JP3668231B2 - マルチメディア・メッセージサービス装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチメディア・メッセージを国際発信することのできるマルチメディア・メッセージサービス装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
最近の携帯電話システムにおいては、静止画、動画や楽音を含むマルチメディア・メッセージの送受信が可能とされている。このようなマルチメディア・メッセージは、マルチメディア・メッセージに対応している携帯電話機において、インターネットを介して送受信することができると共に、マルチメディア・メッセージに対応している携帯電話機間において授受できるようにされている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マルチメディア・メッセージを転送可能な事業者は国内に限られており、マルチメディア・メッセージを国際発信することができなかった。
【０００４】
そこで、本発明は、マルチメディア・メッセージを国際発信することができるマルチメディア・メッセージサービス装置を提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置は、発信されたマルチメディア・メッセージを受信した際に、国際プレフィックステーブルを参照して転送先へ国際発信するか否かを前記マルチメディア・メッセージ中の送信先情報に基づいて判定する第１判定手段と、国番号および事業者番号で特定される事業者毎のドメイン名と同番号移行をサポートしているかの情報からなる前記第１ルーチングテーブルと、国情報および事業者情報で特定される各事業者別のドメイン名の情報からなる第２ルーチングテーブルと、前記第１判定手段が、転送先へ国際発信すると判定した際に、前記送信先情報における国番号情報および事業者番号情報をキーとして前記第１ルーチングテーブルを検索することにより、転送先の事業者が同番号移行をサポートしているか否かを判定する第２判定手段と、前記第２判定手段において転送先が同番号移行をサポートしていないと判定された場合は、前記第１ルーチングテーブルを参照して前記送信先情報における国番号情報および事業者番号情報から転送先のドメイン名を取得する第１取得手段と、前記第２判定手段において転送先が同番号移行をサポートしていると判定された場合は、加入者データが登録されている登録手段に問い合わせて前記送信先情報に対応する国際識別情報を取得し、取得された国際識別情報中の国を識別する情報および事業者を識別する情報をキーとして前記第２ルーチングテーブルを検索することにより、転送先のドメイン名を取得する第２取得手段と、前記第１取得手段あるいは前記第２取得手段により取得されたドメイン名の転送先に前記マルチメディア・メッセージを転送する転送手段とを備えている。
【０００７】
このような本発明によれば、国際発信すると判定した際に転送先が同番号移行をサポートしているかいないかを判定するようにしている。これは、転送先が同番号移行をサポートしている場合は、コマンド中の送信先情報である例えば電話番号から一意に転送先を決定することができないからである。そこで、転送先が同番号移行をサポートしている場合は、マルチメディア・メッセージ中の送信先情報に対応する国際識別情報を問い合わせて取得し、取得した国際識別情報から転送先を決定するようにしている。また、転送先が同番号移行をサポートしていない場合は、送信先情報から転送先を決定するようにしている。これにより、マルチメディア・メッセージを国際発信することができるようになる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置が組み込まれている通信網の概略を図１に示す。以下、図１を参照して本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳC（Multimedia Messaging Service Center）１１について説明する。図１に示す通信網において、例えば携帯電話機とされる端末１０がマルチメディア・メッセージを送信するものとする。端末１０がマルチメディア・メッセージを送信する場合は、端末１０はマルチメディア・メッセージの送信要求であるM-Sendリクエストコマンドを送信する。このM-Sendリクエストコマンドを受信したＭＭＳＣ１１は、M-Sendレスポンスコマンドを端末１０に発行し、これにより端末１０はマルチメディア・メッセージをＭＭＳＣ１１に送信する。マルチメディア・メッセージを受信したＭＭＳＣ１１は、マルチメディア・メッセージのヘッダにおける宛先のＭＳＩＳＤＮ（Mobile Station ISDN number）からマルチメディア・メッセージを転送する転送先のＭＭＳＥ（Multimedia Messaging Service Environment）を特定する。なお、ＭＭＳＥはＭＭＳＣ１１と同様の装置とされている。
【０００９】
転送先のＭＭＳＥを特定するにあたり、ＭＭＳＣ１１は、まずマルチメディア・メッセージのヘッダにおける宛先のＭＳＩＳＤＮのプレフィックスの桁の内容で国際プレフィックステーブル１２を検索し、宛先ＭＳＩＳＤＮが国際発信であるかの判定を行う。なお、ＭＳＩＳＤＮとは移動電話に対して付与される移動加入者番号である。国際プレフィックステーブル１２の一例を図２に示すが、この国際プレフィックステーブル１２では国際発信のＭＳＩＳＤＮのプレフィックスが「＋」、「００」、「０１０」の３種類と定義されている。ここで、宛先ＭＳＩＳＤＮが国際発信でないとＭＭＳＣ１１が判定した場合は、ＭＭＳＣ１１は宛先ＭＳＩＳＤＮから一意に決定される国内の他事業者のＭＭＳＥにマルチメディア・メッセージを転送する。また、宛先ＭＳＩＳＤＮから属するＭＭＳＥがＭＭＳＣ１１と判断された場合は、宛先が自局内とされていることからＭＭＳＣ１１は宛先ＭＳＩＳＤＮに対応する端末に向けてマルチメディア・メッセージを転送する。
【００１０】
そして、ＭＭＳＣ１１において宛先ＭＳＩＳＤＮのプレフィックスが「＋」、「００」、「０１０」のいずれかとされて宛先ＭＳＩＳＤＮが国際発信であると判定された場合は、ＭＭＳＣ１１はＭＳＩＳＤＮの先頭の数桁である国番号および事業者番号をキーに、ＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル１３を検索して宛先ＭＳＩＳＤＮが属する事業者がＭＮＰ（Mobile Number Portability）をサポートしているか否かを判定している。ＭＮＰとは、携帯電話の加入している事業者を替えても端末（携帯電話機）に付与される移動加入番号（ＭＳＩＳＤＮ）が変更されないシステムを意味している。すなわち、ＭＮＰをサポートしている場合は携帯電話の加入している事業者を替えた際にＭＳＩＳＤＮは同番号移行となる。このように、ＭＮＰをサポートしている事業者に属する端末の場合は他の事業者へ同番号移行をしたおそれがあることから、ＭＳＩＳＤＮから一意に属する事業者を特定することができない。そして、ＭＭＳＥは事業者毎に設けられていることから、宛先ＭＳＩＳＤＮだけからマルチメディア・メッセージを転送すべきＭＭＳＥを特定することはできないことになる。そこで、該当する事業者がＭＮＰをサポートしているか否かを判定しているのである。
【００１１】
ＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル１３の一例を図３に示すが、ＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル１３は国番号と事業者番号で特定される事業者毎あるいは国番号で特定される国毎のＭＮＰのサポート情報からなり、ＭＮＰをサポートしていない事業者の場合は、そのドメイン名情報が記載されている。例えば、国番号「３５３」で事業者番号「８７」で特定される事業者はＭＮＰをサポートしていないものとされ、そのドメイン名が「mmse.xxxx.je」とされている。また、国番号「８２」で事業者番号「１６」で特定される事業者はＭＮＰをサポートしていないものとされ、そのドメイン名が「mmse.xxxx.kr」とされている。また、国番号「４４」で特定される国においては、その国の全ての事業者がＭＮＰをサポートしているものとされている。さらに、国番号「９７２」で事業者番号「５５」で特定される事業者はマルチメディア・メッセージの転送を禁止しているものとされている。
【００１２】
このようなＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル１３をＭＭＳＣ１１が参照した結果、宛先ＭＳＩＳＤＮから特定される事業者がＭＮＰをサポートしていると判定された場合は、ＭＭＳＣ１１は宛先ＭＳＩＳＤＮからSendRoutingInfoForSM（SRI-for-SM）リクエストを生成し、ＨＬＲ１５に対して発行する。このリクエストは、ＭＭＳＣ１１のＨＬＲインタフェース（ＨＬＲＩ／Ｆ）１１ａおよび制御信号用の共通線信号網１４を介して送信されＨＬＲ１５により受信される。ＨＬＲ１５は、受信したSRI-for-SMリクエストに含まれるＭＳＩＳＤＮから携帯電話の加入者に与えられた国際識別番号であるＩＭＳＩ（International Mobile Subscriber Identity）を求め、ＩＭＳＩを含むSRI-for-SMレスポンスを発行する。ＩＭＳＩは、移動機が属する国を識別するコードであるＭＣＣ（Mobile Country Code）と、事業者を識別する移動機ネットワークコードであるＭＮＣ（Mobile Network Code）と、加入者を識別するコードであるＭＳＩＮ（Mobile Subscriber Identification Number）から構成されている。
【００１３】
ＨＬＲ１５から発行されたSRI-for-SMレスポンスは、共通線信号網１４およびＨＬＲＩ／Ｆ１１ａを介してＭＭＳＣ１１により受信される。ＭＭＳＣ１１は、受信したSRI-for-SMレスポンスに含まれるＩＭＳＩから、宛先の端末が属する国を識別するコードであるＭＣＣおよび事業者を識別する移動機ネットワークコードであるＭＮＣを取り出し、ＭＣＣおよびＭＮＣをキーとしてＩＭＳＩルーチングテーブル１６を検索し、転送先ＭＭＳＥのドメイン名を取得する。ＩＭＳＩルーチングテーブル１６の一例を図４に示すが、ＩＭＳＩルーチングテーブルはＭＭＣおよびＭＮＣで特定される事業者毎のマルチメディア・メッセージの転送を許可しているか否かの種別情報と、当該事業者におけるＭＭＳＥのドメイン名情報からなるテーブルとされている。このようにして取得されたドメイン名がＭＭＳＥ１８の場合は、ＭＭＳＣ１１はマルチメディア・メッセージの転送要求であるMM4_forward.reqコマンドをＭＭＳＥ１８に向けて発行し、MM4_forwardレスポンスのコマンドをＭＭＳＥ１８から受けてＭＭＳＥ１８にマルチメディア・メッセージの転送を行う。これらのコマンドおよびマルチメディア・メッセージはＩＰ網１７を介して送受信される。
【００１４】
また、ＭＳＩＳＤＮの先頭の数桁である国番号および事業者番号をキーに図３に示すようなＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル１３をＭＭＳＣ１１が検索した結果、宛先ＭＳＩＳＤＮから特定される事業者がＭＮＰをサポートしていないと判定された場合は、宛先ＭＳＩＳＤＮから一意に属する事業者を特定することができる。すなわち、図３に示すようなＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル１３を国番号および事業者番号をキーに検索して、転送先ＭＭＳＥのドメイン名を取得する。このようにして取得されたドメイン名がＭＭＳＥ１８である場合は、ＭＭＳＣ１１はマルチメディア・メッセージの転送要求であるMM4_forwardリクエストコマンドをＭＭＳＥ１８に向けて発行し、MM4_forwardレスポンスコマンドをＭＭＳＥ１８から受けてＭＭＳＥ１８にマルチメディア・メッセージの転送を行う。これらのコマンドおよびマルチメディア・メッセージはＩＰ網１７を介して送受信される。
なお、宛先ＭＳＩＳＤＮの国番号および事業者番号から特定される事業者がマルチメディア・メッセージの転送を禁止している場合、および、ＩＭＳＩにおけるＭＣＣおよびＭＮＣで特定される事業者がマルチメディア・メッセージの転送を禁止している場合は、ＭＭＳＣ１１はその旨を示すエラーメッセージを端末１０に送信する。
【００１５】
以上説明したように、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳＣ１１は、マルチメディア・メッセージの宛先が国際プレフィックスで始まるＭＳＩＳＤＮと判定された時、上述したようにＭＳＩＳＤＮに基づいて転送先を決定し、宛先ＭＭＳＥへマルチメディア・メッセージを送信する。この際のヘッダにおける発信／宛先アドレスは、次のように設定される。
（１）“Ｆｒｏｍ：”アドレスは発信者認証時に得たＭＳＩＳＤＮを下記の形式に変換して設定する。なお、ＰＬＭＮ（Public Land Mobile Network）は公衆陸上移動網、すなわち携帯電話網のことである。
“+” 国際番号 “/TYPE=PLMN”
（例: +819012345678/TYPE=PLMN）
（２）“Ｔｏ：”アドレスは発信側端末から得た値を以下の形式に変換して設定する。
“+” 国際番号 “/TYPE=PLMN”
（例: +35841234567/TYPE=PLMN）
【００１６】
このように設定したアドレスに転送元／転送先ドメイン名を付加したアドレス形式とする。すなわち、電子メール用プロトコルであるＳＭＴＰ（Simple Mail Transfer Protocol）の“ＭＡＩＬ ＦＲＯＭ：”および“ＲＣＰＴ ＴＯ：”に設定する発信／宛先アドレスは、例えば「+819012345678/TYPE=PLMN@mmse.vvvvvvvvv.ne.jp」と設定されることになる。
なお、アドレス形式は上記説明した形式を既定値としているが、転送先ＭＭＳＥ毎に設定可能なものとしている。この場合のアドレス形式の定義例を図５に示す。図５に示すように、ドメイン名が「mmse.xxxx.je」のＭＭＳＥではアドレス形式が、ITU-T勧告E.164で規定される国際公衆電気通信番号であるE.164国際番号に従うようにされ、例えば国内番号が「9012345678」とされていた場合は国際番号であることを示す「81」が先頭に付加されて「819012345678」のアドレスに設定される。また、ドメイン名が「mmse.xxxx.kr」のＭＭＳＥではアドレス形式が、E.164国内番号“TYPE=PLMN”に従うようにされ、例えば国内番号が「9012345678」とされていた場合は「9012345678/TYPE=PLMN」のアドレスに設定される。さらに、ドメイン名が「xxxx.xxxxx.xx」のＭＭＳＥではアドレス形式が、“0”E.164国内番号に従うようにされ、例えば国内番号が「9012345678」とされていた場合は先頭に「0」が付加されて「09012345678」のアドレスに設定される。
【００１７】
また、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳＣ１１は、他事業者から転送されたマルチメディア・メッセージを受信し、宛先の端末へ配信する。この際の宛先ＭＳＩＳＤＮは“ＲＣＰＴ ＴＯ：”に指定されたアドレスから得て、着信側端末の認証を行うようにしている。
さらに、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳＣ１１は、他事業者から転送されたマルチメディア・メッセージを配信したことを示すDelivery Reportを受信し、宛先の端末へプッシュ転送する。この際の宛先ＭＳＩＳＤＮは“ＲＣＰＴ ＴＯ：”に指定されたアドレスから得て、着信側端末の認証を行うようにしている。
さらにまた、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳＣ１１は、他事業者から転送され宛先の端末へ配信されたマルチメディア・メッセージに対するDelivery Reportを発信元の事業者へ送信する。返送先アドレスは“ＭＡＩＬ ＦＲＯＭ：”に指定されていたアドレスとされる。
【００１８】
さらにまた、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳＣ１１は、他事業者から受信した開封通知リクエストメッセージであるMM4_read_reply_report.REQからM-read-orig.indメッセージを生成し、宛先の端末へプッシュ転送する。この際の宛先ＭＳＩＳＤＮは“ＲＣＰＴ ＴＯ：”に指定されたアドレスから得て、着信側端末の認証を行うようにしている。
さらにまた、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳＣ１１は、マルチメディア・メッセージが配信された端末から受信したM-read-rec.indメッセージから開封通知レスポンスメッセージであるMM4_read_reply_report.RESを生成し、発信元の事業者へ送信している。
【００１９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置は、国際発信すると判定した際に転送先が同番号移行をサポートしているかいないかを判定するようにしている。これは、転送先が同番号移行をサポートしている場合は、コマンド中の送信先情報である例えば電話番号から一意に転送先を決定することができないからである。そこで、転送先が同番号移行をサポートしている場合は、マルチメディア・メッセージ中の送信先情報に対応する国際識別情報を問い合わせて取得し、取得した国際識別情報から転送先を決定するようにしている。また、転送先が同番号移行をサポートしていない場合は、送信先情報から転送先を決定するようにしている。これにより、マルチメディア・メッセージを国際発信することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置が組み込まれている通信網の概略を示す図である。
【図２】 本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置における国際プレフィックステーブルの一例を示す図である。
【図３】 本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置におけるＭＳＩＳＤＮルーチングテーブルの一例を示す図である。
【図４】 本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置におけるＩＭＳＩルーチングテーブルの一例を示す図である。
【図５】 本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置におけるアドレス形式の定義例を示す図である。
【符号の説明】
１０ 端末
１１ ＭＭＳＣ
１１ａ ＨＬＲＩ／Ｆ
１２ 国際プレフィックステーブル
１３ ＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル
１４ 共通線信号網
１５ ＨＬＲ
１６ ＩＭＳＩルーチングテーブル
１７ ＩＰ網
１８ ＭＭＳＥ
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチメディア・メッセージを国際発信することのできるマルチメディア・メッセージサービス装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
最近の携帯電話システムにおいては、静止画、動画や楽音を含むマルチメディア・メッセージの送受信が可能とされている。このようなマルチメディア・メッセージは、マルチメディア・メッセージに対応している携帯電話機において、インターネットを介して送受信することができると共に、マルチメディア・メッセージに対応している携帯電話機間において授受できるようにされている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マルチメディア・メッセージを転送可能な事業者は国内に限られており、マルチメディア・メッセージを国際発信することができなかった。
【０００４】
そこで、本発明は、マルチメディア・メッセージを国際発信することができるマルチメディア・メッセージサービス装置を提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置は、発信されたマルチメディア・メッセージを受信した際に、国際プレフィックステーブルを参照して転送先へ国際発信するか否かを前記マルチメディア・メッセージ中の送信先情報に基づいて判定する第１判定手段と、国番号および事業者番号で特定される事業者毎のドメイン名と同番号移行をサポートしているかの情報からなる前記第１ルーチングテーブルと、国情報および事業者情報で特定される各事業者別のドメイン名の情報からなる第２ルーチングテーブルと、前記第１判定手段が、転送先へ国際発信すると判定した際に、前記送信先情報における国番号情報および事業者番号情報をキーとして前記第１ルーチングテーブルを検索することにより、転送先の事業者が同番号移行をサポートしているか否かを判定する第２判定手段と、前記第２判定手段において転送先が同番号移行をサポートしていないと判定された場合は、前記第１ルーチングテーブルを参照して前記送信先情報における国番号情報および事業者番号情報から転送先のドメイン名を取得する第１取得手段と、前記第２判定手段において転送先が同番号移行をサポートしていると判定された場合は、加入者データが登録されている登録手段に問い合わせて前記送信先情報に対応する国際識別情報を取得し、取得された国際識別情報中の国を識別する情報および事業者を識別する情報をキーとして前記第２ルーチングテーブルを検索することにより、転送先のドメイン名を取得する第２取得手段と、前記第１取得手段あるいは前記第２取得手段により取得されたドメイン名の転送先に前記マルチメディア・メッセージを転送する転送手段とを備えている。
【０００７】
このような本発明によれば、国際発信すると判定した際に転送先が同番号移行をサポートしているかいないかを判定するようにしている。これは、転送先が同番号移行をサポートしている場合は、コマンド中の送信先情報である例えば電話番号から一意に転送先を決定することができないからである。そこで、転送先が同番号移行をサポートしている場合は、マルチメディア・メッセージ中の送信先情報に対応する国際識別情報を問い合わせて取得し、取得した国際識別情報から転送先を決定するようにしている。また、転送先が同番号移行をサポートしていない場合は、送信先情報から転送先を決定するようにしている。これにより、マルチメディア・メッセージを国際発信することができるようになる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置が組み込まれている通信網の概略を図１に示す。以下、図１を参照して本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳC（Multimedia Messaging Service Center）１１について説明する。図１に示す通信網において、例えば携帯電話機とされる端末１０がマルチメディア・メッセージを送信するものとする。端末１０がマルチメディア・メッセージを送信する場合は、端末１０はマルチメディア・メッセージの送信要求であるM-Sendリクエストコマンドを送信する。このM-Sendリクエストコマンドを受信したＭＭＳＣ１１は、M-Sendレスポンスコマンドを端末１０に発行し、これにより端末１０はマルチメディア・メッセージをＭＭＳＣ１１に送信する。マルチメディア・メッセージを受信したＭＭＳＣ１１は、マルチメディア・メッセージのヘッダにおける宛先のＭＳＩＳＤＮ（Mobile Station ISDN number）からマルチメディア・メッセージを転送する転送先のＭＭＳＥ（Multimedia Messaging Service Environment）を特定する。なお、ＭＭＳＥはＭＭＳＣ１１と同様の装置とされている。
【０００９】
転送先のＭＭＳＥを特定するにあたり、ＭＭＳＣ１１は、まずマルチメディア・メッセージのヘッダにおける宛先のＭＳＩＳＤＮのプレフィックスの桁の内容で国際プレフィックステーブル１２を検索し、宛先ＭＳＩＳＤＮが国際発信であるかの判定を行う。なお、ＭＳＩＳＤＮとは移動電話に対して付与される移動加入者番号である。国際プレフィックステーブル１２の一例を図２に示すが、この国際プレフィックステーブル１２では国際発信のＭＳＩＳＤＮのプレフィックスが「＋」、「００」、「０１０」の３種類と定義されている。ここで、宛先ＭＳＩＳＤＮが国際発信でないとＭＭＳＣ１１が判定した場合は、ＭＭＳＣ１１は宛先ＭＳＩＳＤＮから一意に決定される国内の他事業者のＭＭＳＥにマルチメディア・メッセージを転送する。また、宛先ＭＳＩＳＤＮから属するＭＭＳＥがＭＭＳＣ１１と判断された場合は、宛先が自局内とされていることからＭＭＳＣ１１は宛先ＭＳＩＳＤＮに対応する端末に向けてマルチメディア・メッセージを転送する。
【００１０】
そして、ＭＭＳＣ１１において宛先ＭＳＩＳＤＮのプレフィックスが「＋」、「００」、「０１０」のいずれかとされて宛先ＭＳＩＳＤＮが国際発信であると判定された場合は、ＭＭＳＣ１１はＭＳＩＳＤＮの先頭の数桁である国番号および事業者番号をキーに、ＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル１３を検索して宛先ＭＳＩＳＤＮが属する事業者がＭＮＰ（Mobile Number Portability）をサポートしているか否かを判定している。ＭＮＰとは、携帯電話の加入している事業者を替えても端末（携帯電話機）に付与される移動加入番号（ＭＳＩＳＤＮ）が変更されないシステムを意味している。すなわち、ＭＮＰをサポートしている場合は携帯電話の加入している事業者を替えた際にＭＳＩＳＤＮは同番号移行となる。このように、ＭＮＰをサポートしている事業者に属する端末の場合は他の事業者へ同番号移行をしたおそれがあることから、ＭＳＩＳＤＮから一意に属する事業者を特定することができない。そして、ＭＭＳＥは事業者毎に設けられていることから、宛先ＭＳＩＳＤＮだけからマルチメディア・メッセージを転送すべきＭＭＳＥを特定することはできないことになる。そこで、該当する事業者がＭＮＰをサポートしているか否かを判定しているのである。
【００１１】
ＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル１３の一例を図３に示すが、ＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル１３は国番号と事業者番号で特定される事業者毎あるいは国番号で特定される国毎のＭＮＰのサポート情報からなり、ＭＮＰをサポートしていない事業者の場合は、そのドメイン名情報が記載されている。例えば、国番号「３５３」で事業者番号「８７」で特定される事業者はＭＮＰをサポートしていないものとされ、そのドメイン名が「mmse.xxxx.je」とされている。また、国番号「８２」で事業者番号「１６」で特定される事業者はＭＮＰをサポートしていないものとされ、そのドメイン名が「mmse.xxxx.kr」とされている。また、国番号「４４」で特定される国においては、その国の全ての事業者がＭＮＰをサポートしているものとされている。さらに、国番号「９７２」で事業者番号「５５」で特定される事業者はマルチメディア・メッセージの転送を禁止しているものとされている。
【００１２】
このようなＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル１３をＭＭＳＣ１１が参照した結果、宛先ＭＳＩＳＤＮから特定される事業者がＭＮＰをサポートしていると判定された場合は、ＭＭＳＣ１１は宛先ＭＳＩＳＤＮからSendRoutingInfoForSM（SRI-for-SM）リクエストを生成し、ＨＬＲ１５に対して発行する。このリクエストは、ＭＭＳＣ１１のＨＬＲインタフェース（ＨＬＲＩ／Ｆ）１１ａおよび制御信号用の共通線信号網１４を介して送信されＨＬＲ１５により受信される。ＨＬＲ１５は、受信したSRI-for-SMリクエストに含まれるＭＳＩＳＤＮから携帯電話の加入者に与えられた国際識別番号であるＩＭＳＩ（International Mobile Subscriber Identity）を求め、ＩＭＳＩを含むSRI-for-SMレスポンスを発行する。ＩＭＳＩは、移動機が属する国を識別するコードであるＭＣＣ（Mobile Country Code）と、事業者を識別する移動機ネットワークコードであるＭＮＣ（Mobile Network Code）と、加入者を識別するコードであるＭＳＩＮ（Mobile Subscriber Identification Number）から構成されている。
【００１３】
ＨＬＲ１５から発行されたSRI-for-SMレスポンスは、共通線信号網１４およびＨＬＲＩ／Ｆ１１ａを介してＭＭＳＣ１１により受信される。ＭＭＳＣ１１は、受信したSRI-for-SMレスポンスに含まれるＩＭＳＩから、宛先の端末が属する国を識別するコードであるＭＣＣおよび事業者を識別する移動機ネットワークコードであるＭＮＣを取り出し、ＭＣＣおよびＭＮＣをキーとしてＩＭＳＩルーチングテーブル１６を検索し、転送先ＭＭＳＥのドメイン名を取得する。ＩＭＳＩルーチングテーブル１６の一例を図４に示すが、ＩＭＳＩルーチングテーブルはＭＭＣおよびＭＮＣで特定される事業者毎のマルチメディア・メッセージの転送を許可しているか否かの種別情報と、当該事業者におけるＭＭＳＥのドメイン名情報からなるテーブルとされている。このようにして取得されたドメイン名がＭＭＳＥ１８の場合は、ＭＭＳＣ１１はマルチメディア・メッセージの転送要求であるMM4_forward.reqコマンドをＭＭＳＥ１８に向けて発行し、MM4_forwardレスポンスのコマンドをＭＭＳＥ１８から受けてＭＭＳＥ１８にマルチメディア・メッセージの転送を行う。これらのコマンドおよびマルチメディア・メッセージはＩＰ網１７を介して送受信される。
【００１４】
また、ＭＳＩＳＤＮの先頭の数桁である国番号および事業者番号をキーに図３に示すようなＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル１３をＭＭＳＣ１１が検索した結果、宛先ＭＳＩＳＤＮから特定される事業者がＭＮＰをサポートしていないと判定された場合は、宛先ＭＳＩＳＤＮから一意に属する事業者を特定することができる。すなわち、図３に示すようなＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル１３を国番号および事業者番号をキーに検索して、転送先ＭＭＳＥのドメイン名を取得する。このようにして取得されたドメイン名がＭＭＳＥ１８である場合は、ＭＭＳＣ１１はマルチメディア・メッセージの転送要求であるMM4_forwardリクエストコマンドをＭＭＳＥ１８に向けて発行し、MM4_forwardレスポンスコマンドをＭＭＳＥ１８から受けてＭＭＳＥ１８にマルチメディア・メッセージの転送を行う。これらのコマンドおよびマルチメディア・メッセージはＩＰ網１７を介して送受信される。
なお、宛先ＭＳＩＳＤＮの国番号および事業者番号から特定される事業者がマルチメディア・メッセージの転送を禁止している場合、および、ＩＭＳＩにおけるＭＣＣおよびＭＮＣで特定される事業者がマルチメディア・メッセージの転送を禁止している場合は、ＭＭＳＣ１１はその旨を示すエラーメッセージを端末１０に送信する。
【００１５】
以上説明したように、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳＣ１１は、マルチメディア・メッセージの宛先が国際プレフィックスで始まるＭＳＩＳＤＮと判定された時、上述したようにＭＳＩＳＤＮに基づいて転送先を決定し、宛先ＭＭＳＥへマルチメディア・メッセージを送信する。この際のヘッダにおける発信／宛先アドレスは、次のように設定される。
（１）“Ｆｒｏｍ：”アドレスは発信者認証時に得たＭＳＩＳＤＮを下記の形式に変換して設定する。なお、ＰＬＭＮ（Public Land Mobile Network）は公衆陸上移動網、すなわち携帯電話網のことである。
“+” 国際番号 “/TYPE=PLMN”
（例: +819012345678/TYPE=PLMN）
（２）“Ｔｏ：”アドレスは発信側端末から得た値を以下の形式に変換して設定する。
“+” 国際番号 “/TYPE=PLMN”
（例: +35841234567/TYPE=PLMN）
【００１６】
このように設定したアドレスに転送元／転送先ドメイン名を付加したアドレス形式とする。すなわち、電子メール用プロトコルであるＳＭＴＰ（Simple Mail Transfer Protocol）の“ＭＡＩＬ ＦＲＯＭ：”および“ＲＣＰＴ ＴＯ：”に設定する発信／宛先アドレスは、例えば「+819012345678/TYPE=PLMN@mmse.vvvvvvvvv.ne.jp」と設定されることになる。
なお、アドレス形式は上記説明した形式を既定値としているが、転送先ＭＭＳＥ毎に設定可能なものとしている。この場合のアドレス形式の定義例を図５に示す。図５に示すように、ドメイン名が「mmse.xxxx.je」のＭＭＳＥではアドレス形式が、ITU-T勧告E.164で規定される国際公衆電気通信番号であるE.164国際番号に従うようにされ、例えば国内番号が「9012345678」とされていた場合は国際番号であることを示す「81」が先頭に付加されて「819012345678」のアドレスに設定される。また、ドメイン名が「mmse.xxxx.kr」のＭＭＳＥではアドレス形式が、E.164国内番号“TYPE=PLMN”に従うようにされ、例えば国内番号が「9012345678」とされていた場合は「9012345678/TYPE=PLMN」のアドレスに設定される。さらに、ドメイン名が「xxxx.xxxxx.xx」のＭＭＳＥではアドレス形式が、“0”E.164国内番号に従うようにされ、例えば国内番号が「9012345678」とされていた場合は先頭に「0」が付加されて「09012345678」のアドレスに設定される。
【００１７】
また、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳＣ１１は、他事業者から転送されたマルチメディア・メッセージを受信し、宛先の端末へ配信する。この際の宛先ＭＳＩＳＤＮは“ＲＣＰＴ ＴＯ：”に指定されたアドレスから得て、着信側端末の認証を行うようにしている。
さらに、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳＣ１１は、他事業者から転送されたマルチメディア・メッセージを配信したことを示すDelivery Reportを受信し、宛先の端末へプッシュ転送する。この際の宛先ＭＳＩＳＤＮは“ＲＣＰＴ ＴＯ：”に指定されたアドレスから得て、着信側端末の認証を行うようにしている。
さらにまた、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳＣ１１は、他事業者から転送され宛先の端末へ配信されたマルチメディア・メッセージに対するDelivery Reportを発信元の事業者へ送信する。返送先アドレスは“ＭＡＩＬ ＦＲＯＭ：”に指定されていたアドレスとされる。
【００１８】
さらにまた、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳＣ１１は、他事業者から受信した開封通知リクエストメッセージであるMM4_read_reply_report.REQからM-read-orig.indメッセージを生成し、宛先の端末へプッシュ転送する。この際の宛先ＭＳＩＳＤＮは“ＲＣＰＴ ＴＯ：”に指定されたアドレスから得て、着信側端末の認証を行うようにしている。
さらにまた、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置であるＭＭＳＣ１１は、マルチメディア・メッセージが配信された端末から受信したM-read-rec.indメッセージから開封通知レスポンスメッセージであるMM4_read_reply_report.RESを生成し、発信元の事業者へ送信している。
【００１９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマルチメディア・メッセージサービス装置は、国際発信すると判定した際に転送先が同番号移行をサポートしているかいないかを判定するようにしている。これは、転送先が同番号移行をサポートしている場合は、コマンド中の送信先情報である例えば電話番号から一意に転送先を決定することができないからである。そこで、転送先が同番号移行をサポートしている場合は、マルチメディア・メッセージ中の送信先情報に対応する国際識別情報を問い合わせて取得し、取得した国際識別情報から転送先を決定するようにしている。また、転送先が同番号移行をサポートしていない場合は、送信先情報から転送先を決定するようにしている。これにより、マルチメディア・メッセージを国際発信することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置が組み込まれている通信網の概略を示す図である。
【図２】 本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置における国際プレフィックステーブルの一例を示す図である。
【図３】 本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置におけるＭＳＩＳＤＮルーチングテーブルの一例を示す図である。
【図４】 本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置におけるＩＭＳＩルーチングテーブルの一例を示す図である。
【図５】 本発明の実施の形態におけるマルチメディア・メッセージサービス装置におけるアドレス形式の定義例を示す図である。
【符号の説明】
１０ 端末
１１ ＭＭＳＣ
１１ａ ＨＬＲＩ／Ｆ
１２ 国際プレフィックステーブル
１３ ＭＳＩＳＤＮルーチングテーブル
１４ 共通線信号網
１５ ＨＬＲ
１６ ＩＭＳＩルーチングテーブル
１７ ＩＰ網
１８ ＭＭＳＥ
Claims (1)
- 発信されたマルチメディア・メッセージを受信した際に、国際プレフィックステーブルを参照して転送先へ国際発信するか否かを前記マルチメディア・メッセージ中の送信先情報に基づいて判定する第１判定手段と、
国番号および事業者番号で特定される事業者毎のドメイン名と同番号移行をサポートしているかの情報からなる前記第１ルーチングテーブルと、
国情報および事業者情報で特定される各事業者別のドメイン名の情報からなる第２ルーチングテーブルと、
前記第１判定手段が、転送先へ国際発信すると判定した際に、前記送信先情報における国番号情報および事業者番号情報をキーとして前記第１ルーチングテーブルを検索することにより、転送先の事業者が同番号移行をサポートしているか否かを判定する第２判定手段と、
前記第２判定手段において転送先が同番号移行をサポートしていないと判定された場合は、前記第１ルーチングテーブルを参照して前記送信先情報における国番号情報および事業者番号情報から転送先のドメイン名を取得する第１取得手段と、
前記第２判定手段において転送先が同番号移行をサポートしていると判定された場合は、加入者データが登録されている登録手段に問い合わせて前記送信先情報に対応する国際識別情報を取得し、取得された国際識別情報中の国を識別する情報および事業者を識別する情報をキーとして前記第２ルーチングテーブルを検索することにより、転送先のドメイン名を取得する第２取得手段と、
前記第１取得手段あるいは前記第２取得手段により取得されたドメイン名の転送先に前記マルチメディア・メッセージを転送する転送手段と、
を備えていることを特徴とするマルチメディア・メッセージサービス装置。
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