JP3672649B2 - 二段分け用櫛 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪の毛束を断続して分ける二段分け用櫛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
毛染めの際、自然な染毛或いはデザイン的な染毛のため、毛束を断続的に取り分けて断続染色することがある。この場合、従来では、片手で広げた毛束を指で挟んだ状態で、図9のように、他方の手に保持した櫛の細長い柄の部分を縫うよう波状に挿入し、ついで櫛を上げて櫛の柄に引っ掛けた毛束を分け上げ、図10のように上がった毛束を取り集めて毛束を断続的に取り分け、染めていたのである。しかしながら、この毛束を櫛の柄で断続的に取り分ける作業が面倒で手間がかかり、希望する間隔と毛束巾を得ることに熟練を要していたのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、極めて簡単に毛束を断続的に取り分けることができ、しかも毛束間隔と毛束巾を調整できる櫛を提供するものである。
【0004】
このため本発明は、溝間隔をおいて櫛歯を配列した櫛であって、櫛歯間の溝底深さを長短の二段の深さとして段違いの交互に配置した二段分け用櫛において、櫛歯を備えた櫛本体と、櫛本体に取り付けて櫛歯間の溝底深さを長短の二段にできるよう凸部を断続的に突設して成る当て板とを備えた構成の二段分け用櫛である。また、櫛歯の溝底の長短段違いの巾を調整する可変手段を備えてもよい。さらに、櫛本体に取り付けて櫛歯間の溝底深さを長短の二段にできるよう凸部を、当て板の長手方向の上下両端に、凸部の巾を異にして形成してもよい。同一の溝底深さを有する櫛歯を備えた櫛本体と、櫛歯に嵌着してその歯の両側の溝間隔を閉塞する嵌着体とを備えてもよい。
【0005】
広げた毛束を指で挟んだ状態で、他方の手に保持した櫛を広げた毛束の下から上げることにより、長短段違いの溝底部に夫々毛束が引っ掛かかるのであり、溝底部が長短の二段のため二段に断続的に毛束が引っ掛かかるのである。即ち、上側の溝底部となる浅い溝底部に引っ掛かかった毛束の下に間隔をおいて、下側の溝底部となる深い溝底部に引っ掛かかった毛束が分けられるのであり、上の浅い溝底部に引っ掛かかった毛束だけを取り集めるのである。これにより、毛束が断続的に取り集められることになる。また、櫛歯溝底の長短段違い巾を調整する可変手段を備えたものでは、任意の毛束巾を任意の断続間隔で取り上げることができるのである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の図示形態例について説明する。図1に示す櫛Sは、図2のように多数の櫛歯11を同一巾で且つ同一の深さの溝底10として備えた櫛本体1と、当て板2とから成り、図3のように、当て板2の略中央に突設したピン20を櫛本体1に透設した取付孔12に挿着して櫛本体1の片面に当て板2を装着している。なお、櫛本体1の櫛歯間隔、即ち、櫛歯の溝底10の巾は通常の櫛より少し大きくしてある。
【0007】
また当て板2は、櫛本体1に挿着した場合に、櫛歯の溝底10が断続的に隠蔽されるように所定間隔をおいて凸部22,23が長手方向の上下端に突設してある。即ち、上側では櫛歯11の長さの約半分の高さで隣接する櫛歯間を閉塞する巾の凸部22が櫛歯の溝底10の一巾分の巾をおいて断続的に突設してあり、下側では櫛歯11の長さの約半分の高さで三つの櫛歯間を閉塞する巾の凸部23が櫛歯の溝底10の二巾分の巾をおいて断続的に突設してある。なお、夫々の凸部22,23は突出方向につれて櫛歯11の形状と同様に傾斜している。
【0008】
したがって、凸部22を上側にしてピン20を取付孔12に挿着することで櫛本体1の片面に当て板2が装着され、図1のように、一つ置きの溝底10が凸部22で隠蔽されることから、その部位の溝底位置は凸部22の上端面220となる。即ち、櫛歯の溝底深さが、深い溝底10と凸部22の浅い上端面220との上下二段に断続的に配置されるのである。
【0009】
この状態で、広げた毛束を指で挟んだ状態で、他方の手に保持した櫛Sを広げた毛束の下から上げることにより、図4及び図5のように、長短段違いの溝底部に夫々毛束が引っ掛かかるのであり、下側では深い溝底10に引っ掛かかり、上側では凸部22の浅い上端面220に引っ掛かかるのである。これにより、上下に毛束が分けられるのであり、上側の毛束だけを取り集めれば、図10のように、毛束が断続的に取り集められることになる。
【0010】
また、取り集める毛束の間隔を広くしたい場合は、当て板2を櫛本体1から外して上下逆にし、図6のように、凸部23を上にして櫛本体1に装着すればよい。これにより、二つ置きの溝底10が凸部23で隠蔽されることから、その部位の溝底位置は凸部23の上端面230となる。したがって、同様に操作することで上側の毛束だけを取り集めれば、広い間隔の毛束が断続的に取り集められることになる。
【0011】
このようにこの形態例によると、櫛Sを上げるだけで上下二段に毛束が直ちに分けられ、上の毛束を取り集めれば断続した毛束が極めて簡単に取り分けられるのである。
【0012】
本発明においてはこれに限定されない。例えば、櫛歯の数や櫛の形状は問わない。また、図7のように、櫛歯溝底の長短段違いの二段の巾を一体に形成したものでもよい。さらに、図7のような異なる溝底深さを有する櫛歯を備えた櫛本体に、異なる長短二段の溝底巾にできるよう凸部を断続的に突設して成る当て板を櫛本体に取り付けるものでもよい。
【0013】
なお、櫛歯溝底の長短段違いの二段の巾を調整する可変手段を備える場合は、その構成も限定されない。例えば、図8のように、同一の溝底深さを有する櫛歯11に、中央の嵌着孔50から嵌着体5を嵌着してその櫛歯の両側の溝間隔を閉塞するものでもよく、これによると嵌着体5の嵌着位置を変えることにより、任意の間隔で任意の巾の毛束を取り分けることができるのである。或いは、異なる溝底深さを有する櫛歯を備えた櫛本体に、その溝底深さの浅い部分に接合する凸部を断続的に突設して成る当て板を常時スライド可能に装着し、当て板をスライド調節することにより櫛本体の溝底深さの深い部分に凸部を配置することで、その深い溝底部分を浅い溝底部として溝底深さの浅い部分の巾を長くする構成でもよい。
【0014】
【発明の効果】
本発明の請求項1によると、当て板の凸部によって櫛歯間の溝底深さを簡単に長短の二段にでき、広げた毛束の下から櫛を挿入して上げるだけで上下二段に毛束が直ちに分けられ、上位置の毛束を取り集めれば断続した毛束が極めて簡単に取り分けられるのである。
【0015】
請求項2のものでは、櫛歯間の溝底深さを任意な長短の二段にでき、任意の間隔で任意の巾の毛束を取り分けられるのである。請求項3では、二通りの間隔及び巾の毛束の取り分けを選択できるのである。請求項4では嵌着体の位置や嵌着数を変えることにより、任意の間隔で任意の巾の毛束を取り分けることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態例を示す要部の正面図である。
【図2】その櫛本体と当て板の正面図である。
【図3】図1におけるA−A拡大縦断面図である。
【図4】毛束が二段に分けられている状態の要部斜視図である。
【図5】毛束が二段に分けられている状態の拡大縦断面図である。
【図6】当て板を上下逆にした状態の正面図である。
【図7】別例の要部正面図である。
【図8】さらに別例の要部正面図である。
【図9】従来の櫛の柄による毛束分けの斜視図である。
【図10】分けた毛束を取り集めた状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 櫛本体
10 溝底
11 櫛歯
12 取付孔
2 当て板
20 ピン
22,23
220,230 上端面
5 嵌着体
50 嵌着孔
Claims (4)
- 溝間隔をおいて櫛歯を配列した櫛であって、櫛歯間の溝底深さを長短の二段の深さとして段違いの交互に配置した二段分け用櫛において、
櫛歯を備えた櫛本体と、櫛本体に取り付けて櫛歯間の溝底深さを長短の二段にできるよう凸部を断続的に突設して成る当て板とから成したことを特徴とする二段分け用櫛。 - 溝間隔をおいて櫛歯を配列した櫛であって、櫛歯間の溝底深さを長短の二段の深さとして段違いの交互に配置した二段分け用櫛において、
櫛歯溝底の長短段違いの二段の巾を調整する可変手段を備えたことを特徴とする二段分け用櫛。 - 櫛本体に取り付けて櫛歯間の溝底深さを長短の二段にできるよう凸部を、当て板の長手方向の上下両端に、凸部の巾を異にして形成した請求項2の二段分け用櫛。
- 同一の溝底深さを有する櫛歯を備えた櫛本体と、櫛歯に嵌着してその歯の両側の溝間隔を閉塞する嵌着体とから成る請求項2の二段分け用櫛。
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JP33828395A JP3672649B2 (ja) | 1995-12-01 | 1995-12-01 | 二段分け用櫛 |
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Family Applications (1)
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JP33828395A Expired - Fee Related JP3672649B2 (ja) | 1995-12-01 | 1995-12-01 | 二段分け用櫛 |
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-
1995
- 1995-12-01 JP JP33828395A patent/JP3672649B2/ja not_active Expired - Fee Related
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