JP3665404B2 - 塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の塗布量に夫々対応した塗布条件に基づきシリンジに貯溜された塗布剤をノズルを介して基板に塗布すると共に、前記塗布条件毎の塗布量を検出するために当該塗布条件で塗布剤を塗布する塗布装置及び塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種塗布装置として、特開平6−169159号公報に記載されたものが知られている。この従来技術によれば、シリンジに貯溜されている塗布剤としての接着剤は圧縮空気が所定時間シリンジに加えられることによりプリント基板の所定の位置に塗布されるが、基板の位置によって塗布すべき塗布剤の量が異なるため、塗布量を制御しているが、その制御は圧縮空気の空気圧とその空気を加える時間である吐出時間を制御することにより行われている。
【0003】
この空気圧と吐出時間の塗布条件は塗布条件データとして記憶され、各塗布条件データは所定の塗布すべき目標量に対応している。この塗布条件データによってその設定された目標量の塗布量を各塗布動作毎に塗布しようとするのであるが、シリンジ内の接着剤の残量が変化すると、最初に設定した塗布条件データの通りに塗布しても塗布量が得られないために塗布条件データの吐出時間を補正する必要があるが、そのため生産のための塗布動作とは別に所定の塗布条件で接着剤を塗布してその量をカメラで認識して検出し、目的量となるよう補正すべき吐出時間を算出している。
【0004】
この場合に、塗布条件毎に接着剤を前記基板とは別の検出板(認識板)に塗布して認識して吐出時間の補正時間を算出することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来技術では、塗布条件毎に接着剤を塗布してこれをカメラの位置まで相対的に移動させて認識するため、塗布のためのノズルの移動及びカメラまでの移動に時間が掛かり生産に起用しない時間のロスが大きくなるという欠点があり、また1つの塗布条件による塗布のデータのみしか補正量の算出に使用しないために正確な補正量をえることができない恐れがあった。
【0006】
そこで本発明は、塗布剤の塗布量の認識に掛かる時間を短縮し、また正確な塗布条件の補正を行うことができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、種々の塗布量に夫々対応した塗布条件に基づきシリンジに貯溜された塗布剤をノズルを介して基板に塗布すると共に、前記塗布条件毎の塗布量を塗布量検出手段に検出させるために当該塗布条件で塗布剤を塗布する塗布方法または塗布装置において、同一のノズルが複数の塗布条件で連続して塗布剤を塗布した後に前記検出手段に検出可能な位置に塗布された塗布剤を相対的に移動させ、または移動させる相対移動手段を設けたものである。
【0008】
また本発明は、塗布量の検出のために塗布剤の塗布を行う場合にはシリンジに圧縮空気を加える時間である吐出時間の少ない塗布条件の順番に塗布させるかまたは、シリンジに加える圧縮空気の圧力の低い塗布条件の順番に塗布させるようにしたものである。
また本発明は、種々の塗布量に夫々対応した塗布条件に基づきシリンジに貯溜された塗布剤をノズルを介して基板に塗布すると共に、前記塗布条件毎の塗布量を塗布量検出手段により検出するために当該塗布条件で塗布剤を塗布する塗布方法または塗布装置において、同一のノズルが複数の塗布条件で連続して塗布剤を塗布した後に前記検出手段に検出可能な位置に塗布された塗布剤を相対移動手段により相対的に移動させるようにし、また相対的に移動させる相対移動手段を設け、且つ塗布条件毎に検出された複数の塗布量のデータ及び当該複数の塗布条件のデータを用いて夫々の塗布条件に対応する塗布すべき塗布量となるように塗布条件を補正するデータを算出するようにし、また算出する算出手段を設けたものである。
【0009】
また本発明は、シリンジに貯溜された塗布剤を空気圧によりノズルを介して設定された空気圧と該空気圧を加える吐出時間よりなる塗布条件を種々変更して所望の量を吐出させ基板に塗布すると共に、前記塗布条件による塗布量を塗布量検出手段により検出するために所定のタイミングで当該塗布条件で塗布剤の塗布を行う塗布装置において、同一のノズルが複数の塗布条件で連続して塗布剤を塗布した後に前記検出手段に検出可能な位置に塗布された塗布剤を相対移動手段により相対的に移動させ、空気圧が同一である塗布条件毎に前記検出手段により検出された複数の塗布量及び複数の吐出時間より導かれる関係式を用いて所望量の塗布量を得るための塗布条件を算出する算出手段を設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施形態を図に基づき詳述する。
図2において、1はプリント基板であり、X軸モータ2及びY軸モータ3の駆動によりXY方向に移動する相対移動手段としてのXYテ−ブル4上に載置される。5は塗布ユニットであり、シリンジ7内に貯蔵された塗布剤としての接着剤を前記基板1上に該シリンジ7に取り付けられた塗布ノズル6を介して塗布する。該塗布ユニット5はノズル6が取り付けられたシリンジ7を4本備え、該ノズル6のうち使用されるべきノズル6が選択され、図示しないノズル上下機構により昇降し、基板1上にノズル6の先端に吐出された接着剤が塗布される。
【0011】
シリンジ7の上端からは後述するエア通路30が圧縮空気源に連通され、その途中には夫々のシリンジ7に加えられるべき空気の圧力を設定するため夫々のシリンジ7毎に設けられた後述するレギュレータ26及びシリンジ7へ圧縮空気を加えるか大気に開放するかを切り替える後述する吐出バルブ27が設けられている。前記プリント基板1は供給コンベア11によりXYテ−ブル4上に送り込まれ、XYテ−ブル4上の基板1は排出コンベア12により下流の装置に排出搬送される。XYテ−ブル4上には図3に示すように供給コンベア11より基板1を受け渡される固定シュート13及び可動シュート14が設けられ、該シュート13、14上で基板1は位置決め固定されて接着剤の塗布がなされる。可動シュート14には認識板16が取り付けられており、接着剤の捨て打ち塗布及び認識のための塗布がなされる。捨て打ち塗布とは、長時間使用しなかったノズル6を用いて基板1上に接着剤の塗布を行おうとする前等に、該認識板16上に接着剤の塗布を行うもので、接着剤がノズル6から垂れた状態のまま、基板1への塗布動作を行うと接着剤の塗布量が変わってしまうため、または接着剤が固まってしまうと適当な塗布量がでなくなるため、これらを防ぐために行われる。また、認識のための塗布が認識板16に行われると、塗布ユニット5に設けられた検出手段としての認識カメラ8がこの塗布された接着剤を認識し、その塗布径が認識される。接着剤は略円形に塗布されるため、その塗布径を認識することにより接着剤の塗布量を認識することになる。
【0012】
前記固定シュート13は固定されているが、前記可動シュート14は固定シュート14に対して接離可能に移動し、基板1の搬送方向に直交する幅方向が基板種により変更したときに対応できるようになされ、認識板16は可動シュート14に取りつけられているため、可動シュート14の移動に伴い認識板16も移動する。尚、本実施形態では、認識板16を基板1とは別に設けて、捨て打ち塗布及び認識のための塗布を行うようにするが、基板1の生産のための塗布以外の場所に接着剤の塗布を行うようにしてもよい。
【0013】
次に、図4に基づいて、塗布装置の制御ブロック図について説明する。
20はCPUであり、RAM21に記憶された各種データに基づき、ROM22に記憶された制御用のプログラムに従って塗布装置の塗布作業に係わる各種動作を統括制御する。CPU20が接続されたバスライン23にはインターフェース24を介してX軸モータ2、Y軸モータ3、認識カメラ8、レギュレータ26及び吐出バルブ27に接続されている。また、インターフェース24には種々の画面を表示するCRT28も接続されている。また、圧縮空気の通路であるエア通路30がレギュレータ26及び吐出バルブ27からシリンジ7内に連通している。尚、図4ではレギュレータ26及び吐出バルブ27は1個ずつ記載してあるが、シリンジ7毎に設けられているものであり、シリンジ7の数だけ設けてある。
【0014】
NCデータは基板種毎に作成され図5のものは基板種「AAA」に対応するものである。NCデータは基板サイズ(XY方向のサイズ及び厚さサイズ)等のデータからなるオペレーションデータ、塗布ステップデータ及び塗布条件データとより構成されている。塗布装置は該塗布ステップデータのステップ毎に該ステップに支持されるデータに従って塗布すべき位置に塗布すべき量の接着剤を塗布するものであるが、該ステップに示す塗布データ名は塗布条件データの塗布条件毎に付された番号てあり、該塗布データ名より塗布条件データの対応する塗布条件を示す各データが選択される。該塗布条件にはノズル6のノズルID(4個のノズル6のうちのいずれかの位置のノズル6かを示し、図示しない他のデータにより吐出孔の数、ストッパと吐出孔との高さのギャップ等ノズル種がわかるようになされている。)、吐出時間(空気圧をシリンジ7に加える時間)、シリンジに加えるべき空気圧を示す吐出圧力、塗布すべき目標の塗布量を示す塗布量のデータ及びゲージ(シリンジ7毎に設けられた前記レギュレータ26を示す番号である。)等のデータが格納されている。
【0015】
塗布条件データ名はアルファベット、数字及びその他の記号により構成され、1つのNCデータの中だけで特定されるのみでなく、他のNCデータにても共通に用いられるものであり、従ってこのデータ名は1つのNCデータ内で連番でつけられるものではない。この塗布条件データはライブラリとして所定の記憶媒体に一括して記憶され、NCデータを作成するときに、このライブラリより読み出されて使用されるものである。
【0016】
以下に塗布条件データの設定について説明する。
図示しない操作部を操作してCRT28に塗布条件データを設定する図6に示すような画面を表示させ、ノズルIDの設定、目標とする塗布量の設定(塗布径の直径及び接着剤の重量で)、目標となる塗布量を得るための初期値としての吐出時間等のデータを設定する。この設定の前に図示しない画面にて塗布条件毎に塗布データ名が指定される。
【0017】
設定塗布直径の無補正許容範囲はプラス側(補正量が多い側)及びマイナス側に夫々目標の塗布量に対する百分率で許容できる範囲を示すものであるが、許容できる場合には、補正データを算出することなく、現在の塗布条件を変更しないようにするものである。また、吐出圧力のデータもこの画面で設定する。
また、続いて、図7に示すような設定画面をCRT28に表示させ、塗布量補正機能の機能選択を「使用する」または「使用しない」に設定する。「使用する」に設定すると所定のタイミングでの塗布量の確認動作即ち、認識板16に接着剤を塗布して認識カメラ8でその塗布径(塗布量)を認識して塗布量を補正するデータを算出する図1のフローチャートで示す動作を行う。この図1に示すフローチャートの動作を実行するためのプログラムはROM22に格納されている。
【0018】
モード設定は「オープン」または「クローズ」の設定が可能であるが、「クローズ」に設定すると、塗布量認識して補正データの算出を行った結果に基づき再度接着剤の塗布を行い、補正データにより正しい塗布量が得られるかどうかを確認する動作を行う。確認塗布回数は認識のための塗布する回数を設定するものであり、この回数だけ塗布してそれぞれの塗布量を認識して補正データの算出に使用される。
【0019】
次に、CRT28を図8に示すような画面に替え、塗布量確認動作条件を設定する。
即ち、確認動作の起動条件である動作条件として、実塗布回数、基板枚数または、この2つの条件のいずれかが成立したときに起動させる全条件の3つの条件のうちより選択してシリンジ7毎に設定することができ、シリンジ7毎即ちノズル6毎に設定した条件が成立するかが、CPU20により判断されることとなる。
【0020】
実塗布回数とは、1回の確認動作を行った後NCデータの塗布ステップデータに応じた塗布をした回数を計数して設定した回数となったかどうかを見るものであり、基板枚数とは、塗布ステップデータに従って塗布して仕上げた基板の枚数を設定するものである。
また、CRT28の画面を図9に示すような画面としてシリンジ7毎即ちノズル6毎に認識繰返し回数を設定すると、前述するように塗布量補正機能のモード設定を「クローズ」にした場合の再度補正した塗布量を確認して、前記無補正範囲に入らない場合に確認する回数の限度の値となる。
【0021】
このように設定された塗布条件のデータはライブラリに記憶され、またこのような塗布条件のデータが通常複数選択されてNCデータの塗布条件データとして格納される。
次に、このような設定状態で塗布装置の生産運転動作について説明する。
CPU20はNCデータの塗布ステップデータの塗布ステップを読み出し、該ステップの塗布データ名より塗布条件データの該当する各塗布条件のデータを読み出す。
【0022】
次に、指定の位置データの示す位置にXYテ−ブル4を移動させ、指定のノズルIDのノズル6を下降させ、レギュレータ26をデータで示す値とし、吐出バルブ27をデータの時間開放して、指定の吐出時間接着剤を吐出させる。このようにして基板1上の指定の位置に接着剤が塗布される。即ち、ステップM001ならば、ノズルID「1110」のノズル6について圧力P1で吐出時間5msecの間バルブ27を所定のタイミングで圧縮空気側に切替え圧縮空気をシリンジ7内に加える。
【0023】
このようにして塗布ステップデータのステップ毎に接着剤の塗布が行われる。
このようにして、基板1が1枚完成すると、基板枚数のカウントがなされ、該基板1は排出コンベア12により排出搬送される。
排出された基板1の接着剤が塗布された個所には次の電子部品自動装着装置でチップ状電子部品が装着され該部品は接着剤により基板に仮固定される。
【0024】
このようにして、あるシリンジ7について図8に示すような画面で設定された基板枚数の動作条件に達すると、この回数を計数して塗布量確認動作条件になったことがCPU20に判断され、図1に示す塗布量確認動作がこのシリンジ7について行われる。
即ち、この動作条件となったシリンジ7についての塗布条件をCPU20は塗布条件データより読み出し、それらの条件について、吐出時間及び吐出圧力のデータの順に認識板16に接着剤を塗布していく。このときに、認識用の塗布に先だって前記捨て打ち塗布を行うようにしてもよい。
【0025】
この塗布の順番は先ず、塗布条件データより吐出圧力が一番低い塗布データ名が選ばれ、これが複数ある場合にはこの中で吐出時間が一番少ないデータのものから、確認塗布回数分だけ、塗布されていく。
このように、吐出時間が小さな順及び吐出圧力が低い順に塗布されていくのは、接着剤の吐出量が小さな順に塗布していきたいためである。
【0026】
なぜ小さな順がよいかについて説明する。ノズル6から吐出された接着剤は基板1にその全てが塗布されるのが理想であるが、全てが基板1上に付着せず、一部がノズル6に持ち帰られてしまうことが往々にして発生する。するとその持ち帰られた接着剤に加えて次に塗布すべき量分だけ接着剤が吐出されるわけであり、次回の塗布量は持ち帰り量だけ多くなってしまうわけである。従って、前の塗布時に持ち帰る量が多ければ多いほどその次の塗布時に塗布すべき量に対して多い量の接着剤が塗布されることとなり差が大きくなる。全体としての吐出量が多ければ持ち帰る可能性のある量も多くなるわけで、前回の塗布量は小さければ小さいほどその次への影響が少ない。また、次回の塗布すべき塗布量が大きいほうが、同じ量を持ち帰ったとしても次回の塗布量に対する割合としての誤差は小さくなる。このため、接着剤の塗布量は前回の塗布時よりも多くすることが必要でなり、全ての塗布時にこのようにするには、塗布量の小さい順番に塗布することとなるものである。
【0027】
図5に示されるデータで圧力P1が圧力P2よりも小さい場合であれば、ノズルID「1110」を有するシリンジ7(シリンジ#1)について動作条件が成立すると塗布データ名AABBの圧力P1、吐出時間5msecで接着剤の塗布が行われ、次に連続して同じノズル6について塗布データ名ACOBの圧力P1、吐出時間10msecで接着剤の塗布が行われる。次に、塗布データ名B002の圧力P2、吐出時間10msecでの塗布、続いて塗布データ名DOABの圧力P2、吐出時間15msecでの塗布が行われる。これらの塗布位置は認識板16内でXYテ−ブル4の移動距離が短くなるよう、順次隣の位置に他の塗布点がカメラ視野に入らないような所定の間隔を空けて塗布していく。
【0028】
このようにして、同一のノズル6についての認識板16への塗布量確認塗布が終了すると、XYテ−ブル4の移動により塗布した接着剤の各位置に認識カメラ8が位置させられ、各塗布点の塗布量が認識されていく。これらの認識結果は、RAM21の所定領域にいずれの塗布データ名のものであるかが分かるように格納されこれらのデータに基づき塗布条件データの補正がなされる。
【0029】
この認識結果が図10に示されるようなグラフに示されるものとする。
先ず、CPU20は各塗布データ名毎に認識径(認識された塗布径)を目的とする塗布量となる塗布径と比較して無補正許容範囲に入っているかどうかについて確認し、無補正許容範囲に入っているデータ名の吐出時間のデータは補正せず現在のものを変更しない。目的とする塗布量となる塗布径が図10に記載する設定径であり、各設定径の点を結んだグラフが理論値のグラフであり、認識した塗布径である認識径を結ぶグラフが実測値のグラフである。
【0030】
また、認識径が他の設定径の無補正許容範囲に入っていないかの判断も行い、入っていれば、この認識径をその他の設定径についての補正データとして採用してRAM21内に格納する。
次に、無補正許容範囲に入っていないものについて、この複数の塗布条件より形成された実測値のグラフを基に補正データの算出を行う。
【0031】
即ち、
MinRD=(「設定径<認識径」の中で最小の認識径)
MaxRD=(「設定径>認識径」の中で最大の認識径)
MinT =(「設定径<認識径」の中で最小の認識径の吐出時間)
MaxT =(「設定径>認識径」の中で最大の認識径の吐出時間)
とすると、設定径を得られるであろう吐出時間は、以下のようになる。
【0032】
【数1】
Figure 0003665404
【0033】
図10で例えば設定径Bの吐出時間を算出する場合には、認識径DをMinRDとし、認識径BをMaxRDとし、認識径Bを得るために使用した吐出時間をMaxTとし、認識径Dを得るために使用した吐出時間をMinTとして夫々の吐出時間のデータよりこの関係式より求めることとなる。
但し、同じ吐出圧力についての吐出時間の算出には同じ吐出圧力について作成したグラフを使用するものである。
【0034】
ある吐出圧力についての塗布条件が1つのみで塗布された場合には、グラフを作成することができないので、もう1つの吐出時間を設定してグラフが作成できるように接着剤の塗布を行う。また、吐出時間を算出したい設定径の両側に塗布径がない場合には、近くにある2つの塗布点を結ぶグラフより求めるようにすればよい。
【0035】
このようにして、このノズル6に対する全ての吐出時間が算出されると、新しい吐出時間にて再度確認のための塗布動作が認識板16に連続して行われる。この時に、すでに無補正範囲にあることが確認された塗布条件データについての塗布は行われない。
次に、再度これらの塗布点についての塗布量の認識がなされ、新しい塗布径と吐出時間とのデータがRAM21内に加えられ、夫々の認識径が無補正許容範囲にあるかどうかが確認される。無補正許容範囲にないものについては、図10のグラフはさらに多くのデータを持つグラフとなり、この新しいグラフに基づき再度吐出時間が算出される。
【0036】
吐出時間のデータは無補正許容範囲に入っていることが確認される毎に塗布条件データの吐出時間のデータとして格納され、全ての塗布条件について無補正許容範囲に入っていることが確認されると塗布量確認動作は終了して、生産のためのNCデータの塗布ステップデータに従った塗布動作が新しくXYテ−ブル4上に載置された基板1について行われる。
【0037】
ここで複数のノズルについて、塗布量確認動作条件が成立していれば、1つのノズル6についての確認動作が終了してから次のノズル6についての確認動作がなされる。
尚、図10のグラフでは2つの隣り合う塗布点について吐出径と塗布径(塗布直径)は一次関数の関係にあるものとし、吐出時間の算出を行ったが、グラフの各点から2次関数などより特性にあった曲線のグラフを設定して算出を行ってもよい。
【0038】
また、NCデータ内の塗布条件データにおける吐出時間のデータを塗布量認識して算出した新しいデータで逐次置き換えるようにしたが、この吐出時間のデータは固定のものとして、別にこの吐出時間のデータと対で補正時間のデータを記憶できるようにして、吐出時間と補正時間を加えた時間を実際に圧縮空気をシリンジに供給するために吐出バルブ27を開く時間としてもよく、この場合にはこの補正時間を塗布量認識後に新しい吐出時間を算出したときに変更するようにすればよい。
【0039】
また、本実施形態のように設定径(設定された塗布量)を得るための塗布条件である吐出時間を複数の塗布条件である複数の吐出時間とその塗布径から算出するようにしたが、塗布条件としては他の例えば吐出圧力を複数値について基にして設定径を得るための吐出圧力を求めるようにしてもよく、この場合には吐出時間は固定して算出するようにしたほうがよい。または、吐出時間、吐出圧力ともに変数としてその設定径を得るための条件を算出するようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明は、同一のノズルの複数の塗布条件について連続して塗布剤の塗布を行ってから検出手段の検出可能な位置に塗布剤を移動させるようにしたから、塗布条件毎に塗布剤の塗布を行って検出手段の検出位置に移動させる場合に比較して移動のロスを無くすことができ塗布剤の塗布量の認識に掛かる時間を短縮することができる。
【0041】
また、本発明は、塗布剤の塗布量の検出のための塗布を行う場合にシリンジに圧力を加える時間である吐出時間の短い順またはその圧力の小さい順に塗布していくので、ノズルの塗布剤の持ち帰りによる次の塗布時の塗布量が影響されることを無くすことができ、正確な塗布量を塗布することができ、検出を正確に行うことができる。
【0042】
また、本発明は、同一のノズルが複数の塗布条件で連続して塗布剤を塗布した後に前記検出手段に検出可能な位置に塗布された塗布剤を相対移動手段により相対的に移動させるようにし、複数の塗布条件のデータ及びその塗布量のデータを用いて夫々の塗布条件に対応すべき塗布量となるよう塗布条件を補正するデータを算出するから、または空気圧が同一である塗布条件毎に前記検出手段により検出された複数の塗布量及び複数の吐出時間より導かれる関係式を用いて所望量の塗布量を得るための塗布条件を算出するから、塗布条件毎に塗布剤の塗布を行って検出手段の検出位置に移動させる場合に比較して移動のロスを無くすことができ塗布剤の塗布量の認識に掛かる時間を短縮することができるとともに、1つの塗布条件のデータとその塗布量のデータにのみ基づき塗布条件の補正データを算出する場合に比較して正確に補正データを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布条件データ塗布量確認動作のフローチャートを示す図である。
【図2】塗布装置の正面図である。
【図3】XYテ−ブルを示す平面図である。
【図4】塗布装置の制御ブロック図である。
【図5】NCデータを示す図である。
【図6】塗布条件データを設定する画面の図である。
【図7】塗布条件データを設定する画面の図である。
【図8】塗布量確認設定画面を示す図である。
【図9】塗布量確認設定画面を示す図である。
【図10】塗布量認識結果のグラフを示す図である。
【符号の説明】
1 プリント基板
6 塗布ノズル
7 シリンジ
8 認識カメラ(塗布量検出手段)
20 CPU(算出手段)
27 吐出バルブ

Claims (9)

  1. 種々の塗布量に夫々対応した塗布条件に基づきシリンジに貯溜された塗布剤をノズルを介して基板に塗布すると共に、前記塗布条件毎の塗布量を塗布量検出手段に検出させるために当該塗布条件で塗布剤を塗布する塗布装置において、
    同一のノズルが複数の塗布条件で連続して塗布剤を塗布した後に前記検出手段に検出可能な位置に塗布された塗布剤を相対的に移動させる相対移動手段を設けたことを特徴とする塗布装置。
  2. 種々の塗布量に夫々対応した塗布条件に基づきシリンジに貯溜された塗布剤をノズルを介して基板に塗布すると共に、前記塗布条件毎の塗布量を塗布量検出手段に検出させるために当該塗布条件で塗布剤を塗布する塗布方法において、
    同一のノズルが複数の塗布条件で連続して塗布剤を塗布した後に前記検出手段に検出可能な位置に塗布された塗布剤を相対的に移動させるようにしたことを特徴とする塗布方法。
  3. 塗布量の検出のために塗布剤の塗布を行う場合にはシリンジに圧縮空気を加える時間である吐出時間の少ない塗布条件の順番に塗布させるようにすることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  4. 塗布量の検出のために塗布剤の塗布を行う場合にはシリンジに圧縮空気を加える時間である吐出時間の少ない塗布条件の順番に塗布させるようにすることを特徴とする請求項2に記載の塗布方法。
  5. 塗布量の検出のために塗布条件の塗布剤の塗布を行う場合にはシリンジに加える圧縮空気の圧力の低い塗布条件の順番に塗布させるようにすることを特徴とする請求項1または3に記載の塗布装置。
  6. 塗布量の検出のために塗布条件の塗布剤の塗布を行う場合にはシリンジに加える圧縮空気の圧力の低い塗布条件の順番に塗布させるようにすることを特徴とする請求項2または4に記載の塗布方法。
  7. 種々の塗布量に夫々対応した塗布条件に基づきシリンジに貯溜された塗布剤をノズルを介して基板に塗布すると共に、前記塗布条件毎の塗布量を塗布量検出手段により検出するために当該塗布条件で塗布剤を塗布する塗布装置において、
    同一のノズルが複数の塗布条件で連続して塗布剤を塗布した後に前記検出手段に検出可能な位置に塗布された塗布剤を相対的に移動させる相対移動手段と、塗布条件毎に前記検出手段により検出された複数の塗布量のデータ及び当該複数の塗布条件のデータを用いて夫々の塗布条件に対応する塗布すべき塗布量となるように塗布条件を補正するデータを算出する算出手段を設けたことを特徴とする塗布装置。
  8. 種々の塗布量に夫々対応した塗布条件に基づきシリンジに貯溜された塗布剤を空気圧でノズルを介して吐出させ基板に塗布すると共に塗布条件毎に塗布剤を塗布してその塗布量を塗布量検出手段により検出し、その塗布条件を補正して次回の塗布を行う塗布方法において、
    同一のノズルが複数の塗布条件で連続して塗布剤を塗布した後に前記検出手段に検出可能な位置に塗布された塗布剤を相対移動手段により相対的に移動させ、塗布条件毎に前記検出手段により検出された複数の塗布量のデータ及び当該複数の塗布条件のデータを用いて夫々の塗布条件に対応する塗布すべき塗布量となるように塗布条件を補正するデータを算出するようにしたことを特徴とする塗布方法。
  9. シリンジに貯溜された塗布剤を空気圧によりノズルを介して設定された空気圧と該空気圧を加える吐出時間よりなる塗布条件を種々変更して所望の量を吐出させ基板に塗布すると共に、前記塗布条件による塗布量を塗布量検出手段により検出するために所定のタイミングで当該塗布条件で塗布剤の塗布を行う塗布装置において、
    同一のノズルが複数の塗布条件で連続して塗布剤を塗布した後に前記検出手段に検出可能な位置に塗布された塗布剤を相対移動手段により相対的に移動させ、空気圧が同一である塗布条件毎に前記検出手段により検出された複数の塗布量及び複数の吐出時間より導かれる関係式を用いて所望量の塗布量を得るための塗布条件を算出する算出手段を設けたことを特徴とする塗布装置。
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