JP3670157B2 - Ipパケット転送システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、IPパケット転送サービスを提供する広域ATM網において、IPアドレスおよびルーチングテーブルを用いてデータ転送を行う、IPパケット転送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、LAN間の通信や、コンピュータLANと遠隔地の端末装置とを結ぶ通信のためのシステムとして、インターネットを介した通信や、専用線を介した通信があった。
【0003】
上述した従来のシステムのうちの、専用線を介した通信では、必要な通信速度を有して、問題のない転送処理遅延で転送を行うことができるとともに、セキュリティを確保することが容易であるが、転送する情報がない場合にも回線を占有するため、通信コストが非常に高価であるという問題があった。
【0004】
一方、インターネットを経由した通信では、不特定多数のユーザが共同で伝送路を使用するため、安価ではあるが通信速度が遅く、また、転送経路途中のIPパケットの転送処理をソフトウェアで行っているため処理遅延時間が大きいという問題があり、さらに他社が所有するコンピュータを経由して情報が転送されるためセキュリティの上でも問題があった。
【0005】
また、インターネット通信における転送速度を高める方式として、ATMによりIPパケットを転送する方式も提案されているが、いずれにしてもソフトウェアによる転送であるため、セキュリティに関する問題点は解決されていない。
【0006】
転送速度をさらに高める方式として、特開平9−172457号公報、あるいは特開平10−694737号公報に示されるような、必要に応じてATM上のコネクションを設定するシステムも提案されている。これらのIPパケット転送システムは、アプリケーションが使用する通信に応じて、ソフトウェア転送処理経由の通信とショートカットコネクションによる通信に振り分ける方式であり、例えば、特開平9−172457号公報に示すIPパケット転送システムでは、CSR(Cell Switch Router)によってカットスルーコネクションの設定を行っており、特開平10−694737号公報に示すIPパケット転送システムでは、フローの継続時間に応じて、カットスルーコネクションとショートカットスルーコネクションの設定を行っている。
【0007】
また、IPパケットの転送サービスを広域ATM網上に収容するために、例えば、NTT R&D,Vol.47,No.4「次世代コンピュータネットワークのアクセス系・エッジノード構成法」 4.2 CAFE(Cut−through ATM−based Forwarding Engine)に示される、ATM−PVP(Permanent Virtual Path)を用いたIPパケットの高速転送方式も提案されている。この方式では、IPパケットを構成するATMセルを再構成することなくATMベースで高速に転送することができ、VP(Virtual Path)の上にIPパケットをVC(Virtual Connection)多重するので、網内のリソースを有効に利用することが可能となる。
【0008】
さらに、例えば、NTT R&D,Vol.47,No.4「次世代コンピュータネットワークのバックボーン系構成法」には、コアネットワークについての提案もなされている。この方式では、IPパケットに拡張ヘッダを付与することによりアドレス空間を拡張することができ、また、拡張ヘッダ内のサービス情報フィールドに格納される情報により、ユーザに対して多様なサービスを提供することができ、これらの特徴を利用することでセキュリティは確保され、また、VP上にIPパケットをVC多重するので網内リソースを有効に利用することも可能となり、網の大容量化、高速化に向けた大規模化が容易(スケーラブル)で、かつシンプルな網アーキテクチャが実現できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平9−172457号公報や特開平10−694737号公報に示されたIPパケット転送システムでは、ATM網内で使用されるコネクションの数が多くなって大規模網には不適当であるばかりか、セキュリティに関する問題もまだ残っている。また、「次世代コンピュータネットワークのアクセス系・エッジノード構成法」に示された方式では、あらかじめPVPを設定しておくため、大規模網化が容易でないという課題があり、「次世代コンピュータネットワークのバックボーン系構成法」に示された方式では、拡張ヘッダによるオーバヘッドが大きく、VoIP(Voice over IP)アプリケーションで代表されるような音声通信等の、短パケットによる通信では遅延が大きくなるという課題があった。
【0010】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、専用線と同様な高速の物理回線を使用し、IPパケットをATMセルにセル化して、網内をATMでセル多重伝送し、ユーザ端末装置やLANなどの加入者系資源の間で、高速にIPパケットの転送が行うことができ、通信コストが安価でセキュリティ上の問題もない、広域ATM網に適したIPパケット転送装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るIPパケット転送システムは、ディジタル・サービス・ユニット(以下DSUという)にて、転送すべきIPパケットからATMセルを生成してIPパケット転送装置に送出し、IPパケット転送装置は取得したATMセルに含まれるIPアドレスに対応した網内経路情報または出力情報を内蔵するテーブルから求め、得られた情報によって定められる網内経路または拡張IPパケット転送装置へそのATMセルを伝送し、拡張IPパケット転送装置は取得したATMセルに含まれる拡張IPアドレスに対応した送出先情報を内蔵するテーブルから求め、得られた送出先情報によって定められる装置へATMセルを伝送するようにしたものである。
【0012】
また、この発明に係るIPパケット転送システムは、IPパケット転送装置にて、取得したATMセルに含まれるIPアドレスおよびデータ種別に対応した網内経路情報または出力情報を内蔵するテーブルから求め、得られた情報によって定められる網内経路または拡張IPパケット転送装置へそのATMセルを伝送するようにしたものである。
【0013】
また、この発明に係るIPパケット転送システムは、DSUにて、転送すべきIPパケットのIPアドレスを判定し、そのIPパケットからATMセルを生成してIPパケット転送装置の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出し、IPパケット転送装置はATMセルの取得を、専用線用コネクションで行ったものであれば網内経路情報を、拡張網用コネクションで行ったものであれば出力情報を、内蔵するテーブルからそのATMセルに含まれるIPアドレスに対応して求め、得られた情報によって定められる網内経路または拡張IPパケット転送装置に対してそのATMセルを伝送するようにしたものである。
【0014】
また、この発明に係るIPパケット転送システムは、DSUにて、転送すべきIPパケットのIPアドレスおよびデータ種別を判定し、そのIPパケットから生成したATMセルを、IPパケット転送装置の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出するようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるパケット転送システムの構成を示す網構成図である。図において、100はユーザによって使用されるユーザ端末装置であり、101はLANなどによるIP網である。なお、これらユーザ端末装置100およびIP網101は加入者系資源と総称される。また、複数個存在するユーザ端末装置100やIP網101について、その個々を特に区別する必要がある場合には、その符号にa,b,c,dなどの添字を付けて区別する。このことは、以下に説明する他の部分についても同様である。
【0016】
102はユーザ端末装置100間、IP網101間、ユーザ端末装置100とIP網101との間などの加入者系資源の間でのIPパケットの転送、およびユーザ端末装置100またはIP網101などの加入者系資源へのIPパケットに対する拡張ヘッダの付与を行うIPパケット転送装置である。103はこのIPパケット転送装置102によって付与された拡張ヘッダによって拡張IPパケットの転送を行う拡張IPパケット転送装置である。104は上記IPパケット転送装置102が接続されているATM中継網であり、105はこのATM中継網104に接続された拡張IP網である。
【0017】
106は加入者系資源としての各ユーザ端末装置100あるいはIP網101に接続されて、転送すべきIPパケットからATMセルを生成し、それをIPパケット転送装置102に向けて送出するDSUである。107はこれら各DSU106とIPパケット転送装置102との間に接続されて、各DSU106からの回線の終端を行うATM加入者線終端装置(以下ATM−SLTという)であり、108は上記ATM中継網104を構成するATMクロスコネクト(以下ATM−XCという)である。
【0018】
また、図2は上記IPパケット転送装置102の内部構成を示すブロック図である。図において、111はATM−SLT107もしくはATM−XC108とのインタフェースを実現する入力インタフェース部であり、112は同じくATM−SLT107もしくはATM−XC108とのインタフェースを実現する拡張入力インタフェース部である。113はこの入力インタフェース部111もしくは拡張入力インタフェース部112内にあらかじめ記憶された、複数のIPアドレスと、これら各IPアドレス毎に定められた網内経路を形成するための網内経路情報、または拡張IPアドレスと、拡張IPパケット転送装置への出力情報とからなるテーブル(以下あて先テーブル部という)である。
【0019】
114は入力インタフェース部111あるいは拡張入力インタフェース部112から入力端子に送られてくるATMセルのスイッチングを行うセルスイッチ部である。115はこのセルスイッチ部114の出力端子とATM−SLT107またはATM−XC108との間のインタフェースを実現する出力インタフェース部であり、116は同じくセルスイッチ部114の出力端子とATM−SLT107またはATM−XC108との間のインタフェースを実現する拡張出力インタフェース部である。117はこのIPパケット転送装置102の制御を行う制御部である。
【0020】
また、図3は上記拡張IPパケット転送装置103の内部構成を示すブロック図である。図において、121はATM−SLT107またはATM−XC108とのインタフェースを実現する拡張入力インタフェース部であり、122はこの拡張入力インタフェース部121内にあらかじめ記憶された、複数の拡張IPアドレスと、これらをあて先へ転送するために送信すべき次の拡張IPパケット転送装置103またはIPパケット転送装置102への網内経路情報とからなるテーブル(以下あて先テーブル部という)である。123は拡張入力インタフェース部121から入力端子に送られてくるATMセルのスイッチングを行うセルスイッチ部であり、124はこのセルスイッチ部123の出力端子とATM−SLT107またはATM−XC108との間のインタフェースを実現する拡張出力インタフェース部(以下拡張出力インタフェース部という)である。125はこの拡張IPパケット転送装置103の制御を行う制御部である。
【0021】
次に動作について説明する。
ここで、例えばユーザ端末装置100aから送出されたIPパケットは、加入者系DSU106cを経由してIPパケット転送装置102aに送られる。IPパケット転送装置102aに到着したパケットは、各々のIPアドレスに従って、加入者系DSU106に折り返されるか、あるいはATM中継網104を経由して転送先のIPパケット転送装置102bに送られるか、あるいはATM中継網104を経由してあて先までの複数の拡張IPパケット転送装置103を経由することによって、あて先であるユーザ端末装置100に送られる。
【0022】
なお、図4はこの実施の形態1におけるIPパケット転送装置102の各入力インタフェース部111および各拡張入力インタフェース部112にあらかじめ記憶されているあて先テーブル部113の内容を示す説明図であり、図5はこの実施の形態1における拡張IPパケット転送装置103の各拡張入力インタフェース部121にあらかじめ記憶されているあて先テーブル部122の内容を示す説明図である。以下、図1〜図5を用いて、この実施の形態1のIPパケット転送システムの動作について具体的に説明する。
【0023】
加入者系資源のユーザ端末装置100から送出されたIPパケットは、DSU106において、AAL(ATM Adaptation Layer)タイプ5に基づいてATMセルにセル化され、ATM−SLT107を経由してIPパケット転送装置102の入力インタフェース部111に送出される。なお、各DSU106はユーザ端末装置100やIP網101がATM対応の場合には、既にセル化が行われているため本処理は行わず、そのままIPパケット転送装置102の入力インタフェース部111にそれを送出する。
【0024】
IPパケット転送装置102の入力インタフェース部111内に存在するあて先テーブル部113には、図4に示すように、入力VPI(Virtual Path Identifier)とあて先IPアドレスの組に対応した網内経路情報として、以下のどちらかの情報の組があらかじめ設定されている。
a.当該ATMセルに付与すべき新VPIと新VCI(Virtual Connection Identifier)、およびスイッチング情報
b.当該ATMセルに付与すべき新VPIと新VCI、スイッチング情報、およびあて先拡張IPアドレス
【0025】
上記aの情報が設定されたエントリはATM−PVP通信を使用し、上記bの情報が設定されたエントリは拡張IPネットワーク通信を使用することを示すものである。
【0026】
なお、上記スイッチング情報は、IPパケット転送装置102のセルスイッチ部114の各入力端子のうちの、当該ATMセルが入力されるものの入力端子番号と、上記セルスイッチ部114の各出力端子のうちの、当該ATMセルの進路に対応したものの出力端子番号を含んでいる。セルスイッチ部114では、このスイッチング情報が与えられると、これにより端子番号が指定された入力端子と出力端子との間が接続される。
【0027】
IPパケット転送装置102の入力インタフェース部111では、順次到着するATMセル中の、IPパケットのヘッダ部分から生成された先頭のセルを検出し、この先頭のATMセルからVPIおよびペイロード部内のIPアドレスが読み出される。そして、上記網内経路情報のうち、これらの入力VPIとあて先IPアドレスの組に対応したものがあて先テーブル部113から取り出される。
【0028】
取り出された網内経路情報が上記aに対応する情報であれば、得られたVPIは、当該IPパケット転送装置102に接続されているATM−SLT107、または送信対地までの途中にある対向するIPパケット転送装置102に張られたVPを示している。なお、2番目以降のATMセルはIPアドレスを含んでいないが、先頭のセルと同一の網内経路情報を用いてVPIおよびVCIの付与、セルスイッチ部114の制御が行われる。
【0029】
あて先テーブル部113から得られた網内経路情報に含まれるスイッチング情報はセルスイッチ部114に送られる。新しいVPIおよびVCIの書きこまれたATMセルは、このセルスイッチ部114により、あらかじめ定められた当該セルの進路に対応した出力インタフェース部115に送られる。例えば、当該ATMセルが当該IPパケット転送装置102に接続されているATM−SLT107に送り返されるべきものである場合には、当該ATMセルはセルスイッチ部114により、例えば出力インタフェース部115bへ送られる。また、当該ATMセルが送信対地までの途中にある対向するIPパケット転送装置102に送られるべきものである場合には、ATM中継網104のATM−XC108に接続された、例えば出力インタフェース部115aに送られることとなる。
【0030】
また、取り出された網内経路情報が上記bに対応する情報であれば、得られたVPIは、当該IPパケット転送装置102に接続されている、送信対地までの途中にある拡張IPパケット転送装置103に張られたVPを示している。なお、2番目以降のATMセルは、IPアドレスを含んでいないが、先頭のセルと同一の網内経路情報を用いてVPIおよびVCIの付与、セルスイッチ部の制御、拡張IPアドレスによる拡張ヘッダ挿入が行われる。
【0031】
あて先テーブル部113から得られた網内経路情報に含まれるスイッチング情報はセルスイッチ部114に送られる。新しいVPIおよびVCIが書きこまれ、拡張IPアドレスによる拡張ヘッダが挿入されたATMセルは、このセルスイッチ部114により、あらかじめ定められた当該セルの進路に対応した拡張出力インタフェース部116に送られる。例えば、当該ATMセルが送信対地までの途中に拡張IPパケット転送装置103に送られるべきものである場合には、ATM中継網104のATM−XC108に接続された、例えば拡張出力インタフェース部116bに送られることとなる。
【0032】
IPパケット転送装置102の拡張出力インタフェース部116に送られたセル流は、VPシェイパやSDH(Synchronous Digital Hierarchy)フレームへの組み込みなど必要な処理を実施した後、ATM中継網104を構成するATM−XC108やATM−SLT107へ向けて出力される。
【0033】
一方、拡張IPパケット転送装置103の入力インタフェース部121内に存在するあて先テーブル部122には、図5に示すように、受信ユーザ識別子とあて先拡張IPアドレスの組に対応した網内経路情報として、以下の情報の組があらかじめ設定されている。
a.当該ATMセルに付与すべき新VPIと新VCI、およびスイッチング情報
【0034】
なお、上記スイッチング情報は、拡張IPパケット転送装置103のセルスイッチ部123の各入力端子のうちの、当該ATMセルが入力されるものの入力端子番号と、上記セルスイッチ部123の各出力端子のうちの、当該ATMセルの進路に対応したものの出力端子番号を含んでいる。セルスイッチ部123では、このスイッチング情報が与えられると、これにより端子番号が指定された入力端子と出力端子との間が接続される。
【0035】
IPパケット転送装置102の入力インタフェース部111では、この場合にも、順次到着するATMセル中の、IPパケットのヘッダ部分から生成された先頭のセルを検出し、この先頭のATMセルからVPIおよびペイロード部内のIPアドレスが読み出される。そして、上記網内経路情報のうち、これらの入力VPIとあて先IPアドレスの組に対応したものがあて先テーブル部113から取り出される。
【0036】
取り出された網内経路情報から得られたVPIは、当該拡張IPパケット転送装置103に接続されて送信対地までの途中にある対向するIPパケット転送装置102に張られたVP、もしくは、次に転送すべき拡張IPパケット転送装置103に張られたVPを示している。なお、2番目以降のATMセルは、IPアドレスを含んでいないが、先頭のATMセルと同一の網内経路情報を用いてVPIおよびVCIの付与、セルスイッチ部123の制御が行われる。
【0037】
あて先テーブル部122から得られた網内経路情報に含まれているスイッチング情報はセルスイッチ部123に送られる。新しいVPIおよびVCIの書きこまれたATMセルは、このセルスイッチ部123により、あらかじめ定められた当該セルの進路に対応した拡張出力インタフェース部124に送られる。例えば、当該ATMセルが当該拡張IPパケット転送装置103に接続されている他の拡張IPパケット転送装置103に転送されるべきものである場合には、当該セルはセルスイッチ部123により、例えば拡張出力インタフェース部124bへ送られる。また、当該ATMセルが送信対地までの途中にある対向するIPパケット転送装置102に送られるべきものである場合には、当該セルはATM中継網104のATM−XC108に接続された、例えば拡張出力インタフェース部124aに送られることとなる。
【0038】
拡張IPパケット転送装置103による転送処理を繰り返すと、最終的に当該ATMセルは、当該拡張IPパケット転送装置103に接続されている送信対地までの途中にある対向するIPパケット転送装置102の拡張入力インタフェース部112に送られる。
【0039】
IPパケット転送装置102の拡張入力インタフェース部112では、拡張IPヘッダ中のあて先拡張IPアドレスの取得が行われる。この取得される拡張IPアドレスは出力インタフェース115に対応しているため、スイッチング情報が得られる。さらに、拡張IPヘッダを除去し、IPアドレスを取得する。その後の動作は入力インタフェース部111の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0040】
このように、この実施の形態1によれば、IPパケット転送装置102がIPアドレスを判定してサービスの振り分けを行っているので、通常のユーザ間の通信においては拡張IP網を使用し、より高速なサービスを使用するユーザ間の通信に対してはATM−PVP網を使用することができるようになり、通信コストが安価で、高速かつ多様なサービスを提供することが可能になるという効果が得られる。
【0041】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、あて先IPアドレスを判定してサービスの振り分けを行うものについて説明したが、IPアドレス、およびデータ種別としてのアプリケーション種別によってサービスの振り分けを行うことも可能である。実施の形態2はそのようなIPパケット転送システムに関するものであり、その網構成、およびIPパケット転送装置、拡張IPパケット転送装置の構成は、図1〜図3に示した実施の形態1の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0042】
ここで、図6はこの実施の形態2におけるIPパケット転送装置102の各入力インタフェース部111および各拡張入力インタフェース部112にあらかじめ記憶されている、あて先テーブル部113の内容を示す説明図である。なお、拡張IPパケット転送装置103のあて先テーブル部122の内容は、上記実施の形態1の場合と同様に、図5に示した構成となる。
【0043】
以下、この実施の形態2によるIPパケット転送システムの動作について説明する。
この実施の形態2では、IPパケット転送装置102の各入力インタフェース部111および各拡張入力インタフェース部112が保有するあて先テーブル部113を、図6に示すように構成している。すなわち、入力VPI、あて先IPアドレス、および当該ATMセルのアプリケーション(AP)種別の組に対応した網内経路情報として、以下の情報の組があらかじめ設定される。
a.当該ATMセルに付与すべき新VPIと新VCI、スイッチング情報、およびあて先拡張IPアドレス
【0044】
IPパケット転送装置102の入力インタフェース部111では、順次到着するATMセルのうち、IPパケットのヘッダ部から生成された先頭のセルを検出し、その先頭のATMセルに含まれるIPパケットとアプリケーション種別を取得する。そして、図6にその内容が示されたあて先テーブル部113の検索を行って、上記IPパケットとアプリケーション種別に対応した網内経路情報を求める。なお、その他の動作については、実施の形態1の場合と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0045】
このように、この実施の形態2によれば、IPパケット転送装置102がアプリケーション種別を判定してサービスの振り分けを行っているので、通常のユーザ間の通信においては拡張IP網を使用し、VoIPによる音声通信などのような、遅延時間に悪影響を及ぼされやすい短パケットの通信に対しては、ATM−PVP網を使用することができるようになり、通信コストが安価で、高速かつ多様なサービスを、ユーザやアプリケーションに対応して提供することができるという効果が得られる。
【0046】
実施の形態3.
また、上記実施の形態1においては、IPパケット転送装置がIPアドレスによりサービスの振り分けを行うものについて説明したが、ユーザ端末装置に接続されるDSUによってその振り分けを行うことも可能である。
【0047】
実施の形態3はそのようなIPパケット転送システムに関するものであり、その網構成、およびIPパケット転送装置、拡張IPパケット転送装置の構成は、図1〜図3に示した実施の形態1の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。また、拡張IPパケット転送装置103のあて先テーブル部122の内容は、この実施の形態3においても、図5に示した上記実施の形態1の場合と同様の構成となる。
【0048】
なお、この実施の形態3におけるDSU106は、転送すべきIPパケットのIPアドレスの判定を行って、当該IPパケットよりセルを生成し、それをIPパケット転送装置102の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出するものである点で、実施の形態1におけるそれとは異なっている。図7はそのようなこの実施の形態3におけるDSU106の内部構成を示すブロック図である。図において、131はこのDSU106が保持しているあて先テーブル部であり、132はユーザ網インタフェース部、133はATM制御機能部である。
【0049】
ここで、図8は上記あて先テーブル部131の内容を示す説明図であり、図9はこの実施の形態3におけるIPパケット転送装置102の各入力インタフェース部111および各拡張入力インタフェース部112にあらかじめ記憶されている、あて先テーブル部113の内容を示す説明図である。図8に示すように、あて先テーブル部131には、入力VPIとあて先IPアドレスの組に対応して、新しいVPIが設定されている。また、図9に示すように、あて先テーブル部113には、入力VPIとあて先IPアドレスの組に対応して、新しいVPIとVIC、スイッチング情報、およびあて先拡張IPアドレスが設定されている。なお、このあて先テーブル部113のあて先IPアドレスとあて先拡張IPアドレスは使用されないこともある。
【0050】
以下、この実施の形態3によるIPパケット転送システムの動作について説明する。
この実施の形態3においても、ユーザ端末装置100から送出されたIPパケットは、DSU106において、AALタイプ5に基づいてATMセルにセル化され、ATM−SLT107を経由してIPパケット転送装置102の入力インタフェース部111に送出される。なお、各DSU106は収容されているユーザ端末装置100やIP網101がATM対応の場合には、既にセル化が行われているため本処理は行わず、そのままIPパケット転送装置102の入力インタフェース部111にそれを送出する。
【0051】
DSU106はこの時、転送するIPパケットからあて先IPアドレスを取得し、保持しているあて先テーブル部131を参照することで使用するサービスを認識する。ATM−PVP網を使用する場合は、あらかじめ指定されたVPに付けかえる。このように、DSU106は転送すべきIPパケットのIPアドレスの判定を行って、当該IPパケットより生成したATMセルを、IPパケット転送装置102の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出する。
【0052】
IPパケット転送装置102では、ATMセルを専用線用コネクションから取得した場合には、あて先テーブル部113より当該セルに含まれるIPアドレスに対応した網内経路情報を求める。一方、ATMセルを拡張網用コネクションから取得した場合には、あて先テーブル113より当該セルに含まれるIPアドレスに対応した出力情報を求める。なお、その他の動作については、実施の形態1の場合と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0053】
このように、この実施の形態3によれば、DSU106がIPアドレスを判定してサービスの振り分けを行っているので、既存のIPパケット転送装置102が保有しているあて先テーブル部113の内容を変更することなく、通信コストが安価で、高速かつ多様なサービスを、ユーザに対応して提供することができるという効果が得られる。
【0054】
実施の形態4.
また、上記実施の形態2においては、IPパケット転送装置がIPアドレスおよびアプリケーション種別によりサービスの振り分けを行うものについて説明したが、ユーザ端末装置に接続されるDSUによりその振り分けを行うことも可能である。
【0055】
実施の形態4はそのようなIPパケット転送システムに関するものであり、その網構成、およびIPパケット転送装置、拡張IPパケット転送装置の構成は図1〜図3に示した実施の形態1の場合と、DSUの構成は図7に示した実施の形態3の場合とそれぞれ同様であるため、ここではその説明を省略する。また、拡張IPパケット転送装置103のあて先テーブル部122の内容は、図5に示した実施の形態1の場合と同様の構成となり、IPパケット転送装置102のあて先テーブル部113の内容は、図6に示した実施の形態2、あるいは図9に示した実施の形態3の場合と同様の構成となる。
【0056】
ここで、図10はこの実施の形態4におけるDSU106が保持するあて先テーブル部131の内容を示す説明図である。このあて先テーブル部131は、図10に示すように、入力VPIとあて先IPアドレスの組に対応して、新しいVPIとともに、データ種別としてのアプリケーション種別も設定されている点で、図8に示した実施の形態3におけるそれとは異なっている。
【0057】
以下、この実施の形態4によるIPパケット転送システムの動作について説明する。
この実施の形態4においても、ユーザ端末装置100から送出されたIPパケットは、DSU106において、AALタイプ5に基づいてATMセルにセル化され、ATM−SLT107を経由してIPパケット転送装置102の入力インタフェース部111に送出される。なお、各DSU106は接続されているユーザ端末装置100やIP網101がATM対応の場合には、既にセル化が行われているため本処理は行わず、そのままIPパケット転送装置102の入力インタフェース部111にそれを送出する。
【0058】
DSU106はこの時、転送するIPパケットからあて先IPアドレスおよびアプリケーション種別を取得し、保持しているあて先テーブル部131を参照することで使用するサービスを認識する。ATM−PVP網を使用する場合は、あらかじめ指定されたVPに付けかえる。このように、DSU106は転送すべきIPパケットのIPアドレスとアプリケーション種別の判定を行って、当該IPパケットより生成したATMセルを、IPパケット転送装置102の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出する。なお、その他の動作は、実施の形態3の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0059】
このように、この実施の形態4によれば、DSU106がIPアドレスとアプリケーション種別を判定してサービスの振り分けを行っているので、既存のIPパケット転送装置102が保有しているあて先テーブル部113の内容を変更することなく、通信コストが安価で、高速かつ多様なサービスを、ユーザやアプリケーションに対応して提供することができるという効果が得られる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、DSUではIPパケットから生成したATMセルをIPパケット転送装置に送出し、IPパケット転送装置ではそのATMセルのIPアドレスに基づいて内蔵するテーブルから求めた網内経路情報や出力情報によって決まる網内経路または拡張IPパケット転送装置へそのATMセルを伝送し、拡張IPパケット転送装置ではそのATMセルの拡張IPアドレスに基づいて内蔵するテーブルから求めた送出先情報によって決まる装置へそのATMセルを伝送するように構成したので、通常の通信においては拡張ヘッダを付与したコアネットワークを使用することで、セキュリティ上の問題がなく、高速かつ安価に高機能のサービスを提供することができ、遅延時間による悪影響を受けやすい短パケットの通信に対してはATM−PVPを利用することで、高速かつ低遅延であり、安価でセキュリティ上の問題もないサービスを提供することができるIPパケット転送システムが得られる効果がある。
【0061】
また、この発明によれば、IPパケット転送装置の内蔵するテーブルに、ATMセルに含まれるIPアドレスおよびデータ種別に対応した網内経路情報または出力情報を記憶させておき、それらの情報によって定められる網内経路または拡張IPパケット転送装置へそのATMセルを伝送するように構成したので、高速かつ安価で高機能なサービスを、ユーザやデータ種別に対応して提供することができるという効果がある。
【0062】
また、この発明によれば、転送すべきIPパケットのIPアドレスをDSUにて判定し、そのIPパケットから生成したATMセルをIPパケット転送装置の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出するように構成したので、IPパケット転送装置内の既存のテーブルを変更しなくとも、高速かつ安価で高機能なサービスを、ユーザに対応して提供することができるという効果がある。
【0063】
また、この発明によれば、転送すべきIPパケットのIPアドレスおよびデータ種別をDSUにて判定し、そのIPパケットから生成したATMセルをIPパケット転送装置の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出するように構成したので、IPパケット転送装置内の既存のテーブルを変更しなくとも、高速かつ安価で高機能なサービスを、ユーザやアプリケーションに対応して提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1〜実施の形態4によるパケット転送システムを示す網構成図である。
【図2】 上記実施の形態1〜実施の形態4におけるIPパケット転送装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 上記実施の形態1〜実施の形態4における拡張IPパケット転送装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 上記実施の形態1におけるIPパケット転送装置のあて先テーブル部の内容を示す説明図である。
【図5】 上記実施の形態1〜実施の形態4における拡張IPパケット転送装置のあて先テーブル部の内容を示す説明図である。
【図6】 上記実施の形態2および実施の形態4におけるIPパケット転送装置のあて先テーブル部の内容を示す説明図である。
【図7】 上記実施の形態3〜実施の形態4におけるDSUの構成を示すブロック図である。
【図8】 上記実施の形態3におけるDSUのあて先テーブル部の内容を示す説明図である。
【図9】 上記実施の形態3〜実施の形態4におけるIPパケット転送装置のあて先テーブル部の内容を示す説明図である。
【図10】 上記実施の形態4におけるDSUのあて先テーブル部の内容を示す説明図である。
【符号の説明】
100 ユーザ端末装置(加入者系資源)、101 IP網(加入者系資源)、102 IPパケット転送装置、103 拡張IPパケット転送装置、106DSU、113,122 あて先テーブル部(テーブル)。
【発明の属する技術分野】
この発明は、IPパケット転送サービスを提供する広域ATM網において、IPアドレスおよびルーチングテーブルを用いてデータ転送を行う、IPパケット転送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、LAN間の通信や、コンピュータLANと遠隔地の端末装置とを結ぶ通信のためのシステムとして、インターネットを介した通信や、専用線を介した通信があった。
【0003】
上述した従来のシステムのうちの、専用線を介した通信では、必要な通信速度を有して、問題のない転送処理遅延で転送を行うことができるとともに、セキュリティを確保することが容易であるが、転送する情報がない場合にも回線を占有するため、通信コストが非常に高価であるという問題があった。
【0004】
一方、インターネットを経由した通信では、不特定多数のユーザが共同で伝送路を使用するため、安価ではあるが通信速度が遅く、また、転送経路途中のIPパケットの転送処理をソフトウェアで行っているため処理遅延時間が大きいという問題があり、さらに他社が所有するコンピュータを経由して情報が転送されるためセキュリティの上でも問題があった。
【0005】
また、インターネット通信における転送速度を高める方式として、ATMによりIPパケットを転送する方式も提案されているが、いずれにしてもソフトウェアによる転送であるため、セキュリティに関する問題点は解決されていない。
【0006】
転送速度をさらに高める方式として、特開平9−172457号公報、あるいは特開平10−694737号公報に示されるような、必要に応じてATM上のコネクションを設定するシステムも提案されている。これらのIPパケット転送システムは、アプリケーションが使用する通信に応じて、ソフトウェア転送処理経由の通信とショートカットコネクションによる通信に振り分ける方式であり、例えば、特開平9−172457号公報に示すIPパケット転送システムでは、CSR(Cell Switch Router)によってカットスルーコネクションの設定を行っており、特開平10−694737号公報に示すIPパケット転送システムでは、フローの継続時間に応じて、カットスルーコネクションとショートカットスルーコネクションの設定を行っている。
【0007】
また、IPパケットの転送サービスを広域ATM網上に収容するために、例えば、NTT R&D,Vol.47,No.4「次世代コンピュータネットワークのアクセス系・エッジノード構成法」 4.2 CAFE(Cut−through ATM−based Forwarding Engine)に示される、ATM−PVP(Permanent Virtual Path)を用いたIPパケットの高速転送方式も提案されている。この方式では、IPパケットを構成するATMセルを再構成することなくATMベースで高速に転送することができ、VP(Virtual Path)の上にIPパケットをVC(Virtual Connection)多重するので、網内のリソースを有効に利用することが可能となる。
【0008】
さらに、例えば、NTT R&D,Vol.47,No.4「次世代コンピュータネットワークのバックボーン系構成法」には、コアネットワークについての提案もなされている。この方式では、IPパケットに拡張ヘッダを付与することによりアドレス空間を拡張することができ、また、拡張ヘッダ内のサービス情報フィールドに格納される情報により、ユーザに対して多様なサービスを提供することができ、これらの特徴を利用することでセキュリティは確保され、また、VP上にIPパケットをVC多重するので網内リソースを有効に利用することも可能となり、網の大容量化、高速化に向けた大規模化が容易(スケーラブル)で、かつシンプルな網アーキテクチャが実現できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平9−172457号公報や特開平10−694737号公報に示されたIPパケット転送システムでは、ATM網内で使用されるコネクションの数が多くなって大規模網には不適当であるばかりか、セキュリティに関する問題もまだ残っている。また、「次世代コンピュータネットワークのアクセス系・エッジノード構成法」に示された方式では、あらかじめPVPを設定しておくため、大規模網化が容易でないという課題があり、「次世代コンピュータネットワークのバックボーン系構成法」に示された方式では、拡張ヘッダによるオーバヘッドが大きく、VoIP(Voice over IP)アプリケーションで代表されるような音声通信等の、短パケットによる通信では遅延が大きくなるという課題があった。
【0010】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、専用線と同様な高速の物理回線を使用し、IPパケットをATMセルにセル化して、網内をATMでセル多重伝送し、ユーザ端末装置やLANなどの加入者系資源の間で、高速にIPパケットの転送が行うことができ、通信コストが安価でセキュリティ上の問題もない、広域ATM網に適したIPパケット転送装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るIPパケット転送システムは、ディジタル・サービス・ユニット(以下DSUという)にて、転送すべきIPパケットからATMセルを生成してIPパケット転送装置に送出し、IPパケット転送装置は取得したATMセルに含まれるIPアドレスに対応した網内経路情報または出力情報を内蔵するテーブルから求め、得られた情報によって定められる網内経路または拡張IPパケット転送装置へそのATMセルを伝送し、拡張IPパケット転送装置は取得したATMセルに含まれる拡張IPアドレスに対応した送出先情報を内蔵するテーブルから求め、得られた送出先情報によって定められる装置へATMセルを伝送するようにしたものである。
【0012】
また、この発明に係るIPパケット転送システムは、IPパケット転送装置にて、取得したATMセルに含まれるIPアドレスおよびデータ種別に対応した網内経路情報または出力情報を内蔵するテーブルから求め、得られた情報によって定められる網内経路または拡張IPパケット転送装置へそのATMセルを伝送するようにしたものである。
【0013】
また、この発明に係るIPパケット転送システムは、DSUにて、転送すべきIPパケットのIPアドレスを判定し、そのIPパケットからATMセルを生成してIPパケット転送装置の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出し、IPパケット転送装置はATMセルの取得を、専用線用コネクションで行ったものであれば網内経路情報を、拡張網用コネクションで行ったものであれば出力情報を、内蔵するテーブルからそのATMセルに含まれるIPアドレスに対応して求め、得られた情報によって定められる網内経路または拡張IPパケット転送装置に対してそのATMセルを伝送するようにしたものである。
【0014】
また、この発明に係るIPパケット転送システムは、DSUにて、転送すべきIPパケットのIPアドレスおよびデータ種別を判定し、そのIPパケットから生成したATMセルを、IPパケット転送装置の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出するようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるパケット転送システムの構成を示す網構成図である。図において、100はユーザによって使用されるユーザ端末装置であり、101はLANなどによるIP網である。なお、これらユーザ端末装置100およびIP網101は加入者系資源と総称される。また、複数個存在するユーザ端末装置100やIP網101について、その個々を特に区別する必要がある場合には、その符号にa,b,c,dなどの添字を付けて区別する。このことは、以下に説明する他の部分についても同様である。
【0016】
102はユーザ端末装置100間、IP網101間、ユーザ端末装置100とIP網101との間などの加入者系資源の間でのIPパケットの転送、およびユーザ端末装置100またはIP網101などの加入者系資源へのIPパケットに対する拡張ヘッダの付与を行うIPパケット転送装置である。103はこのIPパケット転送装置102によって付与された拡張ヘッダによって拡張IPパケットの転送を行う拡張IPパケット転送装置である。104は上記IPパケット転送装置102が接続されているATM中継網であり、105はこのATM中継網104に接続された拡張IP網である。
【0017】
106は加入者系資源としての各ユーザ端末装置100あるいはIP網101に接続されて、転送すべきIPパケットからATMセルを生成し、それをIPパケット転送装置102に向けて送出するDSUである。107はこれら各DSU106とIPパケット転送装置102との間に接続されて、各DSU106からの回線の終端を行うATM加入者線終端装置(以下ATM−SLTという)であり、108は上記ATM中継網104を構成するATMクロスコネクト(以下ATM−XCという)である。
【0018】
また、図2は上記IPパケット転送装置102の内部構成を示すブロック図である。図において、111はATM−SLT107もしくはATM−XC108とのインタフェースを実現する入力インタフェース部であり、112は同じくATM−SLT107もしくはATM−XC108とのインタフェースを実現する拡張入力インタフェース部である。113はこの入力インタフェース部111もしくは拡張入力インタフェース部112内にあらかじめ記憶された、複数のIPアドレスと、これら各IPアドレス毎に定められた網内経路を形成するための網内経路情報、または拡張IPアドレスと、拡張IPパケット転送装置への出力情報とからなるテーブル(以下あて先テーブル部という)である。
【0019】
114は入力インタフェース部111あるいは拡張入力インタフェース部112から入力端子に送られてくるATMセルのスイッチングを行うセルスイッチ部である。115はこのセルスイッチ部114の出力端子とATM−SLT107またはATM−XC108との間のインタフェースを実現する出力インタフェース部であり、116は同じくセルスイッチ部114の出力端子とATM−SLT107またはATM−XC108との間のインタフェースを実現する拡張出力インタフェース部である。117はこのIPパケット転送装置102の制御を行う制御部である。
【0020】
また、図3は上記拡張IPパケット転送装置103の内部構成を示すブロック図である。図において、121はATM−SLT107またはATM−XC108とのインタフェースを実現する拡張入力インタフェース部であり、122はこの拡張入力インタフェース部121内にあらかじめ記憶された、複数の拡張IPアドレスと、これらをあて先へ転送するために送信すべき次の拡張IPパケット転送装置103またはIPパケット転送装置102への網内経路情報とからなるテーブル(以下あて先テーブル部という)である。123は拡張入力インタフェース部121から入力端子に送られてくるATMセルのスイッチングを行うセルスイッチ部であり、124はこのセルスイッチ部123の出力端子とATM−SLT107またはATM−XC108との間のインタフェースを実現する拡張出力インタフェース部(以下拡張出力インタフェース部という)である。125はこの拡張IPパケット転送装置103の制御を行う制御部である。
【0021】
次に動作について説明する。
ここで、例えばユーザ端末装置100aから送出されたIPパケットは、加入者系DSU106cを経由してIPパケット転送装置102aに送られる。IPパケット転送装置102aに到着したパケットは、各々のIPアドレスに従って、加入者系DSU106に折り返されるか、あるいはATM中継網104を経由して転送先のIPパケット転送装置102bに送られるか、あるいはATM中継網104を経由してあて先までの複数の拡張IPパケット転送装置103を経由することによって、あて先であるユーザ端末装置100に送られる。
【0022】
なお、図4はこの実施の形態1におけるIPパケット転送装置102の各入力インタフェース部111および各拡張入力インタフェース部112にあらかじめ記憶されているあて先テーブル部113の内容を示す説明図であり、図5はこの実施の形態1における拡張IPパケット転送装置103の各拡張入力インタフェース部121にあらかじめ記憶されているあて先テーブル部122の内容を示す説明図である。以下、図1〜図5を用いて、この実施の形態1のIPパケット転送システムの動作について具体的に説明する。
【0023】
加入者系資源のユーザ端末装置100から送出されたIPパケットは、DSU106において、AAL(ATM Adaptation Layer)タイプ5に基づいてATMセルにセル化され、ATM−SLT107を経由してIPパケット転送装置102の入力インタフェース部111に送出される。なお、各DSU106はユーザ端末装置100やIP網101がATM対応の場合には、既にセル化が行われているため本処理は行わず、そのままIPパケット転送装置102の入力インタフェース部111にそれを送出する。
【0024】
IPパケット転送装置102の入力インタフェース部111内に存在するあて先テーブル部113には、図4に示すように、入力VPI(Virtual Path Identifier)とあて先IPアドレスの組に対応した網内経路情報として、以下のどちらかの情報の組があらかじめ設定されている。
a.当該ATMセルに付与すべき新VPIと新VCI(Virtual Connection Identifier)、およびスイッチング情報
b.当該ATMセルに付与すべき新VPIと新VCI、スイッチング情報、およびあて先拡張IPアドレス
【0025】
上記aの情報が設定されたエントリはATM−PVP通信を使用し、上記bの情報が設定されたエントリは拡張IPネットワーク通信を使用することを示すものである。
【0026】
なお、上記スイッチング情報は、IPパケット転送装置102のセルスイッチ部114の各入力端子のうちの、当該ATMセルが入力されるものの入力端子番号と、上記セルスイッチ部114の各出力端子のうちの、当該ATMセルの進路に対応したものの出力端子番号を含んでいる。セルスイッチ部114では、このスイッチング情報が与えられると、これにより端子番号が指定された入力端子と出力端子との間が接続される。
【0027】
IPパケット転送装置102の入力インタフェース部111では、順次到着するATMセル中の、IPパケットのヘッダ部分から生成された先頭のセルを検出し、この先頭のATMセルからVPIおよびペイロード部内のIPアドレスが読み出される。そして、上記網内経路情報のうち、これらの入力VPIとあて先IPアドレスの組に対応したものがあて先テーブル部113から取り出される。
【0028】
取り出された網内経路情報が上記aに対応する情報であれば、得られたVPIは、当該IPパケット転送装置102に接続されているATM−SLT107、または送信対地までの途中にある対向するIPパケット転送装置102に張られたVPを示している。なお、2番目以降のATMセルはIPアドレスを含んでいないが、先頭のセルと同一の網内経路情報を用いてVPIおよびVCIの付与、セルスイッチ部114の制御が行われる。
【0029】
あて先テーブル部113から得られた網内経路情報に含まれるスイッチング情報はセルスイッチ部114に送られる。新しいVPIおよびVCIの書きこまれたATMセルは、このセルスイッチ部114により、あらかじめ定められた当該セルの進路に対応した出力インタフェース部115に送られる。例えば、当該ATMセルが当該IPパケット転送装置102に接続されているATM−SLT107に送り返されるべきものである場合には、当該ATMセルはセルスイッチ部114により、例えば出力インタフェース部115bへ送られる。また、当該ATMセルが送信対地までの途中にある対向するIPパケット転送装置102に送られるべきものである場合には、ATM中継網104のATM−XC108に接続された、例えば出力インタフェース部115aに送られることとなる。
【0030】
また、取り出された網内経路情報が上記bに対応する情報であれば、得られたVPIは、当該IPパケット転送装置102に接続されている、送信対地までの途中にある拡張IPパケット転送装置103に張られたVPを示している。なお、2番目以降のATMセルは、IPアドレスを含んでいないが、先頭のセルと同一の網内経路情報を用いてVPIおよびVCIの付与、セルスイッチ部の制御、拡張IPアドレスによる拡張ヘッダ挿入が行われる。
【0031】
あて先テーブル部113から得られた網内経路情報に含まれるスイッチング情報はセルスイッチ部114に送られる。新しいVPIおよびVCIが書きこまれ、拡張IPアドレスによる拡張ヘッダが挿入されたATMセルは、このセルスイッチ部114により、あらかじめ定められた当該セルの進路に対応した拡張出力インタフェース部116に送られる。例えば、当該ATMセルが送信対地までの途中に拡張IPパケット転送装置103に送られるべきものである場合には、ATM中継網104のATM−XC108に接続された、例えば拡張出力インタフェース部116bに送られることとなる。
【0032】
IPパケット転送装置102の拡張出力インタフェース部116に送られたセル流は、VPシェイパやSDH(Synchronous Digital Hierarchy)フレームへの組み込みなど必要な処理を実施した後、ATM中継網104を構成するATM−XC108やATM−SLT107へ向けて出力される。
【0033】
一方、拡張IPパケット転送装置103の入力インタフェース部121内に存在するあて先テーブル部122には、図5に示すように、受信ユーザ識別子とあて先拡張IPアドレスの組に対応した網内経路情報として、以下の情報の組があらかじめ設定されている。
a.当該ATMセルに付与すべき新VPIと新VCI、およびスイッチング情報
【0034】
なお、上記スイッチング情報は、拡張IPパケット転送装置103のセルスイッチ部123の各入力端子のうちの、当該ATMセルが入力されるものの入力端子番号と、上記セルスイッチ部123の各出力端子のうちの、当該ATMセルの進路に対応したものの出力端子番号を含んでいる。セルスイッチ部123では、このスイッチング情報が与えられると、これにより端子番号が指定された入力端子と出力端子との間が接続される。
【0035】
IPパケット転送装置102の入力インタフェース部111では、この場合にも、順次到着するATMセル中の、IPパケットのヘッダ部分から生成された先頭のセルを検出し、この先頭のATMセルからVPIおよびペイロード部内のIPアドレスが読み出される。そして、上記網内経路情報のうち、これらの入力VPIとあて先IPアドレスの組に対応したものがあて先テーブル部113から取り出される。
【0036】
取り出された網内経路情報から得られたVPIは、当該拡張IPパケット転送装置103に接続されて送信対地までの途中にある対向するIPパケット転送装置102に張られたVP、もしくは、次に転送すべき拡張IPパケット転送装置103に張られたVPを示している。なお、2番目以降のATMセルは、IPアドレスを含んでいないが、先頭のATMセルと同一の網内経路情報を用いてVPIおよびVCIの付与、セルスイッチ部123の制御が行われる。
【0037】
あて先テーブル部122から得られた網内経路情報に含まれているスイッチング情報はセルスイッチ部123に送られる。新しいVPIおよびVCIの書きこまれたATMセルは、このセルスイッチ部123により、あらかじめ定められた当該セルの進路に対応した拡張出力インタフェース部124に送られる。例えば、当該ATMセルが当該拡張IPパケット転送装置103に接続されている他の拡張IPパケット転送装置103に転送されるべきものである場合には、当該セルはセルスイッチ部123により、例えば拡張出力インタフェース部124bへ送られる。また、当該ATMセルが送信対地までの途中にある対向するIPパケット転送装置102に送られるべきものである場合には、当該セルはATM中継網104のATM−XC108に接続された、例えば拡張出力インタフェース部124aに送られることとなる。
【0038】
拡張IPパケット転送装置103による転送処理を繰り返すと、最終的に当該ATMセルは、当該拡張IPパケット転送装置103に接続されている送信対地までの途中にある対向するIPパケット転送装置102の拡張入力インタフェース部112に送られる。
【0039】
IPパケット転送装置102の拡張入力インタフェース部112では、拡張IPヘッダ中のあて先拡張IPアドレスの取得が行われる。この取得される拡張IPアドレスは出力インタフェース115に対応しているため、スイッチング情報が得られる。さらに、拡張IPヘッダを除去し、IPアドレスを取得する。その後の動作は入力インタフェース部111の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0040】
このように、この実施の形態1によれば、IPパケット転送装置102がIPアドレスを判定してサービスの振り分けを行っているので、通常のユーザ間の通信においては拡張IP網を使用し、より高速なサービスを使用するユーザ間の通信に対してはATM−PVP網を使用することができるようになり、通信コストが安価で、高速かつ多様なサービスを提供することが可能になるという効果が得られる。
【0041】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、あて先IPアドレスを判定してサービスの振り分けを行うものについて説明したが、IPアドレス、およびデータ種別としてのアプリケーション種別によってサービスの振り分けを行うことも可能である。実施の形態2はそのようなIPパケット転送システムに関するものであり、その網構成、およびIPパケット転送装置、拡張IPパケット転送装置の構成は、図1〜図3に示した実施の形態1の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0042】
ここで、図6はこの実施の形態2におけるIPパケット転送装置102の各入力インタフェース部111および各拡張入力インタフェース部112にあらかじめ記憶されている、あて先テーブル部113の内容を示す説明図である。なお、拡張IPパケット転送装置103のあて先テーブル部122の内容は、上記実施の形態1の場合と同様に、図5に示した構成となる。
【0043】
以下、この実施の形態2によるIPパケット転送システムの動作について説明する。
この実施の形態2では、IPパケット転送装置102の各入力インタフェース部111および各拡張入力インタフェース部112が保有するあて先テーブル部113を、図6に示すように構成している。すなわち、入力VPI、あて先IPアドレス、および当該ATMセルのアプリケーション(AP)種別の組に対応した網内経路情報として、以下の情報の組があらかじめ設定される。
a.当該ATMセルに付与すべき新VPIと新VCI、スイッチング情報、およびあて先拡張IPアドレス
【0044】
IPパケット転送装置102の入力インタフェース部111では、順次到着するATMセルのうち、IPパケットのヘッダ部から生成された先頭のセルを検出し、その先頭のATMセルに含まれるIPパケットとアプリケーション種別を取得する。そして、図6にその内容が示されたあて先テーブル部113の検索を行って、上記IPパケットとアプリケーション種別に対応した網内経路情報を求める。なお、その他の動作については、実施の形態1の場合と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0045】
このように、この実施の形態2によれば、IPパケット転送装置102がアプリケーション種別を判定してサービスの振り分けを行っているので、通常のユーザ間の通信においては拡張IP網を使用し、VoIPによる音声通信などのような、遅延時間に悪影響を及ぼされやすい短パケットの通信に対しては、ATM−PVP網を使用することができるようになり、通信コストが安価で、高速かつ多様なサービスを、ユーザやアプリケーションに対応して提供することができるという効果が得られる。
【0046】
実施の形態3.
また、上記実施の形態1においては、IPパケット転送装置がIPアドレスによりサービスの振り分けを行うものについて説明したが、ユーザ端末装置に接続されるDSUによってその振り分けを行うことも可能である。
【0047】
実施の形態3はそのようなIPパケット転送システムに関するものであり、その網構成、およびIPパケット転送装置、拡張IPパケット転送装置の構成は、図1〜図3に示した実施の形態1の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。また、拡張IPパケット転送装置103のあて先テーブル部122の内容は、この実施の形態3においても、図5に示した上記実施の形態1の場合と同様の構成となる。
【0048】
なお、この実施の形態3におけるDSU106は、転送すべきIPパケットのIPアドレスの判定を行って、当該IPパケットよりセルを生成し、それをIPパケット転送装置102の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出するものである点で、実施の形態1におけるそれとは異なっている。図7はそのようなこの実施の形態3におけるDSU106の内部構成を示すブロック図である。図において、131はこのDSU106が保持しているあて先テーブル部であり、132はユーザ網インタフェース部、133はATM制御機能部である。
【0049】
ここで、図8は上記あて先テーブル部131の内容を示す説明図であり、図9はこの実施の形態3におけるIPパケット転送装置102の各入力インタフェース部111および各拡張入力インタフェース部112にあらかじめ記憶されている、あて先テーブル部113の内容を示す説明図である。図8に示すように、あて先テーブル部131には、入力VPIとあて先IPアドレスの組に対応して、新しいVPIが設定されている。また、図9に示すように、あて先テーブル部113には、入力VPIとあて先IPアドレスの組に対応して、新しいVPIとVIC、スイッチング情報、およびあて先拡張IPアドレスが設定されている。なお、このあて先テーブル部113のあて先IPアドレスとあて先拡張IPアドレスは使用されないこともある。
【0050】
以下、この実施の形態3によるIPパケット転送システムの動作について説明する。
この実施の形態3においても、ユーザ端末装置100から送出されたIPパケットは、DSU106において、AALタイプ5に基づいてATMセルにセル化され、ATM−SLT107を経由してIPパケット転送装置102の入力インタフェース部111に送出される。なお、各DSU106は収容されているユーザ端末装置100やIP網101がATM対応の場合には、既にセル化が行われているため本処理は行わず、そのままIPパケット転送装置102の入力インタフェース部111にそれを送出する。
【0051】
DSU106はこの時、転送するIPパケットからあて先IPアドレスを取得し、保持しているあて先テーブル部131を参照することで使用するサービスを認識する。ATM−PVP網を使用する場合は、あらかじめ指定されたVPに付けかえる。このように、DSU106は転送すべきIPパケットのIPアドレスの判定を行って、当該IPパケットより生成したATMセルを、IPパケット転送装置102の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出する。
【0052】
IPパケット転送装置102では、ATMセルを専用線用コネクションから取得した場合には、あて先テーブル部113より当該セルに含まれるIPアドレスに対応した網内経路情報を求める。一方、ATMセルを拡張網用コネクションから取得した場合には、あて先テーブル113より当該セルに含まれるIPアドレスに対応した出力情報を求める。なお、その他の動作については、実施の形態1の場合と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0053】
このように、この実施の形態3によれば、DSU106がIPアドレスを判定してサービスの振り分けを行っているので、既存のIPパケット転送装置102が保有しているあて先テーブル部113の内容を変更することなく、通信コストが安価で、高速かつ多様なサービスを、ユーザに対応して提供することができるという効果が得られる。
【0054】
実施の形態4.
また、上記実施の形態2においては、IPパケット転送装置がIPアドレスおよびアプリケーション種別によりサービスの振り分けを行うものについて説明したが、ユーザ端末装置に接続されるDSUによりその振り分けを行うことも可能である。
【0055】
実施の形態4はそのようなIPパケット転送システムに関するものであり、その網構成、およびIPパケット転送装置、拡張IPパケット転送装置の構成は図1〜図3に示した実施の形態1の場合と、DSUの構成は図7に示した実施の形態3の場合とそれぞれ同様であるため、ここではその説明を省略する。また、拡張IPパケット転送装置103のあて先テーブル部122の内容は、図5に示した実施の形態1の場合と同様の構成となり、IPパケット転送装置102のあて先テーブル部113の内容は、図6に示した実施の形態2、あるいは図9に示した実施の形態3の場合と同様の構成となる。
【0056】
ここで、図10はこの実施の形態4におけるDSU106が保持するあて先テーブル部131の内容を示す説明図である。このあて先テーブル部131は、図10に示すように、入力VPIとあて先IPアドレスの組に対応して、新しいVPIとともに、データ種別としてのアプリケーション種別も設定されている点で、図8に示した実施の形態3におけるそれとは異なっている。
【0057】
以下、この実施の形態4によるIPパケット転送システムの動作について説明する。
この実施の形態4においても、ユーザ端末装置100から送出されたIPパケットは、DSU106において、AALタイプ5に基づいてATMセルにセル化され、ATM−SLT107を経由してIPパケット転送装置102の入力インタフェース部111に送出される。なお、各DSU106は接続されているユーザ端末装置100やIP網101がATM対応の場合には、既にセル化が行われているため本処理は行わず、そのままIPパケット転送装置102の入力インタフェース部111にそれを送出する。
【0058】
DSU106はこの時、転送するIPパケットからあて先IPアドレスおよびアプリケーション種別を取得し、保持しているあて先テーブル部131を参照することで使用するサービスを認識する。ATM−PVP網を使用する場合は、あらかじめ指定されたVPに付けかえる。このように、DSU106は転送すべきIPパケットのIPアドレスとアプリケーション種別の判定を行って、当該IPパケットより生成したATMセルを、IPパケット転送装置102の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出する。なお、その他の動作は、実施の形態3の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0059】
このように、この実施の形態4によれば、DSU106がIPアドレスとアプリケーション種別を判定してサービスの振り分けを行っているので、既存のIPパケット転送装置102が保有しているあて先テーブル部113の内容を変更することなく、通信コストが安価で、高速かつ多様なサービスを、ユーザやアプリケーションに対応して提供することができるという効果が得られる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、DSUではIPパケットから生成したATMセルをIPパケット転送装置に送出し、IPパケット転送装置ではそのATMセルのIPアドレスに基づいて内蔵するテーブルから求めた網内経路情報や出力情報によって決まる網内経路または拡張IPパケット転送装置へそのATMセルを伝送し、拡張IPパケット転送装置ではそのATMセルの拡張IPアドレスに基づいて内蔵するテーブルから求めた送出先情報によって決まる装置へそのATMセルを伝送するように構成したので、通常の通信においては拡張ヘッダを付与したコアネットワークを使用することで、セキュリティ上の問題がなく、高速かつ安価に高機能のサービスを提供することができ、遅延時間による悪影響を受けやすい短パケットの通信に対してはATM−PVPを利用することで、高速かつ低遅延であり、安価でセキュリティ上の問題もないサービスを提供することができるIPパケット転送システムが得られる効果がある。
【0061】
また、この発明によれば、IPパケット転送装置の内蔵するテーブルに、ATMセルに含まれるIPアドレスおよびデータ種別に対応した網内経路情報または出力情報を記憶させておき、それらの情報によって定められる網内経路または拡張IPパケット転送装置へそのATMセルを伝送するように構成したので、高速かつ安価で高機能なサービスを、ユーザやデータ種別に対応して提供することができるという効果がある。
【0062】
また、この発明によれば、転送すべきIPパケットのIPアドレスをDSUにて判定し、そのIPパケットから生成したATMセルをIPパケット転送装置の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出するように構成したので、IPパケット転送装置内の既存のテーブルを変更しなくとも、高速かつ安価で高機能なサービスを、ユーザに対応して提供することができるという効果がある。
【0063】
また、この発明によれば、転送すべきIPパケットのIPアドレスおよびデータ種別をDSUにて判定し、そのIPパケットから生成したATMセルをIPパケット転送装置の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出するように構成したので、IPパケット転送装置内の既存のテーブルを変更しなくとも、高速かつ安価で高機能なサービスを、ユーザやアプリケーションに対応して提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1〜実施の形態4によるパケット転送システムを示す網構成図である。
【図2】 上記実施の形態1〜実施の形態4におけるIPパケット転送装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 上記実施の形態1〜実施の形態4における拡張IPパケット転送装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 上記実施の形態1におけるIPパケット転送装置のあて先テーブル部の内容を示す説明図である。
【図5】 上記実施の形態1〜実施の形態4における拡張IPパケット転送装置のあて先テーブル部の内容を示す説明図である。
【図6】 上記実施の形態2および実施の形態4におけるIPパケット転送装置のあて先テーブル部の内容を示す説明図である。
【図7】 上記実施の形態3〜実施の形態4におけるDSUの構成を示すブロック図である。
【図8】 上記実施の形態3におけるDSUのあて先テーブル部の内容を示す説明図である。
【図9】 上記実施の形態3〜実施の形態4におけるIPパケット転送装置のあて先テーブル部の内容を示す説明図である。
【図10】 上記実施の形態4におけるDSUのあて先テーブル部の内容を示す説明図である。
【符号の説明】
100 ユーザ端末装置(加入者系資源)、101 IP網(加入者系資源)、102 IPパケット転送装置、103 拡張IPパケット転送装置、106DSU、113,122 あて先テーブル部(テーブル)。
Claims (4)
- 加入者系資源の間でのIPパケットの転送、および前記加入者系資源へのIPパケットに対して拡張ヘッダの付与を行うIPパケット転送装置と、
前記IPパケット転送装置によって付与された拡張ヘッダにより拡張IPパケットの転送を行う拡張IPパケット転送装置とを有するIPパケット転送システムにおいて、
転送すべき前記IPパケットからATMセルを生成して前記IPパケット転送装置に送出するディジタル・サービス・ユニットを備え、
前記IPパケット転送装置は、
複数のIPアドレスと、これら各IPアドレス毎に定められた網内経路を形成するための網内経路情報、あるいは拡張IPアドレスおよび前記拡張IPパケット転送装置への出力情報とからなるテーブルをあらかじめ記憶しており、
前記加入者系資源または他のIPパケット転送装置から送出されたATMセルを取得すると、当該ATMセルに含まれるIPアドレスに対応した網内経路情報または出力情報を前記テーブルから求め、得られた網内経路情報または出力情報によって定められる網内経路または拡張IPパケット転送装置に対して前記ATMセルを伝送するものであり、
前記拡張IPパケット転送装置は、
複数の拡張IPアドレスと、これらをあて先へ転送するために送信すべき次の拡張IP転送装置またはIPパケット転送装置への網内経路情報とからなるテーブルをあらかじめ記憶しており、
前記IPパケット転送装置から送出されたATMセルを取得すると、当該ATMセルに含まれる拡張IPアドレスに対応した送出先情報を前記テーブルから求め、得られた送出先情報によって定められる装置に対して前記ATMセルを伝送するものであることを特徴とするIPパケット転送システム。 - IPパケット転送装置が、
複数のIPアドレスおよびデータ種別と、これら各IPアドレスおよびデータ種別毎に定められた網内経路を形成するための網内経路情報、あるいは拡張IPアドレスおよび拡張IPパケット転送装置への出力情報とからなるテーブルをあらかじめ記憶しており、
加入者系資源または他のIPパケット転送装置から送出されたATMセルを取得すると、当該ATMセルに含まれるIPアドレスおよびデータ種別に対応した網内経路情報または出力情報を前記テーブルから求め、得られた網内経路情報または出力情報によって定められる網内経路または拡張IPパケット転送装置に対して、前記ATMセルを伝送するものであることを特徴とする請求項1記載のIPパケット転送システム。 - ディジタル・サービス・ユニットが、
転送すべきIPパケットのIPアドレスの判定を行って、当該IPパケットからATMセルを生成し、
それをIPパケット転送装置の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに送出するものであり、
前記IPパケット転送装置が、
複数のIPアドレスと、これら各IPアドレス毎に定められた網内経路を形成するための網内経路情報、あるいは拡張IPアドレスおよび拡張IPパケット転送装置への出力情報とからなるテーブルをあらかじめ記憶しており、
加入者系資源または他のIPパケット転送装置から送出されたATMセルを前記専用線用コネクションから取得した場合には、当該ATMセルに含まれるIPアドレスに対応した網内経路情報を、前記ATMセルを前記拡張網用コネクションから取得した場合には、当該ATMセルに含まれるIPアドレスに対応した出力情報を、それぞれ前記テーブルから求め、前記網内経路情報または出力情報によって定められる網内経路または拡張IPパケット転送装置に対して、前記ATMセルを伝送するものであることを特徴とする請求項1記載のIPパケット転送システム。 - ディジタル・サービス・ユニットが、
転送すべきIPパケットのIPアドレスおよびデータ種別の判定を行って、当該IPパケットからATMセルを生成し、
それをIPパケット転送装置の専用線用コネクションまたは拡張網用コネクションに対して送出するものであることを特徴とする請求項3記載のIPパケット転送システム。
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