JP3675443B2 - 溶融金属の流速測定方法及びその装置並びにこれに用いる検知棒 - Google Patents

溶融金属の流速測定方法及びその装置並びにこれに用いる検知棒 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、溶鋼等の溶融金属の流速を測定するための装置とその方法に関し、とりわけ連続鋳造設備において、タンディッシュから浸漬ノズルを通してモールド内に注入される溶鋼等の溶融金属の流速を連続的に直接測定することが可能な流速測定装置とその方法に関する。
背景技術
溶鋼の連続鋳造過程においては、タンディッシュからモールドに浸漬ノズルを通じて溶鋼を分配注入する工程が存在する。浸漬ノズルには複数の吐出口が設けられ、これら複数の吐出口から同量の溶鋼を吐出するように構成されている。そして浸漬ノズルから吐出される溶鋼は、モールド内における界面高さがほぼ同じ水準に維持されるように管理されながら供給され、モールド内に満たされた溶鋼をモールドで抜熱して冷却凝固させて、下部側から連続的に引き抜くことで鋳物を連続的に得ることを可能にしている。
ところで、このような浸漬ノズルによるモールド内への溶鋼の注入に関して、いくつかの問題が従来より指摘されている。例えば、浸漬ノズルを長期間使用し続けると、各吐出口から流れ出る溶鋼の吐出量に不均等が生ずる。これは、脱酸素目的で溶鋼中に添加されているアルミニウムが酸化してアルミナとなり、これが浸漬ノズルの内壁に付着堆積して浸漬ノズルを閉塞させ、浸漬ノズル内溶鋼の円滑な流通を阻害するためである。そして、この結果、モールド内に注入される溶鋼の吐出量に、方向による偏りが生じ、モールド内での不均一凝固や溶鋼表面の乱れが惹き起こされ、鋳物の品質の低下や鋳造能率の低下をもたらす。
このような事態を回避するには、浸漬ノズルから噴出される吐出流の偏りを早期に検知して、これを防止するための対策を講ずることが重要であり、このために、従来より吐出流の偏りを検知する様々な方法が提案されている。例えば、[1]モールド冷却水の不均等な温度上昇を監視し、これが観察された場合に不均等な吐出流の存在があると推定する方法、[2]モールド内の複数位置で溶鋼の湯面レベルの変動を連続測定し、その差が観察された場合に不均等な吐出流の存在があると推定する方法である。
しかしながらこれらは何れも間接的な測定方法であって、応答性が鈍いうえに測定結果を定量的に評価することもできず、測定結果を周辺装置のフィードバック制御に利用することもできない。例えば、不均一吐出が検出された場合には、モールド内電磁ブレーキを作動させて各吐出口からの吐出量を個別に抑制制御することが従来より行なわれているが、前述の偏流検知手法では偏流の定量的計測が行なえないため、偏流検知のデータを電磁ブレーキの制御に直接利用することができず、これらの制御は旧来どおり現場作業員の経験と勘に頼らざるを得ない。また、偏流を検知したら、速やかにモールド内電磁ブレーキの増出力、浸漬ノズルフラッシングガス量の増大、タンディッシュ内溶鋼温度の上昇、あるいは浸漬ノズルの交換等の対策を講じることが理想的であるが、従来の偏流検知方法では、応答性が鈍いため対策が遅れがちとなり、偏流が益々拡大するという問題もある。
このような問題点を解決すべく、本発明者等は、特許第2842158号、第2894272号に記載された技術を既に提案している。これは、従来の偏流検知方法が、上述したように間接的手法であったのに対して、直接的手法を採用したものである。
その内容は、振動検知手段を具備した耐熱素材製の棒体よりなる検知棒を、モールドの浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流を遮るように溶鋼中に浸漬挿入し、吐出流中に検知棒が存在することで、検知棒下流側に発生するカルマン渦によって生ずる検知棒の振動を振動検知手段によって連続的な信号として検知し、この検知信号を高速フーリエ変換(以下、FFTと称す)して得られるスペクトルカーブ中で、スペクトル強度が最大のスペクトル成分の有する周波数と溶鋼の流速との関係式から、上記の吐出流の流速を算出するというものである。
この技術によれば、モールド内の溶鋼の流速を直接的な手段で測定することができるため、早期に偏流の兆候を検知することが可能となり、予防的対策を講じることができるようになった。また、偏流の程度を定量的に測定することができるので、測定結果を、電磁ブレーキ、浸漬ノズルフラッシングガス噴出装置やタンディッシュヒータ等の周辺装置の制御部にフィードバックして、偏流解消のための能動的対処を行なうこともできるようになり、この結果、モールドへの溶鋼の分配注入操作の自動化が図れるようになった。
本発明者等による先の発明は、溶鋼の流速を直接測定する方法として、現時点において最良の技術であると思われる。しかし、上記の振動検知手段が検出した検知信号から、溶鋼の流速を求める過程で行なわれる。FFT処理による信号処理やその後のスペクトル判定処理、溶鋼の流速の演算に用いる周波数の峻別等において改善すべき点も残されている。それは次のような点である。
[1]FFT処理後の有用なスペクトル成分の峻別の確実化
振動検知手段が検出した検知信号から溶鋼の流速を求める過程で、検知信号をFFT処理してスペクトルカーブを求める。このスペクトルカーブは、モールド内の溶鋼の流動状況が非常に複雑であり、FFT処理時間内という短い時間においても時々刻々と変化するために、多様な形態を示す。このような多様な形態を示すスペクトルカーブから有用なスペクトル成分を如何に峻別するかという課題。
[2]カルマン渦以外に起因するノイズ成分の除去
溶鋼の流速測定の際、モールドオシレーションと呼ばれるモールドの固有振動、検知棒を保持するプローブ自体あるいはプローブを保持する架台自体の固有振動等、カルマン渦以外の要因から発生する振動の周波数もスペクトルカーブに現れる。そのため、プローブの検知対象周波数帯域内で最大スペクトル強度を示したスペクトル成分の有する周波数を用いて流速を演算する従来用いられた単純なロジックでは、カルマン渦以外の要因で発生した振動の周波数が流速の演算に用いられることもある。このようなことで溶鋼の真の流速値が得られないケースを、いかにして回避するかという課題。
[3]測定精度向上と処理時間短縮の両立
検知信号サンプリング→FFT処理→流速の演算という処理の流れをバッチ処理で行なう方法では、処理に時間を要するため、得られた流速値はリアルタイム性に欠けるところがあり、複雑なモールド内の溶鋼の流動状況に追従しているとは言いがたい。一方、処理時間を短縮しようとしてサンプリング数を少なくするとスペクトルカーブの周波数分解能が劣化して、測定精度が悪化する。このような測定精度向上と処理時間短縮を如何に両立させるかという課題。以上は、信号処理及びスペクトル判定処理に関しての改善すべき点であるが、これら以外にも溶鋼の流速測定に関して改善すべき次のような点がある。
[4]プローブ操作の自動化
プローブ操作とは、検知棒を溶融金属中の所定位置へ浸漬させ、測定終了後に、元の状態に戻す操作を言う。このプローブ操作は、従来、プローブを取付けた架台を、狭いスペースの中で作業者が手に持ちながらこの架台を周囲の固定設備に取付け、測定終了後に取外す方式で行なわれた。そのため、作業性が悪く、また安全面においても問題があった。また、モールド内の被測定箇所に対する位置決め、或いは振動検知手段の取付面の向きや検知棒の浸漬深さの設定等は、プローブを架台に取付ける際に、作業者が手作業で行なっていたので精度及び作業性が悪かった。
[5]手持ち測定への対処
臨時に、短時間で簡易に測定する場合は、プローブを取付けた架台を手で持って行なうのが便利であるが、架台の振動が発生し易く、流速測定の誤差要因となる可能性が大きい。また、プローブを取付ける際、従来の装置では振動検知手段の取付面の向きを目視で調整してプローブを固定しなければならないので、作業性が悪かった。そのため、取付けが不完全になりやすく、測定中にプローブがモールド内に落下する恐れもあった。また取外し時の作業性も悪かった。
[6]検知棒の耐溶損性の向上
検知棒には、従来、サイアロンやMo−ZrO2系のサーメット等、セラミック系の保護管を使用している。そのため、検知棒が、モールドパウダー溶融層と溶鋼との間に形成されるメニスカス層と接触する際に、検知棒の接触部分の溶損が激しく、長時間の測定が出来なかった。
本発明は、かかる現況に鑑みてなされたものである。その目的は、振動検知手段を具備した検知棒を用いてカルマン渦に起因する振動を検知して、溶鋼の流速を求める前述の技術を継承しつつ、上述した、FFT処理後の有用なスペクトル成分の峻別の確実化、カルマン渦以外に起因するノイズ成分の除去、及び、測定精度の向上と処理時間短縮の両立の課題の解決を図った溶鋼の流速測定方法とその装置を提供しようとするものである。さらに、これに加えて、プローブの保持構造及びプローブ操作の自動化、手持ち測定の対処策、及び検知棒の耐溶損性の向上策を提案するものである。
発明の開示
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、信号処理及びスペクトル判定処理について次の認識を得た。この認識は、溶鋼のみならず、溶融金属全般に対しても当てはまるので、以下、溶融金属を対象とする。
モールド内の溶融金属の流動状況はさまざまである。一方向性の強い流れが存在しているときもある。あるいは、複数個の弱い流れが混在した状態で存在し、相互に影響しあって複雑な流動状況となったり、あるいは流れが殆ど無くなり停滞したりするときもある。
前者の場合は、検知信号をFFT処理して得られたスペクトルカーブ上に突出したピークが出現するので、カルマン渦に起因するスペクトル成分を峻別するのは比較的容易である。しかし、後者の場合は、出力が同レベルのピークが乱立したり、あるいはピークらしきものが殆ど認められない状態となるので、カルマン渦に起因するスペクトル成分が存在するとはいえず、従ってこのような場合は、溶融金属の流速の演算の対象外にすべきである。
そこでこのような認識の下、振動検知手段によって得られた検知信号からカルマン渦に起因する振動の周波数を決定するために、次のような判定手順を経ることにした。
まず、最初に、検知棒の備える振動検知手段によって得られた連続的な検知信号の周波数成分を解析する周波数成分解析処理を行なう。具体的には、検知信号のFFT処理を行なう。周波数成分を解析する方法であれば、他の方法でも良い。これを、周波数成分解析処理と称し、これを実行する手段と周波数成分解析手段と称する。
次いで、周波数成分解析処理から得られたスペクトルカーブの、隣接するピーク同士を結んで得られるピーク包絡線カーブにおける複数のピークを抽出し、これらのピークの中で、スペクトル強度が最大のものと最小のものとの格差が一定値以上である場合にのみ、カルマン渦に起因する振動の存在を認め、それ以外はカルマン渦に起因する振動は存在しないと判断する。ここで最大のものと最小のものとの格差は絶対値で表現してもよいし、最大値に対して最小値が占める割合によって表現してもよい。この判断を第1判定と称し、これを実行する手段を第1判定手段と称する。
次に、第1判定手段によりカルマン渦起因の振動の存在が認められた場合に、複数の抽出されたピークの内で、スペクトル強度が最大のピークに対して、一定比率以上のスペクトル強度を有するピークのみを選別し、その中から、周波数が最高のピークの峻別を行なう。これを第2判定と称し、これを実行する手段を第2判定手段と称する。
そして、第2判定で峻別されたピークの有する周波数を用いて溶融金属の流速の演算を行なう。これを流速演算と称し、これを実行する手段を流速演算手段と称する。
上記の第1判定において、スペクトル強度が最大のものと最小のものとの格差が一定値より小さい場合は、カルマン渦に起因する振動が存在しないと判定し、この時の測定値は流速測定の演算対象外とすることによって、カルマン渦が未発生の場合に、溶融金属の波立ちによる高周波振動をカルマン渦による振動とする誤判定を防止する。また、上記の第2判定において、周波数が最高のピークを峻別し、このピークの有する周波数を溶融金属の流速の演算に用いるのは、複数のカルマン渦振動が発生した場合の外乱要因である、最大振幅強度を持つ振動の周波数を除去して最大流速を求めるためである。最大流速を求めるのは、モールド内での溶鋼の不均一凝固や溶鋼表面の乱れを惹き起こしたり、鋳物品質の低下や鋳造能率の低下をもたらしたりする要因が、最大流速とその変動に基づくからである。
モールド内の溶融金属の偏流の兆候の検知のために、溶融金属の流れの方向を検知することは非常に有効である。このため、次のような手段を用いて、溶融金属の流れの方向を検知する。まず、検知棒の浸漬時における溶融金属の流れに対する検知棒の向きにより、得られる信号のレベルが異なるような振動検知手段を用いる。それに加えて、検知棒の向きを、その軸周りに回転することにより変化させる回転手段と、回転の角度を検知する回転角度検知手段とを用いる。そして回転手段により検知棒を回転させて、前述の第1判定手段により抽出されるスペクトル強度の最大となるピークが最も大きくなるときに、回転角度検知手段が検知した回転角度から、溶融金属の流れの方向を判定する。このような溶融金属の流れ方向検知手段を用いることにより、溶融金属の流れの方向を知ることができる。
上述した振動検知手段によって得られた検知信号の周波数成分解析に、FFT処理を用いる場合、FFT処理に供する被処理データである高速フーリエ変換用フレーム(以下FFTフレームと称する)を、次のようにして形成するのが推奨される。
即ち、検知信号を単位時間内に連続してサンプリングしたデータ列でブロックを形成する。このブロックを形成順に所定個数連続して結合して、FFTフレームを構成する。これらのブロックで構成される最新のFFTフレームは、次のようにして形成される。即ち、最新のブロックを形成する度に、当該ブロックを最後に形成されたFFTフレームの先頭に挿入し、且つ後続するブロックを順次シフトし、最終のブロックを廃棄することにより最新のFFTフレームを形成する。この処理を、最新のブロックを形成する度に同様に繰り返す。このようにすることにより、短い応答時間で、高速フーリエ変換に供する被処理データであるFFTフレームの形成に、多数のブロックを使用できるため、FFT処理して得られるスペクトルカーブの周波数分解能を高めることが出来、流速測定の応答性と精度向上を果たすことができる。
本発明では、プローブ操作の自動化に対する提案も行なう。ここで、プローブ操作とは、前述の通り、検知棒を溶融金属中の所定位置へ浸漬させ、測定終了後に、元の状態に戻す操作を言う。また、プローブとは、検知棒とこれを保持する保持部とを含めた概念である。プローブの形態は様々であり、検知棒と保持部が一体であるものもあれば、保持部に対して検知棒が脱着可能なものもある。以下の説明では、後者に基づいて説明するが、前者を排除するわけではない。また保持部の形態も特定のものに限定されない。
プローブ操作は、全自動で行なう場合と、半自動で行なう場合、あるいは完全手作業で行なう場合とがある。
例えば、本発明の溶融金属の流速測定装置にプローブ操作を全自動で行なえるマニピュレータを備える場合、このマニピュレータは次のような構成とすることが推奨される。
即ち、鉛直に立設した支柱と、その支柱の頂部に基端が垂設されるとともに、モールドの上面開口面に対して棒状の検知棒が平行となるように、検知棒を保持したプローブを先端に取付けたアームと、アームを水平に旋回させる旋回手段と、モールドの上面開口面に対して検知棒がその先端部を下に向けて鉛直な直立状態となるように、アームの途中部に設けられた関節部を支点にしてアームを屈曲させたり、元に戻すために伸ばしたりさせる屈曲伸展手段と、検知棒が直立状態である場合に、検知棒の先端位置が上下移動するようにして、モールド内の溶融金属に対して、検知棒を浸漬、退出させる上下移動手段とを有する全自動のマニピュレータである。このようにすることにより、検知棒をモールド内の溶融金属に対して、浸漬、退出させることができる。
上記の全自動のマニピュレータに、アームをその軸方向に伸縮させる伸縮手段を備えるようにしてもよい。このようにすれば、測定を行なわないときは、アームを収縮させることにより、このマニピュレータが他の作業の邪魔にならないようにすることができる。
上記の全自動のマニピュレータに、支柱を、モールドの長辺方向に水平移動させる水平移動手段を備えるようにしてもよい。このようにすることにより、検知棒の移動をより広範囲に行なうことができる。
上記の全自動のマニピュレータに、モールド内の溶融金属の湯面レベル検知手段と、上下移動手段の制御を、湯面レベル検知手段が出力する情報に基づいて行なう制御手段を備えるようにしてもよい。このようにすることにより、検知棒を浸漬位置に正確に浸漬する制御を、上下移動手段を用いて自動化することができる。
上記の全自動のマニピュレータに、検知棒を保持するプローブを、自動的に着脱する着脱手段を備えるようにしてもよい。このようにすることにより、マニピュレータへのプローブの着脱を自動化することができる。そのため、消耗した検知棒の交換を自動化することができ、測定作業の自動化をより完全にすることができる。
上記の全自動のマニピュレータに、このマニピュレータの有する旋回手段、屈曲伸展手段、上下移動手段、及び、伸縮手段、水平移動手段、着脱手段を有する場合はこれらの手段を、総合的に管理制御する手段を備えるようにしてもよい。これにより、プローブの装着から測定場所への移動、更にはモールドの溶融金属への検知棒の浸漬、測定終了時のプローブ引き上げから退避、そしてプローブの取外しに至るまでを自動化することができる。
また、プローブ操作を半自動で行なう場合も考えられる。この方法を採用したマニピュレータとしては、モールドの上面開口上方へ張り出したり退却したりして、進退する移動体を有する水平移動手段と、当該移動体に枢着された一端を回転支点として、他端が進退方向に沿って上下に円弧を描いて傾動するアームの他端に、プローブに保持された検知棒の先端が下方になるように、プローブを垂設した傾動手段とを有する半自動のマニピュレータがある。
また、検知棒の浸漬を手作業で行なう場合も考えられる。この方法を採用したマニピュレータとしては、モールドの上面開口に横架されており、その一端を回転支点として他端が上下に円弧を描いて傾動する架設棒であって、その架設棒の途中に、プローブに保持された検知棒の先端が下方になるように、プローブを架設棒の軸方向にスライド自在に垂設した架設棒を有するマニピュレータがある。
以上に説明したマニピュレータは、固定設備として使用するものであったが、本発明は、簡易測定用の手持ちマニピュレータの提案も行なう。このマニピュレータは、振動検知手段を備えた検知棒が取付けられた架台と、この架台に取付けられた加速度計とを有しており、架台を操作者が手で保持して使用するマニピュレータである。このマニピュレータ用いた測定には、振動検知手段が検知する振動から加速度計の捉えた架台の振動を弁別する弁別手段を用いる必要がある。このマニピュレータを使用することにより、流速測定の誤差要因となる架台の振動の影響を排除することができる。
上記のマニピュレータでは、特定の測定深さ位置における流速の測定は、検知棒の浸漬深さを調節することにより行なうが、この測定では、検知棒の溶融金属中に浸漬している部分全体を測定部位としているので、検知された振動が、どの深さ位置で主に生じているものか判別できない。しかし、検知棒の長手方向の形状を工夫することにより、測定の主たる対象が、検知棒の浸漬している特定された深さ位置における検知棒の先端部の一定範囲となるようにして、流速を測定することができる。即ち、検知棒の流速測定用の先端部以外の横断面形状を、先端部と比較してカルマン渦の発生が抑制されるような形状とし、このような検知棒を用いることで、溶融金属の表面から流速を測定したい深さ位置に至る、途中の深さ位置のカルマン渦の発生を極力抑制することができる。そこで、このような形状の検知棒を特定の深さ位置に浸漬させることにより、その先端部を溶融金属中の特定の深さ位置に留め置いて、この特定の深さ位置で発生するカルマン渦を主たる要因とする振動に基づく流速を測定することができる。
検知棒の耐溶損性向上については次のように考える。検知棒の耐溶損性を高めるためには、溶融金属とその表面に浮遊する溶融パウダーとの間に形成されるメニスカス層との接触をできるだけ抑制する必要がある。このメニスカス層は、局部溶損の最も大きな要因と考えられているからである。本発明者は検討の結果、このメニスカス層との接触を抑制するためには、溶融パウダーと濡れ性の良い材料をあらかじめ検知棒表面に存在させておき、溶融パウダーが検知棒表面を被う機会をできるだけ多くすることで界面との接触を減少させることが最も効果的であるとの結論に至った。この結論に基づいて提案される検知棒としては、表面にジルコニア、シリケートジルコニア、または、カルシウムジルコニアのいずれかを素材とした500μm〜1500μmの厚みのコーティング層を設けたものなどが挙げられる。
また、実際に耐溶損性が要求されるのは、検知棒の溶融金属への浸漬時に、メニスカス層中に位置する部分である。そこで、検知棒のこの部分を少なくとも含む範囲の表面を、耐溶損性に優れているジルコニア、シリケートジルコニア、または、カルシウムジルコニアのいずれかを素材としたスリーブで覆うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、信号処理及び判定の手順の概要を示すフローチャートである。
第2図は、信号処理及び判定の手順の詳細を示すフローチャートである。
第3図は、FFT処理の考え方を示す説明図である。
第4図は、スペクトルカーブの例を示したグラフである。
第5図は、第4図のグラフにおけるピーク包絡線カーブを示したグラフである。
第6図は、第5図のピーク包絡線カーブのピークを示したグラフである。
第7図は、カルマン渦起因の振動がない場合のピーク包絡線カーブの一例を示すグラフである。
第8図は、カルマン渦起因の振動がない場合のピーク包絡線カーブの一例を示すグラフである。
第9図は、スループット量と流速との関係を示す説明図である。
第10図は、全自動のマニピュレータの例の外観図である。
第11図は、同マニピュレータの支柱とアームの動きを示す説明図である。
第12図は、全自動のマニピュレータの他の例の動きを示す説明図である。
第13図(a)は、軸部の受けるカルマン渦の発生を極力抑制した検知棒の例の外観図、(b)は(a)の検知棒を溶鋼内に浸漬させた状態の設明図である。
第14図は、先端部が三角柱形状の検知棒を溶鋼内に浸漬させた状態の設明図である。
第15図は、溶鋼の流れの方向を検知する機能を備えたプローブの例の外観図である。
第16図(a)、(b)は第15図の検知棒を溶鋼内に浸漬させた場合の設明図である。
第17図は、半自動のマニピュレータを示す説明図であり、(a)はプローブを持ち上げた状態の説明図、(b)はプローブを溶鋼中に浸漬した状態の説明図である。
第18図は、手動式のマニピュレータを示す説明図である。
第19図は、手持ちマニピュレータの概要を示す斜視図である。
第20図は、手持ちマニピュレータを示すとともに、プローブを架台に装着する様子を示す説明図である。
第21図は、操作者が手持ちマニピュレータを取り扱う様子を示す説明図である。
第22図は、耐溶損性の高い素材でなるスリーブを用いた検知棒を溶鋼内に浸漬させた場合の設明図である。
第23図は、モールド内の溶鋼の流動状況を示す説明図である。
第24図は、監視パネルの画面の一例を示す説明図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づき説明する。本発明は、カルマン渦によって生ずる検知棒の振動から溶融金属の流速を直接測定する方法において、検知棒の振動を検知した検知信号から流速を演算する過程で行なわれるFFT処理による信号処理やその後のスペクトル判定処理の内容を工夫したことが最大の特徴である。またこの測定を行なうプローブの保持構造やプローブ操作の自動化についても提案する。さらにこのプローブに装着される検知棒の好ましい態様についても提案する。尚、以下の説明では、溶融金属として溶融を取り上げるが、溶鋼以外の溶融金属への適用も除外するものではない。
本発明は第1図に示すような処理手順を経る。それは周波数成分解析処理A、第1判定B、第2判定C、流速演算Dである。第2図は第1判定B及び第2判定Cの内容を、より詳細に表したものである。以下、各処理の内容を説明する。
<周波数成分解析>(第2図におけるA)
検知棒に具備された歪ゲージなどの振動検知手段から連続的に出力される検知信号に含まれる周波数成分を解析する処理である。この処理はFFT処理によって行なう。FFT処理によって得られるスペクトルカーブの周波数分解能を高めるためには、高速フーリエ変換に供する被処理データの量を多くする必要がある。しかし、単純に収集データの数を増やすだけでは、測定期間が長くなり、流速測定の応答性が低下する。そこで、多量の被処理データを確保しながら、応答性の低下をもたらさないようにするために、同じ収集データ数でありながら、多数の被処理データを確保できる方法を採用した。この方法を用いたFFT処理は、本発明者によって移動ブロックFFT演算処理法と命名された方法であり、第3図で示すような処理内容を有している。この処理では、FFT処理に供する被処理データであるFFTフレームの形成は、次のようにして行なわれる。
即ち、検知信号を、一定の標本周期で、即ち、一定の単位時間内に、連続してサンプリングしたデータ列でブロックを形成する。このブロックを形成順に所定個数連続して結合して、FFTフレームを構成する。これらのブロックで構成される最新のFFTフレームは、次のようにして形成される。即ち、最新のブロックを形成する度に、当該ブロックを最後に形成されたFFTフレームの先頭に挿入し、且つ後続するブロックを順次シフトし、最終のブロックを廃棄することにより最新のFFTフレームを形成する。この処理を、最新のブロックを形成する度に同様に繰り返す。
<第1判定>(第2図におけるB1〜B7)
この判定は、FFT処理による周波数成分解析処理によって得られたスペクトルカーブから求められたピーク包絡線カーブの中に、際立ったピークが存在するか否かを見極めるためのものである。際立ったピークが存在する場合にはカルマン渦に起因する振動成分が存在すると判定して次の処理に移り、際立ったピークが存在しない場合には、このFFTフレーム内では、即ち、このFFTフレームを構成する先頭のブロック形成のために行なわれた検知信号のサンプリングの単位時間内では、カルマン渦起因の振動成分は存在しないとみなし、この単位時間内における測定結果は流速測定のための演算対象から除外するように処理する。
具体的には第8図に示すように、低レベルのピークの連続である場合や、第7図に示すように、高出力のピークを有する場合であってもピーク包絡線カーブが高出力のピークの連続(a,b,c,d…)である場合には、これらには際立ったピークがないとして、この単位時間内のスペクトルカーブは流速測定の演算対象から除外する。後者の場合、モールドオシレーションなどの強力な外乱要因が存在していることが推測される。一方、前者の場合は、流れが存在しない状態であるか、あるいは複数の振動が相殺しあって際立ったピークが存在しない状態となっているものと推測される。これらを演算対象から排除するために、ピーク包絡線カーブの複数のピークの中で、スペクトル強度が最大のものと最小のものとの格差が一定値以上あるか否かを判断し、格差が一定値以上である場合にのみ、カルマン渦に起因する振動の存在を認め、それ以外はカルマン渦に起因する振動は存在しないと判断することにする。
この処理は具体的には次の手順に従う。まず検知信号をある単位時間内サンプリングしたデータ列で形成されたFFTフレームをFFT処理して得られたスペクトルカーブが第4図で示すようなものであった場合、第5図に示すようにこのスペクトルカーブのピーク同士を包絡線で結んでピーク包絡線カーブを作成する(B1)。次いで第6図に示すように、このピーク包絡線カーブにおけるピークP1〜P10を抽出する(B2)。そしてこの抽出したピークの中から、例えば、第6図のP2とP9のようなスペクトル強度が最大のピーク(Pmax)と最小のピーク(Pmin)の格差ΔPを算出し、この格差ΔPが一定値以上であるか否かを判断する。格差ΔPが一定値以上であるか否かの判断は、Pmin/Pmaxが一定比率以下であるか否かを判断してもよい(B3、B4、B5)。第2図において「スペクトル強度基準比率NN%」(B4)と記載されているNN%がこのPmin/Pmaxに対応している。そして相互間に一定値ΔP以上の格差或いはPmin/PmaxがNN%以下であれば、カルマン渦起因の振動が存在すると判断し(B6)、一定値ΔP以下の格差或いはPmin/PmaxがNN%を超えれば、カルマン渦起因の振動が存在しないと判断する(B7)。
<第2判定>(第2図におけるC1〜C4)
この判定は、第1判定においてカルマン渦起因の振動の存在が確認された場合(C1)に、その複数のピークの中から、最大のスペクトル強度を示したピークに対して、一定比率以上のスペクトル強度を有するピークを選択(C2、C3)し、さらにその中で最高周波数を有するピークを峻別する(C4)ものである。第2図における「スペクトル強度基準比率N%」(C2)が、一定比率以上のスペクトル強度を有するピークの選択に用いる基準比率である。例えば、第6図において、最大のスペクトル強度を示したピークP2に対して、一定比率以上のスペクトル強度を有するピークがP1、P3及びP4であったとすると、この中で最高の周波数を有するP4を選択する。ここで、最高の周波数を有するピークを選択するのは、最大流速を求めるためである。最大流速を求めるのは、モールド内での溶鋼の不均一凝固や溶鋼表面の乱れを惹き起こしたり、鋳物品質の低下や鋳造能率の低下をもたらしたりする要因が、最大流速とその変動に基づくからである。
<流速演算>(第2図におけるD)
第2判定で峻別されたピークの有する周波数を用いて、溶融金属の最大流速の演算を行なう。
上記で述べたように、第1判定と第2判定を経ることにより、複数のカルマン渦振動が発生した場合の外乱要因である、最大振幅強度を持つ振動の周波数を除去する等の、各種の高周波振動等による外乱を除去して、最大流速を求めることが出来る。
上記以外の外乱要因もあらかじめ除去対象とすることが好ましい。例えばモールドオシレーションの周波数やプローブの固有振動数などは事前に入手可能な情報なので、あらかじめ測定前にFFT処理を行なう装置に入力しておき、FFT処理時において、自動的にこれらの周波数近接範囲内のピークを判定対象外とすることが望まれる。
モールドオシレーションは鋳造速度など操業情報から算出できるので、操業用コンピュータ等からこれらの情報を常時入手し、判定対象外とすることも好ましい。そしてモールドオシレーションは、他のいくつかの操業条件と併せて記録装置に同時記録して事後的に詳細検討できる資料とすることが好ましい。
流速演算は、カルマン渦の振動の周波数数fが、溶鋼の吐出流の流速Vと検知棒の直径Dと相関関係にあることを利用して行なう。これらの相関関係は、S=(fD/V)なる関係式として表現することができる。ここでSは溶融金属の種類によらない定数である。このような方法によって求められたモールド中の溶鋼の吐出流の最高流速と、浸漬ノズルからの溶鋼のスループット量(溶鋼給湯量)との関係を調べた結果が、第9図である。この図によれば、スループット量が大きいと、流速の経時変化は変動が大きくなり、流速量も全体的に高くなることが分かる。スループット量の制御は、このような状況の認識の下で行なうことが重要である。
以上は、検知信号の信号処理及びその判定における工夫であった。これら工夫は、溶鋼流を遮るように浸漬した検知棒の下流側に発生するカルマン渦に起因する振動を検知して解析することにより、流速を求める方法や装置に対しては、検知棒の形態や振動検知手段の形態に限定されることなく適用することができる。例えば、振動検知手段としては歪ゲージを用いる以外に光学的手段を用いる方法もある。
次に、測定を行なうにあたって必要となるプローブ操作について説明する。まず、プローブ操作に関しては、カルマン渦を確実に発生させるようにすること、そしてより強いカルマン渦を発生させ、その振動をより強く検出することが重要である。そのためには、検知棒を所定位置に所定姿勢で確実に浸漬する必要があるが、従来は、足場の悪い現場において、モールドとタンディッシュ間の狭い作業空間で、操作者が検知棒を溶鋼中に浸漬していたため、その作業は困難であるばかりか、作業の危険性すら伴っていた。そこで本発明ではこれを解消する方法として、自動化を図ったプローブ操作を提案する。
第10図及び第11図は、全自動のマニピュレータを示している。第10図及び第11図において、マニピュレータ1は、モールド2の両短辺の外側壁の近傍に設けられている。尚、実際の測定では、モールド2には、モールドカバーがかけられるが、本明細書の説明では、これを省略している。
このマニピュレータ1は、支柱7と、アーム6とで構成されている。このアーム6の先端には、検知棒9を保持したプローブ8が装着される。アーム6の基端に固着された中空パイプが、回動自在に支柱7の頂部付近に嵌着されているので、アーム6は、支柱7を軸として、その周りを水平に旋回可能となっている。このアーム6には、その途中部に関節部12が設けられ、アーム6の基端側は、後部外側パイプ6bと後部内側パイプ6aとで構成され、アーム6の先端側は、前部外側パイプ11と前部内側パイプ10とで構成されている。アーム6の基端側に設けられた後部外側パイプ6bの内側に、後部内側パイプ6aが、アーム6の軸方向にスライド自在に嵌入されているので、アーム6はその軸方向に伸縮させることができる。また、このアーム6に設けられた関節部12により、アーム6の先端側を、この先端が下方に向くように、屈曲させることができる。また、アーム6の基端に固着された中空パイプを、支柱7に沿って上下に移動させることにより、アーム6はその全体を、上下移動させることができる。
上記の全自動のマニピュレータ1は、使用されないときは、他の作業の邪魔にならないように、アーム6をモールド2の上面開口面から退避させている。測定時には、アーム6を旋回させたり、伸長させたりして、その先端に装着されているプローブ8を、モールド2内の浸漬ノズル100の吐出口に近づける。そして、アーム6の先端側を、屈曲させて直立させ、プローブ8に保持されている検知棒9をモールド2の上面開口面に対して鉛直に保ち、アーム6全体を下方に移動させて、検知棒9をモールド2に満たされている溶鋼内に浸漬させる。浸漬深さの調節は、アーム6全体の下方への移動距離を制御することで行なうことができる。測定が終了すると、逆の動作を行なって、もとの状態に戻す。これらの動作は、制御装置により、全て自動的に行なうことができる。
また、この全自動のマニピュレータ1のアーム6の先端へのプローブ8の着脱を、自動的に行えるような機構を、アーム6の先端に設けることもできる。この機構を備えた全自動のマニピュレータ1では、このマニピュレータ1の近傍にプローブ収納庫(図示されていない)を設け、プローブ8を装着していないアーム6の先端が、このプローブ収納庫内に保管されているプローブ8に接触することにより、プローブ8を自動的にアーム6の先端に装着することができる。また、測定終了後に、プローブ8を自動的に脱却することもできる。
第12図は、上記の全自動のマニピュレータ1を、モールド2の長辺の外側壁の外側に設けるとともに、支柱7をモールド2の長辺方向へ前後に移動できるようにしたものである。図中、71はプローブ収納庫である。支柱7に移動動作以外の動作は、上記の全自動のマニピュレータと全く同様である。この全自動のマニピュレータ1を用いることにより、検知棒の移動をより広範囲に行なうことができる。
上述した全自動のマニピュレータでは、検知棒の浸漬深さの調節は、アーム6全体を上下移動させて行なっているが、プローブ8を直接上下させる伸縮手段を設けてもよく、この伸縮手段の例としては、エアーシリンダまたは油圧シリンダを用いて検知棒を上下方向に移動させる機構等が考えられる。
上述した全自動のマニピュレータの動きは、あらかじめモールド内の測定位置を座標入力等の手法によって測定開始前に制御装置に登録しておくことで自動化することができる。もちろん動作途中で手動操作に切り換え、測定位置の微調整を行なえる構成を採用してもよい。また検知棒の浸漬深さの制御を、モールド内の湯面レベル情報に基づいて、その絶対位置によって制御することもできる。
また、発生したカルマン渦による振動を確実にとらえるため、検知棒における振動検知用のセンサが取付けられる取付面の向きを、検知棒の軸周方向180度の範囲内で調節できるようにしてもよい。
上記のマニピュレータでは、検知棒の溶鋼中に浸漬している部分全体を測定部位としているので、検知された振動が、どの深さ位置で主に生じているものか判別できない。そこで、検知棒の流速測定用の先端部以外の横断面形状を、先端部と比較してカルマン渦の発生が抑制されるような形状とし、このような検知棒を用いることで、溶鋼の表面から流速を測定したい特定の深さ位置に至る、途中の深さ位置のカルマン渦の発生を極力抑制し、特定の深さ位置で発生するカルマン渦を主たる要因とする振動を検知することにより、その特定位置における流速を測定することができる。カルマン渦の発生が抑制されるような横断面形状としては、流線形がすぐれている。
第13図(a)は、このような形状を採用した検知棒の例である。検知棒9は、流速測定用の円柱状の先端部13とそれ以外の部分である軸部14とで構成されている。この軸部14はその横断面が流線形の1種である細長い楕円形であるので、第13図(b)に示すように、軸部14の横断面の長径方向と溶鋼の流れの方向とが一致するように、検知棒9を溶鋼内に浸漬させることで、軸部14によるカルマン渦の発生を極力抑制することができる。そこで、この検知棒9を浸漬させて、その先端部13を溶鋼中の特定の深さ位置に留め置き、この特定の深さ位置で発生するカルマン渦を主たる要因とする振動を検知することにより、その位置における流速を測定することができる。円柱状の先端部13の大きさは、第13図(a)において、先端部13の長さLが、その直径Rの10倍程度であり、また、Rは、具体的には、3mm〜15mm程度である。
上記の例では、先端部13は円柱状であるが、この形状は溶鋼の流れの方向がいかなる方向でも、方向に関係なくカルマン渦を発生させることができる特徴を有する。先端部13の形状として、このほか、第14図に示すように、先端部13の横断面形状を三角形状とすることもできる。この三角柱状の検知棒を、第14図に示すように、その先端部13の横断面形状の底辺が、溶鋼の流れsに対向するように溶鋼中に浸漬すると、カルマン渦cが発生しやすいことが知られている。この形状の見地棒は、特性として、感度がよくまた方向性を持たせることができるが、三角柱の角の部分が溶損して形状が変化すると、特性が変化しやすい欠点がある。通常、測定時間は30分ないし45分であるが、この検知棒は、測定時間が10分程度の短時間の測定には十分耐え得る。
以上に述べた検知棒は、前述した全自動のマニピュレータのほか、後述する半自動や手動操作のマニピュレータにも使用できる。
また、振動検知部が取付けられる検知棒の軸周方向位置によってその出力信号のレベルが異なることを利用して、溶鋼の流れの方向を検知することができる。この溶鋼の流れの方向を検知することは、モールド内の溶鋼の偏流の兆候を検知するためには、非常に有効である。この検知方法は、まず、検知棒の浸漬時における溶鋼の流れに対する検知棒の向きにより、得られる信号のレベルが異なるような振動検知部を用い、検知棒を軸周りに回転させてその向きを変更し、前述の第1判定手段により抽出されるスペクトル強度の最大となるピークが、最も大きくなるときの検知棒の回転角度を検知する。そして、この回転角度から溶鋼の流れの方向を判定するというものである。
第15図は、溶鋼の流れの方向を検知する機能を備えたプローブ8の例である。このプローブ8では、円柱状の検知棒9の上端が検知棒取付部15に固定されている。検知棒取付部15はその上部が円柱状の前部内側パイプ10と結合しており、この円柱状の前部内側パイプ10の一部には、その横断面が長方形の扁平な取付部17が形成され、この取付部17の表裏両面に振動検知部16が取付けられている。さらに、前部内側パイプ10の上部には、検知棒9を回転させるためのパルスモータ18と、この回転により生じる回転角度を検出するロータリーエンコーダ19とが取付けられている。
このプローブ8を溶鋼に浸漬する際、第16図(b)に示すように、取付部17の取付面が溶鋼の流れの方向fと平行であれば、検知棒9を介して伝達されるカルマン渦cによる振動Bが取付部17の取付面に垂直に作用し、振動検知部16はカルマン渦cの発生に起因する振動を選択的、且つ効率的に検知することができる。これは、カルマン渦cの発生に起因する振動Bの方向が、振動検知部16の取付けられている取付部17のたわみ方向と一致しているからである。しかし、第16図(a)に示すように、取付部17の取付面が溶鋼の流れの方向fと平行でないと、カルマン渦cの発生に起因する振動Bの方向が、取付部17のたわみ方向と一致しないので、振動検知部16はカルマン渦cの発生に起因する振動を選択的、且つ効率的に検知することができない。従って、パルスモータ18で検知棒9を回転させて、振動検知部16から得られる信号に基づき、前述の第1判定手段により抽出されるスペクトル強度の最大となるピークが、最も大きくなるときの、検知棒9の予め定められた基準位置からの回転角度、即ち、第16図(b)における角度αを、ロータリーエンコーダ19により検知することで、溶鋼の流れの方向を知ることができる。
上記のプローブの検知棒に、前述した三角柱状の検知棒を用いることもできる。この場合、三角柱状の検知棒を検知棒取付部に取付ける際、検知棒の溶鋼の流れと対向する壁面が、振動検知部の取付部のたわみ方向と、直交するように取付ける。このプローブは、前述したように、検知棒自身の特性として方向性を有するので、溶鋼の流れの方向の検知に対してすぐれた感度を有する。しかし、前述の通り、三角柱の角の部分の溶損による形状の変化で特性が変化しやすいが、短時間の測定には有効である。
以上に述べたプローブは、前述した全自動のマニピュレータのほか、後述する半自動や手動操作のマニピュレータにも使用できる。
半自動で行なうプローブ操作を採用した例として、第17図で示すような構造のマニピュレータも考えられる。このマニピュレータ50は、モールド2の一方の短辺側に、モールド2の長辺方向に長く伸ばしたガイドレール51を配置し、このガイドレール51上にシリンダ53による押引き動作によって進退する移動体52をスライド可能に設け、さらにこの移動体52から、その頂面に一端が枢着され、頂面から出没する昇降シリンダ54によって傾動可能なアーム55を設け、このアーム55の先端にプローブ56を下方に向けて取付けている。このマニピュレータ50によるプローブ56の測定位置への位置づけは、まず昇降シリンダ54によりアーム55を持ち上げてプローブ56をモールド上面から浮いた状態として、この状態でシリンダ53を押し出してプローブ56を前進させる。プローブ56が所定位置に達したならば、昇降シリンダ54を降下させて、プローブ先端が円弧を描くようにして溶鋼内に投入するというものである。アーム55は伸縮構造を採用してストロークを増やすこともできる。このマニピュレータ50では、プローブ56の交換作業は手動で行なう。
上述したのはプローブ操作を全自動或いは半自動化するマニピュレータであったが、第18図で示すような手動操作のマニピュレータも考えられる。このマニピュレータは、モールド2の上面開口に幅方向にわたって横架され、その一端を支点61とした架設棒62を設け、他端を支持具60で支える。この架設棒62にプローブ63を架設棒62の長手方向にスライド可能に設け、支点61を回転中心として事前に持ち上げておいた架設棒62を下ろすことで、プローブ63に保持された検知棒64を溶鋼中の所定位置に浸漬する。
上述のマニピュレータによる測定は、定常的な長時間の測定を対象としたものであるが、臨時に、短時間の測定を簡易に行ないたい場合もある。このような場合に対処するために、簡易測定用の手持ちマニピュレータが必要になる。このマニピュレータとして次のものを提案する。
第19図及び第20図は、この簡易測定用の手持ちマニピュレータを示したものである。このマニピュレータ20はプローブ30を架台25に挿通保持した構成である。そして、第21図に示すように、操作者が、この架台25から延びる操作棒28を両手で手持ち保持して、プローブに保持された検知棒21を溶鋼内に浸漬することにより、測定を行なう。このとき重要なことは、カルマン渦起因の振動を確実にとらえる姿勢でプローブ30を位置づけることと、測定された振動成分の中から手持ちによる振動成分を除去することである。本発明者は前者の課題を、プローブ30の架台25への装着構造を工夫することによって解決し、後者の課題を、架台25に加速度計29を取付けて、手持ちによる振動をプローブ30の振動検知手段によって検知された振動と弁別することで解決した。以下、この詳細を第19図及び第20図を用いて説明する。
この手持ちマニピュレータ20は、第19図及び第20図に示すように、架台25にプローブ30を装着した構造を有している。ここで用いるプローブ30は、上述した各マニピュレータに使用されたプローブとは別のものであり、その構成はモールド内に浸漬される検知棒21と、この検知棒21から振動の伝達を受けながら、この検知棒21を保持する保持部22とより構成されている。
保持部22にはその長手方向途中部に平坦な薄肉部23が形成され、この表面に、カルマン渦振動を検知してその振動を電気信号に変換する歪ゲージ24が取付けられている。また保持部22の最上部分には、薄肉部23の表面と平行な平面を有する嵌入部31が設けられている。そして架台25には、保持部22に設けられた嵌入部31が嵌入する嵌入孔27が形成されている。この嵌入孔27の内面には、嵌入孔31の有する平面が接する平面が設けられているとともに、この嵌入孔27の内面形状と嵌入部31の外面形状とが同形である。そこで、嵌入部31を嵌入孔27へ嵌入することにより、プローブ30を架台25に固定することができる。架台25には、上述の通り、操作棒28が取付けられているが、この操作棒28は、その軸方向と嵌入孔27の内面に設けられた平面とが、平行になるように取付けられている。そのため、プローブ30の薄肉部23の歪ゲージ24が取付けられている平面は、操作棒28の軸方向と平行になる。
そこで、次に、この手持ちマニピュレータ20を用いた測定方法について考える。モールド内の浸漬ノズルの吐出口から吐出する溶鋼の流れは、モールドの長辺方向とほぼ平行である。そこで、操作者がモールドの短辺の側壁のそばに立って、操作棒28の軸方向がモールドの長辺方向と平行になるようにして、第21図に示すように、手持ちマニピュレータ20を保持して検知棒21を浸漬すれば、歪ゲージ24が取付けられている平面と、溶鋼の流れは平行になる。従って、操作者がモールドの短辺の側壁のそばに立って、手持ちマニピュレータ20を保持するという、容易な動作を行なうだけで、モールド内の溶鋼の流れに対して、常にカルマン渦が最も発生し易い状態になるように検知棒21を浸漬することができ、容易且つ正確な測定を行なうことができる。
上記の手持ちマニピュレータ20には、その操作棒28に加速度計29が取付けられている。この加速度計29は手持ちマニピュレータ20を用いて測定する際に発生する架台25の振動を検知する。また、この加速度計29の捉えた架台25の振動を、歪ゲージ24から得られる振動から弁別する弁別手段が設けられており、このマニピュレータ用いた測定には、同時にこの弁別手段を用いる必要がある。この弁別手段としては、例えば、歪ゲージ24から得られる振動を電気信号に変換した検知信号をFFT処理して得られるスペクトルカーブから、加速度計29の捉えた架台25の振動を電気信号に変換した信号をFFT処理して得られるスペクトルカーブの有するスペクトル成分を除去する方法がある。
以上に説明したプローブや各マニピュレータの構造は、例に過ぎず、その他の構造のプローブやマニピュレータも採用することができる。
プローブに装着する検知棒としては耐溶損性に優れたものを用いる。本実施例では、表面に耐溶損性に優れたジルコニア、シリケートジルコニア、カルシウムジルコニアのいずれかの素材を500μm〜1500μmの厚みでコーティングしたものを用いる。コーティング層の厚みを500μm〜1500μmに設定するのは、500μm未満では30分以上の測定が期待できず、1500μmを超えるとコーティングすることが技術的に困難となるからである。
本発明者は、従来の検知棒と、ここで述べたジルコニアをコーティングした検知棒との耐溶損性に関し比較してみた。その結果は次のようなものであった。
検知棒がMo−ZnO2系サーメット管を使用した場合、メニスカス層浸漬位置における局部溶損速度は1.9μm/secで、浸漬が10分を越えると、残存肉厚は1.5mmを下回る。残存肉厚1.0mmまでを使用限界とした場合、約12分の使用がこれまでの限界である。それに対してジルコニアをコーティングしたものは、コーティング層のメニスカス層浸漬位置における局部溶損速度が0.6μm/secであった。したがって1000μm(=1mm)のコーティング層をサーメット上に形成させると、コーティング層の溶損消失に約25分を要することになる。そうするとMo−ZnO2系サーメット管にジルコニアを1000μmコーティングしたものは、30分以上の測定が可能となる。
ところで、ジルコニア、シリケートジルコニア、カルシウムジルコニアは、メニスカス層に対する耐溶損性は優れているものの重い素材である。また、実際に耐溶損性が要求されるのは、検知棒の溶鋼への浸漬時に、メニスカス層中に位置する部分である。そこで、検知棒を軽くするために、検知棒を耐溶損性は低いが軽い素材であるサイアロンを用いて製作するとともに、検知棒が溶鋼に浸漬される際に、メニスカス層中に位置する部分を少なくとも含む範囲の表面を、ジルコニア、シリケートジルコニア、または、カルシウムジルコニアのいずれかを素材としたスリーブで覆うようにしてもよい。
第22図は上記の素材でなるスリーブ41を用いた検知棒を溶鋼内に浸漬させた場合の設明図である。この検知棒9では、図に示すように、モールド45の溶鋼44に浸漬された際、溶鋼44とその表面に浮遊する溶融パウダー42との間に形成されるメニスカス層43と接触する部分は、上記の素材でなるスリーブ41で覆われており、メニスカス層43に対する耐溶損性を高めている。
これまで説明した事柄を用いることによって、第23図に示すように、モールド2内の浸漬ノズル100の左右の吐出口101,102から吐出する溶鋼の吐出流に対して、その流速の測定の行なうことができる。第24図は、この流速の測定の際の、流速を求める処理過程の途中経過を表示した監視パネルの画面を示したものである。第19図が示すように、流速を求める処理過程をリアルタイムで表示することが可能となっている。これは、移動ブロックFFT演算処理法を用いることにより実現できたものである。
この監視パネルの表示は、例えば、モールド左側及びモールド右側のそれぞれについて、流速値、流速経時変化のグラフ、検知信号波形、FFT処理後のスペクトルカーブを左右に比較表示し、モールド内の偏流が把握できるようになっている。そして監視パネルによって把握された偏流の事実は、電磁ブレーキ制御等の能動制御に反映され、モールド内の異常偏流を解消し、製品品質の向上と鋳造速度増速による生産性向上を実現することができる。
産業上の利用可能性
請求項1及び請求項3に係る発明は、カルマン渦発生に起因する振動を解析して溶融金属の流速を測定する装置および方法において、検知棒の備える振動検知手段によって得られた検知信号の周波数成分の中から、流速測定の演算対象とすべき周波数成分を特定する手順を開示している。この手順を用いることにより、カルマン渦が未発生の場合に、溶融金属の波立ちによる高周波振動をカルマン渦による振動とする等の誤検知を防止できるとともに、各種外乱を除去できる。さらに、溶融金属の最大流速を正確に求めることができ、これにより、モールド内での溶鋼の不均一凝固や溶鋼表面の乱れを惹き起こしたり、鋳物品質の低下や鋳造能率の低下をもたらしたりする要因となる、モールド内の偏流の兆候を早期に検知できる。従って、検知された偏流の兆候を、電磁ブレーキ制御等の能動制御に反映することによって、モールド内の異常偏流を解消し、製品品質の向上と鋳造速度増速による生産性向上を実現することができる。
請求項2及び請求項5に係る発明は、検知信号の周波数成分解析処理にFFTを用いるとともに、FFT処理に供する被処理データであるFFTフレームの形成に移動ブロックFFT演算処理法を用いている。従って、短い応答時間で、高速フーリエ変換に供する被処理データであるFFTフレームの形成に、多数のブロックを確保できるため、FFT処理して得られるスペクトルカーブの周波数分解能を高めることが出来、流速測定の応答性と精度向上を果たすことができる。
請求項4に係る発明は、振動検知手段、検知棒の回転手段、回転角度検知手段、および、溶融金属の流れ方向検知手段を、請求項3記載の溶融金属の流速測定装置の構成に追加して用いている。従って、溶融金属の流れの流速のみならずその方向を検知することができる。
請求項6に係る発明は、支柱、アームの旋回手段、アームの屈曲伸展手段、及び、検知棒の先端位置の上下移動手段を有する全自動のマニピュレータを備えている。従って、連続鋳造設備におけるタンディッシュとモールドとの間の狭い作業空間において、安全かつ効率的に検知棒をモールド内の内の溶鋼の所定の場所に正確に浸漬することができる。また、測定を行なわないときは、作業領域外に待機させることができるので、他の作業の邪魔にならないようにすることができる。
請求項7に係る発明は、アームの伸縮手段を有する全自動のマニピュレータを備えている。従って、測定を行なわないときは、アームを収縮させることにより、このマニピュレータが他の作業の邪魔にならないようにすることができる。
請求項8に係る発明は、支柱をモールドの長辺方向に水平移動させる水平移動手段を有する全自動のマニピュレータを備えている。従って、検知棒の移動をより広範囲に行なうことができる。
請求項9に係る発明は、モールド内の溶融金属の湯面レベル検知手段と、上下移動手段の制御を、湯面レベル検知手段が出力する情報に基づいて行なう制御手段を有する全自動のマニピュレータを備えている。従って、検知棒を浸漬位置に正確に浸漬する制御を、上下移動手段を用いて自動化することができる。
請求項10に係る発明は、検知棒を保持するプローブを、自動的に着脱する着脱手段を有する全自動のマニピュレータを備えている。従って、マニピュレータへのプローブの着脱を自動化することができる。そのため、消耗した検知棒の交換を自動化することができ、測定作業の自動化をより完全にすることができる。
請求項11に係る発明では、全自動のマニピュレータがその有する各種手段を総合的に管理制御する総合管理手段を有している。従って、プローブの装着から測定場所への移動、更にはモールドの溶融金属への検知棒の浸漬、測定終了時のプローブ引き上げから退避、そしてプローブの取外しに至るまでを自動化することができる。
請求項14に係る発明では、架台に加速度計を取付けたマニピュレータと、検知棒の備える当該加速度計によって架台の振動を検出し、検知棒に取付けた振動検知手段が検出する振動から架台の振動成分を弁別する弁別手段とを備えている。従って、流速測定の誤差要因となる架台の振動の影響を排除することができる。
請求項15に係る発明では、検知棒の流速測定用の先端部以外の横断面形状を、先端部と比較してカルマン渦の発生が抑制されるような形状としているので、溶融金属の表面から流速を測定したい深さ位置に至る途中の深さ位置におけるカルマン渦の発生を極力抑制することができる。従って、このような形状の検知棒を特定の深さ位置に浸漬することにより、その先端部を溶融金属中の特定の深さ位置に留め置き、この特定の深さ位置で発生するカルマン渦を主たる要因とする振動に基づく流速を、測定することができる。
請求項16に係る発明では、検知棒の表面に、ジルコニア、シリケートジルコニア、カルシウムジルコニアのいずれかを素材よりなる500μm〜1500μmの厚みのコーティング層を設けている。従って、検知棒表面に付着した溶融パウダーによって検知棒表面が保護される結果、溶融パウダーと溶融金属との間に形成されるメニスカス層に検知棒表面が接触することが少なくなり、検知棒の溶損を抑制することができる。
請求項17に係る発明では、検知棒の溶融金属への浸漬時に、メカニカス層中に位置する部分を少なくとも含む範囲の表面を、ジルコニア、シリケートジルコニア、または、カルシウムジルコニアのいずれかを素材としたスリーブで覆っている。従って、検知棒のメカニカス層に対する耐溶損請求項を高めることができる。

Claims (17)

  1. 振動検知手段を具備した耐熱素材製の棒体よりなる検知棒を、溶融金属の流れを遮るように浸漬し、その流れの中に検知棒が存在することで、検知棒の下流側に発生するカルマン渦によって生ずる検知棒の振動を、前記振動検知手段によって連続的な信号として検知し、この検知信号の周波数と溶融金属の流速との関係式から、演算により溶融金属の流速を求める方法であって、
    前記検知信号の周波数成分を解析する周波数成分解析処理(A)と、
    前記周波数成分解析処理から得られたスペクトルカーブの、隣接するピーク同士を結んで得られるピーク包絡線カーブにおける複数のピークを抽出し、これらのピークの中で、スペクトル強度が最大のものと最小のものとの格差が一定値以上である場合にのみ、カルマン渦に起因する振動の存在を認める第1判定(B)と、
    前記第1判定によりカルマン渦起因の振動の存在が認められた場合に、複数の前記抽出されたピークの内で、スペクトル強度が最大の前記抽出されたピークに対して、一定比率以上のスペクトル強度を有する前記抽出されたピークのみを選別し、その中から、周波数が最高の前記抽出されたピークを峻別する第2判定(C)と、
    前記第2判定で峻別されたピークが有する周波数を用いて行なう溶融金属の流速演算(D)と、
    でなる溶融金属の流速測定方法。
  2. 前記周波数成分解析処理に高速フーリエ変換を用いるとともに、
    前記検知信号を単位時間内に連続してサンプリングしたデータ列で形成するブロックを、形成順に連続して所定個数を結合して構成する高速フーリエ変換用フレームの、最新の前記高速フーリエ変換用フレームを、最新の前記ブロックを形成する度に、当該ブロックを、最後に形成された前記高速フーリエ変換用フレームの先頭に挿入し、且つ後続する前記ブロックを順次シフトし、最終の前記ブロックを廃棄して形成してなる請求項1記載の溶融金属の流速測定方法。
  3. 振動検知手段を具備した耐熱素材製の棒体よりなる検知棒を、溶融金属の流れを遮るように浸漬し、その流れの中に検知棒が存在することで、検知棒の下流側に発生するカルマン渦によって生ずる検知棒の振動を、前記振動検知手段によって連続的な信号として検知し、この検知信号の周波数と溶融金属の流速との関係式から、演算により溶融金属の流速を求める装置であって、
    前記検知信号の周波数成分を解析する周波数成分解析手段と、
    前記周波数成分解析処理から得られたスペクトルカーブの、隣接するピーク同士を結んで得られるピーク包絡線カーブにおける複数のピークを抽出し、これらのピークの中で、スペクトル強度が最大のものと最小のものとの格差が一定値以上である場合にのみ、カルマン渦に起因する振動の存在を認める第1判定手段と、
    前記第1判定手段によりカルマン渦起因の振動の存在が認められた場合に、複数の前記抽出されたピークの内で、スペクトル強度が最大の前記抽出されたピークに対して、一定比率以上のスペクトル強度を有する前記抽出されたピークのみを選別し、その中から、周波数が最高の前記抽出されたピークを峻別する第2判定手段と、
    前記第2判定で峻別されたピークが有する周波数を用いて行なう溶融金属の流速演算手段とでなる溶融金属の流速測定装置。
  4. 前記振動検知手段は、その出力する前記信号が前記検知棒の浸漬時における溶融金属の流れに対する前記検知棒の向きにより異なるレベルとなる構造を有し、且つ、
    請求項3記載の溶融金属の流速測定装置の構成に加えて、
    前記検知棒を軸周りに回転させることにより、前記検知棒の向きを変化させる回転手段と、
    前記回転の角度を検知する回転角度検知手段と、
    前記回転手段で前記検知棒を回転させて、前記第1判定手段により抽出される前記スペクトル強度の最大となる前記ピークが最も大きくなるときに、前記回転角度検知手段が検知した回転の角度から、前記溶融金属の流れの方向を判定する溶融金属の流れ方向判定手段と、
    を備えてなる溶融金属の流速測定装置。
  5. 前記周波数成分解析手段に高速フーリエ変換を用いるとともに、
    前記検知信号を単位時間内に連続してサンプリングしたデータ列で形成するブロックを、形成順に連続して所定個数を結合して構成する高速フーリエ変換用フレームの、最新の前記高速フーリエ変換用フレームを、最新の前記ブロックを形成する度に、当該ブロックを、最後に形成された前記高速フーリエ変換用フレームの先頭に挿入し、且つ後続する前記ブロックを順次シフトさせ、最終の前記ブロックを廃棄して形成する手段を設けた請求項3または4記載の溶融金属の流速測定装置。
  6. 鉛直に立設した支柱(7)と、
    その支柱(7)の頂部に基端が垂設されるとともに、モールド(2)の上面開口面に対して棒状の前記検知棒(9)が平行となるように、前記検知棒(9)を保持したプローブ(8)を先端に取付けたアーム(6)と、
    前記アーム(6)を水平に旋回させる旋回手段と、
    前記モールド(2)の上面開口面に対して前記検知棒(9)がその先端部を下に向けて鉛直な直立状態となるように、前記アーム(6)の途中部に設けられた関節部(12)を支点にして前記アーム(6)を屈曲させたり、元に戻すために伸ばしたりさせる屈曲伸展手段と、
    前記検知棒が直立状態である場合に、前記検知棒(9)の先端位置が上下移動するようにして、前記モールド(2)内の溶融金属(M)に対して、前記検知棒(9)を浸漬、退出させる上下移動手段と、
    を有する全自動のマニピュレータを備えてなる請求項3から5のいずれか1項に記載の溶融金属の流速測定装置。
  7. 前記全自動のマニピュレータが、前記アーム(6)をその軸方向に伸縮させる伸縮手段を有してなる請求項6記載の溶融金属の流速測定装置。
  8. 前記全自動のマニピュレータが、前記支柱(7)を前記モールド(2)の長辺方向に水平移動させる水平移動手段を有してなる請求項6または7記載の溶融金属の流速測定装置。
  9. 前記全自動のマニピュレータが、前記モールド(2)内の溶融金属(M)の湯面レベル検知手段を有するとともに、前記上下移動手段の制御を、前記湯面レベル検知手段が出力する情報に基づいて行なう制御手段を有する請求項6から8のいずれか1項に記載の溶融金属の流速測定装置。
  10. 前記アーム(6)の先端に、前記検知棒(9)を保持する前記プローブ(8)を、自動的に着脱する着脱手段を設けてなる請求項6から9のいずれか1項に記載の溶融金属の流速測定装置。
  11. 前記全自動のマニピュレータが、その有する、前記旋回手段、前記屈曲伸展手段、前記上下移動手段、及び、前記伸縮手段、前記水平移動手段、前記着脱手段を有する場合はこれらの手段を、総合的に管理制御する総合管理手段を有してなる請求項6から10のいずれか1項に記載の溶融金属の流速測定装置。
  12. モールド(2)の上面開口上方へ張り出したり退却したりして、進退する移動体(52)を有する水平移動手段と、当該移動体(52)に枢着された一端を回転支点として、他端が前記進退方向に沿って上下に円弧を描いて傾動するアーム(55)の前記他端に、プローブ(56)に保持された前記検知棒の先端が下方になるように、前記プローブ(56)を垂設した傾動手段とを有する半自動のマニピュレータを備えてなる請求項3から5のいずれか1項に記載の溶融金属の流速測定装置。
  13. モールド(2)の上面開口に横架されており、その一端を回転支点として他端が上下に円弧を描いて傾動する架設棒(62)であって、その架設棒(62)の途中に、プローブ(63)に保持された前記検知棒(64)の先端が下方になるように、前記プローブ(63)を前記架設棒(62)の軸方向にスライド自在に垂設した前記架設棒(62)を有するマニピュレータを備えてなる請求項3から5のいずれか1項に記載の溶融金属の流速測定装置。
  14. 前記振動検知手段と備えた前記検知棒が取付けられた架台(25)と、この架台(25)に取付けられた加速度計(24)とを有しているマニピュレータであって、前記架台(25)を操作者(H)が手で保持して使用される前記マニピュレータを備えるとともに、前記振動検知手段が検知する振動から、前記加速度計(24)の捉えた前記架台(25)の振動を弁別する弁別手段を備えてなる請求項3から5のいずれか1項に記載の溶融金属の流速測定装置。
  15. 前記検知棒の流速測定用の先端部(13)以外の横断面形状を、前記先端部(13)と比較してカルマン渦の発生が抑制される形状としてなる請求項6から14のいずれか1項に記載の溶融金属の流速測定装置。
  16. 請求項1から15のいずれか1項に記載の流速測定装置に用いられる検知棒であって、
    表面にジルコニア、シリケートジルコニア、カルシウムジルコニアのいずれかの素材よりなる500μm〜1500μmの厚みのコーティング層を設けた検知棒。
  17. 請求項1から15のいずれか1項に記載の流速測定装置に用いられる検知棒(9)であって、
    前記溶融金属に浸漬される前記検知棒(9)の長手方向における、少なくともメニスカス層(43)の存在領域を含む範囲の表面を、ジルコニア、シリケードシルコニア、または、カルシウムジルコニアのいずれかを素材としたスリーブ(41)で覆ってなる検知棒。
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