JP3667918B2 - 2周波アンテナ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、第1周波数帯と第2周波数帯の2周波の送受信を行うことのできる2周波アンテナに関するものであり、特に、携帯機器に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
アンテナを備える携帯機器としては、主に携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)が知られている。この携帯電話やPHSには、現在、使用周波数帯域として、800MHz帯、1.5GHz帯、1.9GHz帯が割り当てられている。従って、携帯機器には、自機が使用する使用周波数帯域に応じたアンテナが備えられている。
この種の従来の携帯機器に備えられるアンテナとして、特開平7−106136号に記載されたアンテナが提案されている。このアンテナは、円筒状をした絶縁体上に螺旋状の溝部を形成し、この溝部内に金属層を形成することによりコイル状のアンテナ素子を形成するようにしたものである。
さらに、特開平6−204726号に記載されているように、送信周波数および受信周波数に各々同調された第1アンテナコイルおよび第2アンテナコイルを備え、第1および第2のアンテナコイルを一線状に配置、あるいは同心的に配置、または相互に巻き付けるようにして配置するようにしたアンテナ構成体が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のアンテナを備える携帯機器において、送信周波数と受信周波数の関係のように狭帯域内ではなく、使用周波数として割り当てられている800MHz帯、1.5GHz帯、1.9GHz帯等の複数の互いに大きく離れた周波数帯域の2帯域において使用したい場合がある。この際には、互いに大きく離れた2つの周波数帯域において使用できるアンテナを備える必要がある。
そこで、従来のアンテナによりこのアンテナを実現するには、互いに大きく離れた2つの周波数帯域の各々で使用できる2つの独立したアンテナを携帯機器に備えるようにする方法がある。あるいは、互いに大きく離れた2つの周波数帯域において各々使用できる2つのアンテナを用意して、使用周波数帯域に応じたアンテナを装着するようにアンテナを交換する方法がある。
【0004】
しかしながら、前記前者の方法は、携帯機器に小型化が要望されていること、および、デザイン上の問題から実現は困難である。
また、前記後者の方法は、使用時に使用したい周波数帯域を切り換える際にアンテナを交換するという操作が必要なことから、ユーザの行う操作が煩雑になると共に、各アンテナを紛失する事故が生じるおそれがある。
そこで、本発明は、互いに大きく離れた2つの周波数帯域において使用することのできる単一とされた2周波アンテナを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の2周波アンテナは、上部に円板状部を有し略T字状に形成され、該円板状部の上に第1固着部が形成されていると共に、該円板状部の下に第2固着部と該第2固着部から下方へ延伸する延伸部が形成されている導電性の中心コンタクトと、該中心コンタクトの前記第1固着部に固着されると共に、円筒状の絶縁体の周表面に形成されている螺旋状の溝部内に形成された第1周波数帯用の第1のアンテナ用導電皮膜を備える第1アンテナ部と、略軸心に沿った挿通孔を有し、前記中心コンタクトの前記第2固着部に固着されると共に、円筒状の絶縁体の周表面に形成されている螺旋状の溝部内に形成された第2周波数帯用の第2のアンテナ用導電皮膜を備える第2アンテナ部とを備え、前記第1アンテナ部を前記第1固着部に固着した際に、前記第1のアンテナ用導電皮膜の端部が前記第1アンテナ部の給電部となる前記中心コンタクトの前記円板状部に接続され、前記中心コンタクトの延伸部を前記挿通孔に挿通して前記第2アンテナ部を前記中心コンタクトの前記第2固着部に固着した際に、前記延伸部の先端が前記第2アンテナ部の下端から突出するようになり、前記第2アンテナ部の下端部に設けられたアンテナを取り付けるための導電性の取付部に前記第2のアンテナ用導電皮膜の端部が接続されて、前記第2アンテナ部の給電部とされている。
【0007】
また、本発明の第2の2周波アンテナは、円筒状の絶縁体の周表面に形成された螺旋状の溝部内に、前記絶縁体の上端から略中央部にわたる第1周波数帯用の第1のアンテナ用導電皮膜を備える第1アンテナ部と、前記絶縁体の下端から略中央部にわたる第2周波数帯用の第2のアンテナ用導電皮膜を備える第2アンテナ部とが形成されたアンテナ部と、該アンテナ部の上端面から略中央部にかけてその軸芯にほぼ沿うよう形成された挿通孔内に挿通されていると共に、その先端が前記アンテナ部の下端から突出されて、前記第1アンテナの給電部とされる導電性の中心コンタクトと、前記アンテナ部の周表面からその軸芯方向に嵌挿されることにより、前記第1アンテナ用導電皮膜の端部と前記中心コンタクトを接続する導電性のジョイントと、前記第2のアンテナ用導電皮膜の端部が接続されて前記第2アンテナ部の給電部とされると共に、前記アンテナ部を取り付けるための導電性の取付部とを備えている。
【0008】
さらにまた、前記本発明の第1の2周波アンテナあるいは前記本発明の第2の2周波アンテナにおいて、前記第1のアンテナ用導電皮膜により構成された第1アンテナ、および前記第2のアンテナ用導電皮膜により構成された第2アンテナの一方、あるいは両方が複共振アンテナとして動作するように、前記第1のアンテナ用導電皮膜および前記第2のアンテナ用導電皮膜の一方、あるいは両方を多条に形成するようにしてもよい。
さらにまた、前記本発明の第2の2周波アンテナにおいて、前記アンテナ部の下端部に導電皮膜を形成することにより、前記導電性の取付部を形成してもよい。
さらにまた、前記本発明の第1の2周波アンテナにおいて、前記第2アンテナ部の下端部に導電皮膜を形成することにより、前記導電性の取付部を形成してもよい。
【0009】
このような本発明によれば、互いに大きく離れた2つの周波数帯域において使用することのできる2周波アンテナを単一のアンテナとすることができるので、小型化が要望されている携帯機器に好適なアンテナとすることができる。
また、2つの使用周波数帯域において、携帯機器を使用可能とすることができるので、セルラーシステムに適用した場合に、セルやセクタに階層的に割り当てられた無線チャンネルに対応することができ、セルラーシステムのチャンネル数の増加や、移動機の広帯域化を可能とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の2周波アンテナを備える携帯機器の外観を図1に示す。図1において、1は携帯機器の筐体を示しており、2は2つの互いに大きく離れた周波数帯域で動作可能な2周波アンテナを示している。筐体1に取り付けられ筐体1内に位置する2周波アンテナ2の下端には、動作可能な2周波の信号用の入力/出力端子がそれぞれ設けられており、それぞれの端子は整合回路(MC)3−1,3−2を介して第1の周波数帯域用信号源(f1)、および第2の周波数帯域用信号源(f2)に接続されている。なお、第1の周波数帯域をf1,第2の周波数帯域をf2として、以下説明する。
【0011】
本発明の第1の実施の形態の2周波アンテナの詳細な構成を図2(a)(b)に示し、その等価構成を図3に示す。なお、図2(a)は本発明の第1の実施の形態の2周波アンテナの正面図、図2(b)はその半断面図である。
図2(a)(b)に示すように、本発明の第1の実施の形態の2周波アンテナ2は、円筒状をしている絶縁性のコイルボビン11に螺旋状の溝が2本形成されている。この溝は上端からコイルボビン11の中央部に向かう溝と、下端からコイルボビン11の中央部に向かう溝の2本とされており、それぞれの溝内には導電皮膜が形成されている。これにより、コイルボビン11の上半部に第1の周波数帯域f1で使用可能な第1コイル部13−1が形成され、コイルボビン11の下半部に第2の周波数帯域f2で使用可能な第2コイル部13−2が形成されることになる。
【0012】
なお、第1コイル部13−1を形成している導電皮膜の長さは、第1の周波数帯域f1で共振可能な長さとされ、第2コイル部13−2を形成している導電皮膜の長さは、第2の周波数帯域f2で共振可能な長さとされている。
また、コイルボビン11の略軸心に沿って挿通孔が形成されていると共に、挿通孔の上端にはネジ部が形成されている。そして、この上端面中央に形成されたネジ部に導電材からなるT字状の中心コンタクト12のネジ部が螺合されている。この中心コンタクト12は、その上部が板状とされており、この円板状の中央部分から下方に、ネジ部が上端に形成された細径部が延伸されている形状とされている。
【0013】
そして、中心コンタクト12の細径部を、前記コイルボビン11に形成されている挿通孔に嵌挿し、中心コンタクト12のネジ部を挿通孔上部のネジ部に螺合することにより、第1コイル部13−1の端部が中心コンタクト12の板状部に電気的に接続されると共に、中心コンタクト12とコイルボビン11とが一体化されるようになる。
なお、この際に中心コンタクト12の下端がコイルボビン11の下端から突出するようになり、この突出部が第1のコイル部13−1からなる第1の周波数帯域f1用の第1のアンテナ部の端子となる。
【0014】
さらに、コイルボビン11の下部の径は細くされており、この部分に導電材からなるリング状のホルダー14が螺合される。この際に、第2のコイル部13−2の端部がホルダー14に電気的に接続されるようになる。また、ホルダー14の下部の径が細くされた部分の外周面にネジ部が設けられて、ホルダー14が携帯機器の筐体1に2周波アンテナを固着する際の取付部15が構成されている。さらにまた、ホルダー14の取付部15は第2の周波数帯域f2用の第2のアンテナ部の端子となる。
なお、コイルボビン11には絶縁性の樹脂からなるケース20が嵌挿されて、その外表面が覆われている。このケース20の下部はホルダー14の上部に係合されると共に、装飾を施すことができ、デザイン上の効果を向上することが可能とされている。
【0015】
ところで、コイルボビン11に第1コイル部13−1および第2コイル部13−2を作製する方法を簡単に説明すると、まず、コイルボビン11に2本の螺旋状の溝を形成し、次いで、コイルボビンの外表面全体にメッキあるいは蒸着等により導電皮膜を形成する。そして、円筒状のコイルボビン11の外周面を切削するようにすると、螺旋状の溝内にのみ導電皮膜が残留して第1コイル部13−1および第2コイル部13−2が形成されるようになる。
【0016】
このように形成された本発明の第1の実施の形態の2周波アンテナは、等価的に図3(a)に示す構成となり、この構成は、図3(b)に示すように第1コイル部13−1からなる第1アンテナ部と、第2コイル部13−2からなる第2アンテナ部とを合成した構成となる。
すなわち、これらの図に示すように、第1コイル部13−1からなる第1アンテナ部はその上端から給電されており、その給電手段は第1コイル部13−1および第2コイル部13−2の内部を通過して、第1の周波数帯域f1の信号源に接続されている。また、第2コイル部13−2からなる第2アンテナ部は、その下端から給電されており、その給電手段は第2の周波数帯域f2の信号源に接続されている。
これにより、第1の周波数帯域f1および第2の周波数帯域f2のいずれでも携帯機器を使用可能とすることができる。また、必要に応じて同時動作させることも可能である。
【0017】
次に、本発明の第2の実施の形態の2周波アンテナの詳細な構成を図4(a)(b)に示し、その等価構成を図5に示す。なお、図4(a)は本発明の第2の実施の形態の2周波アンテナの正面図、図4(b)はその半断面図である。
図4(a)(b)に示すように、本発明の第2の実施の形態の2周波アンテナ2は、円筒状をしている絶縁性のコイルボビンが2つに分離されて、第1コイルボビン11−1と第2コイルボビン11−2とされている。そして、第1コイルボビン11−1および第2コイルボビン11−2には、それぞれ螺旋状の溝が1本づつ形成されている。また、このそれぞれの溝内には導電皮膜が形成されている。これにより、第1コイルボビン11−1に第1の周波数帯域f1で使用可能な第1コイル部13−1が形成され、第2コイルボビン11−2に第2の周波数帯域f2で使用可能な第2コイル部13−2が形成されることになる。
【0018】
なお、第1コイル部13−1を形成している導電皮膜の長さは、第1の周波数帯域f1で共振可能な長さとされ、第2コイル部13−2を形成している導電皮膜の長さは、第2の周波数帯域f2で共振可能な長さとされている。
また、第1コイルボビン11−1の下端面からその略軸心に沿ってネジ部が形成されており、さらに、第2コイルボビン11−2の略軸心に沿って挿通孔が形成されていると共に、その挿通孔の上端にはネジ部が形成されている。そして、第1コイルボビン11−1の下端面中央に形成されたネジ部に導電材からなる略T字状の中心コンタクト12の上部に設けられた第1ネジ部が螺合されている。これにより、第1コイルボビン11−1に形成された第1コイル部13−1の端部が中心コンタクト12に電気的に接続されるようになる。
【0019】
この中心コンタクト12は、その上部が円板状とされており、この円板状部から上方に向かって第1ネジ部16−1が形成されていると共に、この円板状の中央部分から下方に細径部が延伸する形状とされている。
そして、中心コンタクト12の細径部を、第2コイルボビン11−2に形成されている挿通孔に嵌挿し、中心コンタクト12の細径部の上端に形成された第2ネジ部16−2を、第2コイルボビン11−2の挿通孔上部に形成されたネジ部に螺合することにより、中心コンタクト12と第1コイルボビン11−1および第2コイルボビン11−2とが一体化されるようになる。
なお、この際に中心コンタクト12の下端が第2コイルボビン11−2の下端から突出するようになり、この突出部が第1のコイル部13−1からなる第1の周波数帯域f1用の第1のアンテナ部の端子となる。
【0020】
さらに、第2コイルボビン11−2の下部の径は細くされており、この部分に導電材からなるリング状のホルダー14が螺合される。この際に、第2のコイルボビン11−2に形成されている第2のコイル部13−2の端部がホルダー14に電気的に接続されるようになる。また、ホルダー14の下部の径が細くされた部分の外周面にネジ部が設けられて、ホルダー14が携帯機器の筐体1に2周波アンテナ2を固着する際の取付部15が構成されている。さらにまた、ホルダー14の取付部15は第2の周波数帯域f2用の第2のアンテナ部の端子となる。なお、中心コンタクト12により一体化された第1のコイルボビン11−1および第2のコイルボビン11−2には絶縁性の樹脂からなるケース20が嵌挿されて、その外表面が覆われている。このケース20の下部はホルダー14の上部に係合されると共に、装飾を施すことができ、デザイン上の効果を向上することが可能とされている。
【0021】
ところで、第1コイルボビン11−1に第1コイル部13−1を、第2コイルボビン11−2に第2コイル部13−2を作製する方法を簡単に説明すると、まず、第1コイルボビン11−1および第2コイルボビン11−2にそれぞれ1本の螺旋状の溝を形成し、次いで、第1コイルボビン11−1および第2コイルボビン11−2の外表面全体にメッキあるいは蒸着等により導電皮膜を形成する。そして、円筒状の第1コイルボビン11−1および第2コイルボビン11−2のそれぞれ外周面を切削するようにすると、螺旋状の溝内にのみ導電皮膜が残留して第1コイル部13−1および第2コイル部13−2が、それぞれ第1コイルボビン11−1および第2コイルボビン11−2に形成されるようになる。
【0022】
このように形成された本発明の第2の実施の形態の2周波アンテナは、等価的に図5(a)に示す構成となり、この構成は、図5(b)に示すように第1コイル部13−1からなる第1アンテナ部と、第2コイル部13−2からなる第2アンテナ部とを合成した構成となる。
すなわち、これらの図に示すように、第1コイル部13−1からなる第1アンテナ部はその下端から給電されており、その給電手段は第1コイル部13−1および第2コイル部13−2の内部を通過して、第1の周波数帯域f1の信号源に接続されている。また、第2コイル部13−2からなる第2アンテナ部は、その下端から給電されており、その給電手段は第2の周波数帯域f2の信号源に接続されている。
これにより、第1の周波数帯域f1および第2の周波数帯域f2のいずれでも携帯機器を使用可能とすることができる。また、必要に応じて同時動作させることも可能である。
【0023】
次に、本発明の第3の実施の形態の2周波アンテナの詳細な構成を図6(a)(b)に示し、その等価構成を図7に示す。なお、図6(a)は本発明の第2の実施の形態の2周波アンテナの正面図、図6(b)はその半断面図である。
図6(a)(b)に示すように、本発明の第3の実施の形態の2周波アンテナ2は、円筒状をしている絶縁性のコイルボビン11に螺旋状の溝が2本形成されている。この溝は上端からコイルボビン11の中央部に向かう溝と、下端からコイルボビン11の中央部に向かう溝の2本とされており、それぞれの溝内には導電皮膜が形成されている。これにより、コイルボビン11の上半部に第1の周波数帯域f1で使用可能な第1コイル部13−1が形成され、コイルボビン11の下半部に第2の周波数帯域f2で使用可能な第2コイル部13−2が形成されることになる。
【0024】
なお、第1コイル部13−1を形成している導電皮膜の長さは、第1の周波数帯域f1で共振可能な長さとされ、第2コイル部13−2を形成している導電皮膜の長さは、第2の周波数帯域f2で共振可能な長さとされている。
また、コイルボビン11の略軸心に沿って途中から径が細くされている挿通孔18が形成されている。そして、この挿通孔18内に導電材からなる釘状の中心コンタクト12を挿通する。この中心コンタクト12は、その頭部の径が若干大きくされて平板状とされており、この平板状の中央部分から下方に細径部が延伸する形状とされている。このため、挿通孔18内に中心コンタクト12を挿通すると中心コンタクト12は挿通孔18内に侵入していき、その頭部が径が細くされた挿通孔18の段部で係止されるようになる。
【0025】
そして、コイルボビン11の外表面の略中央近傍における第1コイル部13−1の端部の位置にコイルボビン11の軸と直交する方向に形成された第2挿通孔に導電性のジョイント17を嵌挿して、挿通孔18内に位置する中心コンタクト12の頭部に達するまで侵入させる。これにより、第1コイル部13−1の端部がジョイント17を介して中心コンタクト12に電気的に接続されるようになると共に、中心コンタクト12が挿通孔18内に固着される。
なお、中心コンタクト12を挿通孔18内に挿通した際に、中心コンタクト12の下端がコイルボビン11の下端から突出するようになり、この突出部が第1のコイル部13−1からなる第1の周波数帯域f1用の第1のアンテナ部の端子となる。
【0026】
さらに、コイルボビン11の下部の径は細くされており、この部分に導電材からなるリング状のホルダー14が螺合される。この際に、第2のコイル部13−2の端部がホルダー14に電気的に接続されるようになる。また、ホルダー14の下部の径が細くされた部分の外周面にネジ部が設けられて、ホルダー14が携帯機器の筐体1に2周波アンテナを固着する際の取付部15が構成されている。さらにまた、ホルダー14の取付部15は第2の周波数帯域f2用の第2のアンテナ部の端子となる。
なお、コイルボビン11には絶縁性の樹脂からなるケース20が嵌挿されて、その外表面が覆われている。このケース20の下部はホルダー14の上部に係合されると共に、装飾を施すことができ、デザイン上の効果を向上することが可能とされている。
【0027】
また、コイルボビン11に第1コイル部13−1および第2コイル部13−2を作製する方法は、前記した第1の実施の形態における作製方法と同様であるので、その説明は省略する。
このように形成された本発明の第3の実施の形態の2周波アンテナは、等価的に図7(a)に示す構成となり、この構成は、図7(b)に示すように第1コイル部13−1からなる第1アンテナ部と、第2コイル部13−2からなる第2アンテナ部とを合成した構成となる。この構成は、前記図5に示す構成と同様であるので、その説明は省略する。
このような第3の実施の形態における2周波アンテナは、第1の周波数帯域f1および第2の周波数帯域f2のいずれでも携帯機器を使用可能とすることができる。また、必要に応じて同時動作させることも可能である。
【0028】
次に、前記した第1ないし第3の実施の形態の2周波アンテナの変形例を説明する。ただし、ここでは前記第1の実施の形態の2周波アンテナの構成を例に挙げて説明するが、その変形はいずれの実施の形態にも適用することができる。
図8(a)は本発明の第1の実施の形態の2周波アンテナにおける変形例を示す正面図、図8(b)はその半断面図である。また、図9はその等価構成を示している。この変形例においては、図8(a)(b)に示すように、螺旋状の溝を多条に形成することにより、第1コイル部13−1および第2コイル部13−2を多条構成としている。
【0029】
これにより、第1周波数帯域f1に共振する第1コイル部13−1の共振帯域を広帯域化することができ、第1周波数帯域f1内において良好なアンテナ特性を得ることができるようになる。また、第2周波数帯域f2に共振する第2コイル部13−2の共振帯域を広帯域化することができ、第2周波数帯域f2内において良好なアンテナ特性を得ることができるようになる。
このように形成された本発明の第1の実施の形態の2周波アンテナの変形例は、等価的に図9(a)に示す構成となり、この構成は、図9(b)に示すように第1コイル部13−1からなる第1アンテナ部と、第2コイル部13−2からなる第2アンテナ部とを合成した構成となる。
【0030】
すなわち、これらの図に示すように、多条の第1コイル部13−1からなる第1アンテナ部はその上端から給電されており、その給電手段は第1コイル部13−1および第2コイル部13−2の内部を通過して、第1の周波数帯域f1の信号源に接続されている。また、多条の第2コイル部13−2からなる第2アンテナ部は、その下端から給電されており、その給電手段は第2の周波数帯域f2の信号源に接続されている。
なお、この変形例に関する他の構成は、前記した第1の実施の形態の構成と同様であるので、その説明は省略する。
【0031】
このように第1コイル部13−1および第2コイル部13−2を多条に構成することは、前記した第2の実施の形態および第3の実施の形態における2周波アンテナに適用することができると共に、適用した際に奏することのできる作用効果も同様となる。
【0032】
次に、前記した第1ないし第3の実施の形態の2周波アンテナにおける他の変形例を説明する。この場合も、前記第1の実施の形態の2周波アンテナの構成を例に挙げて説明するが、その変形はいずれの実施の形態にも適用することができる。
図10(a)は本発明の第1の実施の形態の2周波アンテナにおける変形例を示す正面図、図10(b)はその半断面図である。この変形例においては、図10(a)(b)に示すように、コイルボビン11の下部に導電薄膜部19形成することにより、ホルダー14と同等の作用を行わせるようにしたものである。
【0033】
すなわち、コイルボビン11の下部の形状を予めホルダー14の形状と同様に形成しておき、この部分にメッキあるいは蒸着により導電薄膜を形成する。これにより、ホルダー14の作用をこの導電薄膜部19により奏することができるようになる。この導電薄膜部19は第1コイル部13−1および第2コイル部13−2と同時に形成することができると共に、ホルダー14を不要とすることができるので、2周波アンテナのコストを低減することができる。
なお、この変形例に関する他の構成は、前記した第1の実施の形態の構成と同様であるので、その説明は省略する。
このようにホルダー14に替えて導電薄膜部19を形成するようにすることは、第2の実施の形態および第3の実施の形態における2周波アンテナに適用することができると共に、適用した際に奏することのできる作用効果も同様となる。
【0034】
なお、以上の説明では中心コンタクトとコイルボビンとを螺合により一体化するものとして説明したが、本発明はこれに限らず、中心コンタクトとコイルボビンとを一体成型により一体化するようにしてもよい。この際には、中心コンタクトにネジ部に替えて抜け止め部を設けるようにする。また、コイルボビンの外周表面に形成する導電皮膜は、一体成型後に形成すればよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、互いに大きく離れた2つの周波数帯域において使用することのできる2周波アンテナを単一のアンテナで構成することができる。従って、小型化が要望されている携帯機器に好適なアンテナとすることができる。
また、2つの使用周波数帯域において、携帯機器を使用可能とすることができるので、セルラーシステムに適用した場合に、セルやセクタに階層的に割り当てられた無線チャンネルに対応することができ、セルラーシステムのチャンネル数の増加や、移動機の広帯域化を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2周波アンテナを備える携帯機器の外観を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の2周波アンテナの正面図および半断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の2周波アンテナの等価構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の2周波アンテナの正面図および半断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の2周波アンテナの等価構成を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の2周波アンテナの正面図および半断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態の2周波アンテナの等価構成を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の2周波アンテナの変形例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態の2周波アンテナの変形例の等価構成を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態の2周波アンテナの他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 2周波アンテナ
3 整合回路
11,11−1,11−2 コイルボビン
12 中心コンタクト
13−1,13−2 コイル部
14 ホルダー
15 取付部
16 ネジ部
17 ジョイント
18 挿通孔
19 導電薄膜
20 ケース
Claims (5)
- 上部に円板状部を有し略T字状に形成され、該円板状部の上に第1固着部が形成されていると共に、該円板状部の下に第2固着部と該第2固着部から下方へ延伸する延伸部が形成されている導電性の中心コンタクトと、
該中心コンタクトの前記第1固着部に固着されると共に、円筒状の絶縁体の周表面に形成されている螺旋状の溝部内に形成された第1周波数帯用の第1のアンテナ用導電皮膜を備える第1アンテナ部と、
略軸心に沿った挿通孔を有し、前記中心コンタクトの前記第2固着部に固着されると共に、円筒状の絶縁体の周表面に形成されている螺旋状の溝部内に形成された第2周波数帯用の第2のアンテナ用導電皮膜を備える第2アンテナ部とを備え、
前記第1アンテナ部を前記第1固着部に固着した際に、前記第1のアンテナ用導電皮膜の端部が前記第1アンテナ部の給電部となる前記中心コンタクトの前記円板状部に接続され、前記中心コンタクトの延伸部を前記挿通孔に挿通して前記第2アンテナ部を前記中心コンタクトの前記第2固着部に固着した際に、前記延伸部の先端が前記第2アンテナ部の下端から突出するようになり、前記第2アンテナ部の下端部に設けられたアンテナを取り付けるための導電性の取付部に前記第2のアンテナ用導電皮膜の端部が接続されて、前記第2アンテナ部の給電部とされていることを特徴とする2周波アンテナ。 - 円筒状の絶縁体の周表面に形成された螺旋状の溝部内に、前記絶縁体の上端から略中央部にわたる第1周波数帯用の第1のアンテナ用導電皮膜を備える第1アンテナ部と、前記絶縁体の下端から略中央部にわたる第2周波数帯用の第2のアンテナ用導電皮膜を備える第2アンテナ部とが形成されたアンテナ部と、
該アンテナ部の上端面から略中央部にかけてその軸芯にほぼ沿うよう形成された挿通孔内に挿通されていると共に、その先端が前記アンテナ部の下端から突出されて、前記第1アンテナの給電部とされる導電性の中心コンタクトと、
前記アンテナ部の周表面からその軸芯方向に嵌挿されることにより、前記第1アンテナ用導電皮膜の端部と前記中心コンタクトを接続する導電性のジョイントと、
前記第2のアンテナ用導電皮膜の端部が接続されて前記第2アンテナ部の給電部とされると共に、前記アンテナ部を取り付けるための導電性の取付部とを備えることを特徴とする2周波アンテナ。 - 前記第1のアンテナ用導電皮膜により構成された第1アンテナ、および前記第2のアンテナ用導電皮膜により構成された第2アンテナの一方、あるいは両方が複共振アンテナとして動作するように、前記第1のアンテナ用導電皮膜および前記第2のアンテナ用導電皮膜の一方、あるいは両方が多条に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の2周波アンテナ。
- 前記アンテナ部の下端部に導電皮膜を形成することにより、前記導電性の取付部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の2周波アンテナ。
- 前記第2アンテナ部の下端部に導電皮膜を形成することにより、前記導電性の取付部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の2周波アンテナ。
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