JP3669717B2 - C型肝炎ウイルスのグルーピングのための抗原性ペプチド、それを含有するキットおよびそれを使用するグルーピング方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、C型肝炎ウイルスのグルーピングのための抗原性ペプチド、それを含有するキットおよびそれを使用するグルーピング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
非A非B型肝炎(通常、C型肝炎と称される)は、ウイルス性の伝染性肝炎と考えられており、慢性化しやすく、肝硬変、肝癌へ移行する率が高いことから、社会的に問題となっている。しかしながら患者あるいは健康キャリアー体内でのウイルス発現量が少ないこと、また感染性ウイルスが同定されておらず、原因ウイルスが1種なのかあるいは2種以上存在するのかも分かっていないことなどからその確定診断は、非常に困難である。現在まで非A非B型肝炎の診断は、臨床的には、血清中のアラニンアミノトランスフェラーゼとアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼのレベルの上昇を確認し、その上でA型肝炎、B型肝炎およびD型肝炎、さらには肝障害を引き起こす既知のウイルス、CMV、EBV等による肝炎か否かの診断を行ない、これらの疾病に該当しない場合に非A非B型肝炎と診断する、いわゆる除外診断によって行なわれていた。しかし、非A非B型肝炎の臨床像は他のウイルス性肝炎のものと似通っており、上記のような除外診断法では、他のウイルス性の肝炎との鑑別診断は難しい。また、ALT値に異常のみられない健康キャリアーを同定するのはさらに困難である。このため、健康キャリアーからの輸血による感染を防止することは困難で、輸血後肝炎の90%以上をこの肝炎が占めており、患者数は我国だけでも年間100万人にのぼるといわれている。
【0003】
かかる状況を改善するため、多くの研究者が非A非B型肝炎の診断用材料の開発を行なってきたが、信頼性が低いものが多かった。これらの診断用材料で最も信頼性の高いものは、カイロン社の M. Houghtonら(特表平2−500880号及びWO 90/11089公報)によって開発されたものだと考えられている。カイロン社は、得られた問題のウイルス遺伝子を用いて遺伝子のクローニングを行ない、C型肝炎ウイルス(HCV=カイロン社命名)のほぼ全遺伝子を明らかにし、一部遺伝子を発現して得られた抗原蛋白質を用いて診断用のキット化を行なっている。
【0004】
その後、日本でもイムノスクリーニングにより、多くの非A非B型肝炎に特異的な遺伝子が分離された結果、カイロン社の分離したHCVに核酸、アミノ酸レベルでの相同性の高いHCV・グループIと、相同性が低く、HCV・グループIとは異なるウイルスと考えてよい程度の相同性しか示さないグループIIとに分類できることが示された(本出願人による特許出願特願平3−189268号)。カイロン社のキットは日本人の非A非B型肝炎患者血清では50〜70%程度の反応しか示さないことが証明され、疫学的な面でより感度の高い診断薬の開発が急務であったが、最近、ウイルスの構造蛋白を含む診断用キットの開発により、患者血清スクリーニングの結果が50〜70%程度の検出感度から90%以上に上昇し、遺伝子増幅(PCR)による結果と相関性を示すことで、輸血用血液のスクリーニング用診断薬の開発は充分な成果がでてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
HCVは、カイロン社のクローニングしたグループIと本出願人のクローニングしたグループIIに分類され、各々伝染性の肝炎の病因体として存在しているが、ウイルス学的及び臨床病理学的な面からみると、HCVの2つのグループが臨床的にどのような病態と関連があるのか関心がもたれている。その1つの例として、インターフェロン(IFN)治療例が挙げられる。抗ウイルス剤であるIFNはHCVの持続感染を断ち切ることにより、肝炎の慢性化を防ぐと考えられているが、その効果については急性肝炎には有効率は高いが、慢性肝炎や肝硬変など進展した症例については治療効果は低い(約30%)ことが分かっている。山梨医科大学の宮崎らは、IFNが著効したC型肝炎患者にグループIIが高頻度に感染していることを、PCR法により同定した(宮崎ら,第28回日本肝臓学会,一般講演4,要旨集第75頁,1992年)。
【0006】
PCR法は、少量の血清より目的の遺伝子を増幅検出することが可能であるが、操作が煩雑であり大量のサンプルを取扱う手法としては問題がある。そこで酵素抗体測定法(ELISA)の系で、グループIとグループIIに特異的に感染している患者をスクリーニングする方法が開発されたならば、グループII型感染患者に対して有効なIFN治療を実施することが可能となろう。また、グループIおよびグループIIの両方に感染している患者、所謂重感染患者の検出に有用であろう。
【0007】
本発明の目的は、C型肝炎ウイルスのグルーピングに使用するための抗原性ペプチド、およびこのペプチドを用いるC型肝炎ウイルスのグルーピング方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、C型肝炎ウイルスのグルーピングに使用するための、該ウイルスのグループI抗体およびグループII抗体とそれぞれ特異的に反応し得る抗原性ペプチドを組み合わせて含むキット、並びに、このキットを用いるC型肝炎ウイルスのグルーピング方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述したように、C型肝炎ウイルス(HCV)は、アミノ酸配列の相同性比較によって、グループIとグループIIに大別される。相同性は、カイロン社がクローニングしたHCVI(特表平2−500800号及びWO 90/11089公報)との比較から判定され、約80%より高い相同性を示すグループと約80%より低い相同性を示すグループとに分けることができ、前者をグループI、後者をグループIIと称する。なお、本明細書中では、グループIおよびグループIIに対しこの定義を採用する。また、グルーピングとはグループIとIIとに振り分けること、または、グループIもしくはグループIIを識別することを意味する。
【0010】
この数年の間に次々とHCVの全長クローンが単離されそのヌクレオチドおよびアミノ酸配列が決定された結果、グループIはタイプIとタイプ II に、またグループIIはタイプIII とタイプ IV にそれぞれ更に分類できることが分かってきた。例えば、タイプIのHCVにはカイロン社が単離した「HCVI」(特表平2−500800号及びWO 90/11089公報)、タイプ II には下遠野らが単離した「J」(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87, 9524〜9528 (1990) )、タイプIII には岡本らが単離した「J6」(J. Gen. Virol. 72:2697〜2704 (1991) )、タイプ IV には岡本らが単離した「J8」(Virology 188:331〜341 (1992))が挙げられる。アミノ酸配列に基づく相同性は、タイプIとタイプ
II 、また、タイプIII とタイプ IV ではともに約85%である。
【0011】
本発明者らは、C型肝炎患者血漿よりHCV遺伝子をクローニングし、増幅したDNA断片を大量発現させて得られるペプチドの中に、HCVグループIまたはIIをもつC型肝炎患者血清と特異的に抗原抗体反応を起こす抗原性ペプチドを見出した。すなわち、両グループの識別に有効なペプチド部分が、HCVゲノム上のNS4領域によってコードされ、特表平2−500800号公報に記載されるHCVIのコードするポリペプチドのアミノ酸番号1674〜1760の領域に対応する部分に存在することが判明した。具体的には、HCVグループIの識別に有用な抗原性ペプチドとして、配列表中配列番号:1に示されるアミノ酸配列をもつC14−1ペプチドおよびC14−1関連の、配列番号:2に示されるアミノ酸配列をもつC14−1−2ペプチドが見出され、またHCVグループIIの識別に有用な抗原性ペプチドとして、配列番号:3に示されるアミノ酸配列をもつC14−2ペプチドおよびC14−2関連の、配列番号:4に示されるアミノ酸配列をもつC14−2−2ペプチドが見出された。これらの配列は岡本ら(上掲)が単離したJ6、J8のゲノムがコードするポリペプチドのアミノ酸番号1680〜1764の領域に対応することが判明した。グルーピングは上記4種のペプチドの各ペプチド断片であっても有効であった。
【0012】
従って、本発明は、C型肝炎ウイルスのグループI抗体と特異的に反応し得る、配列番号:1または配列番号:2に示されるアミノ酸配列もしくはその部分配列を有する抗原性ペプチド、並びに、該ウイルスのグループII抗体と特異的に反応し得る、配列番号:3または配列番号:4に示されるアミノ酸配列もしくはその部分配列を有する抗原性ペプチドを提供する。
【0013】
これらのペプチド類を単独に抗原として使用することによって、血液等の検体中のHCVをグループIかまたはグループIIのいずれかにグループ分けすることができる。
【0014】
本発明はさらに、上記4種のペプチド類から選択される、HCVのグループIまたはグループII抗体と特異的に反応し得る抗原性ペプチドを組み合わせてキット化してもよく、これによって両方のグループに重感染している患者の検出に有効に使用し得る。
【0015】
従って、本発明は、C型肝炎ウイルスのグループI抗体と特異的に反応し得る配列番号:1および配列番号:2に示されるアミノ酸配列またはその部分配列を有するペプチド類および同じ機能をもつ該ペプチド類の変異体から選択される少なくとも1つの第1抗原性ペプチドと、該ウイルスのグループII抗体と特異的に反応し得る配列番号:3および配列番号:4に示されるアミノ酸配列またはその部分配列を有するペプチド類および同じ機能をもつ該ペプチド類の変異体から選択される少なくとも1つの第2抗原性ペプチドとをそれぞれ異なる区画に含んでなる、C型肝炎ウイルスのグループIまたはグループIIを識別するためのキットを提供する。
【0016】
本明細書中「同じ機能をもつ該ペプチド類の変異体」とは、上記定義のHCVグループIまたはグループIIの抗体との特異的反応を可能にする範囲の変異であって、配列番号:1,2,3または4に示されるアミノ酸配列またはその部分配列中の少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸との置換をもつペプチドを指す。たとえば、図1中C14−1とC14−1−2の比較またはC14−2とC14−2−2の比較から明らかなように、そのようなアミノ酸置換としてイソロイシン−バリン、ロイシン−イソロイシン、バリン−アラニン、メチオニン−イソロイシン、リジン−アルギニン、アスパラギン酸−グルタミンのような化学的性質の類似したアミノ酸間の置換が挙げられる。
【0017】
本発明で使用し得る抗原性ペプチドは、該ウイルス抗体との抗原−抗体反応に影響しない範囲で、不活性な他のペプチドと融合していてもよく、またそのペプチドN末端のアシル化等の化学修飾を受けていてもよい。さらに、該ペプチドの中には、抗イディオタイプ抗体も包含される。
【0018】
有効なペプチド断片の具体例としては、これらに限定されないが、エピトープ解析の結果、図1に太線で示したような、配列番号:1に示されるアミノ酸配列中アミノ酸位置20〜44(1−Y)、37〜62(1−Z)もしくはその組み合わせ、配列番号:2に示されるアミノ酸配列中アミノ酸位置20〜44(1−Y)、37〜62(1−Z)、53〜74(1−B)、64〜87(1−A)もしくはその組み合わせ、配列番号:3に示されるアミノ酸配列中アミノ酸位置20〜44(2−Y)、37〜62(2−Z)もしくはその組み合わせ、配列番号:4に示されるアミノ酸配列中アミノ酸位置20〜44(2−Y)、37〜62(2−Z)、53〜74(2−B)、64〜87(2−A)もしくはその組み合わせの配列を有する断片類である。ここで、組み合わせとは2つ以上の断片配列の結合を意味し、たとえば配列20〜62、配列20〜74等が挙げられる。
【0019】
本発明の抗原性ペプチド類は、組換えDNA技術またはペプチド合成技術によって製造することができる。
【0020】
組換えDNA技術による方法は、業界で一般的に使用される技術であって、配列番号:1、2、3または4に示されるアミノ酸配列またはその部分配列を有するペプチドをコードするDNA断片を含む複製可能な発現ベクターを構築する工程、前記発現ベクターを宿主細胞に移入して形質転換体を得る工程、前記DNA断片を発現させ得る条件下で前記形質転換体を培養する工程、及び、前記ペプチドを回収する工程を含む。
【0021】
たとえば、発現ベクターは次のようにして作製することができる。目的のペプチドをコードするDNA断片をpUC119のような慣用プラスミドに連結し、増幅後、得られたプラスミドを制限酵素で二重消化し、DNA断片をアガロースゲル電気泳動により分離し、精製する。一方、pAT・trp・trpE(特開平1−215289号)のような発現用ベクターを同じ制限酵素で二重消化し、同様にベクター断片を精製する。このベクターDNAと前述のDNA断片を連結することによって、HCVのグループI特異的抗原を発現しうる発現ベクターを得る(後述の実施例参照)。
【0022】
発現用プロモーターとしては、大腸菌、ファージ、ウイルス等由来のものが使用される。例えば、トリプトファン合成酵素オペロン(trp)、ラクトースオペロン(lac)、ラムダファージPL 、PR 、アルコールデヒドロゲナーゼに対するプロモーター、SV40プロモーターなどが挙げられる。また、抗生物質耐性遺伝子等の選択マーカー配列、複製開始点、転写終結因子、リボソーム結合部位等を発現ベクター内に任意に存在させることができる。
【0023】
形質転換宿主としては、大腸菌,枯草菌,酵母などのこの分野で慣用される微生物、または、昆虫,植物もしくは動物細胞が用いられるが、好ましくは原核生物、特に大腸菌である。形質転換は発現ベクターを宿主細胞に移入するための慣用的方法によって実施される。宿主として細菌(例えば大腸菌)を用いる場合には、塩化ルビジウム[Hanahan, DNA cloning:A practical approach, IRC Press(1985)]または塩化カルシウム[Mandel,M. とHige, A. J. Mol. Biol., 53:159-162(1970)]を用いる直接取込み法が使用できる。また、宿主として高等生物細胞を用いる場合には、ウイルスベクターによる取込み法が簡便に使用できる。
【0024】
次に、発現ベクターを含む宿主を適切な培地中で培養して目的ペプチドを産生する。宿主からの目的物の精製方法としては、宿主細胞を例えば超音波破砕した後に遠心分離を行なってC型肝炎ウイルスcDNAでコードされるペプチド又は該ペプチドと他のペプチド(例えば、trpEなど)とからなる融合ペプチドを含有する不溶性画分を得、このポリペプチドを尿素含有バッファで可溶化抽出し、イオン交換カラムクロマトグラフィー(例えば、Q-Sepharose など)に掛けて部分精製することができる。さらにゲル濾過(例えば、HiLoad Superdex など)等により単一分子として目的の組換えペプチドを精製することができる。
【0025】
もう1つのペプチド製造方法であるペプチド合成技術については、液相法および固相法があり、例えば、日本生化学会編生化学実験講座1「タンパク質の化学IV−化学修飾とペプチド合成」第 207〜495 頁(1977年)に記載の技術を適用することにより製造することができる。一般に長鎖ペプチドの場合には、合成樹脂固相上で約5〜10アミノ酸ずつからなる小ペプチドを合成し、各小ペプチドを順次または段階的に結合した後、脱保護して目的ペプチドを得ることができる。
【0026】
組換えDNA技術またはペプチド合成技術によって製造されたペプチド類は、通常、真空乾燥または凍結乾燥されて固体状態で冷暗所に保存される。キットに包装する際には、HCVグループI抗体に特異的な抗原性ペプチドとHCVグループII抗体に特異的な抗原性ペプチドとをそれぞれ異なる区画に配置してキットをつくる。そのような区画として、例えばガラスもしくは樹脂性の蓋付バイアルやアンプル、マイクロプレート等が適当である。ELISA反応に用いるマイクロプレートに、それぞれのペプチドを別々のウェルに吸着(結合)させたものを、凍結乾燥などの方法により安定に性能(抗体との結合能)が維持できる状態にしたものを包装し、これを区画とした形態であればさらに望ましい。またマイクロプレートの代わりに適当なチューブ、ビーズ、また赤血球などの通常の凝集法に用いられる担体などに、前記のごとくペプチドを吸着(結合)させたものを用いることも出来る。キット中には、免疫学的分析に必要な緩衝剤、酵素標識もしくは放射標識第二抗体、発色剤、反応停止剤等の試薬類を適宜包含させてもよい。
【0027】
表1〜表4に、酵素抗体法によりポリペプチドtrpE・C14−1、trpE・C14−1−2、trpE・C14−2、trpE・C14−2−1(配列番号:3のアミノ酸位置23〜63の配列を含む)およびtrpE・C14−2−2を、臨床的にC型肝炎と判定された患者血清と反応させ比較した結果を示したが、trpE・C14−1およびtrpE・C14−1−2はHCVグループIを、一方、trpE・C14−2、trpE・C14−2−1およびtrpE・C14−2−2はHCVグループIIをそれぞれ特異的に識別することが可能であることが判る。
【0028】
表5〜表7には、酵素抗体法による種々のC型肝炎患者血清と、HCVグループIまたはグループII抗体と特異的に反応し得る本発明のペプチド断片との反応結果を示している。表5の結果は、患者がHCVグループIのみに感染していることを、表6の結果は、患者がHCVグループIとIIの両方に重感染していることを、そして表7の結果は、患者がHCVグループIIのみに感染していることを示している。比較として、市販のC型肝炎感染診断薬Imucheck−HCV(国際試薬(株)製)を用いて同様に測定した結果からは、HCVのグループIとIIの識別は全く困難であることが判る。
【0029】
従って、本発明は、配列番号:1または配列番号:2に示されるアミノ酸配列もしくはその部分配列を有する抗原性ペプチドを、HCVを含むと推定される検体と接触させて免疫学的反応を行ない、グループIに属するHCVを陽性として検出することからなる、HCVのグルーピング方法を提供する。同様に、配列番号:3または配列番号:4に示されるアミノ酸配列もしくはその部分配列を有する抗原性ペプチドを使用した場合には、グループIIに属するHCVを陽性として検出することが可能であり、このようなグルーピング方法も本発明の範囲に含まれる。
【0030】
本発明はさらに上記定義のキットの使用に関する。すなわち、本発明は、C型肝炎ウイルスのグループI抗体と特異的に反応し得る、配列番号:1および配列番号:2に示されるアミノ酸配列またはその部分配列を有するペプチド類および同じ機能をもつ該ペプチド類の変異体から選択される少なくとも1つの第1抗原性ペプチド、並びに、該ウイルスのグループII抗体と特異的に反応し得る、配列番号:3および配列番号4に示されるアミノ酸配列またはその部分配列を有するペプチド類および同じ機能をもつ該ペプチド類の変異体から選択される少なくとも1つの第2抗原性ペプチドの各々を、C型肝炎ウイルス抗体を含むと推定される検体と別個に接触させて免疫学的反応により検体中の該ウイルス抗体を定性的または定量的に測定し、グループIまたはグループIIに属する該ウイルス抗体を検出することからなる、C型肝炎ウイルスのグルーピング方法を提供する。
【0031】
免疫学的測定方法としては、当業界で慣用の技術、例えば、ウェスタンブロット法、酵素免疫測定法、免疫沈降法、ラジオアイソトープ免疫測定法などが用いられる。測定条件は測定法に応じて任意に選択される。具体的には、後述の実施例が参照される。また、検体は通常、血液、特に血清である。
【0032】
以下の実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0033】
【実施例】
実施例 1 C14−1およびC14−1−2発現プラスミドの作製
RT−PCRによる抗原用DNAのクローニング:
慢性期非A非B型肝炎患者の血漿よりHCV遺伝子をクローニングする方法として少量の血漿でクローニングが可能なRT(リバース・トランスクリプターゼ)−PCR法を利用してHCV遺伝子のクローニングを行なった。
【0034】
先ず、C型肝炎患者血漿100μlに6MのGTC液(6Mグアニジンチオシアネート、37.5mMクエン酸ナトリウム、0.75%ザルコシル、0.2Mメルカプトエタノール)200μlと酵母のt−RNA(10mg/ml)1μlを加え撹拌する。更に3M酢酸ナトリウム(pH5.2)20μl、TE飽和フェノール(pH7.5〜8.0)30μl、クロロホルム/イソアミルアルコール(49:1)70μlを加え素早く混合し、10秒間撹拌した後、氷中に15分間静置する。遠心機で15000 rpm、20分間4℃で遠心する。水層を採り、等量のイソプロピルアルコールと混合し−20℃に1時間以上置く。これを15000 rpm、20分間4℃で遠心し、沈殿させる。沈殿物を4MのGTC(6M GTCを滅菌水で希釈したもの)100μlに溶解し、等量のイソプロピルアルコールと混合し、−20℃に1時間以上静置する。15000 rpm、20分間、4℃で遠心し沈殿物を得る。70%エタノール1mlで洗浄後、室温で風乾し、10μlの滅菌水に溶解しRNAとして使用した。
【0035】
cDNA合成はRNA10μlをシリコン処理チューブ(0.5ml)に分注した後、70℃、3分間加熱し、氷上で急冷する。次にRNaseインヒビター(宝酒造)1μl(50単位/μl)、dNTPs(各20mM)1μl、100mMDTT、5×RT緩衝液(250mM Tris−HCl(pH8.5)、375mM KCl、15mM MgCl2 )4μl、ランダムオリゴヘキサマープライマー(100pmol/μl)1μl、逆転写酵素(BRL)(200単位/μl)1μlを加え、滅菌水で計20μlに合わせる。42℃で2時間反応後、94℃で5分間加熱し酵素を失活させた。このcDNAを用いてPCRを行なった。PCRは検出DNAの増幅感度と特異性を挙げる為に2ステップ法を用いた。即ち、先ず2種のプライマーで1回目のPCRをかける(1st step PCR )。次にそのPCR産物のDNA配列の内側に存在する2種のプライマーを用いて2回目のPCRをかける(2nd step PCR )方法である。
【0036】
C14−1領域を増幅するために既報の配列(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87, 9524〜9528, 1990)を参考にしてプライマーを合成した。
【0037】
1st PCRに際してはプライマー5S1:5’−AGGTCGTCACTAGCACCTGGGTGC−3’及び5A1:5’−TGTATCCCGCTGATGAAGTTCCAC−3’を使用し、2nd PCRにはプライマー5S2:5’−GAATTCACGACAGGCAGCGTGGTC−3’と5A2:5’−CTATTACAGCAATCCGAGCGCCCT−3’を用いた。
【0038】
PCRの条件は、0.5mlチューブ中に上記cDNA合成反応液を20μlと10×PCR緩衝液(100mM Tris−HCl(pH8.3)、500mM KCl、15mM MgCl2 、0.1% gelatine )8μl、1st step プライマー2種(各75 pmole)、2mM dNTPs 8μlを加え、滅菌水で100μlにする。94℃で10分間加熱し、 Ampli Taq(Perkin-Elmer-Cetus)1μl(5単位)を加え撹拌後、ミネラルオイルを重層し軽く遠心する。PCR反応は、変性94℃1分間、アニーリング55℃1分間、伸長72℃2分間の条件で30サイクル行なった。次に新しい0.5mlチューブに1st PCR反応終了液10μl、10×PCR緩衝液9μlを加え、2nd step プライマー2種(各75 pmole)、1mM dNTPs 9μl、滅菌水で100μlとする。94℃で10分間加熱し、Ampli Taq 1μl(5単位)を加え撹拌後、ミネラルオイルを重層し軽く遠心し、先の条件で2nd PCRを行なう。反応後、反応液10μlをアガロースゲル電気泳動し、特異的に増幅されたDNA断片を検出した。
【0039】
PCRで増幅したDNA断片C14−1(約200bp)を低融点アガロース電気泳動により単離し、滅菌水200μlを加え、68℃15分間ゲルを溶解させた。TEバッファー[10mM Tris-HCl (pH8.0) 、1mM EDTA ]飽和フェノールで2回抽出操作を行ない、DNA断片が溶解している水層をエタノール沈殿した。沈殿物に10×キナーゼバッファー(0.5M Tris-HCl pH7.6 、0.1M MgCl2 、50mM DTT、1mMスペルミジン、1mM EDTA pH 8.0)2μl、10mM ATP 1μl、T4 キナーゼ(宝酒造)1μl(10単位/μl)を加え滅菌水で20μlとし、37℃1時間反応し、5’末端のリン酸化を行なう。68℃10分間加熱し、キナーゼを失活させた後 pUC119 [Vieira, J.とMessing, J., Methods in Enzymology, 153, 3-11(1987) ]との連結反応を行なう。pUC119(1μg)は制限酵素反応液20μl(10mM Tris-HCl pH8.0 、7mM MgCl2 、20mM KCl、10単位のSmaI酵素(宝酒造))中で37℃1時間反応し、68℃10分間加熱した後、滅菌水80μlを加え、SmaIクローニングベクターとする。リン酸化されたDNA断片10μlとSmaIベクター2μlを10×バッファー(0.66M Tris-HCl pH7.6、50mM MgCl2 、50mM DTT)2μl、10mM ATT 1μl、T4 リガーゼ(宝酒造)1μl(350単位/μl)、滅菌水4μlを加え、20μlとし、16℃で一晩連結反応を行なった。
【0040】
この反応液の10μlを用いて大腸菌JM109株を形質転換した。形質転換に用いる感受性大腸菌株は、塩化カルシウム法[Mandel, M.とHiga, A., J. Mol. Biol. 53, 159-162 (1970)]により作られる。
【0041】
形質転換大腸菌を2% X−Gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド)50μlと100mM IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)10μlが塗布されたLB−Ampプレート[1%トリプトン、0.5%酵母エキス、0.5%NaCl、1.5%寒天、アンピシリン(25μg/ml)]上で37℃一晩培養した。プレート上に生じたコロニーの中で白色を呈するコロニーを一白金耳取り、25μg/mlアンピシリンを含むLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、0.5% NaCl)に移し、一晩37℃で振盪培養した。1.5mlの菌培養液を遠心して集菌し、プラスミドDNAのミニプレパレーションをアルカリ法(Maniatisら、Molecular Cloning :A Laboratory Manual, 1982 )により行なった。得られたプラスミドDNA1μgを反応液30μl(100mM Tris-HCl pH7.5、50mM NaCl 、7mM MgCl2 、10単位のEcoRI(宝酒造)およびHind III(宝酒造)酵素)中で37℃1時間消化し、アガロース電気泳動を行なって挿入DNA断片の大きさを計算する。約250bpの挿入DNA断片が検出されるクローンをpUC・C14−1と命名した。得られたクローンをSangerらのジデオキシ鎖終止法[Sanger, F. Science, 214, 1205〜1210 (1981) ]を用いて、挿入C14−1DNA断片の塩基配列及びアミノ酸配列を決定した。C14−1 DNA断片は、配列番号:1に示されるアミノ酸配列をもつペプチドをコードすることが分かった(この塩基配列は配列番号:5に示す)。
【0042】
NS3領域の後半からNS4領域を含み、NS5領域の前半までを含む形で単離するために(C6−2と命名した)、1stPCRにはKK1:5’−GGCTATACCGGTGACTTTGA−3’とA6:5’−GTCTCAGCTCCCTTCCGATC−3’、2ndPCRにはKK5:5’−GATCTACTGCTAACACATGTGTCA−3’とA6を用い、前記と同様の手法によりRT−PCR反応を行なわせ、上記と同様の方法により増幅された断片を得た。断片を前記と同様の方法によりpBMベクターに挿入することによりC6−2を得た。
【0043】
1ngのC6−2を鋳型とし、50pmolのプライマー(5’−GCGAATTCACAACAGGCAGTGTGGTCATT−3’及び5’−GCTCATTAGAAGGTCTCAAGGGCTCGCCA−3’)、67mM Tris−HCl(pH8.8),16.6mM (NH4 )2 SO4 ,0.2mM dNTP,2mM MgCl2 ,0.2mg/mlゼラチン,0.05% Triton X−100となるよう反応液を混合し(全反応液量50μl)、2.5単位のTaq DNA polymeraseを加え、パラフィンオイルを重層させた後、94℃、30秒、55℃、60秒、72℃、120秒の条件で30サイクル反応を行なった。反応液をアガロース電気泳動にかけ約260bpの断片を分離した。分離した断片をガラスパウダー法(Gene CleanII,BIO101社)により50μlのTE溶液[10mM Tris−HCl(pH7.5),1mM EDTA]に回収した。この回収したDNA溶液25μlに3μlの10×T4バッファー[0.5M Tris−HCl(pH7.5),100mM MgCl2 ,100mM DTT]と3μlの2mM dNTP、3μlのATPを加え、5UのDNA polymerase I(New England Biolab社)、10UのT4 polynucleotidyl kinase(宝酒造)を加え、37℃で1時間反応させた。反応液からガラスパウダー法によりDNA断片を25μlのTE溶液に回収した。
【0044】
一方1μgのpT7T3 19U[ファルマシア社]を20μlの反応液系[10mM Tris−HCl(pH8.0),7mM MgCl2 ,20mM KCl,10U SmaI]で37℃1時間反応させることにより切断した。この反応液に1M Tris−HCl(pH8.0)を10μl、滅菌水を70μl、2UのBacterial alkaline phosphatase(宝酒造)を加え68℃において30分間反応させた。反応終了後DNAをフェノール/クロロホルム混合液により溶液を抽出した後、エタノール沈殿法によりDNAを回収した。回収したDNAを10μlのTE溶液に溶解した後、1μlを用い回収したPCR断片10μlと共に混合し、ligation A液50μlとligation B液10μl(DNAライゲーションキット、宝酒造)を加え、良く混合した後16℃1時間反応を行なわせた。得られたDNA溶液10μlを用いて大腸菌XL1−blue(Stratagene社)をHanahanの方法[DNA cloning:A practical approach(ed.D.M.Glover),vol.1,p109,IRC press,(1985)]に従って形質転換させた。得られた形質転換体のDNAを調製しEcoRI,SalIで切断することにより約290bpの断片の生じるクローンを得ることができた。この単離したDNA断片は配列番号6に示される配列を持ち、配列番号2に示されるアミノ酸配列を持つペプチドをコードしている。
【0045】
発現プラスミドの構築:
pUC・C14−1 DNA1μgを、制限酵素反応液[100mM Tris-HCl (pH7.5)、50mM NaCl 、7mM MgCl2 、10単位のEcoRIとBamHI(宝酒造)]20μl中で、37℃1時間消化反応し、低融点アガロース電気泳動により約200bpのDNA断片を精製する。次に発現ベクターであるpAT・trp・trpE(特開平1−215289号)のDNA1μgを同様の反応液中で37℃1時間消化し、低融点アガロース電気泳動により、ベクターDNA断片を精製する。得られたEcoRI−BamHI処理ベクターDNA1μgと上述のC14−1 DNA断片を10×リガーゼ用バッファー[660mM Tris-HCl (pH7.5)、66mM MgCl2 、100mM ジチオスレイトール、10mM ATP]5μl、350単位のT4 リガーゼ(宝酒造)に水を加えて50μlとし、16℃で一晩保温し、連結反応を行なった。
【0046】
この反応液の10μlを用いて大腸菌C600株を形質転換した。形質転換に用いる感受性大腸菌株は、塩化カルシウム法[Mandel, M.とHiga, A., J. Mol. Biol. 53, 159-162 (1970)]により作られる。形質転換大腸菌を25μg/mlのアンピシリンを含むLB−プレート(1%トリプトン、0.5%酵母エキス,0.5%NaCl,1.5%寒天)上に塗布し、37℃に一晩保温した。プレート上に生じた菌のコロニーを一白金耳取り、25μg/mlアンピシリンを含むLB培地に移し、一晩37℃で培養した。1.5mlの菌培養液を遠心して集菌し、プラスミドDNAのミニプレパレーションをアルカリ法(Maniatisら、Molecular Cloning :A Laboratory Manual, 1982 )により行なった。
【0047】
得られたプラスミドDNA1μgをEcoRIとBamHIで二重消化し、アガロース電気泳動を行なって、約200bpのEcoRI−BamHI断片が生じるpAT・trp・trpE C14−1発現プラスミドを選別した。
【0048】
同様に、pUC・C14−1−2 DNAを用いて、約290bpのEcoRI−SalI断片が生じるpAT・trp・trpE C14−1−2発現プラスミドを構築した。
【0049】
実施例 2 C14−2発現プラスミドの作製
抗原用DNAのクローニング:
HCVグループII型と考えられるクローンC10−14(特願平3−189268号)(微工研条寄第3436号)をPCR用プライマー 5’−GAATTCGCGACCGGCTGCATTTCC−3’と5’−CTATTATAAGAGGCCTTGTATTTT−3’でPCR反応を行なった。PCRの条件はC10−14クローンDNA 1ngに10×PCRバッファー[0.1M Tris-HCl (pH 8.3), 0.5M KCl]10μl、プライマー2種(各75 pmole)、2mM dNTP 10μlを加え、滅菌水で100μlにする。94℃で10分間加熱し、Ampli Taq(パーキンエルマ・シータス)を1μl(5単位/μl)加え混合した後、ミネラルオイルを2滴重層する。PCR反応は、変性94℃、1分間、アニーリング55℃、1分間、伸長72℃、2分間の条件で30サイクル行なった。
【0050】
PCRで増幅したDNA断片C14−2(約200bp)を低融点アガロース電気泳動により単離し、滅菌水200μlを加え、68℃15分間ゲルを溶解させた。TEバッファー[10mM Tris-HCl (pH8.0) 、1mM EDTA ]飽和フェノールで2回抽出操作を行ない、DNA断片が溶解している水層をエタノール沈殿した。沈殿物に10×キナーゼバッファー(0.5M Tris-HCl pH7.6 、0.1M MgCl2 、50mM DTT、1mMスペルミジン、1mM EDTA pH 8.0)2μl、10mM ATP 1μl、T4 キナーゼ(宝酒造)1μl(10単位/μl)を加え滅菌水で20μlとし、37℃1時間反応し、5’末端のリン酸化を行なう。68℃10分間加熱し、キナーゼを失活させた後 pUC119 [Vieira, J.とMessing, J., Methods in Enzymology, 153, 3-11(1987) ]との連結反応を行なう。pUC119(1μg)は制限酵素反応液20μl(10mM Tris-HCl pH8.0 、7mM MgCl2 、20mM KCl、10単位のSmaI酵素(宝酒造))中で37℃1時間反応し、68℃10分間加熱した後、滅菌水80μlを加え、SmaIクローニングベクターとする。リン酸化されたDNA断片10μlとSmaIベクター2μlを10×バッファー(0.66M Tris-HCl pH7.6、50mM MgCl2 、50mM DTT)2μl、10mM ATT 1μl、T4 リガーゼ(宝酒造)1μl(350単位/μl)、滅菌水4μlを加え、20μlとし、16℃で一晩連結反応を行なった。
【0051】
この反応液の10μlを用いて大腸菌JM109株を形質転換した。形質転換に用いる感受性大腸菌株は、塩化カルシウム法[Mandel, M.とHiga, A., J. Mol. Biol. 53, 159-162 (1970)]により作られる。
【0052】
形質転換大腸菌を2% X−Gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド)50μlと100mM IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)10μlが塗布されたLB−Ampプレート[1%トリプシン、0.5%酵母エキス、0.5%NaCl、1.5%寒天、アンピシリン(25μg/ml)]上で37℃一晩培養した。プレート上に生じたコロニーの中で白色を呈するコロニーを一白金耳取り、25μg/mlアンピシリンを含むLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、0.5% NaCl)に移し、一晩37℃で振盪培養した。1.5mlの菌培養液を遠心して集菌し、プラスミドDNAのミニプレパレーションをアルカリ法(Maniatisら、Molecular Cloning :A Laboratory Manual, 1982 )により行なった。得られたプラスミドDNA1μgを反応液30μl(100mM Tris-HCl pH7.5、50mM NaCl 、7mM MgCl2 、10単位のEcoRI(宝酒造)およびHind III(宝酒造)酵素中で37℃1時間消化し、アガロース電気泳動を行なって挿入DNA断片の大きさを計算する。約250bpの挿入DNA断片が検出されるクローンをpUC・C14−2と命名した。
【0053】
得られたクローンをSangerらのジデオキシ鎖終止法[Sanger, F. Science, 214, 1205〜1210 (1981) ]を用いて、挿入DNA断片の塩基配列を確認した(配列番号:7参照)。C14−2 DNA断片は配列番号:3に示されるアミノ酸配列をもつペプチドをコードすることが分かった。
【0054】
上記クローニングにおいて、PCR用プライマーを5’−GAATTCCCTGATAAGGAAATTTTA−3’および5’−CTATTATAAGAGGCCTTGTATTTT−3’に代えた以外は全く同様の操作により、約140bpのC14−2−1DNA断片を含むクローンを得、これをpUC・C14−2−1と命名した。C14−2−1DNA断片は配列番号:3に示されるアミノ酸配列中位置23〜63の配列をもつペプチドをコードする。
【0055】
発現プラスミドの構築:
pUC・C14−2 DNAを用いて、実施例1と同様にして、約200bpのEcoRI−BamHI断片が生じるpAT・trp・trpE・C14−2発現プラスミドを構築した。この構築手順を図2に示す。同様に、pUC・C14−2−1DNAを用いてpAT・trp・trpE・C14−2−1発現プラスミドを構築した。
【0056】
実施例 3 C14−2−2発現プラスミドの作製
RT−PCRによる抗原用DNAのクローニング:
慢性期非A非B型肝炎患者の血漿からのHCV遺伝子のクローニングに際しては、RT−PCR法を利用してHCV遺伝子のクローニングを行なった。
【0057】
先ず、C型肝炎患者血漿100μlに6MのGTC液(6Mグアニジンチオシアネート、37.5mMクエン酸ナトリウム、0.75%ザルコシル、0.2Mメルカプトエタノール)200μlと酵母のt−RNA(10mg/ml)1μlを加え撹拌する。更に3M酢酸ナトリウム(pH5.2)20μl、TE飽和フェノール(pH7.5〜8.0)30μl、クロロホルム/イソアミルアルコール(49:1)70μlを加え素早く混合し、10秒間撹拌した後、氷中に15分間静置する。遠心機で15000 rpm、20分間4℃で遠心する。水層を採り、等量のイソプロピルアルコールと混合し−20℃に1時間以上置く。これを15000 rpm、20分間4℃で遠心し、沈殿させる。沈殿物を4MのGTC(6M GTCを滅菌水で希釈したもの)100μlに溶解し、等量のイソプロピルアルコールと混合し、−20℃に1時間以上静置する。15000 rpm、20分間、4℃で遠心し沈殿物を得る。70%エタノール1mlで洗浄後、室温で風乾し、10μlの滅菌水に溶解しRNAとして使用した。
【0058】
cDNA合成はRNA10μlをシリコン処理チューブ(0.5ml)に分注した後、70℃、3分間加熱し、氷上で急冷する。次にRNaseインヒビター(宝酒造)1μl(50単位/μl)、dNTPs(各20mM)1μl、100mMDTT、5×RT緩衝液(250mM Tris−HCl(pH8.5)、375mM KCl、15mM MgCl2 )4μl、ランダムオリゴヘキサマープライマー(100pmol/μl)1μl、逆転写酵素(BRL)(200単位/μl)1μlを加え、滅菌水で計20μlに合わせる。42℃で2時間反応後、94℃で5分間加熱し酵素を失活させた。このcDNAを用いてPCRを行なった。PCRは実施例1に定義した2ステップ法を用いて行なった。
【0059】
C14−2−2領域を含むNS4領域を増幅するために既報の配列(J. Gen. Virol. 72 :2697〜2704 (1991) )を参考にしてプライマーを合成した。
【0060】
NS4領域は1st PCRに際してはプライマー:
5’−GGATCACCGGTGACTTTGA−3’,5’−CCCCAAAATGTTGAGAAGGATAを使用し、2nd PCRにはプライマー5’−GATGCCCACTTCCTCTCCCA−3’,5’−GTGCTAGTTGACAACGGACTGGT−3’を用いた。
【0061】
PCRの条件は、0.5mlチューブ中に上記cDNA合成反応液を20μlと10×PCR緩衝液(100mM Tris−HCl(pH8.3)、500mM KCl、15mM MgCl2 、0.1% gelatine )8μl、1st step プライマー2種(各75 pmole)、2mM dNTPs 8μlを加え、滅菌水で100μlにする。94℃で10分間加熱し、 Ampli Taq(Perkin-Elmer-Cetus)1μl(5単位)を加え撹拌後、ミネラルオイルを重層し軽く遠心する。PCR反応は、変性94℃1分間、アニーリング55℃1分間、伸長72℃2分間の条件で30サイクル行なった。次に新しい0.5mlチューブに1st PCR反応終了液10μl、10×PCR緩衝液9μlを加え、2nd step プライマー2種(各75 pmole)、1mM dNTPs 9μl、滅菌水で100μlとする。94℃で10分間加熱し、Ampli Taq 1μl(5単位)を加え撹拌後、ミネラルオイルを重層し軽く遠心し、先の条件で2nd PCRを行なう。反応後、反応液10μlをアガロースゲル電気泳動し、特異的に増幅されたDNA断片を検出した。
【0062】
PCRで増幅したDNA断片C14−8(約700bp)を低融点アガロース電気泳動により単離し、滅菌水200μlを加え、68℃15分間ゲルを溶解させた。TEバッファー[10mM Tris-HCl (pH8.0) 、1mM EDTA ]飽和フェノールで2回抽出操作を行ない、DNA断片が溶解している水層をエタノール沈殿した。沈殿物に10×キナーゼバッファー(0.5M Tris-HCl pH7.6 、0.1M MgCl2 、50mM DTT、1mMスペルミジン、1mM EDTA pH 8.0)2μl、10mM ATP 1μl、T4 キナーゼ(宝酒造)1μl(10単位/μl)を加え滅菌水で20μlとし、37℃1時間反応し、5’末端のリン酸化を行なう。68℃10分間加熱し、キナーゼを失活させた後pBM(平成4年7月10日出願の特願平4−207391号)との連結反応を行なう。pBM(1μg)は制限酵素反応液20μl(10mM Tris-HCl pH8.0 、7mM MgCl2 、20mM KCl、10単位のSmaI酵素(宝酒造))中で37℃1時間反応し、68℃10分間加熱した後、滅菌水80μlを加え、SmaIクローニングベクターとする。リン酸化されたDNA断片10μlとSmaIベクター2μlを10×バッファー(0.66M Tris-HCl pH7.6、50mM MgCl2 、50mM DTT)2μl、10mM ATT 1μl、T4 リガーゼ(宝酒造)1μl(350単位/μl)、滅菌水4μlを加え、20μlとし、16℃で一晩連結反応を行なった。
【0063】
pBMの作製は次に示す手順で行なった。すなわち、pBR322(Sutchliffe, J. G., Cold Spring Harbor Symposium, 43, 77-90 (1979) )の制限酵素EcoR VサイトからBal Iサイトの間の配列を制限酵素で欠失させ、EcoR IサイトとHind IIIサイト間にpUC119(Vieria, J., Messing, J., Methods in Enzymology, 153, 3-11(1987) )のマルチクローニングサイトのEcoR IサイトからHind IIIサイトまでを組み込み(ΔpBR Mcs)、次にpBR322のVsp IサイトからSca Iサイトの間の配列をpUC119のVsp IサイトからSca Iサイト間の配列に置き換え、この間のPst Iサイトを欠失させて全長3122bpのpBMベクターを作製した。
【0064】
次に、上記連結反応液の10μlを用いて大腸菌JM109株を形質転換した。形質転換に用いる感受性大腸菌株は、ハナハンの方法[DNA cloning : A practical approach, IRC Press (1985)]により作られる。
【0065】
形質転換大腸菌を2% X−Gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド)50μlと100mM IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)10μlが塗布されたLB−Ampプレート[1%トリプトン、0.5%酵母エキス、0.5%NaCl、1.5%寒天、アンピシリン(50μg/ml)]上で37℃一晩培養した。プレート上に生じたコロニーの中で白色を呈するコロニーを一白金耳取り、50μg/mlアンピシリンを含むLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、0.5% NaCl)に移し、一晩37℃で振盪培養した。1.5mlの菌培養液を遠心して集菌し、プラスミドDNAのミニプレパレーションをアルカリ法(Maniatisら、Molecular Cloning :A Laboratory Manual, 1982 )により行なった。得られたプラスミドDNA1μgを反応液30μl(100mM Tris-HCl pH7.5、50mM NaCl 、7mM MgCl2 、10単位のEcoRI(宝酒造)およびHind III(宝酒造)酵素)中で37℃1時間消化し、アガロース電気泳動を行なって挿入DNA断片の大きさを計算する。約700bpの挿入DNA断片が検出されるクローンをpS14−NS3と命名した。得られたクローンをSangerらのジデオキシ鎖終止法[Sanger, F. Science, 214, 1205〜1210 (1981) ]を用いて、挿入C14−8 DNA断片の塩基配列及びアミノ酸配列を決定した。尚、C14−8断片の配列は配列番号9に示した。
【0066】
C14−2−2 DNA断片を得るために、さらにPCR反応を行なった。用いたプライマーは、5’−GCGAATTCGCGACCGGGTGTGTTTCCAT−3’と5’−TCATTAGAACTGCTCCACCTTGGGCCAである。PCR反応は1ngのC14−8DNAを鋳型に50pmolの上記プライマー、67mM Tris−HCl (pH8.8),16.6mM (NH4 )2 SO4 0.2mM dNTP,2mM MgCl2 ,0.2mg/mlゼラチン、0.05% Triton X−100となるよう反応液を混合し(全反応液量50μl)、2.5単位のTaq DNA polymeraseを加え、パラフィンオイルを重層させた後、94℃、30秒、55℃、60秒、72℃、120秒の条件で30サイクル反応を行なった。反応液をアガロース電気泳動にかけ約260bpの断片を分離した。分離した断片をガラスパウダー法(Gene Clean II,BIO101社)により50μlのTE溶液[10mM Tris−HCl(pH7.5),1mM EDTA]に回収した。この回収したDNA溶液25μlに3μlの10×T4バッファー[0.5M Tris−HCl(pH7.5),100mM MgCl2 ,100mM DTT]と3μlの2mM dNTP、3μlのATPを加え、5UのDNA polymerase I(New England Biolab社)、10UのT4polynucleotidyl kinase(宝酒造)を加え、37℃で1時間反応させた。反応液からガラスパウダー法によりDNA断片25μlのTE溶液に回収した。
【0067】
一方1μgのpUC118[Vieira,J.,Messing,J.,Methods in Enzymology,153,pp3−11(1987)]を20μlの反応液系[10mM Tris−HCl(pH8.0),7mM MgCl2 ,20mM KCl,10U SmaI]で37℃1時間反応させることにより切断した。この反応液に1M Tris−HCl(pH8.0)を10μl、滅菌水を70μl、2UのBacterial alkalinephosphatase(宝酒造)を加え68℃において30分間反応させた。反応終了後DNAをフェノール/クロロホルム混合液により溶液を抽出した後、エタノール沈殿法によりDNAを回収した。回収したDNAを10μlのTE溶液に溶解した後、1μlを用い回収したPCR断片10μlと共に混合し、ligation A液50μlとligation B液10μl(DNAライゲーションキット、宝酒造)を加え、良く混合した後16℃1時間反応を行なわせた。得られたDNA溶液10μlを用いて大腸菌XL1−blue(Stratagene社)をHanahanの方法[DNA cloning:A practical approach(ed.D.M.Glover),vol.1,p109−,IRC press,(1885)]に従って形質転換させた。
【0068】
得られたクローンから、プラスミドDNAを調製し、調製した組換え体プラスミドDNA約1.5μgをM13RP1プライマー(アプライドバイオシステム社)または−21M13プライマー(アプライドバイオシステム社)を用い、Cycling sequencing法(アプライドバイオシステム社テクニカルマニュアル)によりメーカーの推奨する方法に従い反応させ、反応産物をDNA sequencer Model 370A(version 1.30、アプライドバイオシステム社)を用いて分析し塩基配列を決定した(配列番号:8参照)。C14−2−2 DNA断片は配列番号:4に示されるアミノ酸配列をもつペプチドをコードすることが分かった。
【0069】
発現プラスミドの構築:
pUC・C14−2−2 DNA1μgを、制限酵素反応液[50mM Tris-HCl (pH7.5) 、100mM NaCl、7mM MgCl2 、10単位のEcoRIとSalI(宝酒造)]20μl中で、37℃1時間消化反応し、アガロース電気泳動により分離しガラスパウダー法により調製する。次に発現ベクターであるpAT・trp・trpE(特開平1−215289号)のDNA1μgを同様の反応液中で37℃1時間消化し、アガロース電気泳動により分離しガラスパウダー法により調製する。得られたEcoRI−SalI処理ベクターDNA1μgと上述のC14−2−2 DNA断片をDNAライゲーションキット(宝酒造)を用い、メーカーの推奨する方法により16℃で1時間保温し、連結反応を行なった。
【0070】
この反応液の10μlを用いて大腸菌C600株を形質転換した。形質転換に用いる感受性大腸菌株は、ハナハンの方法[前掲]により作られる。形質転換大腸菌を50μg/mlのアンピシリンを含むLB−プレート(1%トリプトン、0.5%酵母エキス,0.5%NaCl,1.5%寒天)上に塗布し、37℃に一晩保温した。プレート上に生じた菌のコロニーを一白金耳取り、50μg/mlアンピシリンを含むLB培地に移し、一晩37℃で培養した。1.5mlの菌培養液を遠心して集菌し、プラスミドDNAのミニプレパレーションをアルカリ法(Maniatisら、Molecular Cloning :A Laboratory Manual, 1982 )により行なった。
【0071】
得られたプラスミドDNA1μgをEcoRIとSalIで二重消化し、アガロース電気泳動を行なって、約260bpのEcoRI−SalI断片が生じるpAT・trp・trpE C14−2−2発現プラスミドを選別した。
【0072】
実施例 4
C14−1、C14−1−2、C14−2、C14−2−1およびC14−2−2 DNAによってコードされるペプチド類の発現及び精製:
上記実施例1〜3で作製した5種類の各発現プラスミドを有する大腸菌C600を50μg/mlのアンピシリンを含むLB培地40mlに接種し、37℃で一晩培養する。この培養液50mlを50μg/mlのアンピシリンを含む4lのM9−CA培地(0.6 %Na2 HPO4 , 0.5% KH2 PO4 , 0.5% NaCl, 0.1% NH4 Cl, 0.1mM CaCl2 ,2mM MgSO4 , 0.5%カザミノ酸, 0.2%グルコース)に植え継ぎ、37℃で培養した。OD600 =0.3のときに終濃度40mg/lになるようにインドールアクリル酸を加え、さらに16時間培養した。この培養液を遠心分離し、約12gの菌体を集めた。得られた菌体に溶菌バッファー[50mM Tris-HCl (pH8.0) 、30mM NaCl, 5mM EDTA ]60mlを加え懸濁し、リゾチーム(生化学工業)12mgを加え37℃で1時間反応させた。超音波破砕150秒により大腸菌膜を破砕した後に遠心分離15000 rpm、15分間、4℃で行ない、目的のDNAによってコードされるペプチドとtrpEの融合ペプチドを含む不溶性画分を得た。その画分に可溶化バッファー[4M尿素、50mM Tris-HCl (pH8.0), 0.1% NP-40 ]を55ml加えて、融合ペプチドを可溶化抽出した。
【0073】
可溶化した抽出物に尿素、DTTをそれぞれ終濃度6M、50mMとなるように加え、4℃1時間以上おいた後に、6M尿素、5mMDTTを含む50mM Tris−HCl(pH8.5)で平衡化したMonoQ(ファルマシア社)カラムにかけた。0Mから0.2MのNaClの濃度勾配をかけることにより目的ペプチドをカラムから溶出させた。溶出分画を集め、6M尿素、0.15M NaCl、5mM DTTを含む50mM Tris−HCl(pH8.5)で平衡化したHiLoad Superdex 75pgカラム(ファルマシア社)にかけることにより、融合ペプチドを精製した。得られた融合ペプチドは、trpE・C14−1(Mr約8kDa)、trpE・C14−1−2(Mr約11kDa)、trpE・C14−2(Mr約10kDa)、trpE・C14−2−1(Mr約6kDa)およびtrpE・C14−2−2(Mr約11kDa)である。
【0074】
実施例 5
C14−1、C14−1−2、C14−2およびC14−2−2ペプチド断片の調製
ペプチドは Applied Biosystems Peptide Synthesizer モデル 430A(Applied Biosystems)を用い、Fast Moc system のプロトコールにしたがい合成した。合成終了後、常法にしたがって脱保護、脱樹脂を行ない、HPLCで精製した。
【0075】
目的のピークと思われるものを分取し、アミノ酸分析機(日本電子、JLC−300)でアミノ酸含有量を調べるか、あるいは Protein Sequencer(Applied Biosystemsモデル 477A)でアミノ酸配列の確認を行なった。
【0076】
実施例 6 C型肝炎患者血清中のHCV抗体の測定
(i)ウェスタンブロット法によるHCV抗体の検出:
発現ペプチドtrpE・C14−2 1μgをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動[Laemmli, Nature, 227, 680 (1970)]に掛けた後、常法に従ってニトロセルロースフィルター(Bio−Rad)にブロッティングした。このフィルターを、ブロッキング液[4%ブロックエース(雪印)、2%BSA、0.1Mリン酸ナトリウム(pH7.4)]で室温、1時間静置後、正常人血清およびC型肝炎患者血清を100倍希釈液で室温で1時間反応させる。洗浄液[20mM Tris-HCl (pH7.5), 500mM NaCl, 0.05% Tween-20 ]で洗った後、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG(ヤギ抗体)を、1000倍希釈で室温30分間反応させた。再びフィルターを洗浄し、基質であるジアミノベンチジン溶液に浸し、発色を確認後、純水に浸して反応を停止した。図3に示したように、正常人血清に対しては全く反応していないが、患者血清に対しては強く反応し、特異的なバンドとして検出された。
【0077】
(ii)酵素抗体測定法(ELISA法)によるHCVのグルーピング(その1):
慢性期にある種々の日本人C型肝炎患者血清を、trpE・C14−1、trpE・C14−1−2、trpE・C14−2、trpE・C14−2−1およびtrpE・C14−2−2融合ペプチドを用いてELISA法によりHCVのグルーピング判定を行なった。ELISA法は、常法を用いて行ない、精製抗原を8M尿素を含む0.1Mリン酸バッファ(pH7.5)で5μg/mlの濃度に希釈し、4℃あるいは室温でマイクロプレートに固定する。洗浄液で数回洗浄後、希釈被検血清を加え、30℃あるいは室温で1時間インキュベートする。洗浄後、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG(マウスモノクローナル抗体)を加え、30℃あるいは室温で反応させる。更に数回洗浄し、O−フェニレンジアミン溶液を50μl加え、37℃で発色させる。2M H2 SO4 で発色を停止させ、比色計で492nmの吸光度測定を行なった。なお、対照として正常人血清、また比較として市販のカイロン社キットC100−3(オルソ社)を用いて同時に測定した。結果を表1、表2、表3及び表4に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
表1〜表4の結果は、trpE・C14−1およびtrpE・C14−1−2融合ペプチドはともにHCVグループIを特異的に識別し、一方、trpE・C14−2、trpE・C14−2−1およびtrpE・C14−2−2融合ペプチドはともにHCVグループIIを特異的に識別することを示している。この結果はさらに、同一のC型肝炎患者血清について、C14−1および/またはC14−1−2ペプチドと、C14−2および/またはC14−2−1および/またはC14−2−2ペプチドとを組み合わせて使用してHCVグルーピング判定を実施することにより、該患者がHCVのグループIのみかまたはグループIIのみかまたはグループIとグループIIの両方に感染しているかを判定できることを示している。
【0082】
(iii )ELISA法によるHCVのグルーピング(その2):
慢性期にある種々の日本人C型肝炎患者血清を、trpE・C14−1、trpE・C14−2−2、実施例5で調製したC14−1、C14−1−2、C14−2およびC14−2−2のペプチド断片:1−Y、1−Z、1−B、2−Y、2−B、2−Zを用いてELISA法によりHCVのグルーピング判定を行なった。
【0083】
trpE・C14−1−2、trpE・C14−2−2ペプチドを上記の様にプレートに固定した。検体20μlと実施例5で調製したペプチド(0.1mg/ml)20μlを等量混和し、室温1時間静置した。これに検体希釈液を200μl加えた後にペプチドを固定したプレートに加えた。30℃1時間反応させた後、洗浄を行ない、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG(マウスモノクローナル抗体)を加え30℃1時間反応させた。洗浄した後、o−フェニレンジアミン溶液を加え、30℃1時間反応させた後1M硫酸溶液を加えることにより反応を停止させ、比色計で492nmの発色を測定した。
【0084】
また、比較として市販のHCV感染診断薬Imucheck−HCV(国際試薬(株)製)を使用して同様に測定を行なった。結果を表5、表6および表7に示す。
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
【表7】
表5に示した検体は全てHCVグループIに属することはtrpE・C14−1−2との反応性により明らかであり、実施例5で調製したグループIの配列を持つペプチドを加えることによりtrpE・C14−1−2との反応が阻害されていることが明らかである。表7に示した検体は全てHCVグループIIに属することはtrpE・C14−2−2との反応性より明らかであり、実施例5で調製したグループIIの配列を持つペプチドを加えることによりtrpE・C14−2−2との反応が阻害されていることが明らかである。さらに表6に示した検体は全てHCVグループII、I両者に属すことはtrpE・C14−1−2、trpE・C14−2−2との反応性より明らかであり、実施例5で調製したグループI、IIそれぞれの配列を持つペプチドを加えることによりtrpE・C14−1−2、trpE・C14−2−2との反応が阻害されていることが明らかである。これらの結果からtrpE・C14−1−2、trpE・C14−2−2と抗体との反応性が特異的なものであることが分かる。さらにこれらの実施例5で調製した配列を持つペプチドによる、グループI、IIそれぞれのペプチドに対する阻害を調べることにより、該患者がHCVのグループIのみかまたはグループIIのみかそれとも両者に感染しているかを知ることが出来る。一方、比較としてのImucheck−HCVでは各表から明らかなようにグルーピング判定が困難である。
【0088】
(iv)ELISA法によるHCVのグルーピング(その3)
実施例5で調製したペプチドをマイクロプレートに固定した。そこに検体を加え、前記の方法により反応を行なわせ、反応停止後、比色計で492nmの発色を測定した。結果を表8に示す。それぞれのペプチドによりグルーピングを行なうことができることは明らかである。しかし各ペプチドとの反応は、ある検体においてはZのみであり、ある検体においてはYのみである。このことからグルーピングに用いるペプチドは、実施例5で調製したペプチドを組み合わせたもの、あるいはつなげたものであることが望ましい。
【0089】
【表8】
実施例 7
キットの作成
精製した抗原を5μg/mlとなるように8M尿素を含む燐酸緩衝液に希釈する。希釈液をグループごとに別々のマルチプレートに、ウェルあたり100μl加え、4℃にて一夜静置する。液を捨てウェルあたり300μlのブロッキング液を加え、室温において2時間静置する。液を捨て洗浄液でウェルを洗浄した後、マルチプレートを凍結乾燥させる。凍結乾燥させたプレートをグループごとに異なる袋に入れ、シールし、キットの箱に入れ、4℃において保存する。キットにはさらにグループ特異的な反応が確認されているグループI、グループIIに対応する陽性血清、検体血清を希釈するために希釈液、洗浄液、酵素標識抗ヒトIgGマウスモノクローナル抗体、発色液を適当な瓶などの容器に別々に入れた状態で箱に入れる。また取り扱い説明書もキットに添付する。
【0090】
実施例 8
インターフェロン(IFN)治療効果とRT−PCR法によるグルーピングの相関
グループIIを特異的に検出可能なプライマー及びグループIに特異的なプライマーを設定しIFNの治療効果とPCRによるグルーピングの相関をみた。
【0091】
C型肝炎患者血漿100μlに6MのGTC液(6Mグアニジンチオシアネート、25mMクエン酸ナトリウム、0.5%サルコシル、0.2Mメルカプトエタノール)300μlを加え撹拌する。さらに40μlの2M酢酸ナトリウム(pH5.2)、400μlフェノール、80μlクロロホルム/イソアミルアルコール(49:1)を加えよく撹拌する。水溶液層をとりイソプロピルアルコールを加え、これを遠心し、沈澱を得る。これをRNAとしてcDNA合成を行った。cDNA合成はTris−HCl 10mM、ゼラチン0.01%、 dNTP 各1mM、MgCl2 4mM, DTT 1mM、プライマー100 pmole の反応液に RNaseインヒビター、逆転写酵素を加え、37℃2時間反応して行った。このcDNAを用い2ステップ法PCRを行った。PCRの条件は、cDNAを含む反応液 100μlに Tris-HCl 10mM,ゼラチン0.01% dNTP 各2mM, MgCl2 1.5mM,プライマー各50pmole を加え、アンプリフィケーションサイクルは変性94℃、1.5分、アニーリング50℃、2分、伸長70℃、2分の条件で35サイクル行った。いくつかのプライマーを検討した結果以下の4種のプライマーを用いるとグループIIに特異的なDNA断片が検出可能となった。
【0092】
lst step PCR
KK21:5’−GGATACACCGGTGACTTTGA−3’
KK22:5’−TGCATGCACGTGGCGATGTA−3’
2nd step PCR
KK26:5’−GATGCCCACTTCCTCTCCCA−3’
KK27:5’−GTCAGGGTAACCTCGTTGGT−3’
この4種のプライマーを用いたPCRで206塩基対のDNA断片が検出される。以下の4種のプライマーを用いることによりグループIに特異的なDNA断片が検出可能である。
【0093】
lst PCR
KK1:GGCTATACCGGCGACTTCGA−3’
KK2:GACATGCATGTCATGATGTA−3’
2nd PCR
KK5:GATCGACTGTAACACATGTG−3’
KK8:CACATTTGATCCCACGATGG−3’
これらのプライマーで153塩基対のDNA断片が検出される。
【0094】
表9に示すように、著効9例につき78%がグループII、22%がグループIであり、IFN治療効果を示す患者は主としてグループIIに属することが確められた。
【0095】
【表9】
【0096】
【発明の効果】
本発明の抗原性ペプチドおよび該ペプチドからなるキットは、C型肝炎患者がHCVのグループIおよびグループIIのどちらに感染しているかを判定し得ると共に、グループIとグループIIの両方に感染(所謂、重感染)しているケースの判定にも有効に使用し得る利点をもつ。患者がHCVグループIIに感染していると判定された場合には、抗ウイルス剤であるIFN治療がHCVグループIIに対し著効であるという事実に鑑みて、該患者に対し迅速かつ有効なIFN治療を実施することが可能である。また、本発明のペプチドおよびキットはHCV感染の確認にも有用である。
【0097】
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:63
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列番号:2
配列の長さ:87
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列番号:3
配列の長さ:63
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列番号:4
配列の長さ:87
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列番号:5
配列の長さ:189
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to genomic RNA
配列番号:6
配列の長さ:267
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to genomic RNA
配列番号:7
配列の長さ:189
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to genomic RNA
配列番号:8
配列の長さ:261
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to genomic RNA
配列番号:9
配列の長さ:667
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to genomic RNA
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、C14−1、C14−1−2、C14−2およびC14−2−2抗原性ペプチドのアミノ酸配列、並びにHCVグルーピングに有効なペプチド断片(太線)検索のためのエピトープマッピングを示す。図中、星印(*) はC14−1とC14−1−2の間のおよび、C14−2とC14−2−2の間の相同アミノ酸を表わす。
【図2】この図は、C14−2発現ベクターpAT・trp・trpE・C14−2の構築手順を示す。
【図3】この図は、発現ペプチドtrpE・C14−2とC型肝炎患者血清(右レーン)との抗原抗体反応を示す電気泳動(ウェスタンブロット)写真である。左レーンはコントロール(正常人血清)である。
Claims (7)
- C型肝炎ウイルスのグループI抗体と特異的に反応し得る配列番号:1もしくは配列番号:2に示されるアミノ酸配列、それらの部分配列を有する抗原性ペプチド類または同じ機能をもつ該ペプチド類の変異体から選択される少なくとも1つの抗原性ペプチドを、C型肝炎ウイルス抗体を含むと推定される検体と接触させて免疫学的反応を行ない、グループIに属するC型肝炎ウイルスを陽性として検出することからなる、C型肝炎ウイルスのグルーピング方法。
- C型肝炎ウイルスのグループII抗体と特異的に反応し得る配列番号:3もしくは配列番号:4に示されるアミノ酸配列、それらの部分配列を有する抗原性ペプチド類または同じ機能をもつ該ペプチド類の変異体から選択される少なくとも1つの抗原性ペプチドを、C型肝炎ウイルス抗体を含むと推定される検体と接触させて免疫学的反応を行ない、グループIIに属するC型肝炎ウイルスを陽性として検出することからなる、C型肝炎ウイルスのグルーピング方法。
- C型肝炎ウイルスのグループI抗体と特異的に反応し得る、配列番号:1または配列番号:2に示されるアミノ酸配列またはそれらの部分配列を有する抗原性ペプチド類、または同じ機能をもつ該ペプチド類の変異体から選択される少なくとも1つの第1抗原性ペプチド、並びに、該ウイルスのグループII抗体と特異的に反応し得る、配列番号:3または配列番号:4に示されるアミノ酸配列またはそれらの部分配列を有する抗原性ペプチド類、または同じ機能をもつ該ペプチド類の変異体から選択される少なくとも1つの第2抗原性ペプチドの各々を、C型肝炎ウイルス抗体を含むと推定される検体と別個に接触させて免疫学的反応により検体中の該ウイルス抗体を定性的または定量的に測定し、グループIまたはグループIIに属する該ウイルス抗体を検出することからなる、C型肝炎ウイルスのグルーピング方法。
- C型肝炎ウイルスのグループI抗体と特異的に反応し得る、配列番号:1または配列番号:2に示されるアミノ酸配列またはそれらの部分配列を有する抗原性ペプチド類、または同じ機能をもつ該ペプチド類の変異体から選択される少なくとも1つの第1抗原性ペプチドと、該ウイルスのグループII抗体と特異的に反応し得る、配列番号:3または配列番号:4に示されるアミノ酸配列またはそれらの部分配列を有する抗原性ペプチド類、または同じ機能をもつ該ペプチド類の変異体から選択される少なくとも1つの第2抗原性ペプチドとをそれぞれ異なる区画に含んでなる、請求項3に記載のグルーピング方法に使用するためのキット。
- 前記部分配列が、配列番号:1に示されるアミノ酸配列中アミノ酸位置20〜44、37〜62もしくはその組み合わせ、配列番号:2に示されるアミノ酸配列中アミノ酸位置20〜44、37〜62、53〜74もしくはその組み合わせ、配列番号:3に示されるアミノ酸配列中アミノ酸位置20〜44、37〜62もしくはその組み合わせ、配列番号:4に示されるアミノ酸配列中アミノ酸位置20〜44、37〜62、53〜74もしくはその組み合わせから成る配列である、請求項4に記載のキット。
- 前記部分配列が、配列番号:1に示されるアミノ酸配列中アミノ酸位置20〜44、37〜62もしくはその組み合わせ、配列番号:2に示されるアミノ酸配列中アミノ酸位置20〜44、37〜62、53〜74もしくはその組み合わせからなる配列である請求項1に記載のグルーピング方法に用いる抗原性ペプチド。
- 前記部分配列が、配列番号:3に示されるアミノ酸配列中アミノ酸位置20〜44、37〜62もしくはその組み合わせ、配列番号:4に示されるアミノ酸配列中アミノ酸位置20〜44、37〜62、53〜74もしくはその組み合わせからなる配列である請求項2に記載のグルーピング方法に用いる抗原性ペプチド。
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