JP3664351B2 - 画像処理装置、カラー印刷装置、及び画像処理方法、並びに記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、カラー印刷装置、及び画像処理方法、並びに記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、解像度の変換と色変換とを伴う画像処理装置、カラー印刷装置、及び画像処理方法、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータシステム上でアプリケーションからカラー画像の印刷を行う場合、画面上での解像度と印刷装置での解像度の違いから、解像度の変換を行わなければならないし、また、コンピュータシステム内で扱われるRGB(赤、緑、青)のデータをプリンタのインク色に対応するCMY(シアン、マゼンダ、イエロー)のデータに変換する必要がある。
【0003】
ここにおいて、両方の解像度が一致したり、解像度の一致を問わない場合もあるというように、解像度の変換は必須ではない。このため、処理の手順としては、解像度を一致させてから、色変換を実行している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の画像処理装置においては、解像度が高くなるように変換する場合には、もともと一つの画素であったものが複数の画素となるが、色変換というのは各画素毎に実施するものであるため、色変換の作業量も増えてしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、解像度の変換と色変換とを伴う場合に処理を最適化することが可能な画像処理装置、カラー印刷装置、及び画像処理方法、並びに記録媒体の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、解像度の変換と色変換とを伴う画像処理装置において、入力カラー画像データの解像度と出力カラー画像データの解像度とを比較する解像度比較手段と、入力カラー画像データと出力カラー画像データとの間で解像度を変換する解像度変換手段と、入力カラー画像データの表色空間と出力カラー画像データの表色空間との間で色変換する色変換手段と、入力カラー画像データが描画コマンドからなるコマンドファイルである場合および、上記解像度比較手段による比較の結果、入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも低い場合には色変換を解像度変換より先に実行せしめる一方、同比較の結果、入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも高い場合には色変換を解像度変換の後に実行せしめる変換順序制御手段とを具備する構成としてある。
【0007】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、解像度比較手段は、入力カラー画像データの解像度と出力カラー画像データの解像度とを比較する。また、変換順序制御手段は、入力カラー画像データが描画コマンドからなるコマンドファイルである場合および、上記解像度比較手段による比較の結果入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも低い場合には色変換を解像度変換より先に実行する一方、同比較の結果入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも高い場合には色変換を解像度変換の後に実行するように、解像度変換手段と色変換手段の変換順序を制御する。
【0008】
すなわち、解像度の変換と色変換とを伴う画像処理装置において、解像度の低い状態で色変換する構成となっている。
【0009】
このように、解像度の変換と色変換を伴う場合に、解像度度の低い状態で色変換するということであり、元の解像度が低くて解像度を高くする変換を行うのであれば解像度の変換前に色変換を行い、元の解像度が高い場合に解像度を低くする変換を行うのであれば解像度の変換後に色変換を行う。従って、色変換の対象となるデータが画素の少ない状態で色変換を行うため、処理量を低減させることが可能となる。
【0010】
解像度比較手段は入力カラー画像データの解像度と出力カラー画像データの解像度とを比較するものであるが、これは必ずしも自動的に比較結果を出力するものに限らず、結果的にいずれの側が解像度が低いとか高いとかいったことを判断できればよい。従って、手動操作による切り換えスイッチがあるものであっても良い。
【0011】
解像度変換手段が入力カラー画像データと出力カラー画像データとの間で解像度を変換する手法は各種のものが採用可能である。また、ここにおける解像度とはラスタライズされたドットマトリクスデータの画素の数に対応するが、メタファイルのようにラスタライズする前は画素を持たないコマンドファイルの状態のものであれば色変換すべき対象の数は色指定するコマンドの数に対応する。このため、広義にとらえて解像度の低い側とはラスタライズする前における色指定のコマンド状態を指すようにしても良い。
【0012】
色変換手段は入力カラー画像データの表色空間と出力カラー画像データの表色空間との間で色変換するものであり、各種の変換手法を採用可能である。一般的には変換元の表色空間での画像データを成分値とする色変換テーブルを用意しておき、同色変換テーブルを参照すればよい。むろん、色変換テーブルを参照するにしても補間演算を併用したり、本出願人による特開平7−30772号公報に開示された補間演算に代える階調変換を利用するなど適宜変更可能である。
【0013】
変換順序制御手段は、結果的に解像度の変換の前後のいずれか解像度が低い側で色変換を実行せしめるものであればよく、例えば、先に色変換してから解像度の変換を行う手順と、先に解像度の変換を行ってから色変換を行う手順とを用意しておき、いずれか一方の手順を選択するものであってもよい。
【0014】
このような解像度の変換と色変換とが行われる適用例としては、各種の装置が考えられるが、その一例として、所定の画素密度の印字ヘッドでドット印字してカラー画像を印刷するものであって、入力カラー画像データから上記印字ヘッドに応じたラスタデータを生成するとともに入力カラー画像データの表色空間から上記印字ヘッドにて印刷する印刷インクの表色空間へと色変換するカラー印刷装置において、上記入力カラー画像データの解像度と上記印字ヘッドにおける解像度とを比較し、この比較結果に基づいて解像度の変換の前後で解像度が低い側で色変換を実行するように解像度変換と色変換の変換順序を制御する構成としてもよい
【0015】
所定の画素密度の印字ヘッドでドット印字するカラー印刷装置においては、入力カラー画像データから上記印字ヘッドに応じたラスタデータを生成するとともに入力カラー画像データの表色空間から上記印字ヘッドにて印刷する印刷インクの表色空間へと色変換する。このような場合に入力カラー画像データの解像度と上記印字ヘッドにおける解像度とを比較して、解像度を変換する前後における当該解像度の低い側で色変換する。
【0016】
より具体的には、オペレーティングシステムを採用するコンピュータにて、同オペレーティングシステムはアプリケーションが指定するピクセル径対応データと印刷装置のドット径対応データとを管理するとともに、プリンタドライバが同情報に基づいて入力カラー画像データの解像度と出力カラー画像データの解像度とを比較し、比較結果に基づいて解像度の低い側で色変換を行なう構成で実現できる。
【0017】
また、このような出力段階に限らず、入力段階においても適用可能である。例えば、画像処理アプリケーションが周辺機器を介して画像データを読み込むような場合においても、入力装置の色調を標準系に変換する色変換とともに、扱える画像ファイルのサイズに応じた解像度変換を実行する場合がある。この段階において、解像度の低い側で色変換を実行すればよい。すなわち、アプリケーションが入力カラー画像データを読み込む際に内部で保持するカラー画像データとの比較において解像度の低い状態で色変換する。さらに、同画像データが通信回線を介して送られてきてディスプレイに表示するような場合においても、同様であるし、カラーファクシミリやカラーコピー機、カラースキャナ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等においても同様である。
【0018】
さらに、請求項2にかかる発明は、入力カラー画像データと出力カラー画像データとの間で解像度を変換する解像度変換工程と、入力カラー画像データの表色空間と出力カラー画像データの表色空間との間で色変換する色変換工程とを伴う画像処理方法において、上記入力カラー画像データの解像度と出力カラー画像データの解像度とを比較する解像度比較工程と、入力カラー画像データが描画コマンドからなるコマンドファイルである場合および、上記解像度比較工程での比較の結果、入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも低い場合には色変換を解像度変換より先に実行する一方、同比較の結果、入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも高い場合には色変換を解像度変換の後に実行するように上記解像度変換工程と上記色変換工程の変換順序を制御する工程を実行する構成としてある。
【0019】
すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。
【0020】
ところで、このような発明の思想の具現化例として画像処理装置というソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用されるといわざるをえない。
このため、請求項3にかかる発明は、コンピュータ等上で解像度の変換と色変換とを伴う画像処理において実行されるプログラムを該コンピュータ等で読み取り可能に記録した記録媒体であって、入力カラー画像データの解像度と出力カラー画像データの解像度とを比較する解像度比較機能と、入力カラー画像データと出力カラー画像データとの間で解像度を変換する解像度変換機能と、入力カラー画像データの表色空間と出力カラー画像データの表色空間との間で色変換する色変換機能と、入力カラー画像データが描画コマンドからなるコマンドファイルである場合および、上記解像度比較機能による比較の結果、入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも低い場合には色変換を解像度変換より先に実行せしめる一方、同比較の結果、入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも高い場合には色変換を解像度変換の後に実行せしめる変換順序制御機能とを上記コンピュータ等に実現させる構成としてある。
むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。
【0021】
さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものはなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、色変換の対象となるが画素が少ない状態で色変換を行うため、処理量を低減させることが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0023】
また、印字ヘッドでドット印字してカラー画像を印刷するカラー印刷装置において、処理を最適化することができる。
【0024】
さらに、請求項2にかかる発明によれば、解像度の変換と色変換とを伴う画像処理において処理を最適化することができる。
【0025】
さらに、請求項3にかかる発明によれば、上記画像処理をコンピュータ等に実行させるプログラムを記録した媒体を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態にかかる色変換装置の具体的ハードウェア構成例をブロック図により示している。
【0028】
同図において、各種の情報入力装置10としてスキャナ11やキーボード12やマウス13が備えられ、解像度の変換と色変換とを含めた画像処理の中心的な役割を果たす画像処理装置20としてコンピュータ本体21とハードディスク22が備えられ、処理対象となっているカラー画像を表示する画像出力装置30としてプリンタ31やディスプレイ32を備えている。また、本実施例の色変換処理をコンピュータ等上で実現するプログラムを記録したCD−ROM24等の記録媒体を用意し、ドライブ装置23によってハードディスク22に読み込み、使用してもよい。
【0029】
情報入力装置10としてのスキャナ11が階調表色データとして例えばRGB(緑、青、赤)の階調データを出力するものとするとともに、画像出力装置30としてのプリンタ31が階調表色データとしてCMY(シアン、マゼンダ、イエロー)あるいはこれに黒を加えたCMYKの二値データを入力として必要とするものとすると、画像処理装置20としてのこのコンピュータ本体21の具体的役割は、RGBの階調データをCMYの二値データに変換することである。また、キーボード12やマウス13等を使用してビットマップ系の画像を描画する場合にはRGBの階調データとして処理され、ディスプレイ32であれば概ねそのままデータを使用して表示させ、プリンタ31であれば同様にCMYの二値データに変換する処理が行われる。なお、ドロー系の画像を描画したような場合も同様である。
【0030】
このコンピュータ本体21の内部で行なわれる処理を図2に示している。図に示すように、コンピュータ本体21内ではオペレーティングシステム21aが稼働しており、プリンタ31やディスプレイ32に対応したプリンタドライバ21bやビデオドライバ21cが組み込まれている。一方、アプリケーション21dはオペレーティングシステム21aにて処理の実行を制御され、必要に応じてプリンタドライバ21bやビデオドライバ21cと連携して所定の画像処理を実行する。
【0031】
ここにおいて、スキャナ11であればその読み込みヘッドが所定間隔で形成されており、読み込み解像度は当該読み込みヘッドの間隔に相当して決まってくる。一方、アプリケーション21dにおいてはディスプレイ32の表示解像度と一致させてデータを保持するのが一般的であるが、仮想的にデータを保持しつつディスプレイ32に対しては常に解像度を一致させるような処理を実行しても構わない。
【0032】
アプリケーション21dで生成される印刷用データはオペレーティングシステム21aを介してプリンタドライバ21bに入力され、当該プリンタドライバ21bはプリンタ31が要求するフォーマットの画像データに変換する。この変換が上述したRGBの階調データをCMYの二値データに変換する処理に該当する。なお、アプリケーション21dが生成する表示画像データについてはビデオドライバ21cが所定の画面用メモリに書き込み、ハードウェア回路を介してディスプレイ32にて表示させている。
【0033】
このプリンタドライバ21bが生成する画像データはCMYの二値データからなるドットマトリクスデータであり、プリンタ31に送られる。図3は同プリンタ31の概略構成を示しており、主要構成部品としては、垂直方向に各色のインク吐出孔を形成された印字ヘッド31aと、同印字ヘッド31aにおける所定のインク吐出孔よりカラー印刷インクを吐出せしめるよう駆動する印字ヘッド駆動部31bと、印字ヘッド31aを桁方向に往復動作させる印字ヘッド桁移動モータ31cと、紙送りモータ31dと、これら以外の印字バッファなどを含むとともに総合的に制御するプリンタコントローラ31eを備えている。すなわち、上記ドットマトリクスデータはこの印字ヘッド31aにおけるインク吐出孔の並びに対応するとともに当該印字ヘッド31aの桁送り方向の走査範囲に対応しており、印字ヘッド桁移動モータ31cにて同印字ヘッド31aを桁方向に移動させたとき印字ヘッド駆動部31bがドットマトリクスデータに対応して所定のインク吐出孔よりカラー印刷インクを吐出せしめ、印刷する。
【0034】
この印字ヘッド31aにおけるインク吐出孔が即座にピクセルサイズとなるのではなく、そのようなインク吐出孔を使用しつつ紙送りモータ31dと印字ヘッド桁移動モータ31cによる制御を踏まえ、実際に印字されるドットの中心間の距離がピクセルサイズとして計算される。
【0035】
本実施形態においては、色変換装置の適用例として上述したようなコンピュータとプリンタとを組み合わせた印刷システムをあげているが、入力データに対して解像度の変換と色変換とを行うシステムであればよく、例えば、図4に示すように、電話回線などの通信回線に対してモデムを介して接続され、画像データを受信して印刷するプリンタシステム33などであっても良いし、あるいは、図5に示すように、ネットワークに対して接続されつつ一般映像放送を受信可能なテレビジョン34であってネットワークから供給されるカラー画像を印刷するようなものなどであっても良い。さらに、カラーコピー機であったり、カラーファクシミリ機であるなど、さまざまな範囲において適用可能である。
【0036】
次に、上記コンピュータ21からプリンタ31への印字処理について説明する。アプリケーション21dが印刷を行う場合の手順を図6及び図7に示している。アプリケーション21dはオペレーティングシステム21aとプリンタドライバ21bと相互に連携を取りながら印刷処理を実行する。すなわち、ステップS110にてアプリケーション21dがオペレーティングシステム21aに対して印刷を要求すると、ステップS120にてオペレーティングシステム21aはプリンタドライバ21bを起動し、ステップS130にてアプリケーション21dとプリンタドライバ21bは共同して書式の設定などを実行する。この後、ステップS140にてアプリケーション21dはオペレーティングシステム21aに対して上記書式に対応した所定のフォーマットで印刷データを出力するので、ステップS150では同印刷データの出力を受けてプリンタドライバ21bは印刷データを作成し、出力する。
【0037】
図8のフローチャートは、このステップS150でプリンタドライバ21bがオペレーティングシステム21aから印刷データを受け取って印字する処理を示している。
【0038】
ここで図2に戻ると、プリンタドライバ21bは、アプリケーション21dが所定の画面単位で生成する画像データからプリンタ31における印字ヘッド31aの走査範囲を切り出してドットマトリクスデータを生成するラスタライザ21b1と、ドットマトリクスデータの各画素について色変換テーブルを参照してRGBの階調データをCMYの階調データに変換する色変換部21b2と、CMYの階調データを二値データに階調変換する階調変換部21b3と、オペレーティングシステム21aに対する関数によってアプリケーション21dが指定するピクセル径を問い合わせてプリンタ31のドット径と比較する解像度比較部21b4とから構成されている。ただし、このプリンタドライバ21bはソフトウェアで構成され、それぞれの構成要素もソフトウェアで構成されている。そして、これらが図8に示すような手順に従ってプリンタ31に対して上記印字ヘッド31aを走査して印字可能なドットマトリクスデータの印刷データを出力する。
【0039】
すなわち、ステップS210にて、オペレーティングシステム21aに対してアプリケーション21dが指定するピクセル径を問い合わせるとともにプリンタ31のドット径と比較し、どちらの解像度が大きいかを判断する。例えば、一般的なディスプレイ32の解像度であれば72dpiの解像度であり、アプリケーション21dがディスプレイ32の解像度でデータを扱っている場合もあるし、スキャナ11の解像度が300dpiであるとすると内部的にはこの300dpiでデータを扱いつつディスプレイ32上には72dpiに解像度を変換した状態で表示している場合もある。アプリケーション21dはこのディスプレイ32の解像度に関わらず、ピクセル径を指定して印刷データを出力しているため、当該プリンタドライバ21bが同ピクセル径を問い合わせる。
【0040】
アプリケーション21dが指定するピクセル径が分かればプリンタ31のドット径と比較する。印刷モードの指定にもよるが、プリンタ31の解像度が600dpiであるとすると、アプリケーション21dの側、すなわち入力カラー画像データの解像度の方が小さいことになる。入力カラー画像データの方が出力カラー画像データよりも解像度が低い場合、印刷するために解像度を合わせようとすると、図9に示すように元の1ドットの画素が4ドットに変換されることになる。従って、解像度の変換前に色変換を行えば1回の色変換が必要となるし、解像度の変換後に色変換を行えば4回の色変換が必要となる。
【0041】
このため、演算量を減らすべく、ステップS210にて入力カラー画像データの解像度の方が出力カラー画像データの解像度よりも小さいと判断されると、ステップS220にて先に色変換の処理を実行する。すなわち、このステップS210の判断こそが解像度比較手段を構成し、その判断結果による分岐処理が変換順序制御手段を構成する。
【0042】
図10はアプリケーション21dが生成するRGB階調データの成分値を座標とする三次元の表色空間を示しており、所定の間隔をもって存在する格子点に対応して色変換テーブルには対応するCMYの階調データが記録されている。すなわち、同色変換テーブルはRGBの階調データを成分値としてCMYの各データを一義的に読み出せるように配列した(R,G,B)の三次元テーブルとなている。ただしファイル自体は一組の(R,G,B)に対して(C,M,Y)の三つのデータを取り出せるように四つの配列変数で参照される四次元ファイル構造となっている。なお、かかる色変換テーブルはハードディスク22に記録してある。
【0043】
八点補間演算については、図11に演算の原理を示している。変換元の表色空間でRGB階調データを成分値とする座標Pを取り囲む八点の格子点からなる立法体を想定したとき、立方体のk番目の頂点での変換値をDkとするとともに立方体の体積をVとすると、立方体の内点Pでの変換値Pxは当該P点で分割される図示のような八つの小直方体の体積Vkの比率による加重から次式で補間できる。
【0044】
【数1】
Figure 0003664351
【0045】
従って、当該座標を取り囲む八つの格子点を特定し、各格子点でのCMYの階調データのそれぞれについて演算を実行することになる。なお、このステップS220が色変換部21b2を構成している。
【0046】
このようにして色変換したら、ステップS230にてプリンタ31の解像度へ変換する。この変換作業の概念を図12に示しており、変換後の解像度に対応する画像範囲(図で破線で示した範囲)が変換前の解像度に対応する画像範囲(図で実線で示した範囲)のどの画素に対応しているかを計算する。変換後の一画素が返還前の解像度の一画素内であれば同じ色をそのまま受け継ぐし、変換後の一画素が返還前の解像度の二画素に跨るようであれば、跨っている面積比に比例した各色成分を受け継ぐ。変換後の一画素が返還前の解像度の四画素に跨るようであっても同様である。むろん、このようなプリンタ解像度への変換処理はこれに限定されるものではなく、適宜変更可能である。なお、このステップS230が解像度変換手段を構成している。
【0047】
これに対し、アプリケーション21dが指定するピクセル径がプリンタ31のドット径よりも小さいとする。印刷モードの指定にもよるが、スキャナ11の解像度が600dpiであってアプリケーション21dがこの解像度でデータを扱っているものとし、プリンタ31の解像度が300dpiであるといった場合が該当する。このように、入力カラー画像データの方が出力カラー画像データよりも解像度が高い場合、印刷するために解像度を合わせようとすると、図13に示すように元の4ドットの画素が1ドットに変換されることになる。従って、解像度の変換前に色変換を行えば4回の色変換が必要となるし、解像度の変換後に色変換を行えば1回の色変換が必要となる。
【0048】
従って、ステップS240にて色変換の前にプリンタ解像度へ変換し、続くステップS250にて色変換する。
【0049】
なお、この例ではアプリケーション21dがオペレーティングシステム21aを介して出力するデータがドットマトリクスデータであるものとしていたが、メタファイルのようなものであっても構わない。メタファイルは四角であるとか丸であるとかの図形の情報を記載したコマンドファイルであり、このコマンドファイルに対してはプリンタドライバ21bにおけるラスタライザ21b1が印字ヘッド31aの解像度に応じたドットマトリクスデータを生成する処理を合わせて行う。解像度の低い側とは色変換すべき情報源の少ない側とも言えるので、このようなメタファイルも解像度の低い側といえ、プリンタ解像度を変換する前に色変換を行えば、各画素毎に色変換する必要が無くなる。なお、メタファイルの場合は描画コマンドで色が指定されているので、描画コマンド内の色指定部分を変換させるだけである。
【0050】
以上のようにしてプリンタ解像度への変換と色変換とを所定の順序で終了したら、ステップS260にてプリンタ31で印刷可能なデータとすべくハーフトーンと呼ばれる二値化を行なう。二値化に代表される階調変換の具体的手法については敢えて説明していないが、誤差拡散法や、ディザ利用などによる周知の手法を適用すればよく、例えば、本願出願人による特公平7−30772号公報にも説明されている。その後、ステップS270にてプリンタ31の印字バッファへと出力すると、より少ない演算処理で色変換を行なっているので高速化して印刷を行うことができる。
【0051】
このように、ステップS210にて入力カラー画像データの解像度と出力カラー画像データの解像度の比較を行い、比較の結果、入力側の解像度の方が低ければステップS220にて先に色変換してからステップS230にて解像度の変換を行うし、入力側の解像度の方が高ければステップS240にて解像度の変換を行ってからステップS250にて色変換を行うというように、解像度の変換と色変換とを伴う場合には解像度の低い側で色変換を行うことにより、少ない画素に対して色変換することになり、処理を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる色変換装置の具体的ハードウェア構成例のブロック図である。
【図2】コンピュータの内部で行なわれる処理を示すブロック図である。
【図3】プリンタの概略構成を示す図である。
【図4】本発明の他の適用例であるプリンタシステムのブロック図である。
【図5】本発明の他の適用例であるプリンタシステムのブロック図である。
【図6】アプリケーションの印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】アプリケーションの印刷処理の手順を示すシステム対応図である。
【図8】プリンタドライバの印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】解像度を高いものに変換する状態を示す説明図である。
【図10】RGBの表色空間を示す図である。
【図11】八点補間演算の概念を示す図である。
【図12】解像度の変換方法を説明する図である。
【図13】解像度を低いものに変換する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10…情報入力装置
11…スキャナ
12…キーボード
13…マウス
20…画像処理装置
21…コンピュータ本体
21a…オペレーティングシステム
21b…プリンタドライバ
21b1…ラスタライザ
21b2…色変換部
21b3…階調変換部
21b4…解像度比較部
21c…ビデオドライバ
21d…アプリケーション
22…ハードディスク
23…ドライブ装置
24…CD−ROM
30…画像出力装置
31…プリンタ
31a…印字ヘッド
31b…印字ヘッド桁移動モータ
31c…紙送りモータ
31d…プリンタコントローラ
32…ディスプレイ
33…プリンタシステム
34…テレビジョン

Claims (3)

  1. 解像度の変換と色変換とを伴う画像処理装置において、
    入力カラー画像データの解像度と出力カラー画像データの解像度とを比較する解像度比較手段と、
    入力カラー画像データと出力カラー画像データとの間で解像度を変換する解像度変換手段と、
    入力カラー画像データの表色空間と出力カラー画像データの表色空間との間で色変換する色変換手段と、
    入力カラー画像データが描画コマンドからなるコマンドファイルである場合および、上記解像度比較手段による比較の結果、入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも低い場合には色変換を解像度変換より先に実行せしめる一方、同比較の結果、入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも高い場合には色変換を解像度変換の後に実行せしめる変換順序制御手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 入力カラー画像データと出力カラー画像データとの間で解像度を変換する解像度変換工程と、入力カラー画像データの表色空間と出力カラー画像データの表色空間との間で色変換する色変換工程とを伴う画像処理方法において、
    上記入力カラー画像データの解像度と出力カラー画像データの解像度とを比較する解像度比較工程と、
    入力カラー画像データが描画コマンドからなるコマンドファイルである場合および、上記解像度比較工程での比較の結果、入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも低い場合には色変換を解像度変換より先に実行する一方、同比較の結果、入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも高い場合には色変換を解像度変換の後に実行するように上記解像度変換工程と上記色変換工程の変換順序を制御する工程を実行することを特徴とする画像処理方法。
  3. コンピュータ等上で解像度の変換と色変換とを伴う画像処理において実行されるプログラムを該コンピュータ等で読み取り可能に記録した記録媒体であって、
    入力カラー画像データの解像度と出力カラー画像データの解像度とを比較する解像度比較機能と、
    入力カラー画像データと出力カラー画像データとの間で解像度を変換する解像度変換機能と、
    入力カラー画像データの表色空間と出力カラー画像データの表色空間との間で色変換する色変換機能と、
    入力カラー画像データが描画コマンドからなるコマンドファイルである場合および、上記解像度比較機能による比較の結果、入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも低い場合には色変換を解像度変換より先に実行せしめる一方、同比較の結果、入力カラー画像データの解像度が出力カラー画像データの解像度よりも高い場合には色変換を解像度変換の後に実行せしめる変換順序制御機能とを上記コンピュータ等に実現させることを特徴とするプログラムを記録した記録媒体。
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