JP3677300B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は吸水もできる電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の吸水もできる電気掃除機は図7に示すようにホース(図示せず)を接続する吸気口41を有するダストボックス42とその上部に吸気用の電動送風機44を内蔵する本体45とが着脱自在にフィルター43を介して配設される。本体45内の電動送風機44の下方には本体吸気口部46が設けられ本体吸気口部46の下方にフロート弁動作空間53を有し前記フロート弁動作空間53内に、ダストボックス42内の吸水量に応じて本体吸気口部46を開閉するフロート弁47を内蔵している。
【0003】
上記構成において、電気掃除機を運転すると、吸気口41より塵埃および汚水を含んだ空気が吸入され塵埃、汚水はダストボックス42内に溜まる。また排気はフィルター43により濾過され塵埃を取り除かれた後排気通路を通り外部へ排気される。吸水された汚水量がダストボックス内に増加するにつれてフロート弁47は浮力で浮き上がり所定の高さまで浮き上がると本体吸気口部46とフロート弁47間の吸気流の流速が増大し負圧が大きくなりフロート弁47が本体の吸気口部46へ吸いつけられ吸気口部が密閉されてそれ以上の吸水が防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の吸水もできる電気掃除機では洗剤液等を吸入すると延長管、ホース内さらにダストボックス内で吸気と攪拌されることにより泡立ちが引き起こる。その泡がダストボックス内に溜ってフィルターを濡らしフィルター内で二次発泡を起こして泡がフイルター室内に溜っても泡は液体に対して比重が非常に小さいため本体の吸気口部に液体が吸入されることを防止するフロート弁が浮き上がることがなく作動しないため本体吸気口部から泡が吸入されさらにモーターファンに吸入されて本体外へ排気とともに吹き出してしまっていた。
【0005】
本発明は上記課題を解決するもので、泡が本体内部に吸入されることを防止できる吸水可能な電気掃除機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、水等を吸引する吸気発生用モーターファンを内蔵し下部に本体吸気口部およびこの本体吸気口部を開閉するフロート弁を内蔵するフロート弁動作空間とを有する本体と、前記本体下方にフィルターを介して着脱自在に取り付けられ、側面に設けられた吸気口から吸引された塵埃、水等を収納するダストボックスとからなり、前記フロート弁動作空間を、側面に前記フロート弁の動作方向に略平行で、かつ前記フィルター内にたまる泡によって塞がれる縦長状の複数の通気孔を有しかつ下方を開放した筒状壁で形成した構成としてある
【0007】
また請求項 2 記載の発明は上記通気孔を上辺が下辺より長い略台形状としたものである
【0008】
【作用】
本発明はダストボックス内に洗剤を含んだ汚水やその汚水から発生す
る泡が溜まり、その汚水や泡でフィルターが濡れるとフィルターから2次発泡してフィルター内に泡が溜まり始めるが、筒状壁側面の通気孔は複数の縦長状であることより、通気孔は下部から徐々に塞がれていき、本体吸気口部とフロート弁天面間の負圧が次第に大きくなり、ついにフロート弁が本体吸気口部に吸い付けられ、密閉してモーターファンへの泡の吸入を防止する。また、通気孔をフロート弁動作方向に略平行に縦長状とすることにより、フロート弁が前記筒状壁内で動作する際通気孔に引っ掛かることなく滑らかに動作する。
【0009】
請求項2記載の発明は通気孔を縦長の略台形状として、筒状壁の下方にいくほどその開口幅が狭くなるように構成しているので、泡の水位が所定量変化したとき、筒状壁の上方にいくほど泡による閉塞面積が大きくなり、筒状壁の上方ほど泡の量の変化に対する本体吸気口部とフロート弁天面間の負圧の変化が大きくなる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図1を参照しながら説明する。
【0011】
ダストボックス1と本体25とはフィルター5を介して着脱自在に取り付けられる。ダストボックス1は、側面上方に吸気口2と吸気口2の内側上部に断面略L字状で吸気口2と相対する面をダストボックス1の側壁面と略平行に湾曲させかつその側方と下方を開放した吸気ガイド3を備える。また本体25には、モーターファン11を有しまたその下部に本体吸気口部6を備えている。さらにダストボックス1上に本体25を配設したとき本体25下方に本体吸気口部6を中心に放射状にリブ7が設けられる。前記リブ7の中心部にはフロート弁8を収納、かつ動作するフロート弁動作空間34を設け前記フロート弁動作空間34を取り囲むように多数の通気孔33を設けた筒状壁9を備える。さらに本体25には本体隔壁10にモーターファン11の位置決め、支持用の筒状壁12を設けさらに前記モーターファン11の排気口周囲を囲うように衝突壁13とダストボックス1に通ずる排水孔15が設けられる。さらに、排気通路20には途中に庇17また堰21を設けている。
【0012】
ダストボックス1の吸気口2から吸入された塵埃・汚水等は吸気ガイド3により直接フィルター5にあたらず水平方向あるいは下方方向に均一に拡散された後ダストボックス1に吸入される。これにより発泡しやすい洗剤液などが吸入されてもフィルター5に直接あたらず均一に拡散されることにより流速が落とされまた吸気ガイド3によりダストボックス1底部に導かれ発泡が抑制される。その結果フィルター5の濡れることが抑制されフィルター5内での二次発泡が抑えられる。さらに吸水が進むと吸気口2から吸入された洗剤液がダストボックス1に溜まりフィルター5に到達してフィルター5を濡らすと、フィルター5内で二次発泡が起こりフィルター5内に泡が溜りだす。前記泡が前記筒状壁9の通気孔33を塞ぐようになるとフロート弁8上方の風速が増大して負圧が増すためフロート弁8が本体25の本体吸気口部6に吸いつけられ本体吸気口部6を密閉し本体25の本体吸気口部6からの泡の吸入を防止できる。
【0013】
ここで、図2に示すように筒状壁9の通気孔33をフロート弁動作方向に平行に縦長状とするとフロート弁8が前記筒状壁9内で動作する際通気孔33に咬止されることなく効率よく動作する。
【0014】
また図3に示すように通気孔33が筒状壁9の下部になるほど狭まった略台形縦長状とした構成をとると、泡の水位が所定量上がったとき、泡により筒状壁9下部の通気孔33が閉塞されるときよりも筒状壁9上部の通気孔33が閉塞されるとき程閉塞される面積が大きくフロート弁8上部の負圧発生の効果が大きくなる。泡は筒状壁9の下部から溜ってくるので泡の量が増加するほど負圧の発生効果が大きくなりフロート弁8の動作感度を調整でき得る。
【0015】
また、通気孔33を断面的にフロート弁動作空間34の中心方向に対向しない構造例えば図4に示すように断面的に接線方向に傾斜した構造とすると筒状壁9内で空気流が流れ方向を制御され、吸気が衝突しあうことなく筒状壁9内に流入することによりフロート弁8上部で負圧の発生が効果的に行なわれ、本体吸気口部6の開閉感度がさらに良くなる。
【0016】
また、モーターファン11の排気により強制排水を行なうときフロート弁8を強制的に閉じる必要があるがフロート弁8を閉じるとき図6に示すように排気を還流させてフロート弁8の下部の排気還流口36から送りフロート8弁を持ち上げる構造をとるが、図5に示すように筒状壁9の下部に通気孔33の設けない構造をとることにより通気孔33から還流排気が逃げることがなくなり効果的にフロート弁8を操作できる。本体吸気口部6を通過した空気は排気通路20を通り外部に排出されるが、モーターファン11からの排気が衝突壁13に衝突することにより排気中に仮に泡や液体が含まれている場合はその泡や液体は空気と慣性分離され前記衝突壁に沿い下方へ流下する。流下した泡や液体はダストボックス1内の負圧により排水孔15を通ってダストボックス1内へ吸い込まれる。さらに庇17や堰21によっても排気中の泡や液体は慣性分離される。この結果排気中の泡や液体はほとんどが分離されて排気口から排出される。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によるとフロート弁動作空間を筒状壁で形成し、当該フロート弁動作空間を囲んでいる筒状壁側面の通気孔が複数の縦長状の通気孔であるため、前記通気孔は下部から徐々に塞がれていき、本体吸気口部とフロート弁天面間の負圧が次第に大きくなり、ついにフロート弁が本体吸気口部に吸い付けられ、前記本体吸気口部を密閉してモーターファンへの泡の吸入を防止できる。またフロート弁動作空間を囲う筒状壁側面の通気孔をフロート弁動作方向に略平行に縦長状としたことによりフロート弁の動作時に通気孔に引っ掛かることのない滑らかな動作を確保でき、フロート弁誤動作を確実に防止できる。また請求項2記載の発明によると筒状壁側面の通気孔を上辺が下辺より長い略台形状としたため、泡の量の変化に対するフロート弁の動作感度が上方に行くほど高くなり、したがってダストボックス内の泡の量が多くなるほどフロート弁の動作感度を高くすることができ、モーターファンへの泡の吸込み防止がより確実に行えるという効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電気掃除機の概略断面図
【図2】同電気掃除機の筒状壁の外観図
【図3】他の例を示す筒状壁の外観図
【図4】他の例を示す筒状壁の断面図
【図5】他の例を示す筒状壁の外観図
【図6】同筒状壁の部分断面図
【図7】従来例の電気掃除機の概略断面図
【符号の説明】
1 ダストボックス
2 吸気口
3 吸気ガイド
5 フィルター
6 本体吸気口部
8 フロート弁
9 筒状壁
11 モーターファン
13 衝突壁
15 排水孔
17 庇
20 排気通路
21 堰
25 本体
27 排気通路
33 通気孔
34 フロート弁動作空間
36 排気還流口

Claims (2)

  1. 塵埃、水等を吸引する吸気発生用モーターファンを内蔵し下部に本体吸気口部およびこの本体吸気口部を開閉するフロート弁を内蔵するフロート弁動作空間とを有する本体と、前記本体下方にフィルターを介して着脱自在に取り付けられ、側面に設けられた吸気口から吸引された塵埃、水等を収納するダストボックスとからなり、前記フロート弁動作空間を、側面に前記フロート弁の動作方向に略平行で、かつ前記フィルター内にたまる泡によって塞がれる縦長状の複数の通気孔を有しかつ下方を開放した筒状壁で形成した電気掃除機。
  2. 通気孔を上辺が下辺より長い略台形状とした請求項1記載の電気掃除機。
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