JP3678264B2 - 映像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は映像表示装置に係り、特に小型軽量に作製し得る映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、映像情報は、テレビ画面や画像スクリーンを介して放映される。この種の映像装置では、画面が比較的小さいので、映像情報の伝達は当然ながら迫力にかけたものとなる。大画面のテレビや画像投影装置も普及しているが、これらは大規模な映像装置と広い空間を必要とする。
【0003】
このような状況の下、小型の装置で迫力ある映像情報を伝達するものとして、メガネ型網膜直接表示装置が提案されている。この種の装置は、例えば特開平3−214872号公報に開示されている。この装置は、光学系に対応する眼球対応部の中間に点光源を配置し、ミラーを介して映像板を照射するように構成している。この映像板はカラーフィルタを備える透過型の液晶板で構成され、液晶テレビに採用されているような表示駆動回路から映像信号が供給される。眼球に入射される映像光線は視野角を60度とすることも可能になるので、大画面を近くで見るような迫力ある画像として見ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のメガネ型網膜直接表示装置では、焦点距離との関係で接眼光学系を一枚のレンズで構成することは難しい。そのため、この光学系は、通常3枚以上のレンズで構成される。したがって従来の装置は、サイズが大きく、また重量が重くなるという問題がある。
【0005】
したがって本発明の目的は、小型軽量の映像表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、映像情報を表示する表示素子と、表示素子のアスペクト比を変化させた映像情報光を出射する光学素子と、アスペクト比を変化させた映像情報光を入射し再度アスペクト比を変化させて出射する透光性基板上に形成されたホログラムとを備えた映像表示装置により、達成される。ここでホログラムとしては、例えば非対称反射型ホログラムが用いられる。また、ホログラムで再度アスペクト比を変化させるのは、元のアスペクト比又はそれに近いアスペクト比で映像情報を見ることができるようにするためである。
【0007】
この映像表示装置には、光学素子から出射された映像情報光を反射してホログラムに入射するよう構成された光学部材、例えばミラーが備えられる。また、映像情報光は、ホログラムに入射する前に透光性基板内で少なくとも一回全反射を行うよう構成される。
【0008】
ここで表示素子としては、例えば液晶ディスプレイ(LCD)が用いられる。装置の小型化及び高解像度を得るためには、表示サイズ1.3インチ以上の透過型LCDを用いるのが好適である。小型の表示素子としては、例えば4mm角のSi−chipベースの反射型LCDがあるが、市販品では高解像度を有するものはない。現在、市販されている透過型LCDで高い解像度(例えばXGA:1024×768ドット以上)のものを求めると、透過型LCDで1.3インチ以上の大きさとなる。本発明は、このような大きなサイズの表示素子を用いて小型軽量の映像表示装置を得るよう工夫したものである。
【0009】
また、光学素子としては、例えば、回折格子又はホログラム素子が用いられ、透光性基板としては、平面基板もしくは球面形状を有する基板を用いることができる。
【0010】
さらに、本発明に係る映像表示方法では、表示素子から出射された映像情報光のアスペクト比を光学素子を用いて変化させ、このアスペクト比を変化させた映像情報光をホログラムに入射し、この入射した映像情報光をホログラムにより再度アスペクト比を変化させて出射するようにしている。ここで映像情報光は、ホログラムに入射する前に少なくとも一回反射過程を経るようにする。この反射過程とは、例えば映像情報光をミラーで反射させたり、ホログラムを固定する透光性基板内で全反射を起こさせたりするものである。
【0011】
このような構成を備えることにより、小型軽量の映像表示装置を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1は、本発明に係る映像表示装置の一実施例を示す図である。図のように、透過型LCD1がメガネフレーム8の側部に配置される。透過型LCD1には映像情報が表示される。縮小用ホログラム2は透過型LCD1に対向して配置され、透過型LCD1のアスペクト比を変化させた映像情報光を出射する。ミラー3はメガネフレーム8の前面端部に配置され、縮小用ホログラム2の出射した映像情報光を反射する。非対称ホログラム5はメガネレンズ4の前面に形成されており、ミラー3で反射された映像情報光をメガネレンズ4中を介して入射し、これを元のアスペクト比又はそれに近いアスペクト比の映像情報光に戻して出射する。これらの光学部品はメガネフレーム8内に収めることができる。非対称ホログラム5からの出射光は、観察者の瞳孔6を通過して網膜7上で結像する。
【0013】
透過型LCD1は、例えば1.3インチ(表示サイズは26mm×20mm)のものが用いられる。ここで透過型LCD1の代わりに、反射型LCDを用いることもできる。ここで用いる透過型LCD1の照明は、通常のバックライト方式が用いられるが、他の方法として点光源からの光を回折格子もしくはホログラム素子で透過型LCD1に平行に照明する方式を用いても良い。
【0014】
縮小用ホログラム2は、透過型LCD1の表示映像を回折し、横方向の画素表示領域を縮小(アスペクト比を変化)した空間変調光を出力する。ここでは、26mm×20mmの画素表示領域が4mm×20mmに縮小される。ここで縮小用ホログラム2の代わりに、回折格子を用いることもできる。なお、ここでは透光性基板としてメガネレンズ4を用いたが、これに限るものではなく、平行基板やプリズム等を用いてもよい。
【0015】
(実施例2)
図2は、本発明に係る映像表示装置の他の実施例を示す図である。本実施例が実施例1と異なる点は、ミラー11の配置位置と非対称ホログラム13の形成位置である。本実施例では、非対称ホログラム13はメガネレンズ4の後面に形成される。それに伴ってミラー11の配置位置が調整される。
【0016】
図のように、透過型LCD1がメガネフレーム8の側部に配置され、映像情報を表示する。縮小用ホログラム2は透過型LCD1に対向して配置され、透過型LCD1のアスペクト比を変化させた映像情報光を出射する。ミラー11はメガネフレーム8の前面端部に配置され、縮小用ホログラム2の出射した映像情報光を反射する。非対称ホログラム13はメガネレンズ4の後面に形成されており、ミラー11で反射された映像情報光を入射し、これを元のアスペクト比又はそれに近いアスペクト比の映像情報光に戻して出射する。これらの光学部品はメガネフレーム8内に収めることができる。非対称ホログラム13からの出射光は、観察者の瞳孔6を通過して網膜7上で結像する。
【0017】
(実施例3)
図3は、本発明に係る映像表示装置の他の実施例を示す図である。本実施例が実施例1と異なる点は、ミラー19の配置位置と非対称ホログラム21の形成領域とメガネレンズ4内の全反射を用いる点である。本実施例では、非対称ホログラム21がメガネレンズ4の前面に、実施例1の場合よりも大きな領域に形成される。ミラー19の配置位置が調整され、メガネレンズ4内で全反射した光が非対称ホログラム21に入射するよう構成される。この全反射過程で、映像情報光が拡大される。
【0018】
図のように、透過型LCD1がメガネフレーム8の側部に配置され、映像情報を表示する。縮小用ホログラム2は透過型LCD1に対向して配置され、透過型LCD1のアスペクト比を変化させた映像情報光を出射する。ミラー19はメガネフレーム8の前面端部に配置され、縮小用ホログラム2の出射した映像情報光を反射する。この反射光は、メガネレンズ4の端面からメガネレンズ内に入射する。入射した映像情報光は、メガネレンズ4の後面4aで全反射するとともに、メガネレンズ4の凸面で拡大伝送される。非対称ホログラム21は、メガネレンズ4の前面4bに形成されており、この伝送光を元のアスペクト比又はそれに近いアスペクト比の映像情報光となるようにして出射する。これらの光学部品はメガネフレーム8内に収めることができる。非対称ホログラム21からの出射光は、図のように、観察者の瞳孔6を通過して網膜7上で結像する。
【0019】
ここで、メガネレンズ4の曲率半径が87mm、肉厚が5mmの場合を想定すると、ホログラム上で表示される横方向のサイズは28mm程度となる。また、縦方向のサイズは約24mm程度となる。したがって元のアスペクト比と比較して、若干、縦長になる。現在、低温p−Siプロセスで作製されたLCDとしては1280×1024(SXGA)の画素数を持つものが有るので、これを表示素子として用いることにより、小型軽量かつ高解像度の映像表示装置を得ることができる。
【0020】
(実施例4)
図4は、本発明に係る映像表示装置の他の実施例を示す図である。本実施例が実施例1と異なる点は、同一の透光性基板上にアスペクト比を変化させる光学素子(透過型ホログラム)と非対称ホログラムを形成し、表示素子として反射型LCDを用いている点である。
【0021】
図のように、白色LED光源31からの光はレンズ32で平行光となり、平板メガネガラス基板33の表面から入射する。この入射光は、メガネガラス基板33上に形成された透過型ホログラム34を素通りし、Siチップ上に形成された反射型LCD35を法線から約10度の入射角度の若干斜め方向から照明する。反射型LCD35で空間変調された光は約10度の反射角度で反射し、透過型ホログラム34で回折され、アスペクト比が変化すると共に、拡大される。その後、メガネガラス基板33内で一回反射した後、メガネガラス基板33上に形成された非対称ホログラム36で反射、回折して再度アスペクト比が変化する。これらの光学部品はメガネフレーム8内に納めることができる。非対称ホログラム36からの出射光は観察者の瞳孔6を通過して、網膜7上で結像する。
【0022】
このように本実施例では、アスペクト比を変化させる透過型ホログラムと再度アスペクト比を変化させる非対称ホログラムを同一の透光性基板もしくはメガネレンズ上に形成することにより、映像表示装置の小型軽量化を図っている。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、小型軽量の映像表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る映像表示装置の一実施例を示す図である。
【図2】本発明に係る映像表示装置の他の実施例を示す図である。
【図3】本発明に係る映像表示装置の他の実施例を示す図である。
【図4】本発明に係る映像表示装置の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 透過型LCD
2 縮小用ホログラム
3、11、19 ミラー
4 メガネレンズ
5、13、21、36 非対称ホログラム
6 瞳孔
7 網膜
8 メガネフレーム
31 LED光源
32 レンズ
33 平板メガネガラス基板
34 透過型ホログラム
35 反射型LCD
Claims (14)
- 映像情報を表示する表示素子と、前記表示素子のアスペクト比を変化させた映像情報光を出射する光学素子と、前記アスペクト比を変化させた映像情報光を入射し再度アスペクト比を変化させて出射する透光性基板上に形成されたホログラムとを備えたことを特徴とする映像表示装置。
- 前記光学素子から出射されたアスペクト比を変化させた映像情報光を反射して前記ホログラムに入射するよう配置された光学部材を有することを特徴とする請求項1記載の映像表示装置。
- 前記映像情報光が前記ホログラムに入射する前に前記透光性基板内で少なくとも一回全反射を行うよう構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の映像表示装置。
- 前記表示素子が、液晶ディスプレイであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の映像表示装置。
- 前記光学素子が、回折格子又はホログラム素子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の映像表示装置。
- 前記ホログラムが、非対称反射型ホログラムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の映像表示装置。
- 前記アスペクト比を変化させた映像情報光を出射する光学素子と再度アスペクト比を変化させて出射するホログラムとが共に、前記透光性基板上に形成されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の映像表示装置。
- 前記透光性基板が、平板であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の映像表示装置。
- 前記透光性基板が、球面形状を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の映像表示装置。
- 映像情報を表示するメガネフレームの側部に配置された表示素子と、前記表示素子のアスペクト比を変化させた映像情報光を出射する前記表示素子に対向配置された光学素子と、前記光学素子から出射された映像情報光を反射する前記メガネフレームの前面端部に配置された光学部材と、前記映像情報光を入射し再度アスペクト比を変化させて出射するメガネレンズ上に形成されたホログラムとを備えたことを特徴とするメガネ型映像表示装置。
- 前記表示素子が、透過型液晶ディスプレイであることを特徴とする請求項10記載のメガネ型映像表示装置。
- 表示素子から出射された映像情報光のアスペクト比を光学素子を用いて変化させ、前記アスペクト比を変化させた映像情報光をホログラムに入射し、前記入射した映像情報光を前記ホログラムにより再度アスペクト比を変化させて出射することを特徴とする映像表示方法。
- 前記アスペクト比を変化させた映像情報光が、前記ホログラムに入射する前に少なくとも一回反射過程を経ることを特徴とする請求項12記載の映像表示方法。
- 前記反射過程が、前記ホログラムを固定する透光性基板内の全反射過程であることを特徴とする請求項13記載の映像表示方法。
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- 1998-03-12 JP JP08030298A patent/JP3678264B2/ja not_active Expired - Fee Related
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