JP3671072B2 - ワイヤロープ用の緊張装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、大形の荷物の梱包や、船舶等における荷崩れ防止のための荷物固縛(以下単にラッシングと言う)などを行う際に用いられる、ワイヤロープ用の緊張装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤロープを固縛材とする従来のラッシング作業においては、ターンバックル、シャックル、クリップ等の各種の固縛金具が不可欠であり、ロープの締め付けや固縛等の一連の作業を人手で行っている。そのため作業能率が低く、ラッシング作業に要する資材コストや人件費が高く付く。作業には熟練した専門作業者が不可欠であるため、例えば作業に急を要するような場合に、十分な人員を確保できないこともある。
【0003】
ラッシング作業を合理化するために、スチールベルトを固縛材とする作業方式が提唱され、ワイヤロープによる固縛作業方式を蚕食しつつある。そこでは、スチールベルトを緊張操作して固縛固定するための作業用機器が充実しているので、比較的容易にラッシング作業を行うことができるうえ、資材コストも少なくて済む。
この種の緊張装置は、例えば特公平1−32087号公報や、特開平5−229508号公報に公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
スチールベルトを固縛材とする固縛作業においては、荷物に巻き掛けたベルトの中途部がねじれるのを避ける必要がある。そのため、ベルトの巻き掛けには細心の注意を払わねばならず、その分作業が面倒になる。例えば、段積みした鋼板コイルどうしを、ひと続きのスチールベルトで連結する場合に、ベルトがねじれない巻掛けパターンを選定しなければならない。
上記のように、スチールベルトで連結した一群の荷物を船体に固定する場合や、航海中の補強固縛用としては、依然としてワイヤロープが用いられており、二種類の固縛材を取り扱わねばならない点で、なお改善の余地がある。
【0005】
この発明の目的は、荷物等に巻き掛けたワイヤロープを自動的に緊張操作して、ロープエンドをクランプ筒で固定するのに好適なワイヤロープ用の緊張装置を提供することにある。
この発明の他の目的は、コンテナ内部や船倉内部等においてラッシング作業を行うのに好適な手持ち式のワイヤロープ用の緊張装置を提供することにある。
この発明の他の目的は、作業現場におけるラッシング作業や梱包作業を、少ない手間で能率良く行うことができ、作業に要する資材コストも少なく済むワイヤロープ用の緊張装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の緊張装置は、フレーム1と、フレーム1の両端に配置されて、ワイヤロープWの一端および他端側をそれぞれ挟持固定する一対の第1チャック2および第2チャック3を備えている。
フレーム1に前記両チャック2、3の少なくともいずれか一方を支持するスライダー4と、このスライダー4を往復動自在に案内支持するガイド5とを設ける。
フレーム1とスライダー4との間に、一方のチャック2を他方のチャック3から遠ざかる側へ移動操作する操作器6を設ける。
引き締め操作されるワイロープWの移動軌跡に臨んで、ワイヤロープWの緊張方向への移動は許すが、緩み方向への移動は阻止するストッパー7を設ける。
両チャック2、3の間に、クランプ筒42を装着するための装填部41を設ける。
【0007】
具体的には、操作器6を、スライダー4を兼ねるシリンダ−本体45と、ガイド5を兼ねて一端がフレ−ム1に固定してあるピストンロッド43とを有する操作シリンダ−で構成し、シリンダ−本体45に第1チャック2を固定し、フレ−ム1に第2チャック3を固定する。
両チャック2、3のそれぞれを、固定ブロック10、29と、固定ブロック10、29に対して接離自在に支持した可動ブロック11と、可動ブロック11、30を固定ブロック10、29に対して接離操作する挟持操作具12、12で構成する。固定ブロック10、29と可動ブロック11、30の対向面のそれぞれに、ワイヤロープWを挟持固定する挟持溝15、15と、ワイヤロープWの相対移動を許す通し溝16、16を設ける。
ストッパー7を、少なくとも一方のチャック3の通し溝16に臨んで配置したカム体33と、カム体33を通し溝16に対して出没旋回自在に支持する軸34と、カム体33を通し溝16へ向って進出付勢するばね37で構成する。
挟持溝15、15のそれぞれを部分円弧断面の溝で形成し、各溝の溝内面にワイヤロープWに対する摩擦抵抗を増加する突起17を形成する。
両チャック2、3のそれぞれを、固定ブロック10、29と、各固定ブロック10、29に対して一端が軸53、53で揺動自在に支持された可動ブロック11、30で構成する。両可動ブロック11、30の中途部に挟持溝15および通し溝16を形成し、両可動ブロック11、30の揺動先端寄りに挟持操作具12、12の操作端を連接する。
【0008】
【作用】
使用時には、第1チャック2と第2チャック3のうちの一方で、固縛対象に巻掛けたワイヤロープWの巻掛け始端を挟持し、他方でワイヤロープWの巻掛け終端を挟持固定する。両チャック2、3間の装填部41にはクランプ筒42を配置して、これに巻掛け始端と巻掛け終端のそれぞれを予め挿通しておく。この状態で操作器6を作動させて、例えば巻掛け終端側の第1チャック2をガイド5に沿って移動し、ワイヤロープWを引締め操作する。次に、第1チャック2の挟持力を解放して、引締め前の待機位置へ戻し、再びワイヤロープWを挟持固定した後、操作器6を作動させてワイヤロープWを引締め操作し、この動作を繰り返えし行ってワイヤロープWに所定の緊張力を付与する。最後に、クランプ筒42を塑性変形させて、ワイヤロープWの巻掛け始終端を固定する。なお、第1チャック2を待機位置へ戻してワイヤロープWを再固定する間は、ストッパー7がワイヤロープWを捕捉固定して、その緊張状態を維持し続ける。
【0009】
上記のように、本発明の緊張装置では、ワイヤーロープWを流体圧シリンダなどからなる操作器6の機械力によって、自動的に引締め操作できる。ワイヤロープWの緊張装置へのセッティングや、緊張装置の操作法などに熟練を要しないので、ワイヤロープWによる固縛作業を誰もが簡単に行える上、より少ない人員でラッシング作業を行える。固縛作業に要する資材も、基本的にワイヤロープWとクランプ筒42に限ることができる。
スライダー4をシリンダ−本体45で兼ね、ピストンロッド43がガイド5を兼ねる緊張装置によれば、その全体重量を減らしてロ−プ緊張作業を軽快に行える。構造を簡素化して製造コストを減少することにも役立つ。可動ブロック11、30を揺動自在に支持し、その揺動先端を挟持操作具12で押し付け操作するチャック構造によれば、倍力作用によってワイヤ−ロ−プWを強固に挟持できる

【0010】
【発明の効果】
この発明の緊張装置では、ワイヤロープWを固縛材にして、その引締め作業を機械力によって自動的に行うことができるので、荷物の梱包やラッシング作業を、少ない手間で能率良く行えるうえ、スチールベルトを固縛材とする場合に比べて、固縛強度を増強し、作業の信頼性を向上できる。ワイヤロープWを荷物に巻掛ける際に、そのパターンに制約を受けることも解消できる。固縛作業に要する資材コスト、および人的コストを減少できるので、全体としてラッシング作業等のコストを低減できる。
一対のチャック2、3でワイヤロープWの巻掛け始終端を挟持固定し、その少なくとも一方を操作器6でスライド操作してワイヤロープWを引締める形態を採るので、作業者は緊張装置のフレーム1を支えているだけで良く、従って、コンテナ内部や船倉内の狭い空間であっても、作業者が入り込めるスペースがあれば支障なく固縛作業を行うことができる。
【0011】
【実施例】
図1ないし図8に、この発明の緊張装置の実施例を示す。図1において、緊張装置は正面視がコ字形のフレーム1とフレーム1の右端外側に配置した第1チャック2と、フレーム1の左端上部に配置した第2チャック3と、第1チャック2を左右動自在に支持するスライダー4およびガイド5と、ガイド5の下方にガイド5と平行に配置した操作器6、および第2チャック3に組み込んだストッパー7などで構成する。
【0012】
図3ないし図5において、第1チャック2は断面L字形の鋼ブロックからなる固定ブロック10と、固定ブロック10の上面に配置されて前後スライドする可動ブロック11と、可動ブロック11を固定ブロック10に対して押し付け操作する挟持操作具12、および固定ブロック10の前端上面に固定したねじブラケット13などで構成する。
固定ブロック10の後部上面に挟持壁14を立設し、その前側面の上部に水平の挟持溝15を形成し、下部に挟持溝15と平行な通し溝16を形成する。挟持溝15は断面半円状の溝からなり、その内面にねじ山からなる突起17の一群を形成する。挟持壁14と対向する可動ブロック11の後面壁にも、挟持溝15と同様の挟持溝15を形成し、これら一対の挟持溝15、15でワイヤロープWを前後に挟持固定する(図4参照)。通し溝16は断面優弧円状の溝からなり、ワイヤロープWを相対移動自在に案内支持する。
【0013】
可動ブロック11は断面逆L字形の鋼ブロックからなり、その下面に左右一対の脚片19を突設し、脚片19の中央部に前後貫通状の穴20を形成する。可動ブロック11を前後スライド自在に支持するために、固定ブロック10の上面左右に、脚片19を収容する前後に長い溝21を凹み形成する。さらに、挟持壁14の後面下部から各溝21を前後に縦通する状態でガイド軸22をねじ込み固定し、その軸部23で脚片19の穴21を支持する。これにより、可動ブロック11は溝21の範囲内で軸部23に沿って前後スライドでき、穴20の後部開口縁とガイド軸22との間に配置した圧縮コイル型のばね24で挟持壁14から遠ざかる側へ移動付勢される。
【0014】
ねじブラケット13は左右横長の凸字形の鋼ブロックからなり、固定ブロック10の上面前縁に配置して、左右両側を図示していないボルトで固定ブロック10に締結固定する。ねじブラケット13の左右中央にねじ穴26を前後貫通状に形成する。このねじ穴26に挟持操作具12をねじ込んで、可動ブロック11を挟持操作具12でスライド操作する。挟持操作具12は、ねじ軸27の一端に操作ノブ28を固定してなり、ねじ軸27の突端を可動ブロック11の前側面に接当させる。操作ノブ28を時計回転方向へ回転操作することによって、可動ブロック11をばね24に抗して挟持壁14の側へ接近移動でき、逆方向へ回転操作することによって挟持壁14から遠ざかる側へ移動できる。
【0015】
第2チャック3も基本的には第1チャック2と同じ構造とされる。詳しくは、図6ないし図8に示すように、固定ブロック29で可動ブロック30を前後スライド自在に支持し、可動ブロック30上にねじブラケット13を固定する。さらに、固定ブロック29に可動ブロック30の脚片19を収容する溝21を設け、この溝21内において脚片19をガイド軸22の軸部23で案内支持し、図示していないばねで可動ブロック30の全体を挟持壁14から離れる側へ移動付勢する。
【0016】
第2チャック3の固定ブロック29が第1チャック2の固定ブロック10と異る点は、挟持壁14の上部に通し溝16を形成し、その下部に挟持溝15を形成した点と、通し溝16がJ字状の溝からなり、その上面が解放されている点と、通し溝16の一側端の上部にワイヤロープWの上面を保持する保持爪部48を突設した点である。可動ブロック30にもJ字状の通し溝16と挟持溝15を同様に形成する。他は第1チャック2と同じであるので、同一部材に同一符号を符してその説明を省略する。
【0017】
第2チャック3の可動ブロック30には、ワイヤロープWを緊張操作するとき、引締め操作したロープが緩む側へ戻るのを防ぐストッパー7を設ける。そのために、可動ブロック30の左右中央にテーブル状の支持壁31を設け、その中央に軸受穴32を上下貫通状に通設する。
ストッパー7は円板状のカム体33と、カム体33の上下面に突設した偏心軸(軸)34とを一体に設けた旋削品からなり、下方の偏心軸34を上記の軸受穴32で支持し、上方の偏心軸34を、可動ブロック30の上端面にねじで締結固定した軸受ブロック35の軸受穴36で支持する。さらに軸受ブロック35とカム体33の間に配置したねじりコイル形のばね37で、カム板33を偏心軸34を中心にして反時計回転方向へ回動付勢する。これにより、カム体33はその周面が第1チャック2で引締め操作されるワイヤロープWの移動軌跡に入り込む向きへ回動する傾向を生じ、ワイヤロープWを固定ブロック29の通し溝16に押し付ける。この状態でワイヤロープWが緩む側へ移動すると、カム体33はワイヤロープWの周面にさらに強力に喰い込むので、ワイヤロープWを固定できる。逆にワイヤロープWが引締め操作されるときは、カム体33の周面が通し溝16から遠ざかる側へ回動するので、ワイヤロープWはカム体33と通し溝16との間を支障なく通過できる。
【0018】
カム体33の下面には、偏心軸34と同心状の円弧溝38を形成し、これに規制ピン39を係合する。規制ぴん39は支持壁31に打ち込んで固定する。カム体33は円弧溝38の形成範囲内でのみ回動でき、カム体33がワイヤロープWに外接していないときの回動限界を規制ピン39と円弧溝38とで規制している。なお、ストッパー7は、下方の偏心軸34に装着した止め輪40で上方への移動が規制されている。
【0019】
図2において、第2チャック3の固定ブロック29はフレーム1に設けた受台1aに締結固定し、第1チャック2の固定ブロック10はスライダー5に締結固定する。これにより、両チャック2、3の通し溝16および挟持溝15の中心軸は、同一垂直平面上に位置し、第1チャック2は丸軸からなるガイド5の範囲内で左右移動できる。フレーム1の、第1チャック2側の端には上下に長いホルダー1bを立設し、その上部にワイヤロープWの通過を許すU字溝1cを形成する。このホルダー1bと第2チャック3との間を装填部41にして、両者1b、3間に位置する上下のワイヤロープWにクランプ筒42を外嵌装着する。クランプ筒42は断面長円状のアルミニウム筒体からなり、その全体を押し潰すことにより、ワイヤロープWの始終端を固定できる。
【0020】
操作器6としては、油圧シリンダやエアシリンダなどの流体圧シリンダを適用でき、より大きな操作力を出力できる油圧シリンダが好ましい。操作器6はばねリターン式のシングルアクションシリンダーであって、ピストンロッド43の突端をフレーム1のホルダー1bに取付ボス44を介して締結固定し、シリンダー本体45の側端をブラケット46を介してスライダー4に締結固定する。これにより、シリンダー本体45はホルダー1bに対して接離移動でき、ホルダー1bから離れる側へ移動するときに第1チャック2を同行移動させて、第1チャック2で挟持固定ワイヤロープWを引締め操作する。符号47は作動油の出入り口である。
【0021】
なお、この実施例の緊張装置に適用されるワイヤロープWの呼び寸法は9mmであり、その破断強度は約5トンである。また、緊張装置で出力される緊張力は1トンであり、そのときワイヤロープWに作用する応力は100kg/cm以上である。シリンダー本体45が待機位置にあるときの緊張装置の左右長は50cm弱であり、全体重量は2.6kg前後である。
【0022】
次にラッシングを行う場合について、緊張装置の使い方を説明する。まず、ワイヤロープWにクランプ筒42を通し、ワイヤロープWを繰り出して固縛しようとする荷物に巻掛ける。このとき、荷物の角に木片等の当て物を置いて、荷物を保護する。ワイヤロープWの始終端をクランプ筒42に通した後、両チャック2、3にセットし、クランプ筒42を装填部41に位置させる。この状態で各チャック2、3の挟持操作具12をそれぞれ操作して、一方のロ−プ端を第2チャック3の可動ブロック30と固定ブロック29で挟持固定し、他方のロープ端を第1チャック2の固定ブロック10および可動ブロック11で挟持固定する。このようにワイヤロープWを各チャック2、3で挟持固定した状態において、各通し溝16の対向間隔はロープ径より大きいので、通し溝16内においてワイヤロープWが拘束されることはない。ストッパー7は固定ブロック29側の通し溝16と協同してワイヤロープWを前後に挟んでいる。
【0023】
上記の状態で操作器6を作動させて、第1チャック2を第2チャック3から離れる側へ移動させることにより、ワイヤロープWが引締め操作される。固縛対象によっては、操作器6を1回作動させるだけで十分な緊張力が得られるが、ワイヤロープWの巻掛け長が大きい場合には、第1チャック2を繰り返えし往復させて、緊張力を除々に増加する。挟持操作具12を緩めて待機位置へ戻し、ワイヤロープWを固定および可動の両ブロック10、11で再び挟持固定した後、操作器6を作動させてワイヤロープWを引き締め操作するのである。
【0024】
第1チャック2を待機位置へ戻すとき、ワイヤロープWはストッパー7によって引締め状態が保持されている。ワイヤロープWが緩む側へ移動すると、これに同行してカム体33が回動し、この回動量分だけカム体33の周面がロープ表面に喰い込む。従って、ワイヤロープ23は通し溝16とカム体33とに挟持固定されて、緩み方向への移動が拘束されるのである。一方、ワイヤロープWが再度緊張操作される場合には、カム体33と通し溝16の間隔が広がる向きにカム体33が回動するので、ワイヤロープWは支障なく通し溝16を通過できる。ワイヤロープWの緊張力が所定値に達した段階で、クランプ筒42を油圧操作式のかしめ具で押し潰して塑性変形させ、ワイヤロープWの始終端を固定する。この後、両チャック2、3の可動ブロック11、30を後退させて緊張装置をワイヤロープWから分離し、第1チャック2の側において、ワイヤロープWの巻掛け終端をカッターで切断して作業を終了する。
【0025】
この発明の緊張装置は、上記の実施例の一部を図9ないし図12に示すように変更して実施することができる。そこでは、L字状のフレ−ム1の一端に受台1aを固定し、他端に固定したホルダ―1bに操作器6を取り付ける。操作器6はスライダー4およびガイド5を兼ねるよう構成する。詳しくは、ピストンロッド43の突設をホルダ―1bにねじ込み固定して、ガイド5を兼ねる。さらに、図10に示すように、シリンダ−本体45の端部上面に、第1チャック2を締結固定するための受台50を一体に設け、スライダー4を兼ねる。ピストンロッド43の下面にはコ字形断面のガイド溝51を形成し、この溝51と係合するピン52をシリンダ−本体45の端栓に植設する。これは、シリンダ−本体45が左右移動するとき、ピストンロッド43の回りに回動するのを防ぐためである。ピストンロッド43は内端が開口する円筒軸状に形成してあり、その内端寄りの周面にピストンを一体に形成する。
【0026】
第1チャック2は、上記の実施例と同様に、固定ブロック10、可動ブロック11、挟持操作具12、およびねじブラケット13などで構成する。異る点は、可動ブロック11の下端を軸53で前後揺動自在に支持し、可動ブロック11を倍力機構として構成する点にある。その中途部の後面に挟持溝15と通し溝16を形成し、揺動先端の前面にねじ軸27の突端を接当させて、ねじ軸27から受ける押圧力を増幅してワイヤ−ロ−プWに作用させるのである。この場合のばね24は、捻りコイルばねで形成する。
【0027】
第2チャック3の可動ブロック30も同様に倍力機構として構成する。その下端部を軸53で前後揺動自在に支持し、後面中途部に通し溝16と挟持溝15をそれぞれ設け、揺動先端の前面にねじ軸27の突端を接当させるのである。可動ブロック30は、捻りコイル形のばね24でワイヤ−ロ−プWから離れる向きへ付勢する。
【0028】
ストッパ−7は、固定ブロック29の側に配置した2個のカム体33、33と、可動ブロック30の側に配置した1個のカム体33とからなり、各カム体33を偏心軸34で回転自在に支持し、ねじりコイル形のばね37で締り勝手に回動付勢する。固定ブロック29側の偏心軸34の上端は、固定ブロック29締結される軸受ブロック54で軸支する。図12に示すように、3個のカム体33はワイヤ−ロ−プWを挟んで二等辺三角形の頂部を占める状態で配置してある。この配置形態を採ることによって、ロ−プ中心軸が蛇行するようなクランプ力を作用させて、ワイヤ−ロ−プWをより強固に固定保持できる。ワイヤ−ロ−プWが第1チャック2で引締め操作される場合には、上記の実施例のカム体33と同様に緩み回動できる。上記以外の構造については、先の実施例の部材と同等の部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0029】
以上のように、スライダー4およびガイド5を操作器6で兼ねる形態を採ると、構造を簡素化して緊張装置の製造に要するコストを減少できる。スライダー4およびガイド5を省略できる分だけ重量を減らし、緊張装置の取扱いを容易化することもできる。
【0030】
上記以外に、緊張装置の一部を次のように変更して実施することができる。第2チャック3を第1チャック2と同様にスライダー4で支持し、操作器6で引締め操作できるようにする。この場合は、第1チャック2にもストッパー7を設ける。
操作器6としては、流体圧シリンダ以外に、モータおよび減速器を介して回転駆動されるねじ軸と、このねじ軸で往復操作されるナット体を操作要素とする、機械式の操作器6を用いることができる。
ストッパー7は、ワイヤロープWを前後から挟持する一対のカム体33で構成することができる。円板状のカム体33に代えて、ラチェット爪状のレバーを用いてストッパー7を構成できる。ストッパー7は固定ブロック29の側や、ホルダー壁1bなどに設けることができ、要は引き締め操作されるワイヤロープWの移動軌道に臨む任意個所に設けることができる。
【0031】
挟持操作具12は、小形の油圧シリンダーで構成することができ、必ずしもねじを締め付け要素とする必要はない。
挟持溝15に形成する突起17は、ねじで形成する以外に溝中心軸と交差する浅い溝間の突起やリブ、あるいはダイヤ模様状の突起群などで形成できる。挟持溝15の内面に半硬質のプラスチック片を固定して、ワイヤロープWに対する摩擦抵抗を増加しても良い。
フレーム1の適当個所に、操作器6への作動油の供給を制御するスイッチを設け、このスイッチからの出力信号に基ずいて電磁式のコントロールバルブを作動させ、操作器6を制御することができる。さらに、ワイヤロープWの緊張力を表示するための表示器をフレーム1の適所に設けることができる。
クランプ筒42は、断面C字状に形成してあってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】緊張装置の原理説明図である。
【図2】図2(a)は緊張装置の平面図、図2(b)はその正面図である。
【図3】第1チャックの平面図である。
【図4】図3におけるA−A線断面図である。
【図5】第1チャックの分解斜視図である。
【図6】第2チャックの平面図である。
【図7】図6におけるB−B線断面図である。
【図8】第2チャックの分解斜視図である。
【図9】緊張装置の別の実施例を示す正面図である。
【図10】図9におけるC−C線断面図である。
【図11】図9におけるD−D線断面図である。
【図12】図11におけるE−E線断面図である。
【符号の説明】
1………フレ−ム、2………第1チャック、3………第2チャック、
4………スライダー、5………ガイド、6………操作器、7………ストッパ−、
10………固定ブロック、11………可動ブロック、12………挟持操作具,
15………挟持溝、16………通し溝、29………固定ブロック、
30………可動ブロック、33………カム体、34………偏心軸、
37………ばね、41………装填部、42………クランプ筒、
W………ワイヤ−ロ−プ

Claims (6)

  1. フレーム1と、フレーム1の両端に配置されて、ワイヤロープWの一端および他端側をそれぞれ挟持固定する一対の第1チャック2および第2チャック3を備えており、
    フレーム1に前記両チャック2、3の少なくともいずれか一方を支持するスライダー4と、このスライダー4を往復動自在に案内支持するガイド5とが設けられており、
    フレーム1とスライダー4との間に、一方のチャック2を他方のチャック3から遠ざかる側へ移動操作する操作器6が設けられており、
    引き締め操作されるワイヤロープWの移動軌跡に臨んで、ワイヤロープWの緊張方向への移動は許すが、緩み方向への移動は阻止するストッパー7が設けられており、
    両チャック2、3の間に、クランプ筒42を装着するための装填部41が設けてあるワイヤロープ用の緊張装置。
  2. 操作器6が、スライダー4を兼ねるシリンダ−本体45と、ガイド5を兼ねて一端がフレ−ム1に固定してあるピストンロッド43とを有する操作シリンダ−からなり、シリンダ−本体45に第1チャック2を固定し、フレ−ム1に第2チャック3が固定してある請求項1記載のワイヤロープ用の緊張装置。
  3. 両チャック2、3のそれぞれが、固定ブロック10、29と、固定ブロック10、29に対して接離自在に支持した可動ブロック11、30と、可動ブロック11、30を固定ブロック10、29に対して接離操作する挟持操作具12、12を備えており、
    固定ブロック10、29と可動ブロック11、30の対向面のそれぞれに、ワイヤロープWを挟持固定する挟持溝15、15と、ワイヤロープWの相対移動を許す通し溝16、16が設けられている請求項1、または2記載のワイヤロープ用の緊張装置。
  4. ストッパー7が、少なくとも一方のチャック3の通し溝16に臨んで配置したカム体33と、カム体33を通し溝16に対して出没旋回自在に支持する軸34と、カム体33を通し溝16へ向って進出付勢するばね37とを備えている請求項1、2、または3記載のワイヤロープ用の緊張装置。
  5. 挟持溝15、15のそれぞれが部分円弧断面状の溝からなり、各溝の溝内面にワイヤロープWに対する摩擦抵抗を増加する突起17が形成してある請求項3または4記載のワイヤロープ用の緊張装置。
  6. 両チャック2、3のそれぞれが、固定ブロック10、29と、各固定ブロック10、29に対して一端が軸53、53で揺動自在に支持された可動ブロック11、30とを含み、両可動ブロック11、30の中途部に挟持溝15および通し溝16が形成され、両可動ブロック11、30の揺動先端寄りに挟持操作具12、12の操作端が連接してある請求項3、4、または5記載のワイヤロープ用の緊張装置。
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