JP3666012B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、電子写真技術を用いて用紙等の記録材の両面に画像を形成することのできるプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に関する。特に、そのフレーム構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真技術を用いて用紙等の記録材上に画像を形成する画像形成装置は、回転駆動される感光体、この感光体に露光して表面に静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像を現像してトナー像となす現像手段、このトナー像を記録材に転写させる転写手段、等からなる画像形成手段と、この画像形成手段に記録材を給送する給送手段と、前記転写手段によりトナー像が転写された記録材を通過させつつ加熱して記録材上にトナー像を定着させる定着手段と、トナー像が定着された記録材を搬送する搬送手段とを有している。
【0003】
そして、従来の画像形成装置のなかには、画像形成手段により第1面(例えば表面)に画像が形成された記録材を、その表裏を反転して再び前記画像形成手段に返送することのできる反転返送経路を備えたものが知られている。
【0004】
このような画像形成装置によれば、記録材の両面に画像を形成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような反転返送経路を有する画像形成装置にあっては、画像形成手段により第1面(片面)に画像が形成されたことによってカールし易くなった記録材が再び画像形成手段に反転返送されることとなるから、記録材が反転返送経路中において詰まり易くなる傾向がある。
【0006】
本発明の目的は、以上のような問題を解決し、反転返送経路中に詰まった記録材を容易に取り除くことのできる画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、記録材にトナー像を形成する画像形成手段により第1面に画像が形成された記録材を、その表裏を反転して再び前記画像形成手段に返送することのできる反転返送経路が設けられたフレームが、前記画像形成手段が設けられているメインフレームに対して離間可能に構成されているとともに,
前記トナー像を記録材に定着させる定着手段が前記フレームに対して着脱可能に構成され,かつ,前記フレームは,略水平方向に配置された水平フレームと、略垂直方向に配置された垂直フレームとを有し,当該垂直フレームが水平フレームに対して回動可能に構成されているとともに,当該垂直フレームを回動させることにより,前記定着手段が前記フレームから取り外し可能となることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、前記反転返送経路は、前記記録材を返送するために前記画像形成手段の下方を通過する返送路を有しているとともに、前記フレームは前記メインフレームに対して水平方向に離間するフレームであり、このフレームをメインフレームから離間させた際、前記返送路の少なくと一部が前記画像形成手段の下方から引き出されることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の画像形成装置は、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記メインフレームには、画像形成手段をなす、感光体と、この感光体に形成された静電潜像を現像する現像手段とが支持されているとともに、現像手段がメインフレームに対して前記フレーム側から着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
【作用効果】
請求項1記載の画像形成装置によれば、記録材に画像を形成する画像形成手段により第1面に画像が形成された記録材を、その表裏を反転して再び前記画像形成手段に返送することのできる反転返送経路を備えているので、記録材の両面に画像を形成することができる。
【0012】
そして、反転返送経路が設けられたフレームが、前記画像形成手段が設けられているメインフレームに対して離間可能に構成されているので、反転返送経路に記録材が詰まった場合には、反転返送経路が設けられたフレームを、画像形成手段が設けられているメインフレームから離間させることによって、上記記録材を容易に取り除くことができる。
【0013】
請求項2記載の画像形成装置によれば、請求項1記載の画像形成装置において、前記反転返送経路は、前記記録材を返送するために前記画像形成手段の下方を通過する返送路を有しているとともに、前記フレームは前記メインフレームに対して水平方向に離間するフレームであるので、前記フレームとメインフレームとの間にスペースを有効に形成することができる。
【0014】
すなわち、前記フレームはメインフレームに対して回動するのではなく水平方向に離間するので、両フレームの間にスペースを有効に形成することができる。
【0015】
そして、フレームをメインフレームから離間させた際、前記返送路の少なくと一部が前記画像形成手段の下方から引き出される構成となっているので、上記スペースを利用することによって、反転返送経路に詰まった記録材を一層容易に取り除くことができることとなる。
【0016】
請求項3記載の画像形成装置によれば、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記メインフレームには、画像形成手段をなす、感光体と、この感光体に形成された静電潜像を現像する現像手段とが支持されているとともに、現像手段がメインフレームに対して前記フレーム側から着脱可能に構成されているので、前記フレームをメインフレームから離間させることによって、反転返送経路に詰まった記録材を容易に取り除くことができるとともに、現像手段をメインフレームに対して容易に着脱することができることとなる。特に、上記請求項2記載の構成と組み合わせた場合には、前記フレームとメインフレームとの間にスペースを有効に形成することができるので、このスペースを利用して、反転返送経路に詰まった記録材を一層容易に取り除くことができるとともに、現像手段をメインフレームに対して一層容易に着脱することができることとなる。
【0017】
請求項4記載の画像形成装置によれば、請求項1,2,または3記載の画像形成装置において、前記画像はトナー像であるとともに、このトナー像を記録材に定着させる定着手段が前記フレームに対して着脱可能に構成されているので、前記フレームをメインフレームから離間させ、定着手段を前記フレームから取り外すことによって、前記フレームとメインフレームとの間に形成されるスペースがより一層大きくなる。
【0018】
したがって、反転返送経路に詰まった記録材をより一層容易に取り除くことができることとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す概略図、図2はそのフレーム構成を示す概略図である。
【0021】
先ず、この画像形成装置の概要について説明する。
【0022】
この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーによる現像器を用いて単色画像およびフルカラー画像を形成することのできる装置である。
【0023】
図1において、50は感光体ユニットであり、その感光体51が、図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。
【0024】
感光体51は、薄肉円筒状の導電性基材と、その表面に形成された感光層とを有している。
【0025】
感光体51の周りには、その回転方向に沿って、感光体51とともに画像形成手段を構成する、帯電手段としての帯電ローラ52、露光手段としての露光ユニット60、現像手段としての現像器70(Y,C,M,K)、および中間転写ユニット80が配置される。また、クリーニング手段53が配置される。なお、感光体ユニット50には、感光体51、帯電ローラ52、およびクリーニング手段53が組み込まれている。
【0026】
帯電ローラ52は、感光体51の外周面に当接して外周面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体51の外周面には、露光ユニット60によって所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、この露光L1によって感光体51上に静電潜像が形成される。
【0027】
この静電潜像は、現像器70でトナーが付与されて現像される。
【0028】
現像器として、イエロー用の現像器70Y、シアン用の現像器70C、マゼンタ用の現像器70M、およびブラック用の現像器70Kが設けられている。これら現像器70Y,70C,70M,70Kは、それぞれ揺動可能に構成されており、選択的に1つの現像器の現像ローラ71のみが感光体51に当接し得るようになっている。したがって、これらの現像器70は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのうちのいずれかのトナーを感光体51の表面に付与して感光体51上の静電潜像を現像する。
【0029】
現像されたトナー像は、中間転写ユニット80の中間転写体をなす中間転写ベルト86上に転写される。
【0030】
クリーニング手段53は、上記転写後に、感光体51の外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレードと、このクリーナブレードによって掻き落とされたトナーを受ける受け部とを備えている。
【0031】
中間転写ユニット80は、駆動ローラ81と、4本の従動ローラ82,83,84,85と、これら各ローラの回りに張架された中間転写体としての無端状の中間転写ベルト86とを有している。
【0032】
駆動ローラ81は、その端部に固定された図示しない歯車が、感光体51の端部に設けられた駆動用歯車(図示せず)と噛み合っていることによって、感光体51と略同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト86が感光体51と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆動されるようになっている。
【0033】
従動ローラ85は、駆動ローラ81との間で中間転写ベルト86がそれ自身の張力によって感光体51に圧接される位置に配置されており、感光体51と中間転写ベルト86との圧接部において一次転写部T1が形成されている。従動ローラ85は、中間転写ベルト86の循環方向上流側において一次転写部T1の近くに配置されている。
【0034】
駆動ローラ81には、中間転写ベルト86を介して図示しない電極ローラが配置されており、この電極ローラを介して、中間転写ベルト86に一次転写電圧が印加される。
【0035】
従動ローラ82はテンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト86をその張り方向に付勢している。
【0036】
従動ローラ83は、二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ83には、中間転写ベルト86を介して二次転写手段としての二次転写ローラ88が対向配置されている。二次転写ローラ88は、図示しない接離機構により中間転写ベルト86に対して接離可能である。二次転写ローラ88には、二次転写電圧が印加される。
【0037】
従動ローラ84は、ベルトクリーナ89のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ89は、中間転写ベルト86と接触してその外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレード89aと、このクリーナブレード89aによって掻き落とされたトナーを受ける受け部89bとを備えている。このベルトクリーナ89は、図示しない接離機構によって中間転写ベルト86に対して接離可能である。
【0038】
中間転写ベルト86は、導電層と、この導電層の上に形成され、感光体51に圧接される抵抗層とを有する複層ベルトで構成されている。導電層は、合成樹脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導電層に、前述した電極ローラを介して、一次転写電圧が印加される。
【0039】
中間転写ベルト86が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体51上のトナー像が中間転写ベルト86上に転写され、中間転写ベルト86上に転写されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ88との間に供給される用紙等のシート(記録材)Sに転写される。
【0040】
なお、中間転写ユニット80には、前記電極ローラ、テンションローラ82の付勢手段、二次転写ローラ88、およびベルトクリーナ89も組み込まれている。
【0041】
記録材Sは、給紙手段をなす給紙装置90から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。91は記録材Sを積層保持する給紙カセット、92はピックアップローラである。
【0042】
二次転写部T2でトナー像が転写された記録材Sは、定着手段をなす定着ユニット100を通ることによってそのトナー像が定着される。
【0043】
定着ユニット100は、熱源を有する加熱ローラ101と、これに圧接されている加圧ローラ102とを有しており、これらローラ101,102によって、通過する記録材Sを挟圧しつつ加熱して、トナー像を記録材S上に溶融定着させる。
【0044】
定着ユニット100を通った記録材Sは、最終的には、排紙経路110を通って、装置本体のケース40上に形成されたシート受け部41上に排出されるが、この画像形成装置は、定着ユニット100を通過した記録材Sの表裏を反転させて再び二次転写部T2に記録材Sを返送することのできる反転返送経路110’を備えている。すなわち、この実施の形態における記録材Sの搬送手段は、排紙経路110ないし反転返送経路110’で構成されている。
【0045】
反転返送経路110’は、定着ユニット100を通過した記録材Sを搬入し、かつ、一旦搬入した記録材Sを逆送することのできる互いに独立した2つの排紙経路111,112を有するスイッチバック経路113と、このスイッチバック経路113から逆送された記録材Sを再び前記二次転写部T2に向けて返送する返送路114とを有している。したがって、この反転返送経路110’によって再び二次転写部T2に返送される記録材Sは、その表裏が反転されて二次転写部T2に返送されることとなる。
【0046】
このような画像形成装置は、記録材Sの表面(第1面)にのみ画像を形成することもできるし、両面(表裏である第1面および第2面)に画像を形成することもできる。
【0047】
120は制御部であり、装置全体の制御を行なう制御手段を構成している。
【0048】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
【0049】
(i)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画像形成装置の制御部120に入力されると、感光体51、現像器70の各ローラ71、および中間転写ベルト86が回転駆動される。
【0050】
(ii)感光体51の外周面が帯電ローラ52によって一様に帯電される。
【0051】
(iii)一様に帯電した感光体51の外周面に、露光ユニット60によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0052】
(iv)感光体51には、第1色目(例えばイエロー)用の現像器70Yの現像ローラのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目(例えばイエロー)のトナー像が感光体51上に形成される。
【0053】
(v)中間転写ベルト86には上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体51上に形成されたトナー像が、一次転写部T1において中間転写ベルト86上に転写される。このとき、二次転写ローラ88およびベルトクリーナ89は、中間転写ベルト86から離間している。
【0054】
(vi)感光体51上に残留しているトナーがクリーニング手段53によって除去された後、除電手段61からの除電光L2によって感光体51が除電される。
【0055】
(vii)上記(ii)〜(vi)の動作が必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号の内容に応じて、第2色目、第3色目、第4色目、と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト86上において重ね合わされて中間転写ベルト86上に形成される。
【0056】
(viii)所定のタイミングで給紙装置90から記録材Sが供給され、記録材Sの先端が二次転写部T2に達する直前にあるいは達した後に(要するに記録材S上の所望の位置に、中間転写ベルト86上のトナー像が転写されるタイミングで)二次転写ローラ88が中間転写ベルト86に押圧されるとともに二次転写電圧が印加され、中間転写ベルト86上のトナー像(基本的には4色のトナー像が重ね合わせられたフルカラー画像)が記録材S上に転写される。また、ベルトクリーナ89が中間転写ベルト86に当接し、二次転写後に中間転写ベルト86上に残留しているトナーが除去される。
【0057】
(ix)記録材Sが定着ユニット100を通過することによって記録材S上にトナー像が定着し、その後、記録材Sが所定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部41に向け、両面印刷の場合には、スイッチバック経路113を経て返送路114に向け)搬送される。
【0058】
すなわち、表面(第1面)にのみ画像を形成する場合には、給紙装置90から給送された記録材Sは、その第1面に二次転写部T2で画像が転写され、定着ユニット100で定着された後、排紙経路111または112を経てシート受け部41上に排出される。なお、排紙経路111,112の入り口部分110Aには、図示しない経路切換手段が設けられており、これによってどちらの排紙経路(111,112)に記録材Sが搬入されるかが決定される。
【0059】
両面(第1面および第2面)に画像を形成する場合には、給紙装置90から給送された記録材Sは、その第1面に二次転写部T2で画像が転写され、定着ユニット100で定着された後、一旦排紙経路111または112(スイッチバック経路74)に入り、逆送されて返送路73を経て、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで再び二次転写部T2に返送され、第2面にも画像が転写される。その後、定着ユニット100で第2面にも画像が定着され、排紙経路111または112を経てシート受け部41上に排出される。
【0060】
以上、この実施の形態の画像形成装置の概要について説明したが、次に、そのフレーム構成について説明する。
【0061】
図2において、10はメインフレームとしての第1フレーム、20は第2フレーム、30は第3フレーム(請求項1でいうフレーム)である。これら第1、第2、第3フレーム10,20,30は、それぞれ別のフレームで構成されている。
【0062】
第1フレーム10には、感光体ユニット50、現像器70(Y,C,M,K)、中間転写ユニット80、およびこれらの駆動手段(駆動モータ、ギアないしギア列等)が支持されている。感光体ユニット50と中間転写ユニット80は上下方向に並べられて配置されており、後述するように、これら感光体ユニット50および中間転写ユニット80は、第1フレーム10に対して第2フレーム20側(図2において右側)から着脱可能に構成されている。また、各現像器70は、第1フレーム10に対して第3フレーム30側(図2において左側)から着脱可能に構成されている。
【0063】
第2フレーム20には、露光ユニット60、給紙装置90、およびゲートローラ対Gが支持されている。第2フレーム20は、上フレーム21と、下フレーム22とを有しており、上フレーム21に露光ユニット60が支持され、下フレーム22に給紙装置90およびゲートローラ対Gが支持されている。
【0064】
第3フレーム30には、定着ユニット100、排紙経路110、および反転返送経路110’が支持されている。
【0065】
第2フレーム20は、図3に示すように、第1フレーム10に対して水平方向(矢印X1方向)に離間可能に構成されている。
【0066】
図4に示すように、第2フレーム20の上フレーム21の底部21aには、穴21bが設けられており、この穴21bと緩く嵌まり合う、フランジ22d付きの円筒部材22bがネジ22cで下フレーム22の上板22aに固定されている。これら穴21bおよび円筒部材22b等は、上フレーム底板21aの4隅と、下フレーム上板22aの4隅とに設けられている。
【0067】
したがって、図4(b)に示すように、上フレーム21は、下フレーム22に対して浮かせることが可能である。22dはゴム等の弾性部材からなる緩衝体であり、上フレーム21が下フレーム22に載置される際の衝撃を和らげるためのものである。
【0068】
図3、図5および図6に示すように、第1フレーム10の一対の側板11の第2フレーム20側には、それぞれ位置決め用のピン12が設けられているとともに、第2フレーム20の上フレーム21には前記ピン12,12を抱え込むための抱え込み機構23が設けられている。
【0069】
抱え込み機構23は、上フレーム21の側板24,24に形成された、前記ピン12,12と係脱するテーパ溝24a,24aと、前記側板24,24に回転可能に架設された軸25と、この軸25の一端に固定された操作レバー26と、側板24の内側にあって前記軸25に固定されたギア27,27と、このギア27,27と噛み合うように軸28aで側板24に回転可能に取り付けられたギア28と、このギア28と一体で回動する抱え込み爪28bとを備えている。
【0070】
図3に示すように、第2フレーム20が第1フレーム10から離間された状態においては、テーパ溝24aは第1フレーム10のピン12よりも多少下方に位置しているが、第2フレーム20を第1フレーム10に向けて(矢印X2方向へ)スライドさせた際には、第1フレーム10のピン12と係合し得る。
【0071】
したがって、図3に示す状態から第2フレーム20を矢印X2方向へ移動させると、ピン12がテーパ溝24aに入り込むことによって、先ず、上フレーム21の左方(第1フレーム10との対向面側)が持ち上げられる。次いで、図6に示すように操作レバー26を矢印a1方向に回動操作すると、ギア27も同方向に回動するので、ギア28および抱え込み爪28bが矢印b1方向に回動し、これによって、ピン12が、テーパ溝24aの終端部と抱え込み爪28bとで完全に抱え込まれることとなる。
【0072】
この状態においては、上フレーム21はピン12を中心として時計方向(矢印a1方向参照)へ回動しようとするが、上フレーム21の側板24には、図5に示すように第1フレーム10と対向する屈曲部24b,24bが設けられ、この屈曲部24b,24bにゴム等の弾性体からなり制振体である当接パッド24cが上下2個づつ計4個設けられていて、これら当接パッド24cが、第1フレーム10の側板11に設けられた受け部11a,11aと当接するので、上記回動が規制されることとなる。
【0073】
結果として、上フレーム21は、図4(b)に示したように、下フレーム22から浮いた状態となる。
【0074】
また同時に、第1フレーム10のピン12がテーパ溝24aの終端部と抱え込み爪28bとで完全に抱え込まれ、上記当接パッド24cが第1フレーム10の受け部11aと当接することによって、第2フレーム20が第1フレーム10に対して正確に位置決めされることとなる。
【0075】
第2フレーム20を第1フレーム10から離間させる際には、操作レバー26を図6に示す位置から矢印a2方向へ回動操作すると、ギア28および抱え込み爪28bが時計方向(矢印b1方向と逆方向)に回動し、抱え込み爪28bとテーパ溝24aの終端部とによるピン12に対するロック状態が解除されるので、図3に示すように、第2フレーム20を矢印X1方向へ引き出して第1フレーム10から離間させることができる。ピン12に対するロックが解除される過程で、先ず、上フレーム21の右側が下動し、次いで、第2フレーム20を引き出す過程でピン12とテーパ溝24aとの係合が解除されることから、上フレーム21の左方も下動し、結果として、図3に示す状態では、上フレーム21は図4(a)にも示したように下フレーム22上に載置された状態となる。
【0076】
なお、抱え込み機構23における操作レバー26は一対設けることもできる。この場合、軸25は必ずしも、ギア27,27を連結するものでなくてもかまわない。
【0077】
図3に示すように、下フレーム22の中間転写ユニット80との対向部には、中間転写ユニット80の図示しないフレームのピン(あるいはコロ。以下同じ)と係脱可能な突部29が設けられている。突部29は、傾斜部29aと水平部29bとを有している。この突部29は、第2フレーム20が第1フレーム10に装着される際、中間転写ユニット80のピンが傾斜部29aから水平部29bへと駆け上がることにより、中間転写ユニット80をその揺動中心となる軸80aを中心として矢印c1方向へ揺動させて中間転写ベルト86と感光体51とを当接させるとともに中間転写ユニット80の位置決めを行ない、逆に、第2フレーム20が第1フレーム10から矢印X1方向へ引き出される際、中間転写ユニット80のピンが水平部29bから傾斜部29aを駆け下りることにより、中間転写ユニット80をその揺動中心となる軸80aを中心として矢印c2方向へ自重で揺動させて中間転写ベルト86と感光体51とを離間させるようになっている。
【0078】
したがって、図3に示すように、第2フレーム20を矢印X1方向へ引き出して第1フレーム10から離間させた状態においては、中間転写ベルト86と感光体51とを摺接させることなく、第1フレーム10と第2フレーム20との間のスペースA1を利用して、感光体ユニット50を矢印X1で示すように引き出し、矢印Y1で示すように持ち上げることによって、容易に第1フレーム10から取り外すことができ、逆に矢印Y2および矢印X2に示すようにして容易に装着することができる。また、同様にして、中間転写ベルト86と感光体51とを摺接させることなく、中間転写ユニット80も容易に第1フレーム10に対して脱着することができる。なお、第2フレーム20は、図3に示す位置よりもさらにX1方向へ(すなわち中間転写ユニット80を第1フレーム10から矢印X1方向へ引く出すことが可能な程度に)離間させることが可能である。また、上述した中間転写ユニット80の揺動中心となる軸80aは、第1フレーム10の適所に設けられた軸80aの受け部(図示せず)と係脱可能に構成されている。
【0079】
さらに、給送装置90が第2フレーム20とともに第1フレーム10から離間する構成となっているので、給紙装置90と二次転写部T2との間で記録材が詰まった場合には、上記スペースA1を利用して記録材を容易に取り除くことができる。
【0080】
第3フレーム30は、図7に示すように、第1フレーム10に対して水平方向(矢印X2方向)に離間可能に構成されている。第3フレーム30は、略水平方向に配置された水平フレーム31と、略垂直方向に配置された垂直フレーム32とを有しており、両フレームの一端部同士が軸33で連結されていることによって、図8に示すように垂直フレーム32が水平フレーム31に対して軸33回りに回動可能に構成されている。垂直フレーム32が図8に示すように回動すると、垂直フレーム32と定着ユニット100とが離間する。
【0081】
水平フレーム31には、反転返送経路110’の返送路114およびその駆動手段(搬送ローラRを駆動する図示しないギア列等)が主として設けられており、垂直フレーム32には、反転返送経路110’のスイッチバック経路113(排紙経路111,112でもある)およびその駆動手段(搬送ローラRを駆動する図示しないギア列等)が主として設けられている。
【0082】
定着ユニット100は水平フレーム31に対して取り付けられており、図8に示すように垂直フレーム32を回動させた状態で、水平フレーム31に対して略垂直方向(矢印Y1,Y2方向)に着脱可能に構成されている。また、図7に示すように垂直フレーム32を垂直位置に戻すと、定着ユニット100は、水平フレーム31から取り外し不能となる。
【0083】
反転返送経路110’を有する画像形成装置にあっては、定着ユニット100を一度通過し加熱されることによってカール状態の大きくなった記録材Sが二次転写部T2(図1参照)に反転返送されることとなるから、記録材Sが反転返送経路110’中において詰まり易くなる傾向がある。
【0084】
これに対し、この実施の形態の画像形成装置によれば、図7に示すように、第3フレーム30が第1フレーム10に対して水平方向(矢印X2方向)に離間可能に構成されているので、水平フレーム31が第1フレーム10の下部から矢印X2方向に引き出されると返送路114の上方114aが露出するとともに、第1フレーム10と垂直フレーム32との間にスペースA2が形成されることとなる。
【0085】
したがって、返送路114に記録材が詰まったとしても、上記スペースA2を利用して記録材を容易に取り除くことができる。
【0086】
さらに、図8に示すように、垂直フレーム32が水平フレーム31に対して軸33回りに回動可能に構成されているので、垂直フレーム32を回動させると上記スペースA2がさらに広がるとともに、反転返送経路110’が、そのスイッチバック経路113と返送路114との略境界部分で分断され、この分断によって垂直フレーム32と定着ユニット100との間にはスペースA3が形成されることとなる。
【0087】
したがって、スイッチバック経路113(排紙経路111,112)に記録材が詰まった場合には、上記スペースA3を利用して記録材の下端を摘み、矢印Bで示すようにこれを容易に取り除くことができる。また、返送路114に詰まった記録材も上記スペースA3を利用して容易に取り除くことができる。
【0088】
しかも、図8に示すように垂直フレーム32を回動させた状態で、定着ユニット100を水平フレーム31から取り外すことができるので、上記スペースA3を広くすることができるとともに、返送路114の上方114aをさらに広範囲に亙って露出させることができる。
【0089】
したがって、スイッチバック経路113あるいは返送路114に詰まった記録材をより一層容易に取り除くことができる。
【0090】
なお、二次転写部T2と定着ユニット100との間で記録材が詰まった場合には、二次転写部T2部と定着ユニット100との離間により生じるスペースA4を利用して記録材を容易に取り除くことができる。
【0091】
また、上述したように、第1フレーム10と第3フレーム30との間にはスペースA2が形成されるので、このスペースA2を利用して各現像器70を第1フレーム10に対して容易に着脱することができる。各現像器70の着脱方向は、略感光体51の中心部に向かう方向である。
【0092】
図8および図9に示すように、定着ユニット100には、開閉可能な蓋103が設けられている。図10は蓋103が閉じられた状態の定着ユニット100の概略斜視図、図11は蓋103が開けられた状態の定着ユニット100の概略斜視図である。
【0093】
この蓋103は、図8に示すように、垂直フレーム32が回動させられても閉じた状態のままである。
【0094】
したがって、図8矢印Bで示したように、スイッチバック経路113(排紙経路111,112)に詰まった記録材を取り除く際に、作業者の手が高熱の加熱ローラ101等に触れて火傷をするということがなくなる。また、定着ユニット100内に記録材が詰まった場合には、蓋103を開くことによって記録材を容易に取り除くことができる。なお、図10において、104は記録材Sが通るスリット状の開口である。
【0095】
以上のような画像形成装置によれば、次のような作用効果が得られる。
【0096】
(a)記録材Sに画像を形成する画像形成手段により第1面に画像が形成された記録材を、その表裏を反転して再び画像形成手段に返送することのできる反転返送経路110’を備えているので、記録材Sの両面に画像を形成することができる。
【0097】
そして、反転返送経路110’が設けられたフレーム30が、画像形成手段が設けられているメインフレーム10に対して離間可能に構成されているので、反転返送経路110’に記録材が詰まった場合には、反転返送経路110’が設けられたフレーム30を、画像形成手段が設けられているメインフレーム10から離間させることによって、上記記録材を容易に取り除くことができる。
【0098】
(b)反転返送経路110’は、記録材を返送するために画像形成手段の下方を通過する返送路114を有しているとともに、フレーム30はメインフレーム10に対して水平方向に離間するので、フレーム30とメインフレーム10との間にスペースA2を有効に形成することができる。
【0099】
すなわち、フレーム30はメインフレーム10に対して回動するのではなく水平方向に離間するので、両フレーム10,30の間にスペースA2を有効に形成することができる。
【0100】
そして、フレーム30をメインフレーム10から離間させた際、返送路114の少なくと一部が画像形成手段の下方から引き出される構成となっているので、上記スペースA2を利用することによって、反転返送経路110’に詰まった記録材を一層容易に取り除くことができることとなる。
【0101】
(c)メインフレーム10には、画像形成手段をなす、感光体51と、この感光体51に形成された静電潜像を現像する現像器70とが支持されているとともに、現像器70がメインフレーム10に対してフレーム30側から着脱可能に構成されているので、フレーム30をメインフレーム10から離間させることによって、反転返送経路110’に詰まった記録材を容易に取り除くことができるとともに、現像器70をメインフレーム10に対して容易に着脱することができる。
【0102】
しかも、フレーム30とメインフレーム10との間には、上述した理由によりスペースA2が有効に形成されるので、このスペースA2を利用して、反転返送経路110’に詰まった記録材を一層容易に取り除くことができるとともに、現像器70をメインフレーム10に対して一層容易に着脱することができる。
【0103】
(d)定着ユニット100がフレーム30に対して着脱可能に構成されているので、フレーム30をメインフレーム10から離間させ、定着ユニット100をフレーム30から取り外すことによって、フレーム30とメインフレーム30との間に形成されるスペースA2がより一層大きくなる。
【0104】
したがって、反転返送経路110’に詰まった記録材をより一層容易に取り除くことができる。
【0105】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0106】
【発明の効果】
請求項1〜4記載のいずれの画像形成装置によっても、反転返送経路に詰まった記録材を容易に取り除くことができる。
【0107】
さらに、
請求項2記載の画像形成装置によれば、反転返送経路に詰まった記録材を一層容易に取り除くことができる。
【0108】
請求項3記載の画像形成装置によれば、反転返送経路に詰まった記録材を容易に取り除くことができるとともに、現像手段をメインフレームに対して容易に着脱することができる。
【0110】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す概略図。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一実施の形態のフレーム構成を示す概略図。
【図3】作動説明図。
【図4】作動説明図であり、(a)は図3の部分拡大断面図、(b)は図6の部分拡大断面図。
【図5】図3の部分拡大概略横断面図。
【図6】作動説明図。
【図7】作動説明図。
【図8】作動説明図。
【図9】作動説明図。
【図10】蓋103が閉じられた状態の定着ユニット100の概略斜視図。
【図11】蓋103が開けられた状態の定着ユニット100の概略斜視図。
【符号の説明】
S 記録材
10 第1フレーム(メインフレーム)
20 第2フレーム
30 第3フレーム(フレーム)
51 感光体
60 露光ユニット(露光手段)
70 現像器(現像手段)
80 中間転写ユニット
86 中間転写ベルト(中間転写体)
90 給紙装置(給紙手段)
100 定着ユニット(定着手段)
110 排紙経路(搬送手段)
110’反転返送経路(搬送手段)
114 返送路

Claims (3)

  1. 記録材にトナー像を形成する画像形成手段により第1面に画像が形成された記録材を、その表裏を反転して再び前記画像形成手段に返送することのできる反転返送経路が設けられたフレームが、前記画像形成手段が設けられているメインフレームに対して離間可能に構成されているとともに,
    前記トナー像を記録材に定着させる定着手段が前記フレームに対して着脱可能に構成され,かつ,前記フレームは,略水平方向に配置された水平フレームと、略垂直方向に配置された垂直フレームとを有し,当該垂直フレームが水平フレームに対して回動可能に構成されているとともに,当該垂直フレームを回動させることにより,前記定着手段が前記フレームから取り外し可能となることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記反転返送経路は、前記記録材を返送するために前記画像形成手段の下方を通過する返送路を有しているとともに、前記フレームは前記メインフレームに対して水平方向に離間するフレームであり、このフレームをメインフレームから離間させた際、前記返送路の少なくと一部が前記画像形成手段の下方から引き出されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記メインフレームには、画像形成手段をなす、感光体と、この感光体に形成された静電潜像を現像する現像手段とが支持されているとともに、現像手段がメインフレームに対して前記フレーム側から着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
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