JP3664924B2 - 印刷機の色調制御方法及び装置 - Google Patents

印刷機の色調制御方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフセット印刷機の色調制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷物の色は、通常シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、ブラック(Black)の4色の混色によって表され、色の調整は各色インキの配分と供給の量、すなわち実際の印刷機ではインキ供給量の調整で行われる。しかし、オフセット印刷機では、インキ供給量だけでなく、インキと水のバランス、温度、運転状況などによっても色調が異なってくるため、色調管理の自動化は困難とされ、熟練者の視覚、勘に依存するところが多かった。
【0003】
そのため、インキ供給に対して本刷りを安定状態に維持し、さらには色の変動が見分けられるようにインキ供給量を制御することを目的として、特開昭62−146633号公報に記載された技術が開発された。(以下、この特開昭62−146633号公報に記載の従来技術を第1従来技術という)
【0004】
ところが、上記第1従来技術には下記の課題があった。
すなわち上記第1従来技術では、色座標一致による色調制御方法を採用しているが、この場合は、色座標が決定される観測光源、及び観測視野条件でのみ色が一致することになる。しかしながら、印刷物を目視するユーザにとっては、前記条件で観察することはほとんどなく、観察条件により見本と本刷りの色とが一致しないという課題があった。
【0005】
また、上記第1従来技術では、見本と本刷りの色差ベクトルに、予め用意した経験的に決定される変換マトリックスを掛けてインキ供給量を決定する方法を採用している。ところが、この方法の場合は変換マトリックスの精度によってインキ供給量推定精度が決定されるため、印刷資材等が変わった場合には、変換マトリックスのパラメータ値が変動してインキ供給量の推定精度が悪化するという課題もあった。
【0006】
さらに、上記第1従来技術では、予め用意した経験的に決定される変換マトリックスを用いるため、グレイバランス制御の際、任意の網点面積率のグレイバランスで色調制御することが出来ないという課題もあった。
【0007】
そこで本件出願人は、上記課題に対する解決策として、三菱重工技報Vol.33、No.5「オフセット印刷機用色調管理システムの開発」に記載した、オフセット印刷機の色調制御方法及び装置を発明した(以下、この三菱重工技報Vol.33、No.5「オフセット印刷機用色調管理システムの開発」に記載した技術を第2従来技術という)。
【0008】
以下、この第2従来技術について具体的に説明する。
【0009】
図9の(a)は、上記第2従来技術にかかる装置構成を示すもので、図9の(b)は、図9の(a)の演算装置2の詳細を示したもの、図10はグレイバランス制御のフローチャート、図11は図9の印刷シート6上のカラーコントロールストリップ5の一例である。
【0010】
分光反射率計1は、印刷機によって印刷された印刷シート6の図11に示したようなカラーコントロールストリップ5をスキャンし、各パッチの分光反射率を演算装置2に送る。
【0011】
演算装置2はこの送られてきたデータによって、図11に示すインキ・キーゾーンのような個々の印刷帯域を印刷するのに用いられた印刷インキの分光反射率偏差に対応する制御データを決定し、インキ供給量制御装置7に送る。インキ供給量制御装置7は、この制御データに基づいて、分光反射率偏差が最小になるような方法で印刷機のインキ・キー3とインキ元ローラ4との開度を調整するためのインキ・キー調節信号を発信し、インキ量が最適になるように調整する。
【0012】
次に図9の(b)、図10のフローチャートを用い、制御データの演算方法の詳細について説明する。
【0013】
この第2従来技術にかかる色調制御装置では、べ夕濃度、グレイバランス(シアン、マゼンタ、イエロー 3色の網重ね)、特色の3通りの色調制御が可能であるが、ここでは、特に測色計に分光反射率計1を用いた場合に色調制御が可能となるグレイバランスと特色の2通りの色調制御について説明する。
【0014】
まず、グレイバランス制御についてであるが、図9(a)の制御装置2は、図9の(b)の機能ブロック図に示すように、トラッピングパラメータ演算手段11、べ夕濃度演算手段12、べ夕濃度と分光反射率の関係を演算する手段13、網点面積率演算手段14、目標ベタ濃度演算手段15、べ夕濃度偏差演算手段16の集合として横成される。これらの機能手段11〜16は、CPU、RAM等の演算装置2内の内部機能要素の結合により構成されるものであり、これは以下の説明でも同じである。
【0015】
まずステップA100で、目標となるグレイバランスの色(分光反射率Rgo(λ))を演算装置2に予め入力しておく。
【0016】
そしてステップA110で、分光反射率計1によって印刷シート6に刷られたカラーコントロールストリップ5を測定し、演算装置2に入力する。カラーコントロールストリップ5はインキ・キーゾーン単位に各色の色パッチで構成され、色調制御毎に異なった色パッチで構成されている。グレイバランス制御用のカラーコントロールストリップは、例えば図11に示すような色パッチ構成となる。
【0017】
次にステップA120でトラッピングパラメータ演算手段11は、分光反射率計1によって測定されたカラーコントロールストリップ5の各色パッチの分光反射率から、公知文献「Yan Liu,SPECTRAL REFFRENCEMODIFICATION OF NEUGEBAUER EQUATIONS」に記載の計算方法に基づき、トラッピングパラメータ(下刷りインキに上刷りインキが乗る割合)を計算する。今、Rcm(λ)をシアンとマゼンタのベタ重ねパッチの分光反射率、λを可視光波長域(例えば400〜700nm)、Rc(λ)をシアンのベタパッチの分光反射率、Rm(λ)をマゼンタのベタパッチの分光反射率、Rp(λ)をペーパーパッチの分光反射率を表すものとすると、例えば、シアンインキの上のマゼンタインキの乗る割合ncm(λ)は、以下の式で求められる。
【0018】
Rcm(λ)=Rc(λ)×{Rm(λ)/Rp(λ)}^ncm(λ)……(1)
また、シアンインキの上のイエローインキの乗る割合ncy(λ)、マゼンタインキの上のイエローインキの乗る割合nmy(λ)も同様に求められる。
【0019】
また、Rcmy(λ)をシアンとマゼンタとイエローのベタ重ねパッチの分光反射率、Ry(λ)をイエローベタパッチの分光反射率とすると、シアン、マゼンタ、イエローのベタ重ねのトラッピングパラメータncmy(λ)は、(1)式で求めたncm(λ)を用いて次式で計算できる。
Rcmy(λ)=Rc(λ)×[{Rm(λ)/Rp(λ)}^
ncm(λ)]×[{Ry(λ)/Rp(λ)}^ncmy(λ)] ……(2)
【0020】
トラッピングパラメータが計算されると、次にステップA130でべ夕濃度演算手段12により各色べタパッチの分光反射率をもとにべ夕濃度が計算される。例えば、logを底10の対数関数とし、∫を可視光域の積分、Fc(λ)をシアン濃度検出フィルタの分光透過率とすると、シアンのべ夕濃度Dcは次式により算出される。
Figure 0003664924
【0021】
濃度検出フィルタとしては、ISO STATUS−E、或いはISO STATUS−T特性などを用いる。なお、他の色濃度Dm(マゼンタ)、Dy(イエロー)、Dk(ブラック)も同様に算出できる。
【0022】
べ夕濃度が算出されると、次にステップA140で、べ夕濃度と分光反射率の関係を演算する手段13により、べ夕濃度と分光反射率との関係を求める。ここで、例えばシアンベタ濃度Dcとシアンベタパッチの分光反射率Rc(λ)との関係は、次式で近似される。
log{Rp(λ)/Rc(λ)}=kc(λ)×Dc ……(4)
【0023】
kc(λ)は線形近似係数であり、式(4)にRp(λ)、Rc(λ)、Dcを代入することにより算出できる。また、他の色の係数km(マゼンタ)、ky(イエロー)も同様にして算出できる。このように線形近似係数kc、km、kyが明らかになることにより、べ夕濃度(インキ盛り量)と分光反射率との関係が既知となり、分光反射率一致によるインキ供給量が推定できるようになる。
【0024】
次に、ステップA150で、網点面積率演算手段14により、各インキ・キーゾーンのグレイバランスパッチの光学的網点面積率を公知の理論「Neugebauer,H.E.J.,Die therretischen Grundlagen des Mehrfarbenbuchdrucks,Z.Wiss.photo.Vol.36 No.4(1937)p.37」、及び「Demichel,M.E.(written by Clerc,L.P.),LeProcede Vol.26 No.3(1924)p.17」を用いて次式により求める。次式においてRg(λ)はグレイバランスパッチの分光反射率を表す。グレイバランスパッチは、シアン、マゼンタ、イエローの網点重ねで構成されており、本ステップは、各色の網点の大きさc(シアン)、m(マゼンタ)、y(イエロー)を求めようとするものである。
Figure 0003664924
【0025】
なお、図11に示すように、各インキ・キーゾーン中には式(5)にない情報、Rp(λ)、Rcm(λ)、Rmy(λ)、Rcy(λ)、Rcmy(λ)も含むので、Rp(λ)は他のインキ・キーゾーンの情報を、他の混色の情報は式(1)、式(2)を用いて計算し、それぞれ式(5)に代入する。そして、式(5)に基づき、最小二乗法などの数学的手段を用いることにより、印刷シートのグレイバランスパッチの網点面積率c、m、yの値を算出することができる。
【0026】
こうして各インキ・キーゾーンのグレイバランスパッチの光学的網点面積率が求まると、次のステップA160は、目標ベタ濃度演算手殴15で、式(5)のRg(λ)に目標分光反射率Rgo(λ)をセットし、式(1)、式(2)、式(4)を利用して式(5)の左辺≒右辺となるような各色べ夕濃度を最小二乗法などの数学的手段を用いて求める。これにより、グレイバランスパッチの色が目標分光反射率と一致する、或いは近似する目標ベタ濃度Dco(シアン)・Dmo(マゼンタ)、Dyo(イエロー)が求められる。
【0027】
上記の手順により、印刷シートのべ夕濃度D(インキの盛り量)と目標ベタ濃度Doが求められると、次にステップA170でべ夕濃度偏差演算手段16により、べ夕濃度Dと目標ベタ濃度Doとからインキ供給量制御装置7に送る制御データδDを演算する。
【0028】
例えば、シアンインキの場合にはインキ供給量制御装置に送る制御データδDは、δDcをインキ供給量制御装置に送るシアン制御データ、Dcoを目標ベタ濃度演算手段15により求められたシアンの目標ベタ濃度、Dcをべ夕濃度演算手段12により求められたシアンの印刷シートのべ夕濃度を表すとすると、次式で求められる。
δDc=Dco−Dc ……(6)
【0029】
なお、シアンインキ以外の他の色の制御データδDも同様にして求めることができる。
【0030】
そして、各色についてインキ盛り量過不足分データ(制御データ)δDが求められると、演算装置2はインキ供給量制御装置7に求めた制御データδDを送信し、最後にステップA180でインキ供給量制御装置7は、送信された制御データδDに基づき絵柄面積率に応じたインキ供給量を計算して、各色ユニットのインキ・キー3の開度を制御する。
【0031】
以上が第2従来技術にかかるグレイバランス制御の方法であるが、次に、第2従来技術にかかる特色制御について図12に示す機能ブロック図と図13に示すフローチャートとを参照しながら説明する。
【0032】
特色制御においては、図9(a)の演算装置2は、図12の機能ブロック図に示すように、C、M、Y、Kフィルタ濃度演算手段21、最大濃度を示すフィルタ濃度選択手段22、特色べ夕濃度と分光反射率の関係を演算する手段23、目標ベタ濃度演算手段24、べ夕濃度偏差演算手段25の集合として構成される。これらの機能手段21〜25は、CPU、RAM等の演算装置2内の内部機能要素の結合により構成されるものである。
【0033】
まず、図13のステップB100で、目標となる特色(分光反射率Rso(λ))を演算装置2に予め入力しておく。そしてステップB110で、分光反射率計1によって印刷シート6に刷られた、例えば図14に示すような色パッチ構成の特色制御用のカラーコントロールストリップ5の分光反射率を測定し、演算装置2に入力する。
【0034】
するとステップB120で演算装置2のC、M、Y、Kフィルタ濃度演算手段21は、前記(3)式により、分光反射率計1によって測定されたカラーコントロールストリップ5の特色べタパッチの分光反射率から、各色全ての濃度フィルタにてべ夕濃度Dsc(シアン濃度フィルタ)、Dsm(マゼンタ濃度フィルタ)、Dsy(イエロー濃度フィルタ)、Dsk(ブラック濃度フィルタ)を求める。
【0035】
各色全てのフィルタ濃度(べ夕濃度)Dsc、Dsm、Dsy、Dskが求まると、次のステップB130で、フィルタ濃度選択手段22により、上記各色フィルタ濃度のうち、最大濃度値を示すものを特色のべ夕濃度Dsとして選択する。例えば、シアン濃度フィルタで計算された濃度値Dscが他のフィルタで計算された濃度値よりも高い場合、特色べ夕濃度DsはDscとなる。
【0036】
こうして特色べ夕濃度Dsが選択されると、次にステップB140で、特色べ夕濃度と分光反射率の関係を演算する手段23により、前記(4)式を用いて特色べ夕濃度Dsと特色べタパッチの分光反射率Rs(λ)との関係を近似し、線形近似係数ks(λ)を算出する。
【0037】
そしてステップB150で、目標ベタ濃度演算手段24により、目標の特色分光反射率Rso(λ)と印刷シートの特色分光反射率Rs(λ)とをRso(λ)=Rs(λ)とおき、左辺≒右辺となるような目標特色べ夕濃度Dsoを最小二乗法などの数学的手段を用いて求める。
【0038】
上記の手順により、印刷シートのべ夕濃度Ds(特色インキの盛り量)と目標分光反射率に一致する、或いは近似する特色べ夕濃度目標値Dsoとが求められると、ステップB160でべ夕濃度偏差演算手段25が次式により、べ夕濃度Dsと特色べ夕濃度目標値Dsoとからインキ供給量制御装置に送る制御データδDを演算する。
δDs=Dso−Ds ……(7)
【0039】
そして、各色についてインキ盛り量過不足分データ(制御データ)δDが求められると、演算装置2はインキ供給量制御装置7に求めた制御データδDを送信する。
【0040】
インキ供給量制御装置7では、送信された制御データδDに基づき、ステップB170で各色フィルタ濃度のうち、最大濃度値を示したインキ供給特性、及び絵柄面積率に応じたインキ供給量を計算し、各色ユニツトのインキ・キー3の開度を制御する。
【0041】
以上説明したように、第2従来技術では分光反射率一致による色調制御方法を採用することにより、観測光源及び観測視野条件の影響を受けることがない。したがって、見本と本刷りの色の分光反射率が一致した場合には、ユーザはどのような観測条件で両者を対比させても色の違いが認められない。また、インキ供給量推定に関しては、予め用意されたデータを使用せず、全て本刷りで得られたデータを利用しているので、印刷資材等が変化しても正確なインキ供給量精度が確保される。
【0042】
さらに、予め用意されたデータを使用せず、全て本刷りで得られたデータを利用することにより、任意の網点面積率の組み合わせのグレイバランスでも色調制御することができる。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第2従来技術例には下記課題がある。
【0044】
(A) 目標となるパッチの色の分光反射率、すなわち可視広域400〜700nmの分光反射率を入力する必要がある。人間の感覚で分かりにくい物理量を入力することは現実的でない。
【0045】
(B) 一方、現物のパッチ色を本公知例の装置で読みとらせて目標分光反射率を入力することは可能であるが、印刷現場には必ずパッチの色見本が必要となる。
【0046】
(C) 本刷り(本機刷り)が、色見本(校正刷り)通りの印刷資材、及び印刷条件で印刷される場合は問題ないが、異なる場合、本刷りと色見本のパッチ色は一致しない。そうした場合、本公知例の制御装置に与える目標色を任意に変え、本刷りと色見本のパッチ色に出来るだけ近づけたいが、分光反射率をどういうふうに変えて入力してよいのか指針が掴みにくいし、入力も現実的でない。
【0047】
以上のように、従来技術では色を合わせるための目標値として、分光反射率をシステムに入力する必要がある。しかし、▲1▼分光反射率は、可視光域波長に対して連続データであり、それを入力することは現実的でない。また、▲2▼人間には分かりにくい物理量であるため、その値を見てもどのような色なのか判断がつかない、などの欠点があった。更に、もう少し濃く、青く、といったような目標値を変更したい場合、上記▲1▼、▲2▼の理由で分光反射率の入力では現実的に不可能であると思われる。
【0048】
また、従来技術では、本刷り(本機刷り)が、色見本(校正刷り)と同じ印刷資材、印刷条件で刷られていない場合、グレイバランスパッチの色を一致させようと色調制御すると、次のような理由でインキ盛り量(印刷べ夕濃度)が極度にアンバランスする場合があった。
【0049】
(a) 本機と校正機で印刷するインキ種が異なるとき、インキの盛り量が同じでも発色する色は異なる。
【0050】
(b) 本機と校正機とで印刷原理が異なる場合、同じデータから出力される網点の大きさが異なる。例えば、本機(オフセット印刷機)では、一般に印刷圧力によって網点の大きさが刷版上の大きさよりも大きくなるが、校正機ではあまり大きくならないケースが多い。
【0051】
(c) 本機と校正機とで印刷原理が異なる場合、下刷りインキの上に乗る上刷りインキの割合が異なる。例えば、本機(オフセット印刷機)では、上刷りインキがウェットオンウェット(滞れたインキの上に滞れたインキが乗る)で下刷りインキの上に乗るので転写効率が悪い。校正機では、ドライオンウェットでインキが乗る方式が一般的なので、一般的に転写効率がよい。転写効率がよいと2次色(CM重ねの青紫、CY重ねの緑等)、3次色(CMY重ねの墨)の発色が鮮やかになる。
【0052】
(d) 本機と校正機でインキが乗る紙(下地)が異なる場合、同じインキ盛り量でも発色する色は異なる。例えば、光沢紙に印刷すると色は鮮やかに発色されるが、上質紙のようなコピー紙に同じインキ量を塗布してもくすんだ色となる。
【0053】
このような場合、グレイバランスの色が一致したとしても、べ夕ものが多い印刷物では、べ夕の色が色見本と大きくかけ離れるため、クレームが発生する場合があった。
【0054】
そういった場合、オペレータはインキの盛り量があまりアンバランスにならないように色見本に近づけたり、インキの盛り量が極端に多くなる場合は、インキの盛り量を全体的に落として、色見本に近づけるようにしていた。
【0055】
またこれは、特色の場合も全く同じで、本刷り(本機刷り)が色見本(校正刷り)と同じ印刷資材・印刷条件で刷られていない場合、以下の理由で特色の色は色見本と一般に一致しない。
【0056】
(e) 本機と校正機で、印刷する特色インキ種、或いはインキの調合比が異なると、インキの盛り量が同じでも発色する色は異なる。
【0057】
(f) 本機と校正機でインキが乗る紙(下地)が異なる場合、同じインキ盛り量でも発色する色は異なる。例えば、光沢紙に印刷すると色は鮮やかに発色されるが、上質紙のようなコピー紙に同じインキ量を塗布してもくすんだ色となる。
【0058】
そのため、いくらインキの盛り量をコントロールしても、色が合わないので刷り直しになるケースがあった。このような場合、試し刷り段階で、色がどの程度一致するか分かればオペレータは非常に助かる。色の許容範囲内に色を合わすことが可能であるならば、その色を目標として色調制御すればよい。不可能な場合は、インキを変えるか、紙を変えるしか手はない。それが分かるだけでも有意義であると考える。
【0059】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するため、発明では現物の色見本がない場合、分光反射率の数値入力のかわりに国際照明委員会で定義された色座標値(CIE−Lab)を入力し、その値から目標分光反射率を計算し、従来のシステムでグレイバランスや特色の色調制御できる色調制御方法及び装置を提供する。CIE−Labは人間の色の感じ方を数値化したもので、明暗、色相、彩度というように人間には分かりやすく、且つ、3次元座標なので数値もL*(明度)、a*(赤⇔緑方向の色度)、b*(黄⇔青方向の色度)の3つで、入力も比較的簡単である。
【0060】
また発明では、校正刷りに本機と異なる印刷資材、印刷条件で刷られた色見本が与えられた場合、または、入力される目標色が本機で再現されないような色が入力された場合に対応するため表示装置を設け、可視光波長に対する現在刷ったばかりの現在分光反射率、目標入力に入力された目標分光反射率(色座標値が入力された場合は、表示されない)、現在のデータで計算された目標候補の分光反射率、現在の色座標値、目標入力に入力された色座標値、現在のデータで計算された目標候補の色座標値、そして目標分光反射率が計算されたときのC、M、Yベタ濃度などを表示させ、このデータを元にインキの盛り量がアンバランスにならないように、また、インキの盛り量が極端に大きくならないように色見本に出来るだけ近づけさせることを容易にし、また、試し刷り段階で色がどの程度一致するか分かり、もし、色の許容絶囲内に色を合わせることが出来る場合は、その色を目標として色見本に出来るだけ近づけさせるような色調制御方法及び装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、目標色の色座標値を入力し、該目標色の色座標値を分光反射率に変換すると共に該目標色の分光反射率から目標とするベタ濃度を計算し、一方実際の印刷物の印刷色の分光反射率を測定し、該実際の印刷物の印刷色の分光反射率からベタ濃度を計算すると共に、実際の印刷物の印刷色のベタ濃度と目標色のベタ濃度との差を略0とするようにインキ供給量を制御するようにしたことを特徴とし、
さらに目標色の色座標値を分光反射率に変換するにあたり、目標色の候補を定めて印刷に使用するインキのベタ濃度を任意に変化させて目標色の候補の分光反射率を計算し、該目標色の候補の分光反射率から目標色の候補の色座標値を計算し、前記任意に変化させた印刷に使用するインキのベタ濃度から得られる複数の目標色の候補の色座標値と目標色の色座標値とそれぞれ差を取ってその差が最小である目標色の候補の色座標値を目標色の色座標値と定めてその分光反射率を使用することを特徴とする。具体的には、印刷に使用する色がシアン、マゼンタ、イエローであることが好ましくさらに、印刷に使用するインキが特色であるのがよい。
また本発明は、目標色の色座標値を入力し、該目標色の色座標値を分光反射率に変換すると共に前記目標色の分光反射率から目標とするベタ濃度を計算し、一方実際の印刷物の印刷色の分光反射率を測定し、該実際の印刷物の印刷色の分光反射率からベタ濃度を計算し、これらの計算過程を表示装置に表示しながら、実際の印刷物の印刷色のベタ濃度と目標色のベタ濃度との差を略0とするようにインキ供給量を制御するようにしたことを特徴とする。
この場合に、目標色の色座標値を分光反射率に変換するにあたり、目標色の候補を定めて印刷に使用するインキのベタ濃度を任意に変化させて目標色の候補の分光反射率を計算し、前記任意に変化させた印刷に使用するインキのベタ濃度から得られる複数の目標色の候補の色座標値と目標色の色座標値とそれぞれ差を取ってその差が最小である目標色の候補の色座標値を目標色の色座標値と定めてその分光反射率を使用するのがよい。
さらに本発明は、測定した実際の印刷物の印刷色の分光反射率からベタ濃度を計算する手段と、入力された目標色の色座標値を分光反射率に変換する手段と、該目標色の分光反射率から目標とするベタ濃度を計算する手段からなる演算装置を持ち、実際の印刷物の印刷色のベタ濃度と目標色のベタ濃度との差を略0とするようにインキ供給量を制御するように構成した印刷機の色調制御装置にある。この場合に前記目標色の候補の分光反射率を表示する表示装置を持つのがよい。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に従って詳細に説明する。
【0062】
図1は本発明の第1の発明の印刷機の色調制御装置の構成概略(a)と、グレイバランスの色制御時の演算装置2の詳細(b)であり、図2は本発明のグレイバランスの色制御方法のフローチャート、図11は図1(a)の印刷シート6上のグレイバランス制御用のカラーコントロールストリップ5の一例である。
【0063】
図1の(a)において1は分光反射率計で、印刷機によって印刷された印刷シート6の図11に示したようなカラーコントロールストリップ5を図の矢印方向にスキャンして測色し、各パッチの分光反射率を演算装置2に送る。2は、この分光反射率計1から送られてきた各パッチの分光反射率、もしくは数値で入力された分光反射率、或いは前記した色座標値(CIE−Lab)をもとに、インキ供給量制御装置7の制御データ(べ夕濃度偏差)を演算する演算装置。3は、インキ・キー調節信号をもとに、インキ元ローラ4とインキ・キー3の隙間(インキ・キー開度)を変えて、インキ供給量を調節するインキ・キー。4はインキ元ローラ。5は、印刷シート6上のカラーコントロールストリップ。7は、上記制御データをもとに、絵柄の面積率に応じて、各インキ・キーゾーンのインキ・キー調節信号を送出するインキ供給量制御装置である。
【0064】
図1(b)は、上記演算装置2の詳細で、図中11はトラッピングパラメータ(下刷りのインキに上刷りのインキが重なる割合)を演算するトラッピングパラメータ演算手段、12はべタパッチの分光反射率からSTATUS−E、STATUS−T等のべ夕濃度を演算するべ夕濃度演算手段、13はべ夕濃度とべタバッチの分光反射率との関係を演算する手段、14はグレイバランスの網点面積率を演算する網点面積率演算手段、15は、目標グレイバランス分光反射率と本刷り印刷シートのグレイバランス分光反射率が一致、或いは近似する目標ベタ濃度を演算する目標ベタ濃度演算手段、16は目標ベタ濃度と本刷り印刷シートのべ夕濃度の偏差(制御データ)を演算し、インキ供給量制御装置7の制御信号を発するべ夕濃度偏差演算手段、17は目標値として色座標値が入力された場合、前記べ夕濃度とべタバッチの分光反射率との関係を演算する手段13、網点面積率演算手段14などからの演算結果、及び公知のNeugebauer Equationなどを利用して目標候補の分光反射率を演算する目標候補の分光反射率演算手段、18は目標候補の分光反射率演算手段17で演算された分光反射率からCIE−Labを演算する色座標演算手段、19は色座標演算手段18で演算された色座標値と目標色座標値を比較して色差を評価する比較演算手段、20は比較演算手段19で色差が最小となる分光反射率を目標グレイバランス分光反射率とする目標分光反射率算出手段である。
【0065】
以下、図2のフローチャートに従って本発明の色調制御方法を説明する。
【0066】
まず、図2のステップA100で、目標となるグレイバランスの色(分光反射率Rgo(λ))、或いはCIE−L*a*b*等の知覚均等色空間座標値(L*o、a*o、b*o)を演算装置2に予め入力しておく。そしてステップA110で、分光反射率計1によって印刷シート6に刷られたカラーコントロールストリップ5を測定し、演算装置2に入力する。カラーコントロールストリップ5は、インキ・キーゾーン単位に各色の色パッチで構成され、色調制御毎に異なった色パッチで構成されている。グレイバランス制御用のカラーコントロールストリップは、例えば図11に示すような色パッチ構成となる。
【0067】
次にステップA120でトラッピングパラメータ演算手段11は、分光反射率計1によって測定されたカラーコントロールストリップ5の各色パッチの分光反射率から、公知文献「Yan Liu,SPECTRAL REFFRENCEMODIFICATION OF NEUGEBAUER EQUATIONS」に記載の計算方法に基づき、トラッピングパラメータ(下刷りインキに上刷りインキが乗る割合)を計算する。今、Rcm(λ)をシアンとマゼンタのベタ重ねパッチの分光反射率、λを可視光波長域(例えば400〜700nm)、Rc(λ)をシアンのベタパッチの分光反射率、Rm(λ)をマゼンタのベタパッチの分光反射率、Rp(λ)をペーパーパッチの分光反射率を表すとすると、例えば、シアンインキの上のマゼンタインキの乗る割合ncm(λ)は、以下の式で求められる。
Rcm(λ)=Rc(λ)×{Rm(λ)/Rp(λ)}^ncm(λ)……(1)
【0068】
また、シアンインキの上のイエローインキの乗る割合ncy(λ)、マゼンタインキの上のイエローインキの乗る割合nmy(λ)も同様に求められる。
【0069】
また、Rcmy(λ)をシアンとマゼンタとイエローのベタ重ねパッチの分光反射率、Ry(λ)をイエローベタパッチの分光反射率とすると、シアン、マゼンタ、イエローのベタ重ねのトラッピングパラメータncmy(λ)は、(1)式で求めたncm(λ)を用いて次式で計算できる。
Figure 0003664924
【0070】
トラッピングパラメータが計算されると、次にステップA130でべ夕濃度演算手段12により、各色べタパッチの分光反射率をもとにべ夕濃度を計算する。例えば、logを底10の対数関数とし、∫を可視光域の積分、Fc(λ)をシアン濃度検出フィルタの分光透過率とすると、シアンのべ夕濃度Dcは次式により算出される。
Figure 0003664924
【0071】
濃度検出フィルタとしては、ISO STATUS−E、或いはISO STATUS−T特性などを用いる。なお、他の色濃度Dm(マゼンタ)、Dy(イエロー)、Dk(ブラック)も同様に算出できる。
【0072】
べ夕濃度が算出されると、次にステップA140で、べ夕濃度と分光反射率の関係を演算する手段13により、べ夕濃度と分光反射率との関係を求める。ここで、例えばシアンベタ濃度Dcとシアンベタパッチの分光反射率Rc(λ)との関係は、次式で近似される。
log{Rp(λ)/Rc(λ)}=kc(λ)×Dc ……(4)
【0073】
kc(λ)は線形近似係数であり、式(4)にRp(λ)、Rc(λ)、Dcを代入することにより算出できる。また、他の色の係数km(マゼンタ)、ky(イエロー)も同様にして算出できる。このように線形近似係数kc、km、kyが明らかになることにより、べ夕濃度(インキ盛り量)と分光反射率との関係が既知となり、分光反射率一致によるインキ供給量が推定できるようになる。
【0074】
次に、ステップA150で網点面積率演算手段14により、各インキ・キーゾーンのグレイバランスパッチの光学的網点面積率を、公知の理論「Neugebauer,H.E.J.,Die therretischen Grundlagen des Mehrfarbenbuchdrucks,Z.Wiss.photo.Vol.36 No.4(1937)p.37」、及び「Demichel,M.E.(written by Clerc,L.P.),LeProcede Vol.26 No.3(1924)p.17」を用いて次式により求める。次式においてRg(λ)はグレイバランスパッチの分光反射率を表す。グレイバランスパッチは、シアン、マゼンタ、イエローの網点重ねで構成されており、本ステップは、各色の網点の大きさc(シアン)、m(マゼンタ)、y(イエロー)を求めようとするものである。
Rg(λ)=(1−c)(1−m)(1−y)Rp(λ)+c(1−m)
(1−y)Rc(λ)+m(1−c)(1−y)Rm(λ)+y(1−c)
(1−m)Ry(λ)+cm(1−y)Rcm(λ)+my(1−c)Rm
y(λ)+cy(1−m)Rcy(λ)+cmyRcmy(λ)……(5)
【0075】
なお、図11に示すように、各インキ・キーゾーン中には式(5)にない情報、Rp(λ)、Rcm(λ)、Rmy(λ)、Rcy(λ)、Rcmy(λ)も含むので、Rp(λ)は他のインキ・キーゾーンの情報を、他の混色の情報は式(1)、式(2)を用いて計算し、それぞれ式(5)に代入する。そして、式(5)に基づき、最小二乗法などの数学的手段を用いることにより、印刷シートのグレイバランスパッチの網点面積率c、m、yの値を算出することができる。
【0076】
次いでステップA151で、目標のグレイバランスの色にCIE−L*a*b*の色座標値が入力されたかどうかが判断され、目標のグレイバランスの色にCIE−L*a*b*の色座標値が入力された場合、ステップA152で目標候補の分光反射率演算手段17が前記式(3)、式(4)を利用し、C、M、Yのべ夕濃度を任意に変化させ、(5)式に代入して目標候補の分光反射率Rgo’(λ)を計算する。そしてこのステップA152で計算された目標候補の分光反射率Rgo’(λ)を用い、ステップA153で色座標演算手段18がCIE−L*a*b*の色座標値(L*o’、a*o’、b*o’)を計算する。なお、この計算方法は、JIS・Z8730に詳説されている。
【0077】
そしてステップA154で比較演算手段19が、目標の色座標値(L*o、a*o、b*o)と目標候補の色座標値(L*o’、a*o’、b*o’)の色差△E*を次式により計算する。
Figure 0003664924
【0078】
そして、この色差△E*が最小となるまで上記A152からA154のステップが繰り返され、(8)式の色差△E*が最小となったとき、ステップA155で目標分光反射率算出手段20により、目標候補の分光反射率Rgo’(λ)を目標分光反射率Rgo(λ)と決定する。
【0079】
そしてステップA160で目標ベタ濃度演算手段15により、式(5)のRg(λ)に目標分光反射率Rgo(λ)をセットし、式(1)、式(2)、式(4)を利用して、式(5)の左辺≒右辺となるような各色べ夕濃度を最小二乗法などの数学的手段を用いて求める。これにより、グレイバランスパッチの色が目標分光反射率と一致する、或いは近似する目標ベタ濃度Dco(シアン)・Dmo(マゼンタ)、Dyo(イエロー)が求められる。
【0080】
上記の手順により、印刷シートのべ夕濃度D(インキの盛り量)と目標ベタ濃度Doが求められると、次にステップA170でべ夕濃度偏差演算手段16により、べ夕濃度Dと目標ベタ濃度Doとからインキ供給量制御装置7に送る制御データδDを演算する。
【0081】
例えば、シアンインキの場合にはインキ供給量制御装置に送る制御データδDは、δDcをインキ供給量制御装置に送るシアン制御データ、Dcoを目標ベタ濃度演算手段15により求められたシアンの目標ベタ濃度、Dcをべ夕濃度演算手段12により求められたシアンの印刷シートのべ夕濃度を表すとすると、次式で求められる。
δDc=Dco−Dc ……(6)
【0082】
なお、シアンインキ以外の他の色の制御データδDも同様にして求めることができる。
【0083】
そして、各色についてインキ盛り量過不足分データ(制御データ)δDが求められると、演算装置2はインキ供給量制御装置7に求めた制御データδDを送信し、最後にステップA180でインキ供給量制御装置7は、送信された制御データδDに基づき、絵柄面積率に応じたインキ供給量を計算し、各色ユニットのインキ・キー3の開度を制御する。
【0084】
なお、ステップA151で目標のグレイバランスの色にCIE−L*a*b*の色座標値が入力されていないと判断された場合、ステップA152からA155はスキップされ、前記した第2従来技術と全く同様に、上記ステップA160からA180までが実施される。
【0085】
以上が本発明のグレイバランスの色制御方法、及び装置の説明であるが、次いで特色の場合の色制御方法についての本発明の第2の実施例について説明する。
【0086】
図3は(a)が本発明の第2の実施例の印刷機の色調制御装置の構成概略で、これは図1の(a)で説明したものと同一である。図3の(b)は特色制御時の演算装置2の詳細であり、図4は本発明の特色の色制御方法のフローチャート、図11は図1(a)の印刷シート6上の特色制御用のカラーコントロールストリップ5の一例である。
【0087】
図3(b)において、21は図14で示したバッチ群のうち、特色べタバッチの分光反射率を各色の濃度フィルターにて、シアン、マゼンタ、Ye11ow、B1ack換算のべ夕濃度を算出するC、M、Y、Kフィルタ濃度演算手段、22は上記濃度フィルタのうち最も濃度値の高いフィルタを選択する最大濃度を示すフィルタ濃度選択手段、23は上記最も濃度値の高い特色べ夕濃度と特色べタバッチの分光反射率との関係を演算する手段、24は目標特色分光反射率と本刷り印刷シートの特色分光反射率が一致、或いは近似する特色べ夕の目標ベタ濃度を演算する目標ベタ濃度演算手段、25は特色の目標ベタ濃度と本刷り印刷シートの特色べ夕濃度との偏差(制御データ)を演算するべ夕濃度偏差演算手段、26は目標値として色座標値が入力された場合、上記特色べ夕濃度と分光反射率の関係を演算する手段23からの演算結果を利用して、目標候補の分光反射率を演算する目標候補の分光反射率演算手段、27は上記目標候補の分光反射率演算手段26で演算された分光反射率からCIE−Labを演算する色座標演算手段、28は上記色座標演算手段27で演算された色座標値と目標色座標値を比較演算して色差を評価する比較演算手段、29は上記比較演算手段28で色差が最小となる分光反射率を特色の目標分光反射率とする目標分光反射率算出手段である。
【0088】
以下図4のフローチャートに従って、本発明の特色の色調整方法について説明する。
【0089】
まず図4のステップB100で、目標となる特色の分光反射率Rso(λ)、或いはCIE−L*a*b*等の知覚均等色空間座標値(L*o、a*o、b*o)を図3の演算装置2に予め入力する。そしてステップB110で、分光反射率計1によって印刷シート6に刷られた例えば図14に示すような色パッチ構成の特色制御用のカラーコントロールストリップ5の分光反射率を測定し、演算装置2に入力する。
【0090】
するとステップB120で演算装置2のC、M、Y、Kフィルタ濃度演算手段21は、前記(3)式により、分光反射率計1によって測定されたカラーコントロールストリップ5の特色べタパッチの分光反射率から、各色全ての濃度フィルタにてべ夕濃度Dsc(シアン濃度フィルタ)、Dsm(マゼンタ濃度フィルタ)、Dsy(イエロー濃度フィルタ)、Dsk(ブラック濃度フィルタ)を求める。
【0091】
各色全てのフィルタ濃度(べ夕濃度)Dsc、Dsm、Dsy、Dskが求まると、次のステップB130で、最大濃度を示すフィルタ濃度選択手段22により、上記各色フィルタ濃度のうち最大濃度値を示すものを特色のべ夕濃度Dsとして選択する。例えば、シアン濃度フィルタで計算された濃度値Dscが他のフィルタで計算された濃度値よりも高い場合、特色べ夕濃度DsはDscとなる。
【0092】
こうして特色べ夕濃度Dsが選択されると、次にステップB140で、特色べ夕濃度と分光反射率の関係を演算する手段23により、前記(4)式を用いて特色べ夕濃度Dsと特色べタパッチの分光反射率Rs(λ)との関係を近似し、線形近似係数ks(λ)を算出する。
【0093】
そして次に、ステップB141で特色の目標に、CIE−L*a*b*の色座標値が入力されたか判断する。いま、特色の目標にCIE−L*a*b*の色座標値が入力されたとすると、処理はステップB142にゆき、目標候補の分光反射率演算手段26で(4)式を利用し、特色のべ夕濃度を任意に変化させて、目標候補の分光反射率Rgo’(λ)を計算する。そしてステップB143で、この目標候補の分光反射率Rso’(λ)から、色座標演算手段27がCIE−L*a*b*の色座標値(L*o’、a*o’、b*o’)を計算する。なお、この計算方法は、JIS・Z8730に詳説されている。
【0094】
そしてステップB144で、比較演算手段28が目標の色座標値(L*o、a*o、b*o)と目標候補の色座標値(L*o’、a*o’、b*o’)の色差△E*を(8)式により計算し、この色差△E*が最小となるまで、B142〜B144のステップを繰り返す。そして上式(8)の色差△E*が最小となったとき、ステップB145で目標の分光反射率算出手段29が目標候補の分光反射率Rso’(λ)を目標分光反射率Rso(λ)と決定する。
【0095】
そしてステップB150で、目標ベタ濃度演算手段24により、目標の特色分光反射率Rso(λ)と印刷シートの特色分光反射率Rs(λ)とをRso(λ)=Rs(λ)とおき、左辺≒右辺となるような目標特色べ夕濃度Dsoを最小二乗法などの数学的手段を用いて求める。
【0096】
上記の手順により、印刷シートのべ夕濃度Ds(特色インキの盛り量)と目標分光反射率に一致する、或いは近似する特色べ夕濃度目標値Dsoとが求められると、ステップB160でべ夕濃度偏差演算手段25が次式により、べ夕濃度Dsと特色べ夕濃度目標値Dsoとからインキ供給量制御装置に送る制御データδDを演算する。
δDs=Dso−Ds ……(7)
【0097】
そして、各色についてインキ盛り量過不足分データ(制御データ)δDが求められると、演算装置2はインキ供給量制御装置7に求めた制御データδDを送信する。
【0098】
インキ供給量制御装置7では、送信された制御データδDに基づき、ステップB170で各色フィルタ濃度のうち、最大濃度値を示したインキ供給特性、及び絵柄面積率に応じたインキ供給量を計算し、各色ユニツトのインキ・キー3の開度を制御する。
【0099】
なお、ステップB141で特色の目標に、CIE−L*a*b*の色座標値が入力されていないと判断された場合、ステップB142からB144はスキップされ、前記した第2従来技術と全く同様に、上記ステップB150からB170までが実施される。
【0100】
以上が本発明の印刷機の色調制御方法及び装置の第2の実施例であるが、前記したように、本刷り(本機刷り)が色見本(校正刷り)と同じ印刷資材、印刷条件で刷られていない場合、グレイバランスパッチの色を一致させようと色調制御すると、インキ盛り量(印刷べ夕濃度)が極度にアンバランスする場合があった。そのため以下、入力される目標色が本機で再現されないような色が入力された場合でも、インキの盛り量がアンバランスにならないように、また、インキの盛り量が極端に大きくならないように色見本に出来るだけ近づけさせる本発明の第3の実施例を説明する。
【0101】
図5は、本発明になる印刷機の色調制御方法及び装置の第3の実施例で、(a)はその構成概略、(b)は演算装置2の詳細であり、図6はそのフローチャート、図15は図5の(b)の目標候補分光反射率を演算部30の詳細、図16は図5(a)の表示装置8に表示されるデータの一例である。
【0102】
図5(a)において、1は分光反射率計で、印刷機によって印刷された印刷シート6の図11に示したようなカラーコントロールストリップ5を図の矢印方向にスキャンして測色し、各パッチの分光反射率を演算装置2に送る。
【0103】
2はこの分光反射率計1から送られてきた各パッチの分光反射率、もしくは数値で入力された分光反射率、或いは前記した色座標値(CIE−Lab)をもとに、インキ供給量制御装置7の制御データ(べ夕濃度偏差)を演算する演算装置で、分光反射率、或いは前記した色座標値(CIE−Lab)を入力する目標入力と、上記演算した目標候補の演算結果を表示装置8に表示し、その表示結果を基に、実際に色調制御するための目標分光反射率を選択する目標優先度選択入力とを持つ。
【0104】
3は、インキ・キー調節信号をもとに、インキ元ローラ4とインキ・キー3の隙間(インキ・キー開度)を変えて、インキ供給量を調節するインキ・キー。4はインキ元ローラ。5は、印刷シート6上のカラーコントロールストリップ。7は、上記制御データをもとに、絵柄の面積率に応じて、各インキ・キーゾーンのインキ・キー調節信号を送出するインキ供給量制御装置。8は、目標候補の分光反射率、前記分光反射率から演算される色座標値、並びに前記目標分光反射率時のベタ濃度を表示する表示装置である。
【0105】
図5(b)は、上記演算装置2の詳細で、図中11のトラッピングパラメータを演算するトラッピングパラメータ演算手段、12のべ夕濃度演算手段、13のべ夕濃度とべタバッチの分光反射率との関係を演算する手段、14の網点面積率演算手段、15の目標ベタ濃度演算手段、16のべ夕濃度偏差演算手段は、第2従来技術、及び図1の実施例で説明したものと同じ構成要素である。
【0106】
30は、目標候補選択入力により選択された項目に従い、目標入力された色に一致する、或いは接近する目標候補の分光反射率を演算し、その結果を表示装置8に出力するとともに、表示装置8に出力された結果を参照して目標候補を変更したり、目標候補が決定された場合、それを目標分光反射率として登録し、第2従来技術と同様な方法で色調制御を行う目標候補分光反射率演算部で、図15に詳細を示した。
【0107】
図15において、31は目標候補選択入力された項目に従い、目標入力された分光反射率、或いは色座標に一致、或いは接近する目標候補の分光反射率を演算する目標候補分光反射率演算手段。これにより演算された結果は、図16(a)のように表示装置8に表示される。
【0108】
32は、上記目標候補分光反射率演算手段31で演算された目標候補の分光反射率から、任意の観測光源、及び視野のCIE−Lab色座標値を演算する目標候補L*a*b*演算手段。観測光源、及び視野の例としては、ISOで規定されているものを使い、印刷分野では観測光源にD50、視野に2度を使う場合が多い。これにより演算された結果は、図16(b)のように表示装置8に表示される。
【0109】
33は、上記目標候補分光反射率演算手段31で演算された目標候補が得られたときのべ夕濃度を演算する目標候補べ夕濃度演算手段。これにより演算された結果は、図16(c)のように表示装置8に表示される。目標候補の分光反射率が目標として登録された場合、その分光反射率を出力する。
【0110】
以下、図6のフローチャートに従って説明する。
【0111】
まず、図6のステップA100で、目標となるグレイバランスの色(分光反射率Rgo(λ))、或いはCIE−L*a*b*等の知覚均等色空間座標値(L*o、a*o、b*o)を演算装置2に予め入力しておく。そしてステップA110で、分光反射率計1によって印刷シート6に刷られたカラーコントロールストリップ5を測定し、演算装置2に入力する。カラーコントロールストリップ5は、インキ・キーゾーン単位に各色の色パッチで構成され、色調制御毎に異なった色パッチで構成されている。グレイバランス制御用のカラーコントロールストリップは、例えば図11に示すような色パッチ構成となる。
【0112】
次にステップA120でトラッピングパラメータ演算手段11は、分光反射率計1によって測定されたカラーコントロールストリップ5の各色パッチの分光反射率から、公知文献「Yan Liu,SPECTRAL REFFRENCEMODIFICATION OF NEUGEBAUER EQUATIONS」に記載の計算方法に基づき、トラッピングパラメータ(下刷りインキに上刷りインキが乗る割合)を計算する。今、Rcm(λ)をシアンとマゼンタのベタ重ねパッチの分光反射率、λを可視光波長域(例えば400〜700nm)、Rc(λ)をシアンのベタパッチの分光反射率、Rm(λ)をマゼンタのベタパッチの分光反射率、Rp(λ)をペーパーパッチの分光反射率を表すとすると、例えば、シアンインキの上のマゼンタインキの乗る割合ncm(λ)は、以下の式で求められる。
Rcm(λ)=Rc(λ)×{Rm(λ)/Rp(λ)}^ncm(λ)……(1)
【0113】
また、シアンインキの上のイエローインキの乗る割合ncy(λ)、マゼンタインキの上のイエローインキの乗る割合nmy(λ)も同様に求められる。
【0114】
また、Rcmy(λ)をシアンとマゼンタとイエローのベタ重ねパッチの分光反射率、Ry(λ)をイエローベタパッチの分光反射率とすると、シアン、マゼンタ、イエローのベタ重ねのトラッピングパラメータncmy(λ)は、(1)式で求めたncm(λ)を用いて次式で計算できる。
Rcmy(λ)=Rc(λ)×[{Rm(λ)/Rp(λ)}^ncm(λ) ]×[{Ry(λ)/Rp(λ)}^ncmy(λ)] ……(2)
【0115】
トラッピングパラメータが計算されると、次にステップA130でべ夕濃度演算手段12により、各色べタパッチの分光反射率をもとにべ夕濃度が計算される。例えば、logを底10の対数関数とし、∫を可視光域の積分、Fc(λ)をシアン濃度検出フィルタの分光透過率とすると、シアンのべ夕濃度Dcは次式により算出される。
Figure 0003664924
【0116】
濃度検出フィルタとしては、ISO STATUS−E、或いはISO STATUS−T特性などを用いる。なお、他の色濃度Dm(マゼンタ)、Dy(イエロー)、Dk(ブラック)も同様に算出できる。
【0117】
べ夕濃度が算出されると、次にステップA140で、べ夕濃度と分光反射率の関係を演算する手段13により、べ夕濃度と分光反射率との関係を求める。ここで、例えばシアンベタ濃度Dcとシアンベタパッチの分光反射率Rc(λ)との関係は、次式で近似される。
log{Rp(λ)/Rc(λ)}=kc(λ)×Dc ……(4)
【0118】
kc(λ)は線形近似係数であり、式(4)にRp(λ)、Rc(λ)、Dcを代入することにより算出できる。また、他の色の係数km(マゼンタ)、ky(イエロー)も同様にして算出できる。このように線形近似係数kc、km、kyが明らかになることにより、べ夕濃度(インキ盛り量)と分光反射率との関係が既知となり、分光反射率一致によるインキ供給量が推定できるようになる。
【0119】
次に、ステップA150で網点面積率演算手段14により、各インキ・キーゾーンのグレイバランスパッチの光学的網点面積率を、公知の理論「Neugebauer,H.E.J.,Die therretischen Grundlagen des Mehrfarbenbuchdrucks,Z.Wiss.photo.Vol.36 No.4(1937)p.37」、及び「Demichel,M.E.(written by Clerc,L.P.),LeProcede Vol.26 No.3(1924)p.17」を用いて次式により求める。次式においてRg(λ)はグレイバランスパッチの分光反射率を表す。グレイバランスパッチは、シアン、マゼンタ、イエローの網点重ねで構成されており、本ステップは、各色の網点の大きさc(シアン)、m(マゼンタ)、y(イエロー)を求めようとするものである。
Rg(λ)=(1−c)(1−m)(1−y)Rp(λ)+c(1−m)
(1−y)Rc(λ)+m(1−c)(1−y)Rm(λ)+y(1−c)
(1−m)Ry(λ)+cm(1−y)Rcm(λ)+my(1−c)Rm
y(λ)+cy(1−m)Rcy(λ)+cmyRcmy(λ)……(5)
【0120】
なお、図11に示すように各インキ・キーゾーン中には、式(5)にない情報、Rp(λ)、Rcm(λ)、Rmy(λ)、Rcy(λ)、Rcmy(λ)も含むので、Rp(λ)は他のインキ・キーゾーンの情報を、他の混色の情報は式(1)、式(2)を用いて計算して、それぞれ式(5)に代入する。そして、式(5)に基づき、最小二乗法などの数学的手段を用いることにより、印刷シートのグレイバランスパッチの網点面積率c、m、yの値を算出することができる。
【0121】
こうしてA110からA150までのステップで各インキ・キーゾーンのグレイバランスパッチの光学的網点面積率が求まると、ステップC151で図15の目標候補の分光反射率演算手段31は、目標に分光反射率が与えられた場合、式(5)のRg(λ)に目標分光反射率Rgo(λ)をセットし、式(1)、式(2)、式(4)を利用して式(5)の左辺≒右辺となるような目標候補の分光反射率を最小二乗法などの数学的手段を用いて求める。
【0122】
一方、目標に色座標値(L*o、a*o、b*o)が与えられた場合、図15の目標候補のL*a*b*演算手段32では、(3)、(4)式を利用し、C、M、Yのべ夕濃度を任意に変化させて(5)式に代入し、任意の分光反射率Rgo’(λ)を生成してこの任意分光反射率Rgo’(λ)から、CIE−L*a*b*の色座標値(L*o’、a*o’、b*o’)を計算する。そして(8)式にそれぞれの色座標値を代入し、(8)式の色差△E*が最小となるまで、図2のA152からA154のステップを繰り返す。そして(8)式の色差△E*が最小となったときの分光反射率Rgo’(λ)を、目標候補の分光反射率とする。次いでステップC152で、この目標候補の分光反射率から、CIE−L*a*b*の色座標値を計算する。
【0123】
またステップC153で、図15の目標候補ベタ濃度演算手段33が上記で計算された目標候補の分光反射率を式(5)のRg(λ)にセットし、式(1)、式(2)、式(4)を利用して式(5)の左辺=右辺となるような目標候補のC、M、Yのべ夕濃度を最小二乗法などの数学的手段を用いて求める。そしてステップC154で、これらの計算結果を表示装置8に表示する。
【0124】
この表示例としてはまず図16(a)のように、可視光波長に対する現在刷ったばかりの現在分光反射率、目標入力に入力された目標分光反射率(色座標値が入力された場合は、表示されない)、現在のデータで計算された目標候補の分光反射率の表示、図16(b)のように、現在の色座標値、目標入力に入力された色座標値(分光反射率が入力された場合は、色座標値を計算して表示する)、現在のデータで計算された目標候補の色座標値の表示、そして図16(c)のように、目標分光反射率が計算されたときのC、M、Yベタ濃度などがある。
【0125】
そして次のステップC155で、表示装置8に表示された図16の各値を考慮し、目標候補の分光反射率を変更するかどうか決定して目標候補分光反射率演算部30に入力する。
【0126】
例えば、図16(c)に示すように、計算された目標候補のべ夕濃度が、IS0で規定されたレベルに対してアンバランスな場合、目標候補の分光反射率を次のステップC156からC159で示すような項目で再計算する。現在の目標分光反射率、或いは次ステップで再計算された目標候補の分光反射率が最もふさわしい場合は、現在の目標候補分光反射率を目標分光反射率として登録する。
【0127】
ステップC156は、あくまでも色見本の分光反射率(目標分光反射率)に最も接近する目標候補の分光反射率を計算するモードで、入力された目標分光反射率に対し、分光反射率偏差が最小となる目標候補分光反射率を計算する。第2従来技術と同様な効果がある。
【0128】
ステップC157は、あくまでも色見本の色座標値(目標色座標値)に最も接近する目標候補の分光反射率を計算するモードで、入力された目標色座標値に対し、色差が最小となる目標候補分光反射率を計算する。図1で説明した実施例と同様な効果がある。クライアントから観測光源及び視野が指定された場合は、それを入力して色座標値を求めることもできる。特に指定がない場合、IS0で規定された観測光源D50、及び観測視野2度で計算される。
【0129】
ステップC158は、濃度バランスを優先しながら、入力目標(分光反射率或いは色座標値)に接近する候補の分光反射率を計算するモード。例えば、濃度バランスとしてIS0規定の濃度レベル許容として±10%等を指定し、その範囲内で最も分光反射率偏差が最小となる、或いは色差が最小となる目標候補分光反射率を計算する。計算方法は、第2従来技術の図10におけるステップA160と同様で、C、M、Yのべ夕濃度を任意に変化させるところを前記許容範囲内で変化させることで目的を達成する。
【0130】
ステップC159は、C、M、Yいずれかの色の最大濃度を規定し、規定しない他の色の濃度は任意に変化させて入力目標(分光反射率或いは色座標値)に接近する候補の分光反射率を計算するモード。例えば、最大濃度としていずれかの色の濃度をIS0規定の濃度に指定し、他の色の濃度を任意に変化させて、最も分光反射率偏差が最小となる、或いは色差が最小となる目標候補分光反射率を計算する。計算方法は、第2従来技術の図10におけるステップA160と同様でC、M、Yのいずれかの色の最大濃度を規定し、規定しない他の色の濃度は任意に変化させて、目標候補分光反射率を計算する。
【0131】
こうして目標候補分光反射率が目標分光反射率として登録されると、ステップA160で目標ベタ濃度演算手段15により、式(5)のRg(λ)に目標分光反射率Rgo(λ)をセットし、式(1)、式(2)、式(4)を利用して、式(5)の左辺≒右辺となるような各色べ夕濃度を最小二乗法などの数学的手段を用いて求める。これにより、グレイバランスパッチの色が目標分光反射率と一致する、或いは近似する目標ベタ濃度Dco(シアン)・Dmo(マゼンタ)、Dyo(イエロー)が求められる。
【0132】
上記の手順により、印刷シートのべ夕濃度D(インキの盛り量)と目標ベタ濃度Doが求められると、次にステップA170でべ夕濃度偏差演算手段16により、べ夕濃度Dと目標ベタ濃度Doとからインキ供給量制御装置7に送る制御データδDを演算する。例えば、シアンインキの場合にはインキ供給量制御装置に送る制御データδDは、δDcをインキ供給量制御装置に送るシアン制御データ、Dcoを目標ベタ濃度演算手段15により求められたシアンの目標ベタ濃度、Dcをべ夕濃度演算手段12により求められたシアンの印刷シートのべ夕濃度を表すとすると、次式で求められる。
δDc=Dco−Dc ……(6)
【0133】
なお、シアンインキ以外の他の色の制御データδDも同様にして求めることができる。
【0134】
そして、各色についてインキ盛り量過不足分データ(制御データ)δDが求められると、演算装置2はインキ供給量制御装置7に求めた制御データδDを送信し、最後にステップA180でインキ供給量制御装置7は、送信された制御データδDに基づき、絵柄面積率に応じたインキ供給量を計算し、各色ユニットのインキ・キー3の開度を制御する。
【0135】
以上が本刷り(本機刷り)と色見本(校正刷り)とで同じ印刷資材、印刷条件で刷られていない場合の本発明の第3の実施例であるが、前記したように特色の場合も同様であり、以下特色で校正刷りに本機と異なる印刷資材で刷られた色見本が与えられた場合、または、入力される目標色が本機で再現されないような色が入力された場合、試し刷り段階で色がどの程度一致するか分かり、もし、色の許容絶囲内に色を合わせることが出来る場合はその色を目標として色見本に出来るだけ近づけさせる本発明の第4の実施例を説明する。
【0136】
図7は、本発明になる印刷機の色調制御方法及び装置の第4の実施例で、(a)はその構成概略であり、これは図5の(a)で説明したものと同一である。図7の(b)は特色制御時の演算装置2の詳細であり、図8はそのフローチャート、図17は図7の(b)の目標候補分光反射率算部40の詳細、図18は図7(a)の表示装置8に表示されるデータの一例である。
【0137】
図7(b)は、演算装置2の詳細で、図中21のC、M、Y、Kフィルタ濃度演算手段、22のフィルタ濃度選択手段、23の特色べ夕濃度と特色べタバッチの分光反射率との関係を演算する手段、24の目標ベタ濃度演算手段、25のべ夕濃度偏差演算手段は、第2従来技術、及び図3の実施例で説明したものと同じ構成要素である。
【0138】
40は、目標候補選択入力により選択された項目に従い、目標入力された色に一致する、或いは接近する目標候補の分光反射率を演算し、その結果を表示装置8に出力すると共に、表示装置8に出力された結果を参照して目標候補を変更したり、目標候補が決定された場合、それを目標分光反射率として登録し、第2従来技術と同様な方法で色調制御を行う目標候補分光反射率演算部で、図17に詳細を示した。
【0139】
図17において、41は目標候補選択入力された項目に従い、目標入力された分光反射率、或いは色座標に一致、或いは接近する目標候補の分光反射率を演算する目標候補分光反射率演算手段で、これにより演算された結果は、図18(a)のように表示装置8に表示される。
【0140】
42は上記目標候補分光反射率演算手段41で演算された目標候補の分光反射率から、任意の観測光源、及び視野のCIE−Lab色座標値を演算する目標候補L*a*b*演算手段。観測光源、及び視野の例としては、ISOで規定されているものを使い、印刷分野では観測光源にD50、視野に2度を使う場合が多い。これにより演算された結果は、図18(b)のように表示装置8に表示される。
【0141】
43は、上記目標候補分光反射率演算手段41で演算された目標候補が得られたときの特色べ夕濃度を演算する目標候補べ夕濃度演算手段。これにより演算された結果は、最大濃度を示すフィルタ濃度がシアンであった場合、図18(c)ように表示装置8に表示される。目標候補の分光反射率が目標として登録された場合、その分光反射率を出力する。
【0142】
以下、図8のフローチャートに従って説明する。
【0143】
まず、図8のステップB100で、目標となるグレイバランスの色(分光反射率Rgo(λ))、或いはCIE−L*a*b*等の知覚均等色空間座標値(L*o、a*o、b*o)を演算装置2に予め入力しておく。そしてステップB110で、分光反射率計1によって印刷シート6に刷られた例えば図14に示すような色パッチ構成の特色制御用のカラーコントロールストリップ5の分光反射率を測定し、演算装置2に入力する。
【0144】
するとステップB120で演算装置2のC、M、Y、Kフィルタ濃度演算手段21は、前記(3)式により、分光反射率計1によって測定されたカラーコントロールストリップ5の特色べタパッチの分光反射率から、各色全ての濃度フィルタにてべ夕濃度Dsc(シアン濃度フィルタ)、Dsm(マゼンタ濃度フィルタ)、Dsy(イエロー濃度フィルタ)、Dsk(ブラック濃度フィルタ)を求める。
【0145】
各色全てのフィルタ濃度(べ夕濃度)Dsc、Dsm、Dsy、Dskが求まると、次のステップB130で、最大濃度を示すフィルタ濃度選択手段22により、上記各色フィルタ濃度のうち最大濃度値を示すものを特色のべ夕濃度Dsとして選択する。例えば、シアン濃度フィルタで計算された濃度値Dscが他のフィルタで計算された濃度値よりも高い場合、特色べ夕濃度DsはDscとなる。
【0146】
こうして特色べ夕濃度Dsが選択されると、次にステップB140で、特色べ夕濃度と分光反射率の関係を演算する手段23により、前記(4)式を用いて特色べ夕濃度Dsと特色べタパッチの分光反射率Rs(λ)との関係を近似し、線形近似係数ks(λ)を算出する。
【0147】
こうしてB110からB140までのステップで、特色べ夕濃度Dsと特色べタパッチの分光反射率Rs(λ)との関係が求まると、ステップD141で図17の目標候補の分光反射率演算手段41は、目標に分光反射率が与えられた場合、式(4)のRc(λ)に目標分光反射率Rso(λ)をセットし、式(4)の左辺≒右辺となるような目標候補の分光反射率を最小二乗法などの数学的手段を用いて求める。
【0148】
一方、目標に色座標値(L*o、a*o、b*o)が与えられた場合、図17の目標候補のL*a*b*演算手段42は、(4)式を利用し、特色のべ夕濃度を任意に変化させて、任意の分光反射率Rso’(λ)を生成する。そしてこの任意分光反射率Rso’(λ)から、CIE−L*a*b*の色座標値(L*o’、a*o’、b*o’)を計算する。
【0149】
そして(8)式にそれぞれの色座標値を代入し、(8)式の色差△E*が最小となるまで、図4のステップB142からB144を繰り返す。そして(8)式の色差△E*が最小となったときの分光反射率Rso’(λ)を、目標候補の分光反射率とする。次いでステップD142で、この目標候補の分光反射率から、CIE−L*a*b*の色座標値を計算する。
【0150】
またステップD143で、目標候補ベタ濃度演算手段43が上記で計算された目標候補の分光反射率を式(4)のRc(λ)にセットし、左辺=右辺となるような目標候補の特色のべ夕濃度を最小二乗法などの数学的手段を用いて求める。そしてステップD144で、これらの計算結果を表示装置8に表示する。
【0151】
この表示例としてはまず図18(a)のように、可視光波長に対する現在刷ったばかりの現在分光反射率、目標入力に入力された目標分光反射率(色座標値が入力された場合は、表示されない)、現在のデータで計算された目標候補の分光反射率、図18(b)のように、現在の色座標値、目標入力に入力された色座標値(分光反射率が入力された場合は、色座標値を計算して表示する)、現在のデータで計算された目標候補の色座標値、インキ盛り量(特色べ夕濃度)に対する色座標軌跡、そして図18(c)のように、目標候補の分光反射率が計算されたときの特色べ夕濃度(図では、最大濃度を示すフィルタ濃度がシアンの場合を示す)などである。
【0152】
そして次のステップD145で、表示装置8に表示された図18の各値を考慮し、目標候補の分光反射率を変更するかどうか決定する。例えば、図18(b)に示すように、インキ盛り量(特色べ夕濃度)に対する色座標軌跡が目標に対してどれだけ接近するかが分かれば、目標候補を計算する指針となる。
【0153】
目標候補の分光反射率が色の許容範囲内に入るかどうかは、目標候補の分光反射率を次ステップで示すような項目で再計算してみれば分かる。現在の目標分光反射率或いは次ステップで再計算された目標候補の分光反射率が色の許容範囲内に入る場合は、現在の目標候補分光反射率を目標分光反射率として登録する。
【0154】
ステップD146Aは、あくまでも色見本の分光反射率(目標分光反射率)に最も接近する目標候補の分光反射率を計算するモード。入力された目標分光反射率に対して、分光反射率偏差が最小となる目標候補分光反射率を計算する。第2従来技術と同様な効果がある。
【0155】
ステップD146Bは、あくまでも色見本の色座標値(目標色座標値)に最も接近する目標候補の分光反射率を計算するモード。入力された目標色座標値に対して、色差が最小となる目標候補分光反射率を計算する。図3で説明した実施例と同様な効果がある。クライアントから観測光源及び視野が指定された場合は、それを入力して色座標値を求めることもできる。特に指定がない場合、IS0で規定された観測光源D50及び観測視野2度で計算される。
【0156】
ステップD146Cは、色見本と本機刷りの特色パッチの明度差が0になるよう、目標候補の分光反射率を計算するモード。計算方法は、図4におけるステップB142〜B144と同様で、ステップB144の色差を明度差(L*の差)に置き換え、明度差が0となるように特色のべ夕濃度を任意に変化させて目標候補の分光反射率を得る。色見本との色合わせが色度よりも明度に対して重視される場合は本選択が有効である。
【0157】
ステップD146Dは、色見本と本機刷りの特色パッチの色度差が0になるよう、目標候補の分光反射率を計算するモード。計算方法は、図4におけるステップB142〜B144と同様で、(8)式のL*の項を無視し、色度の項a*、b*で色差が最小となる目標候補の分光反射率を得る。または、ステップB144の色差を色度差(a*の差或いはb*の差)に置き換えて、色度差が0となるように特色のべ夕濃度を任意に変化させ、目標候補の分光反射率を得る。色見本との色合わせが明度よりも色度に対して重視される場合は本選択が有効である。
【0158】
ステップD146Eは、ステップD146A、或いはD146Bで計算された目標候補の分光反射率が得られる時の特色べ夕濃度を100%とし、任意の%の入力で目標候補の分光反射率を得る。色見本よりも濃く、或いは薄くしたい場合には本選択が有効である。
【0159】
こうして目標候補分光反射率が目標分光反射率として登録されると、ステップB150で目標ベタ濃度演算手段24により、目標の特色分光反射率Rso(λ)と印刷シートの特色分光反射率Rs(λ)とをRso(λ)=Rs(λ)とおき、左辺≒右辺となるような目標特色べ夕濃度Dsoを最小二乗法などの数学的手段を用いて求める。
【0160】
上記の手順により、印刷シートのべ夕濃度Ds(特色インキの盛り量)と目標分光反射率に一致する、或いは近似する特色べ夕濃度と目標値Dsoとが求められると、ステップB160でべ夕濃度偏差演算手段25が次式により、べ夕濃度Dsと特色べ夕濃度目標値Dsoとからインキ供給量制御装置に送る制御データδDを演算する。
δDs=Dso−Ds ……(7)
【0161】
そして、各色についてインキ盛り量過不足分データ(制御データ)δDが求められると、演算装置2はインキ供給量制御装置7に求めた制御データδDを送信し、インキ供給量制御装置7は送信された制御データδDに基づき、ステップB170で各色フィルタ濃度のうち、最大濃度値を示したインキ供給特性、及び絵柄面積率に応じたインキ供給量を計算し、各色ユニツトのインキ・キー3の開度を制御する。
【0162】
【発明の効果】
以上説明してきたように、発明では、現物の色見本がない場合、分光反射率の数値入力のかわりに国際照明委員会で定義された色座標値(CIE−Lab)を入力し、その値から目標分光反射率を計算し、従来のシステムでグレイバランスや特色の色調制御ができる。CIE−Labは人間の色の感じ方を数値化したもので、明暗、色相、彩度というように人間には分かりやすく、且つ、3次元座標なので数値もL*(明度)、a*(赤⇔緑方向の色度)、b*(黄⇔青方向の色度)の3つで、入力も比較的簡単である。
【0163】
また発明では、校正刷りに本機と異なる印刷資材、印刷条件で刷られた色見本が与えられた場合、または、入力される目標色が本機で再現されないような色が入力された場合でも、表示装置に可視光波長に対する現在刷ったばかりの現在分光反射率、目標入力に入力された目標分光反射率(色座標値が入力された場合は、表示されない)、現在のデータで計算された目標候補の分光反射率、現在の色座標値、目標入力に入力された色座標値、現在のデータで計算された目標候補の色座標値、そして目標分光反射率が計算されたときのC、M、Yベタ濃度などが表示され、このデータを見ることによってインキの盛り量がアンバランスにならないように、また、インキの盛り量が極端に大きくならないように色見本に出来るだけ近づけさせることを容易にし、また、試し刷り段階で色がどの程度一致するか分かり、もし、色の許容絶囲内に色を合わせることが出来る場合は、その色を目標として色見本に出来るだけ近づけさせるような色調制御ができる。
【0164】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のグレイバランスの色調制御装置の第1の形態例
【図2】 本発明のグレイバランスの色調制御方法の第1の形態例
【図3】 本発明の特色の色調制御装置の第2の形態例
【図4】 本発明の特色の色調制御方法の第2の形態例
【図5】 本発明のグレイバランスの色調制御装置の第3の形態例
【図6】 本発明のグレイバランスの色調制御方法の第3の形態例
【図7】 本発明の特色の色調制御装置の第4の形態例
【図8】 本発明の特色の色調制御方法の第4の形態例
【図9】 従来のグレイバランスの色調制御装置の例
【図10】 従来のグレイバランスの色調制御方法の例
【図11】 グレイバランス制御用カラーコントロールストリップの例
【図12】 従来の分光反射率一致による特色制御装置の例
【図13】 従来の分光反射率一致による特色制御方法の例
【図14】 特色制御用カラーコントロールストリップの例
【図15】 本発明のグレイバランスの色調制御装置の第3の形態例の目標候補分光反射率演算部の例
【図16】 本発明のグレイバランスの色調制御装置の第3の形態例の表示装置への表示データ例
【図17】 本発明の特色の色調制御装置の第4の形態例の目標候補分光反射率演算部の例
【図18】 本発明の特色の色調制御装置の第4の形態例の表示装置への表示データ例
【符号の説明】
1 分光反射率計
2 演算装置
3 インキ・キー
4 インキ元ローラ
5 カラーコントロールストリップ
6 印刷シート
7 インキ供給量制御装置
11 トラッピングパラメータ演算手段
12 ベタ濃度演算手段
13 ベタ濃度と分光反射率の関係演算手段
14 網点面積率演算手段
15 目標ベタ濃度演算手段
16 色座標演算手段
17 目標候補の分光反射率の関係演算手段
18 色座標演算手段
19 比較演算手段
20 目標分光反射率算出手段
21 C、M、Y、Kフィルタ濃度演算手段
22 最大濃度を示すフィルタ濃度選択手段
23 特色別納度と分光反射率の関係演算手段
24 目標ベタ濃度演算手段
25 ベタ濃度演算手段
26 目標の分光反射率演算手段
27 色座標演算手段
28 比較演算手段
29 目標分光反射率算出手段
30 目標候補分光反射率演算部
31 目標候補分光反射率演算手段
32 目標候補L*a*b*演算手段
33 目標候補ベタ濃度演算手段
40 目標候補分光反射率演算部
41 目標候補分光反射率演算手段
42 目標候補L*a*b*演算手段
43 目標候補ベタ濃度演算手段

Claims (8)

  1. 目標色の色座標値を入力し、該目標色の色座標値を分光反射率に変換すると共に該目標色の分光反射率から目標とするベタ濃度を計算し、一方実際の印刷物の印刷色の分光反射率を測定し、該実際の印刷物の印刷色の分光反射率からベタ濃度を計算すると共に、実際の印刷物の印刷色のベタ濃度と目標色のベタ濃度との差を略0とするようにインキ供給量を制御するようにしたことを特徴とする印刷機の色調制御方法。
  2. 目標色の色座標値を分光反射率に変換するにあたり、目標色の候補を定めて印刷に使用するインキのベタ濃度を任意に変化させて目標色の候補の分光反射率を計算し、該目標色の候補の分光反射率から目標色の候補の色座標値を計算し、前記任意に変化させた印刷に使用するインキのベタ濃度から得られる複数の目標色の候補の色座標値と目標色の色座標値とそれぞれ差を取ってその差が最小である目標色の候補の色座標値を目標色の色座標値と定めてその分光反射率を使用することを特徴とする請求項1に記載の印刷機の色調制御方法。
  3. 印刷に使用する色がシアン、マゼンタ、イエローであることを特徴とする請求項2に記載の印刷機の色調制御方法。
  4. 印刷に使用するインキが特色であることを特徴とする請求項2に記載の印刷機の色調制御方法。
  5. 目標色の色座標値を入力し、該目標色の色座標値を分光反射率に変換すると共に前記目標色の分光反射率から目標とするベタ濃度を計算し、一方実際の印刷物の印刷色の分光反射率を測定し、該実際の印刷物の印刷色の分光反射率からベタ濃度を計算し、これらの計算過程を表示装置に表示しながら、実際の印刷物の印刷色のベタ濃度と目標色のベタ濃度との差を略0とするようにインキ供給量を制御するようにしたことを特徴とする印刷機の色調制御方法。
  6. 目標色の色座標値を分光反射率に変換するにあたり、目標色の候補を定めて印刷に使用するインキのベタ濃度を任意に変化させて目標色の候補の分光反射率を計算し、前記任意に変化させた印刷に使用するインキのベタ濃度から得られる複数の目標色の候補の色座標値と目標色の色座標値とそれぞれ差を取ってその差が最小である目標色の候補の色座標値を目標色の色座標値と定めてその分光反射率を使用することを特徴とする請求項に記載の印刷機の色調制御方法。
  7. 測定した実際の印刷物の印刷色の分光反射率からベタ濃度を計算する手段と、入力された目標色の色座標値を分光反射率に変換する手段と、該目標色の分光反射率から目標とするベタ濃度を計算する手段からなる演算装置を持ち、実際の印刷物の印刷色のベタ濃度と目標色のベタ濃度との差を略0とするようにインキ供給量を制御するように構成した印刷機の色調制御装置。
  8. 前記目標色の候補の分光反射率を表示する表示装置を持つことを特徴とする請求項に記載の印刷機の色調制御装置。
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