JP3676937B2 - 画像処理システム、画像伝送システム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視電子透かしを利用した画像処理システム、画像伝送システム、及びプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、インターネット等においてデジタル画像を送信する場合、その画像に権利情報等を挿入する事がある。例えば、表示された画像において、その画像の著作権者が誰のものかを示す情報等を挿入する。画像に権利情報等を挿入する電子透かし技術には可視である可視電子透かしと不可視である不可視電子透かしとがある。この内、可視電子透かしは権利情報を明示することができるが、原画像の意匠性を損ねる。そこで、挿入時の可視電子透かしの情報を元に、可視電子透かしは必要に応じて除去される。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、画像を蓄積、又はネットワーク上で伝送する場合、画像のデータ容量が大きいためにデータを圧縮することが多い。静止画像データの圧縮技術にはJPEG方式等がある。JPEGは静止画を1/20程度にまで圧縮できるが、圧縮されたデータを伸張すると元の画像に比べて情報が欠けることがあるとされる。このように伸張すると圧縮前のデータに戻らない圧縮方式を非可逆式圧縮という。
【0004】
こうして非可逆圧縮された可視電子透かし入りの画像を再度伸張した際、元の可視電子透かしの画像の情報が欠けていると、従来の方法では可視電子透かしを完全に除去できない場合がある。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、非可逆圧縮を行った画像から任意に可視電子透かしを除去でき、画像の意匠性が保たれるような画像処理システム、及びネットワーク上で可視電子透かしが挿入された画像を伝送し、必要時には可視電子透かしを除去できる画像伝送システム、及びプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための第1の発明は、第1の画像をビットプレーンに分割する手段と、分割された複数のビットプレーンのうち、2値画像を上書きする領域を有するビットプレーンより、下位側のビットプレーンの領域に相当する領域の画素値を下位方向のビットプレーンにビットシフトし、2値画像を上書きする領域を有するビットプレーンの領域に2値画像を上書きして、第2の画像を生成する手段と、第2の画像を圧縮して第3の画像を生成する手段と、第3の画像を伸長して第4の画像を生成する手段と、第4の画像の2値画像が書き込まれたビットプレーンで、2値画像が書き込まれた領域の画像と、元の2値画像とを比較する比較手段と、比較の結果一致しない場合、第4の画像のビットプレーンの2値画像が書き込まれた領域の値を、2値画像の値に近く、かつ、修正による画素値の変化が少なくなるように修正する修正手段と、を具備することを特徴とする画像処理システムである。
【0007】
第1の画像は、原画像を色空間変換した輝度プレーンの画像であることが好ましい。
また、修正手段により修正した第4の画像の、2値画像を上書きしたビットプレーンの値を上位方向にビットシフトすることにより、2値画像を第4の画像から除去する除去手段をさらに具備することが望ましい。
【0008】
また、第2の発明は、以上の画像処理システムとしてコンピュータを機能させるプログラムを記録した記録媒体である。
【0009】
また、第3の発明は、サーバとクライアントの間で、画像の伝送を行う画像処理システムであって、サーバが、第1の画像をビットプレーンに分割する手段と、分割された複数のビットプレーンのうち、2値画像を上書きする領域を有するビットプレーンより、下位側のビットプレーンの領域に相当する領域の画素値を下位方向のビットプレーンにビットシフトし、2値画像を上書きする領域を有するビットプレーンの領域に2値画像を上書きして、第2の画像を生成する手段と、第2の画像を圧縮して第3の画像を生成する手段と、を有し、クライアントが、第3の画像を伸長して第4の画像を生成する手段と、第4の画像の2値画像が書き込まれたビットプレーンで、2値画像が書き込まれた領域の画像と、元の2値画像とを比較する比較手段と、比較の結果一致しない場合、第4の画像のビットプレーンの2値画像が書き込まれた領域の値を、2値画像の値に近く、かつ、修正による画素値の変化が少なくなるように修正する修正手段と、を有することを特徴とする画像処理システムである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る画像伝送システム1の概略構成を示す図である。
【0011】
図1において、サーバコンピュータ3とクライアントコンピュータ7とはネットワークを介して接続される。サーバコンピュータ3は画像を蓄積しており、クライアントコンピュータ7はネットワークを介してサーバコンピュータ3に蓄積された画像111を利用する。
【0012】
サーバコンピュータ3には補助記憶装置5が接続される。補助記憶装置5には可視電子透かし入りの画像111とその可視電子透かしの除去用情報13が保持される。
【0013】
図2はサーバコンピュータ3における画像の蓄積を示す図である。サーバコンピュータ3は原画像101に対して後に述べるような可視電子透かし挿入処理を施し、可視電子透かし入りの画像111と可視電子透かしの除去用情報13を生成し、補助記憶装置5に格納する。可視電子透かしの除去用情報13とは、可視電子透かしを挿入した領域、位置、可視電子透かしの画像等に関するデータである。
【0014】
図1に示すクライアントコンピュータ7には補助記憶装置15が接続され、可視電子透かし入りの画像111をネットワークを介して受け取り、補助記憶装置15に格納する。原画像101の利用を許可されたクライアントには可視電子透かしを除去するための除去処理アプリケーションプログラム17が記録されたCD−ROM9が配布され、除去処理アプリケーションプログラム17を使って画像111を利用することができる。
【0015】
図3及び図4はクライアントコンピュータ7への画像データの伝送の説明図である。図3に示すように、サーバ側の補助記憶装置5に蓄積された画像111と可視電子透かしの除去用情報13は、ネットワークを介してクライアントコンピュータ7に送られ、補助記憶装置15に蓄積される。
【0016】
クライアントコンピュータ7は除去処理アプリケーションプログラム17を使って可視電子透かしの除去処理を行い、可視電子透かしの除去された画像131を画面上に表示する。
【0017】
図4はクライアントコンピュータ7が補助記憶装置5を持たない場合の画像データの伝送を示す図である。この場合、クライアントコンピュータ7はネットワークを介してサーバコンピュータ3にアクセスし続けながら、画像111と可視電子透かしの除去用情報13を受け取り、図3の場合と同様に可視電子透かしの除去処理を行い、可視電子透かしの除去された画像131を画面上に表示する。
【0018】
図3、図4において、クライアントコンピュータ7は、パスワードの入力等によって、ユーザの認証をおこない、正統なユーザに対しては、可視電子透かし除去処理を行って画像131を表示し、正統でないユーザに対しては、可視電子透かし除去処理を行わずに画像131を表示するようにしてもよい。
【0019】
このように、図3、図4に示す実施の形態においては、サーバコンピュータ3上に蓄積する画像111に可視電子透かしを挿入しておくことにより、第三者が不正なアクセス手段を用いてサーバコンピュータ3から画像111を持ち出しても、原画像の内容を損なわない状態で画像が利用されることを妨げる。
【0020】
また、可視電子透かしが挿入された状態で画像111を伝送することにより、第三者が伝送中のデータに不正にアクセスし画像111を持ち出しても、原画像の内容を損なわない状態で画像111が利用されることを妨げる。
【0021】
また、クライアントコンピュータ7では、画像データに対し可視電子透かし除去処理を行ってから画像を表示することにより、原画像の内容を損なわない状態で画像を閲覧することができる。
【0022】
クライアントコンピュータ7では、可視電子透かしを除去した状態の画像を蓄積しないため、原画像の内容を損なわない状態で、画像データがプリントアウトされたり、画像データのコピーが行われたりすることを妨げる。
【0023】
例えば、特定の会員を対象に、デジタル画像をネットワーク上で販売する際に、可視電子透かしの除去および画像表示を行うクライアント用ソフトウェアを会員にのみ販売し、非会員は可視電子透かしを除去した状態の画像を見ることができないようにするといった利用方法が考えられる。また、可視電子透かしの挿入された画像を見本画像として配布し、顧客に対し、有償で可視電子透かし除去用情報を販売するといった形態でのデジタル画像販売も考えられる。
【0024】
尚、図3、図4に示す実施の形態ではサーバコンピュータ3からクライアントコンピュータ7に画像を伝送する際、圧縮してもよいし、そのまま伝送してもよい。
【0025】
次に、原画像101に可視電子透かしを挿入する処理、及び可視電子透かし入りの画像111から可視電子透かしを除去する処理について説明する。図5はこの一連の作業の手順を示すフローチャートである。ここで、原画像101において、領域Aに可視電子透かしを挿入し、領域Bには挿入しない。
【0026】
原画像101をビットプレーンに分割し(ステップ301)、領域Aに対してビットシフト処理を行う(ステップ302)。最上位ビットプレーンの領域Aを可視電子透かしの画像201に置き換え(ステップ303)、可視電子透かしを挿入する。こうして可視電子透かしが挿入された画像を非可逆圧縮方式で圧縮する(ステップ304)。
【0027】
次に、圧縮された画像を伸張する(ステップ305)。伸張した画像をビットプレーンに分割し、最上位ビットプレーンの領域Aと画像201との各画素の画素値を比較する(ステップ306)。ここで、画像201の画素値は、可視電子透かし除去用情報13から得られる。
【0028】
ステップ306において、最上位ビットプレーンの領域Aの画素値と画像201の画素値が等しい場合、画素に対してビットシフト処理を行う(ステップ308)。ステップ306において、最上位ビットプレーンの領域Aの画素値と画像201の画素値が等しくない場合、最上位ビットプレーン画素値を画像201の値に修正し(ステップ307)、画素に対してビットシフト処理を行う(ステップ308)。こうして画像から可視電子透かしが除去される。
【0029】
図5に示す処理のうち、ステップ301からステップ303は可視電子透かしの挿入のための処理であり、ステップ306からステップ308が可視電子透かし除去のための処理である。可視電子透かし挿入、除去の一連の作業は、図1に示すサーバコンピュータ3のみで行われてもよいし、前述のようにネットワークを介する場合、挿入処理がサーバコンピュータ3で行われ、除去処理がクライアントコンピュータ7で行われてもよい。
【0030】
次に、可視電子透かし挿入処理について詳細に説明する。
図6は、可視電子透かし挿入時のビットプレーンのビットシフト処理を示す図である。原画像101が画素値8ビットで表現される、即ち256階調の画像である場合、原画像101は8枚のビットプレーン60−1、…、60−8に分けられる。
【0031】
ビットプレーン60−1は最上位ビットプレーン、ビットプレーン60−8は最下位ビットプレーンである。
ここである画素の値をXとすると、
で表される。最上位のビットプレーン601−1はa1の値を示し、ビットプレーン601−2はa2の値を示し、以下同様に、各ビットプレーンがa3、a4……の値を示す。
【0032】
図6に示すように、8枚のビットプレーン60−1、60−2、…、60−8の領域Aの画素のビット値は下位方向に1ビットずつシフトされる。このとき領域Aの最下位ビットの内容は破棄されるが、最下位ビットの変化は画質に対する影響が小さいため問題はない。
【0033】
次に、最上位ビットプレーン61−1の領域Aの画素のビット値は、可視電子透かしの2値画像201と置き換えられ、画像111が得られる。即ち、画像111には可視電子透かしが挿入されたことになる。
【0034】
図7は、可視電子透かし挿入処理において、領域A及び領域B内の一つの画素のビット値を示す図である。図7に示すビット71−1は画像101のビットプレーン60−1の領域Aのある画素の値であり、ビット値は「1」である。同様にビット71−2、71−3、…、71−8は画像101のビットプレーン60−2、60−3、…、60−8の同じ画素の値であり、ビット値は「0」、「1」、…、「0」となる。
【0035】
図7に示すように、画像101においてビット71−1からビット71−7の値が下位方向へシフトされる。即ち、画像102のビット72−2から72−8にビット71−1からビット71−7の値が入り、ビット71−8の内容は破棄される。このとき図5ではビット72−1に「0」が入れられるが、これは「1」でもよい。
【0036】
次に、ビット72−1の値を、可視電子透かしパターン、即ち画像201の相当画素の値である「0」と置き換える。こうして可視電子透かしが挿入された画像111が得られる。
【0037】
一方、領域Bの画素にはビットシフト処理を行わないため、その値に変化はない。ここで、領域Aや領域Bの位置や大きさ、画像201の画素値等は可視電子透かしの除去情報13として保持される。また図7に示すように領域Bの最下位ビット91を「0」に置き換えて、領域Aの最下位ビットを「1」に置き換えて、領域の判別を行うようにしてもよい。
【0038】
以上のように可視電子透かしを挿入した画像111に対して、画質への影響は少ない非可逆圧縮を行い、更に伸張し、画像121が得られる。この伸張された画像121から可視電子透かしを除去する処理について、以下詳細に説明する。
【0039】
図8は、可視電子透かし除去処理時のビットプレーンのビットシフト処理を示す図である。画像121は8枚のビットプレーン63−1、…、63−8に分けられる。
【0040】
ビットプレーン63−1の領域Aには可視電子透かしが挿入されている。ビットプレーン63−1の領域Aの画素と、それに対応する可視電子透かしの画像201の画素の画素値を比較し、その値が一致しない場合、ビットプレーン63−1の領域Aの画素値を、画像201の画素値に修正し、かつ修正による画素値の変化が少ないよう画像121の画素を修正する。
【0041】
このような比較、修正は画像121の領域A全ての画素に対して行われ、画像122が得られる。画像122のビットプレーンの領域Aのみを上位方向にシフトし、画像131が得られる。画像131は、画像111から可視電子透かしが除去された画像である。
【0042】
次に、領域Aにおける画素値の修正方法について説明する。図9は領域Aの画素aにおけるビットシフト処理を示す図であり、図10は領域Aの画素bにおけるビットシフト処理を示す図である。
【0043】
図9に示すように、画像121の画素aの最上位ビット75−1の画素値「1」は、可視電子透かしの画像201の画素aの画素値「1」と一致する。この場合、ビットの値は修正されず、ビット75−2からビット75−8の値が上位方向にシフトされる。
【0044】
図10に示すように、画像121の画素bの最上位ビット77−1の画素値「1」は、可視電子透かしの画像201の画素bの画素値「0」と一致しない。この場合、ビット77−1の値は画像201の画素bの画素値「0」に修正され、ビット77−2からビット77−8までの値は、修正後の画素値が修正前の画素値に最も近くなるように修正される。例えば、図10に示すように修正前の画像121の画素値が「10000010」であれば、修正後の画像122の画素値は「01111111」となる。
【0045】
即ち、画像121が8ビット、256階調であれば、画像121において最上位ビットの値を「1」から「0」に修正する場合、画像121の画素値に最も近い値である「127」を画像122の画素値とする。これは2進数で表示すると、「01111111」である。
【0046】
また、画像121において最上位ビットの値を「0」から「1」に修正する場合、画像121の画素値に最も近い値である「128」を画像122の画素値とする。これは2進数で表示すると、「10000000」である。
【0047】
以上述べたように本実施の形態を用いれば、非可逆圧縮された可視電子透かし入りの画像121から任意に可視電子透かしを除去することができる。従って、画像に権利情報を明示でき、かつ任意に透かしを除去できるため画像の意匠性を損ねることもない。また、可視電子透かし入りの画像を蓄積する場合に容量を抑えることができ、ネットワーク上で画像を伝送する場合でも伝送時間が短くて済む。
【0048】
また、ネットワーク上で画像を利用する場合、ネットワーク上では圧縮された可視電子透かし入り画像のみを配信し、可視電子除去処理アプリケーションプログラム17を正式なクライアントに配布することで、画像の不正利用を防ぐことができる。
【0049】
尚、本実施の形態では、最上位ビットプレーンの領域Aを電子透かしの画像201に置き換えて透かしを挿入したが、可視電子透かしはどのビットプレーンにも挿入可能である。この場合、可視電子透かしを挿入するビットプレーンと、それより下位のビットプレーンのみをビットシフトの対象とすればよい。
【0050】
また、可視電子透かしを除去する場合、可視電子透かしを挿入したビットプレーンと可視電子透かしの画像201とを比較し、修正が必要な場合は、可視電子透かしの挿入対象となるビット値を画像201のビット値に修正し、それより下位のビット値全てを画像201のビット値と逆にすればよい。
【0051】
可視電子透かしは、可視電子透かしを挿入するビットプレーンが下位になるほど目立たなくなるため、要求される可視電子透かしの見え具合に応じてビットプレーンを選択することが可能である。
【0052】
また、本実施の形態は、画像の階調が8ビットでなくてもよく、グレイスケール画像やカラー画像にも適用可能である。例えば、RGB色空間で表示されるカラー画像では、Rプレーンに図4に示す処理を施せば赤い可視電子透かしが挿入される。
【0053】
次に、画像の意匠性を保つためのより効果的な第2の実施の形態について説明する。
【0054】
本実施の形態はカラー画像に適用されるものであり、カラー画像から輝度画像を取り出し、輝度画像に前述と同様の方法で可視電子透かしを挿入することで、色相に与える影響を小さくし、画像の意匠性を保つようにするものである。
【0055】
図11は可視電子透かし挿入処理のフローチャートであり、図12は挿入処理の概要を示す模式図である。
【0056】
図12に示すように、原画像1101に対し可視電子透かしの画像201を挿入して画像1111を得るものとし、画像201を挿入する領域を領域A、挿入しない領域を領域Bとする。
【0057】
原画像1101の色空間変換を行い(ステップ1201)、輝度情報およびその他の情報からなる色空間に変換し画像301とする。画像301において輝度プレーンからなる画像を画像1401、その他の情報を示す画像を画像1501とする。ここで、原画像1101がもともと輝度情報を含む色空間の画像である場合は、ステップ1201の処理は必要なく、原画像1101の輝度プレーンを画像1401とすればよい。
【0058】
次に、画像301の輝度プレーンからなる画像1401の領域Aに対してビットシフト処理を行い(ステップ1202)、画像1402とする。画像1402において領域Aを可視電子透かしの2値画像201に置き換えて、透かしを挿入する(ステップ1203)。
【0059】
こうして作成された可視電子透かし入りの画像1411と輝度以外のプレーンの画像1501とから色空間の逆変換を行い(ステップ24)、可視電子透かしの挿入された画像1111を得る。
【0060】
以下、図2の各ステップについて更に詳しく説明する。
ステップ1201
原画像1101がRGB色空間にて表現されている画像である場合、各画素値を次式によって変換し、輝度情報とその他の情報とからなる色空間YPbPrやYIQ等に変換する。ここでは色空間YPbPrに変換する場合について述べる。色空間YPbPrの内、Yが輝度信号であり、Pb、Prは色差信号である
【0061】
Y=0.121R+0.701G+0.087B
Pb=−0.116R−0.384G+0.500B …(1)
Pr=0.500R−0.445G−0.055B
こうして原画像1101は色空間YPbPrにて表現され、その内のYプレーンが輝度プレーンの画像1401となり、Pbプレーン、Prプレーンが画像1501となる。
【0062】
ステップ1202、ステップ1203
ビットシフト処理に関しては、輝度プレーンに処理を施すこと以外、図6、図7に示す処理と同様の処理を行い、輝度プレーン画像1401に可視電子透かしが挿入される。
【0063】
ステップ1204
こうして作成した画像1411と画像1501とから色空間の変換を行い、原画像1101と同様の色空間で表現された可視電子透かし入りの画像1111が得られる。例えば、YPbPr色空間からRGB色空間への変換は次式によって行われる。
【0064】
R=1.576Pr+Y
B=1.826Pb+Y …(2)
G=(Y−0.087B−0.212R)/0.701
【0065】
こうして作成された透かし入りの画像1111は、原画像1101と比較すると、領域Aの輝度情報には変化が発生するが、色空間変換が可逆であれば、輝度以外の成分には変化が発生しないため、領域Aは原画像1101の色相を損なわない。また、色空間変換時の誤差が肉眼では判別できない程度であれば、色相への影響も無視できる。
【0066】
また、ビットシフト処理を用いて輝度プレーンに透かしを挿入することで、ビットプレーンの大小関係が保持され、電子透かしが半透明的に挿入され、画像への影響が少ない。
【0067】
こうして作成された画像1111を非可逆圧縮し、伸張し、画像1211が得られるとする。以下に、画像1211から可視電子透かしを除去する作業手順について説明する。図13は除去作業の説明図である。
【0068】
透かし入りの画像1211の色空間変換を行い、画像1211はRGB色空間で表現されているので、(1)式によってYPbPr色空間で表現される画像311に変換される。画像311は輝度プレーンの画像1411とその他の情報の画像1511に分けられる。
【0069】
次に、前述した実施の形態と同様に、画像311の輝度プレーン画像1411の領域Aと、2値画像201を比較し、一致しない場合には画素値を修正し、領域Aに対してビットシフト処理を行い、画像1421が得られる。
【0070】
画像1421と画像1511とから色空間の逆変換を行い、可視電子透かしの除去された画像1222が得られる。例えば、元のRGB色空間に変換する場合は(2)式を用いる。
このように、本実施の形態では、輝度プレーンに対して、透かしを書き込み、非可逆的圧縮をおこない、更に透かしを除去することができる。
【0071】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、非可逆圧縮を行った画像から任意に可視電子透かしを除去でき、画像の意匠性が保たれる。また、ネットワーク上で可視電子透かしが挿入された画像を伝送し、必要時には可視電子透かしを除去できる画像の意匠性を損なうことなく、その権利情報を明示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施の形態に係る画像伝送システム1を示す図
【図2】 サーバコンピュータ3における画像の蓄積を示す図
【図3】 クライアントコンピュータ7への画像データの伝送の説明図
【図4】 クライアントコンピュータ7への画像データの伝送の説明図
【図5】 可視電子透かしの挿入び除去の処理を示すフーフローチャート
【図6】 可視電子透かしの挿入処理の説明図
【図7】 可視電子透かしの挿入処理の説明図
【図8】 可視電子透かしの除去処理の説明図
【図9】 可視電子透かしの除去処理の説明図
【図10】 可視電子透かしの除去処理の説明図
【図11】 他の実施の形態における可視電子透かしの挿入処理を示すフローチャート
【図12】 可視電子透かしの挿入処理の説明図
【図13】 可視電子透かしの除去処理の説明図
【符号の説明】
1………画像伝送システム
3………サーバコンピュータ
7………クライアントコンピュータ
Claims (5)
- 第1の画像をビットプレーンに分割する手段と、
分割された複数のビットプレーンのうち、2値画像を上書きする領域を有するビットプレーンより、下位側のビットプレーンの前記領域に相当する領域の画素値を下位方向のビットプレーンにビットシフトし、前記2値画像を上書きする領域を有するビットプレーンの前記領域に前記2値画像を上書きして、第2の画像を生成する手段と、
前記第2の画像を圧縮して第3の画像を生成する手段と、
前記第3の画像を伸長して第4の画像を生成する手段と、
前記第4の画像の2値画像が書き込まれたビットプレーンで、2値画像が書き込まれた領域の画像と、元の2値画像とを比較する比較手段と、
前記比較の結果一致しない場合、前記第4の画像のビットプレーンの2値画像が書き込まれた領域の値を、前記2値画像の値に近く、かつ、修正による画素値の変化が少なくなるように修正する修正手段と、
を具備することを特徴とする画像処理システム。 - 前記第1の画像は、原画像を色空間変換した輝度プレーンの画像であることを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
- 前記修正手段により修正した第4の画像の、前記2値画像を上書きしたビットプレーンの値を上位方向にビットシフトすることにより、前記2値画像を第4の画像から除去する除去手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
- コンピュータを請求項1から3のいずれかに記載された画像処理システムとして機能させるプログラムを記録した記録媒体。
- サーバとクライアントの間で、画像の伝送を行う画像処理システムであって、
前記サーバが、第 1 の画像をビットプレーンに分割する手段と、
分割された複数のビットプレーンのうち、2値画像を上書きする領域を有するビットプレーンより、下位側のビットプレーンの前記領域に相当する領域の画素値を下位方向のビットプレーンにビットシフトし、前記2値画像を上書きする領域を有するビットプレーンの前記領域に前記2値画像を上書きして、第2の画像を生成する手段と、
前記第2の画像を圧縮して第3の画像を生成する手段と、
を有し、
前記クライアントが、前記第3の画像を伸長して第4の画像を生成する手段と、
前記第4の画像の2値画像が書き込まれたビットプレーンで、2値画像が書き込まれた領域の画像と、元の2値画像とを比較する比較手段と、
前記比較の結果一致しない場合、前記第4の画像のビットプレーンの2値画像が書き込まれた領域の値を、前記2値画像の値に近く、かつ、修正による画素値の変化が少なくなるように修正する修正手段と、
を有することを特徴とする画像処理システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01618699A JP3676937B2 (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | 画像処理システム、画像伝送システム及び記録媒体 |
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