JP3668644B2

JP3668644B2 - Bearing device for fixing roller

Info

Publication number: JP3668644B2
Application number: JP20131099A
Authority: JP
Inventors: 覚福澤
Original assignee: NTN Corp
Current assignee: NTN Corp
Priority date: 1999-07-15
Filing date: 1999-07-15
Publication date: 2005-07-06
Anticipated expiration: 2019-07-15
Also published as: JP2001027223A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、レーザービームプリンター等の電子写真装置の定着ローラを回転自在に支持する軸受装置に関し、詳しくは転がり軸受と樹脂製断熱スリーブからなる定着ローラ用の軸受装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、電子写真装置は、光学装置で形成された静電潜像にトナーを付着させ、このトナー像をコピー用紙に転写し、さらに定着させるものであり、この定着工程では、ヒータを内蔵した定着ローラと加圧ローラとの間にトナー像を通過させる。これにより、トナー像からなる転写像がコピー用紙上に加熱融着によって定着される。図３は、このような電子写真装置における加熱定着装置の一例を示す。
定着ローラ４は、線状ないし棒状のヒータ６を軸心部に内蔵した軟質の金属製であり、両端に小径の軸部４ａが突出した円筒状に形成されている。定着ローラ４は、アルミニウム、またはアルミニウム合金（Ａ５０５６、Ａ６０６３等）等の熱伝導性に優れた金属材料からなり、旋削や研磨等で表面が仕上げられ、表面にはフッ素樹脂等の非粘着性の高い樹脂がコーティングしてある。定着ローラ４は、両端の軸部４ａで深溝玉軸受からなる転がり軸受５を介してハウジング７に回転自在に支持され、一端における転がり軸受５よりも端部側に、回転動力を受けるギヤ８が設けられている。
定着ローラ４に接して定着ローラ４と平行に加圧ローラ９が設けられ、両端で軸受１０を介してハウジング７に回転自在に支持されている。加圧ローラ９は、鉄やアルミニウム等の芯金上にシリコンゴム等の被覆を設けたものである。
コピー紙は、回転駆動される定着ローラ４と従動する加圧ローラ９との間で送られながら、定着ローラ４による加熱融着でトナー像が定着処理される。
転がり軸受５と定着ローラ４の軸部４ａとの間には、合成樹脂等からなる放熱防止用の断熱スリーブ１が軸部４ａに圧入嵌合されて介在させてある。
【０００３】
断熱スリーブ１の一例を図４に示す。図４（ａ）は断熱スリーブの斜視図であり、図４（ｂ）は側面図である。断熱スリーブ１は、分断部にスリット２を形成して周方向一つ割りとし、定着ローラ４の軸部４ａに圧入嵌合される。スリットを形成する理由は、断熱スリーブ１が熱膨張によって内径が大径となり定着ローラ４とがたつきが生じるのを防止するためである。
また、定着ローラと転がり軸受の間に断熱スリーブを介在させるのは、定着ローラの加熱時に、両端部の転がり軸受から熱が逃げて定着ローラの軸方向に沿う温度分布が不均一になるのを防止するのとともに、軸受の高温劣化を防止するためである。
さらに、断熱スリーブ１を定着ローラ４の軸部４ａに圧入嵌合するのは、転がり軸受５と軸部４ａとの間で生じる軸受のクリープが、断熱スリーブ１と軸部４ａとの間で発生するのを防止するためである。この理由は、軸受のクリープによって軸部４ａが断熱スリーブ１によって削られ摩耗し回転精度が悪化するのを防止するためである。これにより、軸受のクリープは転がり軸受５と断熱スリーブ１の間で発生する。転がり軸受５の内輪は焼き入れ処理されているため、転がり軸受５と断熱スリーブ１の間で軸受のクリープが発生しても、いずれも摩耗することはない。
一方、定着装置を内蔵する複写機、レーザービームプリンター等の電子写真装置は、高速化、軽量化、小型化といった機能、デザインの向上の他に静粛化が求められている。特に、家庭内での使用など使用場所の多様化とともに、この静粛化がますます求められている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子写真装置の静粛化を追及したところ、従来問題とされていなかった定着装置周辺の異音が問題となってきた。すなわち、電子写真装置を構成する他の部品での消音化あるいは少音化が進んだ結果、定着装置周辺から周期的な異音や単発的な異音が発生していることが分かり、この異音を少なくすることが電子写真装置の静粛化にとって重要な問題となってきた。
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、定着装置周辺から発生するさまざまな異音を少なくすることができる定着ローラの軸受装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の定着ローラ用軸受装置は、電子写真装置の定着ローラを回転自在に支持する軸受装置を、円周方向の一箇所で分断するスリットを有する樹脂製の断熱スリーブと転がり軸受とから構成し、上記転がり軸受の内輪に上記断熱スリーブが圧入嵌合され、上記圧入嵌合部の嵌合隙間に充填材が満たされてなることを特徴とする。すなわち、本発明は、転がり軸受の内輪に断熱スリーブが圧入嵌合されることにより転がり軸受と断熱スリーブが一体となった軸受装置を有する定着ローラ用軸受装置である。
なお、本発明において、定着ローラとは、コピー用紙に転写されたトナー像を加熱定着させる装置に用いられる定着ローラを意味し、定着ベルト式定着装置における加熱ローラも含まれる。
【０００８】
断熱スリーブは、対アルミニウム合金の摩擦係数が 0.29 以下の摺動性樹脂組成物から形成されてなることを特徴とする。
【０００９】
上記充填材がフッ素グリースであることを特徴とする。
【００１０】
上記転がり軸受には、四フッ化エチレン樹脂の粉末が配合されたグリースが封入されてなることを特徴とする。
【００１１】
定着装置周辺で発生する周期的および単発的な異音を解析したところ、異音の一つの原因として、定着ローラの共振音にあることが実験・分析により判明した。さらにこの共振音の原因が断熱スリーブにあることが分かった。
定着ローラは転がり軸受により支持され回転するが、軸受のクリープによって断熱スリーブ自体も共回りする。また、定着ローラは加圧ローラ等により軸の垂直方向に一定の方向に力を受けているため、共回りした断熱スリーブの分断部がその力を受けている部分にくるとわずかな段差を生じ、このときに起こるごくわずかな振動が定着ローラに伝わり共振、共鳴することで異音が発生することが分かった。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、軸受装置を断熱スリーブ一体型転がり軸受とすることにより、分断部を有する断熱スリーブを用いても、定着ローラの共振音を防ぎ、異音の発生を抑えることができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図１および図２により説明する。図１は定着ローラ用の軸受装置の断面図（図１（ａ））およびＡ−Ａ断面図（図１（ｂ））であり、図２は軸受装置を構成する断熱スリーブの断面図（図２（ａ））および転がり軸受の断面図（図２（ｂ））である。
断熱スリーブ１は、フランジ１ａ付きの円筒１ｂからなり、円周方向の一箇所がスリット２により分断され合口が形成される。
スリット２は断熱スリーブが熱膨張した場合でも、転がり軸受５との膨張率の差で定着ローラ４を絞め込まないようにするため、逃げの役割を果たす。スリット間隔は断熱スリーブ作製時には 2.0mmを越えてもよいが、転がり軸受に組込んだ後は、スリット間隔を 0.3〜 2.0mmとする。スリットの間隔が 0.3〜 2.0mmであれば断熱スリーブの熱膨張で合口がぶつかり合うことがない。 2.0mmを越えるスリットがある場合は、転がり軸受の真円度に影響が生じ、円滑な回転が行なえなくなるおそれがある。
【００１３】
断熱スリーブ１のスリット２は、両側の合い口が径方向に重なる形状とすることができる。
径方向に重なる形状とすることにより、定着ローラの軸部と軸受の内輪とが直接に対面せず、スリット内における放電距離が長くなり、定着ローラから軸受側へ放電されることがなくなり、残トナーの除去効率が高くなる。
【００１４】
転がり軸受５は、内輪５ａと外輪５ｃとの間に介在される転動体５ｂおよび保持器とにより構成されているが、場合によっては保持器はなくともよい。
断熱スリーブ１が転がり軸受５の内輪５ａ内径に圧入嵌合されて、断熱スリーブ一体型転がり軸受となる。圧入嵌合のしめ代は半径で 0.2〜 0.4mmである。すなわち図２において、（ｄ₁−ｄ₂）／２＝ 0.2〜 0.4mmである。 0.2mm未満であると軸受と断熱スリーブが一体化できず異音の発生を防止できない。 0.4mmを越えると応力で断熱スリーブが破損するおそれがある。
【００１５】
この断熱スリーブは 200℃程度まで昇温する定着ローラに接するため耐熱性に優れた樹脂成形体である。例えば、高耐熱性の合成樹脂を母材として、各種強化材、添加剤等の充填材を含有させたもので形成する。具体的にはポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の樹脂に各種充填材を入れて強化されたものであって、熱変形温度 220℃以上を有する超耐熱性樹脂が使用できる。
また、電気絶縁性あるいは導電性樹脂材料であっても使用することができる。特に放電構造を有する定着装置にはカーボンブラック等を配合した導電性の樹脂材料が好ましく、放電構造のない定着装置には電気絶縁性の樹脂材料の必要がある。
【００１６】
また、樹脂成形体は耐熱性に優れるとともに、アルミニウム合金に対する摩擦係数が 0.29 以下の摺動性樹脂組成物から成形される。
軸受装置は断熱スリーブと転がり軸受とが一体化された構成であるため、定着ローラと軸受装置がクリープする。その結果、定着ローラの軸部が摩耗する。断熱スリーブ一体型転がり軸受を用いて、図３に示す加熱定着装置に組み込んで実験した結果、摩擦係数を 0.29 以下とすることにより、このクリープによる定着ローラ軸部の摩耗を防止できた。なお、摩擦係数を対アルミニウム合金とした理由は、断熱スリーブが接する部材のためであり、すなわち定着ローラの軸部がアルミニウム合金からなることを示す。摩擦係数が0.29より大きい場合は定着ローラと軸受装置のクリープにより、定着ローラあるいは断熱スリーブの接触部が摩耗するおそれがある。なお、摩擦係数は後述するスラスト型摩擦摩耗試験機により測定される値である。摩擦係数の下限値は低い値であることが好ましい。上記摩擦係数の値としては、 0.04 程度を下限値としても良い。
【００１７】
転がり軸受内輪５ａへの断熱スリーブ１の圧入嵌合は、樹脂材料からなる断熱スリーブのみを圧入嵌合してもよいが、圧入嵌合部３の嵌合隙間に充填材が満たされるように圧入嵌合してもよい。転がり軸受と断熱スリーブとの嵌合面には、僅かであるが嵌合隙間が発生し、この隙間に充填材を満たすことにより、一層一体化された軸受装置が得られるため、異音の発生がさらに抑えられる。充填材としては耐熱性に優れ熱的劣化の小さいフッ素グリースが容易に充填できるため好ましい。
嵌合隙間に充填材を満たす手段としては、圧入嵌合時に嵌合面にフッ素グリースなどを塗布した後に圧入嵌合する。
【００１８】
また、転がり軸受５に封入される潤滑グリースは、四フッ化エチレン樹脂の粉末が配合されたグリースである。たとえば基油がパーフルオロポリエーテルオイルで増ちょう剤が四フッ化エチレン樹脂のフッ素グリースや、基油がエステルオイルで増ちょう剤がウレアのウレアグリースに四フッ化エチレン樹脂粉末を添加したグリース等が挙げられる。市販品としては、フッ素グリースとしてダイキン工業社製デムナムＬ２００を、四フッ化エチレン樹脂粉末を添加のウレアグリースとして、ＮＯＫクリューバー社製グリースＪ等が挙げられる。
上記四フッ化エチレン樹脂粉末が配合されたグリースを用いると、熱劣化による影響が少なく好ましい。また、四フッ化エチレン樹脂粉末の配合量は 2〜40重量％である。この範囲で配合されると長期間の高温使用でも潤滑性を損なうことがない。
【００１９】
【実施例】
実施例１
ポリアミドイミド樹脂組成物（黒鉛約 5重量％、四フッ化エチレン樹脂約 10重量％配合、摩擦係数 0.27）を図２（ａ）に示す形状に射出成形して断熱スリーブを得た。なお、摩擦係数は所定形状のテストピースを用いてスラスト型摩擦摩耗試験にて、雰囲気温度を 200℃、荷重を 35Ｎ、周速を 2.8m/min 、相手材をアルミニウム合金（Ａ５０５６）として測定した。
得られた断熱スリーブを図２（ｂ）に示す＃６８０３深溝玉軸受に圧入嵌合し軸受装置を得た。なお、＃６８０３深溝玉軸受にはフッ素グリース封入されており、転がり軸受とのしめ代は半径で 0.2mmであり、嵌合後のスリット間隔は 1.8mmである。
この軸受装置を富士ゼロックス製複写機の定着装置に組込み、5000枚の通紙試験時での定着ローラ付近の異音を集音して調査した。周期的および単発的な異音が発生する場合を×、周期的および単発的な異音が発生しない場合を○として評価した。結果を表１に示す。
【００２０】
実施例２
転がり軸受と断熱スリーブの嵌合面にフッ素グリースを塗布する以外は実施例１と同様に軸受装置を作製して、実施例１と同一の方法で評価した。結果を表１に示す。
【００２１】
実施例３
樹脂組成物をポリフェニレンサルファイド樹脂組成物（四フッ化エチレン樹脂約 20重量％配合、アラミド繊維約 10重量％配合、摩擦係数 0.16）に代える以外は実施例１と同様に軸受装置を作製して、実施例１と同一の方法で評価した。結果を表１に示す。
【００２２】
実施例４
しめ代を半径で 0.4mmとする以外は実施例３と同様に軸受装置を作製して、実施例１と同一の方法で評価した。結果を表１に示す。
【００２３】
比較例１
しめ代を 0mmとする以外は実施例１と同様に軸受装置を作製して、実施例１と同一の方法で評価した。結果を表１に示す。
【００２４】
比較例２
しめ代を 0mmにし、さらに転がり軸受と断熱スリーブの嵌合面にフッ素グリースを塗布する以外は実施例３と同様に軸受装置を作製して、実施例１と同一の方法で評価した。結果を表１に示す。
【００２５】
【表１】

表１の結果から明らかなとおり、実施例１〜実施例４は定着ローラ付近の周期的および単発的な異音が認められなかった。また、嵌合面にフッ素グリースを塗布した実施例２は塗布していない実施例１、３、４よりも静かであった。
これに比較して、比較例１および比較例２は定着ローラ付近の異音が認められた。
【００２６】
【発明の効果】
本発明の定着ローラ用軸受装置は、円周方向の一箇所で分断するスリットを有する樹脂材料から構成された断熱スリーブを、転がり軸受の内輪に圧入嵌合させた断熱スリーブ一体型の軸受装置であるので、定着ローラの共鳴を抑えることができ、定着ローラ付近の異音発生を防ぐことができる。
【００２９】
上記断熱スリーブは、対アルミニウム合金の摩擦係数が 0.29 以下の摺動性樹脂組成物から成形されてなるので、軸受装置と軸部との間でクリープが生じてもいずれも摩耗することが無い。
【００３０】
転がり軸受の内輪と断熱スリーブとの圧入嵌合部の嵌合隙間に充填材が満たされてなるので、特に充填材がフッ素グリースであるので、定着ローラの共鳴をより抑えることができ、定着ローラ付近の異音発生をより防ぐことができる。
【００３１】
また、上記転がり軸受は、四フッ化エチレン樹脂の粉末が配合されたグリースが封入されてなるので、長期間の高温使用でも潤滑性を損なうことがない定着ローラ用軸受装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】定着ローラの軸受装置を示す図である。
【図２】軸受装置を構成する断熱スリーブおよび転がり軸受の断面図である。
【図３】加熱定着装置の破断正面図である。
【図４】断熱スリーブを示す図である。
【符号の説明】
１断熱スリーブ
２スリット
３圧入嵌合部
４定着ローラ
５転がり軸受[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a bearing device that rotatably supports a fixing roller of an electrophotographic apparatus such as a copying machine or a laser beam printer, and more particularly to a bearing device for a fixing roller including a rolling bearing and a heat insulating sleeve made of resin.
[0002]
[Prior art]
In general, an electrophotographic apparatus attaches toner to an electrostatic latent image formed by an optical device, transfers the toner image to a copy sheet, and further fixes it. In this fixing step, fixing with a built-in heater is performed. A toner image is passed between the roller and the pressure roller. As a result, the transfer image composed of the toner image is fixed on the copy sheet by heat fusion. FIG. 3 shows an example of a heat fixing device in such an electrophotographic apparatus.
The fixing roller 4 is made of a soft metal in which a linear or rod-shaped heater 6 is built in the shaft center portion, and is formed in a cylindrical shape with a small-diameter shaft portion 4a protruding at both ends. The fixing roller 4 is made of a metal material having excellent thermal conductivity such as aluminum or aluminum alloy (A5056, A6063, etc.), and the surface is finished by turning or polishing, and the surface is made of non-adhesive material such as fluororesin. High resin is coated. The fixing roller 4 is rotatably supported on the housing 7 by a shaft bearing 4a at both ends via a rolling bearing 5 formed of a deep groove ball bearing, and a gear 8 that receives rotational power is located closer to the end than the rolling bearing 5 at one end. Is provided.
A pressure roller 9 is provided in contact with the fixing roller 4 and parallel to the fixing roller 4, and is rotatably supported by the housing 7 via bearings 10 at both ends. The pressure roller 9 is a core metal such as iron or aluminum provided with a coating such as silicon rubber.
The copy paper is sent between the rotationally driven fixing roller 4 and the driven pressure roller 9, and the toner image is fixed by heat fusion by the fixing roller 4.
Between the rolling bearing 5 and the shaft portion 4a of the fixing roller 4, a heat-insulating sleeve 1 made of synthetic resin or the like for heat dissipation is press-fitted into the shaft portion 4a.
[0003]
An example of the heat insulating sleeve 1 is shown in FIG. 4A is a perspective view of the heat insulating sleeve, and FIG. 4B is a side view. The heat insulating sleeve 1 is formed with a slit 2 in the dividing portion and divided in one circumferential direction, and is press-fitted into the shaft portion 4 a of the fixing roller 4. The reason for forming the slit is to prevent the heat insulating sleeve 1 from having a large inner diameter due to thermal expansion and causing the fixing roller 4 to rattle.
Also, the heat insulating sleeve is interposed between the fixing roller and the rolling bearing because when the fixing roller is heated, the heat escapes from the rolling bearings at both ends and the temperature distribution along the axial direction of the fixing roller becomes uneven. This is to prevent high temperature deterioration of the bearing.
Further, the heat insulation sleeve 1 is press-fitted into the shaft portion 4a of the fixing roller 4 because the bearing creep generated between the rolling bearing 5 and the shaft portion 4a occurs between the heat insulation sleeve 1 and the shaft portion 4a. This is to prevent this. The reason for this is to prevent the shaft portion 4a from being scraped and worn by the heat insulating sleeve 1 due to the creep of the bearing, thereby deteriorating the rotational accuracy. Thereby, the creep of the bearing is generated between the rolling bearing 5 and the heat insulating sleeve 1. Since the inner ring of the rolling bearing 5 is quenched, even if bearing creep occurs between the rolling bearing 5 and the heat insulating sleeve 1, none of them is worn.
On the other hand, electrophotographic apparatuses such as copiers and laser beam printers with a built-in fixing device are required to be quiet in addition to functions such as high speed, light weight, and miniaturization, and design improvements. In particular, with the diversification of use places such as home use, there is an increasing demand for such quietness.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in pursuit of quietness of the electrophotographic apparatus, abnormal noise around the fixing apparatus, which has not been considered as a problem in the past, has become a problem. That is, it can be seen that periodic noise or single noise is generated from the periphery of the fixing device as a result of the progress of noise reduction or sound reduction in other parts of the electrophotographic apparatus. Reducing sound has become an important issue for the quietness of electrophotographic devices.
The present invention has been made in order to cope with such problems, and an object thereof is to provide a fixing roller bearing device capable of reducing various noises generated from the periphery of the fixing device.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The fixing roller bearing device of the present invention comprises a resin heat insulating sleeve having a slit that divides the fixing roller of an electrophotographic apparatus at one place in the circumferential direction and a rolling bearing. The heat insulating sleeve is press-fitted and fitted to the inner ring of the rolling bearing, and the fitting gap of the press-fitting fitting portion is filled with a filler . That is, the present invention is a bearing device for a fixing roller having a bearing device in which a rolling bearing and a heat insulating sleeve are integrated by press-fitting a heat insulating sleeve to an inner ring of the rolling bearing.
In the present invention, the fixing roller means a fixing roller used in an apparatus for heating and fixing a toner image transferred to a copy sheet, and includes a heating roller in a fixing belt type fixing apparatus.
[0008]
The heat insulating sleeve is formed from a slidable resin composition having a friction coefficient of 0.29 or less with respect to an aluminum alloy.
[0009]
The filler is a fluorine grease.
[0010]
The rolling bearing is filled with grease containing a powder of tetrafluoroethylene resin.
[0011]
As a result of analysis of periodic and single noises generated around the fixing device, it was found through experiments and analysis that one cause of the abnormal noise is the resonance noise of the fixing roller. Furthermore, it was found that the cause of this resonance sound is the heat insulating sleeve.
The fixing roller is supported by a rolling bearing and rotates, but the heat insulation sleeve itself rotates together with the creep of the bearing. In addition, since the fixing roller receives a force in the direction perpendicular to the axis by a pressure roller or the like, a slight level difference occurs when the divided part of the co-rotating heat insulation sleeve comes to the part receiving the force. It was found that a very small amount of vibration generated at this time is transmitted to the fixing roller and resonates and resonates to generate abnormal noise.
The present invention has been made on the basis of such knowledge, and by using a heat insulating sleeve-integrated rolling bearing as the bearing device, even if a heat insulating sleeve having a divided portion is used, resonance noise of the fixing roller can be prevented and abnormal noise can be prevented. Occurrence can be suppressed.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. 1 is a cross-sectional view (FIG. 1A) and AA cross-sectional view (FIG. 1B) of a bearing device for a fixing roller, and FIG. 2 is a cross-sectional view of a heat insulating sleeve constituting the bearing device (FIG. 1). 2 (a)) and a sectional view of the rolling bearing (FIG. 2 (b)).
The heat insulation sleeve 1 consists of the cylinder 1b with the flange 1a, and the one place of the circumferential direction is parted by the slit 2, and an abutment is formed.
The slit 2 plays a role of escaping in order to prevent the fixing roller 4 from being squeezed by the difference in expansion coefficient from the rolling bearing 5 even when the heat insulating sleeve is thermally expanded. The slit interval may exceed 2.0 mm when making a heat-insulating sleeve, but after installation in a rolling bearing, the slit interval is 0.3 to 2.0 mm. If the distance between the slits is 0.3 to 2.0 mm, the joint will not collide with the thermal expansion of the heat insulating sleeve. If there is a slit exceeding 2.0 mm, the roundness of the rolling bearing will be affected, and smooth rotation may not be possible.
[0013]
The slit 2 of the heat insulating sleeve 1 can have a shape in which the joints on both sides overlap in the radial direction.
By forming a shape that overlaps in the radial direction, the shaft portion of the fixing roller and the inner ring of the bearing do not directly face each other, the discharge distance in the slit is increased, and the discharge from the fixing roller to the bearing side is prevented. The toner removal efficiency is increased.
[0014]
The rolling bearing 5 is composed of a rolling element 5b and a cage that are interposed between the inner ring 5a and the outer ring 5c, but in some cases, the cage may be omitted.
The heat insulating sleeve 1 is press-fitted into the inner diameter of the inner ring 5a of the rolling bearing 5 to form a heat insulating sleeve-integrated rolling bearing. The crimping allowance for press-fitting is 0.2 to 0.4 mm in radius. That is, in FIG. 2, (d ₁ −d ₂ ) /2=0.2 to 0.4 mm. If it is less than 0.2 mm, the bearing and the heat insulating sleeve cannot be integrated and the generation of abnormal noise cannot be prevented. If it exceeds 0.4 mm, the thermal insulation sleeve may be damaged by stress.
[0015]
This heat insulating sleeve is a resin molded body having excellent heat resistance because it comes into contact with a fixing roller that is heated to about 200 ° C. For example, it is formed by using a high heat-resistant synthetic resin as a base material and containing fillers such as various reinforcing materials and additives. Specifically, polyamide reinforced resin, polyimide resin, polyether imide resin, polyether ketone resin, polyether ether ketone resin, polyphenylene sulfide resin, fluororesin, phenol resin, etc. are reinforced with various fillers In addition, a super heat resistant resin having a heat distortion temperature of 220 ° C. or higher can be used.
Moreover, even an electrically insulating or conductive resin material can be used. In particular, a conductive resin material containing carbon black or the like is preferable for a fixing device having a discharge structure, and an electrically insulating resin material is required for a fixing device without a discharge structure.
[0016]
The resin molded body is excellent in heat resistance and is molded from a slidable resin composition having a friction coefficient of 0.29 or less against an aluminum alloy.
Since the bearing device has a configuration in which the heat insulating sleeve and the rolling bearing are integrated, the fixing roller and the bearing device creep. As a result, the shaft portion of the fixing roller is worn. As a result of experiments conducted by incorporating a heat-insulating sleeve-integrated rolling bearing into the heat-fixing apparatus shown in FIG. 3, the friction coefficient was set to 0.29 or less, whereby wear of the fixing roller shaft portion due to this creep could be prevented. The reason why the friction coefficient is made of an aluminum alloy is that the heat insulating sleeve is in contact with the member, that is, the shaft portion of the fixing roller is made of an aluminum alloy. When the friction coefficient is larger than 0.29, the contact between the fixing roller and the heat insulating sleeve may be worn due to creep between the fixing roller and the bearing device. The friction coefficient is a value measured by a thrust type frictional wear tester described later. The lower limit value of the friction coefficient is preferably a low value. The value of the friction coefficient may be about 0.04 as the lower limit value.
[0017]
For the press-fitting of the heat insulating sleeve 1 to the rolling bearing inner ring 5a, only the heat insulating sleeve made of a resin material may be press-fitted and fitted, but the press-fitting is performed so that the fitting gap is filled with the filler. You may fit. A small amount of fitting gap is formed on the mating surface between the rolling bearing and the heat insulating sleeve, and filling this gap with a filling material provides a more integrated bearing device. Is further suppressed. As the filler, fluorine grease having excellent heat resistance and small thermal deterioration can be easily filled, which is preferable.
As a means for filling the fitting gap with the filler, press fitting is performed after applying fluorine grease or the like to the fitting surface during press fitting.
[0018]
The lubricating grease sealed in the rolling bearing 5 is a grease containing a tetrafluoroethylene resin powder. For example, fluorine grease with perfluoropolyether oil as base oil and ethylene tetrafluoride resin as thickener, or grease with tetrafluoroethylene resin powder added to urea grease with base oil as ester oil and thickener as urea Is mentioned. Examples of commercially available products include demnum L200 manufactured by Daikin Industries, Ltd. as fluorine grease, and grease J manufactured by NOK Kluber, etc. as urea grease to which tetrafluoroethylene resin powder is added.
It is preferable to use a grease containing the tetrafluoroethylene resin powder because it is less affected by thermal degradation. The blending amount of the tetrafluoroethylene resin powder is 2 to 40% by weight. When blended in this range, the lubricity is not impaired even when used for a long period of time.
[0019]
【Example】
Example 1
A polyamide-imide resin composition (about 5% by weight of graphite, about 10% by weight of tetrafluoroethylene resin, friction coefficient 0.27) was injection molded into the shape shown in FIG. 2 (a) to obtain a heat insulating sleeve. The coefficient of friction was measured in a thrust type frictional wear test using a test piece of a predetermined shape with an atmospheric temperature of 200 ° C., a load of 35 N, a peripheral speed of 2.8 m / min, and a mating material of an aluminum alloy (A5056). .
The obtained heat insulating sleeve was press-fitted into a # 6803 deep groove ball bearing shown in FIG. 2B to obtain a bearing device. The # 6803 deep groove ball bearing is sealed with fluorine grease. The interference with the rolling bearing is 0.2 mm in radius, and the slit interval after fitting is 1.8 mm.
This bearing device was incorporated into a fixing device of a Fuji Xerox copier, and an abnormal sound near the fixing roller was collected and investigated during a 5000 sheet feeding test. The case where periodic and single noise was generated was evaluated as x, and the case where periodic and single noise was not generated was evaluated as ◯. The results are shown in Table 1.
[0020]
Example 2
A bearing device was prepared in the same manner as in Example 1 except that fluorine grease was applied to the fitting surface between the rolling bearing and the heat insulating sleeve, and evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0021]
Example 3
A bearing device was prepared in the same manner as in Example 1 except that the resin composition was replaced with a polyphenylene sulfide resin composition (containing about 20% by weight of tetrafluoroethylene resin, about 10% by weight of aramid fibers, and a friction coefficient of 0.16). Evaluation was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0022]
Example 4
A bearing device was produced in the same manner as in Example 3 except that the interference margin was set to 0.4 mm in radius, and evaluated by the same method as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0023]
Comparative Example 1
A bearing device was produced in the same manner as in Example 1 except that the interference margin was set to 0 mm, and evaluated by the same method as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0024]
Comparative Example 2
A bearing device was prepared in the same manner as in Example 3 except that the interference margin was set to 0 mm, and fluorine grease was applied to the fitting surface between the rolling bearing and the heat insulating sleeve, and evaluation was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0025]
[Table 1]

As is clear from the results in Table 1, in Examples 1 to 4, no periodic and single noises in the vicinity of the fixing roller were observed. Further, Example 2 in which fluorine grease was applied to the fitting surface was quieter than Examples 1, 3, and 4 in which fluorine grease was not applied.
In comparison, in Comparative Example 1 and Comparative Example 2, an abnormal noise near the fixing roller was observed.
[0026]
【The invention's effect】
The fixing roller bearing device of the present invention is a heat insulating sleeve-integrated bearing device in which a heat insulating sleeve made of a resin material having a slit that is divided at one place in the circumferential direction is press-fitted into an inner ring of a rolling bearing. Therefore, resonance of the fixing roller can be suppressed, and abnormal noise in the vicinity of the fixing roller can be prevented.
[0029]
The heat insulating sleeve is formed from a slidable resin composition having a friction coefficient of 0.29 or less with respect to the aluminum alloy, so that even if creep occurs between the bearing device and the shaft portion, none of them is worn.
[0030]
Since the filler is filled in the fitting gap of the press-fitting fitting portion between the inner ring of the rolling bearing and the heat insulating sleeve, since the filler is particularly fluorine grease, resonance of the fixing roller can be further suppressed, and the fixing roller It is possible to further prevent the generation of nearby noise.
[0031]
In addition, since the rolling bearing is filled with grease containing a tetrafluoroethylene resin powder, a bearing device for a fixing roller that does not impair the lubricity even when used for a long period of time at a high temperature is obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing a fixing roller bearing device;
FIG. 2 is a sectional view of a heat insulating sleeve and a rolling bearing constituting the bearing device.
FIG. 3 is a cutaway front view of a heat fixing device.
FIG. 4 is a view showing a heat insulating sleeve.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Thermal insulation sleeve 2 Slit 3 Press fitting part 4 Fixing roller 5 Rolling bearing

Claims

In a bearing device that rotatably supports a fixing roller of an electrophotographic apparatus ,
The bearing device includes a heat insulating sleeve made of resin and a rolling bearing having a slit that is divided at one place in a circumferential direction, and the heat insulating sleeve is press-fitted to an inner ring of the rolling bearing, and the press-fitting fitting portion is fitted. A bearing device for a fixing roller , wherein a filler is filled in the gap .

2. The bearing device for a fixing roller according to claim 1, wherein the heat insulating sleeve is formed of a slidable resin composition having a friction coefficient of 0.29 or less with respect to an aluminum alloy.

The fixing roller bearing device according to claim 1, wherein the filler is fluorine grease.

The bearing device for a fixing roller according to any one of claims 1 to 3 , wherein the rolling bearing is filled with grease containing a powder of ethylene tetrafluoride resin.