JP3665928B2 - 自動列車運転システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動列車運転システムに係り、特に、自動運転中の列車が駅と駅の中間で停止した場合に、遠隔的かつ迅速に運転を再開するための手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のATC装置は、例えば、『鉄道技術者のための電気概論 信号シリーズ7 ATS・ATC』((社)日本鉄道電気技術協会編 P79〜)に詳述されている。また、無人運転のための自動列車運転(ATO)装置は、『横浜新都市交通金沢シーサイドラインの自動運転システム』(日本信号技報Vol.17,No.l,P3〜)に記載されている。
【0003】
自動列車運転をする場合に、駅における列車発車のための制御として、駅定位置停止中に、地上と車上との間の局所的な伝送手段、例えば、駅ループにより、地上の上位システムから車上に出発指令を与える必要がある。出発指令を受けた列車は、起動して加速し、ATC装置により指示される現示速度信号を目安として、その速度を超過しないように走行し、次の駅の定位置に停止する。その後、再び地上から出発指令を受け、起動して加速するという運転を繰り返す。
【0004】
駅ループなどは、駅の定位置でのみ有効な伝送手段であり、一旦駅を出発した後、駅と駅の中間では、出発指令を与えることはできない。
【0005】
したがって、何らかの理由により、駅と駅の中間に列車が万一停止してしまったときには、停止した列車を再度起動させる際に、地上の指令員がその原因を調査し、安全を確認した後、列車に対して再出発指令を与えることが、安全上望ましい。
【0006】
駅と駅の中間では、駅ループが存在しないため、駅と駅の中間での再出発指令は、通常の出発指令と違い、駅定位置ループとは別の手段により伝送する必要がある。
【0007】
従来は、駅の定位置での伝送手段とは別に、全線に亘って別のループによる伝送手段を設け、列車が任意の位置で地上からの再出発指令を受けることができるようになっていた。
【0008】
この別のループによる伝送手段が無いと、指令員が駅と駅の中間の列車停止位置まで行き、列車に乗り移り、自動列車運転(ATO)装置に対して、出発の指令を直接与えない限り、停止した列車は、駅と駅の中間に留まることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
自動運転中の列車に指令を伝送する手段として、従来は、軌道に沿って連続的に敷設されたデー夕伝送用のループを介してデータを授受する装置が提案されていた。
【0010】
この方式では、駅ループとは別の伝送ループが必要となり、建設コストおよび保守コストが大幅にかさみ、経済性の点で問題があった。
【0011】
本発明の目的は、最小限の装置の追加により、駅と駅の中間に停止した列車に対しても再出発指令を与える手段を備えた自動列車運転システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、自動運転列車の進路上の障害を検知し安全に走行可能な速度を列車の自動列車制御(ATC)制御部に与えるATC装置と、列車の自動列車運転(ATO)制御部に対してブレーキ装置の制御および駆動装置の加速/減速を指示し自動運転させる自動列車運転(ATO)装置とを地上に有する自動列車運転システムにおいて、自動運転列車が駅間で停止した場合にATC装置を経由して予め定められた特定の現示速度信号を送信する手段を地上側に備え、車上のATC系統が、特定の現示速度信号を受信した場合に当該現示速度信号を再出発指令と解釈してATO制御部に転送し、ATO制御部が、再出発指令に基づいて列車のブレーキ装置の解除および駆動装置の加速を指令する回路を備えた自動列車運転システムを提案する。
【0013】
再出発指令と解釈される現示速度信号が、速度ゼロを除くATC現示速度信号の少なくとも2つの現示速度信号である場合は、ATC系統が、地上からの指令に基づいてそれら複数の現示速度信号のいずれかを選択し、再出発時の現示速度信号とする手段を備えることができる。
【0014】
本発明は、また、上記目的を達成するために、自動運転列車の進路上の障害を検知し安全に走行可能な速度を列車の自動列車制御(ATC)制御部に与えるATC装置と、列車の自動列車運転(ATO)制御部に対してブレーキ装置の制御および駆動装置の加速/減速を指示し自動運転させる自動列車運転(ATO)装置とを地上に有する自動列車運転システムにおいて、自動運転列車が駅間で停止した場合にATC装置を経由して予め定められた特定の現示速度信号を送信する手段を地上側に備え、車上のATC系統が、特定の現示速度信号を受信した場合に当該現示速度信号をリセット指令と解釈し、列車の各機器においてリセット処理を実行する回路を備えた自動列車運転システムを提案する。
【0015】
この場合も、リセット指令と解釈される現示速度信号が、速度ゼロを除くATC現示速度信号の少なくとも2つの現示速度信号であるときは、ATC系統が、地上からの指令に基づいてそれら複数の現示速度信号のいずれかを選択し、再出発時の現示速度信号とする手段を備えることが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
【0017】
【実施例1】
図1は、本発明による自動列車運転システムの実施例1における車上装置の系統構成を示すブロック図である。車上装置は、駅定位置伝送ループ7からの信号を取り込む駅定位置伝送用車上アンテナ8と、ATOデータ伝送部2と、ATO制御部4と、ATCループ1からの信号を取り込むATC車上アンテナ9と、ATC受信部11と、ATC制御部3と、速度発電機10と、ブレーキ装置5と、駆動装置6とを搭載している。
【0018】
図2は、駅定位置伝送ループ7と駅定位置伝送用車上アンテナ8との関係およびATCループ1とATC車上アンテナ9との関係を示す斜視図である。現在の鉄道システムでは、各駅の定位置には、その定位置でのみ地上と車上との間で情報を授受するための駅定位置伝送ループ(駅ループ)7という短小ループが設けられている。駅ループ7は、駅定位置でのドアの開閉制御指令やATO制御部4に出発指令を与えるために用いられる。
【0019】
駅と駅の間には、有人運転であるか自動運転であるかにかかわらず、軌道に沿って、ATCループ1が敷設されている。列車では、車上ATC装置(ATC受信部)11が、ATCループ1から伝送される現示速度信号を受信し、許容される最高速度を認知し、実速度がこの現示速度信号で指示される許容速度を越えた場合に、ATC制御部3が自動的にブレーキを指令し、減速する。
【0020】
本発明は、駅と駅の間で停止している列車のATO制御部4に遠隔的に出発指令を与える手段として、ATCループ1を利用することを提案する。
【0021】
図3は、実施例1の地上装置の系統構成を示すブロック図である。ATC地上装置31は、列車検知系71から先行列車の在線状況を取り込み、連動装置61から駅構内の分岐器,場内信号,出発信号などの状態を取り込み、これらの情報に応じて、その列車が出してもよい速度となる現示速度信号を決定し、各現示速度信号毎に予め決められた変調周波数の信号を選択して、搬送波の周波数を各変調周波数で方形波振幅変調した後、この変調信号を軌道に沿ったATCループ1に流す。
【0022】
車上では、図1に示すように、ATC受信部11がこの信号を受信すると、現示速度信号を判定し、ATC制御部3に現示速度信号を出力する。ATC制御部3は、現示速度信号に基づき、その列車が出してもよい速度パターンを発生し、その列車の実速度が万一この現示速度信号を越えた場合、自動的にブレーキ指令を出す。
【0023】
現示速度信号は、ATO制御部4にも入力される。ATO制御部4は、この現示速度信号から所定値下げた目標速度を設定し、その列車の駆動装置6やブレーキ装置5を制御しながら、目標速度周辺の速度で運転する。
【0024】
駅が近づくと、ATO制御部4は、停止目標点までの距離を認識し、速度発電機10から得られる速度情報とこの速度情報を積算して得られる距離情報とに基づいて、徐々にブレーキ装置5を動作させ、目標位置すなわち駅定位置に停車する。
【0025】
ATO制御部4には、列車が一旦停止したことを検知すると、次に出発指令が入らない限りは、自動的に再起動しないような制御論理が組まれている。駅停止中、ダイヤで定められる一定時刻になると、ダイヤを管理する地上の上位システム、すなわち、図3の運行制御システム51から、ATOデータ伝送部41,駅ループ7,車上ATOデータ伝送部2を経由して、出発指令がATO制御部4に入力される。ATO制御部4は、その時のATC現示速度信号により決まる目標速度を設定し、この速度に向けて加速する。
【0026】
図4は、実施例1のATC地上装置31の構成を示すブロック図である。現示速度信号は、変調周波数に1対1に対応しており、例えば、周波数flにより変調された場合は、現示速度信号50km/hを意味し、周波数f2により変調された場合は、現示速度信号45km/hを意味する。
【0027】
図5は、一般的な現示速度信号と変調周波数との対応関係の一例を示す図表である。
【0028】
これに対して、図6は、実施例1の現示速度信号と変調周波数との対応関係の一例を示す図表である。本発明の特徴の一つは、図6に示すように、現示速度信号が25km/hの場合、2つの変調周波数が割り当てられていることである。ここでは、2つ目の変調周波数f6の信号を、例えば、ST25と表現する。
【0029】
図4において、第1選択部34は、進路情報と先行列車の在線情報などによって、周波数fl,f2,f3,f4,f5,f6のうちいずれかの信号を選択する。
【0030】
周波数f4,f6は、どちらも現示速度信号25km/hを意味している。本発明の特徴である第2選択部33において、通常は、周波数f4が選択されているが、再出発指令が入力されると、周波数f6に切り替わる。
【0031】
その結果、選択された変調周波数で搬送波信号を変調する。なお、再出発指令が入った時は、他の条件で上位現示速度信号を出し得る場合でも、現示速度信号25km/hを選択し、低速で再出発するようになっている。
【0032】
ただし、進路情報と在線情報とから現示速度信号0km/hを選ぶべき場合には、たとえ再出発指令が入力されていても、第1選択部34は、安全上の制約から、現示速度信号25km/hが出力されないように制御する。
【0033】
図7は、実施例1の車上装置のATC受信部11の構成を示すブロック図である。ATCループに流れる信号電流は、ATC車上アンテナ9で受信され、その信号は、搬送波を検波するための搬送波バンドパスフィルタ13に入力される。さらに、変調周波数を判別するための各周波数fl〜f6に対応した変調波バンドパスフィルタ14に入力され、変調波の周波数を判別する。
【0034】
ここで、例えば、図6に対応して、周波数flは、現示速度信号50km/hを意味し、周波数f2は、現示速度信号45km/hを意味し、周波数f3は、現示速度信号40km/hを意味し、周波数f5は、現示速度信号0km/hを意味すると、予め定義されている。
【0035】
図7に示すように、周波数f4が検出された場合も、周波数f6が検出された場合も、論理和15によって、現示速度信号25km/hを意味するように置き換えるが、周波数f6については、再出発指令を出力するように構成してある。
【0036】
検出された現示速度信号は、図1のATC制御部3およびATO制御部4に伝送される。再出発指令は、ATO制御部4に伝えられる。
【0037】
駅間で停車した場合には、地上のATC信号に再出発指令が含まれていれば、駅での出発の場合と同様に、ATO制御部4が、駆動装置6に対して、起動信号を出力する。
【0038】
一旦、起動すると、ATO制御部4は、出発指令が無くなっても、ATC現示速度信号に基づいた速度で、走行を継続する。したがって、地上側としては、周波数f6を一旦送信し、その後に再度周波数f4にすれば、現示速度信号25km/hで走行を継続する。一旦周波数f6を送った後、周波数flにした場合は、加速して50km/h付近で走行することになる。
【0039】
本実施例1によれば、ATCループによって、駅間においても任意の位置で、列車に対して、再出発指令を与えることができるため、他の伝送手段を必要とせず、経済的に有利な自動列車運転システムを実現できる。
【0040】
なお、本明細書および図面で示した具体的変調周波数は、単なる例示であり、本発明は、これらの変調周波数には限定されない。
【0041】
【実施例2】
図8は、実施例2のATC地上装置31の構成を示すブロック図であり、図9は、実施例2の車上装置のATC受信部11の構成を示すブロック図であり、図10は、実施例2の現示速度信号と変調周波数との対応関係の一例を示す図表である。
【0042】
実施例1が、同一現示速度信号に対して2つの変調周波数を割り当てるのは、現示速度信号25km/hのみであったが、本実施例2では、図10に示すように、現示速度信号0km/hを除く全ての現示速度信号に拡大したものである。
【0043】
本実施例2によれば、種々の現示速度信号を再出発指令に対応して送信できるようになる。そのため、実施例1で現示速度信号25km/hのみに限定されていた再出発指令速度の制限が無くなり、より自由度の高い再出発制御を実現できる。
【0044】
【実施例3】
図11は、実施例3の地上装置の系統構成を示すブロック図であり、図12は、実施例3の車上装置の構成を示すブロック図であり、図13は、実施例3のATC地上装置31の構成を示すブロック図であり、図14は、実施例3の車上装置のATC受信部11の構成を示すブロック図である。
【0045】
列車が駅と駅の間に停止してしまう一因として、機器の完全な故障の他に、機器自体は正常であっても保護動作による機能の一時的停止が発生することが考えられる。
【0046】
保護動作による機能の一時的停止の場合、機器をリセットすると、機器自体は復旧する場合が多い。したがって、リセット指令さえ遠隔指令により与えられれば、停止中の列車に要員を敢えて派遣し、乗り移り処理する必要が無い場合が多く、列車の運転再開までの時間を短縮できる。
【0047】
図15は、実施例3の現示速度信号と変調周波数との対応関係の一例を示す図表である。本実施例3では、ATC信号にリセット指令信号RES0を含ませて伝送し、遠隔的に再出発指令できるようにする。
【0048】
図11に示すように、リセット指令は、運行制御システム51からATC地上装置31に入力される。運行制御システム51では、指令員が、図示しない指令卓の遠隔リセットスイッチを操作し、リセット指令を発生させる。このリセット指令は、ATC地上装置31に入力され、周波数f6が選択される。実施例3においては、周波数f5,f6ともに、ATC現示速度信号0km/hを示す。リセットが扱われるべき状態は、列車が停止中であることが望ましいため、リセットが現示速度信号ゼロにおいてなされても、何ら不都合は生じない。
【0049】
リセット指令は、図12に示すように、車上においてATC受信器部11で受信される。変調周波数f5,f6に対しては、いずれが受信された場合でも、論理和15によって、現示速度信号0km/hが、ATC受信部11から出力されるが、周波数f6が受信された場合のみ、ATC受信部11から、リセットの対象となるブレーキ装置5,駆動装置6などの機器に、リセット指令が出力される。
【0050】
本実施例3によれば、他の伝送手段を新たに設けることなく、ATC装置にわずかな付加機能を追加するだけで、駅と駅の間に存在する列車に対して、リセット指令を出すことが可能になり、設備の新設および保守費用を大幅に削減できる。
【0051】
なお、リセット対象となる機器は、図示のブレーキ装置5,駆動装置6に限らず、ATC制御部3やATO制御部4を含め、種々の車上機器であってもよい。
【0052】
また、本実施例3の場合も、図8に示した実施例2における第2選択部33のような構成を採用すると、種々の現示速度信号を再出発指令に対応して送信できるようになることは明らかであろう。そのため、で現示速度信号25km/hのみに限定されていた再出発指令速度の制限が無くなり、より自由度の高い再出発制御を実現できる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、ATCループによって、駅間においても任意の位置で、列車に対して、再出発指令を与えることができるため、他の伝送手段を必要とせず、経済的に有利な自動列車運転システムを実現できる。
【0054】
また、現示速度信号0km/hを除く全ての現示速度信号に対して2つの変調周波数を割り当てると、種々の現示速度信号を再出発指令に対応して送信できるようになるので、再出発指令速度の制限が無くなり、より自由度の高い再出発制御を実現できる。
【0055】
さらに、ATC信号にリセット指令信号を含ませて伝送すると、駅と駅の間に存在する列車に対して、リセット指令を出すことが可能になり、設備の新設および保守費用を大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動列車運転システムの実施例1における車上装置の系統構成を示すブロック図である。
【図2】駅定位置伝送ループ7と駅定位置伝送用車上アンテナ8との関係およびATCループ1とATC車上アンテナ9との関係を示す斜視図である。
【図3】実施例1の地上装置の系統構成を示すブロック図である。
【図4】実施例1のATC地上装置31の構成を示すブロック図である。
【図5】一般的な現示速度信号と変調周波数との対応関係の一例を示す図表である。
【図6】実施例1の現示速度信号と変調周波数との対応関係の一例を示す図表である。
【図7】実施例1の車上装置のATC受信部11の構成を示すブロック図である。
【図8】実施例2のATC地上装置31の構成を示すブロック図である。
【図9】実施例2の車上装置のATC受信部11の構成を示すブロック図である。
【図10】実施例2の現示速度信号と変調周波数との対応関係の一例を示す図表である。
【図11】実施例3の地上装置の系統構成を示すブロック図である。
【図12】実施例3の車上装置の構成を示すブロック図である。
【図13】実施例3のATC地上装置31の構成を示すブロック図である。
【図14】実施例3の車上装置のATC受信部11の構成を示すブロック図である。
【図15】実施例3の現示速度信号と変調周波数との対応関係の一例を示す図表である。
【符号の説明】
1 ATCループ
2 ATOデータ伝送車上部
3 ATC制御部
4 ATO制御部
5 ブレーキ装置
6 駆動装置
7 駅定位置伝送ループ(駅ループ)
8 駅定位置伝送用アンテナ
9 ATC車上アンテナ
10 速度発電機
11 ATC受信部
13 搬送波バンドパスフィルタ
14 変調波バンドパスフィルタ
15 論理和
21 車両
31 ATC地上装置
32 変調周波数発生器
33 第2選択部
34 第1選択部
35 変調器
36 キャリア周波数発生器
41 ATOデータ伝送地上部
51 運行制御システム
61 連動装置
71 列車検知系

Claims (4)

  1. 自動運転列車の進路上の障害を検知し安全に走行可能な速度を前記列車の自動列車制御(ATC)制御部に与えるATC装置と、前記列車の自動列車運転(ATO)制御部に対してブレーキ装置の制御および駆動装置の加速/減速を指示し自動運転させる自動列車運転(ATO)装置とを地上に有する自動列車運転システムにおいて、
    前記自動運転列車が駅間で停止した場合に前記ATC装置を経由して予め定められた特定の現示速度信号を送信する手段を地上側に備え、
    車上のATC系統が、前記特定の現示速度信号を受信した場合に当該現示速度信号を再出発指令と解釈して前記ATO制御部に転送し、
    前記ATO制御部が、前記再出発指令に基づいて前記列車のブレーキ装置の解除および駆動装置の加速を指令する回路を備えたことを特徴とする自動列車運転システム。
  2. 請求項1に記載の自動列車運転システムにおいて、
    前記再出発指令と解釈される現示速度信号が、速度ゼロを除くATC現示速度信号の少なくとも2つの現示速度信号であり、
    前記ATC系統が、地上からの指令に基づいてそれら複数の現示速度信号のいずれかを選択し、再出発時の現示速度信号とする手段を備えたことを特徴とする自動列車運転システム。
  3. 自動運転列車の進路上の障害を検知し安全に走行可能な速度を前記列車の自動列車制御(ATC)制御部に与えるATC装置と、前記列車の自動列車運転(ATO)制御部に対してブレーキ装置の制御および駆動装置の加速/減速を指示し自動運転させる自動列車運転(ATO)装置とを地上に有する自動列車運転システムにおいて、
    前記自動運転列車が駅間で停止した場合に前記ATC装置を経由して予め定められた特定の現示速度信号を送信する手段を地上側に備え、
    車上のATC系統が、前記特定の現示速度信号を受信した場合に当該現示速度信号をリセット指令と解釈し、前記列車の各機器においてリセット処理を実行する回路を備えたことを特徴とする自動列車運転システム。
  4. 請求項3に記載の自動列車運転システムにおいて、
    前記リセット指令と解釈される現示速度信号が、速度ゼロを除くATC現示速度信号の少なくとも2つの現示速度信号であり、
    前記ATC系統が、地上からの指令に基づいてそれら複数の現示速度信号のいずれかを選択し、再出発時の現示速度信号とする手段を備えたことを特徴とする自動列車運転システム。
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