JP3673074B2 - 通信システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は通信システムに係わり、特に、加入者側に設けられた複数の伝送装置と交換機側に設けられた伝送装置間を高速のデジタル伝送路で接続し、加入者端末を加入者側伝送装置に接続することにより該加入者端末を交換機に収容する通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の加入者系光伝送システムでは、交換機側に複数のCOT伝送装置(COT:Central Office Terminalの略)を設けると共に加入者側に複数のRT伝送装置(RT:Remote Terminalの略)を設け、各COT伝送装置と対応するRT伝送装置間をそれぞれ1本の高速デジタル伝送路(例えば、高速光伝送路)で接続する構成になっている。RT伝送装置は、オフィスビル、町、村などの地域単位に設置される。
図10は従来の加入者系光伝送システムの構成図である。図中、1は交換局であり、交換機2及びCOT伝送装置3A〜3Nを有している。4A〜4Nは地域毎に設けられた一般家庭用電話機あるいは公衆電話機、5A〜5Nは地域毎に設けられたRT伝送装置、6A〜6Nは各COT伝送装置と対応するRT伝送装置間をそれぞれ接続する光伝送路である。
【0003】
RT伝送装置5A〜5Nにおいて、71〜7nはそれぞれ電話機に接続された加入者回路、81〜8nは各加入者回路から入力するアナログ信号をAD変換するとともに、光伝送路側から入力するデジタル信号をアナログ信号に変換するCODEC(coder/decoder)、91〜9nはチャンネル部でユニポラー/バイポラー変換すると共に各種制御データの挿入、抽出を行うもの、10はCODECよりチャンネル部を介して入力するデジタル信号を集線多重して光伝送路側に送出すると共に、光伝送路側から入力する多重データを分離して所定のチャンネル部に出力する多重分離部、11は電気信号を光信号に電光変換して光伝送路6A〜6Nに送出すると共に、光伝送路から入力した光信号を電気信号に光電変換して出力する光端局装置である。
【0004】
COT伝送装置3A〜3Nにおいて、121〜12nはチャンネル部でユニポラー/バイポラー変換すると共に各種制御データの挿入、抽出を行うもの、13は交換機2よりチャンネル部を介して入力するデジタル信号を多重して光伝送路側に送出すると共に、光伝送路側から入力する多重データを分離して交換機に送出する多重分離部、14は多重分離部より入力した電気信号を光信号に電光変換して光伝送路6A〜6Nに送出すると共に、光伝送路6A〜6Nから入力した光信号を電気信号に光電変換して出力する光端局装置である。
【0005】
図11はRT伝送装置の詳細な構成図である。RT伝送装置5Aが設けられた地域の電話機4Aは例えばm個づつ、n個のグループに分けられている。第1グループのm個の電話機411〜41mは第1グループの加入者回路711〜71mに接続され、加入者回路711〜71mは更にCODEC811〜81mに接続されている。CODEC811〜81mは電話機411〜41mから入力した音声信号はを64Kbpsのデジタル信号に変換し、チャンネル部911〜91mを介して多重分離部10に入力する。多重分離部10はm個のチャンネル部911〜91mを介して入力された最大32チャンネル分の64Kbpsデジタル信号を集線して時分割多重し(m>32)、2Mbpsのデジタル信号として信号ラインL1〜Lnに出力する。多重分離部10′は第1〜第nグループの各多重分離部10から信号ラインL1〜Lnを介して入力する2Mbpsの時分割多重データを更に多重して例えば34Mbpsあるいは150Mbpsのデータ(34Mbpsデータとする)にして光伝送装置11より光伝送路6Aに送出する。
【0006】
また交換機2より光伝送路6A、光伝送装置11を介して入力された34Mbpsの時分割多重データは多重分離部10′で2Mbpsの時分割多重データに分離されて第1〜第nグループの多重分離部10にそれぞれ入力する。各グループの多重分離部10は2Mbpsの時分割多重データを最大32チャンネル分の64Kbpsのデジタル信号に変換してチャネル部を介して所定のCODECに入力する。デジタル信号を入力された各CODECは該デジタル信号をアナログ信号に変換し、加入者回路を介して電話機に入力する。
【0007】
図12は交換局の構成図であり、COT伝送装置3A〜3Nが各地域のRT伝送装置5A〜5Nに対応して設けられ光伝送路6A〜6Nを介して接続されている。また、各COT伝送装置3A〜3Nはそれぞれn本の2Mbpsの信号ラインL1〜Lnを介して交換機2と接続している。RT伝送装置5A〜5Nから送出された34Mbpsの時分割多重データは光伝送路6A〜6Nを介してCOT伝送装置3A〜3Nに入力する。COT伝送装置3A〜3N内の各光伝送装置14は光信号を電気信号に変換して多重分離部13に入力し、多重分離部13は34Mbpsの時分割多重データを2Mbpsのデジタル信号に分離し、チャンネル部121〜12n、信号ラインL1〜Lnを介して交換機2に入力する。又、各COT伝送装置3A〜3Nの多重分離部13は交換機2より信号ラインL1〜Ln、チャンネル部121〜12nを介して入力された2Mbpsのデジタル信号を多重して34Mbpsデータにして光伝送装置14より光伝送路6A〜6Nに送出する。
【0008】
この加入者系光伝送システムによれば、(1) RT伝送装置5A〜5Nが交換局内のCOT伝送装置3A〜3Nに対応し、しかも、(2) RT伝送装置5A内の信号ラインL1〜Ln(図11)上の2Mbpsの時分割多重データが交換局1内の信号ラインL1〜Ln(図12)上の2Mbpsの時分割多重データと一致する。同様に、他のRT伝送装置5B〜5N内の信号ラインL1〜Ln上の2Mbpsの時分割多重データが交換局内の信号ラインL1〜Ln上の2Mbpsの時分割多重データと一致する。
この結果、交換機側のCOT伝送装置3A〜3Nと各地域のRT伝送装置5A〜5N間を1本の光伝送路6A〜6Nで接続するにも係らず、あたかも各RT伝送装置の各グループの2Mbpsの時分割多重データの信号ラインL1〜Lnを直接交換機2と接続したのと機能的に等価にできる。この結果、光ケーブル敷設費を安くできるメリットがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の加入者系光伝送システムでは、COT伝送装置が各RT伝送装置に対応させて交換局内に設けられ、各COT伝送装置は光端局装置、多重化装置に加えて対応するRT伝送装置内のグループ数と等しい数(=n個)のチャンネル部を必要とする。従来、COT伝送装置は最多トラヒック量を考慮したハードウェア構成になっている。というのは、従来は最多トラヒック量に基づいてグループを構成する加入者電話機の数を決めるものであり、トラヒック量が多いほどグループを構成する加入者電話機の数が少なくなり、このためグループ数nが増え、それに応じてCOT伝送装置を構成するチャンネル部数が増大する。
【0010】
ところで、オフィス街、住宅街それぞれの地域における加入者電話機の使用時間帯は異なり、住宅街では夜間の使用が昼間に比べて多くなり、逆にオフィス街では昼間の使用が夜間に比べて多くなる。このため、オフィス街、住宅街それぞれにRT伝送装置を設けて同一交換局に接続するとトータルの使用量が時間帯によってそれほど変化しない。これにもかかわらず、従来は、それぞれの地域における最大トラヒックを見込んだハードウェア(チャンネル部数)を各COT伝送装置に設ける必要があり、交換局のハードウェアの増大、大型化、コスト高となる問題が生じている
以上から本発明の目的は、交換局内に設けるチャンネル部の数を減少して交換局の小型化、低コスト化が可能となるようにすることである。
本発明の別の目的は、RT伝送装置に接続する加入者端末で構成する各グループのトラヒック量に基づいて、交換局内に設けたチャンネル部を各RT伝送装置に対して共通に使用するようにしてチャンネル部数を減少することである。
本発明の別の目的は、トラヒック量の時間的推移を統計的に事前に測定しておき、該事前に測定されたトラヒック量に基づいて交換局内に設けたチャンネル部を各RT伝送装置に対して共通に使用するようにしてチャンネル部数を減少することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
個々の加入者側伝送装置の最多トラヒックは同一のタイミングで発生せず、その発生タイミングは異なる。本発明はかかる点に着目し、各加入者側伝送装置のトラヒックをトータル的に考察し、トータルの最多トラヒックが発生しても輻輳しないように交換機側伝送装置のハードウェアを決定してハードウェア量(例えば、チャンネル部の数)を少なくする。
加入者側伝送装置は、加入者端末からのアナログ信号をデジタル信号に変換してグループ毎に多重し、各グループからの多重データを更に時分割多重して交換機側伝送装置に送出する。又、加入者側伝送装置は各加入者端末のトラヒック状態(例えば、オンフック/オフフック状態)を検出して交換機側伝送装置に送る。交換機側伝送装置は、(1) 各加入者側伝送装置より送られてくる高速時分割多重データをグループ毎の時分割多重データに分離すると共に、(2) トラヒック状態情報よりオフフック状態の加入者端末が存在するグループを識別し、(3) 該グループに応じた時分割多重データ送出ラインを未使用のチャンネル部に接続し、(4) 該チャンネル部を介して時分割多重データを交換機に入力する。これにより、交換局内に設けるチャンネル部の数を減少して交換局の小型化、低コスト化が可能になる。
【0012】
又、交換機側伝送装置は、予め各加入者側伝送装置のトラヒック量の時間的な推移を統計的に求めておき、該時間的に推移するトラヒック量に基づいて各時点における加入者側伝送装置に割り当てるチャンネル部の数を決定し、該決定したチャンネル部数に基づいて各加入者側伝送装置から送られてくるグループ毎の時分割多重データの送出ラインとチャネル部間の接続制御を行う。このようにしても交換局内に設けるチャンネル部の数を減少して交換局の小型化、低コスト化が可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(A)本発明の加入者系光伝送システムの構成
図1は本発明の加入者系光伝送システムの構成図である。図中、21は交換局であり、交換機22及び1台のCOT伝送装置23を有している。24A〜24Nは地域毎に設けられた一般家庭用電話機あるいは公衆電話機、25A〜25Nは地域毎に設けられた同一構成のRT伝送装置、26A〜26Nは交換局内に設けたCOT伝送装置23と各RT伝送装置25A〜25N間をそれぞれ接続する光伝送路である。
【0014】
加入者側伝送装置であるRT伝送装置25Aにおいて、301〜30nは加入者回路群、401〜40nは第1の多重分離部、41は第2の多重分離部、42は光電、電光変換する光伝送装置である。RT伝送装置25Aが設けられた地域の電話機24Aはたとえばm個づつ、n個のグループに分けられている。第1グループのm個の電話機2411〜241mは第1グループの加入者回路群301に接続され、・・・、第nグループのm個の電話機24n1〜24nmは第nグループの加入者回路群30nに接続されている。加入者回路群301〜30nは図示しないが電話機毎にmチャンネル分の加入者回路、CODEC、チャンネル部を備え、チャンネル部が次段の第1多重分離部401〜40nに接続されている。又、加入者回路群301〜30nには、各電話機のオンフック/オフフック状態を記憶して交換局21に送出するフック状態記憶送出部341〜34nが設けられている。
【0015】
第1多重分離部401〜40nはmチャンネルのうち通信中の最大32チャンネル分の64Kbpsのデジタル信号を集線して時分割多重し(m>32)、2Mbpsのデジタル信号として信号ラインL1〜Lnに出力する。第2多重分離部41は各グループの第1多重分離部401〜40nから信号ラインL1〜Lnを介して入力した 2Mbpsの時分割多重データを更に多重して例えば34Mbpsあるいは150Mbpsのデータ(34Mbpsデータとする)にして光伝送装置42より光伝送路26Aに送出する。なお、光伝送装置42はフック状態記憶送出部341〜34nから入力した各電話機のオンフック/オフフック状態を示す情報をフレーム先頭のヘッダ部などの適所に挿入して送出する。
【0016】
一方、交換局12より光伝送路26A、光伝送装置42を介して入力された34Mbpsの時分割多重データは第2多重分離部41で2Mbpsの時分割多重データに分離されて各グループの第1多重分離部401〜40nにそれぞれ入力する。各グループの第1多重分離部401〜40nは2Mbpsの時分割多重データを最大32チャンネル分の64Kbpsのデジタル信号に分離して加入者回路群301〜30nに入力する。この結果、各デジタル信号は所定のチャネル部を介してCODECに入力し、ここでアナログ信号に変換され、加入者回路を介して電話機に入力する。
一方、交換機側伝送装置であるCOT伝送装置23において、511〜51kはk個のチャンネル部であり、ユニポラー/バイポラー変換すると共に各種制御データの挿入、抽出を行うものである。なお、交換局21に接続しているRT伝送装置25A〜25Nの数をN、各RT伝送装置におけるグループ数をn、チャンネル部の数kとすれば、k<N・nが成立するようになっている。すなわち、チャンネル部の数kは全グループ数N・nより少ない。このチャンネル部の総数kは、全RT伝送装置に接続されている加入者電話機のトラヒック量をトータル的に考察し、最多トラヒックが発生しても輻輳しないように決定する。
【0017】
52A〜52Nは光伝送路に26A〜26Nに接続された光伝送装置であり光電、電光変換するもの、53A〜53Nは多重分離部であり、各RT伝送装置25A〜25Nから送出されてくる34Mbpsの高速時分割多重データをそれぞれグループ毎の2Mbpsの時分割多重データに分離してラインL11〜L1n,・・・,LN1〜LNnに送出すると共に、交換機側から入力される2Mbpsの時分割多重データを34Mbpsの高速時分割多重データに多重する。多重分離部53Aの出力ラインL11〜L1nに送出されるグループ毎の2Mbpsの時分割多重データは、RT伝送装置25Aにおける第1多重分離部401〜40nから出力ラインL1〜Lnに送出されるグループ毎の2Mbpsの時分割多重データに一致する。したがって、例えば、第1グループのいずれの電話機も話中でなければ、出力ラインL11にはデジタル信号が出力されない。又、同様に、第nグループのいずれの電話機も話中でなければ、出力ラインL1nにはデジタル信号が出力されない。
【0018】
54は接続回路であり、N×n本のラインL11〜LNnのうち多重分離部53A〜53Nで分離された2Mbpsの時分割多重データが実際に送出されるラインをチャンネル部511〜51kのうち未使用のチャンネル部に接続する。55は接続制御部であり、RT伝送装置25A〜25Nより送出されてくる電話機のフック状態情報に基づいて接続回路54を制御し、オフフック状態の加入者端末が存在するグループに応じたラインL11〜L1n,・・・LN1〜LNnを未使用のチャンネル部511〜51kに接続する。
【0019】
各グループを構成する電話機のオンフック/オフフック状態を示すフック状態情報がRT伝送装置25A〜25より送出されて接続制御部55に入力する。接続制御部55はグループ毎にオフフック状態の加入者端末が存在するかチェックし、N×n本のラインL11〜LNnのうちオフフック状態の加入者端末が存在するグループに応じたラインを未使用のチャンネル部に接続する(未使用チャンネル部は使用チャンネル部になる)。この結果、オフフック状態の加入者端末が存在するグループの2Mbps時分割多重データは接続回路54→チャンネル部を介して交換機22に入力する。接続制御部55は所定のラインとチャンネル部を接続すれば、以後、該ラインに対応するグループの全電話機がオンフック状態になるまでその接続を維持し、全電話機がオンフック状態になったとき、接続を解除し、使用チャンネル部を未使用にする。
【0020】
(B)RT伝送装置
図2はRT伝送装置の構成図で、図1と同一部分には同一符号を付している。図1と異なる点は加入者回路群301を詳細に示している点である。図中、3111〜311mは電話機2411〜241mに対応して設けられた加入者回路であり、電話機2411〜241mに通話電流を供給する機能、電話機のオンフック/オフフック状態を検出する機能などを備えている。31aはリレーで構成されたオフフック検出部で、フックスイッチFSのオン/オフを検出するもの、31bは通話路電流供給部である。3211〜321mは電話機から入力する音声信号を64Kbpsのデジタル信号に変換し、光伝送路側から入力する64kbpsのデジタル信号をアナログ信号に変換するCODEC、3311〜331mはチャンネル部でユニポラー/バイポラー変換すると共に各種制御データの挿入、抽出を行うものである。CODEC3211〜321mは電話機2411〜241mから入力した音声信号を64Kbpsのデジタル信号に変換し、チャンネル部3311〜331mを介して第1多重分離部401に入力する。又、CODEC321〜32m第1多重分離部401からチャネル部を介して入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換し、加入者回路を介して電話機に入力する。
【0021】
341〜34nはフック状態記憶送出部であり、グループ毎に設けられて、各電話機のオンフック/オフフック状態を記憶するメモリ部MMと電話機のオンフック/オフフック状態を交換局21のCOT伝送装置に送出するフック状態送出部FSSを備えている。図3はメモリMMにおけるフック状態の記憶例であり、加入者ナンバー(電話機番号)に対応させてフックスイッチのオン/オフ(”1”:オフフック、”0”:オンフック)を記憶している。フック状態送出部FSSは各電話機毎にフックスイッチのオン/オフ状態をフック状態情報として交換局に送出する。
【0022】
(C)COT伝送装置
図4はCOT伝送装置の構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付している。図1と異なる部分は、接続制御部55を詳細に示している点である。
接続制御部55において、55aは各RT伝送装置25A〜25Nから送出されてくる各グループの電話機のフック状態情報を受信するデータ受信部、55bはグループを構成する電話機にオフフック状態のものが存在するか解析するデータ解析部、55cはメモリ部で、各グループの2Mbps時分割多重データの送出ラインL11〜L1n,・・,LN1〜LNnとチャンネル部511〜59kの接続状況を示すマトリクスを記憶するメモリ部である。
【0023】
図5はかかるマトリクスの説明図であり、縦方向に2Mbps時分割多重データの送出ラインL11〜L1n,・・,LN1〜LNnがとられ、横方向にチャンネル部511〜59kがとられている。送出ラインL1nがチャンネル部59iに接続されていればそのマトリクス交点に”1”が記憶される。すなわち、一般に送出ラインとチャンネル部間が接続されていればそのマトリクス交点に”1”が記憶され、接続されていなければマトリクス交点に”0”が記憶される。したがって、未使用のチャンネル部の縦方向の欄は全て”0”である。又、グループを構成する電話機が全てオンフック状態の場合には該グループに応じた送出ラインの横方向欄は全て”0”になる。
図4に戻って、55dは各グループの電話機のオンフック/オフフック状態及びメモリ部55cに記憶されているマトリクスに基づいて接続回路54を制御して所定の2Mbps時分割多重データ送出ラインL11〜L1n,・・,LN1〜LNnとチャンネル部511〜51k間の接続を指示する接続指示部である。
【0024】
図6は接続瀬栄御部55による接続処理のフロー図である。
第i地域第jグループ(第i番目のRT伝送装置より)のオフフック/オンフック情報を受信すれば(ステップ101)、第i地域第jグループの電話機が全てオンフック状態かチェックする(ステップ102)。もし、第i地域第jグループの電話機が全てオンフック状態であれば、マトリクスの送出ラインLijの横方向欄を全て”0”にすると共に、接続回路54を制御して送出ラインLijと任意のチャンネル部間の接続を開放する(ステップ103)。
しかし、ステップ102において、全てオンフックでなくオフフックのものが存在すれば、送出ラインLijを任意のチャンネル部に接続済みかチェックし、接続済みの場合には、処理を終了する。
【0025】
一方、送出ラインLijをいずれのチャンネル部にも接続してなければ、未使用のチャンネル部をマトリクスより求め、接続回路54を制御して送出ラインLijを該チャンネル部に接続する(ステップ105)。
ついで、送出ラインLi-jと前記接続したチャンネル部とのマトリクス交点に”1”を書き込む(ステップ106)。以後、上記処理を繰り返す。
【0026】
(D)COT伝送装置の別の構成
以上のCOT伝送装置では、各グループの電話機のオンフック/オフフック状態に基づいてリアルタイムに2Mbps時分割多重データ送出ラインL11〜L1n,・・,LN1〜LNnとチャンネル部間の接続制御をしたが、ある期間(1時間、1日、1カ月毎)のトラヒック量の時間的な推移を事前に計測しておき、該時間的に推移するトラヒック量に基づいて各時点におけるRT伝送装置25A〜25Nに割り当てるチャンネル部の数を決定し、該決定されたチャンネル部数に基づいて2Mbps時分割多重データ送出ラインL11〜L1n,・・・,LN1〜LNnとチャンネル部511〜51k間の接続を制御するように構成することができる。
【0027】
図7はかかる場合におけるCOT伝送装置の構成図であり、図4のCOT伝送装置と同一部分には同一符号を付している。図中、61は統計処理部であり、ある期間(1時間、1日、1カ月毎)のトラヒック量を計測し、時間的に推移するトラヒック量に基づいて各時点におけるRT伝送装置25A〜25Nに割り当てるチャンネル部数を決定するもので、61aはトラヒック量カウンタ、61bはタイマー,61cはメモリ、61dは設定指示部である。
トラヒック量カウンタ61aはデータ解析部55bから出力される各グループのオフフック電話機数に基づいてRT伝送装置毎のトラヒック量(ある地域毎に設置されているRT伝送装置の加入者の電話をかける量)をある期間(例えば1日)カウントし、その結果をメモリー61cにストアーする。図8は住宅地域に設置されたRT伝送装置25Aに接続される加入者の1日の1時間毎の平均トラヒック量を示すグラフ、図9はオフィス街に設置されたRT伝送装置25Nに接続される加入者の1日の1時間毎の平均トラヒック量を示すグラフである。それぞれにおいて電話回線を利用する時間帯が異なっており、住宅地の電話使用時間帯は家族が在宅する夕方以降が多く、オフィス街は昼間に電話使用が多くなっている。
【0028】
以上から、昼間はRT伝送装置25Aへ割り当てるチャンネル部数を少なくでき、一方、夜間はRT伝送装置25Nへ割り当てるチャンネル部数を少なくでき、又、真夜中は両方へ割り当てるチャンネル部数を少なくできる。そこで、設定指示部61dはメモリ61cに記憶されているある期間(1時間、1日、1カ月毎)のトラヒック量の時間的な推移に基づいて各時点におけるRT伝送装置25A〜25Nに割り当てるチャンネル部数を決定し、接続制御部55に2Mbps時分割多重データ送出ラインL11〜L1n,・・・,LN1〜LNnとチャンネル部511〜51k間の接続を指示する。この接続指示により、接続制御部55は接続回路54を制御して2Mbps時分割多重データ送出ラインとチャンネル部間を接続する。
【0029】
例えば、RT伝送装置25Aに2Mbpsがn本必要で、RT伝送装置25Nに2Mbpsが1本必要の場合には、図7実線で示すように送出ラインL11〜L1n,・・・,LN1〜LNnとチャンネル部511〜51k間が接続され、又、実線の状態からある時間経過後にRT伝送装置25Aに2Mbpsが1本必要で、RT伝送装置25Nに2Mbpsがn本必要の場合には、図7点線で示すように送出ラインL11〜L1n,・・・,LN1〜LNnとチャンネル部511〜51k間が接続される。
以上より、COT伝送装置23はN個のRT伝送装置25A〜25Nと対向しており、かつそのチャネル部は各RT伝送装置に対し共有のハードウェアとなる。
以上では、伝送路として光伝送路を用いた場合について説明したが、本発明は光伝送路に限定されない。
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除するものではない。
【0030】
【発明の効果】
以上本発明によれば、加入者側伝送装置は、デジタル信号をグループ毎に多重し、各グループからの多重データを更に時分割多重して交換機側伝送装置に送出し、交換機側伝送装置は、(1) 各加入者側伝送装置より送られてくる高速時分割多重データをグループ毎の時分割多重データに分離すると共に、(2) 各加入者側伝送装置から送られてくるトラヒック状態情報よりオフフック状態の加入者端末が存在するグループを識別し、(3) 該グループに応じた時分割多重データ送出ラインを未使用のチャンネル部に接続し、(4) 該チャンネル部を介して時分割多重データを交換機に入力する。これにより、交換局内に設けるチャンネル部の数を減少でき通信システムや交換局の小型化、低コスト化が可能になる。
【0031】
又、本発明によれば、交換機側伝送装置は、予め各加入者側伝送装置のトラヒック量の時間的な推移を統計的に求めておき、該トラヒック推移に基づいて各時点における加入者側伝送装置に割り当てるチャンネル部数を決定し、該決定したチャンネル部数に基づいて各加入者側伝送装置から送られてくるグループ毎の時分割多重データの送出ラインとチャネル部間の接続制御を行う。このようにしても交換局内に設けるチャンネル部の数を減少でき通信システムや交換局の小型化、低コスト化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加入者系光伝送システムの構成図である。
【図2】 RT伝送装置の構成図である。
【図3】オフフック/オンフック状態記憶例である。
【図4】 COT伝送装置の構成図である。
【図5】 2Mbpsの時分割多重データ送出ラインとチャンネル部の接続状態を示すマトリクス説明図である。
【図6】本発明の接続処理フローである。
【図7】 COT伝送装置の別の構成図である。
【図8】 RT伝送装置25Aの時間毎の平均トラヒック量を示すグラフである。
【図9】 RT伝送装置25Nの時間毎の平均トラヒック量を示すグラフである。
【図10】従来の加入者光伝送システムの構成図である。
【図11】従来技術のRT伝送装置の構成図である。
【図12】従来の交換局の構成図である。
【符号の説明】
21・・交換局
22・・交換機
23・・COT伝送装置
24A〜24N・・一般家庭用電話機あるいは公衆電話機
25A〜25N・・RT伝送装置
26A〜26N・・光伝送路
301〜30n・・加入者回路群
401〜40n・・第1の多重分離部
41・・第2の多重分離部
42・・光伝送装置
511〜51k・・チャンネル部
52A〜52N・・光伝送装置
53A〜53N・・多重分離部
54・・接続回路
55・・接続制御部

Claims (2)

  1. 各地域に設けられると共に、複数のグループに分けられた加入者端末からのアナログ信号をデジタル信号に変換し、グループ毎にデジタル信号を時分割多重して第1のビットレートの時分割多重データとし、該グループ毎の時分割多重データを更に時分割多重して第2のビットレートの時分割多重データにして送出する加入者側伝送装置と、各加入者側伝送装置から送出されてくる第2ビットレートの時分割多重データをそれぞれ前記グループ毎の第1ビットレートの時分割多重データに分離し、該第1ビットレートの時分割多重データをチャンネル部を介して交換機に入力する交換機側伝送装置と、各加入者側伝送装置と交換機側伝送装置間を接続するデジタル信号伝送路とを備えた通信システムにおいて、前記加入者側伝送装置は、
    各グループのトラヒック状態を検出して送出する手段を備え、
    前記交換機側伝送装置は、
    全加入者側伝送装置の全グループ数より少ない数のチャンネル部、
    各加入者側伝送装置から送出されてくる第2のビットレートの時分割多重データをそれぞれグループ毎の第1ビットレートの時分割多重データに分離する分離手段、
    前記分離された第1ビットレートの時分割データが送出されるラインを所定のチャンネル部に接続する接続回路、
    各加入者側伝送装置のトラヒック量の時間的な推移を求め、該時間的に推移するトラヒック量に基づいて各時点における加入者側伝送装置に割り当てるチャンネル部の数を決定する手段、
    該決定された数に基づいて、前記接続回路を制御して第1ビットレートの時分割多重データの送出ラインとチャネル部間の接続制御を行う接続制御部、
    備えたことを特徴とする通信システム。
  2. 複数のグループに分けられた加入者端末からのアナログ信号をデジタル信号に変換し、グループ毎にデジタル信号を時分割多重して第1のビットレートの時分割多重データにし、該グループ毎の時分割多重データを更に時分割多重して第2のビットレートの時分割多重データにし、各地域に設けられた加入者側伝送装置より送出されてくる該第2のビットレートの時分割多重データをそれぞれグループ毎の第1ビットレート時分割多重データに分離し、該第1ビットレートの時分割多重データをチャンネル部を介して交換機に入力する交換機側伝送装置において、
    全加入者側伝送装置の全グループ数より少ない数のチャンネル部、
    各加入者側伝送装置から送出されてくる第2のビットレートの時分割多重データをそれぞれ前記グループ毎の第1ビットレートの時分割多重データに分離する分離手段、
    前記分離された第1ビットレートの時分割データが送出されるラインを所定のチャンネル部に接続する接続回路、
    各加入者側伝送装置のトラヒック量の時間的な推移を求め、該時間的に推移するトラヒック量に基づいて各時点における加入者側伝送装置に割り当てるチャンネル部の数を決定する手段、
    該決定された数に基づいて、前記接続回路を制御して第1ビットレートの時分割多重データの送出ラインとチャネル部間の接続制御を行う接続制御部、
    を備えたことを特徴とする交換機側伝送装置。
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