JP3661912B2 - 光アクセスステーション及び端末装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を伝送媒体とする光アクセスステーション及び端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、オフィス等におけるパーソナルコンピュータの普及とともに、LAN(ローカルエリアネットワーク)等の通信網の普及が進んでおり、あらゆる情報、データがLANを介してやりとりされている。
【0003】
ここで、従来から端末装置をネットワークに接続するためには、銅線に代表される有線のケーブルを用いているので、端末装置の台数が増えてくると接続するためのケーブルがオフィス内に溢れたり、設置の自由度を阻害してしまう等の不具合がある。
【0004】
このようなことから、美観を損なわない、設置の自由度が高い等の理由から、ケーブルを使用しないワイヤレスな無線方式が要望されている。特に、光を伝送媒体とする方式によれば、電波を利用する方式に比べ、高速化、低コスト化、秘話性、人体への影響等の点で有利である。
【0005】
その一例として、特開平5−191357号公報に示されるような光空間伝送システムがある。このシステムでは、天井面に設置するサテライト装置(又は、光アクセスステーション)と机上に設置される送受信装置(端末装置)との間の1:多通信の光軸合わせに関して開示されている。即ち、光軸合わせ時に連続的な光信号を送信する連続信号送信手段をサテライト装置に設け、光軸調整モードにおいて光信号の受信レベルを判定して光信号の受信状態を表示する受信状態表示手段が各送受信装置に設けられている。これによれば、送受信装置側で光軸合わせのためのモード設定を個別に行なう必要がなく、送受信装置側では方向の調整のみを行なえばよいものである。
【0006】
また、他例として、特開平7−58695号公報に示されるような光空間伝送方式がある。この方式では、送信部から情報伝達用ビームとこの情報伝達用ビームを囲むように方向調整用ビームとを出射させ、受信部によって情報伝達用ビームを受光させ情報信号を再生させるとともに方向調整用ビームを受光させ、この方向調整用ビームに基づいて情報伝達用ビームの方向ずれを検出させ、この検出結果に基づいて送信部から出射される情報伝達用ビーム及び方向調整用ビームの出射方向を制御することにより、情報伝達用ビームを細く絞っても受信部においてビームを確実に受光し得るようにし、これにより、方向調整を容易にすることでビーム追尾機構を簡素化している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前者の光空間伝送システムは、基本的に、送受信装置(端末装置)がある範囲の机上のどこにあっても、天井に設置するサテライト装置(光アクセスステーション)が通信できるようにしたシステムであり、サテライト装置には複数個の発光素子が360°に渡って発光できるように構成され、サテライト装置からの送信(ダウンリンク)はそれらの発光素子群を同時に駆動させて行なう構成とされている。これは、広い通信エリアと同時速報性とを確保するためである。この場合、ダウンリンクの光軸合わせは不要となり、逆方向のアップリンクの光軸合わせのみが課題となる。
【0008】
ところが、周囲360°方向に拡散させて発光させているので、送受信装置の受光部で高速化のための十分な受光パワーを確保できない、という理由により、必然的に高速化には不利となる。また、高速化を図るために発光素子の発光ビームを絞り、指向性を強めて光パワーの伝送効率を上げる方法もあるが、上述したように周囲360°に渡って均一な投光状態にするためには多数の発光素子が必要となり、消費電力の増大、コスト増、熱等に起因する信頼性の低下等を考えると、実用的ではない。また、マルチパス(多光路干渉)の問題から、自ずと高速性に問題を生ずる。
【0009】
このようなことから、サテライト装置と送受信装置との1:1通信構成が考えられる。この場合、高速化のためには、ダウンリンクとアップリンクとの双方向ともに、ある程度以上に絞り込んだビームを用いる必要があり、サテライト装置が複数の送受信装置(携帯型を含む)と実用的な通信を行なうためにはサテライト装置と個々の送受信装置との1:1の光軸合わせが可能とならなければならない。特に、天井面据付け型のサテライト装置を中心とする1:多通信においては、送受信装置の方は手動で合わせることとしても、天井面に据付けたサテライト装置については、下方に位置する各送受信装置との位置合わせ、即ち、光軸合わせが必須となる。
【0010】
一方、後者の光空間伝送方式は、細く絞ったビームの方向調整を容易にしてビーム追尾機構を簡素化しているものの、ユニット毎にデータ用と光軸合わせ用との2種類のビーム束を使用しており、オフィス内で用いるシステムとしては構成が複雑である。例えば、光アクセスステーションに適用させた場合、机上で使用される複数の端末装置毎に常時光軸を合わせていたのでは、時間がかかってしまうとか、端末装置に適用させた場合には、大口径レンズ等の使用により端末装置側が重量的に重いものとなってしまうとか、端末装置の数より多くの発光素子を含む光学系ユニットを搭載しているので、光アクセスステーション側が過大な装置構成になってしまう、といった不具合があり、実用的でない。また、携帯型のように非固定の端末装置を用いている場合には、使用中又は使用する毎にその位置がずれる場合がある。従って、通信を継続させるためには、その度に光軸合わせが必要となり、利用者にとって使い勝手の悪いものとなる。
【0011】
これらの点について、図36を参照して説明する。図36は従来の光空間伝送システムを示すイメージ図である。基本的には、天井面に据付けられた光アクセスステーション(又は、サテライト装置)101側の発光は、通信エリア102を確保するために、図36(b)に示すように多数の光源103を配置し、できるだけ下方周囲に投光されるように構成されている。なお、多数の光源103は図36(c)に示すように共通の回路基板104上に実装され、共通の駆動回路によって駆動される構成とされている。また、光アクセスステーション101は有線ネットワークである有線LAN105に接続されている。106a,106b,106c,…は机上に設置される種々の端末装置である。
【0012】
このような構成では、伝送される光パワーの分散化による伝送効率の悪化と、多光路(マルチパス)による時間遅延との点から、例えば、数10Mbps 或いはそれを超えるような高速なデータ転送(ダウンリンク)は不可能となる。
【0013】
このようなシステムでは、より効率よく通信を行なうために、アップリンクの方位をできるだけ合わせる必要が有り、通常は、図37(a)に示すような手法が採られている。即ち、光アクセスステーション101からは常時ダウンリンク光が投光されつつ、或る端末装置106a側でその受光パワーが最大となるような方向になるまで、端末装置106a側の光送受信部をサーチさせる手法である。107は中継装置である。最適な方向になった時点でその状態を表示する手段について記述したのが、前者の特開平5−191357号公報に示される光空間伝送システムである。
【0014】
一方、より高速化を目指すために、空間を伝播する光をビーム状に絞って行なう手法もあるが、この場合には、特にダウンリンクの位置(方向)合わせが問題となる。つまり、図37(b)(c)に示すように光アクセスステーション101側に端末装置106の位置追尾機構108を付加する必要がある(図37(b)は追尾中、図37(c)は追尾終了後の伝送方向設定完了状態を示す)。従来と同じ方法では、光アクセスステーション101側に端末装置106側から送信されてくるアップリンク光の光パワーを見ながら、その受光パワーが最大になったところで最適な方向設定とする。例えば、光アクセスステーション101及び端末装置106側には、受発光部を有する各投光ユニット毎に相手との方向を制御する機構を設けて、相手からの送信光パワーが最大になる方向までサーチする。端末装置106側では小型化が要求され、偏向制御機構などのメカ的な要素を省いて簡略化したいので、その場合には、手動操作方式とすることで、偏向制御機構を省略し得る。この場合でも、光アクセスステーション101側については手動操作で行なうことは現実的ではなく、端末装置106からの光パワーの大小を自動的に判別すると同時に偏向制御機構へフィードバックしながら適正な送信方向に近づいていくが、両者に偏向制御機構を設けた場合と同様に時間がかかってしまう。
【0015】
そこで、本発明は、有線ネットワークへのアクセス手段として、光アクセスステーションと簡易な位置合わせができる実用的な光情報通信システムを提供することを目的とする。
【0016】
より具体的には、第1に、有線ネットワークへのアクセスの際に、天井面等に設置された光アクセスステーションから各端末装置への光軸合わせを不要にするとともに、光アクセスステーション側に発光素子を要しない光情報通信システムを提供することを目的とする。
【0017】
第2に、光アクセスステーションを中心としてこの光アクセスステーションにアクセスする複数の端末装置間において、光アクセスステーションへのアクセスの際の衝突を防止し得る光情報通信システムを提供することを目的とする。
【0018】
第3に、既存の有線ネットワークの通信プロトコルに違反せずに光アクセスステーションと端末装置との間におけるリンクテスト信号の伝送が可能な光情報通信システムを提供することを目的とする。
【0019】
第4に、既存の有線ネットワークの通信プロトコルに違反せずに、光伝送路部分の光信号を断ち切って発光素子の寿命等の信頼性向上に寄与し得る光情報通信システムを提供することを目的とする。
【0020】
第5に、簡易な構成で高速化を図れる光情報通信システムを提供することを目的とする。
【0021】
第6に、光偏向器によるさらなる高速変調が可能な光情報通信システムを提供することを目的とする。
【0022】
第7に、光変調手段の構成を簡略化し得る光情報通信システムを提供することを目的とする。
【0023】
第8に、位置合わせにおいて端末装置の設置許容範囲を大きくとれる光情報通信システムを提供することを目的とする。
【0024】
第9に、光アクセスステーションの受光部や光変調手段を有効活用し得る光情報通信システムを提供することを目的とする。
【0025】
第10に、ユーザの使い勝手を向上させ得る光情報通信システムを提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、有線ネットワークに接続され、複数の端末装置と光を用いて情報伝達を行う光アクセスステーションにおいて、前記有線ネットワークとのデータ授受を行なうステーション側トランシーバと、前記端末装置側から送信されてくる光信号を分割して変調及び反射させる光変調手段と、前記端末装置側から送信されてくる光信号の一部を受信する光受信手段と、これらの光変調手段や光受信手段と前記ステーション側トランシーバとの間でデータフレーム信号とその他の信号との入出力を制御するステーション側ゲート手段とを備える。請求項2記載の発明は、端末装置が送信した光信号を、光アクセスステーション内の光受信手段、ステーション側トランシーバ又はステーション側ゲート手段を経由して送信されてくる信号に基づき光変調手段により変調して折り返すことで当該端末装置に伝送させるとともに、前記端末装置が発光させた光信号の一部を前記光受信手段で受信して、ステーション側ゲート手段とステーション側トランシーバを経由して有線ネットワークへ送信させる。
【0027】
即ち、光アクセスステーションは、データの授受を行なう従来通りのステーション側トランシーバに加えて、光源の替わりに光変調手段とステーション側ゲート手段とを備え、端末装置側には光アクセスステーション側とのデータ伝送のやりとりを円滑に行なわせる端末側ゲート手段を備えている。よって、高速化のために光ビームを用いる場合に、天井面等に設置される光アクセスステーションのダウンリンク用の送信用光源を使うことなく、また、端末装置からの光アクセスステーションへの位置合わせのみで両リンクの送受信方向合わせを行なうことができる。動作的には、アップリンクでは端末装置から発した光信号を使用し、ダウンリンクでは端末装置からのアップリンク用とは異なる光信号を光アクセスステーションが接続されている有線ネットワークから伝送されてくる信号に基づき変調したものを使用する。両リンクの伝送媒体として端末装置の光源が発する光信号を用いる。この場合、システム全体として成立させるため、各ゲート手段(ステーション側ゲート手段、端末側ゲート手段)と光変調手段、光送受信部間での信号のやりとりが制御される。このようにして、光アクセスステーション側に光源を用いず、かつ、光アクセスステーション側から端末装置側への光ビームの方向合わせを不要にしているので、光アクセスステーション側の低消費電力化を図りつつ高速データ伝送可能な光情報通信システムを構築できる。
【0028】
請求項3記載の発明は、光アクセスステーションは、少なくとも複数個の光変調手段を有し、光受信部で受信する信号によりこれらの複数個の光変調手段により変調して折り返すことで端末装置の光送受信部に伝送させる。即ち、光アクセスステーション側の光受信部で受信された場合には、その信号を直接複数個の光変調手段に送って、各端末装置へダウンリンクさせる。
【0029】
また、請求項記載の発明は、光アクセスステーションの1つの光変調手段に対して複数個の端末装置を割り当てて、1つの端末装置からの光信号を前記光受信手段で受信し、前記光アクセスステーションの光受信手段で受信した前記光信号を前記光変調手段で変調し、他の端末装置へ伝送させる。即ち、複数個の端末装置に対して光変調手段が1個の場合に、複数個の端末装置からのアップリンクがあったときには、本データを送る前に送信要求信号を送ってその信号により光変調信号を生成して他の端末装置に送出することで、送信要求があることを知らせる。
【0030】
従って、これらの請求項3又は記載の発明によれば、光アクセスステーションへのアクセスの際の信号の衝突が防止され、信頼性の高い光情報通信システムとなる。
【0033】
請求項記載の発明は、光変調手段は、コーナキューブミラーと光偏向器とを備える。従って、コーナキューブミラーで入射方向に折り返される光の方向を光偏向器で方向を変えることにより、端末装置側での受光可否状態を発生させる。
即ち、端末装置からの方向合わせを簡単な構成で実現できるコーナキューブミラーと高速変調が可能な光偏向器とを備えているので、光変調手段として簡易かつ高速化が可能となる。
【0034】
請求項記載の発明は、請求項記載の光情報通信システムの光変調手段は、コーナキューブミラーと光偏向器との間に集光光学系を有し、この集光光学系により収束状態の光信号を前記光偏向器により偏向させる。従って、偏向させる前に集光光学系によってビーム光を絞ることによって、光偏向器上での可動部分を小さくすることができる。即ち、光偏向器の小型化を図れるので、高速化が可能となる。
【0035】
請求項記載の発明は、請求項記載の光アクセスステーションの光変調手段は、少なくとも複数個のコーナキューブミラーを有し、これらのコーナキューブミラーが光偏向器上に配設されている。従って、光偏向器上にコーナキューブミラーを配設し、光偏向器を偏向又は振動させてコーナキューブミラー全体を可動させることで反射光の方向が変えられる。このように光偏向器上にコーナキューブミラーを搭載した構成とすることで、光変調手段が簡易化される。
【0036】
請求項記載の発明は、請求項記載の光アクセスステーションにおいて、光変調手段の開口径dが端末装置から出射されるビーム光径の2倍より大きく、当該端末装置側の送信光学系の開口径dt の周囲に受信光学系の開口を配設し、この受信光学系の開口径をDとしたとき、
3・dt ≦D≦2・d+dt
なる関係を満たす。従って、伝送されるビーム径がコーナキューブミラーの開口径dの半分よりも小さい場合、端末装置における受光開口の開口径Dが必要な受光パワーを得るための必要最小限の大きさにて適正化される。即ち、端末装置側の受光開口の開口径Dが光アクセスステーション側のコーナキューブミラーの開口径dに基づき設定されるので、光アクセスステーションに対する設置自由度が大きくなる上に、効率のよい受光状態が得られる。
【0037】
請求項記載の発明は、光アクセスステーションは、光受信手段の直前に少なくとも2段階以上の減衰レベルを有する光学的減衰手段を備える。従って、複数個の端末装置に対してそれ以下の光アクセスステーション側の受光部を設定する場合には、複数個の光ビーム強度を光学的減衰手段によって光学的に減衰させる。減衰レベルは端末装置の個数に合わせればよい。即ち、光学的に受信レベルを調整しているので、受信回路側の負担を少なくすることができる。
【0038】
請求項1記載の発明は、光アクセスステーションは、少なくとも複数個の光受信手段を有し、これらの光受信手段で受信される各端末装置からの光信号に基づき点灯表示する表示手段を備える。従って、端末装置から光アクセスステーションの光受信手段に光信号が送信されている場合には表示手段により表示される。請求項13記載の発明は、端末装置は、光送受信手段に1400nm以上の波長域を有する半導体レーザと可視光領域の波長を有する発光素子とを備え、前記発光素子の発光パターンの中心を前記半導体レーザの光軸に合わせて配設し、前記発光素子からの光を光アクセスステーションに照射させる。従って、端末装置側の送信用の半導体レーザとは別に、光アクセスステーションとの位置合わせを行なうための可視光領域の波長の発光スペクトルを有する発光素子を備え、この発光素子により発光される光パターンの中心を半導体レーザのレーザ光の光軸に合わせて、ユーザが自己の端末装置の方向を光アクセスステーションの方向に合わせる際に、可視光領域の光を見ながら光変調手段の開口部へ合わせることができる。即ち、これらの請求項1又は13記載の発明によれば、端末装置側から見て、端末装置の光ビームを通信チャンネルの空いているところへ簡単に投光させるための表示とサーチ用可視光とを利用しているので、ユーザが自己の端末装置を簡単に光アクセスステーションに合わせることができ、使い勝手が向上する。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。本実施の形態は、請求項1及び2記載の発明に相当し、有線LANとして、現在最も一般的に使用されているCSMA/CD方式のEthernet(イーサネット)を利用した光情報通信システムへの適用例を示す。前提をなすこの光情報通信システムは、基本的には、IEEE802.3に従い、図4に示すように、通信機能を備えた有線LANであるイーサネット1に接続する装置と、複数のLAN接続装置間を相互に接続させる撚り対線ケーブル(Twisted Pair Cable) 2とで構成されている。もっとも、現実的な配置関係では、図4中の左側がオフィス内天井面側となり、右側が地上側(机上)となる。各LAN接続装置は、撚り対線ケーブル2を介してマンチェスタ符号を伝送させることにより通信を行なう。ここでは、イーサネット1にリピータ型のハブ(Hub;集線装置)3を接続し、各端末装置が撚り対線ケーブル2によりハブ3に接続したシステム(Ethernet 10BASE-T)に適応させたものである。このシステムにより、ハブ3に接続されたDTE(Data Terminal Equipment)による端末装置4は、同じハブ3に接続された他の端末装置やイーサネット1を介して他の端末装置との通信を行なうことができる。図中、MAU(Medium Attachment Unit) 5,6はトランシーバに相当し、トランシーバケーブル周りのインタフェース規格(AUI=Attachment Unit Interface) を提供する通信メディアアクセス装置である。MDI(MediumDependent Interface) 7,8は通信メディアへの直接接続に関するインタフェース部分で、通信メディアに依存する。Ethernet 10BASE-Tの場合であれば、RJ−45コネクタが相当する。
【0040】
このような前提の下、本実施の形態の光情報通信システムの構成例を図1により説明する。この光情報通信システムでは、図4に示したCSMA/CD方式の10BASE-Tシステムにおいて、撚り対線ケーブル2とMDI7,8とを光伝送機構(光リンク設定部分11)に置き換えた構造とされている(なお、本実施の形態では端末装置21が1台の例とする)。つまり、光アクセスステーションとして機能する光ハブ12は、リピータ13と、トランシーバ(ステーション側トランシーバ)14と、このトランシーバ14に接続されてその入出力を制御する電子回路構成のゲート手段(ステーション側ゲート手段)15と、端末装置21側から送信されてくる光信号の光強度を分割するハーフミラー16と光の透過/非透過を制御する空間光変調器17と反射用のミラー18とにより構成された光変調手段19と、この光変調手段19により強度分割された光信号を受信する光受信部20と、端末装置21から送られてくる信号の方向に従ってミラー18とハーフミラー16とを一体的に可動させる駆動機構(図示せず)とにより構成されている。光変調手段19においては入出射用の開口19aが形成されている。
【0041】
一方、端末装置21側は、パーソナルコンピュータ(PC)22のPCIバス23に接続されたMAU(トランシーバ)内蔵イーサネットのインタフェースボード24と、光ハブ(光アクセスステーション)12側の光変調手段19に対して光信号を送信し、かつ、その戻り光信号を分割する光学的分離手段25と、その分割された分離光を受信する光受信部26aと光送信部26bとによる光送受信部26と、これらの光送受信部26とインタフェースボード24内のトランシーバ24aとの間の信号の入出力を制御する電子回路構成のゲート手段(端末側ゲート手段)27とにより構成されている。光学的分離手段25は本実施の形態では偏光ビームスプリッタ28と1/4波長板29とにより構成されている。
【0042】
このような構成において、図1は光変調手段19の向きと端末装置21の送信方向とが合致した場合を示す。端末装置21側からのアップリンクは、端末装置21のインタフェースボード24経由で送られてきた信号をゲート手段27を通過させた後で、端末装置21側の光送信部26bから送信する。この光送信部26bの光源としては半導体レーザが使用されており、光学系によりコリメートされた光ビームとして送出される。この光送信部26bから送出される光信号は、光ハブ12側の光変調手段19における開口19aに入射し、ハーフミラー16で半分の光パワー分だけ光受信部20へ入力され、電気信号に変換された後、ゲート手段15及びトランシーバ14経由でリピータ13へ送られる。
【0043】
逆に、光ハブ12側からのダウンリンクは、端末装置21側の光送信部26bから連続点灯させた光ビームを送信させておく。光ハブ12のリピータ13及びトランシーバ14経由で送られてきた信号はゲート手段15から変調部15aへ送られ、空間光変調器17を変調駆動させてダウンリンク用の伝送信号に変換する。
【0044】
つづいて、図2及び図3は何れも端末装置21との方向が合っていない場合を示し、各々の場合の合わせ方について説明する。ここでは、光ハブ12側のミラー18とハーフミラー6と光受信部20とを一体に配置し、回転可動させる場合にもその配置構成を変えずに行なう駆動機構31を用いるものとする。光受信部20は受光素子として多分割されたフォトダイオード、ここでは、図2(b)(c)に示すように4分割フォトダイオード32を使用しており、4分割フォトダイオード32の各々の分割出力のレベルを差動アンプ33,34等を利用して処理した後、その位置ずれ情報(可動方向と可動量)を駆動機構31へフィードバックさせて制御する構成とされている。また、使用する光ビームのビーム径は開口19aの開口径よりも大きいものとする。
【0045】
図2に示すケースでは、端末装置21の向きが光ハブ12に対してやや上向きとなっているので、光ハブ12の開口19a部分に送信してもミラー18で反射した後、戻ってこない。このとき、光受信部20の4分割フォトダイオード32での受光例は図2(b)又は(c)に示す如くなっている。そこで、その出力レベルの比較処理によって駆動機構31にフィードバック制御をかけることで、その出力が図3(b)に示すように0となるようにミラー18とハーフミラー6と光受信部20とを駆動機構31により一体的に回転させれば、最終的には、図3(b)に示すように端末装置21への戻り光の方向が送られてくる光の方向と一致する状態が得られる。端末装置21側ではこの戻り光を光学的分離手段25で分離して端末装置21側の光受信部26aで受光させる(図3(b)参照)。即ち、この光受信部26aも4分割フォトダイオード35により構成されており、各々の分割出力のレベルを差動アンプ36,37等を利用して処理することになる。
【0046】
よって、本実施の形態によれば、高速化のために光ビームを用いる場合に、天井面等に設置される光ハブ12のダウンリンク用の送信用光源を使うことなく、また、端末装置21からの光ハブ12への位置合わせのみで両リンクの送受信方向合わせを行なうことができる。即ち、光ハブ12側に光源を用いず、かつ、光ハブ12側から端末装置21側への光ビームの方向合わせを不要にしているので、光ハブ12側の低消費電力化を図りつつ高速データ伝送可能な光情報通信システムを構築することができる。
【0047】
なお、光ハブ12に対する端末装置21側の位置合わせは図2及び図3で説明したような方式に限らず、適宜他の方式を用い得る。
【0048】
本発明の第二の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。なお、前記実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の各実施の形態でも、順次、同様とする)。本実施の形態では、光ハブ12における光変調手段19において、ミラー18に代えて、コーナキューブミラー41が用いられている。本実施の形態では、コーナキューブミラー41を用いることにより、光変調手段19の反射機能と端末装置21の方向合わせとを同時に実現し得る構成とされている。即ち、コーナキューブミラー41は入射する光の方向と同じ方向へ光を反射させる性質を持つ光学素子であり、図示の如く、空間光変調器17の後に配設すれば、図6に示すように、或る範囲内で端末装置21の方向と合わせることが可能となる。また、端末装置21側の光送受信部26の構成については、伝送されるビーム径がコーナキューブミラー41の径の半分以下であれば、図1等に示した光学的分離手段25は必ずしも必要ではなくなる。
【0049】
本発明の第三の実施の形態を図5ないし図9に基づいて説明する。本実施の形態は、請求項2記載の発明に相当する。即ち、本実施の形態では、構造的には前記第二の実施の形態で説明したコーナキューブミラー41を用いた構造とされている。
【0050】
まず、図7を参照して、光ハブ12と端末装置21とが正しく接続されているかどうかを確認するためのリンクテスト動作(リンクパルス確認)について説明する。この機能は、CSMA/CD方式の10BASE-Tシステムの特長の一つで、トランシーバ14,24aが、接続を確認するために、データフレームが送信されていない状態において、或る一定時間間隔の下に送信しているリンクパルスに対して、自回路上で監視するものである。ここでは、10BASE-Tに準じたリンクテストとして説明するが、リンクテストと同様な機能を実施している他のLAN方式でも適用できる。
【0051】
リンクテストにおいては、まず、トランシーバ14,24aから出力されるリンクパルス信号を光ハブ12と端末装置21の各々のゲート手段15,27で折り返すようにする。即ち、図7(b)(c)に示すように、▲1▼で入力されたリンクパルス信号を判断して▲2▼へ出力する。このようにすれば、各トランシーバ14,24aは正常なリンクパルス信号を受信することになるので、光ハブ12と端末装置21とが正しく接続されていると判断する。一方、光伝送路においては、ゲート手段27の▲3▼からの信号により端末装置21側の光送信部26bからリンク接続用の連続光(CW光)を送信させ、この光が光変調手段19で折り返され、端末装置21側の光受信部26aへ入力されることでリンクが成立する。この際、本実施の形態のようにコーナキューブミラー41を用いる構成では、光変調手段19を含む光ハブ12全体を固定したままで、端末装置21の送信方向へ光を戻すことが可能となる。端末装置21側のゲート手段27では、自己の送信した光信号が戻ってくることを光受信部26aを介して確認することで、光ハブ12とのリンクが確立されたと判断する(光リンク設定部分11のリンクテスト確認)。この状態になって始めて、以下のダウンリンクやアップリンクへと遷移することが可能となる。つまり、リンクパルス確認の判断が行なわれないと端末装置21から送信要求が出てゲート手段27の▲1▼に入力されても、このゲート手段27でキャンセルされることになる。即ち、各トランシーバ14,24aでのリンクテストの強制的な成立に加えて、ゲート手段15,27を介する光リンクテストの接続が成立することによって、光ハブ12と端末装置21とが正しく接続されているものとする。
【0052】
次に、光ハブ12側から端末装置21側ヘのダウンリンクについて図8を参照して説明する。このダウンリンクについては、前述した如く、リンクパルスが正常に送られている状態(端末装置21側の光送信部26bから連続点灯させた光(CW光)が送信されている)から、光ハブ12のリピータ13及びトランシーバ14経由で送られてきた信号がゲート手段15から変調部15aへ送られ、空間光変調器17を変調駆動させることでダウンリンク用の伝送信号に変換する。この場合、ゲート手段15における信号伝送用のゲートは少なくとも4つあればよい(実際には、制御信号用のゲートなどが含まれる)。そして、イーサネット1から送られてくるデータフレーム信号は、リピータ13とトランシーバ14とを経由して、ゲート手段15の▲1▼に入力後、イーサネットのフレームフォーマットに準ずるデータフレーム信号であることを周波数等に基づき調べてから、スイッチング動作により、データフレーム信号であれば通過させて▲3▼から出力し(図8(b))、データフレーム信号でなければ通過させないないようにする。また、光ハブ12の光受信部20には連続光(CW光)による信号が入力されるが、同様な手法で、ゲート手段15を通過させないようにする(図8(b)の▲4▼→▲2▼参照)。また、イーサネット1から送られてきたデータフレーム信号は、10BASE-Tシステムのトランシーバ14のループバック機能によりリピータ13に戻される。
【0053】
一方、端末装置21側では、送られてきたデータフレーム信号を光受信部26aで受信してゲート手段27で前述した場合と同様にデータフレーム信号であることを周波数等に基づき調べてから、スイッチング動作により通過させ(図8(c)の▲4▼→▲2▼参照)、PC22に装着されているインタフェースボード24へ送られ、内部のイーサネットコントローラ24bで処理されてPC22へと伝送される。この間は、ゲート手段27の▲1▼にどのような信号が入っても、▲3▼へは出力させない。但し、ダウンリンクのデータフレーム信号がゲート手段27の▲4▼に入力するまでは、▲1▼に入力するリンクテストパルスは▲2▼から折り返されて出力される。
【0054】
ダウンリンクはゲート手段27の▲4▼にデータフレーム信号が入力されなくなり、トランシーバ24aからリンクテストパルスが送られてくることにより終了し、図7で示したようなリンクテスト状態へ遷移する。
【0055】
逆に、端末装置21側から光ハブ12側への信号送信(アップリンク)について図9を参照して説明する。このアップリンクについては、前述した如く、リンクパルスが正常に送られている状態(端末装置21側の光送信部26bから連続点灯させた光(CW光)が送信されている)で、端末装置21からトランシーバ24aを介して送られてくるデータフレーム信号に対して、ゲート手段27では上記の場合と同様に、イーサネットのフレームフォーマットに準ずるデータフレーム信号であることを周波数等に基づき調べてから、スイッチング動作により、データフレーム信号であれば通過させて▲3▼から出力し(図9(c))、データフレーム信号でなければ通過させないないようにする。通過したデータフレーム信号に基づき光送信部26bの駆動回路及び光源で光信号に変換されて光ハブ12の開口19aへ伝送される。そして、光変調手段19のハーフミラー16を介して光受信部20により受光されて再生される電気信号は、ゲート手段15の▲4▼に入力されてデータフレーム信号であることを周波数等により調べてから、スイッチング動作により通過させて(図9(b)の▲4▼→▲2▼参照)、トランシーバ14、リピータ13へ送られた後、イーサネット1又は他の端末装置へと伝送される。このようなアップリンクは、ゲート手段27の▲1▼にデータフレーム信号が入力されなくなれば終了し、その後、図7で示したようなリンクテスト状態へ遷移する。
【0056】
このように、本実施の形態によれば、リンク接続確認のために、各端末装置21から送出されるリンクテスト信号を各ゲート手段27で折り返して擬似的にリンク接続を成立させるとともに、光伝送路上の接続(光リンク)を端末装置21側から発光させている光信号を光変調手段19で折り返して端末装置21側の光送受信部26で受信させることにより確立させているので、リンク接続の安定性を図ることができる。
【0057】
本発明の第四の実施の形態を図10に基づいて説明する。本実施の形態は請求項3記載の発明に相当する。本実施の形態では、1個の光ハブ12に対して複数個、ここでは2個の端末装置21A,21Bが存在する場合を想定している。このような想定の下、光ハブ12内においては、光変調手段が19A,19Bで示す如く複数個(ここでは、2個)並列的に設けられている。これに対応して、トランシーバ14A,14Bも複数個とされている。さらに、光変調手段19A側の光受信部20の出力は自己側のゲート手段15とともに光変調手段19B側の変調器15aに対しても与えられている。
【0058】
このような構成とするのは、各端末装置21A,21Bから光ハブ12へアクセスする際に衝突(Collison) が発生しないようにするためである。そこで、光ハブ12に対して複数の端末装置21A,21Bが存在した場合に、各端末装置21A,21Bから光ハブ12へアクセスする際に衝突が発生しないように、前もってキャリア検知(Carrier Sense) する方法について説明する。これは、イーサネットでは、CSMA/CD方式を採用しているので、このような1:多通信システムに応用する場合には、各端末装置21A,21Bへは常時かつ同時にチャンネルの使用状況を知らせる必要があり、或る端末装置21A又は21Bから受け取った光信号を、ほぼリアルタイムで他の端末装置21B又は21Aへ光信号で折り返し送信することで、全ての端末装置21A,21Bがキャリア検知できるようにしなければならないからである。
【0059】
ここでは、端末装置21A側で送信要求が発生した場合に、それを他の端末装置21Bへ伝える必要があり、通常であれば、端末装置21Aに相対する光ハブ12内の光変調手段19Aの光受信部20で受信された信号がゲート手段15とトランシーバ14A経由でリピータ13へ伝送され、そこから、他のトランシーバ14Bと光変調手段19B内のゲート手段15へと伝送されて、前述したダウンリンクのプロセスに従い、光変調手段19Bの変調により他の端末装置21Bへ送られることになる。これにより、端末装置21Bは端末装置21A側で通信していることが判り(キャリア検知)、その信号を検知している間は待機することになる。ところが、このようなルートを経る場合には、電子回路構成の2つのゲート手段15や2個のトランシーバ14A,14Bやリピータ13を経由するので、時間がかかってしまう。即ち、端末装置21Aが送信を開始してから端末装置21Bがその信号を検知するまでの時間が長くなってしまうので、端末装置21Bが送信を開始して衝突が発生する確率が高くなってしまう。そこで、本実施の形態では、光受信部20での受信信号を隣接する光変調手段19Bの変調部15aへ直接的に送って空間光変調器17を変調駆動させることで、同じデータを端末装置21Bへ伝送させるように制御する。
【0060】
即ち、本実施の形態では、光ハブ12側の光受信部20で受信された場合には、その信号を直接複数個の光変調手段19A,19Bに送って、各端末装置21A,21Bへダウンリンクさせるものである。よって、光ハブ12へのアクセスの際の信号の衝突が防止され、信頼性の高い光情報通信システムとなる。
【0061】
本発明の第五の実施の形態を図11ないし図14に基づいて説明する。本実施の形態では、リンクテストに伴い光送信部26bに関して発光停止、発光再開等の制御を行なう。また、本実施の形態では、光ハブ12側において制御信号伝達手段として機能するLEDを光源として有する光送信部42がゲート手段15の(5)に接続されて設けられている。
【0062】
まず、リンクテスト動作時には前述したように、端末装置21A又は21B側からの光ビームだけを送信させて光リンクを確立させるようにしている。前述した説明では、連続光(CW光)を用いているが、連続光に限らず、何らかの変調された光信号であっても構わない。連続光は一番簡単であり、ダウンリンクの変調を考慮した場合最も処理しやすい信号ではあるが、光送信部26bにおける光源の実用的な負担を考えると、その消費電力や素子寿命等の点で不利となるので、実際に端末装置21A又は21B側でネットワーク(イーサネット1)を使用しないときには発光させておかないほうがよいといえる。
【0063】
そこで、本実施の形態では、一度光リンクを成立させた後、或る一定時間データフレーム信号が伝送されずにリンクパルスのみがトランシーバ24aからゲート手段27に送られた場合には、光送受信部26の光送信部26bの発光を停止させる。図11はこの状態を示す。その後、端末装置21A又は21Bからデータフレーム信号がゲート手段27の▲1▼に入力された場合には、▲3▼から光送信部26bへ伝送されてこの光送信部26bの光源の駆動が再開されることにより、アップリンクの再開となる。
【0064】
一方、ダウンリンクは光ハブ12内に配設された光送信部42からの通知(発光指示信号)によって再開される。即ち、光ハブ12のゲート手段15の▲1▼にデータフレーム信号が入力されると同時に、▲5▼から光送信部42のLEDが駆動されて、図12に示すように、端末装置21A,21B側に向けて投光される。これに対応して、端末装置21A又は21B側の光受信部26aで受光されゲート手段27で検知されると、光送信部26bに対して発光信号が与えられ、この光送信部26bが連続光の発光を再開するので、光リンクが再び確立する(図13)。このとき、ゲート手段15の▲1▼に入力されたデータフレーム信号はその▲3▼から変調部15aへ送られ、直前に確立した光リンクの連続光を空間光変調器17で変調させることにより、図14に示すように、各端末装置21A,21Bへデータフレーム信号を伝送することができる。
【0065】
このように、本実施の形態によれば、端末装置21A,21Bが光ハブ12へのアクセスを停止しているリンクテスト状態の場合には、その光送信部26bの光源をオフにしておき、送信要求が生じた場合、又は、光ハブ12側に設置された光送信部42からダウンリンクの要求があった場合には、光送信部26bの光源の発光を再開させるので、端末装置21A,21Bの光送受信部26の低消費電力化及び発光素子の信頼性の向上を図ることができる。
【0066】
本発明の第六の実施の形態を図15ないし図19に基づいて説明する。本実施の形態は、請求項記載の発明に相当する。本実施の形態では、1個の光ハブ12に対して複数個、ここでは2個の端末装置21A,21Bが存在する場合を想定している。このような想定の下、光ハブ12内においては、1個の光変調手段19のみが設けられている。即ち、1個の光変調手段19で複数個の端末装置21A,21Bに対応させるシステム構成とされている。
【0067】
このようなシステム構成の下、各端末装置21A,21Bから光ハブ12へのアクセスの際に、衝突が発生しないように、前もってキャリア検知する方法について説明する。
【0068】
まず、ダウンリンクの場合には、図15に示すように、2つの端末装置21A,21Bが1個の光変調手段19を共用している。これは、複数の端末装置を対応させている点を除けば、前述した図7の場合と同様である。図16はリンクパルス時の動作を示し、これも基本的には図7で説明した場合と同様であり、各端末装置21A,21Bが各々リンクテストを行なって光リンクを成立させている。
【0069】
次に、アップリンクの場合について図17ないし図19を参照して説明する。まず、端末装置21Aが送信する場合には、いきなりデータフレーム信号を伝送させるのではなく、図17に示すように、直前に送信要求信号Treq を送出する。このとき、トランシーバ24aから送信したいデータフレーム信号はゲート手段27に入力される。ゲート手段27ではこのデータフレーム信号を一時的にメモリにバッファリングし、その間に送信要求信号Treq を送出させる。この間、端末装置21Bは端末装置21A側で送信要求を出していることは認識しない。送信要求信号Treq は光ハブ12の光受信部20へ入力され、ゲート手段15の▲4▼から入力された後、送信要求信号Treq であると判断されて▲3▼より変調部15aへ出力される。このとき、光受信部20では端末装置21A,21B側の連続光によるDCバイアス成分が受信信号として得られるが、変調部15aへ送られるときにはこのDC成分は除去される。
【0070】
変調部15aからの信号で空間光変調器17を変調すれば、端末装置21Bに対して端末装置21A側の変調された送信要求信号Treq′ を転送することができる(図18)。端末装置21B側ではこの送信要求信号Treq′ を受信すると、自己以外の端末装置21Aが送信要求状態にあることが判るので、衝突を回避するために一定時間待機する。この際、望ましくは端末装置21Aから最初のデータフレーム信号が到着するまでの時間待機する。
【0071】
一方、端末装置21A側では、送信要求信号Treq が端末装置21B側に転送されるまでの時間を待ってから、実際に送りたいデータフレーム信号を送信する(図19)。これらの時間は、光信号の往復にかかる時間や電子的処理時間等に依存するので、システムの規模によって左右される要因となる。
【0072】
端末装置21Aからデータフレーム信号が送信されると、光ハブ12の光受信部20で受信された後、ゲート手段15を経由して一部がトランシーバ14、リピータ13へ伝送され、一部がゲート手段15によりループバックされて、端末装置21Aの送信が終了するのを待ってから変調部15aへ伝送して空間光変調器17を変調することで、端末装置21Bからの連続光を変調し、端末装置21Aから端末装置21Bへのデータフレーム信号とする。この後、端末装置21Bではこのデータフレーム信号が自己宛でなければ破棄する。
【0073】
このように、本実施の形態によれば、複数個の端末装置21A,21Bに対して光変調手段19が1個の場合に、複数個の端末装置21A又は21Bからのアップリンクがあったときには、本データ(データフレーム信号)を送る前に送信要求信号Treq を送ってその信号により光変調信号を生成して他の端末装置21B又は21Aに送出することで、送信要求があることを知らせるので、光ハブ12へのアクセスの際の信号の衝突を防止することができ、信頼性の高い光情報通信システムとなる。
【0074】
本発明の第七の実施の形態を図20及び図21に基づいて説明する。本実施の形態は、請求項記載の発明に相当する構成の下に、アップリンク時のキャリア検知の方法を示すものである。まず、図16に示した状況から端末装置21A側で送信要求を出した場合、端末装置21B側ではリンクパルスに基づきリンクが成立しているので、図17ないし図19で示したように処理される。
【0075】
これに対して、ここでは端末装置21Aが送信要求を出したときに、端末装置21B側の光送信部26bの発光が停止している場合を考える。この場合、端末装置21Aから送出された送信要求信号Treq は光ハブ12の光受信部20で受信された後、ゲート手段15に対して▲4▼から入力されて処理され、▲5▼から光送信部42のLEDを発光駆動する。これにより、図20に示すように、発光を停止している端末装置21B側に対して発光指示信号として投光される(このとき、端末装置21Bは光送信部42の光照射エリア内に存在するものとする)。これに対応して、端末装置21B側の光受信部26aで受光されゲート手段27へ伝送されることで、自己以外の端末装置21Aが送信しようとしていることを認識できる(キャリア検知)。この認識後、ゲート手段27は直ちに光送信部26bに発光指令を出す。
【0076】
発光指令を受けた光送信部26bは、図21に示すように、連続光を発光して光ハブ12側に向けて送出する。このとき、端末装置21Bでは元々光リンクが成立しているので、光送信部26bの再発光により、すぐに光リンクが成立することになる。この後は、図19で説明した場合と同様に、端末装置21A側が送りたいデータフレーム信号の送信を開始する。
【0077】
本発明の第八の実施の形態を図22に基づいて説明する。本実施の形態は、請求項記載の発明に相当する。本実施の形態は、光変調手段の構造に関する。本実施の形態の光変調手段51は、コーナキューブミラー41と伝送する光の方向を変える偏向器52とハーフミラー16の組合せとして構成されている。ここで、偏向器52は、偏光ビームスプリッタ53と1/4波長板54,55,56と反射ミラー57,58と変調部15aの変調信号を受けて反射ミラー57を可動変位させる駆動機構59とにより構成されている。また、端末装置21側の光送信部26bの光源には直線偏光光を出射するものが用いられている。
【0078】
このような構成の光変調手段51によれば、反射ミラー57を駆動機構59によって微変動させることにより、端末装置21側の光受信部26aで受信させたり、受信させなかったりさせることができる。この場合の反射ミラー57の微変動は0.2°の半分程度で十分である。
【0079】
即ち、前述した実施の形態の如く、内部透過型の空間光変調器17等を用いた光変調手段19による場合には、所謂、液晶構造を利用したものであり、その変調速度は速くても数μ秒であり高速化への対応には限界がある。また、空間光変調器17を透過した光がコーナキューブミラー41等で反射されて戻ってくるまでの時間遅延や、光路的に2回通過することによる光利用効率の低下なども生じ得る。この点、基本的に、コーナキューブミラー41と伝送する光の方向を変える偏向器52との組合せによれば、コーナキューブミラー41は送信されてくる光信号の方向と同じ方向に返すことができるので、偏向器52によってその方向を少し偏向させることで、端末装置21の光受信部26aに受光させたり受光させないことを簡単に実現できる。ちなみに、本実施の形態等では、オフィス内で使用することを想定しており、例えば5m程度の伝送距離で、端末装置21の受光開口の大きさが仮に1cm程度であるとした場合でも、偏向器52によって0.2°程度(図22の構成による場合は、この半分程度)偏向させれば受光/非受光を分離でき、この偏向切換えで光受信部26aへの受信信号のオン・オフを制御することができる。
【0080】
本発明の第九の実施の形態を図23に基づいて説明する。本実施の形態も、請求項記載の発明に相当する。本実施の形態の光変調手段61は、コーナキューブミラー41と、このコーナキューブミラー41の一面の可動的とされたミラー面62による偏向器と、このミラー面62を微変動させる駆動機構63と、ハーフミラー16とにより構成されている。よって、本実施の形態によれば、ミラー面62を微変動させることにより、反射後の光ビームの方向を光受信部26aに向けたり外れたりするように切換えられる。
【0081】
本発明の第十の実施の形態を図24に基づいて説明する。本実施の形態も、請求項記載の発明に相当する。本実施の形態の光変調手段65は、コーナキューブミラー41と、このコーナキューブミラー41の大きさの半分でその片側前面に配設されて光路を折り曲げるプリズム状のミラー66と、このミラー66からの光を受ける可動的で偏向器となる反射ミラー67と、この反射ミラー67を微変動させる駆動機構68と、ハーフミラー16とにより構成されている。この場合、図示の如く、端末装置21側にあっては、光受信部26aが光送信部26bに隣接しているので、反射ミラー67の偏向角θは大きめに設定される。
【0082】
本実施の形態の場合、図示した1つのユニットに対する端末装置21側の位置の自由度が小さいので、多数個の小型化されたユニットを用いたシステムとするのがよい。この場合、そのユニットの向きを僅かながら異なるようにして光ハブ12に設置する。
【0083】
本発明の第十一の実施の形態を図25に基づいて説明する。本実施の形態は、請求項記載の発明に相当する。本実施の形態では光変調手段65において、ミラー66・反射ミラー67間に複数個のレンズの組合せによる集光光学系68が付加されている。これにより、反射ミラー67は格段に小型化されている。
【0084】
よって、本実施の形態によれば、反射ミラー67上に照射されるビーム径が小さくなり、反射ミラー67が小さくてよいため、この反射ミラー67の微変動させる変調駆動速度を高速化できる。例えば、シリコン基板を用いたマイクロマシニング技術で反射ミラー67に相当するマイクロミラーを作製すればよく、その大きさも半導体プロセスにより小さくできる。
【0085】
本発明の第十二の実施の形態を図26に基づいて説明する。本実施の形態は、請求項記載の発明に相当する。本実施の形態は、複数個のコーナキューブミラーを用いて構成される光変調手段におけるコーナキューブミラーの実装構造に関する。即ち、本実施の形態の光変調手段71は複数個(例えば、3個)のコーナキューブミラー41a,41b,41cと、対応するハーフミラー16a,16b,16cと、可動的に設けられた偏向器72とにより構成されているが、全てのコーナキューブミラー41a,41b,41cは偏向器72上に1列に配列されて搭載されている。
【0086】
このような構成において、偏向器72の変動(図面上は、変動状態を誇張して大きめに示しているが、現実には微変動でよい)によってコーナキューブミラー41全体(41a,41b,41c)を変動させることで、端末装置21A,21B,21Cから伝送されてくる光ビームを各々偏向させることができる。本実施の形態によれば、複数個のコーナキューブミラー41a,41b,41cを1つの偏向器72でまとめて駆動することにより、個々に変調駆動機構を設ける必要がなく、複数個のコーナキューブミラー41a,41b,41cを用いる場合でも光ハブ12の構成を簡易化できる。
【0087】
本発明の第十三の実施の形態を図27及び図28に基づいて説明する。本実施の形態は、請求項記載の発明に相当する。本実施の形態は、端末装置21における光送受信部81の開口径の大きさの適正条件を示すものである。その前提として、ここでは、コーナキューブミラー41を用いた場合の光変調手段(19等)の開口径d(この開口径dが端末装置21側からの光ビームが狙う窓となる)が、端末装置21から出射されるビーム光径の2倍よりも大きい場合で、コーナキューブミラー41の数が2個以下(このようなビーム光径の制約条件下では、3個のコーナキューブミラー41を跨ぐようなことはないためである)の場合とする。いま、端末装置21の光送受信部81の光送信部82の光学系の開口径をdt とし、その周囲に図28に示すようにパラボラ集光光学系83と受光レンズ84とによる光受信部85を配設し、開口径dt を含む光受信部85の光学系の開口径をDとしたとき、
3・dt ≦D≦2・d+dt
なる関係を満たすように開口径Dが設定されている。
【0088】
まず、図27(a)では、端末装置21側の光受信部85の光学系の開口径DをD=3・dt とした場合を示している。この大きさ関係では、光送信部82から送出されるビーム径φはdt と同じであると見做してよい。図示例では、コーナキューブミラー41で折り返された光ビームは受光用の開口径D内に収まっており、最適な状態にあるといえる。仮に、受光用の開口径がD′で示すように3・dt よりも小さければ、一部受光されない光が発生してしまい、十分な受光パワーが得られなくなってしまう。従って、受光用の開口径Dの下限条件は3・dt ≦Dとなる。
【0089】
次に、光送受信部81をやや上方にずらしていく(即ち、端末装置21が移動することと同義)と、次第に最適状態から外れ、端末装置21側の受光パワーが減少していく。この減少を補うには受光用の開口径Dを大きくすればよく、例えば、図27(b)に示すように、光送信部82の端部が開口径dの端部と一致した場合、図示の如く、受光用の開口径DをD=2・d−dt とすれば、効率よく受光できる。つまり、図27(b)に示す状態では、光送信部82の位置がコーナキューブミラー41による開口径d内であれば、全ての反射ビームを受光することが可能となる。さらに、光送受信部81を上方にずらすと、今度は、図27(c)に示すように2個目のコーナキューブミラー41に一部の光が伝送されることになる。この光をも受光するようにするためには、さらに受光用の開口径Dを大きくする必要がある。図27(c)の場合であれば、D=2・dで十分となっているが、光送受信部81の位置を少しでもずらすと、受光できない部分が生じてしまう。そこで、図27(d)に示すように、受光用の開口径DをD=2・d+dt とすれば、光送受信部81(従って、端末装置21)の位置がどのようにずれても、最適な光パワーを得ることができる。もっとも、開口径Dをこれ以上大きくしても3個以上のコーナキューブミラー41上では同時には光が伝送されないので、受光効率が変わることがない上に、受光デバイスの小型化が阻害されてしまう。従って、受光用の開口径Dの上限条件はD≦2・d+dt とするのがよく、これにより、端末装置21側の受光系の効率のよい設計が可能となる。
【0090】
本発明の第十四の実施の形態を図29に基づいて説明する。本実施の形態は請求項記載の発明に相当する。本実施の形態では、光ハブ12内の1個の光変調手段19に対して複数個、ここでは2個の端末装置21A,21Bが存在する場合を想定している。このような想定の下、本実施の形態では、光変調手段19中の光受信部20の直前位置に光学的減衰手段となる回転式のアッテネータ(光強度減衰器)85が介在されている。このアッテネータ85は減衰レベルを複数段階、ここでは2段階に可変し得るものが用いられている。
【0091】
このような構成において、図29は1個の光変調手段19と複数個の端末装置21A,21Bとの間で、リンクパルスの送受信を行なっている様子を示す。この場合、光ハブ12側の光受信部20は2個の端末装置21A,21Bの光送信部26bからの連続光を受光することになる。光ハブ12側の光受信部20は、一般に、フォトダイオード(光電変換素子)と電気的な増幅回路、比較回路などで構成されており(図2(b)等参照)、最終的には、デジタル信号として出力される。ここに、通常は最小の入力レベルに合わせるように比較器の閾値(スレッシュレベル)を決めておくので、複数の入射光が同時にあった場合にはフォトダイオードからの出力電流が増大してしまう。この状態でアップリンク動作に移行すると、送られてくるデータパルス信号に対して、比較器ではバイアス成分を持った信号が受信されるので、上記のように設定された閾値では間違った信号が出力されてしまう。この点、本実施の形態では、この光受信部20の直前にアッテネータ85が介在されているので、その減衰レベルを切換えることにより、光受信部20ら入射する光量は1つの入射光の場合と複数の入射光の場合とで一定に保たれる。よって、唯一の閾値で間違いのない信号を出力できる。実際には、端末装置21A,21Bを設置するときに、リンクテストを行なうと同時に、連続光によるレベルを調べることによりアッテネータ85の減衰レベルを設定する。また、この減衰レベルの設定(ここでは、2段階の減衰レベルを持つアッテネータ85を回転させる)は、端末装置21A,21B、…を設置又は追加するときにリモコン等の別の手段によって光ハブ12へそのレベル設定に関する指令を伝送させて行なうこともできる。
【0092】
本発明の第十五の実施の形態を図30に基づいて説明する。本実施の形態は請求項1記載の発明に相当する。本実施の形態では、光ハブ12内の1個の光変調手段19に対して1個の端末装置21が対応する場合を想定しており、光ハブ12内には、光受信部20の出力に基づき直接駆動されて所定の点灯表示を行なう表示手段91が付加されている。即ち、この表示手段91は表示用であるので、光受信部20の信号によって発光するような簡単な構成のものでよく、具体的には、可視光域のLED等がよい。なお、本実施の形態では、端末装置21側においても光受信部26aの出力に基づき直接駆動されて所定の点灯表示を行なう表示手段92が付加されている。
【0093】
従って、或る端末装置21と既に通信状態にあり、光受信部20が受信した場合にその出力により表示手段91が点灯表示するので、ユーザはその点灯表示を見ることにより、当該光変調手段19が使用中であることが判る。
【0094】
本発明の第十六の実施の形態を図31ないし図34に基づいて説明する。本実施の形態では、端末装置21側の光送信部26bにおける送信用光源には波長1550nmの半導体レーザ光を発するものが用いられ、かつ、光軸合わせ用のサーチ光源93が付加され、このサーチ光源93としては可視光域(例えば、780nm)の光を発する発光素子(LED)が用いられている。このサーチ光源93の点灯駆動はスイッチング回路94により制御される。95は1400nm以上の長波長光を透過させるとともにサーチ光源93からの可視光を光ハブ12側に偏向反射させる長波長透過ミラーである。
【0095】
一般に、波長800nm前後のLEDを用いて送信用とした場合、LEDは変調速度が遅いことから高速化には不向きであり、かつ、インコヒーレントな光であるため、十分な光パワーを利用できない等の不利な点があるため、多数個のLEDを用いなくてはならず、装置構成が大きくなってしまう。一方、波長800nm前後の光を半導体レーザにより射出させると、眼に対する安全性の点から、水晶体での集光作用による眼底での単位面積当たりの光強度が大きくなってしまうので、その発光出力が低く制限されている。逆に、1400nm以上の長波長域に対しては、眼底での光吸収率が短波長より小さいので、たとえ、この波長の光が眼底に到達しても、エネルギーの吸収量が小さいので問題とはならない。このような点を考慮すると、本実施の形態のように、送信用光源には波長1550nmの半導体レーザ光を用いることで、データ送信用としては大きなパワーを利用でき、高速変調も可能で、小型化の点でも有利となる。この場合、波長1550nmの半導体レーザ光だけでは眼に見えないのでユーザが端末装置21から光ハブ12に向けて光軸合わせを行なう場合に困難となり、手探り状態となるが、本実施の形態では、可視光を発するサーチ光源93を備えているので、その可視光を利用することで支障なく位置合わせを行なえる。但し、データ伝送用の光送信部26bの光軸に沿って照射パターン(ここでは、円形)が合致するようにして、光ハブ12での光変調手段19の開口19aに合わせることにより、自動的に長波長域のデータ伝送光が開口19aへ入射される。よって、本実施の形態によれば、光ハブ12と端末装置21との距離が変化しても可視光による照射パターンを見ながら位置合わせが可能となる。
【0096】
本発明の第十七の実施の形態を図35に基づいて説明する。本実施の形態は、前述した各実施の形態を集大成したシステム構成の概要を示すもので、光ハブ12には例えば図11等に示した光送信部(制御信号伝達手段)42が設置されている。本システムでは、この光送信部42から照射されるLED光のエリア内に存在する複数の端末装置21A,21B,21Cと通信を行なう。図示例では、端末装置21A,21Bは既に光ハブ12とリンクが成立しており、端末装置21Cについては光ハブ12をサーチしている様子を示している。即ち、端末装置21Cからのサーチ用の可視光により光ハブ12の未使用表示(図中、表示手段91に関して、○状態は使用中、●状態は未使用を示している)に対応する開口19aを狙うことによりリンクを確立させる。
【0097】
【発明の効果】
請求項1及び2記載の発明によれば、光アクセスステーションは、データの授受を行なう従来通りのステーション側トランシーバに加えて、光源の替わりに光変調手段とステーション側ゲート手段とを備え、端末装置側には光アクセスステーション側とのデータ伝送のやりとりを円滑に行なわせる端末側ゲート手段を備えることで、光アクセスステーション側に光源を用いず、かつ、光アクセスステーション側から端末装置側への光ビームの方向合わせを不要にしているので、光アクセスステーション側の低消費電力化を図りつつ高速データ伝送可能な光情報通信システムを構築できる。
【0098】
請求項3記載の発明によれば、光アクセスステーション側の光受信部で受信された場合には、その信号を直接複数個の光変調手段に送って、各端末装置へダウンリンクさせるようにしたので、光アクセスステーションへのアクセスの際の信号の衝突を防止することができ、信頼性の高い光情報通信システムを構築できる。
【0101】
請求項記載の発明によれば、複数個の端末装置に対して光変調手段が1個の場合に、複数個の端末装置からのアップリンクがあったときには、本データを送る前に送信要求信号を送ってその信号により光変調信号を生成して他の端末装置に送出することで、送信要求があることを知らせるようにしたので、光アクセスステーションへのアクセスの際の信号の衝突を防止することができ、信頼性の高い光情報通信システムを構築できる。
【0102】
請求項記載の発明によれば、光変調手段は、端末装置からの方向合わせを簡単な構成で実現できるコーナキューブミラーと高速変調が可能な光偏向器とを備えているので、光変調手段として簡易かつ高速化が可能となる。
【0103】
請求項記載の発明によれば、請求項記載の光情報通信システムの光変調手段は、コーナキューブミラーと光偏向器との間に集光光学系を有し、この集光光学系により収束状態の光信号を前記光偏向器により偏向させるようにしたので、光偏向器上での可動部分を小さくすることができ、高速化も可能となる
【0104】
請求項記載の発明によれば、請求項記載の光情報通信システムの光変調手段は、少なくとも複数個のコーナキューブミラーを有し、これらのコーナキューブミラーが光偏向器上に配設されているので、光変調手段を簡易化することができる。
【0105】
請求項記載の発明によれば、請求項記載の光情報通信システムにおいて、光変調手段の開口径dが端末装置から出射されるビーム光径の2倍より大きく、当該端末装置側の送信光学系の開口径dt の周囲に受信光学系の開口を配設し、この受信光学系の開口径をDとしたとき、
3・dt ≦D≦2・d+dt
なる関係を満たすので、伝送されるビーム径がコーナキューブミラーの開口径dの半分よりも小さい場合、端末装置における受光開口の開口径Dが必要な受光パワーを得るための必要最小限の大きさにて適正化でき、光アクセスステーションに対する設置自由度が大きくなる上に、効率のよい受光状態を得ることができる。
【0106】
請求項記載の発明によれば、光アクセスステーションは、光受信手段の直前に少なくとも2段階以上の減衰レベルを有する光学的減衰手段を備えるので、複数個の端末装置に対してそれ以下のステーション側の受光部を設定する場合に、複数個の光ビーム強度を光学的減衰手段によって光学的に減衰させることで、受信回路側の負担を少なくすることができる。
【0107】
請求項1記載の発明によれば、端末装置から光アクセスステーションの光受信手段に光信号が送信されている場合には表示手段により表示されるので、ユーザにとって使い勝手が向上する。
【0108】
請求項13記載の発明によれば、端末装置側の送信用の半導体レーザとは別に、光アクセスステーションとの位置合わせを行なうための可視光領域の波長の発光スペクトルを有する発光素子を備え、この発光素子により発光される光パターンの中心を半導体レーザのレーザ光の光軸に合わせて、ユーザが自己の端末装置の方向を光アクセスステーションの方向に合わせる際に、可視光領域の光を見ながら光変調手段の開口部へ合わせることができるので、ユーザが自己の端末装置を簡単に光アクセスステーションに合わせることができ、使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】光ハブと端末装置との方向が合っていない状態を示すシステム構成図である。
【図3】その方向調整後の状態を示すシステム構成図である。
【図4】前提となるイーサネット10BASE−10を示すシステム構成図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図6】その作用を示すシステム構成図である。
【図7】本発明の第三の実施の形態のリンクテスト動作を示すシステム構成図である。
【図8】そのダウンリンク時を示すシステム構成図である。
【図9】アップリンク時を示すシステム構成図である。
【図10】本発明の第四の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図11】本発明の第五の実施の形態の端末側発光停止時を示すシステム構成図である。
【図12】光ハブ側からダウンリンク信号を受信する状態を示すシステム構成図である。
【図13】光リンク確立直後を示すシステム構成図である。
【図14】ダウンリンク中を示すシステム構成図である。
【図15】本発明の第六の実施の形態のダウンリンク動作時を示すシステム構成図である。
【図16】そのリンクパルス時の動作を示すシステム構成図である。
【図17】端末側送信要求時を示すシステム構成図である。
【図18】キャリア検知時を示すシステム構成図である。
【図19】データ送受信時を示すシステム構成図である。
【図20】本発明の第七の実施の形態の端末側送信要求時を示すシステム構成図である。
【図21】その光リンク確立直後を示すシステム構成図である。
【図22】本発明の第八の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図23】本発明の第九の実施の形態を示す光変調手段を主体とした構成図である。
【図24】本発明の第十の実施の形態を示す光変調手段を主体とした構成図である。
【図25】本発明の第十一の実施の形態を示す光変調手段を主体とした構成図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図26】本発明の第十二の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図27】本発明の第十三の実施の形態のコーナキューブミラーと光送受信部との寸法関係を示す側面図である。
【図28】その光送受信部の構造を示す側面図である。
【図29】本発明の第十四の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図30】本発明の第十五の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図31】本発明の第十六の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図32】システム構成のイメージを示す斜視図である。
【図33】光送受信部を示す斜視図である。
【図34】その光送受信部の構造を示す側面図である。
【図35】本発明の第十七の実施の形態のシステム構成のイメージを示す斜視図である。
【図36】従来の一例をイメージ的に示し、(a)はシステム全体の斜視図、(b)はサテライト装置付近の斜視図、(c)は光源群の側面図である。
【図37】サテライトと端末装置との方向合わせを説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1 有線ネットワーク
12 光アクセスステーション
14 ステーション側トランシーバ
15 ステーション側ゲート手段
19 光変調手段
20 光受信部
21 端末装置
24a 端末側トランシーバ
26 光送受信部
27 端末側ゲート手段
41 コーナキューブミラー
51 光変調手段
52 偏向器
61 光変調手段
62 偏向器
65 光変調手段
67 偏向器
68 集光光学系
72 偏向器
81 光送受信部
85 光学的減衰手段
91 表示手段
93 発光素子

Claims (13)

  1. 有線ネットワークに接続され、複数の端末装置と光を用いて情報伝達を行う光アクセスステーションにおいて、
    前記有線ネットワークとのデータ授受を行なうステーション側トランシーバと、
    前記端末装置側から送信されてくる光信号を分割して変調及び反射させる光変調手段と、
    前記端末装置側から送信されてくる光信号の一部を受信する光受信手段と、
    これらの光変調手段や光受信手段と前記ステーション側トランシーバとの間でデータフレーム信号とその他の信号との入出力を制御するステーション側ゲート手段と
    を備えることを特徴とする光アクセスステーション
  2. 端末装置が送信した光信号を、光アクセスステーション内の光受信手段、ステーション側トランシーバ又はステーション側ゲート手段を経由して送信されてくる信号に基づき光変調手段により変調して折り返すことで当該端末装置に伝送させるとともに、前記端末装置が発光させた光信号の一部を前記光受信手段で受信して、ステーション側ゲート手段とステーション側トランシーバを経由して有線ネットワークへ送信させることを特徴とする請求項1記載の光アクセスステーション
  3. なくとも複数個の光変調手段を有し、光受信手段で受信する信号これらの複数個の光変調手段により変調して折り返すことで端末装置に伝送させることを特徴とする請求項1又は2記載の光アクセスステーション
  4. 光アクセスステーションの1つの光変調手段に対して複数個の端末装置を割り当てて、1つの端末装置からの光信号を前記光受信手段で受信し、前記光アクセスステーションの光受信手段で受信した前記光信号を前記光変調手段で変調し、他の端末装置へ伝送させることを特徴とする請求項1ないしの何れか一に記載の光アクセスステーション
  5. 光変調手段は、コーナキューブミラーと伝送する光の方向を変える光偏向器とを備えることを特徴とする請求項1ないしの何れか一に記載の光アクセスステーション
  6. 光変調手段は、コーナキューブミラーと光偏向器との間に集光光学系を有し、この集光光学系により収束状態の光信号を前記光偏向器により偏向させることを特徴とする請求項記載の光アクセスステーション
  7. 光変調手段は、少なくとも複数個のコーナキューブミラーを有し、これらのコーナキューブミラーが光偏向器上に配設されていることを特徴とする請求項記載の光アクセスステーション
  8. 光変調手段の開口径dが端末装置から出射されるビーム光径の2倍より大きく、当該端末装置側の送信光学系の開口径dt の周囲に受信光学系の開口を配設し、この受信光学系の開口径をDとしたとき、
    3・dt ≦D≦2・d+dt
    なる関係を満たすことを特徴とする請求項記載の光アクセスステーション
  9. 光アクセスステーションは、光受信手段の直前に少なくとも2段階以上の減衰レベルを有する光学的減衰手段を備えることを特徴とする請求項1ないしの何れか一に記載の光アクセスステーション
  10. 光アクセスステーションは、少なくとも複数個の光受信手段を有し、これらの光受信手段で受信される各端末装置からの光信号に基づき点灯表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1ないしの何れか一に記載の光アクセスステーション
  11. 有線ネットワークに接続され、光アクセスステーションと光を用いて情報伝達を行う端末装置であって、
    前記光アクセスステーションに向けて光信号を送信するとともに、その戻り光信号を受信する光送受信手段と、
    情報処理装置とのデータ授受を行う端末装置側トランシーバと、
    これらの光送受信手段と端末装置側トランシーバとの間でデータフレーム信号とその他の信号との入出力を制御する端末装置側ゲート手段と
    を備えることを特徴とする端末装置。
  12. 光アクセスステーションとの双方間のリンク接続を確認するために送出される信号を端末装置側ゲート手段で折り返し、かつ、当該端末装置の光送受信手段から発光され、光アクセスステーションで折り返された光信号を当該端末装置側の光送受信手段で受光させることを特徴とする請求項1記載の端末装置
  13. 送受信手段に1400nm以上の波長域を有する半導体レーザと可視光領域の波長を有する発光素子とを備え、前記発光素子の発光パターンの中心を前記半導体レーザの光軸に合わせて配設し、前記発光素子からの光を光アクセスステーションに照射させることを特徴とする請求項11又は12に記載の端末装置
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