JP3663797B2 - 高演色性高圧ナトリウムランプ - Google Patents

高演色性高圧ナトリウムランプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高演色性の高圧ナトリウムランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の高演色性高圧ナトリウムランプは、特公昭49ー11818号公報に示されているように、透光性アルミナセラミックまたは単結晶アルミナからなる発光管内に、キセノンガスと、発光物質としてのナトリウムと、緩衝ガス用金属としての水銀、カドミウム等とを封入した高圧ナトリウムランプとして実現され、実用に供されている。
【0003】
また、特開平7−272680号公報には、発光管内に始動用希ガスと0.11mg/cm3 以上のナトリウムおよび0.01mg/cm3 以下の水銀を封入することにより、ランプの立ち消えが起こり難くなり長寿命化が図れると記載されている。
【0004】
また、特開昭53−129469号公報では、発光管内にキセノンガスとナトリウムを封入し、その点灯中のキセノンとナトリウムの蒸気圧の比、発光管の内径、ナトリウム蒸気圧と発光管内径の関係等を適切に設定することにより、効率の高い無水銀高圧ナトリウムランプが得られることが示されている。
【0005】
さらに、特開平4−218252号公報には、発光管の管壁負荷を60W/cm3 以上に高め、外管内にガスを充填し、発光管の内径と電極間距離を適切化することにより、高演色で色温度の高い高圧ナトリウムランプが記載されていて、100W以下の比較的低ワットランプとして実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の高演色性高圧ナトリウムランプでは、動程末期において金属ナトリウムが発光管材料と反応・消失してナトリウムに対する水銀比率が高くなるため発光色がピンキッシュにシフトする、発光管端部に熱保護膜を設けなければならないなど、ランプ構造が複雑なためコスト高になる等の問題や、400W等の高ワットでは高負荷点灯での実用化が難しい等の問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡単なランプ構造で、しかも白熱電球に近い光色の高演色性高圧ナトリウムランプを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、両端に電極を備えた耐アルカリ性を有する透光性の発光管内に水銀を封入すること無く、希ガスと金属ナトリウムを封入すると共に、外管内に不活性ガスを封入した二重構造の高圧ナトリウムランプにおいて、希ガスであるキセノンガス(Xe)、クリプトンガス(Kr)又はアルゴンガス(Ar)と金属ナトリウムを封入し、前記希ガスの封入圧力を2.5×10 4 Pa≦Xe≦5.3×10 4 Pa、3×10 4 Pa≦Kr≦5.3×10 4 Pa、3.3×10 4 Pa≦Ar≦5.3×10 4 Pa、とすることにより、平均演色評価数Raを80以上とするとともに、色温度も2400K以上としたものである。加えて、発光管の管壁負荷を所定の範囲にすることにより、定格入力時の発光管の管壁温度を1200℃以下にすることを特徴とするものである。
そしてまた、両端に電極を備えた透光性の発光管内に少なくとも希ガスと金属ナトリウムを封入し、前記発光管の外側に設けた外管と前記発光管とからなる二重構造として前記外管内を真空とすると共に、点灯時のランプ電圧V(V)、ランプ電力W(W)、前記発光管の内径をφ(mm)、両電極間距離d(mm)としたとき、2.0≦V/d≦2.7、且つ20≦W/φ≦28とするとともに平均演色評価数Raを80以上、色温度を2400k以上としたことを特徴とするものである。
【0009】
而して、本発明に係るランプにおいては、定格で点灯中、その発光が平均演色評価数Raが80以上の高演色で、色温度も2400K以上で白熱電球に似た暖かみが有り、しかも、寿命を通じて発光色がピンキッシュにシフトすることのない高演色性を示し得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る高演色性高圧ナトリウムランプの一実施形態を示す一部切欠き正面図である。
【0011】
(実施形態1)
図1において、1は透光性多結晶アルミナからなる発光管で、その形状は例えば内径5.5mm、外径6.9mm、全長34mmである。発光管1の両端には例えばニオビウム(Nb)と1%のジルコニウム(Zr)からなる導電管2,3が設けられ、例えば酸化アルミニウム(Al2 3 )、酸化イットリウム(Y2 3 )、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)からなるフリット4,5で発光管1と気密に封じられている。導電管2,3の発光管1の内部側の先端には電極6,7が保持されており、例えば酸化イットリウム(Y2 3 )が電子放射性物質として塗布、焼付けされている。電極6,7の間隔は、例えば22mmに設定される。従って、発光管1の管壁負荷は、例えば39.5W/cm2 にされ、且つ発光管1内には参照符号8で示す例えば金属ナトリウム3mgとキセノンガス4×104 Pa(25℃)が封入されている。
【0012】
上記発光管1を例えば直径40mmの硬質ガラスからなる外管9内に保持し、外管9内には窒素ガスを例えば2.7×104 Pa封入(25℃)する。なお、発光管1の外壁に沿ってほぼ両電極6,7間にわたり近接導体10を付設し、電位を印加して始動を容易にしている。11は例えばジルコニウムーアルミニウム(Zr−Al)ゲッタで、外管9内の水素を吸着し始動電圧の上昇を抑制している。12は口金である。
【0013】
このランプを、イグナイタを安定器に内蔵するチョーク式安定器で点灯した。その結果、ランプ入力が150Wのとき、ランプ効率61lm/W、色温度2620K、平均演色評価数Raは84の高演色性で、その色度点はほぼ黒体軌跡上にあり、発光色が緑がかることもなかった。
【0014】
また、実施形態1に示すランプと全く同じ仕様のランプを10本製作し、5.5時間点灯、0.5時間消灯の点滅サイクルで点灯実験した。その結果、点灯時間累計12000時間後も全数点灯可能で、ランプ立ち消え等もなく、点灯中のランプ電圧上昇は、10本平均で2.1V、最大でも4.6Vと良好であった。このとき発光管1がリークするような事態は発生しなかった。
【0015】
次に、発光管1の内径を5.5mm、両電極間距離を22mm一定とし、封入するキセノンガスの圧力を、表1に示すように、6水準に変化させてその効果を測定した。なお、外管9内には上記と同様、窒素ガスを2.7×104 Pa封入(25℃)した。
【0016】
【表1】
Figure 0003663797
この結果、キセノンガスの圧力が2.5×104 Pa未満では、キセノンガスが緩衝ガスの役割を十分に発揮しないため、平均演色評価数Raや色温度等の光学特性が低下することが判る。また、色度点の黒体軌跡からのずれは、±0.002以内であった。一方、キセノンガス圧が5.3×104 Paを越えると、平均演色評価数Raは80より低くなるものの、逆に彩度が高くなって、照明された物体が鮮やかに見えた。
【0017】
次に、発光管1の内径を5.5mm一定とし、電極間距離を変化、すなわち管壁負荷を変化させたランプを試作し、その効果を測定した。その結果を表2に示す。なお、キセノンガス圧は4×104 Pa、ナトリウムは3mgであり、外管9内には窒素ガスを2.7×104 Pa(25℃)封入した。
【0018】
【表2】
Figure 0003663797
表2に示す結果から、管壁負荷は34.7W/cm2 以上では平均演色評価数Ra、色温度的にも高演色性を示すことが判る。しかし、管壁負荷が62W/cm2 を越えると管壁温度は1200℃を越えるため、発光管材料の多結晶アルミナと金属ナトリウムの反応速度が速くなり、好ましくない。
【0019】
次に、電極間距離を22mm一定とし、発光管1の内径すなわち管壁負荷を表3のように変化させたランプを試作し、その効果を測定した。その結果を表3に示す。なお、キセノンガス圧は4×104 Pa、ナトリウムは3mgであり、外管9内には窒素ガスを2.7×104 Pa(25℃)封入した。
【0020】
【表3】
Figure 0003663797
表3に示すように、管壁負荷は34.7W/cm2 以上では、平均演色評価数Raおよび色温度的にも高演色性を示すことが判る。しかし、管壁負荷が62W/cm2 を越えると管壁温度は1200℃を越えるため、発光管材料の多結晶アルミナと金属ナトリウムの反応速度が速くなり、好ましくない。
【0021】
なお、外管9内に封入する不活性ガスとしては、窒素の他、クリプトンガスでも発光管1の表面温度を下げる効果がある。
【0022】
(実施形態2)
上記実施形態1と異なる点は、発光管1内にキセノンガスに代えてクリプトンガスを4×104 Pa(25℃)を封入したことである。他の構成は実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0023】
このランプを、実施形態1と同様に、イグナイタを安定器に内蔵するチョーク式安定器で点灯した。その結果、ランプ入力が150Wのとき、ランプ効率58lm/W、色温度2520K、平均演色評価数Raは85の高演色性で、その色度点は0.0001とほぼ黒体軌跡上にあり、発光色が緑がかることもなかった。
【0024】
また、実施形態2に示すランプと全く同じ仕様のランプを10本製作し、5.5時間点灯、0.5時間消灯の点滅サイクルで点灯実験した。その結果、点灯時間累計12000時間後も全数点灯可能で、ランプ立ち消え等もなく、点灯中のランプ電圧上昇は、10本平均で4.1V、最大でも6.8Vと良好であった。
【0025】
次に、実施形態1の場合と同様に、発光管の内径を5.5mm、両電極間距離を22mm一定とし、封入するクリプトンガスの圧力を表4のように6水準に変化させて、その効果を測定した。
【0026】
【表4】
Figure 0003663797
その結果、クリプトンガスの圧力が3.0×104 Pa未満では、クリプトンガスが緩衝ガスの役割を十分に発揮しないため、平均演色評価数Raや色温度等の光学特性が低下することが判る。また、色度点の黒体軌跡からのずれは±0.002以内であった。一方、クリプトンガス圧が5.3×104 Paを越えると、平均演色評価数Raは80より低くなるものの、逆に彩度が高くなって、照明された物体が鮮やかに見えた。
【0027】
次に、実施形態1の場合と同様に、発光管1の内径5.5mm一定とし、電極間距離を変化、すなわち管壁負荷を変化させたランプを試作し、その効果を測定した。その結果を表5に示す。
【0028】
【表5】
Figure 0003663797
表5に示す結果から、管壁負荷は36.1W/cm2 以上では平均演色評価数Ra、色温度的にも高演色性を示すことが判る。一方、管壁負荷が54.3W/cm2 を越えると管壁温度は1200℃を越えるため、発光管材料の多結晶アルミナと金属ナトリウムの反応速度が速くなり、好ましくない。
【0029】
次に、実施形態1の場合と同様に、電極間距離を22mm一定とし、発光管1の内径すなわち管壁負荷を表6のように変化させたランプを試作し、その効果を測定した。その結果を表6に示す。
【0030】
【表6】
Figure 0003663797
表6に示すように、管壁負荷は36.1W/cm2 以上では、平均演色評価数Raおよび色温度的にも高演色性を示すことが判る。一方、管壁負荷が54.3W/cm2 を越えると管壁温度は1200℃を越えるため、発光管材料の多結晶アルミナと金属ナトリウムの反応速度が速くなり、好ましくない。
【0031】
なお、外管9内に封入する不活性ガスとしては、窒素の他、クリプトンガスでも発光管1の表面温度を下げる効果がある。
【0032】
(実施形態3)
上記実施形態1と異なる点は、発光管1内にキセノンガスに代えてアルゴンガスを4×104 Pa(25℃)を封入したことである。他の構成は実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0033】
このランプを、実施形態1と同様に、イグナイタを安定器に内蔵するチョーク式安定器で点灯した。その結果、ランプ入力が150Wのとき、ランプ効率54lm/W、色温度2520K,平均演色評価数Raは85の高演色性で、その色度点はほぼ黒体軌跡上にあり、発光色が緑がかることもなかった。
【0034】
また、実施形態3に示すランプと全く同じ仕様のランプを10本製作し、5.5時間点灯、0.5時間消灯の点滅サイクルで点灯実験した。その結果、点灯時点灯時間累計12000時間後も全数点灯可能で、ランプ立ち消え等もなく、点灯中のランプ電圧上昇は、10本平均で3.9V、最大でも6.1Vと良好であった。
【0035】
次に、実施形態1の場合と同様に、発光管の内径を5.5mm、両電極間距離を22mm一定とし、封入するアルゴンガスの圧力を表7の様に6水準に変化させて、その効果を測定した。
【0036】
【表7】
Figure 0003663797
その結果、アルゴンガスの圧力が3.3×104 Pa未満では、アルゴンガスが緩衝ガスの役割を十分に発揮しないため、平均演色評価数Raや色温度等の光学特性が低下することが判る。また、色度点の黒体軌跡からのずれは±0.002以内であった。一方、アルゴンガス圧が5.3×104 Paを越えると、平均演色評価数Raは81より低くなるものの、逆に彩度が高くなって、照明された物体が鮮やかに見えた。
【0037】
次に、実施形態1の場合と同様に、発光管1の内径5.5mm一定とし、電極間距離を変化、すなわち管壁負荷を変化させたランプを試作し、その効果を測定した。その結果を表8に示す。
【0038】
【表8】
Figure 0003663797
表8に示す結果から、管壁負荷は39.5W/cm2 以上では平均演色評価数Ra、色温度的にも高演色性を示すことが判る。一方、管壁負荷が55.7W/cm2 を越えると管壁温度は1200℃を越えるため、発光管材料の多結晶アルミナと金属ナトリウムの反応速度が速くなり、好ましくない。
【0039】
次に、実施形態1の場合と同様に、電極間距離を22mm一定とし、発光管1の内径すなわち管壁負荷を表9のように変化させたランプを試作し、その効果を測定した。その結果を表9に示す。
【0040】
【表9】
Figure 0003663797
表9に示すように、管壁負荷は39.5W/cm2 以上では、平均演色評価数Raおよび色温度的にも高演色性を示すことが判る。一方、管壁負荷が55.7W/cm2 を越えると管壁温度は1200℃を越えるため、発光管材料の多結晶アルミナと金属ナトリウムの反応速度が速くなり、好ましくない。
【0041】
なお、外管9内に封入する不活性ガスとしては、窒素の他、クリプトンガスでも発光管1の表面温度を下げる効果がある。
【0042】
(実施形態4)
図2は、本発明に係る高演色性高圧ナトリウムランプの第4および第5の実施形態を示す一部切欠き正面図である。まず、第4の実施形態について同図を参照して詳述する。
【0043】
この高圧ナトリウムランプは、主に発光管1とその発光管1を収納すると共に一端に口金12が設けられた外管9と、発光管1を外管9内に保持させる支持棒15と、導電管2,3の先端に設けられて発光管1の両端に配置される電極6,7とを備えて構成されている。
【0044】
発光管1は、具体的には例えば耐アルカリ性を有する透明部材でなり、透光性セラミック(例えば多結晶アルミナや多結晶イットリア等)または単結晶アルミナ等により略円筒状に形成され、例えばその内径φは6mm、外径は7.4mm、全長が60mmとされている。また、発光管1の両端の開口からは、例えばニオビウム(Nb)と1%のジルコニウム(Zr)からなる導電管2,3がそれぞれ挿入され、その導電管2,3の発光管1の内部の先端に電極6,7が、例えば酸化アルミニウム(Al2 3 )、酸化イットリウム(Y2 3 )、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)からなるフリット4,5により発光管1の端部にそれぞれ接着されて、発光管1が気密に封着されている。また、発光管1の両端部に保持された電極6,7間の距離dは、40mmとされており、電極6,7には、例えば酸化イットリウム(Y2 3 )が電子放射性物質として塗布、焼付けされている。そして、発光管1の内部空間である放電空間には、参照符号8で示す例えば金属ナトリウム5mgと、25℃で4×104 Paのガス圧のキセノンガスが封入されている。
【0045】
外管9は硬質ガラスからなり、直径が例えば40mmで、一端が閉じられて発光管1を収納する略円筒状の空間には、他端に設けられた口金12に接続される一対の導電性の支持棒15,15Aが配設され、その支持棒15,15Aに発光管1を支持させるとともに、バリウムゲッタ13を用いて内部は高真空となるように排気されている。また、一方の支持棒15には、発光管1の外壁に沿って略両電極6,7間にわたるように、所定の電位が与えられてランプの始動を容易にするための近接導体10が設けられており、この近接導体10の一端側は、バイメタル14を介して支持棒15に接続されており、近接導体10がランプ点灯中は発光管1の外壁に接触しないように構成されている。
【0046】
このように構成された高圧ナトリウムランプを、イグナイタを内蔵したチョーク式安定器を用いて点灯させたところ、ランプ入力(ランプ電力)が150Wのとき、ランプ効率ηが561m/W、色温度が2570K、平均演色評価数Raが85と良好な点灯特性が得られた。なお、このとき、点灯時のランプ電圧をV(V)、発光管1の内径をφ(mm)、電極6,7間の距離をd(mm)としたとき、V/d=2.0、W/φ=25であつた。
【0047】
そこで本願発明者らは、同様の構成の高圧ナトリウムランプを20本試作し、イグナイタを内蔵したチョーク式安定器を用いて5.5時間点灯、0.5時間消灯の点滅サイクルで点灯評価を行なった結果、点灯時間の累計が12000時間経過後も、全数点灯可能であって、ランプが立ち消えを起こすことも、発光色が桃色側に変化(シフト)することもなく、点灯中のランプ電圧上昇は、平均で3.6V、最大でも8.9Vという良好な結果を得た。
【0048】
また、同様に発光管1の内径φを6mm、両電極間距離dを40mmとし、封入されるキセノンのガス圧を、表10に示すように、25℃で2.3×104 Pa〜5.3×104 Paの間の5水準に変化させて、V/d=2.0、W/φ=25としたときの平均演色評価数Raと色温度を測定し、封入されたキセノンのガス圧の差による光学特性への影響を測定した。
【0049】
【表10】
Figure 0003663797
この結果から、キセノンのガス圧が2.5×104 Paでは、平均演色評価数Raが80、色温度が2430Kと良好な光学特性を示すが、2.5×104 Pa未満になると、キセノンが緩衝ガスの役割を十分に発揮できないため、平均演色評価数Raと色温度の光学特性が低下することが判った。このため、キセノンのガス封入圧は2.5×104 Pa以上とした。
【0050】
また、発光管1へ封入されるキセノンのガス圧を4.0×104 Paの一定とし、発光管1の内径φと両電極間距離dとを変化させたランプを試作して、ランプに印加する電圧(ランプ電圧)Vと安定器のインピーダンスとを変化させて点灯評価を行ない、表11に示す測定結果を得た。
【0051】
【表11】
Figure 0003663797
つまり、キセノンの封入圧を4.0×104 Paで一定とした状態では、V/dおよびW/φを大きくすれば、色温度は単調に増加する。一方、平均演色評価数RaはV/d、W/φを大きくすれば86まで上昇し、さらに大きくすると86から低下するが、彩度は逆に上昇する。しかしながら、V/dおよびW/φを大きくすると、ランプ効率ηは単調に減少する。この結果から、
2.0≦V/d≦2.7
および
20≦W/φ≦28
の両式を満足させるようにすれば、平均演色評価数Raが80以上、ランプ効率ηが50lm/W以上、色温度が2400K以上の光学特性を有する高演色性の高圧ナトリウムランプが得られることが判る。
【0052】
従って、本実施形態における高圧ナトリウムランプにおいては、発光管1内に25℃で2.5×104 Pa以上のキセノンガスを封入した高圧ナトリウムランプで、点灯時のランプ電圧をV(V)、ランプ電力をW(W)、発光管1の内径をφ(mm)、両電極間の距離をd(mm)としたとき、それらが下記の2つの式
2.0≦V/d≦2.7
および
20≦W/φ≦28
を満たす関係にすることにより、白熱電球の光色に似た暖かみのある高演色性を有する高圧ナトリウムランプが得られる。また、発光管1の内径が比較的小さくなるため、発光管1の端部に、発光管1の最冷点温度を上昇させるための保温材を設ける必要がなくなってランプ構造が簡単となり、高演色性の高圧ナトリウムランプのコストを安くできる。
【0053】
(実施形態5)
次に、本発明に係る第5の実施形態について、第4の実施形態と同様に図2を参照して詳述する。この高演色性高圧ナトリウムランプにおける、上述の実施形態4と異なる点は、発光管1の内部にナトリウムとキセノンの他に、ごく少量の水銀を封入した点であり、他は前記実施形態4と同様に構成されている。
【0054】
つまり、この高演色性高圧ナトリウムランプは、第4の実施形態と同様に形成された発光管1の内部空間( 内容積1.5cm3 )である放電空間に、金属ナトリウム5mgと25℃で4.0×104 Paの圧力のキセノンの他に0.7mgの水銀が封入されて構成されており、この発光管1を第4の実施形態と同仕様の外管9内に配設される。
【0055】
このように構成された高圧ナトリウムランプを、イグナイタを内蔵したチョーク式安定器を用いて点灯させたところ、ランプ入力(ランプ電力)が150Wのとき、ランプ効率ηが541m/W、色温度が2590K、平均演色評価数Raが86の高演色性で、その色度点は黒体軌跡上にあり、発光色が緑がかることもない。なお、このとき、点灯時のランプ電圧をV(V)、ランプ電力をW(W)、発光管1の内径をφ(mm)、両電極間の距離をd(mm)としたとき、V/d=2.5、W/φ=25であった。
【0056】
そこで本願発明者らは、同様の構成の高圧ナトリウムランプを20本製作し、イグナイタを内蔵したチョーク式安定器を用いて5.5時間点灯、0.5時間消灯の点滅サイクルで点灯評価を行なった結果、点灯時間の累計が12000時間経過後も、全数点灯可能であって、ランプが立ち消えを起こすことも、発光色が桃色側( ピンキッシュ) に変化(シフト)することもなく、点灯中のランプ電圧上昇は、平均で4.1V、最大でも10.4Vと良好な結果を得た。
【0057】
また、同様に発光管1の内径φを6mm、両電極間距離dを40mm一定( V/d=2.0、W/φ=25) とし、封入されるキセノンのガス圧を、表12に示すように、25℃で2.3×104 Pa〜5.3×104 Paの範囲で5水準に変化させて、光学特性への影響を測定した。なお、水銀は0.7mg一定とした。これより、2.5×104 Pa未満ではキセノンが緩衝ガスの役割を十分に発揮しないため、平均演色評価数Raや色温度等の光学特性が低下することが判る。また、色度点の黒体軌跡からのずれは±0.002以内であった。
【0058】
【表12】
Figure 0003663797
この結果から、キセノンのガス圧が2.5×104 Paでは、平均演色評価数Raが80、色温度が2430Kと良好な光学特性を示す如き、第4の実施形態と同様の結果を得た。なお、このときの色温度は、第4の実施形態では黒体軌跡からのずれが±0.005程度であり、ごく僅かに緑がかって見えることもあるが、本実施形態では、黒体軌跡からのずれは±0.002以内であり、ごく僅かでも緑がかって見えるというようなことはなかった。
【0059】
また、発光管1へ封入されるキセノンのガス圧を4.0×104 Paの一定とし、発光管1の内径φと両電極間距離dとを変化させたランプを試作して、ランプに印加する電圧(ランプ電圧)Vと安定器のインピーダンスとを変化させて点灯評価を行ない、表13に示す測定結果を得た。
【0060】
【表13】
Figure 0003663797
つまり、キセノンのガス圧を4.0×104 Paで一定とし、水銀を封入した場合であっても、
2.0≦V/d≦2.7
および
20≦W/φ≦28
の両式を満足させるようにすれば、平均演色評価数Raが80以上、ランプ効率ηが45lm/W以上、色温度が2400K以上の光学特性を有する高演色性の高圧ナトリウムランプが得られる。なお、このときの色度点の黒体軌跡からのずれは±0.002以内であった。
【0061】
さらに、同様の発光管1( 内容積1.5cm3 )を用いて、キセノンのガス圧を4.0×104 Pa一定とし、水銀の封入量を0mg〜1.5mg(0.8mg/cm3 )の間で変化させて、色度点の黒体軌跡からのずれについて検討を行なって、表14に示す結果を得た。
【0062】
【表14】
Figure 0003663797
この結果から、水銀量0.45mg以上、1.2mg以下、すなわち発光管の単位体積( 1cm3 )あたり0.3mg以上、0.8mg以下の範囲の水銀封入量においては、色度点の黒体軌跡からのずれは±0.002以内であることが判る。
【0063】
このように、本実施形態に係る高圧ナトリウムランプにおいては、前記第4の実施形態の効果に加えて、動程中に金属ナトリウムが発光管材料と反応、消失しても、水銀の封入量が極少量であるためナトリウムに対する水銀の比率の変化がごく小さく、発光色が桃色を帯びることはない。また、色度点の黒体軌跡からのずれは±0.002以内となって、発光色が緑がかって見えるとことが防止されて、白熱電球の光色に似た暖かみのある高演色性を有する高圧ナトリウムランプが得られる。
【0064】
なお、前記各実施形態において、キセノンガスの封入圧については、最高値を5.4×104 Paとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、E26口金やE39口金を使用した場合には、その耐圧から、好ましくは2.5×104 Pa〜6.6×104 Pa程度であればよい。これはキセノンガス圧が高くなると始動電圧が上昇して5000Vを越え、通常のE26やE39タイプの口金では耐圧不足を生じるためであり、両口金タイプのように口金耐圧が問題にされないランプにおいては、キセノンガス圧をそれ以上の値としたものであってもよい。
【0065】
【発明の効果】
本発明は上記のように、両端に電極を備えた透光性の発光管内に水銀を封入すること無く、希ガスと金属ナトリウムを封入し、希ガスであるキセノンガス(Xe)、クリプトンガス(Kr)又はアルゴンガス(Ar)と金属ナトリウムを封入し、前記希ガスの封入圧力を2.5×10 4 Pa≦Xe≦5.3×10 4 Pa、3×10 4 Pa≦Kr≦5.3×10 4 Pa、3.3×10 4 Pa≦Ar≦5.3×10 4 Paとすることにより、点灯中の発光管温度を適切に管理できるとともに、HIDランプの定格寿命である12000時間を異常なく点灯でき、しかも、色温度2400K以上で平均演色評価数Raが80以上の高演色性高圧ナトリウムランプを提供できる。また、両端に電極を備えた透光性の発光管内に少なくとも希ガスと金属ナトリウムを封入し、前記発光管の外側に設けた外管と前記発光管とからなる二重構造として前記外管内を真空とすると共に、点灯時のランプ電圧V(V)、ランプ電力W(W)、前記発光管の内径をφ(mm)、両電極間距離d(mm)としたとき、2.0≦V/d≦2.7、且つ20≦W/φ≦28とすることで、平均演色評価数Raを80以上、色温度を2400k以上とする高演色性高圧ナトリウムランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高演色性高圧ナトリウムランプの一実施形態を示す一部切欠き正面図である。
【図2】本発明に係る高演色性高圧ナトリウムランプの異なる実施形態を示す一部切欠き正面図である。
【符号の説明】
1 発光管
2 導電管
3 導電管
4 フリット
5 フリット
6 電極
7 電極
8 金属ナトリウム
9 外管
10 近接導体
11 ジルコニウム−アルミニウムゲッタ
12 口金
13 バリウムゲッタ
14 バイメタル
15 支持棒

Claims (7)

  1. 両端に電極を備えた透光性の発光管内に水銀を封入すること無く、希ガスであるキセノンガス(Xe)、クリプトンガス(Kr)又はアルゴンガス(Ar)と金属ナトリウムを封入し、前記希ガスの封入圧力を、2.5×10 4 Pa≦Xe≦5.3×10 4 Pa、3×10 4 Pa≦Kr≦5.3×10 4 Pa、3.3×10 4 Pa≦Ar≦5.3×10 4 Paにすることにより、平均演色評価数Raを80以上、色温度を2400k以上としたことを特徴とする高演色性高圧ナトリウムランプ。
  2. 前記発光管内の管壁負荷は、希ガスがキセノンガスである場合に34.7W/cm 2 ≦管壁負荷≦62W/cm 2 、希ガスがクリプトンガスであ場合に36.1W/cm 2 ≦管壁負荷≦54.3W/cm 2 、希ガスがアルゴンガスである場合に39.5W/cm 2 ≦管壁負荷≦55.7W/cm 2 とし、発光管の管壁温度を1200℃以下としたことを特徴とする請求項1記載の高演色性高圧ナトリウムランプ。
  3. 前記発光管の外側に設けた外管と前記発光管とからなる二重構造で、前記外管内に不活性ガスを封入したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の高演色性高圧ナトリウムランプ。
  4. 前記外管内に封入した不活性ガスは、少なくとも窒素またはクリプトンの1種類以上を含んだものであることを特徴とする請求項3記載の高演色性高圧ナトリウムランプ。
  5. 両端に電極を備えた透光性の発光管内に少なくとも希ガスと金属ナトリウムを封入し、前記発光管の外側に設けた外管と前記発光管とからなる二重構造として前記外管内を真空とすると共に、点灯時のランプ電圧V(V)、ランプ電力W(W)、前記発光管の内径をφ(mm)、両電極間距離d(mm)としたとき、2.0≦V/d≦2.7、且つ20≦W/φ≦28とするとともに平均演色評価数Raを80以上、色温度を2400k以上としたことを特徴とする高演色性高圧ナトリウムランプ。
  6. 色度点の黒体軌跡からのずれが±0.002(DUV2)以内となるように水銀を封入したことを特徴とする請求項5記載の高演色性高圧ナトリウムランプ。
  7. 前記発光管内に0.3mg以上、0.8mg以下の水銀を封入したことを特徴とする請求項6記載の高演色性高圧ナトリウムランプ。
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