JP3670174B2 - カード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右の目の視差を利用して立体視を行わせるための立体視情報を設けたカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平7−299186号に示すような、立体視を利用した「多目的トランプ」が知られている。当該「多目的トランプ」は、2枚のカードそれぞれに立体視をすることによって認識することができる同一の図柄が表示されるようになっている。このように立体視による図柄が共通する一対のカードを複数組用意し、当該複数組のカードの中から立体視をすることにより立体視による図柄の共通する一対のカードを探すことを目的とするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のカードは、各カードが有している立体視により認識可能となる図柄を頼りに、同じ立体視による画像を有したもう一方のカードを得るというものである。
上記の例では、一枚のカードに描かれている立体視は、他のカードと同一か否かを判断するために使用されているものであり、その一対の組み合わせカードのうち一方のカードだけを見ても立体視による図柄を認識することができる。
【0004】
上記のようなカードの遊技方法としては、たとえば神経衰弱であるとか上記公報に記載されているように花と花言葉の組み合わせといった、特定のカードを組み合わせること以外を目的とした遊びには使用できないものであった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み発明されたものであって、所定のカードを組み合わせたときに、はじめて立体視が可能となる立体視情報をそれぞれのカードに印刷し、この立体視情報を利用して、画一的なゲームではない種々のカードゲームを提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1記載のカードは以下に示す構成を備えていることを特徴とする。すなわち、
下記の要件を備えたことを特徴とするカード
(イ)複数枚のカードであって、各カードにはその一側面に左右の目の視差を利用して立体画を形成するための立体視情報が複数種類設けられていること。
(ロ)前記立体視情報は、ランダムドットステレオグラム方式で表示されていること。
)前記立体視情報は、少なくとも一対のカードを並べたときに初めて所定の情報として視覚的に認識可能となっていること。
)前記複数枚のカードの中から任意に2枚のカードを選択して立体視を行うことにより、当該カードの組み合わせ固有の立体視情報が視覚的に認識可能となるようになっていること。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施の形態を図を用いて説明する。
図1において、1および3は本願発明のカードである。カード1,3は、コレクションや交換あるいはトレーディングカードゲームといった種々の目的に使用されるものであり、いまや子供たちにとっては定番となっているカード遊びに使用するものである。
図1は、カード1,3の一側面(表面)を表したものであり、各カード1,3,には視覚的に認識可能な絵柄5,7が印刷されており、当該絵柄5,7はそれぞれ単独でも絵柄として認識できるようになっているものである。当該絵柄5,7は、例えばテレビアニメの登場キャラクタであったり、テレビゲームの登場キャラクタであったり、その他種々の絵柄となっている。
【0011】
前記絵柄5,7上の一部分には、多数の点を散りばめたような砂模様9,11が表示されており、この点の中に立体視をすることにより認識することができる立体視情報(図中、ABCと表示した部分)13、15が隠されている。当該立体視情報13、15は、カード1あるいは3を単独で見ただけでは、砂模様9,11に紛れて多数の点が見えるだけで、立体視情報13、15として印刷されている情報は認識できないようになっている。
【0012】
ここで、立体視について簡単に説明する。本発明で使用している立体視の技術は、一般的に「ランダムドット・ステレオグラム」あるいは「ステレオグラム」と称されているものであり、既に公知となっているものである。
人間は物体を見る場合、左右の目によって同じ物体を見て、このときの両眼の角度や物体の大きさ等から遠近感を得て、物体を立体的に認識するようになっている。このとき、人間は左右の目によって見ているそれぞれの情報を合成して物体を立体的に認識するわけである。つまり、目に写る情報は左右の目によって若干異なっているが、この左右の目の視差(これを「両眼視差」という)を人間の脳が合成して一つの情報として認識しているわけである。
立体視は、これと同じ状況を起こさせるために、例えば2枚のカードに左目および右目用としてそれぞれ両眼視差を考慮した絵を描き、これを並べて左目および右目によってそれぞれのカードを見ることにより、絵を立体的に認識できるようにしたものである。
【0013】
また、「ランダムドット・ステレオグラム」は、ランダムドットと称されている砂模様を描くとともに、この砂模様の中に上記のような左目および右目の両眼視差を考慮した画像を点画(ドット)で描き、左目および右目によってそれぞれの点画をみることで、人間の脳が左右の目からの情報を合成して初めて絵として認識することができるようになっているものである。なお、この時の点画は、立体視を行わなければ単なる点の集まりであり砂模様としか見ることができない。なお、上記のような立体視画像を作成する方法は、点画だけではなくコンピュータグラフィック(CG)や写真合成その他種々の方法がある。
【0014】
また、立体視の方法としては、交差法および平行法と称されている手法がある。これは、左目用、右目用として描かれた視覚情報を、左右の目を交差させて見るか、平行のまま見るかの違いにより使い分けられている。
【0015】
以上、原理を説明したところで、再び本発明のカードについて説明する。
本発明のカード1,3を立体視によって見ると、二枚のカードを一枚のカード17のように認識することができる。図1に示した19は、カード1、3に描かれていたキャラクタ等の画5、7が立体画として認識されるようになったものである。つまり画5、7も両眼視差を考慮した画であり、立体視によって合成することにより立体的にみえるようになっているものである。
また、21は砂模様9、11を合成した砂模様の画であり、本実施の形態ではこの砂模様21も浮かび上がるように立体的に見えるようになっている。
23は、カード1、3にそれぞれ描かれていた立体視情報13、15を合成することにより初めて視覚により認識可能となった立体視情報であるが、立体視情報13、15それぞれを単独で見ている場合には砂模様9、11の中に紛れてしまい全く内容の不明な情報となっている。
【0016】
このように、本発明のカードでは、2枚のカードを立体視によって合成して見ることにより、初めて意味のある情報として認識できる立体視情報を有しているものである。
したがって、このカードは2枚そろうことによって意義を有するカードとなり、コレクション用のカードあるいは交換用のカードとしての価値が高くなるとともに、トレーディングカードゲームといった対戦カードゲームのルールにも応用することができる。
また、本発明は適時テレビゲームやインターネット等の通信で使用される、テレビ画面や各種端末の表示画面に表示させるようにしたシステムにも応用することが可能であり、何れも本発明の技術的範囲に属するものである。
【0017】
【実施例】
次に、本発明のカードにおける第1の実施例を図2に基づいて説明する。
図2において31および33は本願発明の第1の実施例のカードである。図2は、カード31、33の一側面(表面)を表したものであり、各カード31、33には視覚的に認識可能な絵柄35、37が印刷されいる。本第1の実施例では、絵柄35、37として映画等の主人公が描かれている。当該絵柄35、37はそれぞれ単独でも絵柄として認識できるようになっているものであるが、各絵柄35、37も前述の立体視の原理により両眼視差を考慮して描かれている。
【0018】
カード31、33の表面にはさらに建物の壁に相当する壁の絵39、41も前記絵柄35、37とともに描かれている。そして、当該壁の絵39、41には、映画等の主人公である絵柄35、37の影の画である影画43、45が描かれている。つまり、全体として主人公の影が建物の壁に映っているような絵を備えたカードとなっている。また、影画43、45も立体視の原理により両眼視差を考慮して描かれている。
【0019】
上記カード31、33を立体視によって見ると、カード全体に描かれている絵が立体的に浮かび上がって見えるようになっている。
さらに、本実施例では次に述べる特有の仕組みを有している。つまり影画43、45が立体視により合成されることによって、変化してみえるようになっているのである。
具体的には、各カード31、33を単独で見た場合には、壁に映った影が主人公の絵柄35、37に対応する絵柄として見えるようになっているが、立体視により合成された時には壁51に写った影画53は、主人公としての絵柄ではなく例えば子供が成長した将来の姿としての絵柄が見えるようになっているのである。つまり壁の絵43、45の中に紛れて、将来の姿のような絵柄の情報も同時に設けられているのである。
【0020】
以上のように、本実施例のカードでは、単独ではある所定の絵柄として見えているものが、立体視により合成することによって他の異なる画として見せることが可能となっているものである。
また、本実施例の場合、カードに描かれている種々の画は、点画による手法だけでなく、コンピュータグラフィック(CG)や、写真合成によって形成されている。
【0021】
次に、本発明のカードにおける第2の実施例を図3に基づいて説明する。
図3において61、63、65、67は本願発明の第2の実施例のカードである。図3は、各カード61、63、65、67の一側面(表面)を表したものであり、各カード61、63、65、67の表面には一面に砂模様(図示せず)が描かれている。
また、各カードにはそれぞれ砂模様に紛れて、両眼視差を考慮した立体視情報が描かれている。すなわち簡略化して説明すると、カード61には立体視情報71として「ABC」、73として「DEF」、75として「GHI」の3種類の情報が設けられている。
また、カード63には立体視情報77として「ABC」、79として「JKL」、81として「MNO」の3種類の情報が設けられている。
また、カード65には立体視情報83として「PQR」、85として「DEF」、87として「MNO」の3種類の情報が設けられている。
また、カード67には立体視情報89として「PQR」、91として「JKL」、93として「GHI」の3種類の情報が設けられている。
【0022】
上記各カードの表面は砂模様となっており単独のカードとしては、何の情報が掲載されているのかは全く不明である。
しかし、例えばカード61とカード63を並べて立体視を行った場合には、このカード61、63の組み合わせ固有の認識可能な視覚情報として、立体視情報71、77の組み合わせによる「ABC」という文字が認識可能となっている。また、カード61と別のカード65を並べて立体視を行った場合には、このカード61、65の組み合わせ固有の認識可能な視覚情報として、立体視情報73、85の組み合わせによる「DEF」という文字が認識可能となっている。
また、カード61とさらに別のカード67を並べて立体視を行った場合には、このカード61、67の組み合わせ固有の認識可能な視覚情報として、立体視情報75、93の組み合わせによる「GHI」という文字が認識可能となってる。なお、カードに描かれている種々の画は、点画による手法だけでなく、コンピュータグラフィック(CG)や、写真合成によって形成してもよい。
【0023】
以上のように、第2の実施例のカードでは、特定の組み合わせでしか立体視情報を認識できないのではなく、複数のカードとの組み合わせが可能であり、そのカードの組み合わせごとに異なった立体視情報を表示することが可能となっている。したがって、この技術をカードゲーム等に使用すると、従来の単なる印刷カードを使用したゲームと比べて、種々のゲームルールへの応用が考えられるものである。
【0024】
【発明の効果】
以上説明した本発明のカードは次に述べる効果を有している。すなわち、1枚のカードに設けられた立体視情報は単独では同時に描かれている他の模様に紛れて見ることができないが、2のカードを並べて立体視をすることにより、はじめて所定の情報として視覚的に認識可能となっているものである。したがって、2枚のカードを組み合わせなければ何ら情報は得られない。また組み合わせても立体視をするまでは何の情報かが不明なので、その組み合わせが何の情報を有しているのかがすぐにわからないという技術的効果を有している。
さらにこの技術は、カードを利用した種々の遊びに応用することが可能であり、既存のゲームルールにとらわれない新規な遊びを提供することができるものである。
【0026】
また、本発明のカードは次に述べる効果を有している。すなわち、カードは特定の一組だけの組み合わせに限ることなく、1枚のカードと複数のカードとの組み合わせが可能である。つまり、組み合わせごとに得られる情報を異ならせることができるという技術的効果を有している。この技術はカードを利用した種々の遊びに応用可能であり、既存のカード遊びにとらわれない遊びを提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるカードを説明するための説明図である。
【図2】本発明の第1の実施例であるカードを説明するための説明図である。
【図3】本発明の第2の実施例であるカードを説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 カード
3 カード
5 絵柄
7 絵柄
9 砂模様
11 砂模様
13 立体視情報
15 立体視情報
17 カード
19 絵柄
21 砂模様
23 立体視情報

Claims (1)

  1. 下記の要件を備えたことを特徴とするカード
    (イ)複数枚のカードであって、各カードにはその一側面に左右の目の視差を利用して立体画を形成するための立体視情報が複数種類設けられていること。
    (ロ)前記立体視情報は、ランダムドットステレオグラム方式で表示されていること。
    )前記立体視情報は、少なくとも一対のカードを並べたときに初めて所定の情報として視覚的に認識可能となっていること。
    )前記複数枚のカードの中から任意に2枚のカードを選択して立体視を行うことにより、当該カードの組み合わせ固有の立体視情報が視覚的に認識可能となるようになっていること。
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