JP3674456B2 - 補強リング一体型鏡板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚水処理装置として用いる浄化槽や、石油などの液体を貯留する液体貯留槽などの密閉空間を有する槽の、両端部を閉塞させる鏡板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば汚水処理装置としての浄化槽は、図13に示すように円筒状パイプbの両端を鏡板cにて閉塞させ(図は一端のみを示す)、その閉塞された空間内部は空間内部内に貯留または滞留した液体を仕切る目的で、仕切り板dを設置した水槽aを用いている。通常は、円筒状パイプbの外周あるいは内周(図は内周の場合)には槽全体の剛性を高めるため、補強リングeを設けている。
【0003】
そして、比較的大型の浄化槽の場合には、通常、繊維強化プラスチック製の水槽a本体内を仕切り板dによって縦列の複数の室に仕切り、各室に所定の部品を組み込んだものが使用されている。かかる浄化槽には、種々の処理方式のものがあるが、例えば、嫌気濾床接触曝気方式においては、流入管からの汚水をまず嫌気濾床槽で汚水中の有機物を嫌気性徴生物によって嫌気性分解し、更に接触曝気槽で接触材表面の生物膜によって好気性分解し、更に遊離した生物膜などを沈殿層で沈殿分離し、ついで上澄液を消毒室に導き塩素消毒のうえ放流する。
【0004】
このような大型の浄化槽においては、槽自体の長さが非常に長くなり埋設深さも深くなり、さらにメンテナンス時には槽内の液体を吸い上げることがあるので、槽本体aや鏡板cには非常に過大な土圧が作用することになる。槽本体aや鏡板cにはこのような外圧荷重に耐える構造が求められている。また、浄化槽が車庫や通路若しくは車道の近傍に埋設されている場合や、浄化槽の清掃時等において内部が空になった時は、浄化槽本体aがより過酷な荷重状態に曝される。特に、鏡板cや補強リングeには浄化槽本体aがこれらの外圧により破損しないように周壁部分の剛性を向上させる補強部材としての役割が大きくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来鏡板cは、図14に示すように、単にガラス繊維強化プラスチック(以後GFRPと称す)による単板のシェル構造体が用いられてきた。しかしながら、単板のシェル構造体として外圧などに対する十分な剛性を確保する場合には、鏡板cは槽本体aと同程度かそれ以上の板厚が必要とされ、重量が大きく不経済な鏡板となってしまうという欠点がある。
【0006】
さらに最大の欠点は、単板のシェル構造体の鏡板cでは、鏡板自体の座屈強度が不足し、浄化槽本体aが外圧により破損しないように周壁部の剛性を向上させる補強部材としての役割に乏しく、鏡板cとは別に鏡板cを取り付けた同じ場所に、周壁部の剛性を向上させる補強部材として補強リングeを設置しなくてはならない。このため、補強リングeを設置するための接着作業の費用や補強リングeの部材費用が別途必要で不経済であるばかりか、鏡板cを取り付けた同じ場所に補強リングeを設置し、接着することは非常に作業が困難で、槽本体aの組み立て工程全般を複雑にするばかりか、接着作業工程にミスがあると強度的に欠陥を有することになって、品質信頼性が低いものになっていた。
【0007】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決して、軽量で、浄化槽等の槽本体への取り付け作業性が容易であり、かつ鏡板c自体の外圧に対する強度部材としての役割と、浄化槽本体aの周壁部の強度、剛性を向上させる補強部材としての役割を同時に満足し、要求される荷重条件に対して最小重量で最大剛性が得られる、経済的な鏡板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するため、発明者らは、鏡板の板部と補強リング、更には補強リブを一体化することに着目し、どのようにこれらを配置すると最適な構造になるのか有限要素法による数値解析を用いて、目的関数として仕切り板の総重量、設計変数としてはさまざまな補強リングおよびリブ形態とそれらの板厚と幅等の寸法とし、目的関数である鏡板の総重量が最小となるように数値実験を繰り返し検討した。
【0009】
その結果、鏡板は槽本体よりも薄い板構造でありながら、鏡板の最外周の槽本体と接合する部分に槽本体の内側形状にそった形で鏡板の少なくとも片側表面に補強リングを一体化することで、十分に補強リングと鏡板両方の機能を満足することが明らかになった。そして、鏡板に更に補強リブを設ける際には、そのリブ構造としては、鏡板の周辺部に設けられた補強リングから板の中央付近の結合部に向かって配置される補強リブ形態が、鏡板として要求される荷重条件に対して最小重量で最大剛性が得られることを発見し、本願発明の補強リング一体型鏡板を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の補強リング一体型鏡板は、浄化槽などの密閉空間を有する槽両端部を閉塞させる鏡板において、該鏡板が繊維強化プラスチック製の板状材、及び該板状材と一体化した補強リングとからなり、該補強リングは前記板状材周辺部の槽本体との接合部に沿って形成される。該補強リングを一体化した鏡板に、更に板状材と一体化した補強リブを設ける場合は、該補強リブは板状材の少なくとも片側表面に、該板状材の周辺部の少なくとも3箇所から板状材中央付近の補強リブの結合部に向かって直線的に形成されるようにする。
【0011】
この補強リング一体型鏡板を構成する補強リングおよび補強リブは、内部をウレタン発泡材又はスチレン発泡材とし、外層部は繊維強化プラスチック製の構造とすることが好ましい。また、補強リング一体型鏡板において、補強リング一体型鏡板を構成する補強リングと一体化された繊維強化プラスチック製の板状材、又は補強リング及び補強リブと一体化された繊維強化プラスチック製の板状材は、表面が平滑な平面である他、波板あるいは曲面のような凹凸を有する板であってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の一例を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の補強リング一体型鏡板の第一の実施例を示し、図1において、Aは鏡板1の正面図、Bは鏡板1の一部縦断側面図である。図1に示すように、本発明の補強リング一体型鏡板1は、補強リングと一体化したFRP(繊維強化プラスチック)製の平板などの板状材2からなる。補強リング3は、板状材2の周縁部に沿って形成されている。
【0013】
図2には、本発明の補強リング一体型鏡板の第二の実施例を示す。図2においてAは片側の鏡板101を槽内部より見た裏面図、Bは同鏡板101の側面図である。図2おいては、本発明の補強リング一体型鏡板101には、補強リング3に加えて、更に補強リブ4を設け、補強リング3と補強リブ4とがFRP製の平板などの板状材2の内側表面に一体化されている。そして補強リブ4は、板状材2の周辺部の少なくとも3箇所(図2では、6箇所の場合を示す)から板状材2上の結合部21に向かって直線的に形成されている。
【0014】
板状材2の周辺部とはその表面全体の形状の外周部全体を指し、結合部21とは板状材2の中央付近を指しているが、結合部21は必ずしも板状材の中心である必要はない。補強リブ4は、板状材2の片側表面上の外周部の少なくとも3箇所から結合部21に向かって形成されるが、外周部の少なくとも3箇所は、各々が均等な間隔にある必要はない。図2に示す実施形態では、結合部21、即ち板状材の周辺部から中央付近に向かって直線状に延びるように配置された補強リブ4の結合位置は、鏡板101の中心からやや下方に偏位し、上下非対称に配置されている。また、外周部の少なくとも3箇所から補強リブ4を設置する必要があるが、重量と強度を考慮すると好ましくは6個所である。
【0015】
この補強リング3、補強リブ4の材質は、通常GFRPとするが、図3、図4に夫々示すように、補強リング3及び補強リブ4のそれぞれの内部31、41をウレタン或いはスチロールからなる発泡材或いは木材などの材質とすることもできる。好ましくは、補強リング3、補強リブ4の内部31、41は硬質ウレタンの発泡剤とし、補強リング3、補強リブ4のそれぞれの表面32、42がGFRPである構造であるが、それにより、一層の軽量化を図ることができる。
【0016】
図3は、補強リング一体型鏡板1、101を浄化槽などの水槽外壁を構成する筒状パイプ5に取り付けた場合の、取り付け状態を示す拡大断面図であり、33は補強リング一体型鏡板1、101を筒状パイプ(胴板)5に固定するためのGFRPを示す。なお、上記各実施形態においては、補強リング3或は補強リブ4を板状材2の内側表面に設けた場合を示したが、本発明の補強リング一体型鏡板は、上記のものに限定されるものではなく、補強リング3或は補強リブ4は、板状材2の外側表面、または内外表面の両面に設けることができる。
【0017】
本発明の補強リング一体型鏡板に用いる板状材2はFRP(繊維強化プラスチック)製であるが、FRPに用いられる補強繊維としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などを挙げることができ、また、樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂であれば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂などであり、熱可塑性樹脂であれば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂などを挙げることができる。ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂の組み合わせは、安価であり、入手しやすさから好ましく用いることができる。
【0018】
図1に示した本発明の補強リング一体型鏡板1を浄化槽に用いた場合の例を図5に示す。図5において、本発明の補強リング一体型鏡板1は、筒状パイプ5の両端に筒状パイプ5を密閉閉塞するように固着され、更に、浄化槽などの水槽6の密閉空間の槽内部を仕切るように仕切り板7が設けられている。その際、筒状パイプ5の外周あるいは内周(図は内周の場合)には槽全体の剛性を高めるため、補強リング8を設けることもできる。同様にして、図2に示した本発明の補強リング一体型鏡板101を浄化槽に用いた場合の例を図6に示す。図6の鏡板101には、補強リブ4が設けられている。
【0019】
尚、本発明の補強リング一体型鏡板は、図1、図2に示した円形以外にも種々の形状とすることが出来る。図7、図8においては、夫々、Aは片側の鏡板を槽内部より見た裏面図、Bは同鏡板の側面図である。補強リング一体型鏡板の板状材2の全体形状は、浄化槽などの水槽の密閉空間断面の形状におよそ合わせた形状であって、該密閉空間を閉塞するものであれば良い。即ち、図7、図8に示す本発明の補強リング一体型鏡板201、301の如く角が丸く周壁が湾曲した四角形状の他、楕円形状であってもよい。
【0020】
なお、前記第一、第二実施形態では、鏡板1、101に全体が一様な曲率の曲面で構成された板状材2を用いる場合を示して説明したが、本発明の補強リング一体型鏡板はこれに限定されるものではなく、図8に示す鏡板301におけるような平板、或いは波板(図示せず)等を板状材として用いても良く、更には、複数の平板を段差を設けて重ねたような形状であってもよい。また、本発明の補強リング一体型鏡板は、水槽に固定するために板状材2の外周辺部又は補強リング部にフランジ部を設けることもできる。
【0021】
【実施例】
(実施例1)
補強リング3の内部31の材質を硬質ウレタン発泡材とし、補強リング3の外層部32がGFRP(不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維からなる強化プラスチック)製の板で囲まれた構造として、図1に示すような、GFRP(不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維からなる強化プラスチック)製の曲面を有する厚さ6mmの板状材2に、補強リング3が一体化された形状の補強リング一体型鏡板1を得た。この鏡板1を図5に示すように、浄化槽として直径が2500mmのガラス繊維により補強された不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維プラスチック製円筒横置きタイプの筒状パイプ5に、図3に示すようにGFRPによるオーバーレイ33による接着で取りつけた。この浄化槽の水槽6は断面が円形の筒状パイプ5の両端に鏡板1を接合し(図は筒状パイプ5の一端のみを示す)、補強リング8を前記筒状パイプ5の円周方向内面に取り付けた構造であり、それに槽内仕切り板7によって縦列の複数の室に仕切り、各室に所定の部品を組み込んだ。その後、筒状パイプ5にマンホール用の開口9を加工した。
【0022】
(実施例2)
次に、補強リング3及び補強リブ4の内部31、41の材質を硬質ウレタン発泡材とし、補強リング3及び補強リブ4の外層部32、42がGFRP(不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維からなる強化プラスチック)製の板で囲まれた構造として、図2に示すような、GFRP(不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維からなる強化プラスチック)製の曲面を有する厚さ4mmの板状材2に、補強リング3及び6本の補強リブ4が一体化された形状の補強リング一体型鏡板101を得た。次に、図6に示すように、直径が2500mmのガラス繊維により補強された不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック製円筒横置きタイプの浄化槽の水槽6の両端に上記の補強リング一体型鏡板101をGFRPによるオーバーレイ33による接着で取りつけた。更に、補強リング8を前記筒状パイプ5の円周方向内面に取り付け、槽内仕切り板7によって縦列の複数の室に仕切り、各室に所定の部品を組み込んだ。
【0023】
(比較例1)
図14に示すような、GFRP(不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維からなる強化プラスチック)製の曲面を有する単板構造で成形された厚さ8mmの鏡板cを図13に示すように、浄化槽として直径が2500mmのガラス繊維により補強された不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック製円筒横置きタイプの筒状パイプbに図15に示すようにGFRPによるオーバーレイfによる接着で取りつけた。その後、補強のため鏡板cと、筒状パイプb両端との接合部に、補強リングeをGFRPによるオーバーレイ接着で取付けた。この浄化槽の水槽aは断面が円形の筒状パイプbで両端に鏡板cと補強リングeを接合し(図は筒状パイプbの一端のみを示す)、更に補強リングeを前記筒状パイプbの円周方向内面に取り付けた構造となっており、それに、槽内仕切り板dによって縦列の複数の室に仕切り、各室に所定の部品を組み込んだ。
【0024】
(比較例2)
比較例1と同様に、図14に示すような、GFRP(不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維からなる強化プラスチック)製の曲面を有する単板構造で成形された厚さ8mmの鏡板cを図13に示すように、浄化槽として直径が2500mmのガラス繊維により補強された不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック製円筒横置きタイプの筒状パイプbにGFRPによるオーバーレイfによる接着で取りつけた。その後、この鏡板と筒状パイプbの両端には補強リングeを取りつけず、筒状パイプbの円周方向内面に補強リングeを取り付け、槽内仕切り板dを設け、所定の部品を組み込み、浄化槽を組み立てた。
【0025】
上記各実施例、比較例における浄化槽の厚み、鏡板、板状材の厚み、オーバーレイ、補強リング、補強リブ等の詳細を表1に示す。また、槽の座屈に対する安全率、各槽の座屈モードを測定した。それらの結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
実施例1,2と比較例1,2について、数値実験例として組み上げた槽に、地下水が槽の頂部から上部に500mmまであることを想定し、槽の頂部から500mm上部を水位とする静水圧荷重を与えたときの座屈解析結果について、本発明の実施例1による補強リング一体型鏡板1の座屈モード図を図9に、本発明の実施例2による補強リング一体型鏡板101の座屈モード図を図10に、比較例1の座屈モード図を図11に、比較例2の座屈モード図を図12に、それぞれ示した。
【0028】
図9及び図10から明らかなように、実施例1、実施例2の本発明の補強リング一体型鏡板1、101を設置した浄化槽では、槽の座屈は仕切り板7と補強リング8との間で発生し、補強リング一体型鏡板1、101の近傍では発生していないことが判る。すなわち、本発明の補強リング一体型鏡板1、101は、鏡板としての役割と同時に槽全体を外圧による座屈から守る補強部材としての役割を十分に果たしていることが判る。また、実施例1におけるように、強度的には不利となる筒状パイプ5にマンホール用の開口9を加工した場合でも、槽本体の板厚を小さくした場合でも、この傾向に変わりはない。
【0029】
一方、比較例2では、図12から判るように、座屈が鏡板の近傍で発生しており、鏡板が槽本体を外圧から守る補強部材としての役割を果たしていない。表1から明らかなように、本発明の補強リング一体型鏡板1は、槽の座屈に対する安全性は比較例2よりも約40%向上しているが、その重量はおよそ半分となっている。従来の鏡板に加えて補強リングを使用した比較例1の浄化槽は、槽の座屈に対する安全性は実施例2のものと変わらないが、実施例2の鏡板は、重量ではおよそ半分となっている。重要なことは、比較例1では、補強リングeを鏡板と共に設置して、初めて本発明の補強リング一体型鏡板と同様の強度が得られるものであり、補強リングeの費用と取り付けの加工費用とを考慮すると、結局、経済性は本発明によって約25%向上したことになる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の補強リング一体型鏡板は、浄化槽などの密閉空間を有する槽両端部を閉塞させる鏡板において、該鏡板が繊維強化プラスチック製の板状材、及び該板状材と一体化した補強リングとからなり、該補強リングは前記板状材周辺部の槽本体との接合部に沿って形成されているものとしたので、槽内水圧に耐える構造板としての役割と、槽に作用する土圧などの外圧力による槽の変形、破損を防ぐため、周壁部の剛性を向上させる補強部材としての役割を同時に満足し、且つ、補強リングと鏡板を別々の部材として配置するよりも、強度構造上有利であることは勿論、槽本体への取り付け作業が容易且つ確実で、経済的である。また、本発明の補強リング一体型鏡板は、補強リングに加えて前記板状材の周辺部から板状材の中央付近の結合部に向かって配置される最適なリブ配置を持つものであるので、鏡板に発生する応力分布が均一となり、破損事故の原因となる応力集中が発生することはなく、鏡板として要求される荷重に対して最小重量でかつ最大の剛性を実現でき、品質の信頼性を高め、水槽自体の強化と共に水槽自体の軽量化にも有利である。
【0031】
また、鏡板に設けられる補強リングと補強リブの構造として、表層部をGFRPとし、硬質ウレタンの発泡剤を内包させたようなサンドイッチ構造をとることにより、水槽内で長時間液体に浸漬されても強度の劣化等がない高品質な鏡板とすることが可能であり、水槽の機能面・品質面での性能が向上する。鏡板を水槽に取り付ける場合にも軽量・高剛性であるため、取り付け作業性がよく、槽本体との接着の信頼性が向上し、鏡板のもう一つの重要な機能である、槽本体との気密性も向上させることが可能であり、水槽の機能面・品質面での性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の補強リング一体型鏡板の第一の実施例を示し、Aは鏡板1の正面図、Bは鏡板1の一部縦断側面図である。
【図2】 本発明の補強リング一体型鏡板の第二の実施例を示し、Aは鏡板101を槽内部から見た裏面図、Bは鏡板101の側面図である。
【図3】 鏡板の槽本体との取り付け状態を示す部分断面図である。
【図4】 本発明の補強リング一体型鏡板に設けられた補強リブ4の断面図である。
【図5】 図1に示した本発明の補強リング一体型鏡板1を設けた円筒横置き浄化槽を示す説明図である。
【図6】 図2に示した本発明の補強リング一体型鏡板101を設けた円筒横置き浄化槽を示す説明図である。
【図7】 本発明の補強リング一体型鏡板の他の実施例を示し、Aは角型の鏡板201を槽内部から見た裏面図、Bは該鏡板201の側面図である。
【図8】 本発明の補強リング一体型鏡板の他の実施例を示し、Aは角型の平鏡板301を槽内部から見た裏面図、Bは該鏡板301の側面図である。
【図9】 図1に示す本発明の第一の実施例による補強リング一体型鏡板1を設けた円筒横置き浄化槽の座屈モード図である。
【図10】 図2に示す本発明の第二の実施例による補強リング一体型鏡板101を設けた円筒横置き浄化槽の座屈モード図である。
【図11】 図13に示す従来の鏡板を設けた円筒横置き浄化槽の鏡板取り付け部に沿って、補強リングを更に設置した浄化槽の座屈モード図である。
【図12】 図13に示す従来の鏡板を設けた円筒横置き浄化槽の座屈モード図である。
【図13】 従来の鏡板を設けた円筒横置き浄化槽を示す説明図である。
【図14】 従来の鏡板を示し、Aは鏡板cを槽内部から見た裏面図、Bは鏡板cの側面図である。
【図15】 従来の鏡板と、槽本体との取り付け部を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1、101、201、301 補強リング一体型鏡板
2 板状材
3 補強リング
4 補強リブ
5 水槽
6 筒状パイプ
7 仕切り板
8 補強リング
21 補強リブの結合部
31 補強リングの内部
32 補強リングの外層部
41 補強リブの内部
42 補強リブの外層部
Claims (3)
- 浄化槽などの密閉空間を有する槽両端部を閉塞させる鏡板において、該鏡板が繊維強化プラスチック製の板状材、該板状材と一体化して板状材周辺部の槽本体との接合部に沿って形成されている補強リング、及び板状材と一体化した補強リブとよりなるものであって、該各補強リブは、前記板状材の少なくとも片側表面に、該板状材周辺部に形成された補強リングの少なくとも3箇所から、浄化槽の設置時に鏡板の中心から下方に位置する該補強リブの結合部に向って直線的に延びるよう形成されていることを特徴とする補強リング一体型鏡板。
- 前記補強リング及び補強リブがウレタン又はスチレンの発泡材を内部に含み、外層部が繊維強化プラスチック製である請求項1に記載の補強リング一体型鏡板。
- 前記浄化槽などの密閉空間を有する槽両端部を閉塞させる鏡板において、鏡板を構成する補強リング及び補強リブと一体化した繊維強化プラスチック製の板状材が、平滑な平面を有する板材である請求項1、または2に記載の補強リング一体型鏡板。
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