JP3665007B2 - ガスタービン燃焼器のプレートフィン構造及びガスタービン燃焼器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン燃焼器の壁面冷却に使用されるガスタービン燃焼器のプレートフィン構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、ガスタービンの燃焼器周辺構造を示す断面図であり、図中の符号1は空気圧縮機、2は燃焼器、3は燃料ノズル、4は尾筒、5はタービン、GTはガスタービンである。
このガスタービンGTでは、空気を吸入して空気圧縮機1で圧縮する。この圧縮空気は燃焼空気として燃焼器2に供給され、燃料ノズル3から供給される燃料を燃焼させる。こうして生成された高温高圧ガスが尾筒4からタービン5に供給されると、タービン5のケーシング側に固定された静翼と回転軸側に固定された動翼との間で膨張しながら通過するので、動翼側の回転軸が回転して外部へ軸出力を取り出すことができる。
【0003】
このようなガスタービンGTの燃焼器2においては、高効率化を図るためにより高温高圧の燃焼ガスを生成してタービン5へ供給することが求められている。このため、より高温に曝される条件で運転することになるため、壁面等の冷却が重要になってくる。
そこで、燃焼器2の外壁面として壁面冷却に用いられる従来のプレートフィン10を図11及び図12に示して簡単に説明する。このプレートフィン10は、燃焼器2の外壁面に冷却空気CAを導入し、この冷却空気CAを用いた対流冷却及びフィルム冷却の併用によって壁面冷却を行うように構成された複合冷却構造を有している。なお、ここで使用する冷却空気CAは、空気圧縮機1から燃焼器2に供給される圧縮空気の一部を導入したものである。
【0004】
上述したプレートフィン10は、板状部材のフィンリング11と、該フィンリング11の裏面側に突出して多数設けられたフィン12と、フィンリング11の外周(裏面)側を囲むシェル13とにより構成される。矩形断面としたフィン12は所定の間隔をもって平行に配列され、隣接するフィン12間には対流冷却を行う冷却空気流CA1の流路となる溝部14が形成されている。各フィン12は燃焼器軸線方向(流れ方向)に一定の高さとされ、その上面とシェル13との間には、停止時/運転時の温度差によって生じるフィンリング11及びフィン12の熱変形を考慮した隙間が形成されている。なお、プレートフィン10を囲むシェル13は、流れ方向下流側に拡径する段差状に成形され、シェル13の各段差面13aには多数の冷却空気孔15が穿設されている。
【0005】
ここで、プレートフィン10を通過する冷却空気CAの流れについて、その作用と共に簡単に説明する。
空気圧縮機1から供給された圧縮空気は、その一部が冷却空気CAとして燃焼器2の外周面に導入される。この冷却空気CAは、燃焼器2の外壁面に沿って、すなわちプレートフィン10の外周面であるシェル13に沿って尾筒4側へ流れていく。
【0006】
上述した冷却空気CAの流れに対して、シェル13の段差面13aには溝部14と対をなすようにして冷却空気孔15が開口している。このため、冷却空気CAは、各冷却空気孔15からフィンリング11及びシェル13内の溝部14に流入し、フィンリング11を対流冷却する冷却空気流CA1を形成する。
そして、溝部14を出た冷却空気流CA1は、下流側に位置するフィンリング11の内周面(表面)に沿って流れ、同内周面をフィルム冷却する冷却空気流CA2となる。このように、冷却空気CAは燃焼器2の軸線方向において複数段階に形成されたプレートフィン10を通過し、対流冷却を行う冷却空気流CA1からフィルム冷却を行う冷却空気流CA2となって、燃焼器2の壁面冷却を行うように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガスタービンGTにおいては、近年の環境問題から燃焼器2より排出される窒素酸化物(NOx)などのエミッション低減が求められている。
このため、燃焼空気として使用する空気量が増加し、相対的に冷却空気CAとして壁面冷却に利用できる冷却空気量の確保が厳しい状況となる。従って、燃焼器2の壁面温度が上昇するという問題が生じてくるが、この理由は下記のように考えられている。
【0008】
(1)壁面冷却空気量が減少すると、溝部14の流路面積が一定の場合には、流速の低下により対流冷却等の効率が低下する。また、溝部14の流路面積を減少すると、寸法精度が冷却効果に敏感に影響するという問題が生じる。
(2)冷却空気量が減少すると、フィルム冷却を行う冷却空気流CA2の流速が低下するので、燃料が壁面上で燃焼して壁面を加熱しやすくなる。
(3)フィンの高さが一定のため、停止時/運転時の温度差による熱変形が生じることを考慮してフィン上端面とシェルとの間の隙間を定める必要がある。従って、特に上流側で隙間が大きくなる傾向にあり、対流冷却を行う冷却空気の流れが乱れて冷却効果を低下させる。
【0009】
このような背景から、冷却空気量を増加させることなくプレートフィンの冷却効果が向上するように、壁面上の流速を高く維持する、また、伝熱面積を増加することが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、壁面冷却構造の冷却性能を向上させ、少ない冷却空気量で効果的に冷却できるガスタービン燃焼器のプレートフィン構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1記載のガスタービン燃焼器のプレートフィン構造は、裏面側に多数のフィンが設けられたフィンリングの外周側をシェルで囲い、前記フィンリングと前記シェルとの間に導入した冷却空気が前記フィン間を流れて対流冷却を行うように構成されたガスタービン燃焼器のプレートフィン構造において、前記フィンは、前記フィンリングの裏面から突出する高さが燃焼器軸線方向下流側へ減少するよう傾斜し、停止時及び運転開始直後の低温状態では、前記フィンの上面と前記シェルとの間に形成される隙間は下流側ほど大きく、通常の運転状態では高温となって前記フィンリングが変形することで、前記フィンの上面と前記シェルとの間に形成される隙間はほぼ一定となることを特徴とするものである。
【0013】
このようなガスタービン燃焼器のプレートフィン構造によれば、フィンの高さHを燃焼器軸線方向下流側へ減少するよう傾斜させたので、高温に曝される運転時の熱変形によってフィンとシェルとの間の隙間が全長にわたって適切な値となり、対流冷却の熱伝達率を向上させることができる。
【0014】
請求項記載のガスタービン燃焼器のプレートフィン構造は、請求項1に記載のガスタービン燃焼器のプレートフィン構造において、前記フィンは、燃焼器軸線方向に対し傾斜して設けられたことを特徴とするものである。
【0015】
このようなガスタービン燃焼器のプレートフィン構造によれば、フィンの高さHを燃焼器軸線方向下流側へ減少するよう傾斜させたので、高温に曝される運転時の熱変形によってフィンとシェルとの間の隙間が全長にわたって適切な値となり、対流冷却の熱伝達率を向上させることができる。そして、フィンを燃焼器軸線方向に対し傾斜させて設けたので、傾斜方向と直交する断面形状及びフィンの数を同じにすれば、伝熱面積が傾斜分だけ増加する。また、軸線に垂直な断面を同じにすればフィン間の幅を狭くすることもできるので、流路断面積が減少した分だけ冷却空気の流速を高くすることができる。
【0016】
請求項記載のガスタービン燃焼器のプレートフィン構造は、請求項記載のものにおいて、前記フィンの先端出口部に燃焼器軸線とほぼ平行な面を形成してナイフエッジ形状としたものが好ましく、これにより、フィン出口部に空気の渦流が形成され、フィン先端での淀み点生成を防止でき、ここが過熱することはない。また、フィンを傾斜させて設置しているためフィルム空気流は旋回流を形成し、冷却空気流は次段壁面に沿う流れとなり境界層が薄くなり、壁面に燃料液滴が付着したときその蒸発が促進される。
【0017】
請求項記載のガスタービン燃焼器のプレートフィン構造は、請求項2または3に記載のものにおいて、前記フィンと交差する溝が設けられていることが好ましく、これにより、熱伝達率が高くなり冷却効果が高くなる。
【0018】
請求項記載のガスタービン燃焼器のプレートフィン構造は、請求項2から4のいずれかに記載のものにおいて、前記フィンは、燃焼器軸線方向と平行な領域を備えていることが好ましく、これにより、下流側を温度の低い冷却空気で対流冷却できるようになり、全体的な冷却温度差を小さくして熱応力を低減することができる。
【0019】
請求項記載のガスタービン燃焼器は、外壁面を請求項1から5のいずれかに記載のプレートフィン構造としたことを特徴とするものである。
【0020】
このようなガスタービン燃焼器によれば、壁面冷却性能の向上によって高温での運転が可能となるので、ガスタービンを高効率化することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガスタービン燃焼器のプレートフィン構造の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す各実施形態の説明では、図10ないし図12に示した従来構造と同一の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0022】
<第1の実施形態>
図1において、図中の符号10Aはプレートフィン、11はフィンリング、12Aはフィン、13はシェル、14は溝部、15は冷却空気孔、CAは冷却空気、CA1は対流冷却を行う冷却空気流、CA2はフィルム冷却を行う冷却空気流である。なお、ここで使用する図1は、従来技術で説明した図12に対応するものである。
【0023】
このプレートフィン10Aは、ガスタービン燃焼器の壁面冷却を行うため設けられたもので、裏面側に多数のフィン12Aが設けられ燃焼器軸線方向へ複数段接続したフィンリング11の外周側をシェル13で囲い、フィンリング11とシェル13との間に導入した冷却空気CAがフィン間の溝部14を流れて対流冷却を行うように構成されている。図10に示すように、空気圧縮機1から供給された冷却空気CAはシェル13の外周側を尾筒4側へ流れ、燃焼器軸線方向へ段階的に、そして円周方向へ配列されて設けられた冷却空気孔15から、順次溝部14へ流入する。
また、この冷却空気流CA1が溝部14を通過してフィンリング13の外周面(裏面)を対流冷却した後には、溝部14から流出した冷却空気流CA2が下流側にある次段のフィンリング13の内周面(表面)に沿って流れるので、フィンリング13の裏面側をフィルム冷却することができる。
【0024】
さて、この実施形態のフィン12Aは、燃焼器軸線方向に対し角度θだけ傾斜して設けられている。このように傾斜させたフィン12Aとすれば、フィン12Aの幅Wを従来と同じ値とした場合、フィン12Aが設けられるフィンプレート13の長さをL、溝部14の幅をAとすれば、伝熱面積S1は下記の式で示される。
S1=(L/cos θ)×A
従って、従来例として図12に示したθ=0度の伝熱面積をSとすれば、たとえばθ=45度に傾斜させた場合には、S1≒1.41Sと大幅に増加させることができる。
【0025】
このため、伝熱面積が増加した分だけ冷却空気流CA1による対流冷却の効率が増すので、冷却空気量CAを減少させても同等の冷却効果を得ることが可能になる。
あるいは、軸線に垂直な断面を従来のものと等しくなるように溝部14の幅Aを狭めると、同流量の冷却空気流CA1としても流路断面積が減少した分だけ流速を増加させることができるので、やはり冷却効果を向上させることができる。
【0026】
さて、上述した傾斜角度θは、概ね30度〜60度の範囲内、特に45度程度とするのが好ましい。図8は、プレートフィン角度θを変化させた場合の熱伝達比、伝熱面積比及び両者を組み合わせた時の伝熱比率を示したもので、θ=30度付近から比率が大きくなって顕著な効果が得られているのが分かる。また、θを60度以上に大きくすると、冷却空気流CA1が燃焼器軸線方向から燃焼器周方向へ近い流れとなるなど、流れ方向を大幅に変化させることとなって好ましくない。
【0027】
<第2の実施形態>
図2において、図中の符号10Bはプレートフィン、11はフィンリング、12Bはフィン、13はシェル、15は冷却空気孔、CAは冷却空気、CA1は対流冷却を行う冷却空気流、CA2はフィルム冷却を行う冷却空気流である。
この実施形態では、フィン12Bの上面が下流側へ行くほど低くなる傾斜面としてある。すなわち、フィン12Bは、フィンリング11の裏面から突出する高さHが燃焼器軸線方向下流側へ徐々に減少するよう傾斜して設けられている。
【0028】
このようなフィン12Bは、図12に示した傾斜角θ=0度の従来構造に適用可能なほか、図1に示した第1の実施形態の構造にも適用することができる。すなわち、フィン12Bの傾斜角度θについては、特に限定されることはない。
【0029】
このような形状のフィン12Bとすれば、停止時及び運転開始直後の低温状態では、図2(a)に示すように、フィン12Bの上面とシェル13との間に形成される隙間は下流側ほど大きくなり、下流側端部においては隙間がScと最大になる。しかし、通常の運転状態では高温となってフィンリング11が熱変形するので、図2(b)に示すように、フィン12Bの全長にわたってほぼ一定の隙間Shとすることができる。
【0030】
このため、対流冷却を行う冷却空気流CA1はフィン12Bに沿って乱れることなく流れるようになり、対流冷却の熱伝達率を向上させて効率よく冷却を行うことができる。従って、冷却空気量が減少しても、熱伝達効率が向上した分だけ冷却能力を補うことができる。
特に、フィン12Bの傾斜角度θを30度〜60度程度傾斜させれば、ずなわち、第1の実施形態に第2の実施形態を組み合わせた構成とすれば、前述した伝熱面積の増加による冷却効果の向上との相乗効果によって、より一層の対流冷却効果を向上させることができる。
【0031】
<第3の実施形態>
続いて、本発明に係る第3の実施形態では、図3に示すように、フィン12Cの先端出口部に燃焼器軸線とほぼ平行な面20を形成することにより、先端部が鋭角のナイフエッジ形状としてある。これは、図1に示した第1の実施形態のように、フィン12Aの先端部がフィンリング11の下流端とほぼ同一面を形成していると、渦流がフィン12Aの先端部で生じやすくなり、フィンリング11の近くで渦流と共に滞留する燃料が燃焼することによって、高温の熱影響を受けやすくなるのを防止するためである。
【0032】
従って、先端部がナイフエッジ形状のフィン12Cとすれば、冷却空気流CA1の旋回流がフィン12Cの出口部に、すなわち冷却空気流CA1の渦流がフィンリング11内の面20付近に形成されるため、フィルム冷却の冷却空気流CA1は次段壁面に沿い境界層が薄くなり、壁面に燃料液滴が付着してもその蒸発が促進される。すなわち、フィンリング11の出口近傍では燃料の燃焼が生じにくくなるので、先端部は高温の熱影響に曝されにくくなる。
【0033】
<第4の実施形態>
続いて、本発明に係る第4の実施形態を図4ないし図6に基づいて説明する。この実施形態では、傾斜角度θで傾斜させたフィン12Aまたは12Cと交差するようにして、交差溝部16A〜16Cが設けられている。
図4に示す実施形態では、面20を設けて先端部をナイフエッジ状としたフィン12Cと交差する溝として、交差溝部16Aが燃焼器軸線方向と直交するようにして多数設けられている。このような交差溝部16Aを設けると、長手方向に分断された各フィン12Cの下流側端面21付近には、冷却空気流CA1の渦流が形成されるので、また、各フィン上流側の境界層が薄くなり、結果として熱伝達率が向上する。このため、冷却空気量の減少を熱伝達率の向上によってカバーすることができる。
【0034】
さて、上述した交差溝部16Aは、上述した図4の実施形態の他にも、種々の変形例が可能である。
図5に示す第1変形例の交差溝部16Bは、フィン12Cと直交する方向に多数設けられている。また、図6に示す第2変形例の交差溝部16Cは、傾斜角度θで傾斜したフィン12Cと交差するようにして、燃焼器軸線方向に設けられている。
このような変形例の交差溝部16B、16Cとしても、上述した交差溝部16Aと同様の作用効果が得られる。
【0035】
<第5の実施形態>
最後に、本発明の第5の実施形態を図7に基づいて説明する。
この実施形態のフィン12D、12Eは、傾斜角度θで傾斜させた領域と燃焼器軸線方向と平行な領域とを備えている。すなわち、対流冷却を行う冷却空気流CA1の上流側を燃焼器軸線方向と平行な領域(直線部)とし、これに連続する下流側を傾斜角度θで傾斜させた傾斜部としている。なお、図5(b)に示しているフィン12Eが図5(b)に示したフィン12Dと異なるのは、先端部に面20を設けてナイフエッジ状にした点のみである。
【0036】
このように、上流側に燃焼器軸線方向と平行な直線部を設けると、傾斜角度θで傾斜させた下流側の傾斜部には、全体を傾斜させた図9(a)の場合と比較して温度の低い冷却空気流CA1を導入できるので、フィンプレート11全体をほぼ均等な温度に冷却することができる。
すなわち、図9(b)に示すように、冷却空気流CA1の入口温度は伝熱面積が小さく熱伝達率の小さい直線部で緩やかに温度上昇し、結果的にメタル温度の低下は小さくなる。しかし、直線部出の温度上昇が小さい分、下流側の傾斜部では低い温度の冷却空気流CA1を利用できるようになる。このため、伝熱面積が増して熱伝達率も高い傾斜部では、冷却空気流CA1の温度上昇率が高くなり、その分メタル温度の低下も大きくなるので、全体としては入口及び出口の温度差が小さくなって熱応力が低減される。
【0037】
換言すれば、フィンリング11全体を効率よく冷却することができるので、出口におけるフィンリング11等のメタル温度は傾斜部のみのフィンより低下し、さらに、フィルム冷却に供給できる冷却空気流の出口温度も低下させることができるので、プレートフィンによる壁面冷却について、総合的な冷却性能向上にも有効である。
【0038】
以上説明したように、本発明のガスタービン燃焼器のプレートフィン構造によれば、使用可能な冷却空気量が充分に得られない場合であっても効率よく冷却することができる。また、同量の冷却空気量が得られれば、効率よく冷却できる分だけ運転温度を高くしてガスタービンの効率向上に貢献することができる。
なお、本発明の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明のガスタービン燃焼器のプレートフィン構造によれば、以下の効果を奏する。
(1)フィンの伝熱面積が傾斜角度θをもたせた分だけ増加するので、少ない冷却空気量でも効率よく対流冷却することができる。また、軸線に垂直な溝形状を従来と同じにすれば溝幅を狭くできるので、冷却空気流の流速が増加することで冷却効率を向上させることができる。
(2)フィンに傾斜角度を持たせるので、このフィルム空気は旋回流をフィンリング内に形成し、次段壁面に沿う流れとなり、フィルム冷却の境界層が薄くなるので、壁面に燃料液滴が付着した時その蒸発が促進される。このため、フィンリング近傍で燃料が燃焼するようなことはなくなり、高温の熱影響を受けるのを防止することができる。
(3)フィンの出口側先端部をナイフエッジ形状として、ここに空気の渦流を形成するため、フィン後方に高温ガスの渦流を形成して、この部分を過熱することがない。
(4)フィンを交差溝部により分断して不連続としたため、強度的に縦割れを生じ難くなって信頼性や耐久性が向上する。
(5)フィンの高さHを下流側へ低下させることにより、熱伝達率が向上する。(6)上記(1)及び(5)の組合せにより、対流冷却効果は大幅に向上する。(7)本発明のプレートフィン構造を採用することによって壁面冷却性能が向上するので、ガスタービン燃焼器をより高温で運転することが可能となる。このため、高温の燃焼ガスをタービンへ供給し、ガスタービンの高効率化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るガスタービン燃焼器のプレートフィン構造に係る第1の実施形態を示す図で、(a)は断面図、(b)はフィンリング及びフィンの平面図、(c)は(b)の右側面(A−A矢視)図である。
【図2】 本発明に係るガスタービン燃焼器のプレートフィン構造に係る第2の実施形態を示す図で、(a)は運転停止時(低温時)の状態を示す断面図、(b)は運転時(高温時)の状態を示す断面図である。
【図3】 本発明に係るガスタービン燃焼器のプレートフィン構造に係る第3の実施形態を示す図で、(a)はフィンリング及びフィンの平面図、(b)は(a)の右側面(B−B矢視)図である。
【図4】 本発明に係るガスタービン燃焼器のプレートフィン構造に係る第4の実施形態を示すフィンリング及びフィンの平面図である。
【図5】 図4の第1変形例を示すフィンリング及びフィンの平面図である。
【図6】 図4の第2変形例を示すフィンリング及びフィンの平面図である。
【図7】 本発明に係るガスタービン燃焼器のプレートフィン構造に係る第5の実施形態を示す図で、(a)フィンリング及びフィンの平面図、(b)は先端出口部をナイフエッジ状とした(a)の変形例である。
【図8】 プレートフィン角度(θ)と伝熱比率との関係を示すグラフである。
【図9】 フィン長さ方向におけるメタル温度及び冷却空気流の温度との関係を示すグラフであり、(a)は第1の実施形態に示した傾斜部のみの場合であり、(b)は直線部及び傾斜部を備えた第5の実施形態の場合である。
【図10】 ガスタービン燃焼器の周辺構造例を示す断面図である。
【図11】 従来のプレートフィン構造例を示す一部断面斜視図である。
【図12】 図11に示したプレートフィン構造を示す図で、(a)は図11のC−C断面図、(b)は(a)のフィンリング及びフィンを示す平面図、(c)は(b)の右側面(D−D矢視)図である。
【符号の説明】
10A〜B プレートフィン
11 フィンリング
12A〜E フィン
13 シェル
14 溝部
15 冷却空気孔
16A〜C 交差溝部
20 面
CA 冷却空気
CA1 冷却空気流(対流冷却)
CA2 冷却空気流(フィルム冷却)

Claims (6)

  1. 裏面側に多数のフィンが設けられたフィンリングの外周側をシェルで囲い、前記フィンリングと前記シェルとの間に導入した冷却空気が前記フィン間を流れて対流冷却を行うように構成されたガスタービン燃焼器のプレートフィン構造において、
    前記フィンは、前記フィンリングの裏面から突出する高さが燃焼器軸線方向下流側へ減少するよう傾斜し、
    停止時及び運転開始直後の低温状態では、前記フィンの上面と前記シェルとの間に形成される隙間は下流側ほど大きく、通常の運転状態では高温となって前記フィンリングが変形することで、前記フィンの上面と前記シェルとの間に形成される隙間はほぼ一定となることを特徴とするガスタービン燃焼器のプレートフィン構造。
  2. 前記フィンは、燃焼器軸線方向に対し傾斜して設けられたことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器のプレートフィン構造。
  3. 前記フィンの先端出口部に燃焼器軸線とほぼ平行な面を形成してナイフエッジ形状としたことを特徴とする請求項記載のガスタービン燃焼器のプレートフィン構造。
  4. 前記フィンと交差する溝が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のガスタービン燃焼器のプレートフィン構造。
  5. 前記フィンは、燃焼器軸線方向と平行な領域を備えていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のガスタービン燃焼器のプレートフィン構造。
  6. 外壁面を請求項1から5のいずれかに記載のプレートフィン構造としたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
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