JP3663531B2 - Fm文字多重放送読み上げ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FM文字多重放送を受信して抽出したテキスト情報を音声に変換するFM文字多重放送読み上げ装置に関するものである。
通常、運転中にFM文字多重放送を受信して利用する場合、表示装置に運転者の注意が向いてしまうため、わき見運転などの原因となり安全性を欠くことになる。このため、表示装置に表示されるテキスト情報を音声に変換することは安全運転上、有益なことである。
【0002】
【従来の技術】
従来のFM文字多重放送読み上げ装置は、アンテナで受信した信号から所望する放送局の信号のみを抽出し、その信号を番組放送信号と多重信号とに復調し、番組放送信号をオーディオ信号として復調し、スイッチに出力し、また、多重信号をデジタル信号に変換してから、音声変換させたい文章をテキスト情報に変換し、そのテキスト情報を解析し、音声信号に変換してスイッチ出力し、スイッチではオーディオ信号、音声信号のどちらかを選択し、選択された信号を低周波増幅してスピーカより音声として出力するものである。
【0003】
ところで、FM文字多重放送では「見えるラジオ」を意識したデータとなっているため、図5、図6に示すように単語の羅列/記号・略語の使用/見やすい情報提供のために文字間に空白の挿入などを行なっており、そのまま音声に変換を行なっても、例えば図5に示す「葛 西」、「小 菅」のように、1つの地名の間に空白が入っているため、「葛」、「西」、「小」、「菅」と1文字で1単語と認識し、正しく音声変換されない可能性があり、分かりやすい音声変換とはならず、誤変換する場合も考えられるという問題があった。
【0004】
そこで、従来のFM文字多重放送読み上げ装置では、かかる問題を解決するため、図7に示すように、例えば「小菅」を辞書に登録する時に、通常の状態である文字間に空白を含まない状態で辞書登録を行ない、更に種々の表示態様に合わせて文字間に空白がある状態でも辞書に登録を行なう必要があるものであった。
このような辞書への辞書登録を行なうことにより、辞書登録された文字については、例えば文字間に空白を含まない状態や文字間に空白がある状態でも、「小菅」と2文字で1単語と認識し、正しく音声変換されることとなった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のFM文字多重放送読み上げ装置は、FM多重放送では、図5、図6に示すように見やすい情報の提供を目的に地名などの間に空白を入れている場合があり、また、正確な音声変換を行なうためには、図7に示すように空白がない単語の登録の他に、種々の表示態様に合わせて1つ又は2つの空白を入れた形式でも辞書登録しなければならない。つまり、空白の挿入されている状況に応じて、辞書登録を行う必要があった。
【0006】
しかし、辞書への辞書登録についての表記の組合せは膨大な数であり、辞書登録容量には限界があるため全ての表記を登録することは困難であった。
また、全ての空白文字を削除することも考えられるが、そうすると、例えば図8の(1)に示すように、本来は「中央道 上り 諏訪から飯田まで」のような意味であったが、「中央道 上諏訪から飯田まで」のように音声変換され、文の区切りとして使用されている空白に対しても実行されるため、音声変換に誤りが発生することもある。
また、図8の(2)に示すように、本来は「新大宮BS(下)三橋5まで1K」のような意味であったが、「5」は「5丁目」の省略形として使われているが、後ろの[1K]とつながってしまい、[51K]となり、意味が異なってしまうことになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るFM文字多重放送読み上げ装置は、アンテナで受信された信号からフロントエンド回路が抽出した所望する放送局の信号からIF検波回路が番組放送信号と多重信号とに復調して出力し、アナログ復調回路がIF検波回路からの番組放送信号をオーディオ信号として復調して出力し、FM文字多重復調回路がIF検波回路からの多重信号をデジタル信号に変換して出力し、テキスト情報抽出回路がFM文字多重復調回路からのデジタル信号から音声変換させたい文章のテキスト情報を抽出して出力し、テキスト音声変換回路がテキスト情報抽出回路からのテキスト情報を解析し、音声信号に変換して出力し、スイッチが選択したオーディオ信号か音声信号かのいずれかの信号を低周波増幅回路が増幅し、低周波増幅回路からの増幅された信号をスピーカが音声として出力するようにしたFM文字多重放送読み上げ装置において、前記テキスト音声変換回路は、テキスト情報抽出回路からの地名などの間に空白文字を入れているテキスト情報からまだ処理を行っていない行を順次読み込み、読み込んだ行について連続する空白は1つの空白文字に置換し、行頭・行末の空白を削除し、行頭から1文字ずつ取り出し、文字が空白文字のときには2つ前と後の文字が空白又は記号又は行端であれば空白文字を除去し、それ以外は文の区切りの空白文字として扱って除去しないように処理して出力する空白除去回路と、空白除去回路から出力された空白除去処理を行なった行のテキスト情報を解析し、辞書を参照し、文章の読みを決定して出力するテキスト解析回路と、テキスト解析回路によって文章の読みが決定された行のテキスト情報を音声信号に変換する波形生成回路とから構成されているものである。
また、前記辞書には空白がない文字のみが辞書登録されているものである。
【0008】
本発明においては、空白除去回路がテキスト情報抽出回路からの地名などの間に空白文字を入れているテキスト情報からまだ処理を行っていない行を順次読み込み、読み込んだ行について連続する空白は1つの空白文字に置換し、行頭・行末の空白を削除し、行頭から1文字ずつ取り出し、文字が空白文字のときには2つ前と後の文字が空白又は記号又は行端であれば空白文字を除去し、それ以外は文の区切りの空白文字として扱って除去しないように処理して行のテキスト情報をテキスト解析回路に出力し、テキスト解析回路では空白除去回路からの空白除去処理を行なった行のテキスト情報を解析し、辞書を参照し、文章の読みを決定して波形生成回路に出力し、波形生成回路はテキスト解析回路からの文章の読みが決定された行のテキスト情報を音声信号に変換して出力するから、波形生成回路がテキスト解析回路からのテキスト情報を音声信号に変換する際に、テキスト情報について既に空白除去回路が不必要な空白文字の空白処理を行っているため、誤変換することはなくなり、読み誤りを低減することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1のFM文字多重放送読み上げ装置のブロック図、図2は同FM文字多重放送読み上げ装置の空白除去処理動作を示すフローチャート、図3は同FM文字多重放送読み上げ装置の空白除去の前処理動作を示すフローチャートである。
図において、1はアンテナ、2はアンテナ1で受信された信号が入力されるフロントエンド回路で、高周波増幅回路、周波数変換回路などで構成され、アンテナ1で受信された信号から所望する放送局の信号のみを抽出して出力する。3はフロントエンド回路2から出力された所望する放送局の信号を番組放送信号と多重信号とに復調して出力するIF検波回路、4はIF検波回路3が出力する信号のうち、番組放送信号をオーディオ信号として復調してスイッチ8に出力するアナログ復調回路である。
【0010】
5はIF検波回路3が出力する信号のうち、多重信号をデジタル信号に変換して出力するFM文字多重復調回路、6はFM文字多重復調回路5から出力されたデジタル信号を変音声変換させたい文章のテキスト情報を抽出して出力するテキスト情報抽出回路、7はテキスト情報抽出回路6から出力されたテキスト情報を解析し、音声信号に変換してスイッチ8に出力するテキスト音声変換回路である。スイッチ8では、アナログ復調回路4のオーディオ信号、テキスト音声変換回路7の音声信号のどちらを低周波増幅回路9に入力するかを選択し、選択された信号は低周波増幅回路9で増幅され、スピーカ10から音声として出力される。
【0011】
20はテキスト音声変換回路7の一部を構成する空白除去回路20で、テキスト情報抽出回路6から出力されたテキスト情報に、見やすい情報の提供を目的に地名などの間に空白文字を入れている場合にはその空白文字の除去を行ったテキスト情報を出力する。
21は空白除去回路20からの空白文字の除去を行ったテキスト情報を解析し、辞書22を参照し、文章の読み、アクセント、イントネーションを決定して出力するテキスト解析回路、23はテキスト解析回路21から出力された文章の読み、アクセント、イントネーションが決定されたテキスト情報を音声信号に変換してスイッチ8に出力する波形生成回路である。このように、テキスト音声変換回路7は空白除去回路20〜波形生成回路23で構成されている。
【0012】
次に、本発明の実施の形態1のFM文字多重放送読み上げ装置の空白除去処理動作を図2及び図3のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1でテキスト情報のデータが存在するかどうかを調べ、データがあった場合には、ステップS2でまだ処理を行なっていない行を、1行メモリ上に読み込む。
ステップS3では、それ以降の処理を簡単にするための前処理を行う。この前処理は、まず連続する空白は1つの空白文字に置き換えを行ない(ステップ101)、つぎに行頭・行末の空白の削除を行って終了する(ステップ101)。
ステップS4では、ステップS3の前処理終了後に1行に文字があるかどうかを判断する。文字がない場合はステップS1に戻り、文字がある場合は、ステップS5で行頭から1文字づつ取り出し、ステップS6以降で、空白除去の処理を行なう。
【0013】
ステップS6では文字が空白文字かどうかを調べ、空白文字であった場合ステップS7,S8で除去すべき空白であるかどうかの判断を行なう。ステップS7では前方向の状態を、ステップS8では後方向の状態を見ている。
どちらのステップでも、2つ前又は後の文字が空白か記号か文字がない状態である行頭、行末の行端かを調べ、両方向ともに空白か記号か行端のいずかであるときは、条件を満たした場合と考えて空白文字の除去を行なう。それ以外の場合は、条件を満足していない場合と考えて文の区切りの空白文字として扱い除去はされない。
【0014】
次に、上述したステップS6以降の空白除去の処理について、図4の空白除去処理の実施例に基づいて詳細に説明する。
図4の(1)に示すように「中央道 上 諏訪−飯田」の表示がある場合に、中央道と上との間の空白を▲1▼、上と諏訪との間の空白を▲2▼とする。
▲1▼の空白について見ると、
後方向については2つ後ろの文字が、「▲2▼の空白文字」となり、空白があって条件を満たすが、前方向については2つ前の文字が「央」となり、空白、記号、行端のいずれもなく、条件から外れるために除去されない。
▲2▼の空白について見ると、
前方向については2つ前の文字が「▲1▼の空白文字」となり、空白があって条件を満たすが、後方向については2つ後の文字が「訪」となり、文字であって空白、記号、行端のいずれもなく、条件から外れるために除去されない。
従って、空白処理後の1行のテキスト情報は以下のようになり、音声変換する際に誤変換することはない。
「中央道 上 諏訪−飯田」
【0015】
次に、図4の(1)に示すように「「羽田(上)羽 田→浜 崎 橋 15分」の表示がある場合に、羽田と浜との間の空白を▲1▼、浜と崎との間の空白を▲2▼、崎と橋との間の空白を▲3▼、橋と15分との間の空白を▲4▼とする。
▲1▼の空白について見ると、
前方向については、2つ前の文字が「)」の記号となり、記号があって条件を満たす。
後方向については、2つ後の文字が「→」の記号となり、記号があって条件を満たすために除去する。
▲2▼の空白について見ると、
前方向については2つ前の文字が「→」の記号となり、記号があって条件を満たす。
後方向については2つ後の文字が「▲3▼の空白文字」となり、条件を満たすために除去する。
【0016】
▲3▼の空白について見ると、
前方向については2つ前の文字が「▲2▼の空白文字」となり、空白があって条件を満たす。
後方向については2つ後の文字が「▲4▼の空白文字」となり、空白があって条件を満たすために除去する。
▲4▼の空白について見ると、
前方向については2つ前の文字が「▲3▼の空白文字」となり、空白があって条件を満たす。
後方向については2つ後の文字が「5」となり、文字であって空白、記号、行端のいずれもなく、条件から外れるために除去されない。
従って、空白処理後の1行のテキスト情報は以下のようになり、音声変換する際に誤変換することはない。
「羽田(上)羽田→浜崎橋 15分」
【0017】
このようにテキスト情報に見やすい情報の提供を目的に地名などの間に空白を入れている場合に、テキスト情報の1行づつについて空白が次々と空白除去処理され、文の区切りとして使用されている空白の場合にはその空白は除去されないため、音声変換する際に誤変換することはない。
また、空白文字が入っているテキスト情報については、空白除去回路20が不必要な空白文字の空白処理を行っているから、従来のように種々の表示態様に合わせて1つ又は2つの空白を入れたものは空白処理されて音声変換する際に誤変換されることはないため、辞書22には空白がない文字のみの辞書登録で足りることになり、辞書への辞書登録数を削減することができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明は以上説明したとおり、空白除去回路がテキスト情報抽出回路からの地名などの間に空白文字を入れているテキスト情報からまだ処理を行っていない行を順次読み込み、読み込んだ行について連続する空白は1つの空白文字に置換し、行頭・行末の空白を削除し、行頭から1文字ずつ取り出し、文字が空白文字のときには2つ前と後の文字が空白又は記号又は行端であれば空白文字を除去し、それ以外は文の区切りの空白文字として扱って除去しないように処理して行のテキスト情報をテキスト解析回路に出力し、テキスト解析回路では空白除去回路からの空白除去処理を行なった行のテキスト情報を解析し、辞書を参照し、文章の読みを決定して波形生成回路に出力し、波形生成回路はテキスト解析回路からの文章の読みが決定された行のテキスト情報を音声信号に変換して出力するので、波形生成回路がテキスト解析回路からのテキスト情報を音声信号に変換する際に、テキスト情報について既に空白除去回路が不必要な空白文字の空白処理を行っているため、誤変換することはなくなり、読み誤りを低減することができるという効果がある。
【0019】
また、空白文字が入っているテキスト情報については、空白除去回路が不必要な空白文字の空白処理を行っているため、辞書には空白がない文字のみの辞書登録で足りるので、辞書への辞書登録数を削減することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のFM文字多重放送読み上げ装置のブロック図である。
【図2】同FM文字多重放送読み上げ装置の空白除去処理動作を示すフローチャートである。
【図3】同FM文字多重放送読み上げ装置の空白除去の前処理動作を示すフローチャートである。
【図4】同FM文字多重放送読み上げ装置の空白除去処理の実施例を示す図である。
【図5】従来のFM文字多重放送読み上げ装置のテキスト情報の誤音声変換の例を示す図である。
【図6】同FM文字多重放送読み上げ装置のテキスト情報に空白が挿入されている例を示す図である。
【図7】同FM文字多重放送読み上げ装置のテキスト情報の単語を辞書登録した例を示す図である。
【図8】同FM文字多重放送読み上げ装置のテキスト情報の全ての空白文字を除去した時の誤音声変換の例を示す図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 フロントエンド
3 IF検波回路
4 アナログ復調回路
5 FM文字多重復調回路
6 テキスト情報抽出回路
7 テキスト音声変換回路
8 スイッチ
9 低周波増幅回路
10 スピーカ
20 空白除去回路
21 テキスト解析回路
22 辞書
23 波形生成回路

Claims (2)

  1. アンテナで受信された信号からフロントエンド回路が抽出した所望する放送局の信号からIF検波回路が番組放送信号と多重信号とに復調して出力し、アナログ復調回路がIF検波回路からの番組放送信号をオーディオ信号として復調して出力し、FM文字多重復調回路がIF検波回路からの多重信号をデジタル信号に変換して出力し、テキスト情報抽出回路がFM文字多重復調回路からのデジタル信号から音声変換させたい文章のテキスト情報を抽出して出力し、テキスト音声変換回路がテキスト情報抽出回路からのテキスト情報を解析し、音声信号に変換して出力し、スイッチが選択したオーディオ信号か音声信号かのいずれかの信号を低周波増幅回路が増幅し、低周波増幅回路からの増幅された信号をスピーカが音声として出力するようにしたFM文字多重放送読み上げ装置において、
    前記テキスト音声変換回路は、テキスト情報抽出回路からの地名などの間に空白文字を入れているテキスト情報からまだ処理を行っていない行を順次読み込み、読み込んだ行について連続する空白は1つの空白文字に置換し、行頭・行末の空白を削除し、行頭から1文字ずつ取り出し、文字が空白文字のときには2つ前と後の文字が空白又は記号又は行端であれば空白文字を除去し、それ以外は文の区切りの空白文字として扱って除去しないように処理して出力する空白除去回路と、空白除去回路から出力された空白除去処理を行なった行のテキスト情報を解析し、辞書を参照し、文章の読みを決定して出力するテキスト解析回路と、テキスト解析回路によって文章の読みが決定された行のテキスト情報を音声信号に変換する波形生成回路とから構成されていることを特徴とするFM文字多重放送読み上げ装置。
  2. 前記辞書には空白がない文字のみが辞書登録されていることを特徴とする請求項1記載のFM文字多重放送読み上げ装置。
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