JP3671426B2 - 信号処理システムとその方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は磁気記憶装置の再生信号波形を等化し、記録データの識別を行うのに好適な信号処理システムとその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の再生等化器について説明する。
ディジタルVTR等のディジタル磁気記録再生装置においては、ディジタル形式の記録データは一度アナログ形式の記録信号に変換され、磁気ヘッドにより磁気記録媒体上に記憶される。
記録データの再生の際には、磁気記録媒体より磁気ヘッドにより読み出されたアナログ形式の再生信号からディジタル形式の記録データを復元する。
しかし、磁気記録媒体から読み出された再生信号の波形には符号間干渉が生じており、この符号間干渉は記録データの誤り発生の原因となる。
再生信号の波形を整形し、符号間干渉を除去するためには再生等化器が用いられる。
【0003】
再生等化器としては、コイル(L)およびコンデンサ(C)により構成されるアナログフィルター、および、再生信号を単位時間遅延する複数のディレーラインを接続して構成されるトランスバーサルフィルター等の線形等化器(L)が通常用いられる。
線形等化器を通過し、波形整形されたアナログ形式の再生信号は閾値識別器に入力され、所定の閾値と大小が比較されて元のディジタル形式の記録データ(再生データ)に戻される。
【0004】
しかし、再生等化器として線形等化器を使用した場合、線形等化器は再生信号の有効な信号成分と符号間干渉等のノイズ成分とを区別できない。
従って、再生信号を線形等化器の周波数特性によりフィルタリングしてしまい、かえってノイズが強調されてしまうという不具合が生じる。
この不具合を軽減するために、再生等化回路の周波数特性と再生信号のS/N比との適切なトレードオフを図り、最終的に再生するディジタル形式の再生データの誤り率(エラーレート)が最小になるように調整する必要がある。
この不具合を解決する方法としては、以下に述べる方法が従来から知られている。
【0005】
第1の方法は、再生等化器としてビタビ復号器を使用して、アナログ形式の再生信号の持つS/N比を最大限に利用して識別する方法である。
以下に述べる方法は公知の技術であり、例えば「ディジタルビデオ記録技術」(江藤良純、三田誠一、土居信数著、日刊工業新聞社、1990年)p72〜p84等に記載されている。
ビタビ復号器は、予め規定された符号間干渉(ISI)の値によって区別されるn個の状態をmビットの識別値の組合せによって定義し、1ビット分の復号処理が終わるたびにn個の状態を次のn個の状態に更新する。
n個の各状態は、それ以前までの識別値の履歴および尤度を有する。
【0006】
再生信号におけるノイズがガウス分布していると仮定すると、n個の各状態の尤度はノイズが存在しないときの再生信号の値と実際の再生信号の値との差の2乗の総和となる。
可能性のあるすべての前の状態の中で最も尤度が大きくなるものから推移していると判断して、n個の各状態を前の状態から次の状態に更新するとともに、識別値の履歴および尤度も更新する。
【0007】
このように最も尤もらしい状態推移を繰り返していくと、ある段階で数ビット前までの履歴が一つの履歴に統一され、それまでの識別値が確定する。
この方法ではアナログ形式の再生信号の信号電力を最大限有効に利用して識別するので、通常の閾値識別に比べて非常に低いエラーレートが得られる。
【0008】
しかし、ビタビ復号を用いるこの方法は、2乗和を計算する必要があるためにその計算を行う回路が必要となり、回路規模が大きくなる。
また、再生データのデータ速度が速い場合、そのデータ速度のクロックで動作させることが困難であるという大きな問題がある。
よって、多状態のビタビ復号器は再生データのデータ速度が速いディジタルVTRなどでは実用化されていない。
【0009】
ビタビ復号器の最も簡単な適用例として、NRZI方式への適用がある。NRZI方式でディジタル形式の映像信号を記録媒体に記録し、この映像信号を再生し、単位パルスが(1,−1)の値をとるように等化すると状態数は2状態になる。
この方法によれば、2乗和を計算する必要がないので簡単な回路でビタビ復号器を構成することができる。
さらに、パーシャルスポンスクラスIV方式(PRIV)を用いて、記録データを2ビット遅延と(mod2)加算によるプリコーディングしてから記録再生し、単位パルスが(1,0,−1)の値をとるように等化すると、1ビットおきに見ればNRZI方式の信号処理になる。
【0010】
従って、NRZI用の簡単なビタビ復号器を2個並列に用い、データレートの半分の速さで動作させればPRIV方式の信号処理への適用が可能となる。
このビタビ復号器のPRIV方式への適用は、回路規模および動作速度ともに実用的であるので、最近のディジタルVTRにおいて一般的になりつつある。
【0011】
以上述べたビタビ復号器では、ノイズに相関がなくてガウス分布すると仮定すると、理論的には閾値識別に比べて3dBのS/N改善効果がある。
しかし、線形等化器を通すことによってノイズは相関を持ち、また、実際にPRIVの基準通りに等化することは困難なので、上述のビタビ復号器では理論通りの改善効果を実現できないという問題があった。
【0012】
第2の方法は、リニアキャンセラー(LC)、および、ノンリニアキャンセラー(NLC)を用いて、ノイズを強調することなく符号間干渉(ISI)を抑圧する方法である。
つまり、ある時点の前後のビットの仮識別値の組合せによって規定される符号間干渉(ISI)の値を予め設定しておき、これをリニアキャンセラーの出力信号から差し引いてからさらにもう一度識別を行う。
リニアキャンセラー(LC)は線形歪みに対してのみ有効であるのに対し、ノンリニアキャンセラー(NLC)は非線形歪みに対しても有効である。
【0013】
ノンリニアキャンセラー(NLC)を使用した再生等化器の構成方法については種々の方法があるが、等化誤差によって生じる符号間干渉(ISI)の長さを十分に考慮でき、なおかつ回路構成が簡単なものとして、テーブルルックアップ型NLCがある。
テーブルルックアップ型NLCは、予め符号間干渉(ISI)のデータを格納したRAMをルックアップテーブルとし、リニアキャンセラーの出力信号に基づいて閾値識別器によって識別した、ある時点の前後のビットの仮識別値の組合せをアドレスに変換する。
このアドレスを用いて符号間干渉(ISI)の値を読み出し、これを再生信号から差し引いた後、この差を第2の閾値識別器で識別を行う。
【0014】
図19は、再生等化器7の構成の例を示す図である。
以下、図19を参照して再生等化器7の動作を説明する。
磁気記録媒体から読み出したアナログ形式の再生信号を線形等化器11で線形等化し、再生信号X[k]に基づいて第1の2値識別器12で仮識別された仮識別値A[k](A[k]=1,0)は、それぞれが単位時間の遅延を与える遅延要素が2n段従属接続されたディレーライン13を介してルックアップテーブル14のアドレス{A}になる。
【0015】
アドレス{A}は2nビットであり、このアドレスは符号間干渉(ISI)を差し引く前の再生信号X[k]を識別した結果である(2n+1)個の仮識別値A[i](i=k,k−1,...,k−2n)から仮識別値A[k’](ただし、k’=k−n)を除いた2n個の仮識別値A[i]によって決定される。
【0016】
前後nビットずつの仮識別値の組合せによって生じる符号間干渉(ISI)を除去するために、ルックアップテーブル14を構成するRAMは22nの符号間干渉(ISI)データを記憶できる容量を持つ必要がある。
ルックアップテーブル14から読みだされたアドレス{A}の符号間干渉(ISI)データISI{A}を、演算回路16においてn段のディレーライン15の出力X[k’]から差し引いて符号間干渉(ISI)が除去された再生信号Y[k’]を作り、これを第2の2値識別器17で2値識別した識別値A’[k’]を最終的な識別値とする。
【0017】
この再生等化器7では、線形等化器11、2値識別器12、17、ディレーライン13、15の他にはルックアップテーブル14用のRAMを持つだけなので回路構成は非常に簡単であり、また、十分に長い前後のビットを考慮して符号間干渉(ISI)を除去することが可能なノンリニアキャンセラー(NLC)を容易に実現することができる。
【0018】
しかし再生等化器7は、予め符号間干渉(ISI)のデータをルックアップテーブル14に書き込んでおく必要があり、しかも調整すべき符号間干渉(ISI)のデータは前後のビット数nに対して22nの割合で増えていくので、例えば前後5ビットずつを考慮する場合、n=5であるため1024通りの符号間干渉(ISI)データを設定する必要がある。
【0019】
この1024通りの符号間干渉(ISI)データを一つ一つ調整していくには大きな労力が生じる。
よって、ルックアップテーブル14に設定する符号間干渉(ISI)データは、実用上、前後2ビットずつの16通り程度の調整を行うのが限界であり、再生等化器7の回路構成上のメリットを十分に活かした再生等化器7を実現することができない。
この問題を解決するためには、符号間干渉(ISI)のデータを自動的に設定する方法があればよい。
しかし、これまで符号間干渉(ISI)のデータを自動的に設定する方法はなかった。
【0020】
また、再生等化器に含まれるリニアキャンセラー(LC)およびノンリニアキャンセラー(NLC)のいずれにおいても、適切な符号間干渉(ISI)の値を再生信号から差し引くためには仮識別値に含まれるエラーが少ないことが前提条件となる。
しかし、仮識別値にエラーは必然的に含まれているので、実際の条件下においてはノンリニアキャンセラー(NLC)による改善効果が期待通りには得られず、また、エラーが伝播するという問題があった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように再生等化器として線形等化器を使用した場合、かえってノイズが強調されてしまうという不具合が生じる。
この不具合を軽減するためには、最終的に再生するディジタル形式の再生データの誤り率(エラーレート)が最小になるように線形等化器を調整する必要がある。
この解決のために再生等化器にビタビ復号器を使用した場合、線形等化器を通すことによってノイズが相関を持つことになる等の理由により、理論通りの改善効果を実現できないという問題があった。
また、ルックアップ型ノンリニアキャンセラー(NLC)を用いた場合、ルックアップテーブルに用意すべき符号間干渉(ISI)データの調整に要する労力が過大となるという問題があった。
【0022】
本発明は以上述べたような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、テーブルルックアップ型のノンリニアキャンセラー(NLC)において、初期設定も含めて外部からの調整を必要とせず、また、十分に長い前後のビットを考慮でき、また、テープ,ヘッドの特性の変化やばらつきを補償することができる信号処理システムとその方法を提供することを目的とする。
また、仮識別値に含まれるエラーを少なくすることができ、また、仮識別値にエラーが含まれていてもエラーの伝播が少ない信号処理システムとその方法を提供することを別の目的とする。
また、符号間干渉が減少するとともにノイズの相関が減少し、信号電力有効利用を図ることができる信号処理システムとその方法を提供することを更に別の目的とする。
また、簡単な回路構成で実現でき、良好なエラーレートが得られる信号処理システムとその方法を提供することを更に別の目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
以上に述べた課題を解決するため本発明の信号処理システムは、入力された連続的な原信号を線形等化する線形等化手段と、
基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとして記憶するメモリ手段とを有し、該符号間干渉データを用いて前記線形等化手段において前記線形等化された信号に含まれる符号間干渉をキャンセルするノンリニアキャンセル手段と、
該ノンリニアキャンセル手段からの出力データから、前記入力された原信号に対応する時系列ディジタルデータを復号する復号化手段と、
少なくとも前記線形等化された信号を用いて新たな符号間干渉データを生成し、前記復号化されたディジタルデータをアドレスとして前記メモリ手段内の対応する符号間干渉データを前記生成された符号間干渉データを用いて更新する符号間干渉データ更新手段とを具備する。
【0024】
また、入力された連続的な原信号を線形等化する線形等化手段と、基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとして記憶するメモリ手段と、前記線形等化手段で線形等化された信号を2値以上の多値で識別して該メモリ手段に記憶されている符号間干渉データを読み出すアドレスを生成するアドレス生成手段とを有し、前記符号間干渉データを用いて前記線形等化手段において前記線形等化された信号に含まれる符号間干渉をキャンセルするノンリニアキャンセル手段と、該ノンリニアキャンセル手段からの出力データから前記入力された原信号に対応する時系列ディジタルデータを復号する復号化手段と、少なくとも前記線形等化された信号を用いて新たな符号間干渉データを生成し、前記アドレス生成手段で生成されたアドレスで指定される前記メモリ手段内の前記符号間干渉データを用いて更新する符号間干渉データ更新手段とを具備する。
【0025】
また、入力された連続的な原信号を線形等化する線形等化手段と、
基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとして記憶するメモリ手段と、前記線形等化手段で線形等化された信号を2値以上の多値で識別して該メモリ手段に記憶されている符号間干渉データを読み出すアドレスを生成するアドレス生成手段とを有し、前記符号間干渉データを用いて前記線形等化手段において前記線形等化された信号に含まれる符号間干渉をキャンセルするノンリニアキャンセル手段と、該ノンリニアキャンセル手段の出力データから前記入力された原信号に対応する時系列ディジタルデータを復号する復号化手段と、
前記線形等化された信号の変動を監視する監視手段と、
少なくとも前記線形等化された信号を用いて新たな符号間干渉データを生成し、該監視手段において監視した前記線形等化信号の変動が所定値以上の場合は前記ノンリニアキャンセル手段内の前記アドレス生成手段から出力されるアドレスに基づいて、前記監視手段において監視した前記線形等化信号の変動が所定値以下の場合には前記復号化手段の復号化データをアドレスとして、前記メモリ手段に記憶されている前記符号間干渉データを前記生成した符号間干渉データによって更新する符号間干渉データ更新手段とを具備する。
また、前記監視手段は、前記線形等化された信号のエンベロープを監視する
【0026】
また好適には、前記ノンリニアキャンセル手段は、前記線形等化手段の前記線形等化信号を2値式識別する第1の2値識別手段と、該識別値を所定時間遅延して前記メモリ手段のアドレスを生成する第1の遅延手段とを有するアドレス生成手段と、
該アドレス生成手段でアドレスが生成されるまでの遅延時間に対応する時間だけ前記線形等化信号を遅延するタイミング調整手段と、
該タイミング調整手段でタイミング調整された遅延線形等化信号から、前記アドレス生成手段で発生されたアドレスを用いて前記メモリ手段から読み出した前記符号間干渉データを減算する減算手段と、
前記復号手段は該減算手段からの出力データを2値識別して前記入力された原信号に対応する2値識別復号化ディジタルデータを生成する第2の2値識別手段と
を有し、
前記符号間干渉データ更新手段は、前記タイミング調整された遅延線形等化信号と目標値との差に基づいて新たな符号間干渉データを生成し、前記第2の2値識別手段からの2値識別復号化データをアドレスとして、前記生成された符号間干渉データを用いて前記ノンリニアキャンセル手段内の前記メモリ手段内の符号間干渉データを更新する。
【0027】
また、前記ノンリニアキャンセル手段は、前記線形等化手段で線形等化された信号を3値識別する3値識別手段と、該識別値をパーシャルレスポンス・クラスIVの規定にしたがって復号して前記メモリ手段のアドレスを生成するパーシャルレスポンス・クラスIV復号手段とで構成されるアドレス生成手段と、
該アドレス生成手段において、アドレスが生成されるまでの遅延時間に対応する時間だけ前記線形等化信号を遅延するタイミング調整手段と、
該タイミング調整手段でタイミング調整された遅延線形等化信号から、前記アドレス生成手段で生成されたアドレスを用いて前記メモリ手段から読み出した符号間干渉データを減算する減算手段と
を有し、
前記復号手段は、前記減算手段からの出力データを3値識別する第2の3値識別手段と、該識別データをパーシャルレスポンス・クラスIVの規定に従って復号して前記ディジタル復号化データを生成する第2のパーシャルレスポンス・クラスIV復号手段と
を有し、
前記符号間干渉データ更新手段は、前記タイミング調整された遅延線形等化信号と前記第2の3値識別手段からの3値識別値との差に基づいて新たな符号間干渉データを生成し、前記パーシャルレスポンス・クラスIV復号手段からのディジタル復号化データをアドレスとして、前記生成された符号間干渉データを用いて前記ノンリニアキャンセル手段内のメモリ手段内の前記符号間干渉データを更新する。
【0028】
また、ノンリニアキャンセル手段は、前記時系列の線形等化信号の推移から最も確からしい第1のディジタル信号およびその状態を決定する第1の復号手段と、
該復号されたデータとその状態に基づいて前記メモリ手段のアドレスを生成するアドレス発生手段とで構成されるアドレス生成手段と、
該アドレス生成手段でアドレスが生成されるまでの遅延時間に対応する時間だけ前記線形等化信号を遅延するタイミング調整手段と、
該タイミング調整手段でタイミング調整された遅延線形等化信号から、前記アドレス生成手段で発生されたアドレスを用いて前記メモリ手段から読み出した符号間干渉データを減算する減算手段と
を有し、
前記復号化手段は該減算結果の推移から最も確からしい第2のディジタル信号およびその第2の状態を決定して前記入力された原信号に対応する前記ディジタル復号化データを生成する第2の復号手段を有し、
前記符号間干渉データ更新手段は、前記タイミング調整された遅延線形等化信号と前記第2の復号手段から出力される前記復号状態との差に基づいて新たな符号間干渉データを生成し、前記第2の復号手段からのディジタル復号化データをアドレスとして、前記生成された符号間干渉データを用いて前記ノンリニアキャンセル手段内の符号間干渉データを更新する。
【0029】
また好適には、前記タイミング調整手段は、前記線形等化信号を(n+m)単位時間だけ遅延する遅延回路を有し、
前記ノンリニアキャンセル手段内のメモリ手段および前記符号間干渉データ更新手段は、読み出しおよび書き込みが可能なメモリ手段およびプログラム演算手段から構成され、
前記アドレス発生手段は、(2n+2)ビットのアドレスを生成し、
該読み出しおよび書き込みが可能なメモリ手段が前記ノンリニアキャンセル手段内の基準符号間干渉データを記憶している前記メモリ手段および前記符号間干渉データ更新手段の一時記憶手段として機能し、
前記プログラム演算手段は、当該信号処理システムの初期段階において、前記読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段内の符号間干渉データおよび仮の符号間干渉データを初期化し、
前記復号手段としての2値識別回路において前記復号化2値識別データが生成されるたびに、該復号化2値識別データをアドレスとして、それぞれのアドレスについて、前記遅延線形等化信号と目標値との差を算出し、該算出値を前記仮の符号間干渉データに加算して該仮の符号間干渉データを更新し、
当該アドレスについて、所定回数だけ前記仮の符号間干渉データを更新した後、前記符号間干渉データを第1の係数で除算した値との和を新たな符号間干渉データとして、前記読み出しおよび書き込みが可能なメモリ手段の前記アドレスで規定される記憶部分に記憶する。
【0030】
また好適には、全てのアドレスについて前記符号間干渉データが更新された後、前記ノンリニアキャンセル手段を有効化して、当該信号処理システムを動作させる。
また、当該記号を動作させた後、前記復号手段としての2値識別回路において、前記復号化2値識別データが生成されるたびに前記遅延線形等化信号と目標値との差を算出し、該復号化2値識別データをアドレスとして、それぞれのアドレスについて該算出された値を前記読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段に記憶されている仮の符号間干渉データに加算して該仮の符号間干渉データを更新し、
当該アドレスについて、所定回数だけ前記仮の符号間干渉データを更新した後、前記符号間干渉データを第3の係数で除算した値と、前記仮の符号間干渉データを第4の係数で除算した値との和を新たな符号間干渉データとして、前記読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段内の前記アドレスで規定される記憶部分を更新する。
また、前記ノンリニアキャンセル手段内のメモリ手段および前記符号間干渉データ更新手段は、奇数アドレスで指定される符号間干渉データと偶数アドレスで指定される符号間干渉データとを記憶する、読み出しおよび書き込み可能で並列動作可能な第1および第2のメモリ手段、および、プログラム演算手段で構成され、
該第1および第2の読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段がそれぞれ、前記ノンリニアキャンセル手段内の符号間干渉データを記憶している前記メモリ手段、および、前記符号間干渉データ更新手段として機能し、
前記プログラム演算手段は、当該信号処理システムの初期段階において、前記第1および第2の読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段内の符号間干渉データおよび対応する仮の符号間干渉データを初期化し、
前記復号手段としての前記2値識別回路において、前記復号化2値識別で得えたが生成されるたびに、該復号化2値識別データが生成されるたびに、該復号化2値データをアドレスとして、それぞれのアドレスについて、該アドレスが奇数の場合は前記第1の読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段について、該アドレスが偶数の場合は前記第2の読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段について、前記遅延線形等化信号と目標値との差を算出して前記仮の符号間干渉データに加算して該仮の符号間干渉データを更新し、
当該アドレスについて、所定回数だけ前記仮の符号間干渉データを更新した後、前記符号間干渉データを第1の係数で除算した値と、前記仮の符号間干渉データを第2の係数で除算した値との和を新たな符号間干渉データとして、前記対応する読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段内の前記アドレスで規定される記憶部分に記憶する。
また、全てのアドレスについて前記符号間干渉データが更新された後、前記ノンリニアキャンセル手段を有効化して、当該信号処理システムを動作させ、前記ノンリニアキャンセル手段は、前記アドレスについて前記第1および第2の読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段から対応する1対の符号間干渉データを読み出し、該読み出した符号間干渉データを平均した符号間干渉データを用いて前記線形等化信号に含まれる符号間干渉をキャンセルする。
また、当該信号処理システムを動作させた後、前記復号手段としての前記2値識別回路において前記復号化2値識別データが生成されるたびに、該復号化2値識別データをアドレスとして、それぞれのアドレスについて、該アドレスが奇数の場合は前記第1の読み出しおよび書き込みメモリ手段に、前記アドレスが偶数の場合は前記第2の読み出しおよび書き込みメモリ手段に対して、前記遅延線形等化信号と前記目標値との差を算出して前記仮の符号間干渉データに加算して該仮の符号間干渉データを更新し、
当該アドレスについて、所定回数だけ前記仮の符号間干渉データを更新した後、前記符号間干渉データを第3の係数で除算した値と、前記仮の符号間干渉データを第4の係数で除算した値との和を新たな符号間干渉データとして、前記アドレスが奇数か偶数かに応じて前記第1または第2の読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段に対して、前記読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段内の前記アドレスで規定される記憶部分を更新する。
【0031】
また、入力された連続的な原信号を線形等化する線形等化手段と、
基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとして記憶しているメモリ手段、および、前記線形等化手段で線形等化された信号の推移から最も確からしい第1のディジタル信号およびその状態を決定する第1の復号手段を有し、該メモリ手段に記憶されている符号間干渉データを読み出すアドレスを生成する手段を有し、前記符号間干渉データを用いて前記線形等化手段において線形等化された信号に含まれている符号間干渉をキャンセルするノンリニアキャンセル手段と、
該ノンリニアキャンセル手段の出力データの時間的推移から最も確からしい第2のディジタル信号およびその第2の状態を決定し、該第2のディジタル信号を再生識別信号として出力する第2の復号手段とを具備する。
【0032】
また好適には、少なくとも前記第2の復号手段はビタビ復号手段であり、
少なくとも前記線形等化信号を用いて新たな符号間干渉データを生成し、前記復号化されたディジタルデータをアドレスとして前記メモリ手段の対応する符号間干渉データを前記生成された符号間干渉データによって更新する符号間干渉データ更新手段をさらに具備し、
該符号間干渉データ更新手段は、前記線形等化信号と前記第2のビタビ復号手段からのディジタル復号化データをアドレスとして、該生成された符号間干渉データを用いて前記ノンリニアキャンセル手段内のメモリ手段の符号間干渉データを更新する。
また、前記ノンリニアキャンセル手段および前記第2のビタビ復号手段は、それぞれが、
アドレス発生手段と、
前記符号間干渉データを記憶しているメモリ手段と、
前記アドレスが生成されるまでの時間だけ前記線形等化信号を遅延させるタイミング調整手段と、
該タイミング調整手段から出力される遅延線形等化信号から、前記メモリ手段から読み出された符号間干渉データを減算する減算手段と、
該減算手段の出力値をビタビ復号するビタビ復号手段と
を有する複数の単位回路手段で構成され、
初段の単位回路手段内の前記アドレス手段は前記第1のビタビ復号手段の出力データを用いて前記アドレスを発生し、
ある段の単位回路手段内の前記ビタビ復号手段の出力データが次段の単位回路手段内の前記アドレス発生手段の入力データとして印加され、
ある段の単位回路手段内の前記タイミング調整手段の出力データが次段の単位回路内の前記タイミング調整手段の入力データとして印加され、
最終段の単位回路手段内の前記ビタビ復号手段が前記第2のビタビ復号手段として機能し、
前記前記符号間干渉データ更新手段が前記複数の単位回路手段内のメモリ手段に記憶されている符号間干渉データを更新する。
【0033】
また好適には、前記線形等化手段の前段に前記入力された連続的な原信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換手段を設け、
前記線形等化手段は該ディジタル変換された原信号を線形等化するトランスバーサルフィルタを有し、
前記ノンリニアキャンセル手段はディジタル信号回路で構成される。
また、前記入力された原信号は動的に読み出しが行われる記録媒体に記録された映像信号を読み出した信号であり、
前記記録媒体はビデオ記録再生装置に用いる磁気記録媒体または光学式記録媒体であり、
前記原信号は前記記録媒体から読み出されたビデオ信号である。
【0034】
また本発明の信号処理方法は、基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとしてメモリ手段に記録する段階、
入力された連続的な原信号を線形等化する段階、
前記符号間干渉データを用いて前記線形等化された信号に含まれる符号間干渉をキャンセルする段階、
該符号間干渉がキャンセルされたデータから、前記入力された原信号に対応する時系列ディジタルデータを復号する段階、
少なくとも前記線形等化された信号を用いて新たな符号間干渉データを生成する段階、および、
前記復号化されたディジタルデータをアドレスとして前記メモリ手段内の対応する符号間干渉データを前記生成された符号間干渉データを用いて更新する段階を具備する。
【0035】
また、基準原信号をディジタル信号に変換した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとしてメモリ手段に記録する段階、 入力された連続的な原信号を線形等化する段階、
該線形等化された信号を2値以上の多値で識別して前記メモリ手段に記憶されている符号間干渉データを読み出すアドレスを生成する段階、
前記符号間干渉データを用いて前記線形等化された信号に含まれる符号間干渉をキャンセルする段階、
該キャンセルされたデータから前記入力された原信号に対応する時系列ディジタルデータを復号する段階、
少なくとも前記線形等化された信号を用いて新たな符号間干渉データを生成する段階、および、
前記生成されたアドレスで指定される前記メモリ手段内の前記符号間干渉データを前記生成された符号間干渉データを用いて更新する段階を具備する。
【0036】
また、基準原信号をディジタル信号に変換した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとしてメモリ手段に記録する段階、 入力された連続的な原信号を線形等化する段階、
該線形等化された信号を2値以上の多値で識別し該メモリ手段に記憶されている符号間干渉データを読み出すアドレスを生成する段階、
前記該符号間干渉データを用いて前記線形等化された信号に含まれている符号間干渉をキャンセルする段階、
該キャンセルされたデータから前記入力された原信号に対応する時系列ディジタルデータを復号する段階、
前記線形等化された信号の変動を監視する段階、
少なくとも前記線形等化信号を用いて新たな符号間干渉データを生成する段階、および、
前記監視した前記線形等化信号の変動が所定値以上の場合は前記生成されたアドレスに用いて、前記監視した前記線形等化信号の変動が所定値以下の場合は前記符号化データをアドレスとして、前記メモリ手段に記憶されている前記符号間干渉データを前記生成した符号間干渉データによって更新する段階を具備する。
【0037】
また好適には、前記監視は前記線形等化された信号のエンべロープを監視する。
また好適には、前記アドレス生成段階は、前記線形等化信号を2値識別する第1の2値識別段階、および、該識別値を所定時間遅延して前記メモリ手段のアドレスを生成する第1の遅延段階を有し、
該アドレスが生成されるまでの遅延時間に対応する時間だけ前記線形等化信号を遅延するタイミング調整段階をさらに具備し、
前記キャンセル段階は、該タイミング調整された遅延線形等化信号から、前記生成されたアドレスを用いて前記メモリ手段から読み出した前記符号間干渉データを減算する減算段階を有し、
前記復号段階は該減算された値を2値識別して前記入力された原信号に対応する2値識別復号化ディジタルデータを生成する第2の2値識別段階を有し、
前記符号間干渉データ更新手段は、前記タイミング調整された遅延線形等化信号と目標値との差に基づいて新たな符号間干渉データを生成する段階、および、前記第2の2値識別復号化データをアドレスとして、前記生成された符号間干渉データを用いて前記メモリ手段内の符号間干渉データを更新する段階を有する。また好適には、前記キャンセル段階は、前記線形等化された信号を3値識別する第1の3値識別段階、および、該識別値をパーシャルレスポンス・クラスIVの規定に従って復号して前記メモリ手段のアドレスを生成するパーシャルレスポンス・クラスIV・復号段階を有し、
該アドレスが生成されるまでの遅延時間に対応する時間だけ前記線形等化信号を遅延するタイミング調整段階をさらに有し、
前記キャンセル段階は、該タイミング調整された遅延線形等化信号から、前記生成アドレスを用いて前記メモリ手段から読み出した符号間干渉データを減算する減算段階を有し、
前記復号段階は、前記減算された値を3値識別する第2の3値識別段階、および、該識別データをパーシャルレスポンス・クラスIVの規定に従って復号して前記ディジタル復号化データを生成する第2のパーシャルレスポンス・クラスIV・復号段階を有し、
前記符号間干渉データ更新段階は、前記タイミング調整された遅延線形等化信号と前記第2の3値識別値との差に基づいて新たな符号間干渉データを生成する段階、および、前記第2のパーシャルレスポンス・クラスIV復号により生成されたディジタル復号化データをアドレスとして前記生成された符号間干渉データを用いて前記メモリ手段内の前記符号間干渉データを更新する段階を有する。
【0038】
また好適には、前記アドレスを生成する段階は、前記時系列の線形等化信号の推移から最も確からしい第1のディジタル信号および状態を決定する第1の復号段階、および、該復号されたデータとその状態に基づいて前記アドレスを生成するアドレス生成段階を有し、
該アドレスが生成されるまでの遅延時間に対応する時間だけ前記線形等化信号を遅延するタイミング調整段階をさらに有し、
前記キャンセル段階は、該タイミング調整された遅延線形等化信号から、前記生成されたアドレスを用いて前記メモリ手段から読み出した符号間干渉データを減算する減算段階を有し、
前記復号段階は、前記減算結果の推移から最も確からしい第2のディジタル信号および第2の状態を決定して前記入力された原信号に対応する前記ディジタル復号化データを生成する第2の復号段階を有し、
前記符号間干渉データ更新段階は、前記タイミング調整された遅延線形等化信号と前記第2の3値識別値との差に基づいて新たな符号間干渉データを生成する段階、および、前記第2の復号段階において復号された前記ディジタル復号をアドレスとして前記生成された符号間干渉データを用いて前記メモリ手段内の符号間干渉データを更新する段階を有する。
【0039】
また好適には、前記符号間干渉データ更新段階は、
初期段階において、前記符号間干渉データおよび仮の符号間干渉データを初期化する段階、
前記復号化データが生成されるたびに、該復号化データを前記メモリ手段のアドレスとして、それぞれのアドレスについて、前記遅延線形等化信号と目標値との差を算出し、該算出値を前記仮の符号間干渉データに加算して該仮の符号間干渉データを更新する段階、
当該アドレスについて、所定回数だけ前記仮の符号間干渉データを更新した後、前記符号間干渉データを第1の係数で除算した値と、前記仮の符号間干渉データを第2の係数で除算した値との和を新たな符号間干渉データとして、前記メモリ手段内の前記アドレスで規定される記憶部分に記憶する段階を有する。
【0040】
また好適には、全てのアドレスについて前記符号間干渉データが更新された後、当該信号処理方法を実質的に動作させる段階をさらに具備する。
また、当該信号処理方法を動作させた後、前記復号化データが生成されるたびに、前記線形等化信号と目標値の差を算出する段階、
前記復号化2値識別データをアドレスとして、それぞれのアドレスについて、該算出された値を前記メモリ手段に記憶されている仮の符号間干渉データに加算して該仮の符号間干渉データを更新する段階、
当該アドレスについて、所定回数だけ前記仮の符号間干渉データを更新した後、前記符号間干渉データを第3の係数で除算した値と、前記仮の符号間干渉データを第4の係数で除算した値との和を新たな符号間干渉データとして、前記メモリ手段内の前記アドレスで規定される記憶部分を更新する段階をさらに具備する。
また、基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとしてメモリ手段に記憶する段階、
入力された連続的な原信号を線形等化する段階、
該線形等化された信号の推移から最も確からしい第1のディジタル信号およびその状態を決定する第1の復号段階、
前記第1の復号化データから前記メモリ手段に記憶されている符号間干渉データを読み出すアドレスを生成する段階、
前記符号間干渉データを用いて前記線形等化手段において線形等化された信号に含まれている符号間干渉をキャンセルする段階、
該キャンセルされたデータの時間的推移から最も確からしい第2のディジタル信号およびその第2の状態を決定し、該第2のディジタル信号を再生識別信号として出力する第2の復号段階を具備する。
また、少なくとも前記第2の復号段階はビタビ復号を行い、
少なくとも前記線形等化信号を用いて新たな符号間干渉データを生成し、前記復号化されたディジタルデータをアドレスとして前記メモリ手段の対応する符号間干渉データを前記生成された符号間干渉データによって更新する符号間干渉データ更新段階をさらに具備し、
該符号間干渉データ更新段階は、前記線形等化信号と前記第2のビタビ復号状態により生成されたディジタル復号化データをアドレスとして、前記生成された符号間干渉データを用いて前記メモリ手段の符号間干渉を更新する。
【0041】
また好適には、前記キャンセル段階および前記第2のビタビ復号段階は、
アドレス発生段階と、
前記アドレスが生成されるまでの時間だけ前記線形等化信号を遅延させるタイミング調整段階と、
該タイミング調整された遅延線形等化信号から、前記発生されたアドレスを用いて前記メモリ手段から読み出された符号間干渉データを減算する減算段階と、
該減算手段の出力値をビタビ復号するビタビ復号段階と
を1単位として複数回、連続的に行い、
前記前記符号間干渉データ更新段階は前記複数の段階における符号間干渉データを更新する。
【0042】
また好適には、前記線形等化段階の前に前記入力された連続的な原信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換段階を具備し、
前記線形等化段階は該ディジタル変換された原信号を線形等化するトランスバーサルフィルタリングを行う。
また、前記入力された原信号は動的に読み出しが行われる記録媒体に記録された映像信号を読み出した信号である。
【0043】
また、入力された連続的なアナログ信号を線形等化し、
該線形等化した信号を、基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット相互間の符号間干渉によって規定される複数の符号間干渉データを用いて前記線形等化信号に含まれる符号間干渉をキャンセルし、
該キャンセルした線形等化信号を前記入力された原信号に対応するディジタルデータに再生し、
前記線形等化信号を用いて新たな符号間干渉データを生成して前記符号間干渉データを更新する。
また好適には、前記符号間干渉データの更新は、それぞれの符号間干渉データについて、
所定回数に到達するまで、前記線形等化信号と目標値との差を累加算し、
所定回数に到達したとき、前記符号間干渉データに第1の係数を乗じ、前記累積値に第2の係数を乗じて、これらの乗算結果を加算し、該加算値を新たな符号間干渉データとする。
【0044】
【作用】
線形等化器の出力信号の値と識別値から符号間干渉(ISI)を計算し、RAMの該当するアドレスの符号間干渉(ISI)を逐次更新するISI計算回路により、初期設定も含めて外部からの調整を一切必要とせず、必要な符号間干渉(ISI)データを自動的に得ることができる。
【0045】
また、PRIV用のビタビ復号器(VD)とノンリニアキャンセラー(NLC)を組み合わせることにより、再生等化器の回路構成を簡単にし、良好なエラーレートを得る。
また、ノンリニアキャンセラー(NLC)の仮識別器としてビタビ復号器(VD)を用い、その識別値をもとにノンリニアキャンセラー(NLC)で符号間干渉(ISI)を除去した後もう一度ビタビ復号器(VD)で識別することにより、さらに良好なエラーレートを得る。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の信号処理システムおよびその方法の第1の実施例について説明する。
図1は本発明の第1の実施例として再生等化器1の構成を示す図である。
この再生等化器1は、図19に示した再生等化器7にISI計算回路18を加えた構成になっている。
このISI計算回路18は、n段の第2のディレーライン15を通った後の線形等化器11の出力X[k’]、および、ノンリニアキャンセラー(NLC)の識別値A’[k’]に基づいて符号間干渉(ISI)データを計算する。
さらに、この符号間干渉(ISI)データをルックアップテーブルを構成する符号間干渉(ISI)データを記憶するRAMに書き込む機能を有する。
再生等化器1の各部分は、再生等化器7について同一符号を付した各部分に同じである。
【0047】
線形等化器11は、アナログフィルタ等で構成され、入力信号としてのアナログ形式の再生信号の波形整形を行う。
第1の2値識別器12は、線形等化器11における線形等化後のアナログ形式の再生信号X [k] を入力信号とし、この再生信号X [k] を1または0の2値に仮識別する仮識別器として機能する。
2n段のディレーライン13は、第1の2値識別器12から出力される仮識別値A [k] からルックアップテーブル14用のアドレス{A}を生成するために仮識別値A [k] を遅延する。
【0048】
ルックアップテーブル14は、RAMおよびその周辺回路から構成され、符号間干渉(ISI)データを記憶する。
n段のディレーライン15は、線形等化器11の出力を遅延させ、演算回路16に対して入力する。
演算回路16は、n段のディレーライン15の出力からルックアップテーブル14の出力を減算する。
第2の2値識別器17は、演算回路16の出力を識別し、最終的な識別値を出力する。
ISI計算回路18は、符号間干渉(ISI)データを計算してルックアップテーブル14のRAMに書き込む。
【0049】
以下、X[k]と記す信号は線形等化後の再生信号を示す。
A[k]と記す信号は線形等化後の再生アナログ信号について2値識別を行った仮識別値を示す。
ISI[k]と記す信号は、ある時点kの 前後のビットの組み合わせからなるルックアップテーブル14から読み出された符号間干渉(ISI)データを示す。
Y[k’]と記す信号は符号間干渉を除去した再生信号を示す。
A’[k]と記す信号はノンリニアキャンセル識別値を示す。
X [k’] は、線形等化後の再生信号X [k] をディレイライン15で遅延させた後の再生信号を示す。
また、kはディレイライン15を通る前のある時点、k’はディレイライン15を通った後のある時点を示し、k’=k−nの関係にある。
【0050】
図2は、ISI計算回路18の構成を示す図である。
図2において、RAM180は、仮符号間干渉の値LISI{A’}と仮アドレス{A’}の発生回数N{A’}等を記憶するRAMである。
ROM181は、CPU182で実行される符号間干渉(ISI)算出等に使用される計算プログラムを記憶している。
CPU182は、ROM181に記憶された計算プログラムに基づいて実際に符号間干渉(ISI)の計算を行なうCPUである。
【0051】
以下、再生等化器1の動作、特にCPU182の動作について説明する。
まず、ISI計算回路18における、符号間干渉(ISI)データの計算方法を説明する。
最初に、RAM180のすべての符号間干渉(ISI)データISI{A’}および、仮符号間干渉(ISI)データLISI{A’}、アドレス{A’}の発生回数N{A’}を0に(クリア)して初期化処理を行う。
つまり、次式で示す処理を行い、全ての符号間干渉(ISI)データISI{A’}、仮符号間干渉(ISI)データLISI{A’}、およびアドレス{A’}の発生回数N{A’}のRAM180上の記憶領域を初期化(0に)する。
【0052】
【数1】
ISI{A’} ←0
LISI{A’} ←0
N{A’} ←0 ・・・(1)
【0053】
ここで、2値識別器17で識別した識別値A’[k’−n]を除く2n個の識別値A’[j]{j=k’,k’−1,...,k’−2n}によって決定されるアドレスをアドレス{A’}と記し、2値識別器12で識別した仮識別値A[k’]を除く2n個の仮識別値A[i]{i=k,k−1,...,k−2n}によって決定されるアドレス{A}と区別する。
【0054】
説明上、線形等化器11の再生信号X[k]の振幅は、±1に規格化されたものとして取扱い、この再生信号X[k]について0を閾値にして2値(1,0)に識別する。
このとき、識別値A’[k]=1に目標値B’[k]=1を、識別値A’[k]=0に目標値B’[k]=−1を対応させると、目標値B’ [k] =±1が線形等化器11の再生信号X[k]の目標値になるので、(X[k]−B’[k])がある時点kの符号間干渉(ISI)データになる。
【0055】
次に、再生信号X[k’−n]と目標値B’[k’−n]の差をある時点の符号間干渉(ISI)データとして、該当するアドレスの仮符号間干渉データLISI{A’}に加え、アドレス{A’}の発生回数N{A’}を1増やす。
つまり、次式の処理を行い、この処理結果によりRAM180の記憶内容を変更する。
【0056】
【数2】
Figure 0003671426
【0057】
次に、あるアドレス{A’}の仮符号間干渉(ISI)が予め設定された回数Mだけ加えられた場合、仮符号間干渉(ISI)を各アドレスの加算回数Mで除算して仮符号間干渉(ISI)の平均値を計算する。
この除算結果とRAM180の符号間干渉(ISI)とを加えてその平均を算出し、この算出結果を新たにRAM180に書き込むとともに、アドレス{A’}の発生回数N{A’}を0にする。
つまり、次式の処理を行い、この処理結果によりRAM180の記憶内容を変更する。
【0058】
【数3】
ISI{A’}←(ISI{A’}+LISI{A’}/M)/2
N{A’}←0 ・・・(3)
【0059】
ここでは仮符号間干渉(ISI)の平均値とRAMの符号間干渉(ISI)データを同じ比率0.5 :0.5で加えて平均を計算しているが、この比率は(α :1−α)(0<α<1)であれば任意のものでよい。
しかし、RAM180の動作速度が遅い等の理由により、1クロックの周期の間に符号間干渉(ISI)データの読み出しと書き込みが不可能な場合がある。
このような場合には、VTR装置のヘッド(図示せず)とテープ(図示せず)が接触し、再生等化器1に対する入力信号が存在する期間は仮符号間干渉の値LISI{A’}とアドレス{A’}の発生回数N{A’}をRAM180に更新するのみとし、ヘッドとテープが接触していない間に符号間干渉データISI{A’}を更新する処理を行ってRAM180の内容を更新すればよい。
【0060】
上述したCPU182における符号間干渉(ISI)データの算出処理をフローチャートを参照して説明する。
図3は、第1の実施例における符号間干渉(ISI)データの算出処理を示すフローチャートである。
【0061】
図3において、
ステップ01(S01)において、CPU182は、アドレスA’の値を0クリアする。
ステップ02(S02)において、RAM180のすべての符号間干渉(ISI)データISI{A’}、仮符号間干渉(ISI)データLISI{A’}、および、アドレス{A’}の発生回数N{A’}を0に(クリア)する。つまり、式1に示した処理を行う。
ステップ03(S03)において、CPU182はアドレスA’の値に1を加算する。
ステップ04(S04)において、CPU182はアドレスA’の値を判断する。
アドレスA’が所定の値以上である場合には初期化処理を終了してS05の処理に進み、所定の値以下である場合にはS02の処理に進む。
【0062】
ステップ05(S05)において、CPU182は新たなノンリニアキャンセラ識別値A’ [k] が得られたか否かを判断する。
得られた場合S06の処理に進み、得られなかった場合S05の処理に留まる。
ステップ06(S06)において、CPU182は、再生信号X[k’−n]と目標値B’[k’−n]の差をある瞬間の符号間干渉(ISI)データとして、該当するアドレスの仮符号間干渉データLISI{A’}に加え、アドレス{A’}の発生回数N{A’}を1増やす。
つまり、式2に示した処理を行う。
ステップ07(S07)において、CPU182は、アドレス{A’}の発生回数N{A’}が所定の回数Mを超えたか否かを判断する。
超えた場合S08の処理に進み、超えない場合S05の処理に進む。
ステップ08(S08)において、CPU182は次式の処理を行い、アドレス{A’}の発生回数N{A’}を0にする。
【0063】
【数4】
Figure 0003671426
【0064】
ステップ09(S09)において、式4で得られた新たな符号間干渉(ISI)データISI{A’}をRAM180に記憶する。
【0065】
以上述べたような非常に簡単な計算で、必要な符号間干渉(ISI)データを自動的に生成することができる。
なお、最初はすべての符号間干渉(ISI)データは0になっているので、初期段階においては線形等化器11による仮識別値A[k]と同じものが識別値A’[k]に出力される。
したがって、何回か符号間干渉(ISI)データの更新を行なうまでは再生等化器1の効果を得ることはできない。
【0066】
また、線形等化器11による仮識別値に多くの誤りが含まれているような場合もある。
このような場合には適切な符号間干渉(ISI)データをルックアップテーブル14から読み出して符号間干渉を除去することができない。
従って、再生等化器1適切動作させるためには、ある程度以上に良好な調整がなされた線形等化器11を用いることが必要とされる。
しかしながら、ある程度以上に良好な調整がなされた線形等化器11を用いることが必要となることは、本発明の再生等化器1に新たに発生した欠点とはいえない。
むしろ、符号間干渉(ISI)データを予め演算等により求め、求められた符号間干渉(ISI)データを初期設定する必要がないというメリットのほうが大きい。
言うまでもないが、すでに以前の符号間干渉(ISI)データがあるときは、符号間干渉データISI{A’}の初期値にはそれを使えばよい。
ただしこの場合、図3中に示すS01の処理のような符号間干渉データISI{A’}の初期化は行わない。
【0067】
ISI計算回路18により以上に述べたような方法で得られた符号間干渉(ISI)データは、再生等化器1において、再生等化器7で説明したのと同様な方法で、再生信号の識別に使用される。
つまり、磁気記録媒体から読み出したアナログ形式の再生信号を線形等化器11で線形等化する。
線形等化器11から出力された再生信号X[k]に基づいて、2値識別器12で仮識別された仮識別値A[k](A[k]=1,0)は、それぞれが単位時間の遅延を与える遅延要素が2n段従属接続されたディレーライン13を介してルックアップテーブル14のアドレス{A}になる。
【0068】
アドレス{A}は2nビットであり、このアドレス{A}は符号間干渉(ISI)データを差し引く前の再生信号X[k]を識別した結果である、(2n+1)個の仮識別値A[i](i=k,k−1,...,k−2n)から仮識別値A[k’](ただし、k’=k−n)を除いた2n個の仮識別値A[i]によって決定される。
【0069】
ルックアップテーブル14から読みだされたアドレス{A}の符号間干渉(ISI)データISI{A}を、演算回路16においてn段のディレーライン15の出力X[k’]から差し引いて符号間干渉(ISI)が除去された再生信号Y[k’]を作る。
この再生信号Y[k’]を第2の2値識別器17で2値識別し、この2値識別結果を最終的な識別値A’[k’]とする。
【0070】
以下、本発明の信号処理システムおよびその方法の第2の実施例について説明する。
第1の実施例において説明したISI計算回路18による符号間干渉(ISI)データの生成方法を符号間干渉(ISI)データ生成の基本方法とする。
基本方法においては、符号間干渉(ISI)データを差し引いた後の演算回路16の再生信号Y[k’]を2値識別器17で識別した結果の識別値A’[k’]を用いて、ある時点k’の符号間干渉(ISI)データを計算する。
【0071】
さらに、識別値A’[k’−n]を除いた2n個の識別値A’[j](j=k’,k’−1,...,k’−2n)によって2nビットのアドレス{A’}を決定し、このアドレス{A’}を用いて符号間干渉(ISI)データを作成してルックアップテーブル14に書き込む。
【0072】
仮識別値A[k’]を除いた2n個の仮識別値A[i](i=k,k−1,...,k−2n)によって指定される2nビットのアドレス{A}の符号間干渉(ISI)データをRAM180から読み出して線形等化後のアナログ形式の再生信号X[k’]から差し引いている。
以下に説明する第2の実施例における符号間干渉(ISI)データの決定方法は、基本方法の変形例である。
【0073】
図4は、第2の実施例における符号間干渉(ISI)データの決定方法に使用されるISI計算回路18aの構成を示す図である。
ISI計算回路18aにおいては、図2に示したISI計算回路18の構成に加え、RAM184が付加されている。
第2の実施例においては、RAM180とRAM184を交互に使用して符号間干渉(ISI)データを算出する処理が行われる。
つまり、ルックアップテーブル14として22n個の符号間干渉(ISI)データを格納するRAMを2つ用意して2並列にし、符号間干渉(ISI)データ作成の際に該当識別値A’[k’]が1か0かに応じて使い分ける。
CPU182は、識別値A’[k’−n]を含む(2n+1)個の識別値A’[j](j=k’,k’−1,...,k’−2n)によって(2n+1)ビットのアドレス{A’}を決定し、符号間干渉(ISI)データを生成する。
該作成された符号間干渉データは識別値A’[k’]が1の場合にはRAM180に、識別値A’[k’]が0の場合にはRAM184に書き込まれる。
【0074】
識別値A’[k’]を読み出す場合、仮識別値A[k’]を除く仮識別値A[i](i=k,k−1,...,k−2n)で仮識別値A[k’]=1のときのISI{A+}をRAM180から、仮識別値A[k’]=0のときのISI{A−}をRAM184からこれらのデータを同時に読み出し、この二つを平均してから再生信号X[k’]から差し引く。
この方法では回路規模は大きくなるが、符号間干渉(ISI)データの信頼性が向上する。
【0075】
以下、第2の実施例におけるCPU182の処理をフローチャートを参照して説明する。
図5は、第2の実施例における符号間干渉(ISI)データ決定の処理を示すフローチャートである。
図5において、
ステップ11(S11)において、CPU182は、RAM180、184のすべての符号間干渉(ISI)データISI{A+},ISI{A−}、仮符号間干渉(ISI)データLISI{A+},LISI{A−}、および、アドレス{A±}の発生回数N{A+},N{A−}を0クリアして初期化する。
ステップ12(S12)において、CPU182は、新たな識別値A”[k]が得られたか、否かを判断する。
得られた場合S13の処理に進み、得られなかった場合S12の処理に留まる。
ステップ13(S13)において、CPU182は、識別値A”[k]が0か否かを判断する。
識別値A” [k] が0である場合S14の処理に進み、0でない場合S18の処理に進む。
ステップ14(S14)において、CPU182は次式に示す処理を行う。
【0076】
【数5】
Figure 0003671426
【0077】
ステップ15(S15)において、CPU182はアドレス{A−}の発生回数N{A−}が、所定の数値M以上か否かを判断する。
発生回数N{A−}が所定の数値M以上である場合にはS16の処理に進み、所定の数値M未満である場合にはS12の処理に進む。
ステップ16(S16)において、CPU182は次式に示す演算を行う。
【0078】
【数6】
Figure 0003671426
【0079】
ステップ17(S17)において、CPU182はS16の処理により得られた新たな符号間干渉(ISI)データISI{A−}の値をRAM184に記憶
する。
【0080】
ステップ18(S18)において、CPU182は次式に示す演算を行う。
【0081】
【数7】
Figure 0003671426
【0082】
ステップ19(S19)において、CPU182はアドレス{A+}の発生回数N{A+}が、所定の数値M以上か否かを判断する。
発生回数N{A+}が所定の数値M以上である場合にはS16の処理に進み、所定の数値M未満である場合にはS12の処理に進む。
ステップ20(S20)において、CPU182は次式に示す演算を行う。
【0083】
【数8】
Figure 0003671426
【0084】
ステップ21(S21)において、CPU182はS16の処理により得られた新たな符号間干渉(ISI)データISI{A+}をRAM180に記憶する。
【0085】
図6は、第2の実施例におけるRAM180、184から符号間干渉(ISI)データISI{A+},ISI{A−}を読み出す際の処理を示すフローチャートである。
図6において、
ステップ31(S31)において、CPU182はRAM180、184から符号間干渉(ISI)データISI{A+},ISI{A−}を読み出す。
ステップ32(S32)において、CPU182は符号間干渉(ISI)データISI{A+},ISI{A−}の平均値を算出する。
【0086】
以下、本発明の信号処理システムおよびその方法の第3の実施例について説明する。
図7は、第3の実施例の本発明の再生等化器2の構成を示す図である。
再生等化器2の各部分は、再生等化器1の同一符号を付した部分に同じである。
再生等化器1の構成では符号間干渉(ISI)を差し引いた後の演算回路16の再生信号Y[k’]を識別した識別値A’[k’]を用いて符号間干渉(ISI)データを作成している。
これは一般に2値識別器12の識別値A[k]よりも2値識別器17での識別値A’[k’]の方が信頼性が高いからである。
しかし、テープに欠陥が多い場合、あるいは再生信号のエンベロープ変動が大きい場合には、突発的にノンリニアキャンセラー(NLC)の識別結果A’ [k’] の方が信頼性が低くなることがある。
【0087】
このような場合、演算回路16の再生信号Y[k’]を識別した結果から符号間干渉(ISI)データを作成すると、演算回路16の再生信号Y[k’]が不適切な値を示し始めた場合に符号間干渉(ISI)データが収束しなくなってしまうおそれがある。
そこで、再生等化器2においては、符号間干渉(ISI)データの作成に線形等化器11の再生信号X[k]を識別した結果A [k] を用いている。
【0088】
以上述べた再生等化器2については、ISI計算回路18における計算方法について、基本方法と第2の実施例における符号間干渉(ISI)データの決定方法の両方が適用可能である。
同様な考え方から、再生等化器2の構成を再生等化器1と同じとし、再生信号のエンベロープX [k] を常に監視し、このエンベロープが不良になった場合には仮符号間干渉データLISI{A’}の計算を停止してもよい。
つまり、図8に点線で示すように線形等化器11からの再生信号X [k] のエンバロープをモニタ回路30を設けて監視し、モニタ回路30がエンベロープの不良を検出した場合、ISI計算回路18に仮符号間干渉データLISI{A’}の計算を停止させるように構成してもよい。
【0089】
また、2値識別器12の後段のECC回路でエラーレートが悪くなってことを検知して、その間は仮符号間干渉データLISI{A’}の計算を停止してもよい。
また、仮符号間干渉データLISI{A’}の計算を停止する代わりに、再生等化器1と再生等化器2を設け、再生等化器1と再生等化器2を切り替えるように構成してもよい。
または、再生等化器2において破線で示すように、ISI計算回路18に2値識別器12の識別値A[k]の他に2値識別器17の識別値A’[k’]の入力し、これらを選択的に使用するように構成してもよい。
また、エラーレートが劣化し続ける場合には、いったんルックアップテーブル14の符号間干渉(ISI)データをすべてクリアする方法をとるのも有効である。
【0090】
以下、本発明の信号処理システムおよびその方法の第4の実施例について説明する。
以上に述べた各実施例においては、2値識別器12、17を用いて再生信号を(1,0)の値に識別する場合に限って説明した。
第4の実施例においては、再生等化器1および再生等化器2の応用例として、再生等化器1および再生等化器2をPRIV(パーシャルレスポンス クラスIV)に適用する。
【0091】
図9は、第3の実施例の本発明の再生等化器3の構成を示す図である。
ここで説明しない再生等化器3の各部分は、再生等化器1および再生等化器2の同一符号を付した各部分に同じである。
再生等化器3は再生等化器1と類似の構成となっている。
再生等化器1をPRIV方式に適用するためには、以上に述べたような仮識別値B[k]の組合せから(2n+2)ビットのアドレス{A}を発生するようなデコーダーを付加する必要がある。
つまり、再生等化器3は2つの3値識別器21、22と2種類のPRIVデコーダー23、24がある点で、再生等化器1と異なっている。
【0092】
PRIV方式では、記録データを2ビット遅延(mod2)加算によるプリコーディングをしてから記録する。
単位パルスに対する再生信号の応答が(1,0,−1)になるように線形等化器11を用いて等化した再生信号X[k]を、±0.5を閾値として1,0,−1からなる仮識別値B[k]に識別したのち、1と−1を1に、0を0にデコードして仮識別値A[k]とする。
【0093】
第1の実施例または第2の実施例に符号間干渉(ISI)データ計算方法に基づいて、2n+1個の仮識別値B[k]をそのまま用いてアドレスを決定すると、これは3値なので32n+1の組合せがある。
しかしPRIV方式の場合、奇数系列と偶数系列は独立したNRZIであるとみなすことが可能である。よって、2値(1と0)にデコードした後の22n+1の組合せに加えて、奇数系列と偶数系列それぞれのNRZIの状態(1または0の2状態ずつ)を考えればよい。
【0094】
着目しているビットに最も近い奇数個前のビットの非0が(−1)であれば(Aodd=0)とし、1であれば(Aodd=1)とする。同様に着目しているビットに最も近い偶数個前のビットの非0が−1であれば、(Aeven=0)とし、1であれば(Aeven=1)とする。
【0095】
以上に述べた方法により、(2n+1)個の仮識別値によって発生する組合せは22n+3通りであり、仮識別値B[k’]は改めて識別するから無視すると、2n+2ビットのアドレスになる。
図11にn=3の場合を例に、仮識別値B[k]と仮識別値A[k]および(2n+2)ビットのアドレス{A}の関係の例を表形式で示す。
【0096】
図9において、第1の3値識別器21は、線形等化器11の出力を3値に仮識別する。
第2の3値識別器22は、演算回路16の出力を3値に識別する。
ある。
3値識別器21、22は±0.5を閾値として(1,0,−1)の値に識別する。
第1のPRIVデコーダー23は、必要な符号間干渉(ISI)データを読み出すために仮識別値A[k]からアドレス{A}を発生させる。
【0097】
第1のPRIVデコーダー23は、第1の3値識別器21の仮識別値B [k] をPRIVデコードする。
第2のPRIVデコーダー24は、第1の3値識別器22の仮識別値B’[k’]をPRIVデコードし、ISI計算回路18で必要になるアドレス{A’}を発生させるとともに、1と0からなる最終的な識別値A’[k]を得る。
再生等化器3のISI計算回路18は、PRIVデコーダ24による仮識別値をアドレス{A’}とし、ディレイライン15から出力される再生信号X[k’]、および、最も信頼性の高い3値識別器22の識別結果B’ [k] を仮識別値として用いて符号間干渉(ISI)データを算出する。
【0098】
以下、B[k]と記す信号は仮識別値、B’[k]と記す信号はノンリニアキャンセル識別値A’[k]は、PRIVデコード後のノンリニアキャンセル識別値を示す。
なお、再生信号X[k]の目標値としては識別値B’[k]がそのまま用いられる。
このPRIV方式への応用例に関しても、図10に破線で示すように上記基本方法および第2の実施例および第3の実施例で述べた符号間干渉(ISI)データの決定方法の組合せ、つまり3値識別器21の仮識別値B [k] とPRIVデコーダー23のノンリニアキャンセル識別値A’[k]に基づいて符号間干渉(ISI)データを算出することも可能である。
また、PRIV方式以外に応用する場合も、同様なデコーダーを用いて識別値を必要最小限なビット数のアドレスに変換すればよい。
【0099】
実験用ディジタルVTRに511周期のM系列を記録し、等化前のアナログ形式の再生信号を高速でAD変換して計算機に取り込んで、3〜15タップのトランスバーサルフィルターでPRIVの基準に等化し、識別値を記録データと比較したときのエラーレートを図12に示す。
【0100】
図12においてNLCと示したのものが、再生等化器3をPRIV方式に適用した場合の結果である。
連続した再生信号データの数は約20000個で、符号間干渉(ISI)データの初期値はすべて0を入れてM=64で更新している。
この中でエラーレートの改善効果が最も得られているのは7タップのトランスバーサルフィルターにn=3のノンリニアキャンセラーを適用した場合であり、エラーレートが2.38×10-3から2.46×10-4になり、約(1/10)にエラーが減少している。
トランスバーサルフィルターのタップ数が多くなるに従い等化誤差が小さくなるので再生等化器3による改善効果はかえって小さくなるが、n=3のノンリニアキャンセラーを用いることで約(1/4)にエラーが減少している。
【0101】
以下、本発明の信号処理システムおよびその方法の第5の実施例について説明する。
図13は、本発明の再生等化器4の構成を示す図である。
再生等化器4は、NRZI符号用のビタビ復号器25、26を偶数系列用と奇数系列用に2個並列に使用し、これらの仮識別値B[k−m]および仮識別値B’[k’−m]をルックアップテーブル14のアドレス{A}の決定に使用するものである。
図13において、第1のビタビ復号器(VD)25は、線形等化器11の出力信号X[k] に基づいて仮識別し、1,0の2値の仮識別値B[k−m]と各瞬間の該当するNRZI系列の状態を状態β[k] として出力する。
第2のビタビ復号器(VD)26は、符号間干渉(ISI)を差し引かれたあとの再生信号Y[k’]に基づいて、1または0の2値の識別値B’[k’−m]を出力するPRIV用ビタビ復号を行う。
以下、β[k]は、PRIV該当系列の状態、mはビタビ復号器(VD)25で識別結果が確定するまでのビット数を示す。
【0102】
アドレス発生器27は、第1のビタビ復号器25による仮識別値B[i](i=k−m−2n,...,,k−mただし、i≠k−n)の2nビット分の組合せと状態β[ k−m−n−1] ,状態β[k−m−n−2] を、(2n+2)ビットのアドレス{A}としてルックアップテーブル14に与える。
(2n+m)段のディレーライン28は、再生信号X[k] を(m+n)動作周期分遅延させて遅延出力X[k’] を出力する。
ここで説明しない再生等化器4の各部分は、再生等化器1の同一符号を付した部分に相当する。また、図13中に点線で囲った部分を単にNLC10と呼ぶ。
【0103】
以下、再生等化器4の動作について説明する。
第1のビタビ復号器25は、線形等化器(図示せず)の出力信号X[k] を仮識別し、1または0の2値の仮識別値B[k−m]と各瞬間の該当するNRZI系列の状態を状態β[k] として出力する。
【0104】
アドレス発生器27は、第1のビタビ復号器25から出力される仮識別値B[i](i=k−m−2n,...,k−mただし、i≠k−n)の2nビット分の組合せと状態β[ k−m−n−1] ,状態β[k−m−n−2] を、2n+2ビットのアドレス{A}をルックアップテーブル14に出力する。
【0105】
このアドレス{A}を受けたルックアップテーブル14は、対応する符号間干渉(ISI)データISI [k’] を演算回路16に出力する。
(2n+m)段のディレーライン28は再生信号X[k]を(m+n)動作周期分遅延させた遅延信号X[k’]を演算回路16に対して入力する。ここで、(k’=k−n−m)である。
演算回路16は、遅延信号X[k’]から前記符号間干渉(ISI)データISI [k’] を減算して再生信号Y [k’] を算出し、第2のビタビ復号器26に対して入力する。
第2のビタビ復号器26は、遅延信号X[k’]から前記符号間干渉(ISI)データを減算した再生信号Y[k’]に基づいて1または0の2値の識別値B’[k’−m]を出力する。
【0106】
ここで用いたビタビ復号器25、26とアドレス発生器27についてさらに説明する。
第1の実施例〜第4の実施例で述べた各ノンリニアキャンセラー(NLC)をPRIV方式に適用するためにはPRIVデコーダーが必要となる。
しかし、ビタビ復号器25、26の出力はすでにデコードされており、1に識別されたときの符号は偶数系列または奇数系列のNRZIの状態としてビタビ復号器25、26の内部で復号に用いられている。
従って、ビタビ復号器25、26の出力をアドレスの決定に用いることにより回路を簡略化することが可能である。
ビタビ復号器25、26はNRZI符号用のビタビ復号器を偶数系列用と奇数系列用に2個並列に使用し、PRIV用のビタビ復号器としたものである。
ここで状態βという値が用いられているが、これが各系列の状態を表している。通常のビタビ復号器では仮識別値B[k−m]だけを出力し、状態βは内部で用いるだけであるが、本発明におけるビタビ復号器25、26では、kという瞬間の該当するNRZI系列の状態βを状態β[k]として出力している。
【0107】
一方、ある時点kにアドレス{A}として必要なのは、仮識別値B[k−m−n]が確定する直前の各系列の状態である。この直前の各系列の状態は前述したように、仮識別値B[k]が1であった場合に目標値は+1かあるいは−1であるかの情報である。したがって、アドレス発生器27は状態β[k]を(m+n−1)動作周期分遅延させる(m+n−1)段のレジスターと、仮識別値B[k−m]を格納する2n段のレジスターによって構成され、状態β[k−m−n−1],状態β[k−m−n−2]と仮識別値B[i](i=k−m−2n,...,k−mただし、i≠k−n)を組合せてアドレス{A}とする。
【0108】
以下、本発明の信号処理システムおよびその装置の第6の実施例について説明する。
図14は、本発明の再生等化器5の構成を示す図である。
再生等化器5は、再生等化器4に前記ISI計算回路18を加えたものである。
図14において、ISI計算回路18は(2n+m)段のディレーライン28の出力信号X[k’]と第2のビタビ復号器26による識別値B’[k’−m]および状態β[k’]から、内部のディレーによってX[k’−n−m] ,状態β[k’−m−n−1],状態β[k’−m−n−2],識別値B’[i](i=k−m−2n,...,k−m)を作り、これらを用いて符号間干渉(ISI)データを計算して、適時、ルックアップテーブル14の符号間干渉(ISI)データを更新する。
その他の再生等化器5の各部分は、再生等化器4について同一の符号を付した各部分に同じである。
【0109】
図14に示した再生等化器5のような構成とすることにより、符号間干渉(ISI)データをルックアップテーブル14に手動により設定することが不要なビット識別器を実現することができる。
なお、この場合はISI計算回路18の内部でRAMのアドレスを計算する必要があるので、第2のビタビ復号器26からも状態β[k’]を出力している。以上に述べた各実施例で説明したISI計算回路18のいずれもが適用可能である。
つまり、ISI計算回路18は、例えば図15中に破線で示すようにビタビ復号器25の仮識別値B [k] および状態β[k]から符号間干渉データを算出するように構成してもよい。
【0110】
以下、第7の実施例について説明する。
図16は、本発明の再生等化器6の構成を示す図である。
再生等化器6は、第2のビタビ復号器26、アドレス発生器27、(n+m)段のディレーライン28、およびルックアップテーブル14、つまり、ノンリニアキャンセラー(NLC)と第1のビタビ復号器26を組み合わせ単位9とし、それを多段接続したものである。
以下、X[k(j) ]と記す信号は、(n+m)段のディレーライン28をj回通った再生信号、B’[k(N) ]と記す信号は、N段の組み合わせ単位ユニット(NLC+VD)9による識別結果を示す。
【0111】
この組み合わせ単位ユニット9の構成を図17に示す。
図17に示す各部分は、再生等化器5の同一符号を付した各部分に同じである。
再生等化器6においては、線形等化後の再生信号を遅延させたX[k−j(n+m)]とj段目の第2のビタビ復号器26による識別値B’[k−j(n+m)−m]を次の段に渡している。
つまり、再生等化器6は、図16に示すように上記組み合わせ単位ユニットを多段結合して前後に第1のビタビ復号器25とISI計算回路18を配する構成のPRIV用のビット識別器である。
再生等化器6では、より信頼性の高い仮識別値によって符号間干渉(ISI)データを読み出して再生信号から差し引くことで、再生等化器4および再生等化器5よりさらにエラーレートを向上させることができる。
【0112】
また、符号間干渉(ISI)データは最終段のビタビ復号器(VD)の識別値に基づいて作成されるので、再生等化器5よりもデータ自体の信頼性が高くなる。なお、エラーレートの上限は等化後の再生信号のS/Nによって規定されるので、前記組み合わせ単位ユニットの段数を多くとればいくらでもエラーレートが向上するわけではなく、段数を多くしていくと(B’[k−j(n+m)−m]=B’[k−(j+1)(n+m)−m])となって飽和する。
従って、組み合わせ単位ユニットを2〜3段設けることにより充分な効果を得ることできる。
【0113】
図18は、実験用ディジタルVTRに511周期のM系列を記録し、等化前の再生信号を高速でAD変換して計算機に取り込んで、3〜15タップのトランスバーサルフィルターでPRIVの基準に等化し、識別値と記録データを比較した場合のエラーレートを示す図である。
【0114】
連続した再生信号データの数は約20000個であり、この実験用ディジタルVTRの1トラック分に相当する。ノンリニアキャンセラー(NLC)はn=3のものを適用し、符号間干渉(ISI)データの初期値はすべて0を入れて識別が進むにしたがって自動的に更新している。図18でTDと記したものは閾値検出の結果であり、再生等化器5に相当するビット識別器を適用した結果をVD→NLC→VDで示したものである。
この中で最も大きなエラーレートの向上が得られているのは7タップのトランスバーサルフィルターに本発明を適用した場合であり、TDの(1/100)、単体のビタビ復号器(VD)およびノンリニアキャンセラー(NLC)に比べて、約(1/10)にエラーが減少している。
【0115】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、テーブルルックアップ型のノンリニアキャンセラー(NLC)において、初期設定も含めて外部からの調整を必要とせず、また、十分に長い前後のビットを考慮して再生信号の等化処理が可能な信号処理システムを提供することができる。
また、テープ,ヘッドの特性の変化やばらつきを補償することができ、また、仮識別値に含まれるエラーを少なくすることがでる。
また、仮識別値にエラーが含まれていてもエラーの伝播が少なく、また、符号間干渉が減少するとともにノイズの相関が減少し、信号電力有効利用を図ることができ、また、簡単な回路構成で実現でき、良好なエラーレートが得られる信号処理システムとその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の再生等化器の構成を示す図である。
【図2】ISI計算回路の構成を示す図である。
【図3】第1の実施例における符号間干渉(ISI)データの算出処理を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施例における符号間干渉(ISI)データの決定方法に使用されるISI計算回路の構成を示す図である。
【図5】第2の実施例における符号間干渉(ISI)データ決定の処理を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施例におけるRAMから符号間干渉(ISI)データISI{A+},ISI{A−}を読み出す際の処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施例の再生等化器の構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例の再生等化器の変形例を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施例の再生等化器の構成を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施例の再生等化器の変形例を示す図である。
【図11】図9に示した再生等化器において、n=3の場合を例に、仮識別値B[k]、仮識別値A[k]および(2n+2)ビットのアドレス{A}の関係の例を示す図である。
【図12】実験用ディジタルVTRに511周期のM系列を記録し、等化前の再生信号を高速でAD変換して計算機に取り込んで、3〜15タップのトランスバーサルフィルターでPRIVの基準に等化し、識別値を記録データと比較したときのエラーレートを示す図である。
【図13】本発明の第4の実施例の再生等化器の構成を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施例の再生等化器の構成を示す図である。
【図15】本発明の第5の実施例の再生等化器の変形例を示す図である。
【図16】本発明の第6の実施例の再生等化器の構成を示す図である。
【図17】図16に示した再生等化器の組み合わせ単位ユニットの構成を示す図である。
【図18】実験用ディジタルVTRに511周期のM系列を記録し、等化前の再生信号を高速でAD変換して計算機に取り込んで、3〜15タップのトランスバーサルフィルターでPRIVの基準に等化し、識別値と記録データを比較した場合のエラーレートを示す図である。
【図19】再生等化器の構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1〜6・・・再生等化器
9・・・組み合わせ単位ユニット
10・・・NLC
11・・・線形等化器
12・・・第1の2値識別器
13・・・2n段のディレーライン
14・・・ルックアップテーブル
15・・・n段のディレーライン
16・・・演算回路
17・・・第2の2値識別器
18・・・ISI計算回路
21、22・・・3値識別器
23、24・・・PRIVデコーダー
25、26・・・ビタビ復号器
27・・・アドレス発生器
28・・・(2n+m)段のディレーライン
30・・・モニタ回路

Claims (35)

  1. 入力された連続的な原信号を線形等化する線形等化手段と、
    基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとして記憶するメモリ手段とを有し、該符号間干渉データを用いて前記線形等化手段において前記線形等化された信号に含まれる符号間干渉をキャンセルするノンリニアキャンセル手段と、
    該ノンリニアキャンセル手段からの出力データから、前記入力された原信号に対応する時系列ディジタルデータを復号する復号化手段と、
    少なくとも前記線形等化された信号を用いて新たな符号間干渉データを生成し、前記復号化されたディジタルデータをアドレスとして前記メモリ手段内の対応する符号間干渉データを前記生成された符号間干渉データを用いて更新する符号間干渉データ更新手段と
    を具備する信号処理システム。
  2. 入力された連続的な原信号を線形等化する線形等化手段と、
    基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとして記憶するメモリ手段と、
    前記線形等化手段で線形等化された信号を2値以上の多値で識別して該メモリ手段に記憶されている符号間干渉データを読み出すアドレスを生成するアドレス生成手段とを有し、前記符号間干渉データを用いて前記線形等化手段において前記線形等化された信号に含まれる符号間干渉をキャンセルするノンリニアキャンセル手段と、
    該ノンリニアキャンセル手段からの出力データから前記入力された原信号に対応する時系列ディジタルデータを復号する復号化手段と、
    少なくとも前記線形等化された信号を用いて新たな符号間干渉データを生成し、前記アドレス生成手段で生成されたアドレスで指定される前記メモリ手段内の前記符号間干渉データを用いて更新する符号間干渉データ更新手段
    を具備する信号処理システム。
  3. 入力された連続的な原信号を線形等化する線形等化手段と、
    基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとして記憶するメモリ手段と、前記線形等化手段で線形等化された信号を2値以上の多値で識別して該メモリ手段に記憶されている符号間干渉データを読み出すアドレスを生成するアドレス生成手段とを有し、前記符号間干渉データを用いて前記線形等化手段において前記線形等化された信号に含まれる符号間干渉をキャンセルするノンリニアキャンセル手段と、
    該ノンリニアキャンセル手段の出力データから前記入力された原信号に対応する時系列ディジタルデータを復号する復号化手段と、
    前記線形等化された信号の変動を監視する監視手段と、
    少なくとも前記線形等化された信号を用いて新たな符号間干渉データを生成し、該監視手段において監視した前記線形等化信号の変動が所定値以上の場合は前記ノンリニアキャンセル手段内の前記アドレス生成手段から出力されるアドレスに基づいて、前記監視手段において監視した前記線形等化信号の変動が所定値以下の場合には前記復号化手段の復号化データをアドレスとして、前記メモリ手段に記憶されている前記符号間干渉データを前記生成した符号間干渉データによって更新する符号間干渉データ更新手段と
    を具備する信号処理システム。
  4. 前記監視手段は、前記線形等化された信号のエンベロープを監視する
    請求項3に記載の信号処理システム。
  5. 前記ノンリニアキャンセル手段は、前記線形等化手段の前記線形等化信号を2値式識別する第1の2値識別手段と、該識別値を所定時間遅延して前記メモリ手段のアドレスを生成する第1の遅延手段とを有するアドレス生成手段と、
    該アドレス生成手段でアドレスが生成されるまでの遅延時間に対応する時間だけ前記線形等化信号を遅延するタイミング調整手段と、
    該タイミング調整手段でタイミング調整された遅延線形等化信号から、前記アドレス生成手段で発生されたアドレスを用いて前記メモリ手段から読み出した前記符号間干渉データを減算する減算手段と、
    前記復号手段は該減算手段からの出力データを2値識別して前記入力された原信号に対応する2値識別復号化ディジタルデータを生成する第2の2値識別手段と
    を有し、
    前記符号間干渉データ更新手段は、前記タイミング調整された遅延線形等化信号と目標値との差に基づいて新たな符号間干渉データを生成し、前記第2の2値識別手段からの2値識別復号化データをアドレスとして、前記生成された符号間干渉データを用いて前記ノンリニアキャンセル手段内の前記メモリ手段内の符号間干渉データを更新する
    請求項1〜4のいずれかに記載の信号処理システム。
  6. 前記ノンリニアキャンセル手段は、前記線形等化手段で線形等化された信号を3値識別する3値識別手段と、該識別値をパーシャルレスポンス・クラスIVの規定にしたがって復号して前記メモリ手段のアドレスを生成するパーシャルレスポンス・クラスIV復号手段とで構成されるアドレス生成手段と、
    該アドレス生成手段において、アドレスが生成されるまでの遅延時間に対応する時間だけ前記線形等化信号を遅延するタイミング調整手段と、
    該タイミング調整手段でタイミング調整された遅延線形等化信号から、前記アドレス生成手段で生成されたアドレスを用いて前記メモリ手段から読み出した符号間干渉データを減算する減算手段と
    を有し、
    前記復号手段は、前記減算手段からの出力データを3値識別する第2の3値識別手段と、該識別データをパーシャルレスポンス・クラスIVの規定に従って復号して前記ディジタル復号化データを生成する第2のパーシャルレスポンス・クラスIV復号手段と
    を有し、
    前記符号間干渉データ更新手段は、前記タイミング調整された遅延線形等化信号と前記第2の3値識別手段からの3値識別値との差に基づいて新たな符号間干渉データを生成し、前記パーシャルレスポンス・クラスIV復号手段からのディジタル復号化データをアドレスとして、前記生成された符号間干渉データを用いて前記ノンリニアキャンセル手段内のメモリ手段内の前記符号間干渉データを更新する
    請求項1〜4のいずれかに記載の信号処理システム。
  7. ノンリニアキャンセル手段は、前記時系列の線形等化信号の推移から最も確からしい第1のディジタル信号およびその状態を決定する第1の復号手段と、
    該復号されたデータとその状態に基づいて前記メモリ手段のアドレスを生成するアドレス発生手段とで構成されるアドレス生成手段と、
    該アドレス生成手段でアドレスが生成されるまでの遅延時間に対応する時間だけ前記線形等化信号を遅延するタイミング調整手段と、
    該タイミング調整手段でタイミング調整された遅延線形等化信号から、前記アドレス生成手段で発生されたアドレスを用いて前記メモリ手段から読み出した符号間干渉データを減算する減算手段と
    を有し、
    前記復号化手段は該減算結果の推移から最も確からしい第2のディジタル信号およびその第2の状態を決定して前記入力された原信号に対応する前記ディジタル復号化データを生成する第2の復号手段を有し、
    前記符号間干渉データ更新手段は、前記タイミング調整された遅延線形等化信号と前記第2の復号手段から出力される前記復号状態との差に基づいて新たな符号間干渉データを生成し、前記第2の復号手段からのディジタル復号化データをアドレスとして、前記生成された符号間干渉データを用いて前記ノンリニアキャンセル手段内の符号間干渉データを更新する
    請求項1〜4のいずれかに記載の信号処理システム。
  8. 前記タイミング調整手段は、前記線形等化信号を(n+m)単位時間だけ遅延する遅延回路を有し、
    前記ノンリニアキャンセル手段内のメモリ手段および前記符号間干渉データ更新手段は、読み出しおよび書き込みが可能なメモリ手段およびプログラム演算手段から構成され、
    前記アドレス発生手段は、(2n+2)ビットのアドレスを生成し、
    該読み出しおよび書き込みが可能なメモリ手段が前記ノンリニアキャンセル手段内の基準符号間干渉データを記憶している前記メモリ手段および前記符号間干渉データ更新手段の一時記憶手段として機能し、
    前記プログラム演算手段は、当該信号処理システムの初期段階において、前記読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段内の符号間干渉データおよび仮の符号間干渉データを初期化し、
    前記復号手段としての2値識別回路において前記復号化2値識別データが生成されるたびに、該復号化2値識別データをアドレスとして、それぞれのアドレスについて、前記遅延線形等化信号と目標値との差を算出し、該算出値を前記仮の符号間干渉データに加算して該仮の符号間干渉データを更新し、
    当該アドレスについて、所定回数だけ前記仮の符号間干渉データを更新した後、前記符号間干渉データを第1の係数で除算した値との和を新たな符号間干渉データとして、前記読み出しおよび書き込みが可能なメモリ手段の前記アドレスで規定される記憶部分に記憶する
    請求項5〜7のいずれかに記載の信号処理システム。
  9. 全てのアドレスについて前記符号間干渉データが更新された後、前記ノンリニアキャンセル手段を有効化して、当該信号処理システムを動作させる
    請求項8に記載の信号処理システム。
  10. 当該記号を動作させた後、前記復号手段としての2値識別回路において、前記復号化2値識別データが生成されるたびに前記遅延線形等化信号と目標値との差を算出し、該復号化2値識別データをアドレスとして、それぞれのアドレスについて該算出された値を前記読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段に記憶されている仮の符号間干渉データに加算して該仮の符号間干渉データを更新し、
    当該アドレスについて、所定回数だけ前記仮の符号間干渉データを更新した後、前記符号間干渉データを第3の係数で除算した値と、前記仮の符号間干渉データを第4の係数で除算した値との和を新たな符号間干渉データとして、前記読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段内の前記アドレスで規定される記憶部分を更新する
    請求項9に記載の信号処理システム。
  11. 前記ノンリニアキャンセル手段内のメモリ手段および前記符号間干渉データ更新手段は、奇数アドレスで指定される符号間干渉データと偶数アドレスで指定される符号間干渉データとを記憶する、読み出しおよび書き込み可能で並列動作可能な第1および第2のメモリ手段、および、プログラム演算手段で構成され、
    該第1および第2の読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段がそれぞれ、前記ノンリニアキャンセル手段内の符号間干渉データを記憶している前記メモリ手段、および、前記符号間干渉データ更新手段として機能し、
    前記プログラム演算手段は、当該信号処理システムの初期段階において、前記第1および第2の読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段内の符号間干渉データおよび対応する仮の符号間干渉データを初期化し、
    前記復号手段としての前記2値識別回路において、該復号化2値識別データが生成されるたびに、該復号化2値データをアドレスとして、それぞれのアドレスについて、該アドレスが奇数の場合は前記第1の読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段について、該アドレスが奇数の場合は前記第2の読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段について、前記遅延線形等化信号と目標値との差を算出して前記仮の符号間干渉データに加算して該仮の符号間干渉データを更新し、
    当該アドレスについて、所定回数だけ前記仮の符号間干渉データを更新した後、前記符号間干渉データを第1の係数で除算した値と、前記仮の符号間干渉データを第2の係数で除算した値との和を新たな符号間干渉データとして、前記対応する読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段内の前記アドレスで規定される記憶部分に記憶する
    請求項10に記載の信号処理システム。
  12. 全てのアドレスについて前記符号間干渉データが更新された後、前記ノンリニアキャンセル手段を有効化して、当該信号処理システムを動作させ、
    前記ノンリニアキャンセル手段は、前記アドレスについて前記第1および第2の読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段から対応する1対の符号間干渉データを読み出し、該読み出した符号間干渉データを平均した符号間干渉データを用いて前記線形等化信号に含まれる符号間干渉をキャンセルする
    請求項11に記載の信号処理システム。
  13. 当該信号処理システムを動作させた後、前記復号手段としての前記2値識別回路において前記復号化2値識別データが生成されるたびに、該復号化2値識別データをアドレスとして、それぞれのアドレスについて、該アドレスが奇数の場合は前記第1の読み出しおよび書き込みメモリ手段に、前記アドレスが偶数の場合は前記第2の読み出しおよび書き込みメモリ手段に対して、前記遅延線形等化信号と前記目標値との差を算出して前記仮の符号間干渉データに加算して該仮の符号間干渉データを更新し、
    当該アドレスについて、所定回数だけ前記仮の符号間干渉データを更新した後、前記符号間干渉データを第3の係数で除算した値と、前記仮の符号間干渉データを第4の係数で除算した値との和を新たな符号間干渉データとして、前記アドレスが奇数か偶数かに応じて前記第1または第2の読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段に対して、前記読み出しおよび書き込み可能なメモリ手段内の前記アドレスで規定される記憶部分を更新する
    請求項12に記載の信号処理システム。
  14. 入力された連続的な原信号を線形等化する線形等化手段と、
    基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとして記憶しているメモリ手段、および、前記線形等化手段で線形等化された信号の推移から最も確からしい第1のディジタル信号およびその状態を決定する第1の復号手段を有し、該メモリ手段に記憶されている符号間干渉データを読み出すアドレスを生成する手段を有し、前記符号間干渉データを用いて前記線形等化手段において線形等化された信号に含まれている符号間干渉をキャンセルするノンリニアキャンセル手段と、
    該ノンリニアキャンセル手段の出力データの時間的推移から最も確からしい第2のディジタル信号およびその第2の状態を決定し、該第2のディジタル信号を再生識別信号として出力する第2の復号手段と
    を具備する信号処理システム。
  15. 少なくとも前記第2の復号手段はビタビ復号手段であり、
    少なくとも前記線形等化信号を用いて新たな符号間干渉データを生成し、前記復号化されたディジタルデータをアドレスとして前記メモリ手段の対応する符号間干渉データを前記生成された符号間干渉データによって更新する符号間干渉データ更新手段をさらに具備し、
    該符号間干渉データ更新手段は、前記線形等化信号と前記第2のビタビ復号手段からのディジタル復号化データをアドレスとして、該生成された符号間干渉データを用いて前記ノンリニアキャンセル手段内のメモリ手段の符号間干渉データを更新する
    請求項14に記載の信号処理システム。
  16. 前記ノンリニアキャンセル手段および前記第2のビタビ復号手段は、それぞれが、
    アドレス発生手段と、
    前記符号間干渉データを記憶しているメモリ手段と、
    前記アドレスが生成されるまでの時間だけ前記線形等化信号を遅延させるタイミング調整手段と、
    該タイミング調整手段から出力される遅延線形等化信号から、前記メモリ手段から読み出された符号間干渉データを減算する減算手段と、
    該減算手段の出力値をビタビ復号するビタビ復号手段と
    を有する複数の単位回路手段で構成され、
    初段の単位回路手段内の前記アドレス手段は前記第1のビタビ復号手段の出力データを用いて前記アドレスを発生し、
    ある段の単位回路手段内の前記ビタビ復号手段の出力データが次段の単位回路手段内の前記アドレス発生手段の入力データとして印加され、
    ある段の単位回路手段内の前記タイミング調整手段の出力データが次段の単位回路内の前記タイミング調整手段の入力データとして印加され、
    最終段の単位回路手段内の前記ビタビ復号手段が前記第2のビタビ復号手段として機能し、
    前記前記符号間干渉データ更新手段が前記複数の単位回路手段内のメモリ手段に記憶されている符号間干渉データを更新する
    請求項15に記載の信号処理システム。
  17. 前記線形等化手段の前段に前記入力された連続的な原信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換手段を設け、
    前記線形等化手段は該ディジタル変換された原信号を線形等化するトランスバーサルフィルタを有し、
    前記ノンリニアキャンセル手段はディジタル信号回路で構成された
    請求項1〜3、14のいずれかに記載の信号処理システム。
  18. 前記入力された原信号は動的に読み出しが行われる記録媒体に記録された映像信号を読み出した信号であり、
    前記記録媒体はビデオ記録再生装置に用いる磁気記録媒体または光学式記録媒体であり、
    前記原信号は前記記録媒体から読み出されたビデオ信号である
    請求項1〜3、14のいずれかに記載の信号処理システム。
  19. 基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとしてメモリ手段に記録する段階、
    入力された連続的な原信号を線形等化する段階、
    前記符号間干渉データを用いて前記線形等化された信号に含まれる符号間干渉をキャンセルする段階、
    該符号間干渉がキャンセルされたデータから、前記入力された原信号に対応する時系列ディジタルデータを復号する段階、
    少なくとも前記線形等化された信号を用いて新たな符号間干渉データを生成する段階、および、
    前記復号化されたディジタルデータをアドレスとして前記メモリ手段内の対応する符号間干渉データを前記生成された符号間干渉データを用いて更新する段階
    を具備する信号処理方法。
  20. 基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとしてメモリ手段に記録する段階、
    入力された連続的な原信号を線形等化する段階、
    該線形等化された信号を2値以上の多値で識別して前記メモリ手段に記憶されている符号間干渉データを読み出すアドレスを生成する段階、
    前記符号間干渉データを用いて前記線形等化された信号に含まれる符号間干渉をキャンセルする段階、
    該キャンセルされたデータから前記入力された原信号に対応する時系列ディジタルデータを復号する段階、
    少なくとも前記線形等化された信号を用いて新たな符号間干渉データを生成する段階、および、
    前記生成されたアドレスで指定される前記メモリ手段内の前記符号間干渉データを前記生成された符号間干渉データを用いて更新する段階
    を具備する信号処理方法。
  21. 基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとしてメモリ手段に記録する段階、
    入力された連続的な原信号を線形等化する段階、
    該線形等化された信号を2値以上の多値で識別し該メモリ手段に記憶されている符号間干渉データを読み出すアドレスを生成する段階、
    前記該符号間干渉データを用いて前記線形等化された信号に含まれている符号間干渉をキャンセルする段階、
    該キャンセルされたデータから前記入力された原信号に対応する時系列ディジタルデータを復号する段階、
    前記線形等化された信号の変動を監視する段階、
    少なくとも前記線形等化信号を用いて新たな符号間干渉データを生成する段階、および、
    前記監視した前記線形等化信号の変動が所定値以上の場合は前記生成されたアドレスに用いて、前記監視した前記線形等化信号の変動が所定値以下の場合は前記符号化データをアドレスとして、前記メモリ手段に記憶されている前記符号間干渉データを前記生成した符号間干渉データによって更新する段階
    を具備する信号処理方法。
  22. 前記監視は前記線形等化された信号のエンべロープを監視する
    請求項21に記載の信号処理方法。
  23. 前記アドレス生成段階は、前記線形等化信号を2値識別する第1の2値識別段階、および、該識別値を所定時間遅延して前記メモリ手段のアドレスを生成する第1の遅延段階を有し、
    該アドレスが生成されるまでの遅延時間に対応する時間だけ前記線形等化信号を遅延するタイミング調整段階をさらに具備し、
    前記キャンセル段階は、該タイミング調整された遅延線形等化信号から、前記生成されたアドレスを用いて前記メモリ手段から読み出した前記符号間干渉データを減算する減算段階を有し、
    前記復号段階は該減算された値を2値識別して前記入力された原信号に対応する2値識別復号化ディジタルデータを生成する第2の2値識別段階を有し、
    前記符号間干渉データ更新手段は、前記タイミング調整された遅延線形等化信号と目標値との差に基づいて新たな符号間干渉データを生成する段階、および、前記第2の2値識別復号化データをアドレスとして、前記生成された符号間干渉データを用いて前記メモリ手段内の符号間干渉データを更新する段階を有する
    請求項19〜22のいずれかに記載の記載の信号処理方法。
  24. 前記キャンセル段階は、前記線形等化された信号を3値識別する第1の3値識別段階、および、該識別値をパーシャルレスポンス・クラスIVの規定に従って復号して前記メモリ手段のアドレスを生成するパーシャルレスポンス・クラスIV・復号段階を有し、
    該アドレスが生成されるまでの遅延時間に対応する時間だけ前記線形等化信号を遅延するタイミング調整段階をさらに有し、
    前記キャンセル段階は、該タイミング調整された遅延線形等化信号から、前記生成アドレスを用いて前記メモリ手段から読み出した符号間干渉データを減算する減算段階を有し、
    前記復号段階は、前記減算された値を3値識別する第2の3値識別段階、および、該識別データをパーシャルレスポンス・クラスIVの規定に従って復号して前記ディジタル復号化データを生成する第2のパーシャルレスポンス・クラスIV・復号段階を有し、
    前記符号間干渉データ更新段階は、前記タイミング調整された遅延線形等化信号と前記第2の3値識別値との差に基づいて新たな符号間干渉データを生成する段階、および、前記第2のパーシャルレスポンス・クラスIV復号により生成されたディジタル復号化データをアドレスとして前記生成された符号間干渉データを用いて前記メモリ手段内の前記符号間干渉データを更新する段階を有する
    請求項19〜22のいずれかに記載の信号処理方法。
  25. 前記アドレスを生成する段階は、前記時系列の線形等化信号の推移から最も確からしい第1のディジタル信号および状態を決定する第1の復号段階、および、該復号されたデータとその状態に基づいて前記アドレスを生成するアドレス生成段階を有し、
    該アドレスが生成されるまでの遅延時間に対応する時間だけ前記線形等化信号を遅延するタイミング調整段階をさらに有し、
    前記キャンセル段階は、該タイミング調整された遅延線形等化信号から、前記生成されたアドレスを用いて前記メモリ手段から読み出した符号間干渉データを減算する減算段階を有し、
    前記復号段階は、前記減算結果の推移から最も確からしい第2のディジタル信号および第2の状態を決定して前記入力された原信号に対応する前記ディジタル復号化データを生成する第2の復号段階を有し、
    前記符号間干渉データ更新段階は、前記タイミング調整された遅延線形等化信号と前記第2の3値識別値との差に基づいて新たな符号間干渉データを生成する段階、および、前記第2の復号段階において復号された前記ディジタル復号をアドレスとして前記生成された符号間干渉データを用いて前記メモリ手段内の符号間干渉データを更新する段階を有する
    請求項19〜22のいずれかに記載の信号処理方法。
  26. 前記符号間干渉データ更新段階は、
    初期段階において、前記符号間干渉データおよび仮の符号間干渉データを初期化する段階、
    前記復号化データが生成されるたびに、該復号化データを前記メモリ手段のアドレスとして、それぞれのアドレスについて、前記遅延線形等化信号と目標値との差を算出し、該算出値を前記仮の符号間干渉データに加算して該仮の符号間干渉データを更新する段階、
    当該アドレスについて、所定回数だけ前記仮の符号間干渉データを更新した後、前記符号間干渉データを第1の係数で除算した値と、前記仮の符号間干渉データを第2の係数で除算した値との和を新たな符号間干渉データとして、前記メモリ手段内の前記アドレスで規定される記憶部分に記憶する段階
    を有する請求項の19〜22いずれかに記載の信号処理方法。
  27. 全てのアドレスについて前記符号間干渉データが更新された後、当該信号処理方法を実質的に動作させる段階をさらに具備する
    請求項26に記載の信号処理方法。
  28. 当該信号処理方法を動作させた後、前記復号化データが生成されるたびに、前記線形等化信号と目標値の差を算出する段階、
    前記復号化2値識別データをアドレスとして、それぞれのアドレスについて、該算出された値を前記メモリ手段に記憶されている仮の符号間干渉データに加算して該仮の符号間干渉データを更新する段階、
    当該アドレスについて、所定回数だけ前記仮の符号間干渉データを更新した後、前記符号間干渉データを第3の係数で除算した値と、前記仮の符号間干渉データを第4の係数で除算した値との和を新たな符号間干渉データとして、前記メモリ手段内の前記アドレスで規定される記憶部分を更新する段階
    をさらに具備する請求項27に記載の信号処理方法。
  29. 基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット間相互の符号間干渉を予め複数の符号間干渉データとしてメモリ手段に記憶する段階、
    入力された連続的な原信号を線形等化する段階、
    該線形等化された信号の推移から最も確からしい第1のディジタル信号およびその状態を決定する第1の復号段階、
    前記第1の復号化データから前記メモリ手段に記憶されている符号間干渉データを読み出すアドレスを生成する段階、
    前記符号間干渉データを用いて前記線形等化手段において線形等化された信号に含まれている符号間干渉をキャンセルする段階、
    該キャンセルされたデータの時間的推移から最も確からしい第2のディジタル信号およびその第2の状態を決定し、該第2のディジタル信号を再生識別信号として出力する第2の復号段階、
    を具備する信号処理方法。
  30. 少なくとも前記第2の復号段階はビタビ復号を行い、
    少なくとも前記線形等化信号を用いて新たな符号間干渉データを生成し、前記復号化されたディジタルデータをアドレスとして前記メモリ手段の対応する符号間干渉データを前記生成された符号間干渉データによって更新する符号間干渉データ更新段階をさらに具備し、
    該符号間干渉データ更新段階は、前記線形等化信号と前記第2のビタビ復号状態により生成されたディジタル復号化データをアドレスとして、前記生成された符号間干渉データを用いて前記メモリ手段の符号間干渉を更新する
    請求項29に記載の信号処理方法。
  31. 前記キャンセル段階および前記第2のビタビ復号段階は、
    アドレス発生段階と、
    前記アドレスが生成されるまでの時間だけ前記線形等化信号を遅延させるタイミング調整段階と、
    該タイミング調整された遅延線形等化信号から、前記発生されたアドレスを用いて前記メモリ手段から読み出された符号間干渉データを減算する減算段階と、
    該減算手段の出力値をビタビ復号するビタビ復号段階と
    を1単位として複数回、連続的に行い、
    前記前記符号間干渉データ更新段階は前記複数の段階における符号間干渉データを更新する
    請求項30に記載の信号処理方法。
  32. 前記線形等化段階の前に前記入力された連続的な原信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換段階を具備し、
    前記線形等化段階は該ディジタル変換された原信号を線形等化するトランスバーサルフィルタリングを行う
    請求項19〜31のいずれかに記載の信号処理方法。
  33. 前記入力された原信号は動的に読み出しが行われる記録媒体に記録された映像信号を読み出した信号である
    請求項19〜32のいずれかに記載の信号処理方法。
  34. 入力された連続的なアナログ信号を線形等化し、
    該線形等化した信号を、基準原信号をディジタル信号に再生した場合のそれぞれのビット相互間の符号間干渉によって規定される複数の符号間干渉データを用いて前記線形等化信号に含まれる符号間干渉をキャンセルし、
    該キャンセルした線形等化信号を前記入力された原信号に対応するディジタルデータに再生し、
    前記線形等化信号を用いて新たな符号間干渉データを生成して前記符号間干渉データを更新する
    信号処理方法。
  35. 前記符号間干渉データの更新は、それぞれの符号間干渉データについて、
    所定回数に到達するまで、前記線形等化信号と目標値との差を累加算し、
    所定回数に到達したとき、前記符号間干渉データに第1の係数を乗じ、前記累積値に第2の係数を乗じて、これらの乗算結果を加算し、該加算値を新たな符号間干渉データとする
    請求項34に記載の信号処理方法。
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