JP3662945B2 - 触媒組成物およびその使用方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は炭化水素転化のための改良分子ふるいおよびその使用法に関するものである。より具体的には、本発明はひとつの限定された組成物を有し、特に異性体化のために有益なマグネシウム含有非ゼオライト性分子ふるいに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素添加用触媒においては非常に多数の分子ふるいが有益なものとして開示されている。最も良く知られているのはコーナー共有AlO2およびSiO2四面体から形成される結晶性アルミノシリケート・ゼオライト類である。これらゼオライト類は一般的には均一な寸法の孔開口部、かなりのイオン交換能力、および、恒常的結晶構造を構成しているどの原子も置換することなく、その結晶の内部空間全体に分散された吸着相を可逆的に脱着する能力を特徴としている。ゼオライト類は、しばしば、臨海、通常最少シリカ/アルミナ比によって特徴付けられる。
【0003】
より最近、アルミニウム(AlO2)の骨格四面体単位(TO2)、リン酸(PO2)および少なくともひとつの追加要素EL(ELO2)を含む一定の有益な非ゼオライト性分子ふるいが発見された。『非ゼオライト性分子ふるい』は米国特許第4,793,984に開示されている“ELAPSO”分子ふるい、米国特許第4,440,871の“SAPO”分子ふるい、および、“Me”が米国特許第4,567,029に開示されているようにMg,Mn,CoおよびZnのひとつである結晶性金属アルミノ-リン酸エステル-MeAPO類を含んでいる。骨格(framework)As,Be,B,Cr,Fe,Ga,Gs,Li,TiあるいはVおよび二価金属アルミノ-リン酸エステルが種々の特許で開示されている。特に本発明に関連しているのは米国特許第4,758,419で、これはMgMgAPSO非ゼオライト性分子ふるいを開示している。一般的に、上述の特許は幅の広い骨格金属濃度を教示しており、例えば、米国特許第4,758,419においては、(マグネシウム+けい素)のモル分率は0.02から0.98の間であることができ、好ましい上限は0.35モル分率、そしてマグネシウム濃度は最低0.01である。
異性体化のためのゼオライト性分子ふるいおよびマグネシウムを含んでいる触媒の使用は米国特許第4,482,773および米国特許第4,861,740および米国特許第4,861,740に開示されている。異性体化を含む炭化水素転化におけるMgMgAPSO非ゼオライト性分子ふるいを含む触媒の使用は上に述べた米国特許第4,758,419に開示されている。米国特許第4,740,650は、MgMgAPSOであっても差し支えない少なくともひとつの非ゼオライト性分子ふるいを含む触媒を用いたキシレンの異性体化を教示している。しかしながら、これらの引例のいずれも本発明の特徴である非ゼオライト性分子ふるいのマグネシウム含有率の厳密な臨界については開示も示唆もしていない。
【0004】
【発明が解決しようとする手段】
C8芳香族異性体化のための触媒は通常、キシレン異性体と結びついたエチルベンゼンの処理方法によって分類される。エチルベンゼンのキシレンへの異性体化は容易ではないが、通常、精密蒸留あるいは吸着によるキシレンからの分離は非常に高くつくので、異性体化装置内で転化される。広く用いられている方式はキシレン類を近平衡混合物に異性体化しながら基本的にはベンゼンを形成するためにエチルベンゼンを脱アルキル化する方式である。もうひとつの方式はキシレン混合物を形成するために水素化−脱水素化作用を有する酸触媒の存在下エチルベンゼンを反応させる方法である。前の方式は通常高いエチルベンゼン転化をもたらし、パラ-キシレン回収装置への循環量とそれに伴う処理コストを低減させるが、後者の方法はエチルベンゼンからキシレンを形成することによってキシレン収量を増大させる。後者の方法による転化を促す、つまり、高い転嫁率でエチルベンゼンのキシレンへの異性体化を達成するための触媒組成物およびプロセスはかなり高い実用性をもたらすであろうし、そうした触媒組成物およびプロセスが本発明によって提供される。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の主要な目的は炭化水素の転化に有益な新しい分子ふるいを提供することである。より具体的には、本発明は収量を増大させ、さらに/または処理コストを低減させるキシレンおよびエチルベンゼンの混合物の異性体化のための新しい分子ふるいおよびプロセスで構成される触媒性組成物である。
本発明は臨界範囲内で調整された骨格マグネシウム含有量を有するMgAPSO分子ふるいが炭化水素転化作用において『火山』効果を示すという発見に基づいている。
【0006】
したがって、本発明の広義の実施態様はマグネシウムの骨格濃度が臨界範囲内であるMgAPSO分子ふるいに向けられたものである。ここで、マグネシウムの骨格濃度とは、マグネシウムを含む四面体単位で、分子ふるいの微孔結晶性骨格構造からのものである四面体単位のモル分率を意味している。好ましくは、そのふるいはプラチナ族金属で構成される触媒性組成物に組み込まれ、最適の触媒性組成物は無機性酸化物マトリックスも含んでいる。別の実施態様において、触媒性組成物はAlPO4分子ふるいも含んでいる。
別の実施態様はマグネシウムの含有量が臨界範囲であるMgAPSO分子ふるいを含んでいる触媒性組成物を用いた炭化水素転化のためのプロセスに向けられたものである。好ましくは、このプロセスは異性体化のステップで構成されており、さらに好ましくは、パラ-キシレン含有量が増大した生成物を得るために、異性体化条件下で、キシレン類およびエチルベンゼンの非平衡混合物で構成された原料流の異性体化のステップで構成されている。
【0007】
本発明によるMgAPSO分子ふるいは明細書中に引例として組み込まれている米国特許第4,758,419の開示を参照することによって理解することができる。MgAPSO
【外2】
しており、その実験式は無水ベースで以下の式で表される。
【0008】
【化1】
mR:(MgwAlxPySiz)O2
【0009】
ここで、“R”は結晶内微孔系内にある少なくともひとつの有機性鋳型(template)剤を示しており、“m”は(MgwAlxPySiz)O2の1モルあたりに存在する“R”の量を示しており、ゼロから0.3程度の値を有しており、“w”,“x”,“y”および“z”はそれぞれ四面体酸化物として存在している成分マグネシウム、アルミニウム、りん、およびけい素のモル分率を示している。分子ふるいの各骨格構成成分のモル分率は米国特許第4,758,419の状態図に示されている組成値として定義されている。モル分率“w”,“x”,“y”および“z”は一般的には以下のような限界組成値あるいは点以内として、以下のように定義されている。
【0010】
【0011】
MgAPSOふるいのマグネシウム含有量が狭い限度範囲内でコントロールされている点が本発明の基本的な側面である。具体的には、本発明の分子ふるいにおける骨格マグネシウムのモル分率“w”は0.003から0.035の範囲である。最良の結果は骨格マグネシウムのモル分率が0.005と0.025の範囲の場合に得られる。
『火山』効果はふるいのマグネシウム成分が本発明にしたがって上の限度範囲内にコントロールされているブタン分解作用“kA”で観察されている。火山効果とはマグネシウム含有量が高い、あるいは低いふるいと比較しての、本発明のふるいにおけるkAの異常な、そして驚く程の増大を意味している。ブタン分解作用は異性体化、改質、脱水素環化、脱水素化、不均化、トランスアルキル化、脱アルキル化、アルキル化、ポリマー化、および触媒性分解などの領域における水素転化作用のわかりやすい表現である。
ブタン分解KAは事例IIでより具体的に述べるように円筒型石英チューブ内に充填した20−40メッシュMgAPSO分子ふるいの0.5−5グラムのサンプルをテストすることによって決められる。ふるいの量はブタンがヘリウム担体内に2モル%の濃度で存在している場合に5%から90%へのブタン転化を起こさせるように決められる。原料および反応容器流出液は通常のガス・クロマトグラフィーによって分析され、そして分析データから擬一次速度定数KA(pseudo-first-order rate constant)が求められる。
【0012】
このクラスのMgAPSOのメンバーを表すためにここで用いられている用語法は上に述べた特許において用いられている用語法と同じである。ひとつのクラスの特定のメンバーは一般的には“-n”種として表され、ここで“n”は整数で、例えば、MgAPSO-11,MgAPSO-31およびMgAPSO-41などのように表される。本発明による好ましい種は少なくとも以下のようなd-間隔を含んでいる特徴的なX線粉末回析パターンを有するMgAPSO-31である。
【0013】
【表1】
【0014】
MgAPSOふるいは通常、マグネシウム、けい素、アルミニウム、およびリンの反応源と有機鋳型剤を含む水溶性反応混合物から圧力および温度の有効条件下で、有効な時間だけ水熱結晶化作用を行うことによって合成される。反応混合組成物は好ましくはモル比で以下のように表される:
【0015】
【化2】
aR:(MgrAlsPtSiu)bH2O
【0016】
ここで、(r+s+t+u)=1.00モルとなっているので、分子ふるいの上記骨格構成成分“w”,“x”,“y”および“z”が上に述べたような組成値を有しており、有機テンプレート剤の量“a”は好ましくは0から6程度の正の値を有しており、そして水の量“b”は0から500の範囲で、好ましくは2から300の範囲である。
有機性鋳型剤が用いられる場合、米国特許第4,758,419に開示されているものの中から選択することができる。一般的に、この物質は周期律表のVA(IUPAC15)グループから選択されるひとつあるいはふたつの元素[CottonおよびWilkinson,Advanced Inorganic Chemistry,Jon Wilye & Sons(第五版、1988)参照]、好ましくは窒素またはリン、そして窒素、そして少なくとも1−8の炭素原子を含むひとつのアルキルまたはアリル基を含んでいる。好ましい化合物としてはアミン類および四価リンおよび四価アンモニウム化合物を含んでいる。モノ、ジ、およびトリ-アミン類は単独ででも、あるいは四価アンモニウム化合物との組み合わせででも活用することができる。特に好ましいアミン類としてはジイソプロピルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリエチルアミン、そして、エチルブチルアミンなどがある。
【0017】
けい素の反応源はシリカ、形態としてシリカ・ゾル、あるいは霧化シリカ、反応性固体アモルファス沈降シリカ、シリカ・ゲル、シリコンのアルコキシド、けい酸、およびそれらの混合物のいずれであってもよい。
すぐに反応を起こさせるための、まだ見い出されていないリンの最適の反応源はリン酸であるが、トリエチル・フォスフェートのような有機リン酸エステルの場合満足の行く結果が得られることが確認されており、米国特許第4,310,440のAlPO4組成物などの結晶性、あるいはアモルファス・アルミノフォスフェート類についても同様のことが認められている。鋳型剤として選択される有機リン化合物は、見かけ上はリンの反応源として機能しないが、これらの化合物は実際の反応中に適切なプロセス条件の下でリンの反応源に変わる場合がある。
【0018】
好ましいアルミニウム源はアルミニウム・イソプロキサイドなどのアルミニウム・アルコキシドか、あるいはシュードベーマイトのいずれかである。リンの適切な反応源である結晶性、あるいはアモルファス・アルミノフォスフェートはもちろん、適切なアルミニウム源でもある。ジブサイト、アルミン酸ナトリウム、およびアルミニウム・トリクロライドなど、ゼオライト合成に用いられる他のアルミニウム源も用いることができるが、好ましいものではない。
【0019】
マグネシウムの反応源は実際のプロセスでマグネシウムの反応形態、例えば、
【外3】
ような反応系に入れてもよい。採用できるマグネシウムの化合物は酸化物、水酸化物、アルコキシド、硝酸塩、ハロゲン化物、カルボキシル酸塩(例えば酢酸塩など)、有機金属、およびそれらの混合物などである。
【0020】
結晶化は一般的には密封された圧力容器、好ましくはポリテトラフルオロエチレンなどの不活性プラスチック性物質で覆った圧力容器内で行われる。MgAPSO組成物の合成に絶対に不可欠という訳ではないが、撹拌、あるいは他の適切な反応混合物のかきまぜ、および/あるいは、つくりだされるべきMgAPSO種か、あるいはトロロジー的に類似したアルミノフォスフェート、アルミノシリケート、あるいはその他の分子ふるい組成物の種結晶を含んだ反応混合物を混入すると、結晶化作用が促進される。この反応混合物は、自然発生圧力下、50℃から250℃の温度、好ましくは100℃から200℃の温度範囲で、数時間から数週間、うまく保存することができる。結晶化期間は4時間程度から20日間程度の期間がよいであろう。MgAPSO生成物は遠心分離、あるいはろ過など、いずれかの適切な方法で回収される。
【0021】
結晶化の後、MgAPSO生成物は分離し、水で洗い、空気中で乾燥することができる。合成されたままのMgAPSOは通常、その内部微孔系内部に少なくともひとつの形態の、その形成で用いられ、ここでは『有機分』とも表現されるいずれかの鋳型剤を含んでいる。最も一般的には、この有機分は、少なくともその一部は、電荷バランス・カチオンとして存在している。いくつかの場合、MgAPSOの微孔は十分な大きさを持っており、また、有機分子は十分な小ささを持っているので、後者の除去は通常の脱着手順で行うことができる。しかしながら、一般的には有機分は大きすぎてMgAPSO生成物の微孔系内部を自由に動くことができない閉塞分子種であり、熱で分解したり、あるいは200℃から700℃の温度でか焼して除去しなければならない。
【0022】
MgAPSO組成物は、それぞれ−2,−1,+1および0の電荷を有するMgO2,AlO2、PO2およびSiO2四面体単位から形成される。AlO2四面体はPO2四面体あるいは
【外4】
グネシウムの陽イオン、テンプレート剤から引き出される有機性陽イオン、あるいは外部源から導入される二価、あるいは多価陽イオンとの結合によって電気的に平衡化される。MgAPSO組成物のイオン交換は、通常、合成の結果として存在している有機分が微孔システムから除去された後でだけ、可能である。
本発明によるMgAPSOから調製される触媒性組成物がひとつ、あるいは複数の別の非ゼオライト性分子ふるいを含むのは本発明の範囲内である。好ましくは、非ゼオライト性ふるいは連続相を有する多重組成(multi-compositional)、多面複合体、通常の結晶性骨格構造として存在し、組成に明らかな不均一性を示し、特にその場合、ひとつの相はその上部に別の相が沈降される沈降基質で構成されている。こうした複合体は本資料中に引例として組み込まれている米国特許第4,861,739に述べられている。適切な非ゼオライト性分子ふるいとしては、引例として組み込まれている米国特許第4,440,871、米国特許第4,567,029および米国特許第4,793,984に示されているようなものがあるが、これらに限定はされない。非常に好ましい実施例においては、層状触媒組成物は、引例として組み込まれている米国特許第4,310,440の結晶性アルミノフォスフェートで構成されている。この実施態様のAlPO4は結晶性アルミノフォスフェートで、その基本的な骨格構造は、酸化物のモル比で以下のように表される化学組成を有している。
【0023】
【化3】
Al2O3:1.0±0.2P2O5
【0024】
基質としてはAlPO4-31が特に好ましく、外部層としてはMgAPSO-31が特に好ましい。
触媒性組成物は好ましくは、触媒粒子を形成するために本発明による分子ふるいを結合剤と組み合わせて調製される。この結合剤は25から500m2/gの表面積を有し、組成が均一で、炭化水素転化プロセスで用いられる条件に対しては比較的抵抗性の高い多孔性、吸着性保持体でなければならない。『組成における均一性』という用語は、層状になっておらず、その組成に固有の種の濃度勾配がなく、組成が完全に均一な保持体を意味している。したがって、もしその保持体が二つ以上の耐火性素材の混合物である場合、これらの素材の相対的な量はその保持体全体で一定しており、均一であり、(1) アルミナ、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化亜鉛、マグネシア、トリア、ボリア、シリカ-アルミナ、クロミア-アルミナ、アルミナ-ボリア、シリカ-ジルコニアなどの耐火性無機酸化物、(2) セラミックス、磁器、ボーキサイドなど、(3) シリカあるいはシリカ・ゲル、シリコン・カーバイド、粘土、合成されたものと天然由来のものの両方を含み、例えば、アタパルガス粘土、けいそう土、フラー土、カオリン、ケイソウ土など、酸処理したものを含む場合と含まない場合とがあるけい酸塩、(4) FAU,MEL,MFI,MOR,MTW(ゼオライト命名法に関するIUPAC委員会)など天然由来あるいは合成されたものの両方を含み、形態的には水素形態、あるいは金属陽イオンと交換された形態のいずれかの、結晶性ゼオライト性アルミノシリケート類、(5) MgAl2O4,FeAl2O4,ZnAl2O4,CaAl2O4,およびMが二価である金属としてMO-Al2O3の式を有する他の同様の化合物などのスピネル、および(6) これらのグループのひとつ、あるいは複数からの物質の組み合わせ:などの炭化水素転化触媒中で用いられてきた担体物質も本発明の範囲内とする。
【0025】
本発明で使用するのに好ましい物質は耐火性無機酸化物で、最良の結果はアルミナで構成される結合剤を用いた場合に得られる。適切なアルミナはガンマ、エータ、およびテータ-アルミナとして知られている結晶性アルミナ類である。かなり純粋なアルミナを用いた場合、良好な結果が得られる。さらに、いくつかの実施例においては、アルミナ・マトリックスはシリカ、ジルコニア、マグネシアなどの他の公知の耐火性無機酸化物を少量含んでいてもよい。どのようなマトリックスが用いられようとも、乾燥、か焼、およびスチーミングなどのひとつ、あるいは複数の措置によって用いる前に活性化してもよい。
【0026】
当業者に知られている技術を用いて、本発明による触媒性組成物を球体、錠剤型、ケーキ状、押し出し成型物、粉末、粒状、タブレットなど、有効などのような形状にでも成型することができ、また、必要などのようなサイズででも用いることができる。これらの形状はスプレイ乾燥、タブレット化、球状化、押し出し成型、およびノジュール化などのいずれかの公知の操作を用いて調製することができる。
触媒複合体の好ましい形態は押し出し成型物状の場合である。有名な押し出し成型法では、最初に、金属性成分を加える前か後のいずれかに、非ゼオライト性分子ふるいを結合剤および素練り促進剤と混合して、直接のか焼に耐えられるだけの状態の押し出し成型物の形成を可能にしてくれる正確な水分含有量を有する均一な練粉状、あるいは濃いペーストを形成する。押し出し成型性はその練粉状ペーストの水分含有量を分析することによって判定することができ、30−50重量%の水分含有量が好ましい。次にこの練粉を複数の穴のあいた型から押し出し、スパゲッティ状押し出し成型物を切断して、この技術分野でよく知られた手法で粒子を形成する。円筒状、クローバの葉状、左右対称あるいは非対称ポリロベートなど多数の異なった押し出し形状が可能である。また、押し出し成型物がいずれかの公知の手段を用いて球などのいずれかの必要な形状に加工される場合も本発明の範囲内である。
【0027】
この複合体の別の形状としては良く知られている油滴法で継続的に製造される球がある。好ましくは、この方法においては、分子ふるい、アルミナ・ゾル、およびゲル化剤を昇温状態で維持されているオイル・バス内に滴下される。この混合物の液滴は、それらが安定してヒドロゲル球を形成するまでオイル・バス内にとどまる。つぎに、それらの球を連続的にオイル・バスから引き出し、通常は、オイルおよびアンモニア性溶液内で特殊な熟成処理を施して、その物理的特性をさらに改善する。その結果作成される熟成、ゲル化された粒子を水洗いし、50−200℃の比較的低い温度で乾燥し、450−700℃の温度で、1から20時間か焼処理する。これらの処理によって、ヒドロゲルは対応するアルミナ・マトリックスに転化される。
【0028】
本触媒性組成物の好ましい構成成分は、プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、およびイリジウムのうちのひとつ、あるいは複数のものを含むプラチナ族金属である。好ましいプラチナ族金属はプラチナである。最終的な触媒複合体にはプラチナ族金属成分が酸化物、スルフィド、ハロゲン化物、酸硫化物などの化合物として、あるいは金属体そのものとして、あるいはまた触媒組成物のひとつ、あるいは複数の他の成分と結合した形で、存在している場合がある。基本的にはすべてのプラチナ族金属成分が還元された状態で存在している場合に最良の結果が得られると考えられている。プラチナ族金属成分は一般的には、元素ベースで計算して、最終的な触媒複合体の0.1−5重量%を構成している。
プラチナ金属成分は適切な方法であればどんな方法で触媒複合体に組み込んでも良い。この触媒を調製する好ましい方法においては、か焼されたゼオライト/結合剤複合体を含浸させるために、水に溶ける、分解可能化合物が用いられる。例えば、か焼された複合体をクロロプラチニックまたはクロロパラジック酸水溶液と混合することによって、か焼ヒドロゲルに加えることができる。
【0029】
触媒性組成物が、プラチナ族金属成分の影響を変えることが分かっている他の金属成分を含むこともでき、これは本発明の範囲内である。そうした金属改質剤としては、レニウム、錫、ゲルマニウム、鉛、コバルト、ニッケル、インジウム、ガリウム、亜鉛、ウラニウム、ジスプロシウム、タリウム、およびそれらの混合物などがある。こうした金属改質剤の触媒的に見て有効な量を、この分野で公知のいかなる手段を用いてでも触媒に組み込むことができる。
【0030】
本発明による触媒組成物は、ハロゲン成分を含むことができる。そのハロゲン成分はふっ素、塩素、臭素または沃素、あるいはそれらの混合物のいずれであってもよい。好ましいハロゲン成分は塩素である。ハロゲン成分は、通常、無期酸化物保持体と結合した状態で存在している。このハロゲン成分は触媒全体に均一して分散されているのが好ましく、元素ベースで計算して、最終的な触媒の0.2−15重量%を構成していてもよい。
ハロゲン成分は、他の触媒成分が組み込まれている最中か、あるいはその後に、無機酸化物保持体の調製中、あるいはその前に、いずれかの適切な方法で触媒組成物中に組み込むことができる。例えば、その担体物質はハロゲンを含むことができ、したがって、最終的に作成される触媒中のハロゲン含有量の一定部分を構成することができる。そのハロゲン成分、あるいはその一部は、例えば、プラチナ成分を含浸させる際、クロロプラチニック酸を用いて、保持体中に他の触媒成分を組み込む際にその触媒に加えても良い。また、ハロゲン成分またはその一部を、そのハロゲン、あるいは当該ハロゲンを含む化合物、溶液、懸濁液、あるいは分散液と接触させることによって、その触媒につけ加えることができる。
【0031】
この触媒複合体は100℃から320℃の温度で、2から24時間乾燥され、次いで、大気中、400℃から650℃の温度で、1−10時間、存在している金属成分が基本的に酸化物状態に転化されるまでか焼される。選択可能なハロゲン成分は空気中でハロゲンあるいはハロゲン含有化合物を取り込むことによって、調製される場合もある。
その結果作成されるか焼された複合体を基本的には水を含まない還元工程を通過させて、必要に応じて金属成分の均一で最終的に分割された分散が確実に行われるようにしても良い。好ましくは、この工程における還元剤として、基本的には純粋で乾燥したハロゲン(例えば、20vol . ppm . H 2 O 以下)が用いられる。この還元剤は、基本的にはすべてのプラチナ族金属成分を金属状態に還元するのに有効な、200℃から650℃の温度と0.5−10時間の期間を含む条件下で触媒と接触する。
結果としてできる還元された触媒複合体は、いくつかのケースでは、元素ベースで計算して0.05−0.5重量ベースの硫黄からその触媒複合体に取り込まれるように設定された予備硫化操作を受けさせた場合、利点がある場合もある。この予備硫化措置は水素と硫化水素、低分子量メルカプタン、有機スルフィドなどの適切な硫黄含有化合物の存在下で行われるのが好ましい。通常、この手順は、望み通りの硫黄の取り入れが行われるのに十分な、一般的には、10℃から593℃以上の温度を含む条件の下で、還元された触媒を硫化水素1モルあたり10モルの水素を有する水素と硫化水素との混合物などのような硫化ガスによって処理する工程を含んでいる。基本的には水を含まない条件の下でこの予備硫化操作を行うのは一般的にはよいやり方である。
【0032】
本発明によるMgAPSOふるいは転化生成物を得るための炭化水素の転化に有益である。このふるいは好ましくは少なくともひとつの無機酸化物マトリックスおよびここに述べたようなひとつ、あるいは複数の金属との組み合わせで用いるのが望ましい。炭化水素原料は、大気圧から200気圧(101.3−20260kPa)の温度、50
【外5】
ている場合には、0.1−80の水素:炭化水素モル比を含む炭化水素転化条件の下で転化される。
本発明によるMgAPSOふるいを含んでいる触媒性複合体を用いた場合に利益が生じるであろう炭化水素転化プロセスとしては、異性体化、改質、脱水素循環、脱水素化、不均化、トランスアルキル化、非アルキル化、ポリマー化、水素化分解、そして触媒性分解などである。
改質プロセスで用いられるMgAPSO触媒組成物は好ましくはプラチナ族金属、オプションとしてレニウムおよびIVA(14)金属などの、ひとつまたは複数の改質剤、そして無機酸化物結合剤などの水素化促進剤を含んでいる。炭化水素原料、好ましくはナフサは、大気圧から40気圧(101.3−4052kPa)の圧力、300℃から
【外6】
素対炭化水素モル比で触媒と接触する。ナフサおよび他のパラフィン含有原料の脱水素循環は圧力は15気圧程度を越えないものして、あとは類似の条件で、同様の触媒上で、好ましくはアルカリかアルカリ土類金属を組み込むことにより非酸性化された触媒上で行われる。改質および脱水素循環の生成物は、通常、原料に比べて芳香族の含有量が高くなっている。
【0033】
軽量炭化水素の異性体化は改質プロセスの場合の条件範囲でMgAPSO触媒を用いてうまく行うことができる。軽量炭化水素原料は大気圧から70気圧(101.3−709
【外7】
【0034】
水素化分解プロセスで用いられるMgAPSO触媒組成物は、好ましくは、VIII(8−10)族およびVIB(6)族のひとつ、あるいは複数の金属のような水素化促進剤と無機酸化物マトリックスを含んでいる。大気圧下あるいは真空留出物、サイクル原料、および残分などを含む種々の原料は、30−200気圧(3039−20260kPa
【外8】
単価水素モル比の条件下で分解されて、より軽量の生成物が作られる。
水素化分解の用いられたのと基本的には同様な触媒組成物はハイドロトリーテングおよび水素化精製においても有益である。種々のナフサ、大気圧下あるいは真空留出分、分解あるいはサイクル原料、および残分が30から150気圧(3039−
【外9】
炭化水素モル比で処理されて、硫黄、窒素、およびその他のヘテロ原子が取り除かれ、あるいは不飽和物が飽和される。操作条件は通常、ヘテロ原子除去の困難さによって変わり、含有分子の大きさおよび芳香度と、特に原料における窒素の濃度に関係している。生成物は環境基準を満たし、下流装置を腐食させたり汚染したりせず、原料との関係で下流処理装置の触媒をあまり非活性化させない。
【0035】
不均化も改質プロセスとの関連で上に述べたようなMgAPSO触媒組成物を使って行われ、必要ならば、触媒はひとつか複数のVIA(6)族金属も含んでいる。適切な原料としては単環芳香族化合物、ナフタレン、軽量オレフィン類などであり、この反応は同じ炭化水素種でも貴重な生成物をつくりだす。異性体化およびトランスアルキル化も10−70気圧(1013−7091kPa)、200℃−500℃の温度、そし
【外10】
−10のモル比で存在していることが好ましい。
【0036】
本発明によるMgAPSO分子ふるいの特に有利な使い方は、nを2から5の整数、RをCH3,C2H5,C3H7、あるいはC4H9、それらの組み合わせ、あるいはそのすべての異性体を含むものとして、アルキル芳香族のより価値の高い生成物を得るための、C6H(6-n)Rnの一般式で表される異性体化可能アルキル芳香族炭化水素の異性体化である。適切なアルキル芳香族炭化水素としては、例えば、オルトキシレン、パラキシレン、エチルベンゼン、エチルトルエン、トリメチルベンセン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、メチルプロピルベンゼン、エチルプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、およびそれらの混合物などである。
エチルベンゼンおよびキシレンを含むC8-芳香族化合物の混合物の異性体化は本発明によるMgAPSOの特に好ましい応用分野である。一般的に、こうした混合物はおおよそ5−50重量%のエチルベンゼン含有量、0−35重量%程度のオルトキシレン含有量、20−95重量%程度のメタキシレン含有量、そして0−15重量%程度のパラキシレン含有量を有している。上述のC8芳香族化合物は非平衡混合物で構成されているのが好ましく、つまり、少なくともひとつのC8-芳香族異性体が異性体化条件における平衡濃度とはかなり違った濃度で存在していることが好ましい。通常、こうした非平衡混合物は、芳香族化合物生産プロセスから得られる新鮮なC8芳香族混合物からのパラ-および/またはオルトキシレンを除去することによって調製される。
例えば、個別の成分、あるいは触媒的に分解あるいは改質される炭化水素の選択的精留あるいは蒸留によって得られるある種の沸騰範囲留分などの形で種々の石油精製ストリームからの適切な留分に見られるアルキル芳香族炭化水素も本発明において活用できる。異性体化可能芳香族炭化水素は濃縮する必要はなく、種々のストリーム中に少量存在していても構わない。本発明のプロセスは接触改質のようなアルキル芳香族含有ストリームの異性体化を可能にし、その場合、特定のキシレン異性体、特にパラキシレンをつくりだすために、後で芳香族抽出が行われる場合と、行われない場合とがある。本プロセスで使われるC8芳香族原料は、例えば、ナフテンやパラフィンなどの非芳香族炭化水素を最大30重量%までなら含んでいても差し支えない。
【0037】
本発明のプロセスによれば、好ましくは水素と混合されたアルキル芳香族炭化水素原料は、アルキル芳香族異性体化域で、上に述べたようなタイプの触媒と接触させられる。接触は固定床システム、移動床システム、流動床システムに触媒を置いて、あるいはバッチ・タイプ操作で行われる。貴重な触媒の摩滅ロスの危険性とその操作の単純性を考えれば、固定床を用いるのが好ましい。このシステムにおいては、水素を多く含んだガスおよび供給原料は適切な加熱手段を用いて望ましい反応温度まで予め加熱され、次いで、触媒の固定床を含んでいる異性体化域に送り込まれる。転化域はひとつか複数の個別反応器で構成され、複数の場合、それぞれの反応器の間に、各域の入口で望ましい異性体化温度が維持されるように適切な手段が設けられている。反応物は昇流、降流、あるいは放射流などの方式で触媒床を接触させられ、また反応物は触媒と接触する際、液相、でも液体−気体混合相でも、あるいは気相のいずれであってもよい。
【0038】
アルキル芳香族原料、好ましくはC8芳香族化合物の非平衡混合物は、上で異性体化ゾーンで述べたような触媒条件で接触され、その際その域は適切なアルキル芳香族異性体化条件に維持される。その条件は0℃から600℃以上の温度範囲を含んでおり、好ましくは300℃から500℃の温度範囲である。圧力は、通常、1程度から100気圧(101.3−10130kPa)であり、好ましくは、50気圧(5065kPa)
【外10】
料は、オプションとしては、水素対炭化水素モル比が0.5:1から25:1あるいはそれ以上の条件で、水素と混合した反応させられる。窒素、アルゴン、および軽量炭化水素などの他の不活性希釈剤の使用も可能である。異性体化域の反応器からの流出液から得られる異性体化された生成物を回収するために用いられる具体的な構成は本発明にとって基本的に重要な要素とみなされるべきではなく、この技術分野で知られているどのような有効な回収方式を用いてもさしつかえない。一般的に、反応器流出液は濃縮され、フラッシュ分離によってそこから水素および軽量炭化水素成分が除去される。
濃縮された液体生成物は次に、重量の軽い、あるいは重い副産物が除去し、異性体化された生成物を得るために分別される。いくつかの例では、オルトキシレンなどのある種の生成物が選択的分別によってこの異性体化された生成物から取り出される場合もある。C8芳香族化合物の異性体化によって得られる生成物は、通常、パラキシレン異性体を、オプションとしては結晶化によって選択的に回収するために処理される。米国特許第3,201,491による結晶性アルミノシリケートを用いた選択的吸着が望ましい。
エチルベンゼン/キシレン混合物の処理に関した分離と異性体化を組み合わせたプロセスにおいては、新鮮なC8芳香族原料は異性体化反応域からのC8芳香族化合物およびナフタレンで構成される異性体化生成物と組み合わされ、パラキシレン・ゾーンに供給され、C8芳香族化合物の非平衡混合物で構成されたパラキシレン枯渇ストリームが異性体化反応域に供給され、そこでC8芳香族異性体が平衡に近いレベルまで異性体化され、異性体化された生成物が得られる。このプロセス構成においては、回収されないC8芳香族異性体は好ましくは、パラキシレンに転化されるか、あるいは副反応によってなくなるまで、循環されて除去される。オルトキシレンの、好ましくは分留による分離も、パラキシレン分離前に、新鮮なC8芳香族原料、あるいは異性体化生成物、あるいはそれらの組み合わせの上で行うことができる。
【0039】
実施例
以下の実施例は本発明による分子ふるい中のマグネシウム濃度の重要性をブタン分解作用によって示し、ブタン分解および異性体化作用を関連づけ、そしてその触媒のC8芳香族化合物の異性体化に対する有益性を実証するためのものである。
MgAPSO-31組成物が調製され、以下の式で示されるモル構成を有する反応混合物を用いてテストされた。
【0040】
【化4】
aR:rMgO:sAl2O3:tP2O5:uSiO2:bH2O
【0041】
ここで、値a,r,s,t,uおよびbはそれぞれテンプレートR、マグネシウム(酸化物として示されている)、Al2O3,P2O5(H3PO4をP2O5として表示)、SiO2およびH2Oのモル数を示している。これらの数値はt=1とした場合、以下の通りである。
【0042】
a 1.5−2.0
r 以下に示す通り。
s 0.75−1.1
u 0.1−1.2(通常0.6)
b 40−80
しかしながら、これらの数値は上に述べたような本発明の適用性を限定するためのものではない。
【0043】
実施例I
以下のようなモル構成を有する反応混合物を通じて調製されたMgAPSO組成物に関する結果を以下に示す。
【0044】
【化5】
1.5R:rMgO:0.9Al2O3:P2O5:0.3SiO2:50H2O:
【0045】
値rは以下のような、前に述べた式における骨格マグネシウムのモル分率が得られるように変更された。
【0046】
【化6】
(MgwAlxPySiz)
【0047】
ここで、(w+x+y+z)=100であり、wは骨格マグネシウムのモル分率である。
【0048】
この反応混合物はシュードベーマイト(Versal 250)の形態のAl2O3をH3PO4および水にゆっくりと混ぜ、均一な混合物が観察されるようになるまで混合することによって調製された。水の一部に酢酸マグネシウムを溶かし、次に、LUDOX-LSを加えた。結合混合物は、その混合物が均一な状態になるまでかき混ぜられた。この混合物に有機性鋳型剤(エチルブチルアミン)およびAlPO4-31種を加えて、合物が均一になるまでかき混ぜられた。その結果得られる混合物のいくつかの部分を静止結晶化のための(ポリテトラフルオロエチレンで)被膜した圧力容器か、あるいは被膜していない撹拌ステンレス圧力容器に入れて、200℃程度まで加熱し、自然発生圧力下で結晶化をする。生成物は圧力容器から取り出され、冷却後、以下に述べるような検査が行われた。
【0049】
以下の実施例は、本発明による触媒の異性体化プロセスでの評価が行われた場合のテスト結果を示すものである。これらの触媒は52.0重量%メタキシレン、18.5重量%のオルトキシレン、0.1重量%のパラキシレン、21.3重量%のエチルベンゼン、および0.1重量%のトルエンと残りは非芳香族炭化水素で構成された非平衡C8芳香族原料を処理するパイロット・プラント・フロー反応器を用いて評価が行われた。この原料は液体時間空間速度2、そして水素/炭化水素モル比4の条件下で100ccの触媒と接触させられた。反応器の圧力と温度は(生成物パラキシレン対総キシレン・モル比で決められる)C8環ロスとキシレン平衡への接近との間に一定の関係ができあがるように、一定の範囲の転化値をカバーするように調節された。同時に、各温度で、C8ナフテンとC8芳香族化合物とのモル比が0.06程度の一定の値に維持されるように、圧力が設定された。
【0050】
実施例 II
このクラスの中ぐらいの大きさの穴を有する分子ふるいの炭化水素転化作用を示すのはベンチスケール装置を使って判定されるブタン分解作用“kA”である。この作用を測定することにより、例えば、パイロット・プラントにおける異性体化性能テストの場合より多数のサンプルについて調査を行うことができ、より一致した結果を得ることができる。反応器は長さ254mm、内径10.3mmの円筒型石英チューブである。各テストにおいて、反応器には0.5−52グラムのMgAPSO-31分子ふるいの0−40メッシュ(米国標準)粒子(0.42−0.83mm)を充填し、その量はテスト条件下でn-ブタンの転化が少なくとも5%、そして90%以上とはならないように設定された。有機物を含んでいる合成されたままのサンプルは先ず実際の反応器内で、空気中、600℃の温度で、1時間か焼処理を行って、微孔系から有機物質を取り除き、次に、流れているヘリウム流中、500℃の温度で、最低10分間処理される。次に、反応器中を50cc/分の速度で通過させられる2モル%のn-ブタンを含有するヘリウム/n-ブタン混合物で構成される原料を用いて、作用kAについての判定が行われた。そして、原料と反応器流出液とは通常のガス・クロマトグラフィー技術を用いて分析され、反応器流出液の分析は500℃の温度下でのオン-ストリーム操作の10分後に行われた。この分析データから、擬一次速度定数KAが求められた。
種々のマグネシウム濃度を持つMgAPSO-31の18通りのサンプルと、マグネシウムを含まない2つのコントロールが、実施例Iの手順に従って調製された。8つの静止反応混合物と10の撹拌サンプルを用いて、200℃の温度で結晶化が行われた。これらサンプルの作用KAは上に述べ、さらに図1に示す手順に従って判定が行われた。これらのサンプルはマグネシウムが0.005−0.025モル分率の場合に特に高い活性を示し、0.003および0.03−0.035モル分率のマグネシウムの場合には活性がやや低く、そしてこれらの範囲の限度あたりでは低い活性が示された。この範囲の中央の11の最も活性の高いサンプルの活性は骨格マグネシウムの濃度が最も高いサンプルの2倍か3倍高かった。
【0051】
実施例 III
エタン分解作用KAとエチルベンゼン転化の関係が調べられた。20気圧(2026kPa)の圧力、427℃の温度、そして、質量時間空間速度4の条件下で、17重量%のエチルベンゼンと83重量%のメタキシレンにより構成される原料を用いて、7つの非ゼオライト性分子ふるいサンプルのテストが行われた。エチルベンゼンはC8芳香族異性体としては異性体化プロセスで最も転化しずらい物質であるので、エチルベンゼン(“EB”)転化が比較の尺度として選ばれた。実施例IIの手順に従って、7つのサンプルについての作用kAの判定が行われた。結果は以下の通りで、図2にも示してある。
【0052】
【表2】
【0053】
種々の分子ふるいのテスト結果から予測できるように、データには多少のばらつきはあったものの、kAとエチルベンゼン転化の間には明らかに相関関係がある。
【0054】
実施例 IV
本発明による触媒組成物の有用性は、種々の条件でのエチルベンゼン転化でキシレンに対する選択性を測定することにより実証された。この場合、キシレン選択性トは生成物中に存在し得るキシレンと実際に存在しているキシレンとの比率と定義されている。
触媒ベースは0.013モル分のマグネシウムを含むMgAPSOを50重量%と、アルミナを50重量%含んでいた。最終的に得られた触媒は重量%ベースで以下の成分を含んでいた。
プラチナ 0.24%
塩素 0.25%
硫黄 0.07%
これらの結果とC8芳香族化合物の異性体化に有効であると実証されている従来の触媒との比較が行われた。先行技術に基づくひとつの触媒は米国特許第4,740,650により調製された、0.48重量%のプラチナを含む触媒で、SAPO-11がベースの40重量%、アルミナが40重量%、そしてシリカが20重量%の成分構成を有していた。もうひとつの先行技術に基づく触媒は、米国特許第4,957,891によって調製されたガリウムを含んでいた。
この例で用いられた原料の成分構成は重量%で以下の通りであった。
エチルベンゼン 17%
メタキシレン 58%
オルトキシレン 25%
本発明による触媒と先行技術に基づく触媒のテスト結果を図2に示す。本発明による触媒はガリウム調製ZSM-5触媒よりキシレン選択性において2%程度優れ、先行技術に基づくSAPO-11触媒よりはさらに優れた選択性を示した。
【0055】
実施例V
基本的には純粋なエチルベンゼン原料の異性体化について、本発明による触媒を用いた調査が行われた。例IVのアルミナ結合MgAPSO-31触媒が、一定の範囲のエチルベンゼン転化を達成するために必要な、427℃の温度と種々の質量空間速度の条件下で用いられた。生成物のキシレン部分のパラキシレンの比率が427℃の温度での熱力学平衡値と比較された。結果は以下の通りであった。
【0056】
【表3】
【0057】
パラキシレンの超平衡収量(super-equillibrium yield)は、本発明を限定するものではないが、エチルベンゼン転化のメカニズムがパラキシレン生産に対して選択性を持っていることを示唆している。
【0058】
実施例 VI
オルトキシレンが除去された原料を処理する際の本発明による触媒の異性体化性能が調べられた。上にも述べたように産業的に重要な中間物であるアルトキシレンは、しばしば、芳香族化合物複合体中の混合キシレン異性体から分留によって分離される。分離/異性体化プロセスを組み合わせた本実施例においては、新鮮なC8芳香族化合物が異性体化域から取り出されたC8芳香族化合物とナフテンで構成された異性体化生成物と組み合わされて、ボトム・ストリームでオルトキシレン生成物を分離する分留器に送られる。オルトキシレン分留器からの塔頂流出物がパラキシレン分離域に送られ、パラキシレン枯渇ストリームは異性体化域に送られ、オルトキシレン枯渇ストリームは異性体化反応域に送られて、そこでC8芳香族異性体が近平衡レベルに再び異性体化される。こうしたプロセス構成において、C8芳香族化合物異性体は、それらがオルト、あるいはパラキシレンに転化されるか、あるいは副反応によって失われるまで循環されて、除去される。
オルトおよびパラキシレン減少原料は、実施例IIIで述べたように、基本的には17重量%のエチルベンゼンと83重量%のメタキシレンで構成されていた。パラキシレン平衡の%および100%を越える超平衡が達成されたかどうかを調べるために、異性体化された生成物のキシレン部分のパラキシレン含有量と427℃での熱力学平衡値との比較が行われた。結果は図4に示す通りで、パラキシレン平衡の%は広いエチルベンゼン転化範囲で100%を上回っており、40%エチルベンゼン転化の場合120%に近い値であった。
【0059】
【発明の効果】
上述の通り、本発明の新規分子ふるいは、これをプラチナ族金属、無機マトリクスで構成した触媒は特に炭化水素の転化に顕著な転化率を有する工業的に極めて有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】一定の範囲の骨格マグネシウム含有量を有するMgAPSO分子ふるいの作用kAの比較を示すものである。
【図2】いくつかの異なった分子ふるいにおけるkAとエチルベンゼン転化との関係を示している。
【図3】本発明による触媒と従来技術に基づく2つの触媒をキシレン選択性とエチルベンゼン転換の関係において比較したものである。
【図4】原料からのオルトキシレン除去の本発明による触媒の性能に対する影響について示すものである。
【産業上の利用分野】
本発明は炭化水素転化のための改良分子ふるいおよびその使用法に関するものである。より具体的には、本発明はひとつの限定された組成物を有し、特に異性体化のために有益なマグネシウム含有非ゼオライト性分子ふるいに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素添加用触媒においては非常に多数の分子ふるいが有益なものとして開示されている。最も良く知られているのはコーナー共有AlO2およびSiO2四面体から形成される結晶性アルミノシリケート・ゼオライト類である。これらゼオライト類は一般的には均一な寸法の孔開口部、かなりのイオン交換能力、および、恒常的結晶構造を構成しているどの原子も置換することなく、その結晶の内部空間全体に分散された吸着相を可逆的に脱着する能力を特徴としている。ゼオライト類は、しばしば、臨海、通常最少シリカ/アルミナ比によって特徴付けられる。
【0003】
より最近、アルミニウム(AlO2)の骨格四面体単位(TO2)、リン酸(PO2)および少なくともひとつの追加要素EL(ELO2)を含む一定の有益な非ゼオライト性分子ふるいが発見された。『非ゼオライト性分子ふるい』は米国特許第4,793,984に開示されている“ELAPSO”分子ふるい、米国特許第4,440,871の“SAPO”分子ふるい、および、“Me”が米国特許第4,567,029に開示されているようにMg,Mn,CoおよびZnのひとつである結晶性金属アルミノ-リン酸エステル-MeAPO類を含んでいる。骨格(framework)As,Be,B,Cr,Fe,Ga,Gs,Li,TiあるいはVおよび二価金属アルミノ-リン酸エステルが種々の特許で開示されている。特に本発明に関連しているのは米国特許第4,758,419で、これはMgMgAPSO非ゼオライト性分子ふるいを開示している。一般的に、上述の特許は幅の広い骨格金属濃度を教示しており、例えば、米国特許第4,758,419においては、(マグネシウム+けい素)のモル分率は0.02から0.98の間であることができ、好ましい上限は0.35モル分率、そしてマグネシウム濃度は最低0.01である。
異性体化のためのゼオライト性分子ふるいおよびマグネシウムを含んでいる触媒の使用は米国特許第4,482,773および米国特許第4,861,740および米国特許第4,861,740に開示されている。異性体化を含む炭化水素転化におけるMgMgAPSO非ゼオライト性分子ふるいを含む触媒の使用は上に述べた米国特許第4,758,419に開示されている。米国特許第4,740,650は、MgMgAPSOであっても差し支えない少なくともひとつの非ゼオライト性分子ふるいを含む触媒を用いたキシレンの異性体化を教示している。しかしながら、これらの引例のいずれも本発明の特徴である非ゼオライト性分子ふるいのマグネシウム含有率の厳密な臨界については開示も示唆もしていない。
【0004】
【発明が解決しようとする手段】
C8芳香族異性体化のための触媒は通常、キシレン異性体と結びついたエチルベンゼンの処理方法によって分類される。エチルベンゼンのキシレンへの異性体化は容易ではないが、通常、精密蒸留あるいは吸着によるキシレンからの分離は非常に高くつくので、異性体化装置内で転化される。広く用いられている方式はキシレン類を近平衡混合物に異性体化しながら基本的にはベンゼンを形成するためにエチルベンゼンを脱アルキル化する方式である。もうひとつの方式はキシレン混合物を形成するために水素化−脱水素化作用を有する酸触媒の存在下エチルベンゼンを反応させる方法である。前の方式は通常高いエチルベンゼン転化をもたらし、パラ-キシレン回収装置への循環量とそれに伴う処理コストを低減させるが、後者の方法はエチルベンゼンからキシレンを形成することによってキシレン収量を増大させる。後者の方法による転化を促す、つまり、高い転嫁率でエチルベンゼンのキシレンへの異性体化を達成するための触媒組成物およびプロセスはかなり高い実用性をもたらすであろうし、そうした触媒組成物およびプロセスが本発明によって提供される。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の主要な目的は炭化水素の転化に有益な新しい分子ふるいを提供することである。より具体的には、本発明は収量を増大させ、さらに/または処理コストを低減させるキシレンおよびエチルベンゼンの混合物の異性体化のための新しい分子ふるいおよびプロセスで構成される触媒性組成物である。
本発明は臨界範囲内で調整された骨格マグネシウム含有量を有するMgAPSO分子ふるいが炭化水素転化作用において『火山』効果を示すという発見に基づいている。
【0006】
したがって、本発明の広義の実施態様はマグネシウムの骨格濃度が臨界範囲内であるMgAPSO分子ふるいに向けられたものである。ここで、マグネシウムの骨格濃度とは、マグネシウムを含む四面体単位で、分子ふるいの微孔結晶性骨格構造からのものである四面体単位のモル分率を意味している。好ましくは、そのふるいはプラチナ族金属で構成される触媒性組成物に組み込まれ、最適の触媒性組成物は無機性酸化物マトリックスも含んでいる。別の実施態様において、触媒性組成物はAlPO4分子ふるいも含んでいる。
別の実施態様はマグネシウムの含有量が臨界範囲であるMgAPSO分子ふるいを含んでいる触媒性組成物を用いた炭化水素転化のためのプロセスに向けられたものである。好ましくは、このプロセスは異性体化のステップで構成されており、さらに好ましくは、パラ-キシレン含有量が増大した生成物を得るために、異性体化条件下で、キシレン類およびエチルベンゼンの非平衡混合物で構成された原料流の異性体化のステップで構成されている。
【0007】
本発明によるMgAPSO分子ふるいは明細書中に引例として組み込まれている米国特許第4,758,419の開示を参照することによって理解することができる。MgAPSO
【外2】
しており、その実験式は無水ベースで以下の式で表される。
【0008】
【化1】
mR:(MgwAlxPySiz)O2
【0009】
ここで、“R”は結晶内微孔系内にある少なくともひとつの有機性鋳型(template)剤を示しており、“m”は(MgwAlxPySiz)O2の1モルあたりに存在する“R”の量を示しており、ゼロから0.3程度の値を有しており、“w”,“x”,“y”および“z”はそれぞれ四面体酸化物として存在している成分マグネシウム、アルミニウム、りん、およびけい素のモル分率を示している。分子ふるいの各骨格構成成分のモル分率は米国特許第4,758,419の状態図に示されている組成値として定義されている。モル分率“w”,“x”,“y”および“z”は一般的には以下のような限界組成値あるいは点以内として、以下のように定義されている。
【0010】
【0011】
MgAPSOふるいのマグネシウム含有量が狭い限度範囲内でコントロールされている点が本発明の基本的な側面である。具体的には、本発明の分子ふるいにおける骨格マグネシウムのモル分率“w”は0.003から0.035の範囲である。最良の結果は骨格マグネシウムのモル分率が0.005と0.025の範囲の場合に得られる。
『火山』効果はふるいのマグネシウム成分が本発明にしたがって上の限度範囲内にコントロールされているブタン分解作用“kA”で観察されている。火山効果とはマグネシウム含有量が高い、あるいは低いふるいと比較しての、本発明のふるいにおけるkAの異常な、そして驚く程の増大を意味している。ブタン分解作用は異性体化、改質、脱水素環化、脱水素化、不均化、トランスアルキル化、脱アルキル化、アルキル化、ポリマー化、および触媒性分解などの領域における水素転化作用のわかりやすい表現である。
ブタン分解KAは事例IIでより具体的に述べるように円筒型石英チューブ内に充填した20−40メッシュMgAPSO分子ふるいの0.5−5グラムのサンプルをテストすることによって決められる。ふるいの量はブタンがヘリウム担体内に2モル%の濃度で存在している場合に5%から90%へのブタン転化を起こさせるように決められる。原料および反応容器流出液は通常のガス・クロマトグラフィーによって分析され、そして分析データから擬一次速度定数KA(pseudo-first-order rate constant)が求められる。
【0012】
このクラスのMgAPSOのメンバーを表すためにここで用いられている用語法は上に述べた特許において用いられている用語法と同じである。ひとつのクラスの特定のメンバーは一般的には“-n”種として表され、ここで“n”は整数で、例えば、MgAPSO-11,MgAPSO-31およびMgAPSO-41などのように表される。本発明による好ましい種は少なくとも以下のようなd-間隔を含んでいる特徴的なX線粉末回析パターンを有するMgAPSO-31である。
【0013】
【表1】
【0014】
MgAPSOふるいは通常、マグネシウム、けい素、アルミニウム、およびリンの反応源と有機鋳型剤を含む水溶性反応混合物から圧力および温度の有効条件下で、有効な時間だけ水熱結晶化作用を行うことによって合成される。反応混合組成物は好ましくはモル比で以下のように表される:
【0015】
【化2】
aR:(MgrAlsPtSiu)bH2O
【0016】
ここで、(r+s+t+u)=1.00モルとなっているので、分子ふるいの上記骨格構成成分“w”,“x”,“y”および“z”が上に述べたような組成値を有しており、有機テンプレート剤の量“a”は好ましくは0から6程度の正の値を有しており、そして水の量“b”は0から500の範囲で、好ましくは2から300の範囲である。
有機性鋳型剤が用いられる場合、米国特許第4,758,419に開示されているものの中から選択することができる。一般的に、この物質は周期律表のVA(IUPAC15)グループから選択されるひとつあるいはふたつの元素[CottonおよびWilkinson,Advanced Inorganic Chemistry,Jon Wilye & Sons(第五版、1988)参照]、好ましくは窒素またはリン、そして窒素、そして少なくとも1−8の炭素原子を含むひとつのアルキルまたはアリル基を含んでいる。好ましい化合物としてはアミン類および四価リンおよび四価アンモニウム化合物を含んでいる。モノ、ジ、およびトリ-アミン類は単独ででも、あるいは四価アンモニウム化合物との組み合わせででも活用することができる。特に好ましいアミン類としてはジイソプロピルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリエチルアミン、そして、エチルブチルアミンなどがある。
【0017】
けい素の反応源はシリカ、形態としてシリカ・ゾル、あるいは霧化シリカ、反応性固体アモルファス沈降シリカ、シリカ・ゲル、シリコンのアルコキシド、けい酸、およびそれらの混合物のいずれであってもよい。
すぐに反応を起こさせるための、まだ見い出されていないリンの最適の反応源はリン酸であるが、トリエチル・フォスフェートのような有機リン酸エステルの場合満足の行く結果が得られることが確認されており、米国特許第4,310,440のAlPO4組成物などの結晶性、あるいはアモルファス・アルミノフォスフェート類についても同様のことが認められている。鋳型剤として選択される有機リン化合物は、見かけ上はリンの反応源として機能しないが、これらの化合物は実際の反応中に適切なプロセス条件の下でリンの反応源に変わる場合がある。
【0018】
好ましいアルミニウム源はアルミニウム・イソプロキサイドなどのアルミニウム・アルコキシドか、あるいはシュードベーマイトのいずれかである。リンの適切な反応源である結晶性、あるいはアモルファス・アルミノフォスフェートはもちろん、適切なアルミニウム源でもある。ジブサイト、アルミン酸ナトリウム、およびアルミニウム・トリクロライドなど、ゼオライト合成に用いられる他のアルミニウム源も用いることができるが、好ましいものではない。
【0019】
マグネシウムの反応源は実際のプロセスでマグネシウムの反応形態、例えば、
【外3】
ような反応系に入れてもよい。採用できるマグネシウムの化合物は酸化物、水酸化物、アルコキシド、硝酸塩、ハロゲン化物、カルボキシル酸塩(例えば酢酸塩など)、有機金属、およびそれらの混合物などである。
【0020】
結晶化は一般的には密封された圧力容器、好ましくはポリテトラフルオロエチレンなどの不活性プラスチック性物質で覆った圧力容器内で行われる。MgAPSO組成物の合成に絶対に不可欠という訳ではないが、撹拌、あるいは他の適切な反応混合物のかきまぜ、および/あるいは、つくりだされるべきMgAPSO種か、あるいはトロロジー的に類似したアルミノフォスフェート、アルミノシリケート、あるいはその他の分子ふるい組成物の種結晶を含んだ反応混合物を混入すると、結晶化作用が促進される。この反応混合物は、自然発生圧力下、50℃から250℃の温度、好ましくは100℃から200℃の温度範囲で、数時間から数週間、うまく保存することができる。結晶化期間は4時間程度から20日間程度の期間がよいであろう。MgAPSO生成物は遠心分離、あるいはろ過など、いずれかの適切な方法で回収される。
【0021】
結晶化の後、MgAPSO生成物は分離し、水で洗い、空気中で乾燥することができる。合成されたままのMgAPSOは通常、その内部微孔系内部に少なくともひとつの形態の、その形成で用いられ、ここでは『有機分』とも表現されるいずれかの鋳型剤を含んでいる。最も一般的には、この有機分は、少なくともその一部は、電荷バランス・カチオンとして存在している。いくつかの場合、MgAPSOの微孔は十分な大きさを持っており、また、有機分子は十分な小ささを持っているので、後者の除去は通常の脱着手順で行うことができる。しかしながら、一般的には有機分は大きすぎてMgAPSO生成物の微孔系内部を自由に動くことができない閉塞分子種であり、熱で分解したり、あるいは200℃から700℃の温度でか焼して除去しなければならない。
【0022】
MgAPSO組成物は、それぞれ−2,−1,+1および0の電荷を有するMgO2,AlO2、PO2およびSiO2四面体単位から形成される。AlO2四面体はPO2四面体あるいは
【外4】
グネシウムの陽イオン、テンプレート剤から引き出される有機性陽イオン、あるいは外部源から導入される二価、あるいは多価陽イオンとの結合によって電気的に平衡化される。MgAPSO組成物のイオン交換は、通常、合成の結果として存在している有機分が微孔システムから除去された後でだけ、可能である。
本発明によるMgAPSOから調製される触媒性組成物がひとつ、あるいは複数の別の非ゼオライト性分子ふるいを含むのは本発明の範囲内である。好ましくは、非ゼオライト性ふるいは連続相を有する多重組成(multi-compositional)、多面複合体、通常の結晶性骨格構造として存在し、組成に明らかな不均一性を示し、特にその場合、ひとつの相はその上部に別の相が沈降される沈降基質で構成されている。こうした複合体は本資料中に引例として組み込まれている米国特許第4,861,739に述べられている。適切な非ゼオライト性分子ふるいとしては、引例として組み込まれている米国特許第4,440,871、米国特許第4,567,029および米国特許第4,793,984に示されているようなものがあるが、これらに限定はされない。非常に好ましい実施例においては、層状触媒組成物は、引例として組み込まれている米国特許第4,310,440の結晶性アルミノフォスフェートで構成されている。この実施態様のAlPO4は結晶性アルミノフォスフェートで、その基本的な骨格構造は、酸化物のモル比で以下のように表される化学組成を有している。
【0023】
【化3】
Al2O3:1.0±0.2P2O5
【0024】
基質としてはAlPO4-31が特に好ましく、外部層としてはMgAPSO-31が特に好ましい。
触媒性組成物は好ましくは、触媒粒子を形成するために本発明による分子ふるいを結合剤と組み合わせて調製される。この結合剤は25から500m2/gの表面積を有し、組成が均一で、炭化水素転化プロセスで用いられる条件に対しては比較的抵抗性の高い多孔性、吸着性保持体でなければならない。『組成における均一性』という用語は、層状になっておらず、その組成に固有の種の濃度勾配がなく、組成が完全に均一な保持体を意味している。したがって、もしその保持体が二つ以上の耐火性素材の混合物である場合、これらの素材の相対的な量はその保持体全体で一定しており、均一であり、(1) アルミナ、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化亜鉛、マグネシア、トリア、ボリア、シリカ-アルミナ、クロミア-アルミナ、アルミナ-ボリア、シリカ-ジルコニアなどの耐火性無機酸化物、(2) セラミックス、磁器、ボーキサイドなど、(3) シリカあるいはシリカ・ゲル、シリコン・カーバイド、粘土、合成されたものと天然由来のものの両方を含み、例えば、アタパルガス粘土、けいそう土、フラー土、カオリン、ケイソウ土など、酸処理したものを含む場合と含まない場合とがあるけい酸塩、(4) FAU,MEL,MFI,MOR,MTW(ゼオライト命名法に関するIUPAC委員会)など天然由来あるいは合成されたものの両方を含み、形態的には水素形態、あるいは金属陽イオンと交換された形態のいずれかの、結晶性ゼオライト性アルミノシリケート類、(5) MgAl2O4,FeAl2O4,ZnAl2O4,CaAl2O4,およびMが二価である金属としてMO-Al2O3の式を有する他の同様の化合物などのスピネル、および(6) これらのグループのひとつ、あるいは複数からの物質の組み合わせ:などの炭化水素転化触媒中で用いられてきた担体物質も本発明の範囲内とする。
【0025】
本発明で使用するのに好ましい物質は耐火性無機酸化物で、最良の結果はアルミナで構成される結合剤を用いた場合に得られる。適切なアルミナはガンマ、エータ、およびテータ-アルミナとして知られている結晶性アルミナ類である。かなり純粋なアルミナを用いた場合、良好な結果が得られる。さらに、いくつかの実施例においては、アルミナ・マトリックスはシリカ、ジルコニア、マグネシアなどの他の公知の耐火性無機酸化物を少量含んでいてもよい。どのようなマトリックスが用いられようとも、乾燥、か焼、およびスチーミングなどのひとつ、あるいは複数の措置によって用いる前に活性化してもよい。
【0026】
当業者に知られている技術を用いて、本発明による触媒性組成物を球体、錠剤型、ケーキ状、押し出し成型物、粉末、粒状、タブレットなど、有効などのような形状にでも成型することができ、また、必要などのようなサイズででも用いることができる。これらの形状はスプレイ乾燥、タブレット化、球状化、押し出し成型、およびノジュール化などのいずれかの公知の操作を用いて調製することができる。
触媒複合体の好ましい形態は押し出し成型物状の場合である。有名な押し出し成型法では、最初に、金属性成分を加える前か後のいずれかに、非ゼオライト性分子ふるいを結合剤および素練り促進剤と混合して、直接のか焼に耐えられるだけの状態の押し出し成型物の形成を可能にしてくれる正確な水分含有量を有する均一な練粉状、あるいは濃いペーストを形成する。押し出し成型性はその練粉状ペーストの水分含有量を分析することによって判定することができ、30−50重量%の水分含有量が好ましい。次にこの練粉を複数の穴のあいた型から押し出し、スパゲッティ状押し出し成型物を切断して、この技術分野でよく知られた手法で粒子を形成する。円筒状、クローバの葉状、左右対称あるいは非対称ポリロベートなど多数の異なった押し出し形状が可能である。また、押し出し成型物がいずれかの公知の手段を用いて球などのいずれかの必要な形状に加工される場合も本発明の範囲内である。
【0027】
この複合体の別の形状としては良く知られている油滴法で継続的に製造される球がある。好ましくは、この方法においては、分子ふるい、アルミナ・ゾル、およびゲル化剤を昇温状態で維持されているオイル・バス内に滴下される。この混合物の液滴は、それらが安定してヒドロゲル球を形成するまでオイル・バス内にとどまる。つぎに、それらの球を連続的にオイル・バスから引き出し、通常は、オイルおよびアンモニア性溶液内で特殊な熟成処理を施して、その物理的特性をさらに改善する。その結果作成される熟成、ゲル化された粒子を水洗いし、50−200℃の比較的低い温度で乾燥し、450−700℃の温度で、1から20時間か焼処理する。これらの処理によって、ヒドロゲルは対応するアルミナ・マトリックスに転化される。
【0028】
本触媒性組成物の好ましい構成成分は、プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、およびイリジウムのうちのひとつ、あるいは複数のものを含むプラチナ族金属である。好ましいプラチナ族金属はプラチナである。最終的な触媒複合体にはプラチナ族金属成分が酸化物、スルフィド、ハロゲン化物、酸硫化物などの化合物として、あるいは金属体そのものとして、あるいはまた触媒組成物のひとつ、あるいは複数の他の成分と結合した形で、存在している場合がある。基本的にはすべてのプラチナ族金属成分が還元された状態で存在している場合に最良の結果が得られると考えられている。プラチナ族金属成分は一般的には、元素ベースで計算して、最終的な触媒複合体の0.1−5重量%を構成している。
プラチナ金属成分は適切な方法であればどんな方法で触媒複合体に組み込んでも良い。この触媒を調製する好ましい方法においては、か焼されたゼオライト/結合剤複合体を含浸させるために、水に溶ける、分解可能化合物が用いられる。例えば、か焼された複合体をクロロプラチニックまたはクロロパラジック酸水溶液と混合することによって、か焼ヒドロゲルに加えることができる。
【0029】
触媒性組成物が、プラチナ族金属成分の影響を変えることが分かっている他の金属成分を含むこともでき、これは本発明の範囲内である。そうした金属改質剤としては、レニウム、錫、ゲルマニウム、鉛、コバルト、ニッケル、インジウム、ガリウム、亜鉛、ウラニウム、ジスプロシウム、タリウム、およびそれらの混合物などがある。こうした金属改質剤の触媒的に見て有効な量を、この分野で公知のいかなる手段を用いてでも触媒に組み込むことができる。
【0030】
本発明による触媒組成物は、ハロゲン成分を含むことができる。そのハロゲン成分はふっ素、塩素、臭素または沃素、あるいはそれらの混合物のいずれであってもよい。好ましいハロゲン成分は塩素である。ハロゲン成分は、通常、無期酸化物保持体と結合した状態で存在している。このハロゲン成分は触媒全体に均一して分散されているのが好ましく、元素ベースで計算して、最終的な触媒の0.2−15重量%を構成していてもよい。
ハロゲン成分は、他の触媒成分が組み込まれている最中か、あるいはその後に、無機酸化物保持体の調製中、あるいはその前に、いずれかの適切な方法で触媒組成物中に組み込むことができる。例えば、その担体物質はハロゲンを含むことができ、したがって、最終的に作成される触媒中のハロゲン含有量の一定部分を構成することができる。そのハロゲン成分、あるいはその一部は、例えば、プラチナ成分を含浸させる際、クロロプラチニック酸を用いて、保持体中に他の触媒成分を組み込む際にその触媒に加えても良い。また、ハロゲン成分またはその一部を、そのハロゲン、あるいは当該ハロゲンを含む化合物、溶液、懸濁液、あるいは分散液と接触させることによって、その触媒につけ加えることができる。
【0031】
この触媒複合体は100℃から320℃の温度で、2から24時間乾燥され、次いで、大気中、400℃から650℃の温度で、1−10時間、存在している金属成分が基本的に酸化物状態に転化されるまでか焼される。選択可能なハロゲン成分は空気中でハロゲンあるいはハロゲン含有化合物を取り込むことによって、調製される場合もある。
その結果作成されるか焼された複合体を基本的には水を含まない還元工程を通過させて、必要に応じて金属成分の均一で最終的に分割された分散が確実に行われるようにしても良い。好ましくは、この工程における還元剤として、基本的には純粋で乾燥したハロゲン(例えば、20vol . ppm . H 2 O 以下)が用いられる。この還元剤は、基本的にはすべてのプラチナ族金属成分を金属状態に還元するのに有効な、200℃から650℃の温度と0.5−10時間の期間を含む条件下で触媒と接触する。
結果としてできる還元された触媒複合体は、いくつかのケースでは、元素ベースで計算して0.05−0.5重量ベースの硫黄からその触媒複合体に取り込まれるように設定された予備硫化操作を受けさせた場合、利点がある場合もある。この予備硫化措置は水素と硫化水素、低分子量メルカプタン、有機スルフィドなどの適切な硫黄含有化合物の存在下で行われるのが好ましい。通常、この手順は、望み通りの硫黄の取り入れが行われるのに十分な、一般的には、10℃から593℃以上の温度を含む条件の下で、還元された触媒を硫化水素1モルあたり10モルの水素を有する水素と硫化水素との混合物などのような硫化ガスによって処理する工程を含んでいる。基本的には水を含まない条件の下でこの予備硫化操作を行うのは一般的にはよいやり方である。
【0032】
本発明によるMgAPSOふるいは転化生成物を得るための炭化水素の転化に有益である。このふるいは好ましくは少なくともひとつの無機酸化物マトリックスおよびここに述べたようなひとつ、あるいは複数の金属との組み合わせで用いるのが望ましい。炭化水素原料は、大気圧から200気圧(101.3−20260kPa)の温度、50
【外5】
ている場合には、0.1−80の水素:炭化水素モル比を含む炭化水素転化条件の下で転化される。
本発明によるMgAPSOふるいを含んでいる触媒性複合体を用いた場合に利益が生じるであろう炭化水素転化プロセスとしては、異性体化、改質、脱水素循環、脱水素化、不均化、トランスアルキル化、非アルキル化、ポリマー化、水素化分解、そして触媒性分解などである。
改質プロセスで用いられるMgAPSO触媒組成物は好ましくはプラチナ族金属、オプションとしてレニウムおよびIVA(14)金属などの、ひとつまたは複数の改質剤、そして無機酸化物結合剤などの水素化促進剤を含んでいる。炭化水素原料、好ましくはナフサは、大気圧から40気圧(101.3−4052kPa)の圧力、300℃から
【外6】
素対炭化水素モル比で触媒と接触する。ナフサおよび他のパラフィン含有原料の脱水素循環は圧力は15気圧程度を越えないものして、あとは類似の条件で、同様の触媒上で、好ましくはアルカリかアルカリ土類金属を組み込むことにより非酸性化された触媒上で行われる。改質および脱水素循環の生成物は、通常、原料に比べて芳香族の含有量が高くなっている。
【0033】
軽量炭化水素の異性体化は改質プロセスの場合の条件範囲でMgAPSO触媒を用いてうまく行うことができる。軽量炭化水素原料は大気圧から70気圧(101.3−709
【外7】
【0034】
水素化分解プロセスで用いられるMgAPSO触媒組成物は、好ましくは、VIII(8−10)族およびVIB(6)族のひとつ、あるいは複数の金属のような水素化促進剤と無機酸化物マトリックスを含んでいる。大気圧下あるいは真空留出物、サイクル原料、および残分などを含む種々の原料は、30−200気圧(3039−20260kPa
【外8】
単価水素モル比の条件下で分解されて、より軽量の生成物が作られる。
水素化分解の用いられたのと基本的には同様な触媒組成物はハイドロトリーテングおよび水素化精製においても有益である。種々のナフサ、大気圧下あるいは真空留出分、分解あるいはサイクル原料、および残分が30から150気圧(3039−
【外9】
炭化水素モル比で処理されて、硫黄、窒素、およびその他のヘテロ原子が取り除かれ、あるいは不飽和物が飽和される。操作条件は通常、ヘテロ原子除去の困難さによって変わり、含有分子の大きさおよび芳香度と、特に原料における窒素の濃度に関係している。生成物は環境基準を満たし、下流装置を腐食させたり汚染したりせず、原料との関係で下流処理装置の触媒をあまり非活性化させない。
【0035】
不均化も改質プロセスとの関連で上に述べたようなMgAPSO触媒組成物を使って行われ、必要ならば、触媒はひとつか複数のVIA(6)族金属も含んでいる。適切な原料としては単環芳香族化合物、ナフタレン、軽量オレフィン類などであり、この反応は同じ炭化水素種でも貴重な生成物をつくりだす。異性体化およびトランスアルキル化も10−70気圧(1013−7091kPa)、200℃−500℃の温度、そし
【外10】
−10のモル比で存在していることが好ましい。
【0036】
本発明によるMgAPSO分子ふるいの特に有利な使い方は、nを2から5の整数、RをCH3,C2H5,C3H7、あるいはC4H9、それらの組み合わせ、あるいはそのすべての異性体を含むものとして、アルキル芳香族のより価値の高い生成物を得るための、C6H(6-n)Rnの一般式で表される異性体化可能アルキル芳香族炭化水素の異性体化である。適切なアルキル芳香族炭化水素としては、例えば、オルトキシレン、パラキシレン、エチルベンゼン、エチルトルエン、トリメチルベンセン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、メチルプロピルベンゼン、エチルプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、およびそれらの混合物などである。
エチルベンゼンおよびキシレンを含むC8-芳香族化合物の混合物の異性体化は本発明によるMgAPSOの特に好ましい応用分野である。一般的に、こうした混合物はおおよそ5−50重量%のエチルベンゼン含有量、0−35重量%程度のオルトキシレン含有量、20−95重量%程度のメタキシレン含有量、そして0−15重量%程度のパラキシレン含有量を有している。上述のC8芳香族化合物は非平衡混合物で構成されているのが好ましく、つまり、少なくともひとつのC8-芳香族異性体が異性体化条件における平衡濃度とはかなり違った濃度で存在していることが好ましい。通常、こうした非平衡混合物は、芳香族化合物生産プロセスから得られる新鮮なC8芳香族混合物からのパラ-および/またはオルトキシレンを除去することによって調製される。
例えば、個別の成分、あるいは触媒的に分解あるいは改質される炭化水素の選択的精留あるいは蒸留によって得られるある種の沸騰範囲留分などの形で種々の石油精製ストリームからの適切な留分に見られるアルキル芳香族炭化水素も本発明において活用できる。異性体化可能芳香族炭化水素は濃縮する必要はなく、種々のストリーム中に少量存在していても構わない。本発明のプロセスは接触改質のようなアルキル芳香族含有ストリームの異性体化を可能にし、その場合、特定のキシレン異性体、特にパラキシレンをつくりだすために、後で芳香族抽出が行われる場合と、行われない場合とがある。本プロセスで使われるC8芳香族原料は、例えば、ナフテンやパラフィンなどの非芳香族炭化水素を最大30重量%までなら含んでいても差し支えない。
【0037】
本発明のプロセスによれば、好ましくは水素と混合されたアルキル芳香族炭化水素原料は、アルキル芳香族異性体化域で、上に述べたようなタイプの触媒と接触させられる。接触は固定床システム、移動床システム、流動床システムに触媒を置いて、あるいはバッチ・タイプ操作で行われる。貴重な触媒の摩滅ロスの危険性とその操作の単純性を考えれば、固定床を用いるのが好ましい。このシステムにおいては、水素を多く含んだガスおよび供給原料は適切な加熱手段を用いて望ましい反応温度まで予め加熱され、次いで、触媒の固定床を含んでいる異性体化域に送り込まれる。転化域はひとつか複数の個別反応器で構成され、複数の場合、それぞれの反応器の間に、各域の入口で望ましい異性体化温度が維持されるように適切な手段が設けられている。反応物は昇流、降流、あるいは放射流などの方式で触媒床を接触させられ、また反応物は触媒と接触する際、液相、でも液体−気体混合相でも、あるいは気相のいずれであってもよい。
【0038】
アルキル芳香族原料、好ましくはC8芳香族化合物の非平衡混合物は、上で異性体化ゾーンで述べたような触媒条件で接触され、その際その域は適切なアルキル芳香族異性体化条件に維持される。その条件は0℃から600℃以上の温度範囲を含んでおり、好ましくは300℃から500℃の温度範囲である。圧力は、通常、1程度から100気圧(101.3−10130kPa)であり、好ましくは、50気圧(5065kPa)
【外10】
料は、オプションとしては、水素対炭化水素モル比が0.5:1から25:1あるいはそれ以上の条件で、水素と混合した反応させられる。窒素、アルゴン、および軽量炭化水素などの他の不活性希釈剤の使用も可能である。異性体化域の反応器からの流出液から得られる異性体化された生成物を回収するために用いられる具体的な構成は本発明にとって基本的に重要な要素とみなされるべきではなく、この技術分野で知られているどのような有効な回収方式を用いてもさしつかえない。一般的に、反応器流出液は濃縮され、フラッシュ分離によってそこから水素および軽量炭化水素成分が除去される。
濃縮された液体生成物は次に、重量の軽い、あるいは重い副産物が除去し、異性体化された生成物を得るために分別される。いくつかの例では、オルトキシレンなどのある種の生成物が選択的分別によってこの異性体化された生成物から取り出される場合もある。C8芳香族化合物の異性体化によって得られる生成物は、通常、パラキシレン異性体を、オプションとしては結晶化によって選択的に回収するために処理される。米国特許第3,201,491による結晶性アルミノシリケートを用いた選択的吸着が望ましい。
エチルベンゼン/キシレン混合物の処理に関した分離と異性体化を組み合わせたプロセスにおいては、新鮮なC8芳香族原料は異性体化反応域からのC8芳香族化合物およびナフタレンで構成される異性体化生成物と組み合わされ、パラキシレン・ゾーンに供給され、C8芳香族化合物の非平衡混合物で構成されたパラキシレン枯渇ストリームが異性体化反応域に供給され、そこでC8芳香族異性体が平衡に近いレベルまで異性体化され、異性体化された生成物が得られる。このプロセス構成においては、回収されないC8芳香族異性体は好ましくは、パラキシレンに転化されるか、あるいは副反応によってなくなるまで、循環されて除去される。オルトキシレンの、好ましくは分留による分離も、パラキシレン分離前に、新鮮なC8芳香族原料、あるいは異性体化生成物、あるいはそれらの組み合わせの上で行うことができる。
【0039】
実施例
以下の実施例は本発明による分子ふるい中のマグネシウム濃度の重要性をブタン分解作用によって示し、ブタン分解および異性体化作用を関連づけ、そしてその触媒のC8芳香族化合物の異性体化に対する有益性を実証するためのものである。
MgAPSO-31組成物が調製され、以下の式で示されるモル構成を有する反応混合物を用いてテストされた。
【0040】
【化4】
aR:rMgO:sAl2O3:tP2O5:uSiO2:bH2O
【0041】
ここで、値a,r,s,t,uおよびbはそれぞれテンプレートR、マグネシウム(酸化物として示されている)、Al2O3,P2O5(H3PO4をP2O5として表示)、SiO2およびH2Oのモル数を示している。これらの数値はt=1とした場合、以下の通りである。
【0042】
a 1.5−2.0
r 以下に示す通り。
s 0.75−1.1
u 0.1−1.2(通常0.6)
b 40−80
しかしながら、これらの数値は上に述べたような本発明の適用性を限定するためのものではない。
【0043】
実施例I
以下のようなモル構成を有する反応混合物を通じて調製されたMgAPSO組成物に関する結果を以下に示す。
【0044】
【化5】
1.5R:rMgO:0.9Al2O3:P2O5:0.3SiO2:50H2O:
【0045】
値rは以下のような、前に述べた式における骨格マグネシウムのモル分率が得られるように変更された。
【0046】
【化6】
(MgwAlxPySiz)
【0047】
ここで、(w+x+y+z)=100であり、wは骨格マグネシウムのモル分率である。
【0048】
この反応混合物はシュードベーマイト(Versal 250)の形態のAl2O3をH3PO4および水にゆっくりと混ぜ、均一な混合物が観察されるようになるまで混合することによって調製された。水の一部に酢酸マグネシウムを溶かし、次に、LUDOX-LSを加えた。結合混合物は、その混合物が均一な状態になるまでかき混ぜられた。この混合物に有機性鋳型剤(エチルブチルアミン)およびAlPO4-31種を加えて、合物が均一になるまでかき混ぜられた。その結果得られる混合物のいくつかの部分を静止結晶化のための(ポリテトラフルオロエチレンで)被膜した圧力容器か、あるいは被膜していない撹拌ステンレス圧力容器に入れて、200℃程度まで加熱し、自然発生圧力下で結晶化をする。生成物は圧力容器から取り出され、冷却後、以下に述べるような検査が行われた。
【0049】
以下の実施例は、本発明による触媒の異性体化プロセスでの評価が行われた場合のテスト結果を示すものである。これらの触媒は52.0重量%メタキシレン、18.5重量%のオルトキシレン、0.1重量%のパラキシレン、21.3重量%のエチルベンゼン、および0.1重量%のトルエンと残りは非芳香族炭化水素で構成された非平衡C8芳香族原料を処理するパイロット・プラント・フロー反応器を用いて評価が行われた。この原料は液体時間空間速度2、そして水素/炭化水素モル比4の条件下で100ccの触媒と接触させられた。反応器の圧力と温度は(生成物パラキシレン対総キシレン・モル比で決められる)C8環ロスとキシレン平衡への接近との間に一定の関係ができあがるように、一定の範囲の転化値をカバーするように調節された。同時に、各温度で、C8ナフテンとC8芳香族化合物とのモル比が0.06程度の一定の値に維持されるように、圧力が設定された。
【0050】
実施例 II
このクラスの中ぐらいの大きさの穴を有する分子ふるいの炭化水素転化作用を示すのはベンチスケール装置を使って判定されるブタン分解作用“kA”である。この作用を測定することにより、例えば、パイロット・プラントにおける異性体化性能テストの場合より多数のサンプルについて調査を行うことができ、より一致した結果を得ることができる。反応器は長さ254mm、内径10.3mmの円筒型石英チューブである。各テストにおいて、反応器には0.5−52グラムのMgAPSO-31分子ふるいの0−40メッシュ(米国標準)粒子(0.42−0.83mm)を充填し、その量はテスト条件下でn-ブタンの転化が少なくとも5%、そして90%以上とはならないように設定された。有機物を含んでいる合成されたままのサンプルは先ず実際の反応器内で、空気中、600℃の温度で、1時間か焼処理を行って、微孔系から有機物質を取り除き、次に、流れているヘリウム流中、500℃の温度で、最低10分間処理される。次に、反応器中を50cc/分の速度で通過させられる2モル%のn-ブタンを含有するヘリウム/n-ブタン混合物で構成される原料を用いて、作用kAについての判定が行われた。そして、原料と反応器流出液とは通常のガス・クロマトグラフィー技術を用いて分析され、反応器流出液の分析は500℃の温度下でのオン-ストリーム操作の10分後に行われた。この分析データから、擬一次速度定数KAが求められた。
種々のマグネシウム濃度を持つMgAPSO-31の18通りのサンプルと、マグネシウムを含まない2つのコントロールが、実施例Iの手順に従って調製された。8つの静止反応混合物と10の撹拌サンプルを用いて、200℃の温度で結晶化が行われた。これらサンプルの作用KAは上に述べ、さらに図1に示す手順に従って判定が行われた。これらのサンプルはマグネシウムが0.005−0.025モル分率の場合に特に高い活性を示し、0.003および0.03−0.035モル分率のマグネシウムの場合には活性がやや低く、そしてこれらの範囲の限度あたりでは低い活性が示された。この範囲の中央の11の最も活性の高いサンプルの活性は骨格マグネシウムの濃度が最も高いサンプルの2倍か3倍高かった。
【0051】
実施例 III
エタン分解作用KAとエチルベンゼン転化の関係が調べられた。20気圧(2026kPa)の圧力、427℃の温度、そして、質量時間空間速度4の条件下で、17重量%のエチルベンゼンと83重量%のメタキシレンにより構成される原料を用いて、7つの非ゼオライト性分子ふるいサンプルのテストが行われた。エチルベンゼンはC8芳香族異性体としては異性体化プロセスで最も転化しずらい物質であるので、エチルベンゼン(“EB”)転化が比較の尺度として選ばれた。実施例IIの手順に従って、7つのサンプルについての作用kAの判定が行われた。結果は以下の通りで、図2にも示してある。
【0052】
【表2】
【0053】
種々の分子ふるいのテスト結果から予測できるように、データには多少のばらつきはあったものの、kAとエチルベンゼン転化の間には明らかに相関関係がある。
【0054】
実施例 IV
本発明による触媒組成物の有用性は、種々の条件でのエチルベンゼン転化でキシレンに対する選択性を測定することにより実証された。この場合、キシレン選択性トは生成物中に存在し得るキシレンと実際に存在しているキシレンとの比率と定義されている。
触媒ベースは0.013モル分のマグネシウムを含むMgAPSOを50重量%と、アルミナを50重量%含んでいた。最終的に得られた触媒は重量%ベースで以下の成分を含んでいた。
プラチナ 0.24%
塩素 0.25%
硫黄 0.07%
これらの結果とC8芳香族化合物の異性体化に有効であると実証されている従来の触媒との比較が行われた。先行技術に基づくひとつの触媒は米国特許第4,740,650により調製された、0.48重量%のプラチナを含む触媒で、SAPO-11がベースの40重量%、アルミナが40重量%、そしてシリカが20重量%の成分構成を有していた。もうひとつの先行技術に基づく触媒は、米国特許第4,957,891によって調製されたガリウムを含んでいた。
この例で用いられた原料の成分構成は重量%で以下の通りであった。
エチルベンゼン 17%
メタキシレン 58%
オルトキシレン 25%
本発明による触媒と先行技術に基づく触媒のテスト結果を図2に示す。本発明による触媒はガリウム調製ZSM-5触媒よりキシレン選択性において2%程度優れ、先行技術に基づくSAPO-11触媒よりはさらに優れた選択性を示した。
【0055】
実施例V
基本的には純粋なエチルベンゼン原料の異性体化について、本発明による触媒を用いた調査が行われた。例IVのアルミナ結合MgAPSO-31触媒が、一定の範囲のエチルベンゼン転化を達成するために必要な、427℃の温度と種々の質量空間速度の条件下で用いられた。生成物のキシレン部分のパラキシレンの比率が427℃の温度での熱力学平衡値と比較された。結果は以下の通りであった。
【0056】
【表3】
【0057】
パラキシレンの超平衡収量(super-equillibrium yield)は、本発明を限定するものではないが、エチルベンゼン転化のメカニズムがパラキシレン生産に対して選択性を持っていることを示唆している。
【0058】
実施例 VI
オルトキシレンが除去された原料を処理する際の本発明による触媒の異性体化性能が調べられた。上にも述べたように産業的に重要な中間物であるアルトキシレンは、しばしば、芳香族化合物複合体中の混合キシレン異性体から分留によって分離される。分離/異性体化プロセスを組み合わせた本実施例においては、新鮮なC8芳香族化合物が異性体化域から取り出されたC8芳香族化合物とナフテンで構成された異性体化生成物と組み合わされて、ボトム・ストリームでオルトキシレン生成物を分離する分留器に送られる。オルトキシレン分留器からの塔頂流出物がパラキシレン分離域に送られ、パラキシレン枯渇ストリームは異性体化域に送られ、オルトキシレン枯渇ストリームは異性体化反応域に送られて、そこでC8芳香族異性体が近平衡レベルに再び異性体化される。こうしたプロセス構成において、C8芳香族化合物異性体は、それらがオルト、あるいはパラキシレンに転化されるか、あるいは副反応によって失われるまで循環されて、除去される。
オルトおよびパラキシレン減少原料は、実施例IIIで述べたように、基本的には17重量%のエチルベンゼンと83重量%のメタキシレンで構成されていた。パラキシレン平衡の%および100%を越える超平衡が達成されたかどうかを調べるために、異性体化された生成物のキシレン部分のパラキシレン含有量と427℃での熱力学平衡値との比較が行われた。結果は図4に示す通りで、パラキシレン平衡の%は広いエチルベンゼン転化範囲で100%を上回っており、40%エチルベンゼン転化の場合120%に近い値であった。
【0059】
【発明の効果】
上述の通り、本発明の新規分子ふるいは、これをプラチナ族金属、無機マトリクスで構成した触媒は特に炭化水素の転化に顕著な転化率を有する工業的に極めて有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】一定の範囲の骨格マグネシウム含有量を有するMgAPSO分子ふるいの作用kAの比較を示すものである。
【図2】いくつかの異なった分子ふるいにおけるkAとエチルベンゼン転化との関係を示している。
【図3】本発明による触媒と従来技術に基づく2つの触媒をキシレン選択性とエチルベンゼン転換の関係において比較したものである。
【図4】原料からのオルトキシレン除去の本発明による触媒の性能に対する影響について示すものである。
Claims (9)
- 0.1−5重量%のプラチナ族金属、無機酸化物マトリックス、および結晶性MgAPSO分子ふるいを含む炭化水素転化のための触媒性組成物であって、前記結晶性 MgAPSO 分子ふるいが微孔性結晶骨格構造内に 0.003 − 0.035 モル分率のマグネシウムを含んでいることを特徴とする触媒性組成物。
- 無機酸化物マトリックスがアルミナを含むものである請求項1に記載の触媒性組成物。
- 炭化水素転化条件で炭化水素原料を請求項1又は2に記載の触媒性組成物と接触させるステップを含む炭化水素転化方法。
- 結晶性MgAPSO分子ふるいがAlPO4分子ふるいと混合される請求項3に記載の方法。
- 異性体化製品をつくりだすために、アルキル芳香族異性体化条件の異性体化ゾーン内で水素の存在下で原料混合物を請求項1又は2に記載の触媒性組成物と接触させるステップを含むキシレンおよびエチルベンゼンの非平衡原料混合物の異性体化のための方法。
- アルキル芳香族異性体化条件が300℃から500℃の範囲の温度、101.3−5065kPaの圧力、0.5−10hr-1の液体時間空間速度、および0.5:1から25:1の範囲の水素対炭化水素モル比を含む請求項5に記載の方法。
- 異性体化製品および新鮮なC8芳香族原料からの選択性吸着によってパラキシレンを回収するステップをさらに含む請求項5又は6に記載の方法。
- オルトキシレンが異性体化製品および新鮮なC8芳香族原料のいずれか一方、あるいは両方から回収される請求項7に記載の方法。
- 異性体化製品が平衡濃度以上の濃度のパラキシレンを含んでいる、請求項8に記載の方法。
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