JP3673269B2 - 操作検知始動ミシン - Google Patents
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Description
一方このような足踏み式コントローラを用いずに、予めボタン操作などにより速度を設定しておき、この設定速度により定速度運転を行う方式のものも広く普及している。
この方式のミシンの場合、始動スイッチ等を押してミシンの始動を行うようになっているが、作業者が始動スイッチを押してから布等に手をおいてミシン縫いを始めるまでに若干の時間が必要であるため、通常はミシンモータを緩和起動させて、徐々に速度を上げて、この間に作業者が縫い作業の態勢を整えることが出来るようになっている。
この問題を解決するために、緩和起動の緩和時間を調整可能とする方法があるが、調整作業が面倒である問題がある。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決することを目的とする。
さらに本発明は、その検出手段が操作者の操作行為を、検出する範囲は、前記操作手段とミシンの針落ち位置との間のミシン本体のアーム下側領域内であるようにすることで効果的に課題を解決することができた。
さらに本発明は、その検出手段が操作者の手を検出するようにすることで効果的に課題を解決することができた。
さらに本発明は、その検出手段が、検出手段がミシン本体のベッドに設けられているようにすることで効果的に課題を解決することができた。
図1は本発明の一実施例の機能ブロック図である。
この実施例において、ミシンモータ7は駆動制御手段4により制御されており、速度設定手段5により設定された速度により、設定速度で運転を行うようになっている。ミシンモータ7はミシン本体の機械的な機構に連結され、ミシン動作を実現するようになっている。
始動操作手段1はミシン本体Xの機枠上等に設けられており、操作者の手動により操作されるようになっている。該始動操作手段1の操作により低速始動制御手段6が起動し、駆動制御手段4に低速始動の指令信号を出力するようになっている。この始動速度は前記速度設定手段5により設定された速度よりも低速とし、操作者が縫い操作態勢についていない状態で支障の生じない速度と後述する加速により設定速度に達する時間との関係で決定するのが良い。即ち、この始動速度があまり速すぎると、縫い操作ミスや事故を起こす危険があり、一方あまり遅すぎると加速段階で設定速度に達するまでに時間がかかり過ぎる問題がある。そのため、これらを考慮して最適な時間とするのが望ましい。また、始動速度は一定速度であっても良いし、或いは漸次速度を増大するようにする等種々の動作態様を採用することが可能である。
そのためには例えば光センサ等を用いた非接触型のセンサにより、操作者の手が所定の範囲に来たことを検出すれば良い。
このセンサとしては、他に近接スイッチや赤外線感知センサ、画像処理等によるもの等の非接触センサが使用可能である。また、手の重みや接触による抵抗変化のセンサ等接触型センサも使用可能である。更に該センサは操作者の手等の有無を検出するものでも良いし、手等の動きを検出するようなものでも良い。
操作検出手段の取付位置は、この所定の範囲に対応する位置とし、ミシンアームやベッドに取り付けるように構成される。
加速制御手段3は始動操作手段1と操作検出手段2から信号をそれぞれ受けて、ここで始動操作手段1の操作があり操作検出手段2により操作行為が検出されたことを判別するように構成しても良いし、或いは始動操作手段1の操作により操作検出手段2が稼働状態になり、該操作検出手段2からの信号に応答して加速信号を出力するように構成しても良い。
この加速信号は、所定の速度カーブを描くように設定すればよく、前記した始動速度や設定速度に応じて決定すれば良い。またこの加速はミシンの機械的な限界まで急加速とすることが可能であり、最短時間で加速するように設定可能である。
CPU100にはRAM101及びROM102が設けられており、該ROM102に格納されたプログラムにより所定の動作を実行するようになっている。
図7に示すようにミシン本体Xの機枠上にはミシンの駆動速度を設定するための速度設定釦50が配置されており、操作者が該速度設定釦50を操作して駆動速度の設定を行えるようになっている。この速度設定釦50の設定信号はCPU100に入力され、該CPU100はこの設定に対応して、速度制御回路41を介して電力供給制御回路42を制御してミシンモータ7を所定値で回転させるようになっている。該ミシンモータ7の回転は、図8に示すようにミシンの機械的な適所に配設された回転検出器43により検出され、CPU100に回転信号がフィードバックされるようになっている。CPU100はこの回転検出に基づいて設定値でミシンモータ7を回転させるようになっている。
操作検出センサ20の設置位置は他にも種々の場所が可能であり、例えば上アームAの下側や立上り部Cの側部或いはベッドZの上等に設置可能である。
また領域Rの大きさや設定位置も種々の態様を採用することが可能であり、スタート/ストップスイッチ10を操作した後の操作行為を検出できる範囲であれば良い。
この領域Rは通常針落下点12のスタート/ストップスイッチ10側に設定される。より好適には、スタート/ストップスイッチ10の位置から針落下点12までの領域で良く、更に好適には該領域内の針落下点12から所定距離の範囲であれば良い。
また領域Rに加えて操作行為の検出を禁止する領域を設定し、この領域をセンサによる不感領域とすることも可能である。この構成により、例えばスタート/ストップスイッチ10操作時の他方の手等の検出を防止することができる。この不感領域は、例えば針落下点12のスタート/ストップスイッチ10と反対の側等に設定すれば良い。
また操作検出センサ20としては、上記したように光センサの他に近接スイッチや音波を利用したもの、或いは赤外線感知器や画像検出器等の非接触型のセンサを利用可能である。またタッチセンサや重量感知センサ或いは抵抗値の変化を利用したセンサなどの接触センサを利用することも可能である。接触センサを用いる場合、これらはベッドZ上に設けるのが好ましい。
更に操作者の手等の有無を検出するセンサであっても良いし、手等の動きを検出するセンサであっても良い。
CPU100はスタート/ストップスイッチ10のスタートスイッチが押され、且つ操作検出センサ20により操作者の手等が検出されたと判断すると、速度制御回路41に始動信号を送り、速度カーブ記憶装置44に記憶されている所定の加速カーブに従ってミシンモータ7の回転速度の加速を行わせ、速度設定釦50により設定された速度に達したら、この速度でミシンモータ7の回転を継続させるように制御するように構成されている。
スタート/ストップスイッチ10を押してから、操作者が手等を布等に添えて、これが領域Rにおいて操作検出センサ20に検出されるまでの時間T(低速運転の時間)は、操作者の熟練度に応じて異なる。従って、低速運転の時間Tは熟練者ほど短くなる。
また加速時間はミシンの機械的な限界まで急加速させることが可能であるから、加速時間も最短時間とすることが可能である。
これに対して、点線で示すものが従来の緩和起動の動作であり、熟練度の低い操作者を想定して長い緩和時間を設定する必要があり、しかもこの時間は固定されており、熟練度等に全く対応できない。
CPU100はキー操作があると(ステップ60)、スタート/ストップスイッチ10によるスタート信号か否か判別し(ステップ61)、スタート信号の場合は始動信号を出力し、低速で始動させる(ステップ62)。そして、操作検出センサ20からの信号の発生を監視する(ステップ63)。その間スタート/ストップスイッチ10によるストップ信号があった場合には(ステップ69)、運転を停止する。
操作検出センサ20から操作検出信号があると、速度制御回路41及び電力供給制御回路42によりミシンモータ7を起動し、速度設定釦50による設定速度まで加速し(ステップ64)、設定速度になったら該速度を維持する(ステップ65、66)。そして、スタート/ストップスイッチ10によるストップ信号があるまで(ステップ67)、運転を継続し、ストップ信号があったら運転を停止する(ステップ68)。
この実施例では図1に示す実施例に加えて、タイマ手段8を備えており、始動操作手段1の操作があるとカウントを開始し、所定時間経過して操作検出手段2からの検出信号がない場合に始動操作手段1の操作を無効として、駆動制御手段4に停止信号を出力してミシンモータ7の始動動作を停止させるように構成されている。
この構成により始動操作手段1を押した後に、所定時間布等に手を添えて縫い動作を行わない場合、始動操作手段1の操作をキャンセルして、ミシンモータ7を停止し、初期状態に自動的に戻すことが可能になる。
なお、他の構成については図1に示すものと同一であるので、説明は省略する。
他の構成は図2に示す構成と同一であるので説明を省略する。
CPU100はキー操作があると(ステップ70)、スタート/ストップスイッチ10によるスタート信号が否か判別し(ステップ71)、スタート信号の場合は、ミシンモータ7を低速度で始動し(ステップ72)、同時に積算タイマ85をスタートさせ(ステップ73)、操作検出センサ20からの信号の発生を監視する(ステップ74)。
その間、積算タイマ85のカウントが設定値に達したか否かチェックし(ステップ80)、カウントが設定値になったらステップ79に飛び、ミシンモータ7を停止する。またスタート/ストップスイッチ10によるストップ信号があったか否か監視し(ステップ81)、ストップ信号があった場合にもミシンモータ7を停止する。
ステップ74で操作検出センサ20から操作検出信号があると、ミシンモータ7を速度制御回路41及び電力供給制御回路42により加速し、速度設定釦50による設定速度まで加速する(ステップ75)。設定速度になったら該速度を維持する(ステップ76、77)。そして、スタート/ストップスイッチ10によるストップ信号があるまで(ステップ78)、運転を継続し、ストップ信号があったらミシンモータ7を停止する(ステップ79)。
Claims (4)
- 設定された所定速度でミシンモ−タを駆動するミシンにおいて、ミシンを始動するために手動操作が可能な始動操作手段と、該始動操作手段から独立して設けられて、ミシン針落ち位置から所定距離にある領域内における操作者の布等の縫い対象物に手を添える操作行為を検出する検出手段と、前記始動操作手段の操作に関連してミシンモ−タを前記所定速度よりも低速で始動し低速運転させるための信号を出力する始動制御手段と、前記始動操作手段の操作と前記検出手段による操作行為の検出とに関連して、始動したミシンの速度を加速させるための信号を出力する加速制御手段と、前記信号に関連してミシンモ−タを始動しまた加速して、設定された速度でミシンモ−タを駆動する駆動制御手段と、を備えたことを特徴とする操作検知始動ミシン。
- 前記検出手段が操作者の操作行為を、検出する範囲は、前記操作手段とミシンの針落ち位置との間のミシン本体のアーム下側領域内であることを特徴とする請求項1に記載の操作検知始動ミシン。
- 前記検出手段が操作者の手を検出する、請求項1に記載の操作検知始動ミシン。
- 前記検出手段がミシン本体のベッドに設けられている、請求項1又は2又は3に記載の操作検知始動ミシン。
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