JP3664371B2 - 画像データ取得方法、画像データ取得装置および画像データ取得処理プログラムを記録した媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データ取得方法、画像データ取得装置および画像データ取得処理プログラムを記録した媒体に関し、特に、少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を含む画像について、最小のオブジェクト画像に適合した解像度により画像データを取得する画像データ取得方法、画像データ取得装置および画像データ取得処理プログラムを記録した媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラなどにより撮影したデジタル画像から所望の出力を取得するために、このデジタルカメラをパソコンに接続し、このパソコンで画像編集アプリケーションを起動しデジタル画像データとして取り込んだり、スキャナを利用して写真などをデジタル画像データとして取り込んだりしている。そして、これらのデジタル画像データに対して所定の画像処理を行いつつ、所望の画像をディスプレイに表示したりプリンタによって印刷紙に出力している。
従来、スキャナにて写真などのオブジェクト画像をスキャンする場合、固定の解像度に基づいて本スキャンを実行し、画像データを取得していた。そして、利用者はこの固定の解像度による本スキャンによって取得したオブジェクト画像の画像データに所定の画像データ修整作業を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の画像データ取得方法においては、本スキャンにより画像データ修整作業を施す画像データを取得するに際し、その解像度を固定にしていた。
一方、画像には複数のオブジェクト画像がある場合が多く、それぞれの大きさもまちまちであることが多い。かかる場合、この固定された解像度が大きいオブジェクト画像の画像データについて画質を低下させない程度のものであると、小さいオブジェクト画像についてもその解像度により画像データが取得されるため、画質が低下してしまうという課題がある。
【0004】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、最初にプレスキャンを実行し、複数あるオブジェクト画像のうち最小のオブジェクト画像を判定し、この最小のオブジェクト画像の画像データについて画質を良好にするような本スキャンの解像度を決定することにより、画像全体の画質を向上させることが可能な画像データ取得方法、画像データ取得装置および画像データ取得処理プログラムを記録した媒体の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、所定のオブジェクトを有する画像を所定の画素数の粗解像度による粗画像データとして取得する粗画像データ入力工程と、上記粗画像データ入力工程にて取得した粗画像データから少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を抽出するオブジェクト画像抽出工程と、所定の解像度により上記画像について詳細な画像データを取得するに際し、上記抽出した各オブジェクト画像の大きさを判定し最小のオブジェクト画像に適合した解像度であって上記粗解像度より密な解像度を決定する解像度決定工程と、上記解像度決定工程にて決定された密な解像度に基づいて上記画像の画像データを取得する密画像データ入力工程とを具備する構成としてある。
上記のように構成した請求項1にかかる発明において、粗画像データ入力工程は、所定のオブジェクトを有する画像を所定の画素数の粗解像度による粗画像データとして取得する。そして、オブジェクト画像抽出工程は、上記粗画像データ入力工程にて取得した粗画像データから少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を抽出する。このようにオブジェクト画像が抽出されると、解像度決定工程は、所定の解像度により上記画像について詳細な画像データを取得するに際し、上記抽出した各オブジェクト画像の大きさを判定し最小のオブジェクト画像に適合した解像度であって上記粗解像度より密な解像度を決定する。そして、密画像データ入力工程は、同解像度決定工程にて決定された密な解像度に基づいて上記画像の画像データを取得する。
【0006】
すなわち、粗解像度の粗画像データに存在する各オブジェクト画像を抽出し、このオブジェクト画像の大きさを把握しつつ、最小のオブジェクト画像について良質な画質を再現可能になるように、密画像データ入力工程にて取得する詳細な画像データの読取り解像度を決定する。そして、密画像データ入力工程がこの解像度に従ってより詳細な画像データを取得する。従って、密画像データ入力工程にて取得した画像データにおいて、最小のオブジェクト画像の画質が良好になることを保証する。このように、最小のオブジェクト画像に適合する解像度によって画像データを取得するため、これより大きなオブジェクト画像についても画質をより良好にすることが可能なことは自明である。従って、画像全体の画質を良好にすることが可能になる。
ここで、粗画像データ入力工程は、所定の画素数で粗い解像度の粗画像データを入力することができればよく、例えば、スキャナにおけるプレスキャンによる画像データの取得が該当し、密画像データ入力工程は同粗画像データ入力工程より解像度が緻密な所定の解像度の画像データを取得することができればよく、例えば、スキャナにおける本スキャンにより画像データの取得が該当する。
【0007】
このとき、密画像データ入力工程は、画像データを取得し生成するに際し、通常は、所定の単位毎に画像データを取得する構成を採用する。これは、上述した密画像データ入力工程では解像度が高くなるため画像データが膨大になり記憶領域の仕様上、一度に画像データを取り込むことができない場合を考慮した構成である。従って、記憶領域の仕様、すなわち、記憶領域の大小に応じて同所定の単位は適宜変更可能であることはいうまでもない。
かかる場合の所定の単位とは、複数の画素からなる画像データを分割する単位であり、主走査数および副走査数であってもよいし、入力した画素数や画像データ容量であってもよい。
解像度決定工程は、オブジェクト画像の大小を判定する場合、オブジェクト画像抽出工程にて抽出された各オブジェクト画像を構成する画素数を算出し各オブジェクト画像の大きさを判定する構成であってもよいし、粗画像データ入力工程にて取得した画像データについてオブジェクト画像抽出工程が各オブジェクト画像ごとに抽出しファイル化したときは、このファイルの大きさに基づいて大きさを判定する構成であってもよい。
ここで、上記各工程はハードウェアに組み込んで実現するものであってもかまわないし、ソフトウェアにおける処理により実現するものであってもかまわない。むろん、一部の工程をハードウェアにて実現し、他の工程をソフトウェアにて実現するものであってもよい。
【0008】
オブジェクト画像抽出工程は、粗画像データ入力工程が入力した粗画像データからオブジェクト画像を取得し、上記解像度決定工程は、密画像データ入力工程にてこのオブジェクト画像を取得するための解像度を決定することができればよい。ここで、このオブジェクト画像を抽出する方法には多種の手法を採用することが可能である。例えば、各画素についてエッジ画素を検出するとともに、このエッジ画素に概略囲まれている部分をオブジェクト画像として認識する手法であってもよいし、画像データ全体の色度の分布を算出し、色度が異なる部分をオブジェクト画像として認識する手法であってもよい。
【0009】
この前者の例として、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像データ取得方法において、上記請求項1に記載の画像データ取得方法において、上記オブジェクト画像抽出工程は、上記粗画像データにおける隣接する画素間の輝度勾配である差分から取得したエッジ画素により上記オブジェクト画像を抽出する構成としてある。
上記のように構成した請求項2にかかる発明において、オブジェクト画像抽出工程は、粗画像データ入力工程が入力した粗画像データの各画素の輝度を算出する。そして、算出した各画素の輝度に基づいてさらに各隣接する画素間の輝度勾配の差分を算出することにより、この差分が所定のしきい値以上であると、エッジ画素として取得し、このエッジ画素からオブジェクト画像を抽出する。
【0010】
しかし、前者の例を採用した場合、輝度勾配のみによってオブジェクト画像とその他の画像との境界を示すことになるエッジ画素を判定することができないときがある。例えば、オブジェクト画像とその他の画像との色あいが近似、すなわち、オブジェクト画像とその他の画像の輝度がおおよそ同じになるときが該当する。このときは、後者の例を採用することにより正確にオブジェクト画像を認識することが可能になる。そこで、請求項3にかかる発明は、請求項1に記載の画像データ取得方法において、上記オブジェクト画像抽出工程は、上記粗画像データにおける色度の分布から上記オブジェクト画像を抽出する構成としてある。
上記のように構成した請求項3にかかる発明において、オブジェクト画像抽出工程は、粗画像データ入力工程が入力した粗画像データの各画素の色度を取得するとともに、この粗画像データ全体の色度の分布を算出し、これらの算出結果から上記オブジェクト画像を抽出する。
【0011】
解像度決定工程にて画像に含まれる少なくとも2つ以上のオブジェクト画像についてそれぞれの大きさを判別しそれらの大小を判定する。そして、最小のオブジェクト画像について画質を良好に再現可能な解像度を決定し、この解像度により密画像データ入力工程にて画像データを取得する。しかし、オブジェクト画像といっても、写真にて形成されるカラー画像であったり、文書にて形成される略二値階調画像であったり、その構成は様々である。略二値階調画像は、解像度の違いによって多少の違いはあるもののカラー画像ほど画質の程度が要求されるものではない場合が多い。従って、略二値階調画像をオブジェクト画像として取り扱わなければ、処理速度を高速にすることができる。そこで、請求項4にかかる発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像データ取得方法において、上記オブジェクト画像抽出工程は、抽出したオブジェクト画像の色調情報を取得するとともに、オブジェクト画像が略二値階調画像であれば、上記解像度決定工程は、判定する要素に含めない構成としてある。
上記のように構成した請求項4にかかる発明において、オブジェクト画像抽出工程は抽出したオブジェクト画像の色調情報を取得する。そして、これらの色調情報に基づいて各オブジェクト画像が写真などのカラー画像であるか、文書などの略二値階調画像であるかを判定する。そして、解像度決定定工程は、略二値階調画像であると判定されたオブジェクト画像について大きさの判定の対象にしない。従って、画質の良否を厳しく問われることが多いカラー画像についての最小のオブジェクト画像に基づいて解像度を決定することができる。
【0012】
オブジェクト画像抽出工程は抽出したオブジェクト画像について最小のオブジェクト画像に適合した解像度を決定する。一方、大小の判定において、利用者の判断が正しかったり、利用者が迅速に画像データを取得したかったりする場合がある。かかる場合、適切な解像度を含め、その周辺の解像度を提示して、小さいオブジェクト画像の画質を低下させない程度の解像度を選択することができると好適である。
そこで、請求項5にかかる発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像データ取得方法において、上記解像度決定工程は、適合する複数の解像度を提示して、選択させる構成としてある。
上記のように構成した請求項5にかかる発明において、解像度決定工程は、適合する複数の解像度を利用者に提示し、利用者に所望の解像度を選択させる。この提示の方法は、各解像度に対応したイメージデータを表示させて、利用者に提示してもよいし、各解像度の数値を表示させて利用者に提示してもよい。
【0013】
密画像データ入力工程にて取得した画像データを利用者が取り扱うに際し、オブジェクト画像ごとに画像データがあると便利である。そこで、請求項6にかかる発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像データ取得方法において、上記密画像データ入力工程は、各オブジェクト画像ごとに個別の画像データを生成するとともに格納する構成としてある。
上記のように構成した請求項6にかかる発明において、密画像データ入力工程は、粗画像データ入力工程にて、オブジェクト画像が存在する位置は把握されているため、画像から画像データを取得するに際し、各オブジェクト画像を読み込みつつ、順次画像データを取得し格納する。従って、利用者は、オブジェクト画像の画像データごとに画像修整の実行など取り扱うことが可能になり便利である。
【0014】
このように、少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を有する画像について、各オブジェクト画像の大きさを判定し、最小のオブジェクト画像に適合した解像度に基づいて画像データを取得する手法は必ずしも方法に限られる必要はなく、その方法を組み込んだ装置としても機能することは容易に理解できる。
このため、請求項7にかかる発明は、所定のオブジェクトを有する画像を所定の画素数の粗解像度による粗画像データとして取得する粗画像データ入力手段と、上記粗画像データ入力手段にて取得した粗画像データから少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を抽出するオブジェクト画像抽出手段と、所定の解像度により上記画像について詳細な画像データを取得するに際し、上記抽出した各オブジェクト画像の大きさを判定し最小のオブジェクト画像に適合した解像度であって上記粗解像度より密な解像度を決定する解像度決定手段と、上記解像度決定手段にて決定された密な解像度に基づいて上記画像の画像データを取得する密画像データ入力手段とを具備する構成としてある。
すなわち、必ずしも方法に限らず、その方法を取り込んだ実体のある装置においても有効であることに相違はない。
【0015】
ところで、このような少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を有する画像について、各オブジェクト画像の大きさを判定し、小さいオブジェクト画像に適合した解像度に基づいて詳細な画像データを取得する画像データ取得装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜変更可能である。
発明の思想の具現化例として少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を有する画像について、各オブジェクト画像の大きさを判定し、最小のオブジェクト画像に適合した解像度に基づいて詳細な画像データを取得する画像データ取得装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用されるといわざるをえない。
【0016】
その一例として、請求項8にかかる発明は、少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を有する画像について、各オブジェクト画像の大きさを判定し、最小のオブジェクト画像に適合した解像度に基づいて詳細な画像データを取得する画像データ取得処理をコンピュータに実行させる画像データ取得処理プログラムを記録した媒体であって、所定のオブジェクトを有する画像を所定の画素数の粗解像度による粗画像データとして取得する粗画像データ入力ステップと、上記粗画像データ入力工程にて取得した粗画像データから少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を抽出するオブジェクト画像抽出ステップと、所定の解像度により上記画像について詳細な画像データを取得するに際し、上記抽出した各オブジェクト画像の大きさを判定し最小のオブジェクト画像に適合した解像度であって上記粗解像度より密な解像度を決定する解像度決定ステップと、上記解像度決定ステップにて決定された密な解像度に基づいて上記画像の画像データを取得する密画像データ入力ステップとを具備する構成としてある。
【0017】
むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。その他、供給方法として通信回線を利用して行なう場合でも本発明が利用されていることにはかわりない。
さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を含む画像であって、各オブジェクト画像の大きさに大小がある場合、詳細な画像データを取得するための解像度を最小のオブジェクト画像の画質が良好になるように決定するため、各オブジェクト画像の画質を良好にすることが可能になるとともに、大小の判定を粗画像データにより行うことより上記判定を簡易にすることが可能な画像データ取得方法を提供することができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、簡易な手法であるエッジ画素の検出により画像データのなかからオブジェクト画像を抽出することが可能になる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、、より簡易な手法である画像データの色度分布からオブジェクト画像を抽出することが可能になる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、カラー画像のオブジェクト画像についてのみ、大きさの判定にするため、取得される画像データの画質をより良好にすることができる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、適合と判断された解像度の周囲の解像度を含めて利用者に提示するため、利用者は最小のオブジェクト画像の画質の低下を防止する範囲で所望の解像度を選択することが可能になる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、画像データをオブジェクト画像単位で格納するため、画像処理などをオブジェクト画像ごとに実施することが可能になり、便利である。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を含む画像であって、各オブジェクト画像の大きさに大小がある場合、詳細な画像データを取得するための解像度を最小のオブジェクト画像の画質が良好になるように決定するため、各オブジェクト画像の画質を良好にすることが可能になるとともに、大小の判定を粗画像データにより行うことより上記判定を簡易にすることが可能な画像データ取得装置を提供することができる。
さらに、請求項8にかかる発明によれば、少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を含む画像であって、各オブジェクト画像の大きさに大小がある場合、詳細な画像データを取得するための解像度を最小のオブジェクト画像の画質が良好になるように決定するため、各オブジェクト画像の画質を良好にすることが可能になるとともに、大小の判定を粗画像データにより行うことより上記判定を簡易にすることが可能なコンピュータに実行させる画像データ取得処理プログラムを記録した媒体を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる画像データ取得方法のクレーム対応図を示している。
同図において、粗画像データ入力工程C1は、所定のオブジェクトを有する画像を所定の画素数の粗解像度による粗画像データとして取得する。そして、オブジェクト画像抽出工程C2は、粗画像データ入力工程C1にて取得した粗画像データから少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を抽出する。このようにオブジェクト画像が抽出されると、解像度決定工程C3は、所定の解像度により上記画像について詳細な画像データを取得するに際し、上記抽出した各オブジェクト画像の大きさを判定し最小のオブジェクト画像に適合した解像度であって上記粗解像度より密な解像度を決定し、同解像度決定工程C3にて決定された密な解像度に基づいて、密画像データ入力工程C4が上記画像の画像データを取得する。
【0020】
次に、本画像データ取得方法を実体化するために適用したカラー複写装置の外観斜視図を図2に示す。
本カラー複写装置10は、カラースキャナ20と、コピーサーバ30と、カラープリンタ40とから構成されており、コピーサーバ30による制御に基づいてカラースキャナ20にて画像をスキャンすると、スキャンにより読み込まれた画像データに対して同コピーサーバ30が画像処理を実施して印刷データを生成し、この印刷データに基づいてカラープリンタ40が印刷を行う。
【0021】
図3はカラースキャナ20の概略構成を示しており、フラットベッドタイプを採用している。スキャン対象物を載置する透明板材21の下方には照明ランプ22とラインセンサ23とが往復スライド移動可能に支持されるとともに、これらを駆動するための駆動ベルト24aとプーリ24bと駆動モータ24cとが配置され、制御回路25に接続されている。画像を読み込むときには、制御回路25からの制御信号に基づいて照明ランプ22が点灯すると、透明板材21を介してスキャン対象物を照明するので、同スキャン対象物からの反射光が同透明板材21を介してラインセンサ23に照射される。
【0022】
ここで、ラインセンサ23には光の三原色に対応するフィルタとCCD素子とが一色につき一列、通常三列配置されており、この三列のCCD素子によりスキャン対象物の水平方向にわたる一列分の色配置を読み込み、画像データとして出力する。一方、制御回路25は駆動モータ24cを駆動させることにより、これらの照明ランプ22とラインセンサ24とを一体的にスキャン対象物の垂直方向に向かって移動させ、微少距離分だけ移動させる毎にラインセンサ23から画像データを取得して出力する。これにより、外部的にはスキャン対象物を水平方向に主走査しながら垂直方向に副走査し二次元の画像データを生成していくことになる。
【0023】
図4および図5はコピーサーバ30を概略ブロック図により示している。同コピーサーバ30は概略的にはコンピュータと同等であり、CPU31のバス32に対してRAM33とROM34と操作パネル35とハードディスク36とI/F37とが接続される構成になっている。
ここで、カラースキャナ20やカラープリンタ40はI/F37を介して接続されている。また、ROM34には基本的な演算プログラムや変換テーブルが書き込まれており、CPU31はRAM33をワークエリアとして使用しながら同演算プログラムを実行するし、必要に応じて上記変換テーブルを参照する。本実施形態においてはI/F37を特定していないが、同I/F37はカラースキャナ20やカラープリンタ40をコピーサーバ30に接続可能であればよく、LPTポートにより接続する形態であってもよいし、USBポートやSCSIにより接続する形態であっても構わない。
【0024】
また、ハードディスク36は、カラースキャナ20を駆動するスキャナドライバ38aやプリンタ40を駆動するプリンタドライバ38bを備え、同スキャナドライバ38aはカラースキャナ20から画像データを同プリンタドライバ38bはカラープリンタ40へ画像データをそれぞれ入出力可能になっている。そして、ハードディスク36はこの画像データを一時的に蓄えるようなバッファとして使用したり、スキャナ対象物を本スキャンにて読み込むに際し、所定の手法により解像度を決定し、同スキャナドライバ38aに同解像度に基づいて本スキャンさせ画像データを取得する画像データ取得処理プログラム39などを格納している。この他、操作パネル35にはコピー開始ボタン35aであるとか、コピー枚数を入力したり、本スキャンする解像度を設定、または、選択するテンキー35bなどの各種の操作ボタンとともに、操作情報を確認するための液晶表示器35cなども備えられ、CPU31はバス32を介して同操作パネル35の操作状況を監視可能となっている。
【0025】
図6はカラープリンタ40の構成を概略的に示しており、記録紙上に対してドットマトリクス状に色インクを吐出して印字を行うインクジェット方式を採用している。より詳細には、三つの印字ヘッドユニット41aからなる印字ヘッド41と、この印字ヘッド41を制御する印字ヘッドコントローラ42と、同印字ヘッド41を桁方向に移動させる印字ヘッド桁移動モータ43と、印字用紙を行方向に送る紙送りモータ44と、これらの印字ヘッドコントローラ42と印字ヘッド桁移動モータ43と紙送りモータ44における外部機器とのインターフェイスにあたるプリンタコントローラ45とから構成されている。
【0026】
このカラープリンタ40は印字インクとして四色の色インクを使用するものであり、各印字ヘッドユニット41aにはそれぞれ独立した二列の印字ノズルが形成されている。供給する色インクは印字ノズルの列単位で変えることができ、この場合は図示左方の印字ヘッドユニット41aについては二列とも黒色インク(K)を供給し、図示右方の印字ヘッドユニット41aについては左列にマゼンタ色インク(M)を供給するとともに右列にイエロー色インク(Y)を供給し、図示真ん中の印字ヘッドユニット41aについては左列にシアン色インク(C)を供給するとともに右列は不使用としている。
【0027】
なお、本実施形態においては、四色の色インクを使用しているが、三つの印字ヘッドユニット41aにおける二列の印字ノズルを最大限に利用して六色の色インクを使用することも可能である。この場合、シアンとマゼンタについては濃色インクと淡色インクとを使用するものとし、さらにイエローとブラックとを使用して合計六色とすることができる。本実施形態においては、このようなコピーサーバ30を核とする専用のカラー複写装置10として本画像データ取得装置を適用しているが、図7に示すようなカラースキャナ51とカラープリンタ52を備えたパソコン53によってカラー複写システムを採用したとしても同様に実現できることはいうまでもない。
【0028】
図8はコピーサーバ30が実行するカラー複写処理の概略をフローチャートにより示しており、以下、このカラー複写処理を基準に上記画像データ取得処理プログラム39が実行する画像データ取得処理について説明する。
本カラー複写装置の操作者は図20に示すようにフラットベッド21に写真などのオブジェクトを載置すると、操作パネル35aからコピー開始ボタン35aを押し下げる。これによりカラースキャナ20はスキャンを開始する。最初に、オブジェクト画像を含むフラットベッド21全体の画像について低解像度の画素からなる画像データを生成するためにプレスキャンが行われる(ステップS100)。そして、生成された画像データから所定の手法により上記オブジェクト画像の画像データを抽出する(ステップS200)。
次に、抽出されたオブジェクト画像を修整するための同オブジェクト画像の画像データに対する画像補正パラメータや、各オブジェクト画像の大きさを判定し、本スキャンにて画像データを取得するに際し最小のオブジェクト画像の画質が良好になる解像度のパラメータを決定し設定する(ステップS300)。このパラメータの設定が完了すると、カラースキャナ20はフラットベッド21を設定された解像度によって本スキャンする。そして、この本スキャンによって読み込まれた上記オブジェクト画像に該当する画像データに対して上記画像補正パラメータに基づいて補正する(ステップS400)。
【0029】
次に、ステップS100,S200,S300,S400の各処理について、より具体的な処理内容を図9〜図12のフローチャートを使用して説明する。
図9のフローチャートはステップS100のプレスキャン処理の処理内容を示している。
上述したように本カラー複写装置の操作者はフラットベッド21に図20に示すように写真などのスキャン対象を載置し、コピー開始ボタン35aを押し下げる。すると、I/O37を介してカラースキャナ20に対して画像読み取り指令が送出されコピーが開始される(ステップS101)。本実施形態においてはこのスキャン対象物の写真をオブジェクト画像A〜Cとする。
そして、操作者がテンキー35bにて設定したプレスキャンの解像度を読み出す(ステップS105)。ここで、カラースキャナ20の制御回路25は照明ランプ22を点灯させ、駆動モータ24cに駆動指令を出力して同照明ランプ22とラインセンサ23とをスライド移動させることにより画像の走査を開始する(ステップS110)。
【0030】
そして、所定距離分を移動するごとに制御回路25はラインセンサ23は読み取った画像を解像度により分割された画素の画像データを生成し(ステップS115)コピーサーバ30に送信する。コピーサーバ30の側ではこの画像データをI/F37を介して受け取り、ハードディスク36にスプールする。ここで、上記分割された画素について全ての走査が終了したと判定すると(ステップS120)、上記スプールされた画像データをハードディスク36に格納する(ステップS125)。
従って、このようにプレスキャンを実行して画像データを取得しつつ格納するプレスキャン処理が粗画像データ入力工程C1を構成する。
本実施形態においては、プレスキャンを所定の低解像度により実行する構成を採用しているが、具体的な解像度は50dpiであってもよく、60dpiであってもよい。また、同解像度は予めRAM34やROM35やハードディスク36に格納されているものであってもよいし、操作パネル35あるいはパソコン53が備えるキーボードやマウスから所定の方法により適宜設定可能であってもよい。
【0031】
そして、この画像データから図10に示すステップS200のオブジェクト画像抽出処理のフローチャートに従って同画像データに含まれるオブジェクト画像A〜Cを抽出するとともに、同オブジェクト画像A〜Cを構成する各画素の画像データを取得する。このオブジェクト画像A〜Cの抽出するにあたり、同オブジェクト画像A〜Cを特定するために、エッジ画素を形成する画素を特定する。
従って、最初にステップS125にてハードディスク36に格納された画像データを読み出し(ステップS201)、同画像データを構成する各画素についてエッジ画素を形成するか否かを判定する(ステップS205)。ここで、エッジ画素の判定にあたっては、色差成分に基づいて行う手法が有効であるため、本実施形態においては各画素のR(赤)およびB(青)の階調データから輝度成分Yを減算してそれぞれ色差成分C1,C2を求める。なお、この色差成分C1,C2は、
C1=R−Y …(1)
C2=B−Y …(2)
と表すことができる。
しかしながら、R(赤)G(緑)B(青)の階調データは直接には輝度の値を持っていないため、Luv表色空間に色変換して輝度を求めることも可能であるが、演算量などの問題からテレビジョンなどの場合に利用されているRGBから輝度を直に求める次式の変換式を利用する。
Y=0.30R+0.59G+0.11B …(3)
【0032】
ここで、エッジ画素は概略オブジェクト画像A〜Cの境界部分を示すことになるから、隣接する画素間で色差成分C1,C2の変化度合いが大きくなるといえる。従って、次の二つの判定基準である式(4),(5)のうちでいずれか一方を充足する場合にエッジ画素として判断することができる。
|C1(x,y)−C1(x−1,y−1)|≧Th1…(4)
|C2(x,y)−C2(x−1,y−1)|≧Th2…(5)
なお、ここにおけるxは水平方向の座標を示しており、yは垂直方向の座標を示している。
【0033】
すなわち、オブジェクト画像A〜Cの境界部分に該当する画素を中心としたドットマトリクス状の画素からなる画像データにおいて、隣接する斜め方向の画素間で色差成分C1,C2の変化度合いを求め、それぞれしきい値Th1,Th2以上あるか否かを判定していることに他ならない。そして、いずれか一方の判断基準を充足する場合にエッジ画素と判断していることになる。このようにエッジ画素を取得するとオブジェクト画像A〜Cの境界部分の画素を特定することが可能になるとともに、同エッジ画素に概略囲まれたオブジェクト画像A〜Cの領域を判定することができる(ステップS210)。
また、エッジ画素であるか否かを輝度勾配の大小で判断するようにしてもよく、この場合には上述した式(4)および(5)を次式(6)に代替すればよい。
|Y(x,y)−Y(x−1,y−1)|≧Th3…(6)
この式(6)をエッジ画素の判断基準として用いれば、式(4)および(5)を用いる場合に比べて演算量が半減されることは容易に分かる。
このようにステップS210にてオブジェクト画像A〜Cの領域が判定されると、次に同オブジェクト画像領域に囲まれたオブジェクト画像A〜Cを構成する各画素について画像データを抽出する(ステップS215)。この画像データは各画素の階調データや同画素の座標データや構成画素数などにより形成される。一方、抽出されたオブジェクト画像A〜Cを構成する各画素の階調データの分布からオブジェクト画像が白色と黒色のモノクロ画像により構成される文書オブジェクト画像であるか否かを判断する(ステップS220)。文書オブジェクト画像でなければ抽出したオブジェクト画像A〜Cの各画素の画像データをハードディスク36に格納する(ステップS225)。そして、ステップS210にて判定されたオブジェクト画像A〜Cについて画像データの格納がされたか否かを判定し(ステップS230)、終了していれば本オブジェクト画像抽出処理を終了する。
従って、プレスキャン処理により取得された画像データから所定の手法によりオブジェクト画像A〜Cを抽出し、同オブジェクト画像A〜Cを構成する各画素の画像データを取得し格納するとともに、略二値階調画像である文書オブジェクト画像を除外する処理がオブジェクト画像抽出工程C2を構成する。
本実施形態においては、ステップS220にて文書オブジェクト画像を除外し、ハードディスク36に格納せず、後述するパラメータ設定処理のオブジェクト画像の大小判定の処理に使用しない構成を採用しているが、むろん、文書オブジェクト画像のようなモノクロ画像を除外することに限定されるものではなく、全てのオブジェクト画像についてのオブジェクト画像データをハードディスク36に格納し、大小判定の処理に使用する構成であってもかまわない。
【0034】
このようにカラー画像を形成するオブジェクト画像A〜Cについての各画素の画像データを取得すると、図11のフローチャートに示すパラメータ設定処理を実行する。
このパラメータ設定処理では、本スキャン処理を実行するための解像度パラメータを決定し設定する処理と、画像データに対して補正を行う際の補正パラメータを決定し設定する処理とを実行する。
最初に、補正パラメータを設定する処理について説明する。
抽出したオブジェクト画像の画像データを読み出し(ステップS301)、同画像データについて図13に示すようにして同画像データを構成する各画素を移動させつつ同画像データについて集計処理を行う。集計処理の内容は画像の特徴量に応じて様々であるが、本実施形態においては、「コントラスト」の特徴量を得るために各画素の輝度の分布を算出する(ステップS305)。
【0035】
ここで、コントラストはオブジェクト画像全体としての輝度の幅を示し、コントラストを修正したいと感じる場合、コントラストの幅を広げたいという要望が主である。また、ある画像の各画素における輝度の分布をヒストグラムとして算出したものを図14で実線にて示している。実線に示す分布を取る場合、明るい画素の輝度と暗い画素の輝度との差が少ないが、輝度の分布が一点鎖線に示すように広がれば明るい画素の輝度と暗い画素の輝度との差が大きくなり、コントラストの幅が広がることになる。ここで、図15はコントラストを拡大するための輝度変換を示している。変換元の輝度yと変換後の輝度Yとの間において、
Y=ay+b
なる関係で変換させるとすると、変換元の最大輝度Ymaxと最小輝度Yminの画素の差はa>1の場合において変換後において大きくなり、図14に示すように輝度の分布が広がることになる。
【0036】
従って、このようなヒストグラムを算出して輝度の最大値から輝度の最小値までの間隔をコントラストの幅として集計処理することが必要である。ただし、この場合はあくまでも輝度の変換であり、画像データが輝度を要素として備えていれば直接に集計が可能であるが、上述したように画像データはRGB256階調で表現されてているので、直接には輝度の値を持っていない。ここで、輝度を求めるためにLuv表色空間に色変換する必要があるが、演算量などの問題からテレビジョンなどの場合に利用されているRGBから輝度を直に求める次式の変換式を利用する。
y=0.30R+0.59G+0.11B
すなわち、対象画素を移動させながら各画素の画像データである3バイトを読み込み、同式に基づいて輝度yを演算する。
【0037】
そして、集計結果のヒストグラムに基づいて輝度分布の両端を求める。写真画像の輝度分布は図16に示すように概ね山形に表れる。むろん、その位置、形状についてはさまざまである。輝度分布の幅はこの両端をどこに決めるかによって決定されるが、単に裾野が延びて分布数が「0」となる点を両端とすることはできない。裾野部分では分布数が「0」付近で変移する場合があるし、統計的に見れば限りなく「0」に近づきながら推移していくからである。
このため、分布範囲において最も輝度の大きい側と小さい側からある分布割合だけ内側に寄った部分を分布の両端とする。本実施形態においては、同図に示すように、この分布割合を0.5%に設定している。むろん、この割合については、適宜変更することが可能である。このように、ある分布割合だけ上端と下端をカットすることにより、ノイズなどに起因して生じている白点や黒点を無視することもできる。すなわち、このような処理をしなければ一点でも白点や黒点があればそれが輝度分布の両端となってしまうので、255階調の輝度値であれば、多くの場合において最下端は階調「0」であるし、最上端は階調「255」となってしまうが、上端部分から0.5%の画素数だけ内側に入った部分を端部とすることにより、このようなことが無くなる。そして、実際に得られたヒストグラムに基づいて画素数に対する0.5%を演算し、再現可能な輝度分布における上端の輝度値と下端の輝度値から順番に内側に向かいながらそれぞれの分布数を累積し、0.5%の値となった輝度値が最大輝度Ymaxと最小輝度Yminとなる(ステップS310)。
【0038】
コントラストを拡大するオートフォトファイン処理では、輝度の分布に応じて傾きaとオフセットbを決定する。例えば、
a=255/(Ymax−Ymin)
b=−a・Yminあるいは255−a・Ymax
とおくとすると、せまい幅を持った輝度分布を再現可能な範囲まで広げることができる。ただし、再現可能な範囲を最大限に利用して輝度分布の拡大を図った場合、ハイライト部分が白く抜けてしまったり、ハイシャドウ部分が黒くつぶれてしまうことが起こる。これを防止するには再現可能な範囲の上端と下端に拡大しない範囲として輝度値で「5」ぐらいを残すようにすればよい。この結果、変換式のパラメータは次式のようになる。
a=245/(Ymax−Ymin)
b=5−a・Yminあるいは250−a・Ymax
そして、この場合にはY<Yminと、Y>Ymaxの範囲においては変換を行わないようにするとよい。
上述したように算出したコントラストを拡大するオートフォトファイン処理における変換式の傾きaおよびオフセットbを図17(a)に示すパラメータテーブルに傾き(Aa,Ba,Ca)、オフセット(Ab,Bb,Cb)をオブジェクト画像A〜C毎にハードディスク36に格納する(ステップS315)。
【0039】
次に、本スキャンにて利用する解像度パラメータを設定するパラメータ設定処理を説明する。
図11において、抽出したオブジェクト画像の画像データを読み出し(ステップS301)、同画像データについて図18の墨色画素に示すように、各オブジェクト画像が掛かる画素を検出しその画素数を算出する(ステップS350)。そして、図17(a)に示すパラメータテーブルの所定の箇所に各オブジェクト画像A〜Cが有する画素数を格納する。本実施形態においては、オブジェクト画像Aを構成する画素数を10000,オブジェクト画像Bを構成する画素数を300,オブジェクト画像Cを構成する画素数を5000としているが、むろん、これは理解し易いように挙げた例示であることは言うまでもない。次に、この算出した各オブジェクト画像A〜Cの画素数を比較して最小オブジェクト画像を判定する。かかる場合、オブジェクト画像Bの画素数が300であるため、このオブジェクト画像Bを最小オブジェクト画像と判定する。
そして、本スキャンにてより詳細なオブジェクト画像の画像データを取得し画像を再現するにあたり、図17(b)に示す解像度選択テーブルに基づいて解像度を選択して決定する。本実施形態においては、最小のオブジェクト画像Bの画素数は300であるため解像度600dpiを選択し決定する(ステップS355)。そして、この決定した解像度をハードディスク36の所定の領域に格納する(ステップS360)。
【0040】
本実施形態においては、オブジェクト画像A〜Cを構成する画素数を比較して、オブジェクト画像A〜Cの大小を判定する構成を採用しているが、むろん、各オブジェクト画像の大小を判定する手法はこれに限定されるものではなく、プレスキャン処理にて画像データをオブジェクト画像A〜Cごとに格納し、この格納した各オブジェクト画像A〜Cの容量を比較することにより大小を判定する構成を採用してもよい。このように、オブジェクト画像A〜Cの画像データから大きさを判定し、本スキャンをするにあたり、最小のオブジェクト画像の画質を良好に再現可能な解像度を決定する処理が解像度決定工程C3を構成する。
ここで、本実施形態においては、プレスキャン処理(ステップS101〜S125)とオブジェクト画像抽出処理(ステップS210〜S230)とパラメータ設定処理(ステップS301〜S315)とをそれぞれの前段処理により生成された画像データに基づいて処理が行われる構成を採用しているが、むろん、処理を順次行う手法としてはこのように直列的な処理の構成に限定されるものではなく、プレスキャン処理において各画素を走査しつつ、各画素毎に対してオブジェクト画像抽出処理やパラメータ設定処理を同時に実施する並列的な構成であってもよい。従って、画像をプレスキャン処理を行いつつ、オブジェクト画像A〜Cの大きさを判定してもよく、処理を実施する構成は適宜変更可能である。
【0041】
そして、低解像度のプレスキャンによって取得した画像データからオブジェクト画像A〜Cの画像データを取得すると、同オブジェクト画像A〜Cの本来の写真画像を再現するために、図12のフローチャートに示す本スキャン処理を実行する。このとき、フラットベッド21の画像をスキャンしながら読み込みつつオブジェクト画像A〜Cを読み込み、同オブジェクト画像A〜Cを構成する各画素に対して上述したオートフォトファイン処理を実行する。同本スキャン処理をより具体的に説明する。
最初に、パラメータ設定処理のステップS360にて格納された本スキャンの解像度を読み出す(ステップS401)。そして、I/F37を介してカラースキャナ20に対して画像読み取り指令を送出する。すると、カラースキャナ20の制御回路25は照明ランプ22を点灯させ、駆動モータ24cにて駆動指令を出して同照明ランプ22とラインセンサ23とをスライド移動させることにより画像の走査を開始する(ステップS405)。そして、図17(a)に示すパラメータテーブルにオブジェクト画像A〜C毎に格納されている図19に示すオブジェクト画像A〜Cを構成する各画素の位置情報を取得しこの位置情報に含まれる画素を走査した否かを判定する(ステップS410)。
【0042】
ここで、図19のように格納されたオブジェクト画像A〜Cを構成する画素の位置情報は、例えば、同オブジェクト画像A〜Cが図18に示す態様で存在する場合を示している。むろん、同図は上記位置情報を概略説明するための一例を示したものであり、実際は所定の解像度による各画素の構成に従うことはいうまでもない。
次に、ステップS410の判定にてオブジェクト画像A〜Cを構成する画素ではないと判定されると、ステップS405に戻り次の画素を走査する。また、オブジェクト画像A〜Cの画素と判定されると位置情報から該当するオブジェクト画像A〜Cのパラメータ(傾きa,オフセットb)を読み出し(ステップS415)、同パラメータに基づいて同画素に対してオートフォトファイン処理を実施する(ステップS420)。そして、このオートフォトファイン処理が実施された画素の画像データを生成し(ステップS425)、全ての画素について走査を実行する(ステップS430)。そして、オートフォトファイン処理が実施され、ステップS425にて生成された画像データに基づいて本スキャン処理における画像データを作成するとともに、ハードディスク36に格納する(ステップS435)。
【0043】
このように、プレスキャン処理(ステップS100)において低解像度で取得した画像データからオブジェクト画像A〜Cを抽出して(ステップS200)、解像度決定処理にてオブジェクト画像A〜Cの大きさを判定し、最小のオブジェクト画像に適合する解像度を決定する(ステップS355)。そして、このように決定された解像度に基づいて、本スキャン処理(ステップS400)を実行するため最小のオブジェクト画像について画質を向上させることが可能になる。加えて、これより大きいオブジェクト画像についても良好な画質が保証されることは自明である。従って、本スキャンにて取得した画像データ全体について画質を良好にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像データ補正方法のクレーム対応図である。
【図2】本画像データ補正方法を実体化するために適用したカラー複写装置の概略外観図である。
【図3】本カラー複写装置のスキャナの構成を示した概略図である。
【図4】本カラー複写装置のコピーサーバの構成を示した概略ブロック図である。
【図5】同コピーサーバの構成を示した概略ブロック図である。
【図6】本カラー複写装置のカラープリンタの構成を示した概略図である。
【図7】本カラー複写装置の変形例を示したコンピュータシステムの概略外観図である。
【図8】同コピーサーバが実行するカラー複写処理の概略の処理内容を示したフローチャートである。
【図9】同コピーサーバが実行するプレスキャン処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図10】同コピーサーバが実行するオブジェクト画像抽出処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図11】同コピーサーバが実行するパラメータ設定処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図12】同コピーサーバが実行する本スキャン処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図13】処理対象画素を移動させていく状態を示す図である。
【図14】輝度分布を拡大する場合の分布範囲を示す図である。
【図15】輝度分布を拡大させるための変換関係を示す図である。
【図16】輝度分布の端部処理と端部処理にて得られる端部を示す図である。
【図17】オートフォトファイン処理を実行するパラメータを設定したパラメータテーブルの構成図である。
【図18】オブジェクト画像の画像データにおける座標の一例を示した図である。
【図19】オブジェクト画像を構成する画素の位置情報を示した図である。
【図20】フラットベッドに写真が載置された様子を示した図である。
【符号の説明】
C1…粗画像データ入力工程
C2…オブジェクト画像抽出工程
C3…解像度決定工程
C4…密画像データ入力工程
Claims (8)
- 所定のオブジェクトを有する画像を所定の画素数の粗解像度による粗画像データとして取得する粗画像データ入力工程と、
上記粗画像データ入力工程にて取得した粗画像データから少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を抽出するオブジェクト画像抽出工程と、
所定の解像度により上記画像について詳細な画像データを取得するに際し、上記抽出した各オブジェクト画像の大きさを判定し最小のオブジェクト画像に適合した解像度であって上記粗解像度より密な解像度を決定する解像度決定工程と、
上記解像度決定工程にて決定された密な解像度に基づいて上記画像の画像データを取得する密画像データ入力工程とを具備することを特徴とする画像データ取得方法。 - 上記請求項1に記載の画像データ取得方法において、
上記オブジェクト画像抽出工程は、上記粗画像データにおける隣接する画素間の輝度勾配である差分から取得したエッジ画素により上記オブジェクト画像を抽出することを特徴とする画像データ取得方法。 - 上記請求項1に記載の画像データ取得方法において、
上記オブジェクト画像抽出工程は、上記粗画像データにおける色度の分布から上記オブジェクト画像を抽出することを特徴とする画像データ取得方法。 - 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像データ取得方法において、
上記オブジェクト画像抽出工程は、抽出したオブジェクト画像の色調情報を取得するとともに、オブジェクト画像が略二値階調画像であれば、上記解像度決定工程は、判定する要素に含めないことを特徴とする画像データ取得方法。 - 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像データ取得方法において、
上記解像度決定工程は、適合する複数の解像度を提示して、選択させることを特徴とする画像データ取得方法。 - 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像データ取得方法において、
上記密画像データ入力工程は、各オブジェクト画像ごとに個別の画像データを取得するとともに格納することを特徴とする画像データ取得方法。 - 所定のオブジェクトを有する画像を所定の画素数の粗解像度による粗画像データとして取得する粗画像データ入力手段と、
上記粗画像データ入力手段にて取得した粗画像データから少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を抽出するオブジェクト画像抽出手段と、
所定の解像度により上記画像について詳細な画像データを取得するに際し、上記抽出した各オブジェクト画像の大きさを判定し最小のオブジェクト画像に適合した解像度であって上記粗解像度より密な解像度を決定する解像度決定手段と、
上記解像度決定手段にて決定された密な解像度に基づいて上記画像の画像データを取得する密画像データ入力手段とを具備する画像データ取得装置。 - 少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を有する画像について、各オブジェクト画像の大きさを判定し、最小のオブジェクト画像に適合した解像度に基づいて画像データを取得する画像データ取得処理をコンピュータに実行させる画像データ取得処理プログラムを記録した媒体であって、
所定のオブジェクトを有する画像を所定の画素数の粗解像度による粗画像データとして取得する粗画像データ入力ステップと、
上記粗画像データ入力工程にて取得した粗画像データから少なくとも2つ以上のオブジェクト画像を抽出するオブジェクト画像抽出ステップと、
所定の解像度により上記画像について詳細な画像データを取得するに際し、上記抽出した各オブジェクト画像の大きさを判定し最小のオブジェクト画像に適合した解像度であって上記粗解像度より密な解像度を決定する解像度決定ステップと、
上記解像度決定ステップにて決定された密な解像度に基づいて上記画像の画像データを取得する密画像データ入力ステップとを具備するとともにコンピュータに実行させる画像データ取得処理プログラムを記録した媒体。
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