JP3668975B1 - 腹力測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 客観的かつより正確なデータを測定可能とすることで東洋医学では習得しにくいとされる熟練した技術や勘を補い、的確な診断あるいは治療を行うことができる腹力測定装置を提供することである。
【解決手段】 腹部表面を押圧する押圧部2と、前記腹部表面が前記押圧部2を押し返す腹力を検知し測定電圧として出力するセンサ部4と、前記センサ部4から得られる前記測定電圧を演算処理して腹力値を得る演算部8と、前記測定電圧あるいは前記腹力値を格納する記憶部10と、前記腹力値を表示するための表示部9とを有するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、腹力を測定するための腹力測定装置に関する。
一般に、漢方(東洋医学)の診断方法には望診、聞診、問診及び切診(触診を意味する)と呼ばれる4つの診察法(四診)があり、望診では肉眼で患者の体格、顔色、眼瞼、皮膚、姿勢や身体の動きあるいは舌等を観察することによって体内の熱、水分、血液循環動態の異常ないし病の勢い等に関する診断を行い、聞診では聴覚で患者の声、咳、呼吸音や腹鳴を聞いたり嗅覚で患者の体臭、口臭、大小便や分泌物等の臭いを嗅ぐことによって患者の病状を認知し、問診ではのぼせる、体が冷える、肩がこる、痛みがあるなどのささいな症状を患者から聞き出すことにより診断を行っている。また、切診は手で脈の性質や形状を診たり(脈診)、直接腹部に触れて腹壁の緊張度または刺激に対する反応性を診たり(腹診)する診察方法であり、四診の中でも患者の生体情報を直接手で触知しうるという点で極めて特徴的な診察方法である。
しかしながら、漢方の診断方法は五感で得られる情報を基に診断し患者の年齢や体格等に応じて適切な漢方薬等を処方する主観的な診断であるため、膨大な知識や熟練した技量だけでなく「勘」も要求されるという課題があった。そのため、習得するのが非常に困難であり客観性にも欠けるという課題があった。
このような課題に対処するため、いくつかの発明及び考案が開示されている。
例えば、特許文献1には、「脈診装置」という名称で、東洋医学における寸口、関上及び尺中の浮脈、中脈及び沈脈を機械的に検出して脈圧波情報を得ることのできる脈診装置に関する発明が開示されている。
以下、図8を参照しながら、特許文献1に開示された技術について説明する。
図8(a)は被検体の手首における専門的用語では寸口、関上、尺中の位置関係を説明する斜視図であり、図8(b)は従来技術の脈診装置を示す概念図である。
東洋医学の四診では特に実際に患者の体に触れて診察を行う脈診及び腹診が重要視されており、特許文献1の脈診装置では図8(a)に示す関上26(トウ骨茎状突起24内側動脈の上の位置)、寸口25(関上26の約1.2cm上にある動脈上の位置)及び尺中27(関上26の約1.2cm下にある動脈上の位置)の軽く圧した場合の浮脈、中等度に圧した場合の中脈及び深く圧した場合の沈脈と呼ばれる脈圧波を測定することにより患者の健康状態を診察するものである。
脈診装置の具体的な構造は図8(b)に示すように腕38を固定部材35上に載置するための載置台39と、腕38の寸口25、関上26及び尺中27の脈圧波を検出するための触子部28と、出力軸32、機枠40及び圧脈伝導管29を介して測定部位に負荷を加えるための押圧発生装置31等の負荷機構と、押圧発生装置31の位置を調節するための移動機構と、触子部28で検出された脈圧波を電気信号に変換するトランスデューサ30と、電気信号を計測し演算処理して記録するアンプ41及び記憶レコーダ43と、計測結果をリアルタイムに表示するオシロスコープ42とから構成されている。
腕38へかける負荷を調節するための移動機構としては水平駆動輪33と昇降駆動輪34とが備えられており、水平駆動輪33を軸46の廻りに回転させると駆動輪ギアー44とラック45の噛み合いによって移動部材36aが固定部材35に対して紙面手前側あるいは紙面奥側に移動する構造となっている。また、昇降駆動輪34を軸47の廻りに回転させると移動部材36aに対して移動部材36bが上下方向に移動するため、押圧発生装置31も移動部材36bと同様に上下方向に移動する。これにより、触子部28が腕38の測定部位に加える負荷を調節することができ、寸口25、関上26及び尺中27の脈圧波を検出することができる。符号37は触子部28に負荷された押圧力を計測するための圧力計である。
なお、図8(b)では説明上片方の腕の脈圧波を計測する構造としたが、右手と左手の寸口25、関上26及び尺中27の脈圧波を同時に測定することができるように圧脈伝導管29、トランスデューサ30、負荷機構及び移動機構を2セット設けるようにしてもよい。
以上のような構造の脈診装置を用いて寸口25、関上26及び尺中27の脈圧波を測定することにより従来経験や勘等によって行っていた脈診を脈圧波情報という目に見えるデータとして測定及び表示可能とすることによってより正確な診断を行うことができるという効果がある。
特許文献2には、「東洋医学による診断方法、及び、診断方法を実行するコンピュータ」という名称で、のどの乾きや体のだるさ等の症状を数値化し、かつ、これらの数値と漢方薬の処方量の関係を数値化して表すことによって適量の漢方薬を処方することのできる診断方法及びこれに用いるコンピュータに関する発明が開示されている。
以下、特許文献2を引用しながら、特許文献2に開示された技術について説明する。
特許文献2の診断方法では診断項目の症状を症状が強い場合には1.0、中位である場合には0.5、普通あるいは症状がない場合には0.1のようにメンバーズシップ関数を用いて定量化したデータを格納した症状データベースと、各診断項目の症状に対する数種の漢方医薬の効き具合(適合度)を定量化したデータを格納した処方データベースとを用いて診断コンピュータにより症状にあった各漢方医薬の最適量を決定し医師にその結果を表示するものである。
診断コンピュータを用いた具体的な診断方法としてはまず症状データベースをもとに「のどの乾き」、「尿の量」、「体のだるさ」及び「便秘の傾向」等の症状から適合する症状を選択しその症状がどのくらいの程度であるのかを「強い」、「中位」及び「弱い」の中から選択し診断コンピュータに入力する。これにより、入力情報に基づいて「強い」等の症状の重さに合った各漢方医薬の適合度が処方データベースから呼び出される。そして、この結果をもとに数種の漢方医薬を適合度の比に応じて調合割合を計算されるため治療者はこの調合割合で漢方医薬を調合して患者にこれを投与する。また、特許文献2では各漢方医薬の投与量を容易に算出できるだけでなく治療後の症状の経過をさらに定量化して診断コンピュータに取り込むことによって治療の総合的な評価を行うことも可能としている。
特開平11−19055号公報 特開2002−288340号公報
しかしながら、上述の従来の技術においては、例えば特許文献1に開示された発明においては、両腕の寸口、関上及び尺中の脈圧波を容易に測定することができるものの、脈拍数の正常範囲は性別や年令あるいは精神的・肉体的条件によっても影響を受けやすいため脈圧波から患者の健康状態を診断するのは難しい可能性もあるという課題があった。
また、特許文献2に開示された発明においては、症状の状態を数値化しさらにこれを症状の状態に合わせた漢方医薬の数値化された適合量と組み合わせることによって数種の漢方医薬を適度な割合で調合できるものの、症状の重さを主観的に強い場合には1.0、以下0.5、0.1という数値で大まかに分類したものであり各漢方医薬を適量処方できない可能性があるという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、客観的かつより正確なデータを取得可能とすることで東洋医学では習得しにくいとされる熟練した技術や勘を補い、的確な診断あるいは治療を行うのに貢献することのできる腹力測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である腹力測定装置は、腹部表面を押圧する押圧部と、腹部表面が押圧部を押し返す腹力を検知し測定電圧として出力するセンサ部と、センサ部から得られる測定電圧を演算処理して腹力値を得る演算部と、押圧部が腹部表面に所望に予め定めた距離だけ押入されたときに演算部を介してセンサ部を起動させるスイッチ部と、測定電圧あるいは腹力値を格納する記憶部と、腹力値を表示するための表示部とを有するものである。
上記構成の腹力測定装置においては、押圧部で腹部表面を押圧したときの反発力を測定電圧として検知することで腹力を数値化して定量可能とするという作用を有する。また、押圧部が腹部表面に所望に予め定められた距離だけ押入されたときにセンサ部が起動する構造とすることで測定電圧の測定条件を一定にするという作用を有する。
請求項2に記載の発明である腹力測定装置は、腹部表面を押圧する押圧部と、腹部表面が押圧部を押し返す腹力を検知し測定電圧として出力するセンサ部と、センサ部から得られる測定電圧を演算処理して腹力値を得る演算部と、測定電圧あるいは腹力値を格納する記憶部と、押圧部と腹部表面との距離を検出するための位置検出部と、腹力値を表示するための表示部と、位置検出部によって検出された距離が所望に予め定めた距離に達したときに演算部を介してセンサ部を起動させるスイッチ部とを有するものである。
上記構成の腹力測定装置においては、位置検出部を設けることで請求項1のスイッチ部と同様の機能を有する。
また、請求項3に記載の発明である腹力測定装置は、演算部は連続して測定された腹力の測定電圧の比を演算処理して腹力値の比を表示部に表示し、記憶部に格納することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の腹力測定装置。
上記構成の腹力測定装置においては、連続して測定される腹力値の比を記憶部に格納する構造とすることで、例えば、初めに臍上の腹力を測定して記憶部に格納し続いて臍下の腹力を測定して同様に記憶し、これらの腹力値から比を演算して求めることで臍下の腹力の強弱を容易に診断可能とするという作用を有する。
本発明の請求項1に記載の腹力測定装置においては、腹力を定量的に測定可能とすることで所望の部分の腹力の程度を知ることができ、腹診に必要な熟練した技術や勘がなくとも客観的に腹力の強弱の診断を行うことができる。また、測定条件を一定にすることで腹力を正確に測定することができる。
本発明の請求項2に記載の腹力測定装置においても、請求項1と同様の効果を有する。
最後に、本発明の請求項3に記載の腹力測定装置においては、腹力値の比から臍下の腹力の強弱等を知ることにより老化に伴って出現しやすい「臍下不仁」の有無や治療の経過に伴う変化を数値的に把握できるとともに、漢方薬等の処方を選択する際の指針とすることができるという効果がある。
容易かつ正確に腹力を測定できる腹力測定装置を提供するという目的を、構造を複雑にすることなく実現した。
以下に、本発明の最良の実施の形態に係る腹力測定装置の実施例を図1乃至図7に基づき説明する。
はじめに本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の実施例1について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の実施例1の構成を示すブロック図である。
図1において、腹力測定装置1は患者の腹部表面に当接されるプローブ2と、プローブ2が患者の腹部表面を押圧することによって得られる反力、すなわち、腹力を検知してデジタル化するセンサ回路7と、センサ回路7から送られてくるデジタル信号を受信してこのデータをメモリー10に記憶蓄積したり表示部9に表示したりするマイクロコンピュータ等の制御演算部8とから構成されている。
センサ回路7では検知された腹力がひずみゲージ等のセンサ4で電気信号に変換されさらにアンプ5で増幅されてAD変換器6でアナログ信号からデジタル信号に変換されるとともに、プローブ2先端部を患者の腹部表面に所定の距離だけ押入するとプローブ2に内蔵されたスイッチ3が起動してAD変換器6から出力されるデジタル信号が測定データとして制御演算部8に取り込まれる構造となっている。
このような構造によりプローブ2先端部を腹部表面に所定距離だけ押し当てることで容易に腹力を定量的に測定することができる。また、制御演算部8としてマイクロコンピュータを用いると説明したが、腹力測定装置1を小型化するのに制御演算部8にIC(集積回路)を、表示部9に液晶及びLED等を用いてもよい。センサ4についてもひずみゲージに限らず圧力センサなど荷重を検知できるものであればよい。なお、センサ回路7、制御演算部8、表示部9及びメモリー10等を駆動させる電源としては、乾電池や充電式電池を内蔵するか、あるいは電源コードとプラグをコンセントなどに接続可能に設けるとよい。
次に、本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の外部構造と腹部表面に押入されたプローブ2先端部の長さを検知する検知手段について図2乃至図5を用いて説明する。
図2(a)は本発明の実施例1に係る腹力測定装置を示す概念図であり、図2(b)は図2(a)中符号Aで示される方向への矢視図である。図2において、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図2(a)に示す実施例1の腹力測定装置1aは腹部15に押入することにより腹部15表面から荷重を受けるプローブ2と、本体11と、これらを連結するシャフト12とから構成され本体11内にはセンサ回路7、制御演算部8、表示部9及びメモリー10が内蔵されている。また、プローブ2内部にはバネ14によって付勢され、図示されない内溝に沿って上下に摺動する摺動板13が設けられてあり、プローブ2先端部を腹部15に押入すると摺動板13が腹部15の表面によってプローブ2先端部に対して相対的に押し上げられる構造となっている。
プローブ2を介してセンサ4で検出される腹力は常にセンサ回路7に伝達されてデジタル信号として得られているが、腹部15に押入するプローブ2先端部の押入距離が距離Xよりも短い場合にはこのデジタル信号は測定データとして制御演算部8に取り込まれず腹力は測定されない。このときスイッチ3はOFF状態にある。しかしながら、腹部15にさらにプローブ2を押入しプローブ2先端部の押入距離が距離Xに達するとスイッチ3がONになり、プローブ2、シャフト12及び本体11内の導線を介してスイッチ3から制御演算部8へ計測命令信号が送られる。これにより、制御演算部8はセンサ回路7のデジタル信号を測定データとして認識して取り込み、演算及び記憶処理を行って表示部9に腹力の計測結果がデジタル表示される。
このような測定機構とすることにおいてはプローブ2先端部が腹部15に距離Xだけ押込まれたときにのみ測定腹力が演算、記憶及び表示されるため測定条件が一定であり、より正確に腹力を測定することができる。なお、通常腹診では指先を腹壁に約2cm沈めて腹力を診ているため、距離Xは2cm程度が好適である。
図2(b)に示すように腹力測定装置1aの表示部9がある面のスイッチ16は、腹力測定装置1aの主電源のON/OFFの切替操作を行うためのものである。
図3(a)は本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の実施例2を示す概念図であり、図3(b)は図3(a)中符号Bで示される方向への矢視図である。図3において、図1及び図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2では実施例1の腹力測定装置1aとは異なり腹部15へのプローブ2先端部の押入距離をスイッチ3のON/OFFではなく超音波センサ17によって検知する。プローブ2先端部の押入距離の検知以外の構造及び機構は実施例1と同様である。超音波センサ17は一般に被測定物表面に超音波を発信し超音波が被測定物表面で反射して戻ってくるまでの時間を測定することにより物体の有無や被測定物表面までの距離を検出するものである。したがって、実施例2では、予め適切な診断が可能な所望の距離X1を求めておき、超音波センサ17で検出される距離がプローブ2先端部から本体11先端部までの距離X 3 からこの距離X1を差し引いた距離X2となった場合に、超音波センサ17から制御演算部8に対して計測命令信号が送られるように設定しておけば、実施例1の腹力測定装置1aと同様に一定条件で腹力を測定することができる。
また、図3(b)に示すスイッチ16は実施例1と同様に本体11に主電源のON/OFF操作を行うものである。しかしながら、このスイッチ16は主電源のON/OFF操作に限らず距離2を数値入力あるいは矢印キーによる入力操作によって自由に入力できる機能を備えた構造としてもよい。
実施例3及び実施例4の腹力測定装置1c,1dでは図3に示す実施例2の腹力測定装置1bにおける超音波センサ17の代わりに静電容量センサ18を用いてプローブ2先端部が腹部15表面に所定の距離Xだけ押入された場合にセンサ回路7のデジタル信号が制御演算部8に取り込まれるものである。
図4(a)は本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の実施例3を示す概念図であり、図4(b)は図4(a)中符号Cで示される方向への矢視図である。図4においても図3と同様に、図1及び図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図4(a)に示す実施例3の腹力測定装置1cでは静電容量センサ18が本体11に設けられており、静電容量はC=ε・A/D(C:静電容量、ε:比誘電率、A:静電容量センサの底面積、D:被測定物(導体)と静電容量センサとの距離)の式から求められる。したがって、予め比誘電率εと静電容量センサ18の底面積Aを求めておけば、腹部15と静電容量センサ18との間に発生する静電容量Cを測定することにより腹部15から静電容量センサ18までの距離Xを検出することができる。
よって、予め適切な診断が可能な所望の距離Xを求めておき、静電容量センサ18からプローブ2先端部までの固定距離Xからこの距離Xを差し引いた距離X(D)を事前に測定してこれを制御演算部8内に記憶設定しておけば、静電容量センサ18と腹部15との距離が距離Xに達したときにセンサ回路7からデジタル信号が測定データとして取り込まれ測定腹力を表示部9に表示することができる。
図5(a)は本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の実施例4を示す概念図であり、図5(b)は図5(a)中符号Dで示される方向への矢視図である。図5において、図1等に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図5(a)の実施例4の腹力測定装置1dは実施例3における静電容量センサ18が本体11にではなくプローブ2に取付けられたものである。実施例3と同様に、プローブ2先端部から静電容量センサ18までの距離Xから距離Xを引いた距離Xを予め設定しておくことで腹部15から静電容量センサ18までの距離が距離Xに達したときに腹力が測定される仕組みである。
したがって、実施例3及び実施例4についても実施例2の腹力測定装置1bと同様により正確な腹力の測定を行うことができるという効果を有する。
以上のことより、腹診では、従来、腹部を指で撫でたり押さえたりすることによって皮膚の温度や乾燥度、腹筋の緊張度及び圧痛等を診て診断を行っていたが、図1乃至図5に示す本発明の実施例1乃至実施例4の腹力測定装置1a〜1dを用いて腹力を数値化されたデータとして測定することにより腹壁の緊張度を客観的に判断することが可能である。また、本発明の実施例1乃至実施例4の腹力測定装置1a〜1dは単に腹部の特定の箇所を個々に測定して腹力が強いか弱いかあるいは中程度であるかを判断するのに用いてもよいが、数箇所の腹力を測定してその測定結果から得られるデータを病状の判定指針としてもよい。
例えば、腹診には臍の上下部における腹壁の緊張度を診てこれらを比較することにより臍下不仁(臍下が軟らかく腹力が弱い所見で老化に伴って出現しやすい)の程度を診断するが、臍の上と下のどちらの腹力が強いか弱いか、あるいはその程度を判断することは未熟な治療者にとっては容易なことではない。
しかしながら、本発明の実施の形態に係る腹力測定装置では測定により臍上及び臍下の腹力を、容易に数値化された客観的なデータとして得ることができ臍上の腹力に対する臍下の腹力の比を求めることによって臍下不仁の程度を知ることができるとともに、漢方薬の処方を選択する際の参考とすることができる。臍下不仁の程度が大きいということは腎臓や膀胱を含む下腹部臓器になんらかの異常があり老化に伴う症状所見が出やすいため、処方として八味地黄丸等の補腎剤を選択するとよいと推測される。
図6は被検体の腹部における臍上部分及び臍下部分の位置関係を示す概念図であり、腹部19の臍20の上部及び下部に位置する符号22,23が臍上及び臍下である。
図7は本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の演算処理工程を示すフローチャートである。臍下不仁の判断は以下の工程に基づいて行う。
はじめに、図6に示す臍上22部分の腹力を実施例1乃至実施例4のいずれかの腹力測定装置を用いて測定しその測定データを腹力測定装置本体11のメモリー10に保存する。これがステップS1の工程である。次に、同腹力測定装置を用いて図6に示す臍下23部分の腹力を測定及びメモリー10に保存する(ステップS2)。そして、次の工程ステップS3ではステップS1及びステップS2で得られた測定データをもとに式(1)を用いて診断指数インデックス、SNH(Sub−Navel Hyposthenia;臍下の力の弱さ)index(段落0036、段落0037で説明)を演算してメモリー10に保存するとともに、この診断指数SNHindexより臍下不仁の程度を判断する(ステップS4)。これにより、容易に臍下不仁の程度を知ることができる。なお、ステップS1及びステップS2ではそれぞれ少なくとも3回ずつ腹力が測定されるとともに、ステップS1、ステップS2及びステップ3で得られる臍上の腹力、臍下の腹力及びSNHindexはこの順番で自動的に患者毎にメモリー10内に記憶されるものとする。臍下不仁の程度の判断については後述する。もちろん、測定される回数は3回に特定するものではなく、いずれの複数回でもよい。
各腹力を少なくとも3回は測定することにより、より正確な測定データを得ることができるとともに、メモリー10へ測定及び演算結果データを保存する際に各患者について測定日時、性別、年齢、症状、治療内容及び処方等の入力と合わせて保存しておけば治療経過を観察することもできる。加えて、このようなデータを蓄積することにより客観的な腹力の測定データと治療及び処方との関連性を見出し未熟な治療者に不足している熟練した技術や勘などを補う1つの手段とすることができるとともに、漢方医学を習得する手助けとなるという効果がある。
最後に、表1及び表2に示す実際に測定された臍上及び臍下の腹力をもとに演算したSNHindexから臍下不仁と診断された患者の状態と治療前後のSNHindexの変化を示した診察例を用いて臍下不仁の程度の判断の仕方について説明する。なお、一般に臍下の腹力が臍上の腹力に近ければ近い方が健康体に最も近い腹部の状態であると言われており、診察例ではSNHindexが1.5±0.1よりも大きい場合に臍下不仁ありと診断している。表1及び表2中の(SNH)及び(SNH)は初診及び処置後のSNHindexである。
表1は腹力測定により得られた初診の(SNH)より臍下不仁と診断されたサンプル1乃至15の患者に補腎剤を投与したときの診察例を示す表であり、例えば、サンプル1の男性は補腎剤を投与することにより1週間でSNHindexが1.58から1.07へと0.51だけ減少しているとともに、腎機能に基づく症状と考えられる頻尿が改善している。また、サンプル14の70歳の女性は測定間隔期間が1年とサンプル1の男性に対して長いものの、SNHindexが2.76から1.83へと0.93も減少している。加えて、補腎剤投与前に比べて風邪をひきにくくなっている。
表1に診察例では臍下不仁ありという診断に基づき補腎剤を投与したが、表2では(SNH)の測定時期と(SNH)の測定時期の間の測定間隔期間中に補腎剤を投与しなかった場合ないし、投与した場合でも症状改善を認めなかった場合の診察例を示している。
表2を見ると、初診のSNHindexである(SNH)から臍下不仁と診断されるのはSNHindexが1.5±0.1を超えているサンプル2、5、6、7、8、10、11、15及び16の患者である。表1のサンプル1の男性患者と同様の頻尿の症状を訴えていたと推測されるサンプル15の女性は年齢や測定間隔期間が表1中サンプル1の男性と異なるもののSNHindexが1年間で0.06増加しており、測定間隔期間中の臍上の腹力が一定であったとすると臍下の腹力が回復するどころか臍下の腹力がさらに小さくなっていると言える。さらには、利尿剤を多量に服用したのにも関わらず症状は全く改善されていない。また、表1中のサンプル14の女性と同様に風をひきやすかった表2中サンプル11の男性は表1のサンプル14の女性よりも年齢が若く回復力が早いと考えられるにもかかわらずSNHindexが0.37しか減っておらず、また、風邪をひきやすいという症状も改善されていない。
表1と表2の診察例より、症状が改善された場合にはSNHindexが0.5以上減少し、症状が改善されない場合にはSNHindexは0.5に満たないかあるいは逆に増加していることがわかる。SNHindexが減少するということは処置後の臍上の腹力が初診での臍上の腹力とほぼ同じであるとすると式(1)より臍下の腹力が処置を行ったことによって大きくなったと考えられ、言うまでもなく臍下不仁の程度が軽くなったと言える。したがって、本発明の実施の形態に係る腹力測定装置は単に腹力を測定するものであり患者を治療したりすることはできないものの、腹部において漢方的に重要と考えられる部位の腹力を正確に測定でき客観的に腹力の強弱を判断することができるとともに処方すべき漢方医薬の選択判断を補うことができる。
容易に腹力を定量化し客観化することのできる腹力測定装置を提供することができるとともに、測定した複数の腹力データより求めた診断指標を漢方薬の処方の選択や治療の指針を立てる参考資料として適用することができ、大学の医学部などの医学に関する教育機関や病院などの医療機関において治療のための有益なツールとして利用可能である。
本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の実施例1の構成を示すブロック図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の実施例1を示す概念図であり、(b)は(a)中符号Aで示される方向への矢視図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の実施例2を示す概念図であり、(b)は(a)中符号Bで示される方向への矢視図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の実施例3を示す概念図であり、(b)は(a)中符号Cで示される方向への矢視図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の実施例4を示す概念図であり、(b)は(a)中符号Dで示される方向への矢視図である。 被検体の腹部における臍上部分及び臍下部分の位置関係を示す概念図である。 本発明の実施の形態に係る腹力測定装置の演算処理工程を示すフローチャートである。 (a)は被検体の手首における寸口、関上、尺中の位置関係を説明する斜視図であり、(b)は従来技術の脈診装置を示す概念図である。
符号の説明
1、1a〜1d…腹力測定装置 2…プローブ 3…スイッチ 4…センサ 5…アンプ 6…AD変換器 7…センサ回路 8…制御演算部 9…表示部 10…メモリー 11…本体 12…シャフト 13…摺動板 14…バネ 15…腹部 16…スイッチ 17…超音波センサ 18…静電容量センサ 19…腹部 20…臍 22…臍上 23…臍下 24…トウ骨茎状突起 25…寸口 26…関上 27…尺中 28…触子部 29…圧脈伝導管 30…トランスデューサ 31…押圧発生装置 32…出力軸 33…水平駆動輪 34…昇降駆動輪 35…固定部材 36a,36b…移動部材 37…圧力計 38…腕 39…載置台 40…機枠 41…アンプ 42…オシロスコープ 43…記憶レコーダ 44…駆動輪ギアー 45…ラック 46,47…軸 X,X,X,X,X,X,X…距離

Claims (3)

  1. 腹部表面を押圧する押圧部と、前記腹部表面が前記押圧部を押し返す腹力を検知し測定電圧として出力するセンサ部と、前記センサ部から得られる前記測定電圧を演算処理して腹力値を得る演算部と、前記押圧部が前記腹部表面に所望に予め定めた距離だけ押入されたときに前記演算部を介して前記センサ部を起動させるスイッチ部と、前記測定電圧あるいは前記腹力値を格納する記憶部と、前記腹力値を表示するための表示部とを有することを特徴とする腹力測定装置。
  2. 腹部表面を押圧する押圧部と、前記腹部表面が前記押圧部を押し返す腹力を検知し測定電圧として出力するセンサ部と、前記センサ部から得られる前記測定電圧を演算処理して腹力値を得る演算部と、前記測定電圧あるいは前記腹力値を格納する記憶部と、前記押圧部と前記腹部表面との距離を検出するための位置検出部と、前記腹力値を表示するための表示部と、前記位置検出部によって検出された距離が所望に予め定めた距離に達したときに前記演算部を介して前記センサ部を起動させるスイッチ部とを有することを特徴とする腹力測定装置。
  3. 前記演算部は連続して測定された腹力の測定電圧の比を演算処理して腹力値の比を前記表示部に表示し、前記記憶部に格納することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の腹力測定装置。
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