインに記憶せしめられた前記各最大値の信号を該中間メモリの第(m−1)番目のラインにシフトし、
    (4)前記中間メモリの中間のラインに前記最大値の信号が格納されるまで、前記走査するラインを順次代えて前記(2),(3)の操作を行ない、
    (5)さらに前記走査するラインを代えて前記(2)の操作を行なって前記中間メモリの第m番目のラインから中間ラインまで前記最大値の信号を格納し、
    (6)前記構造要素を用いて、前記中間メモリの中間ラインに沿って前記最大値の信号を1画素ずつ走査し、
    (7)該1画素を走査するごとに、前記構造要素と重なる中間メモリの最大値の信号のうち最小値の信号を抽出し、
    (B)各構造要素による前記(A)の操作により抽出されたn個の最小値の信号のうち最小の信号を選択し、
    (C)該選択された最小の信号に対応する原画像信号から該選択された最小の信号を減算し、
    (D)以後、前記(A)における前記中間メモリのラインのシフト、構造要素による前記原画像信号のラインの走査、前記中間メモリの第m番目のラインへの最大値信号の格納、構造要素による前記中間メモリの中間ラインの走査、前記(B)における最小の信号の選択、および前記(C)における減算の操作を、前記原画像信号のラインを順次代えて前記Yラインまで繰り返すことを特徴とする異常陰影抽出方法。
  2. Yライン×X画素の原画像信号に対して、m画素n方向の多重構造要素を用いた最大値処理と最小値処理とを順次施すことにより、該原画像信号が表す原画像から前記多重構造要素よりも空間的に狭い範囲で前記原画像信号が変動する画像部分を抽出する異常陰影抽出方法において、
    (A)前記n方向の多重構造要素を構成するn個の構造要素についてそれぞれ下記(1)から(7)の操作を行い、
    (1)各構造要素を用いて、前記原画像信号のラインに沿って該原画像信号を1画素ずつ走査し、
    (2)該1画素を走査するごとに、前記構造要素と重なる前記原画像信号のうち最小値の信号を抽出して、該最小値の信号を、mライン×X画素からなる中間メモリの、第m番目のラインの前記走査する画素と対応する画素に格納せしめ、
    (3)前記1ラインを走査した後に、前記中間メモリの第m番目のラインに記憶せしめられた前記各最小値の信号を該中間メモリの第(m−1)番目のラインにシフトし、
    (4)前記中間メモリの中間のラインに前記最小値の信号が格納されるまで、前記走査するラインを順次代えて前記(2),(3)の操作を行ない、
    (5)さらに前記走査するラインを代えて前記(2)の操作を行なって前記中間メモリの第m番目のラインから中間ラインまで前記最小値の信号を格納し、
    (6)前記構造要素を用いて、前記中間メモリの中間ラインに沿って前記最小値の信号を1画素ずつ走査し、
    (7)該1画素を走査するごとに、前記構造要素と重なる中間メモリの最小値の信号のうち最大値の信号を抽出し、
    (B)各構造要素による前記(A)の操作により抽出されたn個の最大値の信号のうち最大の信号を選択し、
    (C)該選択された最大の信号に対応する原画像信号から該選択された最大の信号を減算し、
    (D)以後、前記(A)における前記中間メモリのラインのシフト、構造要素による前記原画像信号のラインの走査、前記中間メモリの第m番目のラインへの最小値信号の格納、構造要素による前記中間メモリの中間ラインの走査、前記(B)における最大の信号の選択、および前記(C)における減算の操作を、前記原画像信号のラインを順次代えて前記Yラインまで繰り返すことを特徴とする異常陰影抽出方法。
  3. Yライン×X画素の原画像信号に対して、m画素n方向の多重構造要素を用いた最大値処理と最小値処理とを順次施すことにより、該原画像信号が表す原画像から前記多重構造要素よりも空間的に狭い範囲で前記原画像信号が変動する画像部分を抽出する異常陰影抽出装置において、
    前記n方向の多重構造要素を構成するn個の構造要素のそれぞれを各別に用いて前記原画像信号のラインに沿って該原画像信号を1画素ずつ走査し、該1画素を走査するごとに、前記各構造要素と重なる前記原画像信号のうち該各構造要素毎の最大値の信号を抽出するn個の最大値信号抽出手段と、
    該各最大値信号を、前記n個の構造要素毎に画素を対応させて格納するmライン×X画素からなるn個の中間メモリと、
    前記中間メモリの第i番目(i=2,3,…,m)の各ラインに記憶せしめられた前記各最大値の信号を該中間メモリの第(i−1)番目のラインにシフトするシフト手段と、
    全ラインのうち少なくとも中間のラインまで前記最大値の信号が格納された前記中間メモリに対して、対応する前記構造要素を用いて、該中間メモリのラインに沿って前記最大値の信号を1画素ずつ走査し、該1画素を走査するごとに、前記構造要素と重なる中間メモリの最大値の信号のうち最小値の信号を抽出するn個の最小値信号抽出手段と、
    前記n個の最小値信号抽出手段から出力されたn個の最小値の信号のうち最小の信号を選択する最小値選択手段と、
    該最小値選択手段により選択された前記最小の信号を、対応する原画像信号から減算する減算手段とを備えたことを特徴とする異常陰影抽出装置。
  4. Yライン×X画素の原画像信号に対して、m画素n方向の多重構造要素を用いた最大値処理と最小値処理とを順次施すことにより、該原画像信号が表す原画像から前記多重構造要素よりも空間的に狭い範囲で前記原画像信号が変動する画像部分を抽出する異常陰影抽出装置において、
    前記n方向の多重構造要素を構成するn個の構造要素のそれぞれを各別に用いて前記原画像信号のラインに沿って該原画像信号を1画素ずつ走査し、該1画素を走査するごとに、前記各構造要素と重なる前記原画像信号のうち該各構造要素毎の最小値の信号を抽出するn個の最小値信号抽出手段と、
    該各最小値信号を、前記n個の構造要素毎に画素を対応させて格納するmライン×X画素からなるn個の中間メモリと、
    前記中間メモリの第i番目(i=2,3,…,m)の各ラインに記憶せしめられた前記各最小値の信号を該中間メモリの第(i−1)番目のラインにシフトするシフト手段と、
    全ラインのうち少なくとも中間のラインまで前記最小値の信号が格納された前記中間メモリに対して、対応する前記構造要素を用いて、該中間メモリのラインに沿って前記最小値の信号を1画素ずつ走査し、該1画素を走査するごとに、前記構造要素と重なる中間メモリの最小値の信号のうち最大値の信号を抽出するn個の最大値信号抽出手段と、
    前記n個の最大値信号抽出手段から出力されたn個の最大値の信号のうち最大の信号を選択する最大値選択手段と、
    該最大値選択手段により選択された前記最大の信号を、対応する原画像信号から減算する減算手段とを備えたことを特徴とする異常陰影抽出装置。
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