JP3670307B2 - 流体圧縮機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば冷凍サイクルにおける作動流体である冷媒を圧縮する流体圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、例えば、冷凍サイクルに使用する冷媒(作動流体)を圧縮する流体縮機として、比較的簡単な構成により密閉性の向上が図れ、効率の良い圧縮ができるヘリカルブレ−ドコンプレッサ(以下「コンプレッサ」という。)が提案されている。
【0003】
この流体圧縮機は、主軸受と副軸受とで回転自在に支持される円筒形のシリンダと、このシリンダ内に配置され、同じく上記主軸受と副軸受によって上記シリンダとは偏心した軸線回りに回転自在に支持された円柱状のロータピストンと、このロータピストンの外周面に凹設され軸方向一端側に向かって次第にピッチが狭くなる不等ピッチの螺旋溝と、この螺旋溝に突没自在に巻挿される螺旋状のブレード(ヘリカルブレ−ド)とを具備している。
【0004】
このコンプレッサは、上記シリンダとロータピストンとを相対的に回転させることで、上記シリンダ、ロータピストンおよび各ブレードとで区画される圧縮空間を、上記ロ−タピストンの軸方向一端側へその容積を次第に減少させながら移送し、この圧縮空間内に吸い込まれた冷媒を圧縮するようになっている。
【0005】
ところで、一般に、上記シリンダには、上記ロ−タピストンに設けられたヘリカルブレ−ドが上記螺旋溝に沿って移動してしまうことを規制するブレ−ドストッパが設けられている。
【0006】
このブレ−ドストッパは、上記シリンダの上記ヘリカルブレ−ドの長さ方向両端に対応する位置に、このシリンダの内周面から内側に突出する状態で設けられている。
【0007】
そして、このブレ−ドストッパは、上記シリンダの内側に突出した部位を上記ヘリカルブレ−ドの端面に当接させることで、上記ヘリカルブレ−ドの螺旋溝に沿う方向の移動を規制するようになっている。
【0008】
このブレ−ドストッパは、一般に、上記シリンダの周壁の所定の部位にこの周壁の厚さ方向に貫通する取付孔を設け、上記シリンダの外側からこの取付孔内に嵌入されることで取付けられるものが一般的である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような構成においては、上記シリンダの一部に貫通孔を設けるものであるから、上記シリンダの内部の圧力と外部の圧力との差が大きい場合には、上記ブレ−ドストッパと貫通孔との隙間から圧縮ガスの抜けが生じることが考えられる。
【0010】
特に、密閉ケ−ス内が高圧形のヘリカルブレ−ドコンプレッサの場合には、冷媒吸込側に設けられたブレ−ドストッパで上述したような現象が生じやすい。
すなわち、冷媒吸込側では、上記シリンダ内には、圧縮される以前の低圧の冷媒がみたされている。一方、シリンダ外、すなわちケ−ス内には、すでに圧縮され上記シリンダから吐出された高圧冷媒が満たされていることが多い。
【0011】
したがって、上記シリンダの冷媒吸込側では、シリンダ内外の圧力差が大きく、これによって圧縮抜けが生じることが考えられる。
この発明は、このような事情に鑑みて成されたもので、簡単な構成でブレ−ドストッパ取付位置の圧縮ガスの漏れを防止できるヘリカルブレ−ド式の流体圧縮機を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、目的を達成するために本発明は次のように構成されている。すなわち、円筒形のシリンダと、このシリンダ内に偏心配置された回転体と、この回転体の外周にそれぞれ不等ピッチで形成された螺旋溝と、この螺旋溝に巻着され、上記シリンダの内周面と上記回転体の外周面との間の空間を複数の圧縮空間に区画するヘリカルブレードとを具備し、上記シリンダと回転体と相対的に回転させることで、上記圧縮空間内の被圧縮流体を上記回転体の軸方向に移動させつつその容積を減少させ順次圧縮する流体圧縮機において、シリンダの、上記ヘリカルブレードの端部に対応する位置に配設され、このシリンダの側壁を貫通して設けられた取付孔と、この取付孔に挿着され、先端部をシリンダ内に突出させ、上記ヘリカルブレードの移動を規制するブレードストッパと、このブレードストッパと上記取付孔との間に介在され、両者の間をシールする弾性シール部材とを具備し、上記取付孔は、上記シリンダの外面側に位置する第1の孔部と、この第1の孔部よりも上記シリンダの内面側に位置し、且つ上記第1の孔部より小径な第2の孔部とを備え、上記ブレードストッパは、上記第1の孔部内に収納され、上記弾性シール部材を上記第1の孔部の、上記シリンダの内面側の端面に押圧する上記第1の孔部と略同形状の第1の部分と、上記第2の孔部に収納され、上記第2の孔部と略同じ形状の第2の部分とを備えている。
【0018】
【作用】
このような構成によれば、ブレ−ドストッパの取付部分からの圧縮ガスの漏れを有効に防止でき、効率の良い運転を行うことができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
このヘリカルブレ−ドコンプレッサ(以下「コンプレッサ」という)は、図1に示すように、密閉ケ―ス2と、この密閉ケース2内の中央部に配設された圧縮機部3と、この圧縮機部3を駆動し圧縮動作を行わせる電動機部4を具備する。
【0020】
上記密閉ケ−ス2は、有底円筒状の本体2aと、この本体2aの紙面左側開放側を閉塞する蓋体2bと、この本体2aの右側開放側を閉塞する主軸受6とからなる。なお、この主軸受6は、上記本体2aを閉塞するフランジ部6aと、このフランジ部の中央部に設けられた軸受部6bとからなる。
【0021】
一方、上記蓋体2bと上記本体2aとの境界部には、この本体2aと蓋体2bとを仕切るように保持板7が設けられ、この保持板7の中央部には、図に8で示す副軸受が上記主軸受6の軸受部6bと対向する状態で固定されている。
【0022】
上記圧縮機部3は、図1に示すように両端が開放してなる円筒状のシリンダ10を有しており、このシリンダ10の両端開放部は、上記主軸受6の軸受部6bと副軸受8とに気密にかつ回転方向に摺動自在に外挿されている。このことによって上記シリンダ10は回転中心軸線Aを水平にした状態で回転自在に保持される。
【0023】
上記シリンダ10の中空部内には、円柱形状の回転体としてのロータピストン11が軸方向に沿って収容されている。このロータピストン11の中心軸Bは、上記シリンダ10の中心軸Aに対して距離eだけ偏心して配置されており、このロータピストン11の外周面の一部はシリンダ10の内周面に、軸方向に沿って接触している。
【0024】
また、上記ロータピストン11の両側端には、それぞれ主軸11aおよび副軸11bが一体に設けられ、これらはそれぞれ上記主軸受6の軸受部6bおよび副軸受8によって回転自在に支持されている。
【0025】
また、ロータピストン11と上記シリンダ10との間には、図に12で示す回転力伝達機構12(オルダム機構)が設けられている。この回転力伝達機構12は、後述する電動機部4によって上記シリンダ10が回転駆動されたとき、その回転力をロータピストン11に伝達し、このロ−タピストン11を上記シリンダ10と同位相で回転させるようになっている。
【0026】
一方、上記ロ−タピストン11の外周面には、図に14、15で示す長尺なる第1、第2のヘリカルブレ−ドが、それぞれこのロ−タピストン11の中央部から上記主軸11aおよび副軸11bの方向へ向かって次第にピッチが狭くなる螺旋状に巻着されている。
【0027】
この第1、第2のヘリカルブレ−ド14、15は、図1および図2に示すように、このロ−タピストン11の外周面に沿って螺旋状に凹設された第1、第2の螺旋溝(図示しない)に挿着され、かつこの螺旋溝内からこのロ−タピストン11の径方向外側へ突没するように設けられている。
【0028】
上記第1、第2の螺旋溝は、上記ロ−タピストン11の軸方向中途部の互いに周方向に180°ずれた位置を始点として形成され、バランスを保つため、その巻き数は略等しいかあるいはその差の絶対値は整数(n=1、2、3、…)に略等しく形成される。
【0029】
この第1、第2の螺旋溝に挿着されたヘリカルブレ−ド14、15は、図1に示すように上記シリンダ10の内周面に弾性的に当接することで、このシリンダ10とロ−タピストン11の間に、それぞれ、軸方向外側に向かって複数の圧縮空間18…、19…を区画するようになっている。
【0030】
また、上記第1、第2のヘリカルブレ−ド14、15は不等ピッチの螺旋状に巻着されているので、上記圧縮室18、19の容積は、このロ−タピストン11の両端に向かうにしたがって次第に小さくなるようになっている。
【0031】
また、上記シリンダ10の中央部および右端部には、上記第1のヘリカルブレ−ドの両端部と当接して、この第1のヘリカルブレ−ド14の螺旋溝に沿う方向への移動を規制する第1、第2のブレ−ドストッパ16、17が設けられている。
【0032】
また、上記シリンダ10の中央部および左端部には、上記第2のヘリカルブレ−ド15の移動規制する第1、第2のブレ−ドストッパ16、17が設けられている。なお、この第2のヘリカルブレ−ド15についての第2のブレ−ドストッパ17については図面作成の関係上、図示を省略したが、上記第1のヘリカルブレ−ド14についての第2のブレ−ドストッパ17と対称的な位置に設けられているものとする。
【0033】
次に、図2を参照して、上記ヘリカルブレ−ドストッパ16、17およびこのヘリカルブレ−ドストッパ16、17の取付構造について説明する。
図中16は、第1のブレ−ドストッパである。この第1のブレ−ドストッパ16は、栓状に形成され、横断面円形軸状の下端部16aと、上端部に設けられたフランジ部16bとからなる。
【0034】
上記フランジ部16bは、高さ方向中途部に段差が設けられ、外径の異なる第1、第2の段差部21、22が設けられている。第2の段差部22の外径は、第1の段差部21の外径より小さく、上記下端部16aの外径よりも大きく形成されている。
【0035】
そして、この第2の段差部22には、弾性を有するフッ素ゴムまたは天然ゴム(NBR)からなるOリング23が外装されている。
一方、図中10は、シリンダの側壁である。この側壁には、第1のブレ−ドストッパ16の取付孔24が設けられている。この取付孔24には、高さ方向中途部に段差が設けられ、上記第1のブレ−ドストッパ16の第1、第2の段差部の外径と略同じ内径を有する第1、第2の内径部24a、24bが形成されている。なお、上記第1の内径部24aの深さは、上記第1の段差部21の厚さより大きく形成されている。
【0036】
なお、上記Oリング23の断面径は、上記第1、第2の段差部21、22の半径の差、あるいは、上記第1の段差部21の厚さと上記第1の内径部24aの深さの差よりも若干大きく形成され、上記ブレ−ドストッパ16と取付孔24との間に生じる隙間を弾性的にシ−ルすることができるようになっている。
【0037】
上記第1のブレ−ドストッパ16を上記取付孔24に挿着するには、上記第2の内径部24b内に上記第2の段差部22を挿入すると共に、上記第1の内径部24a内に、上記Oリング23と共に上記第2の段差部22を圧入する。
【0038】
したがって、上記第1のブレ−ドストッパ16と上記取付孔24との隙間は上記Oリング23によってシ−ルされる。
なお、上記第2のブレ−ドストッパ17は、上記第1のブレ−ドストッパ17と同じ形状であり、この第2のブレ−ドストッパ17を挿着する位置には、上記取付孔24と同形状の取付孔24が設けられ、この第2のブレ−ドストッパ17が同じくOリング23によってシ−ルされた状態で装着されるようになっている。
【0039】
このようにして、上記シリンダ10に、第1、第2のブレ−ドストッパ16、17が装着されたならば、このシリンダ10の外周面には、図に26で示す薄肉の押さえカラ−が嵌着される。
【0040】
このことで、上記第1、第2のブレ−ドストッパ16、17は、上記シリンダ10に完全に固定される。なお、上記ロ−タピストン11に設けられた螺旋溝の両端部には、上記シリンダ10の回転にしたがって上記第1、第2のブレ−ドストッパ16、17が挿脱されるストッパ用穴25a、25bが凹設されている。
【0041】
一方、上記主軸受6の中央部には、上記主軸11aに連通する吸込管27が設けられている。また、上記ロ−タピストン11には、一端が上記主軸11aの端面に開放して上記吸込管27に連通し、他端がこのロ−タピストン11の軸方向中途部の外周面に開放する連通孔28が設けられている。
【0042】
なお、上記連通孔28からは、上記副軸11bの端面に連通する圧力導入孔29が設けられている。
また、上記主軸受6および副軸受8には、上記シリンダ10内で圧縮された流体をケ−ス2内に吐出する吐出孔30、31がそれぞれ設けられている。上記主軸受6に設けられた吐出孔30から吐出された圧縮流体は、ケ−ス本体内2aに一旦充満した後、仕切り板7に設けられた貫通孔7aを通って上記蓋体2bで区画された空間内に流通するようになっている。
【0043】
また、上記副軸受8の吐出孔31から吐出された圧縮流体は、上記蓋体2bによって区画された空間内に直接吐出されるようになっている。
なお、この蓋体2bには、この蓋体2bによって区画された空間内に充満された圧縮流体をケ−ス2の外部へ排出する吐出管33が設けられている。
【0044】
一方、上記電動機部4は、上記シリンダ10に外挿されたカラ−26の外周面に嵌着されたロ―タ34と、上記ケ−ス本体2aの内周面に固着され、このロータ34と狭小の間隙を存して設けられた円筒状のステータ35とからなる。
【0045】
したがって、このコンプレッサは、上記電動機部4を作動させることで、上記ロ−タ34を介して上記シリンダ10を中心軸Aまわりに回転駆動する。このシリンダ10の回転は上記回転力伝達機構12(オルダムリング)によって上記ロ−タピストン11に伝達され、このロ−タピストン11は上記中心軸B回りに回転する。
【0046】
このことで、上記吸込管27から上記圧縮空間18、19に吸い込まれた冷媒は、上記ロ−タピストン11の両端部に向かって次第にその容積を減少させながら移動し、順次圧縮される。
【0047】
圧縮された冷媒は、上記吐出30、31から一旦上記ケ−ス本体2a内および蓋体2b内に充満した後、上記吐出管33を通ってこのケ−ス2の外部へ排出される。
【0048】
なお、運転中、上記第1、第2のヘリカルブレ−ド14、15の螺旋方向への移動は、上記第1、第2のブレ−ドストッパ16、17により規制され、ロ−タピストン11の回転バランスが崩れることが有効に防止されるようになっている。
【0049】
このような構成によれば、以下に説明する効果がある。
第1に、ブレ−ドストッパ16、17とシリンダ10に設けられた取付孔24との接合部に互いに係合する段差を設けると共に、この接合部にOリングを介在させ、かつ、シリンダに嵌着したカラ−で上記ブレ−ドストッパの抜けを防止するようにした。
【0050】
このことで、特にケ−ス2内に高圧吐出流体が満たされる高圧型のコンプレッサの圧縮抜けを防止でき、効率の良い運転を行うことができる効果がある。
第2に、ブレ−ドストッパ16、17に設けられたOリング23が緩衝材の役割を果たし、ブレ−ドストッパ16、17の振動およびこれによるシリンダ10の振動を有効に防止できる。
【0051】
これにより、コンプレッサの騒音を防止することができると共に、第1、第2のヘリカルブレ−ド14、15のずれを防止してロ−タピストン11のバランスを良好に保つことが可能になる効果がある。
【0052】
第3に、また、上記外周面に覆い部材としてのカラ−26を設け、上記ブレ−ドストッパ16、17を押さえるようにしたことにより、上記ストッパを一つづつ上記シリンダに固定する作業が不要になり、上記ブレ−ドストッパ16、17の取付けが簡単になる効果がある。
【0053】
したがって、簡単な構成で、シリンダ10の圧縮ガスの抜けを防止することができるコンプレッサを得ることができる効果がある。
なお、この発明は、上記一実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0054】
例えば、上記第1、第2のブレ−ドストッパ16、17は、上記一実施例に示した形状に限定されるものではなく、例えば、図3あるいは図4に示すような形状であっても良い。なお、上記一実施例と同様の構成要素については、同一符号を付してその説明は省略する。
【0055】
図3に示すブレ−ドストッパ16´は、上記第1の段差部に長円形(非円形)の天板部36をさらに設けたものである。上記天板部36は、他の部分と一体的に形成され、全体としてブレ−ドストッパ16´を構成している。
【0056】
また、上記取付孔24´にも、上端部に、天板部36に対応する第3の内径部24cが設けられている。
このようなブレ−ドストッパ16´であれば、上記天板部36により密閉性が増し、シ−ル性はさらに向上する効果がある。また、ブレ−ドストッパ16´の回転を防止できるから、このブレ−ドストッパ16´の抜けを有効に防止できる効果がある。
【0057】
また、上記ブレ−ドストッパは、横断面円形のものに限定されるものではなく、多角形状のものであっても良く、例えば、図4に示すように、横断面正方形状であっても良い。
【0058】
さらに、上記一実施例では、上記第1、第2のブレ−ドストッパ16、17を固定するための覆い部材はカラ−26であったが、これに限定されるものではなく、図5に示すように、上記電動機部4のロ−タ34が兼ねるものであっても良い。この場合には、上記ロ−タ34がこの発明の覆い部材となる。
【0059】
また、図6に示すように、上記シリンダ10の中央部に設けられた第1のブレ−ドストッパ16は、上記電動機部のロ−タ34で押さえ、上記シリンダ10の両端部に設けられた第2のブレ−ドストッパ17は、上記ロ−タ34の外面から上記シリンダ10の外面へと延出されたブラケット37で押さえるようにしても良い。
【0060】
このとき、上記覆い部材は、上記ロ−タ34とブラケット37とにより構成されることとなり、また、上記ロ−タ34は、上記ブラケット37によって、上記シリンダ10の外周面に固定されることとなる。
【0061】
さらに、上記一実施例では、密閉されたケ−ス2内に圧縮機部3および電動機部4が設けられているものであったが、これに限定されるものではなく、比較的圧縮容量の大きいコンプレッサの場合には、上記密閉ケ−ス2がなく、上記圧縮機部3および電動機部4が外部に露出しているものであっても良い。
【0062】
この場合にも、大気圧との圧力差により上記シリンダ10からの圧縮漏れが生じることを有効に防止することができる効果がある。
なお、上記一実施例では、上記第1、第2のブレ−ドストッパ16、17の両方に上記Oリング23および覆い部材(カラ−26)を設けていたが、吐出側に設けられた第2のブレ−ドストッパ17については、上記Oリング23や覆い部材を設けなくても良い場合がある。
【0063】
すなわち、上記密閉ケ−ス2を有する密閉型のコンプレッサの場合には、上記シリンダ10の吐出側内の被圧縮流体の圧力は、上記密閉ケ−ス2内に充満された被圧縮流体の圧力と略等しくなる。
【0064】
したがって、この場合には、上記Oリング23などのシ−ル部材を設けなくても圧縮漏れの心配は少ないということになる。なお、さらに、この場合には、上記第2のブレ−ドストッパ17の中心部に軸線に沿う貫通孔を設け圧縮流体をケ−ス2内に吐出する吐出孔として使用するようにしても良い。
【0065】
また、上記一実施例に示したコンプレッサは、ヘリカルブレ−ド14、15を2つ具備するツインタイプのものであったが、これに限定されるものではなく、ヘリカルブレ−ドが一つしかないシングルタイプのものであっても同様の効果を得ることができる。
【0066】
【発明の効果】
上述したように、この発明では、上記ブレ−ドストッパと取付孔とをシ−ルすると共に、上記ブレ−ドストッパを覆い部材で固定するようにした。
このような構成によれば、簡単な構成でブレ−ドストッパ取付位置の圧縮漏れを防止でき、効率の良い運転を行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す、流体圧縮機の縦断側面図。
【図2】同じく、ブレ−ドストッパおよびこのブレ−ドストッパの取付構造を拡大して示す一部断面を有する正面図。
【図3】他の実施例のブレ−ドストッパを示す正面図。
【図4】同じく、他の実施例のブレ−ドストッパを示す正面図。
【図5】同じく、他の実施例の流体圧縮機を示す全体縦断面図。
【図6】同じく、他の実施例の流体圧縮機を示す全体縦断面図。
【符号の説明】
2…ケ−ス、10…シリンダ、11…ロ−タピストン(回転体)、14…第1のブレ−ド、15…第2のブレ−ド、16…第1のブレ−ドストッパ、17…第2のブレ−ドストッパ、23…Oリング、21…第1の段差部、22…第2の段差部、24…取付孔、24a…第1の内径部、24b…第2の内径部、26…カラ−(覆い部材)。
Claims (1)
- 円筒形のシリンダと、
このシリンダ内に偏心配置された回転体と、
この回転体の外周にそれぞれ不等ピッチで形成された螺旋溝と、
この螺旋溝に巻着され、上記シリンダの内周面と上記回転体の外周面との間の空間を複数の圧縮空間に区画するヘリカルブレードとを具備し、
上記シリンダと回転体と相対的に回転させることで、上記圧縮空間内の被圧縮流体を上記回転体の軸方向に移動させつつその容積を減少させ順次圧縮する流体圧縮機において、
シリンダの、上記ヘリカルブレードの端部に対応する位置に配設され、このシリンダの側壁を貫通して設けられた取付孔と、
この取付孔に挿着され、先端部をシリンダ内に突出させ、上記ヘリカルブレードの移動を規制するブレードストッパと、
このブレードストッパと上記取付孔との間に介在され、両者の間をシールする弾性シール部材と、
を具備し、
上記取付孔は、上記シリンダの外面側に位置する第1の孔部と、この第1の孔部よりも上記シリンダの内面側に位置し、且つ上記第1の孔部より小径な第2の孔部とを備え、
上記ブレードストッパは、上記第1の孔部内に収納され、上記弾性シール部材を上記第1の孔部の、上記シリンダの内面側の端面に押圧する上記第1の孔部と略同形状の第1の部分と、上記第2の孔部に収納され、上記第2の孔部と略同じ形状の第2の部分とを備えていることを特徴とする流体圧縮機。
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