JP3661173B2 - 両眼視訓練装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両眼視訓練装置に関し、例えば、斜視矯正訓練等に用いて好適な両眼視訓練装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像表示装置の小型化に伴い、頭部装着型画像表示装置(Head Mounted Display)等の小型の表示装置を応用した視機能訓練装置(視力訓練装置、および両眼視機能訓練装置)が考案されている。本出願人は、先に両眼視機能訓練装置(特願平7−39143)を出願した。これは、訓練用視標として動画を表示させることにより、患者が楽しみながら訓練を行うことができるようにしたものである。
【0003】
健常人が所定の対象物を見る場合、両眼の視線は対象物上で一致する。しかしながら、斜視の場合、正常な一方の眼(健眼)の視線のみが対象物を固視し、他方の眼(患眼)の視線が対象物からずれる。
【0004】
このように、斜視の場合、一方の眼の視線が対象物からずれるため、両眼の網膜のそれぞれに結像された網膜像を、脳によって融像することができない。そのため、両眼のそれぞれに結像された2つの像が別々に認識される所謂「複視」、または、健眼の網膜に結像した対象物だけが脳内で認識され、患眼の網膜に結像された像が見えなくなる(消される)所謂「抑制」の状態となる。
【0005】
抑制が生じた場合、抑制眼(患眼)は使用されなくなるため、患眼の視力が低下する。この状態を放置しておくと、視力の低下が進行し、ひいては視力回復が困難になる場合があるため、早期に斜視矯正を行うことが重要であると言われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1回の訓練でも、同一の視標を同一の動きで何度も繰り返していたのでは、集中力(熱中度)が低下してしまう場合がある課題があった。
【0007】
また、患眼での視覚情報が脳に知覚されない「抑制」が部分的にかかる斜視患者の場合、訓練中に、一部の視標が見えなくなる場合がある。例えば、患眼用の視標が患眼に対して、視界の外側から、内側に移動する場合、視標が所定の角度から内側に移動したとき、視標が見えなくなる。すなわち、抑制がかかり、視標を知覚することができなくなる。その場合、どこから視標が消えたかを正確に自覚することが困難である課題があった。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、訓練に対する飽きを抑制し、集中力を維持しながら、楽しく訓練を行うことができ、抑制がかかる場合でも、簡単に訓練の達成度を把握することができるようにするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項に記載の両眼視訓練装置は、所定の画像を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された画像の所定のものを選択する選択手段と、電気的に制御され、画像を表示する複数の表示手段と、表示手段のそれぞれに互いに異なる画像を表示させる制御手段と、所定の音色の音を出力する出力手段と、表示手段に表示された画像の表示位置に基づいて、出力手段から出力される音の音色を変化させる変化手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、表示手段を頭部に装着させる装着手段をさらに設けるようにすることができる。
【0015】
請求項に記載の両眼視訓練装置は、所定の画像を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された画像の所定のものを選択する選択手段と、電気的に制御され、画像を表示する複数の表示手段と、表示手段のそれぞれに互いに異なる画像を表示させる制御手段と、所定の音場を構築する音場構築手段と、表示手段に表示された画像の表示位置に基づいて、音場構築手段によって構築される音場を変化させる変化手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、表示手段を頭部に装着させる装着手段をさらに設けるようにすることができる。
【0019】
請求項に記載の両眼視訓練装置においては、選択手段により、記憶手段に記憶された画像の所定のものが選択され、制御手段の制御により、複数の表示手段のそれぞれに互いに異なる画像が表示され、変化手段の制御により、表示手段に表示された画像の表示位置に基づいて、出力手段から出力される音の音色が変化する。従って、表示手段に表示された画像の表示位置に対応する所定の音色の音を出力させることができる。
【0020】
請求項に記載の両眼視訓練装置においては、選択手段により、記憶手段に記憶された画像の所定のものが選択され、制御手段の制御により、複数の表示手段のそれぞれに互いに異なる画像が表示され、変化手段の制御により、表示手段に表示された画像の表示位置に基づいて、音場構築手段によって構築される音場が変化する。従って、表示手段に表示された画像の表示位置に対応する所定の音場を構築することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を応用した据え置き型訓練装置の一実施例の構成を示す外観図である。この実施例においては、本体50を構成する、所定の視標(斜視訓練用の画像)を表示する表示部1(表示手段)が、後述するモニタ8を有する部分から上部に延びた支持部7により支持されている。支持部7は、可変に構成されており、表示部1の位置と向きを変えることができるようになされている。
【0022】
額パッド2および顎パッド3は、被訓練者(患者)の頭部を固定する。アイキャップ4a,4bは、患者の左右の眼にそれぞれ対応し、外乱光が眼に照射されることを防止するようになされている。スピーカ5a,5b(音場構築手段)は、患者の左右の耳にそれぞれ位置し、所定の音を出力するようになされている。モニタ8は、表示部1内に設けられた後述する表示パネル13a,13bのそれぞれに表示された視標と同一のものを重ね合わせて表示するようになされている。スピーカ6は、モニタ8に表示された視標に対応して、所定の音を出力するようになされている。
【0023】
図2は、表示部1の詳細な構成例を示している。表示部1の内部には、所定の視標を実際に表示する例えば液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等からなる左右の眼にそれぞれ対応した表示パネル13a,13bがその上部に設けられ、そこからの光が、ハーフミラー(または、鏡でもよい)14a,14bによりそれぞれ反射され、光学系15a,15bを介して患者の左右の眼にそれぞれ入射するようになされている。光学系15a,15bは、表示パネル13a,13bにそれぞれ表示された視標を拡大するようになされている。従って、患者は、拡大された視標の虚像を見ることになる。
【0024】
表示部1の一方の側面には、患者が訓練に集中することができ、かつ表示パネル13a,13bに表示された画像を患者が十分な明るさで見ることができるように、外界からの光を遮るアイキャップ4a,4bが左右の眼に対応して設けられている。このアイキャップ4a,4bは、プリズムレンズや視力矯正レンズを装着することができるようになっている。従って、患者は、プリズムレンズまたは視力矯正用レンズにより斜視角、若しくは視力、またはその両方を矯正した上で、斜視訓練を行うことができる。
【0025】
また、表示部1の他方の側面には、左右2つの覗き窓16a,16bが設けられている。従って、訓練者は覗き窓16a,16bからハーフミラー14a、14bを通して、患者の眼の動きを観察することができ、患者が実際に訓練することができているか、あるいはおかしな動きをしていないかどうかを肉眼により確認することができる。
【0026】
眼観察モニタ9は、表示部1内に設けられた2つの表示パネル13a,13bのそれぞれに表示された視標と同一のものを、左右別々に表示するようになされている。また、ファンクションモニタ10は、設定値、または表示部1への視標の表示方法等の訓練概要を、分かりやすいグラフにより表示し、また、後述する訓練モード設定部21を備え、所定の設定値を入力することができるようになされている。
【0027】
患者入力装置11は、患者が表示パネル13a,13bに表示された所定の視標を動かしたり、あるいは知覚内容、識別結果等のデータを入力することができるようになされている。
【0028】
図3は、上記実施例の詳細な構成を示すブロック図である。訓練モード設定部21は、訓練モードの設定を行うことができるようになされている。訓練記憶部22は、視標記憶部23(記憶手段)、訓練モード記憶部26、ガイド用記憶部27、訓練結果記憶部28、時計29、および音声信号記憶部30より構成されている。
【0029】
視標記憶部23はさらに患眼用視標記憶部24と健眼用視標記憶部25より構成され、患眼用視標記憶部24は、患眼用の視標、例えば「檻」の絵、または写真に対応するデータを記憶する。また、健眼用視標記憶部25は、健眼用の視標、例えば「ライオン」の絵、または写真に対応するデータを記憶するようになされている。
【0030】
訓練モード記憶部26は、訓練モード設定部21により設定された所定の訓練モードを記憶する。また、ガイド用記憶部27は、訓練を行うに際しての実施説明、動機付けを行うための画像、および音声等を記憶する。
【0031】
訓練結果記憶部28は、後述する患者入力部42より入力された訓練結果に対応する所定のデータを記憶するようになされている。また、時計29は、時刻を計時し、所定の時間間隔で、所定のタイミング信号を発生し、訓練結果記憶部28に供給するようになされている。従って、訓練結果記憶部28は、所定の訓練結果を、時刻または日時に対応させて記憶することができる。また、音声信号記憶部30は、所定の音声信号を記憶し、出力するようになされている。
【0032】
視標呈示処理演算部31(選択手段、変化手段)は、視標記憶部23より読み出した所定の画像データに所定の処理を施した後、後述する画像構築部35に供給するようになされている。また、視標呈示処理演算部31を構成する比較部32は、患者入力部42より入力された所定の情報と、表示パネル13a,13bに表示された画像情報の比較を行うことが可能である。また、スケール呈示処理演算部33は、左右の表示パネル13a,13bのそれぞれにスケールを表示する。信号出力部34は、視標呈示処理演算部31からの所定の出力信号を、外部に接続された機器に出力するようになされている。
【0033】
画像構築部35は、患眼用画像構築部36と健眼用画像構築部37からなり、患眼用画像構築部36は、視標呈示処理演算部31より供給された所定のデータから、患眼用の画像を構築し、対応する画像データを後述する表示パネル制御部38(制御手段)に出力する。また、健眼用画像構築部37は、視標呈示処理演算部31より供給された所定のデータから、健眼用の画像を構築し、対応する画像データを表示パネル制御部38に出力する。
【0034】
表示パネル制御部38は、患者の左眼が患眼であり、右眼が健眼である場合、画像構築部35より供給された患眼用の画像データを表示部1の左眼用表示パネル13aに供給し、画像構築部35より供給された健眼用の画像データを表示部1の右眼用表示パネル13bに供給するようになされている。患者の右眼が患眼であり、左眼が健眼である場合には、患眼用の画像データを右眼用表示パネル13bに供給し、健眼用の画像データを左眼用表示パネル13aに供給する。また、表示パネル制御部38は、後述する画像出力部41に上記画像データを出力する。
【0035】
画像入出力部39は、外部画像入力部40と画像出力部41より構成され、外部画像入力部40を介して、そこに接続された外部機器から所定の画像データを入力し、それを表示パネル制御部38に供給する。また、画像出力部41は、表示パネル制御部38より供給された画像データを、そこに接続された外部機器に出力するようになされている。
【0036】
患者入力部42は、患者が視標の動きを操作したり、所定の知覚内容や、識別結果を入力する場合に用いられる。音声制御部43は、表示パネル13a,13bに表示された視標の表示位置などに対応して、所定の音声の発生を制御し、音声信号記憶部30に記憶されている音声データを読み出し、所定の音声を出力したり、後述する外部音声入力部45より入力された所定の音声信号を、音声信号記憶部30に記憶させるようになされている。
【0037】
音声入出力部44は、外部音声入力部45と音声出力部46より構成され、外部音声入力部45は、そこに接続された外部機器より、所定の音声を入力し、それを音声制御部43を介して音声信号記憶部30に供給する。また、音声出力部46は、左用音声出力部46aと右用音声出力部46bからなり、音声制御部43を介して、音声信号記憶部30より入力された音声信号を、そこに接続されたスピーカ5a,5bにそれぞれ供給するようになされている。したがって、左用音声出力部46aと右用音声出力部46bから出力される音声の大きさ等を調整することにより、立体音を発生することができる。
【0038】
電源部47は、各部に電流を供給するようになされている。
【0039】
次にその動作を説明する。まず、この実施例を用いて、振動法による抑制除去訓練を行う場合について説明する。訓練者は、最初、訓練モード設定部21により、患者の抑制眼が左右のいずれであるかを入力する。次に、これから行おうとする訓練の方法、視標の大きさ、斜視角、および視標の点滅の有無を設定する。視標を点滅させる場合は、点滅時間と点滅間隔も設定する。さらに、視標の輝度、視標の動き、即ち、視標の移動範囲や移動速度、および訓練の繰り返し回数等を設定する。
【0040】
これらのパラメータは、訓練法、斜視眼、および斜視角等の最低限の情報を設定することにより、他の設定事項が自動的に設定されるようにすることができる。これにより、設定時の操作を簡便にすることができる。
【0041】
また、一旦設定された訓練に関する設定値に対応するデータは、訓練記憶部22の訓練モード記憶部26に供給され、記憶される。従って、次回、同様の訓練を行うような場合、訓練モード記憶部26に既に記憶された設定値を読み出し、その設定値に従って所定の訓練を行うようにすることができる。その結果、訓練を行う際の設定操作をさらに簡便にすることができる。
【0042】
ここで、訓練モード設定部21より、視標の動き、または位置を設定する場合、患者の眼を中心として、左右上下、どの角度方向に視標が表示されるかを示す視角を設定する方法を採用した。これは、表示パネル13a,13bへの視標の表示は、表示パネル13a,13b上の2次元座標位置によって、最終的にコントロールされるが、斜視矯正訓練の場合、視標が患眼からどの角度方向に表示されるかが重要とされるからである。
【0043】
上述したように、訓練モード設定部21より入力された設定値に対応するデータは、一旦、訓練記憶部22の訓練モード記憶部26に記憶された後、視標呈示処理演算部31に供給される。視標呈示処理演算部31は、訓練モード記憶部26より供給された設定値に従って、訓練記憶部22の視標記憶部23に記憶されている、例えば抑制除去訓練用の視標を読み出す。
【0044】
即ち、まず、患眼用視標記憶部24に予め記憶されている患眼用の所定の視標に対応する画像データ、例えば「ライオン」に対応する画像データを読み出し、次に、健眼用視標記憶部25に予め記憶されている健眼用の所定の視標に対応する画像データ、例えば「檻」に対応する画像データを読み出す。
【0045】
次に、視標呈示処理演算部31は、読み出した画像データである「ライオン」と「檻」が、訓練モード記憶部26より供給された設定値に従った動き(表示位置の変化)を行うように、所定の画像データを作成する。この画像データは、画像構築部35に供給される。
【0046】
画像構築部35の患眼用画像構築部36においては、視標呈示処理演算部31より供給された画像データに対応する視標(この場合「ライオン」の画像)が、表示パネル13a、または13bにおいて、指定された位置に表示されるよう、所定の一枚の画像信号が構築される。同様にして、健眼用画像構築部37において、視標呈示処理演算部31より供給された画像データに対応する視標(この場合「檻」の画像)が、表示パネル13aまたは13bにおいて、指定された位置に表示されるよう、所定の一枚の画像データが構築される。
【0047】
このようにして構築された画像データは、表示パネル制御部38において、左右の表示パネル13a,13bに対する割付処理等が行われ、例えば、患眼用の画像である「ライオン」は、右眼用表示パネル13bに表示され、健眼用の画像である「檻」は、左眼用表示パネル13aに表示される。
【0048】
視標呈示処理演算部31より、画像構築部35に供給された上述したような画像データが、表示パネル制御部38を介して表示部1に供給され、対応する視標が表示される一連の処理は、瞬時に行われるようになされているため、表示パネル13a,13bに、訓練者の設定通りに視標が動く動画を表示することができる。
【0049】
従って、従来、訓練者が、大型弱視鏡の鏡筒を手で操作することにより、視標を斜視角を中心にして数度だけ移動させたり、一定の斜視角を保ったまま、視標を左右に動かしたり、あるいは視標を上下左右に動かしていたのであるが、上述したように、表示パネル13a,13bに表示した視標の位置を、瞬時に変えることにより、動画を表示することができるので、視標を斜視角を中心にして所定の角度だけ左右に移動させたり、視標を左右に移動させる角度を制限したり、一定の角速度で視標を上下左右に動かしたり、斜視角を一定に保ったまま、視標を左右に移動させたり、あるいは、点滅させたりすることが簡単にできる。
【0050】
また、患者が患者入力装置11を操作することにより、表示部1に表示させた視標を移動させるようにすることもできる。この場合の上記実施例の動作を、視標として「蝶」と「網」を用いた「抑制除去訓練・追いかけ法」を例にして説明する。
【0051】
まず、訓練者は、訓練モード設定部21により、抑制眼を例えば「右」に設定し、訓練法として「抑制除去・追いかけ法」を設定する。次に、視標の大きさを設定し、さらに、訓練時間、その他必要なパラメータを設定する。訓練モード設定部21により、所定のパラメータの設定が終了すると、設定されたパラメータに対応するデータが、訓練モード記憶部26に供給され、記憶されるとともに、視標呈示処理演算部31に供給される。
【0052】
視標呈示処理演算部31に訓練モード設定部21により設定されたパラメータに対応する所定のデータが供給されると、視標呈示処理演算部31は、最初に、視標記憶部23の健眼用視標記憶部25より、健眼用の視標としての「蝶」に対応する画像データを読み出す。次に、患眼用視標記憶部24より、患眼用の視標としての「網」に対応する画像データを読み出す。
【0053】
視標呈示処理演算部31により読み出された、「蝶」および「網」のそれぞれに対応する画像データは、そこで、所定の視標呈示処理演算が施される。即ち、「蝶」の大きさ、輝度等を、所定の大きさ、または輝度値に変換するために、対応する画像データが加工されるとともに、「蝶」が表示部1に表示された場合に、「蝶」の動きが連続したランダムな動きになるように、例えば「蝶」の表示を制御する制御用データがプログラムされる。
【0054】
次に、視標呈示処理演算部31において加工された「蝶」に対応する画像データと制御用データは、健眼用画像構築部37に供給され、例えば、内蔵するメモリの、表示部1の左眼用表示パネル13aの制御用データに基づいて決定された所定の位置に対応するアドレスにコピーされる形で、所定の動画の元となる一枚一枚の画像に対応する画像データがそれぞれ構築される。
【0055】
一方、視標呈示処理演算部31により、患眼用視標記憶部24より、患眼用の視標として読み出された「網」に対応する画像データは、視標呈示処理演算部31において、「網」の画像の大きさ、輝度等を所定の大きさ、または輝度値に変換するために加工される。また、患者入力部42に接続された患者入力装置11に備えられたジョイスティック12を用いて、患者により入力された所定の動き情報が、表示部1の右眼用表示パネル13b上における「網」の表示位置の変化情報に変換され、視標呈示処理演算部31に供給される。
【0056】
視標呈示処理演算部31は、「網」の右眼用表示パネル13b上における表示位置の変化情報に基づいて、「網」に対応する画像データの表示パネル13b上における表示位置を指示する制御用データが作成され、画像構築部35に供給される。
【0057】
画像構築部35においては、視標呈示処理演算部31より供給された所定の視標に対応する画像データ、および制御データに基づいて、右眼用表示パネル13bに表示する画像データが構築される。その結果、患者によるジョイスティック12の操作に対応して、「網」が表示パネル13b上の所定の位置に表示される。即ち、患者の指示に従って視標が動くように制御される。
【0058】
このようにして、患者は、左眼用表示パネル13a上に表示されたランダムに動く健眼用の視標である「蝶」に、右眼用表示パネル13b上に表示された患眼用の視標である動かせる「網」が重なって見えるように、ジョイスティック12を操作して、「網」を「蝶」の方に動かすようにすることにより、ゲーム感覚で訓練を行うことができる。
【0059】
さらに、視標呈示処理演算部31には、比較部32が設けられており、患者入力部42より入力された所定の情報、例えば、表示パネル13bに表示された「網」の表示位置に対応するデータと、表示パネル13aに表示された「蝶」の表示位置に対応するデータとの比較を行うことができる。
【0060】
従って、患者の努力によって、「網」が「蝶」を捕らえた場合、比較部32によりそのことが認識され、例えば、音声制御部43に対して、所定の音声を出力するように指示する制御信号が供給される。音声制御部43は、比較部32より供給された制御信号に従って、音声信号記憶部30より、所定の音声データを読み出し、それを音声出力部46に出力する。
【0061】
あるいは、患者の努力によって、「網」が「蝶」を捕らえた場合、比較部32は、そのことを認識すると、表示パネル制御部38に対して、表示パネル13a,13bの背景色を変えるように指令するようにすることもできる。表示パネル制御部38は、比較部32からの指令に従って、表示パネル13a,13bの背景色を変化させる。
【0062】
これにより、患者は、「蝶」に「網」を重ねるというこの訓練の目標が達成されたことを認識することができる。
【0063】
また、訓練中、表示パネル13a,13b上に表示された視標が移動する場合において、患者の患眼(この場合右眼)に抑制がかかり、視標が消えて(見えなくなって)しまったようなとき、その時点で、患者が、患者入力部42の所定の釦を押すことにより、その時点における視角(視標角度(患者の向いている正面の方向と、画像と患者の眼球を結ぶ線とのなす角度))に対応するデータを、訓練結果記憶部28に記憶させることができる。あるいは、その時点における視角に対応するデータを音声制御部43に供給し、視角に対応する所定の音声を音声出力部46に出力させ、患者、訓練者または医師に伝えるようにすることもできる。
【0064】
従って、訓練結果記憶部28に記憶されたデータを読み出し、参照することにより、患者、訓練者、および医師が、日々の訓練の成果を比較、検討することができる。
【0065】
また、訓練結果記憶部28に所定の訓練結果等のデータを記憶させる場合、訓練モードの設定や、訓練の設定値等の訓練設定の概要、および訓練判定結果等を、時計29により計時された日時に基づいて、訓練実施時刻、実施時間、および実施日時に対応づけて記憶させるようにすることができる。
【0066】
従って、訓練結果記憶部28に記憶されたこれらの情報を比較参照することにより、訓練者、医師、および患者自身が、訓練の効果を含めた訓練の妥当性、訓練の経過、または訓練の経時的な成果を認識することができる。
【0067】
また、同時視訓練として、例えば、患者の健眼には、2人の人間が写された絵を呈示し、患眼には3人の人間(前記2人および他の1人)が写された絵を呈示する。そして、患者に、知覚された人間の人数を患者入力装置11により入力させる。そして、視標呈示処理演算部31により、正解であるか否かが判定され、正解であれば音声出力部46に所定の音声を出力させるようにする。このようにして、患者が、ゲーム感覚で訓練を行うようにすることができる。
【0068】
この例では、患眼用の視標を、その呈示角度に拘らず「ライオン」や「網」の画像としたが、視標の呈示角度に対応して、視標の絵柄を変化させるようにすることができる。例えば、図4に示すように、視標呈示角度が外側に10度前後であるとき「鼠」、視標呈示角度が5度前後のとき「牛」、視標呈示角度が0度前後のとき(ほぼ正面のとき)「寅」、視標呈示角度が内側に5度前後のとき「兎」、視標呈示角度が内側に10度前後のとき「辰」を表示するようにすることができる。
【0069】
これにより、例えば、患眼の視覚情報が脳で知覚されない「抑制」が視野の一部分にかかる斜視の場合であったとしても、どの視標まで知覚できたかを容易に自覚することができ、訓練の進捗度を患者自身および医師等の訓練者が把握することができる。
【0070】
例えば、視界外側から内側に移動する患眼の視標に対して、所定の角度より内側になった場合に、患眼の視標が見えなくなる(知覚できなくなる/抑制がかかる)とき、どこから視標が消えたかを自覚することは困難である。そこで、表示パネル13a,13bに視標として例えば十二支の中の動物の絵を表示し、表示パネル上での視標呈示角度の変化に対応して、表示する絵を「鼠(子)」、「牛(丑)」、「虎(寅)」、「兎(卯)」、「竜(辰)」というように変化させるようにする。
【0071】
すなわち、訓練モード設定部21において予め視標の動き等の設定値が入力され、その設定値に対応するデータが訓練モード記憶部26に記憶されている場合、視標呈示処理演算部31は、訓練モード記憶部26に記憶されているデータに基づいて、表示パネル13a,13bに表示する視標の角度を設定する。次に、患眼用視標記憶部24より、この角度に対応する視標のデータを読み出し、画像構築部35に供給する。
【0072】
画像構築部35の患眼用画像構築部36は、視標呈示処理演算部31より供給された視標のデータから、患眼用の画像を構築し、対応する画像データを表示パネル制御部38に出力する。表示パネル制御部38は、患者の左眼が患眼であり、右眼が健眼である場合、患眼用画像構築部36から供給された画像データを表示部1の左眼用の表示パネル13aに供給する。患者の右眼が患眼であり、左眼が健眼である場合、患眼用画像構築部36から供給された画像データを表示部1の右眼用の表示パネル13bに供給する。これにより、表示パネル13aまたは13bに、所定の視標角度で、患眼用の所定の視標が表示される。
【0073】
同様にして、表示パネル13aまたは13bに、訓練モード記憶部26に記憶されている設定値に従って、次の視標呈示角度で、その角度に対応する視標が表示される。その結果、視標が表示パネル13a,13b上を移動するのに伴って、視標として表示される絵は、視標呈示角度に対応して変化することになる。
【0074】
したがって、患者は、視標を眼で追いながら、どの絵まで見えたかを認識することによって、訓練の達成度を自覚することができる。例えば、「兎」まで見えたとき、「兎」に対応する角度まで、抑制がかからなかったことを認識することができる。同様に、「辰」まで見えたとき、「辰」に対応する角度まで、抑制がかからなかったことを認識することができる。つまり、訓練の成果が患者自身にフィードバックされるフィードバック型の訓練を行うことができる。
【0075】
ここでは、視標として、視標呈示角度に対応した十二支の動物を表示するようにしたが、図4に示したように、視標として、視標呈示角度に対応した大きさを有する所定の図形や絵等を表示するようにしたり、あるいは、視標の色を、視標呈示角度に対応して変化させるようにすることも可能である。
【0076】
また、患者が患者入力装置11を操作することにより、表示部1の表示パネル13aまたは13bに表示させた視標を移動させるようにすることもできる。患者が患者入力部42に接続された患者入力装置11のジョイスティック12を操作すると、この操作に対応した所定のデータが、患者入力部42において、表示部1の表示パネル13a上における視標の表示位置の変化情報に変換され、視標呈示処理演算部31に供給される。
【0077】
視標呈示処理演算部31においては、視標の右眼用表示パネル13aまたは13bにおける表示位置の変化情報に基づいて、視標の表示パネル13aまたは13b上における表示位置を指示する制御用データが作成され、画像構築部35に供給される。画像構築部35においては、視標呈示処理演算部31より供給された所定の視標に対応する画像データが構築される。その結果、患者によるジョイスティック12の操作に対応して、ジョイスティック12によって指示された視標呈示角度に対応した所定の視標が、表示パネル13aまたは13bの所定の位置に表示される。すなわち、患者の指示に従って視標が移動するように制御される。
【0078】
このようにして、患者は、表示パネル13aまたは13b上に、図4に示したような絵や図形などの視標を、その絵の種類、大きさ、または色を呈示角度に従って変化させながら表示させることができる。
【0079】
これにより、患者は、自分で視標の呈示角度を変化させながら、自分のペースで、訓練を行うことができる。抑制がかかる場合には、上述したように、十二支の動物のうち、どの動物の絵まで見えたかによって、患者自身が容易に訓練の達成度を認識することができる。また、視標呈示角度に従って、視標の大きさや色を変化させることにより、どの大きさ、またはどの色の視標まで見えたかによって、患者自身が容易に訓練の達成度を認識することが可能である。
【0080】
このように、ジョイスティック12を用いて視標を移動させる場合においても、視標の動きを予め訓練モード設定部21により設定した場合と同様に、患者は、視標を眼で追いながら、どの絵まで見えたかを認識することによって、訓練の達成度を自覚することができる。例えば、「兎」まで見えたとき、「兎」に対応する角度まで、抑制がかからなかったことを認識することができる。同様に、「辰」まで見えたとき、「辰」に対応する角度まで、抑制がかからなかったことを認識することができる。つまり、訓練の成果が患者自身にフィードバックされるフィードバック型の訓練を行うことができる。
【0081】
次に、患眼用の視標を表示パネル13aに表示させるとともに、視標呈示角度に対応する所定の音声を音声出力部46から出力させる場合について説明する。この場合、患者の患眼は左眼であるとして以下説明するものとする。
【0082】
訓練モード設定部21において予め視標の動き等の設定値が入力され、その設定値に対応するデータが訓練モード記憶部26に記憶されている場合、視標呈示処理演算部31は、訓練モード記憶部26に記憶されているデータに基づいて、表示パネル13aに表示する視標の角度を設定する。次に、訓練モード記憶部26に記憶されている患眼用視標記憶部24より、この角度に対応する視標のデータを読み出し、画像構築部35に供給する。
【0083】
画像構築部35の患眼用画像構築部36は、視標呈示処理演算部31より供給された視標のデータから、患眼用の画像を構築し、対応する画像データを表示パネル制御部38に出力する。表示パネル制御部38は、この場合、患者の左眼が患眼であり、右眼が健眼であるから、患眼用画像構築部36から供給された画像データを表示部1の左眼用の表示パネル13aに供給する。これにより、表示パネル13aに、所定の視標角度で、患眼用の所定の視標が表示される。
【0084】
同様にして、表示パネル13aに、訓練モード記憶部26に記憶されている設定値に従って、次の視標呈示角度で、その角度に対応する視標が表示される。その結果、視標が表示パネル13a上を移動するのに伴って、視標として表示される絵の種類が視標呈示角度に対応して変化することになる。
【0085】
一方、視標呈示処理演算部31は、表示パネル13aに表示した視標の呈示角度に対応する所定の制御信号を音声制御部43に供給する。音声制御部43は、この信号に基づいて音声信号記憶部30から読み出した所定の音声信号を所定の関数を用いて、視標呈示角度の方向に音源が存在するように、すなわち、その視標呈示角度の方向から、所定の音が聞こえてくるように加工し、音声出力部46に供給する。この信号は、左用音声出力部46aに対する信号と、右用音声出力部46bに対する信号とからなる。
【0086】
左用音声出力部46aは、音声制御部43からの信号を増幅するなどした後、所定の大きさの音声を出力し、右用音声出力部46bは、音声制御部43からの信号を増幅した後、所定の大きさの音声を出力する。例えば、視標が表示パネル13aの外側、この場合、表示パネル13aの左側に表示されている場合、図5(a)に示したように、視標呈示角度と同一の方向の眼から所定の距離のところに、音源があるように、左用音声出力部46aおよび右用音声出力部46bからそれぞれ所定の大きさ、および所定の音色の音声が出力される。
【0087】
左用音声出力部46aからの出力信号は、患者の左耳に装着されるスピーカ5aに供給され、右用音声出力部46bからの出力信号は、患者の右耳に装着されるスピーカ5bに供給される。スピーカ5aから出力される音声の大きさは、スピーカ5bから出力される音声の大きさに比較して大きくなるように制御され、また、スピーカ5aから出力される音の音色は、スピーカ5bから出力される音の音色より近くにあるように感じるような音色に制御される。その結果、患者は、図5(a)で示された位置に音源があるように認識する。
【0088】
同様に、視標が患者の左眼(患眼)に対してほぼ正面に表示されているとき、視標呈示処理演算部31からの制御信号に従って、音声制御部43は、音源からの所定の音声が患眼のほぼ正面から聞こえるように、音声信号記憶部30から読み出した所定の音声信号を所定の関数により加工した後、音声出力部46に供給する。音声出力部46の左用音声出力部46aおよび右用音声出力部46bは、音声制御部43からの信号を増幅した後、スピーカ5aおよび5bにそれぞれ供給する。これにより、スピーカ5aより出力される音声の大きさは、スピーカ5bより出力される音声の大きさよりやや大きくなり、音色はスピーカ5aからの音がスピーカ5bからの音よりも近くに感じられるようになり、患者は、図5(b)に示したように、音源が左眼のほぼ正面にあるように認識する。
【0089】
同様に、視標が患者の左眼(患眼)に対して内側に表示されているとき、視標呈示処理演算部31からの制御信号に従って、音声制御部43は、音源からの所定の音声が患眼の内側から聞こえるように、音声信号記憶部30から読み出した所定の音声信号を所定の関数により加工した後、音声出力部46に供給する。音声出力部46の左用音声出力部46aおよび右用音声出力部46bは、音声制御部43からの信号を増幅した後、スピーカ5aおよび5bにそれぞれ供給する。これにより、スピーカ5aより出力される音声の大きさは、スピーカ5bより出力される音声の大きさとほぼ同一となり、また、いずれの音色も等距離に感じられるような音色となり、患者は、図5(c)に示したように、音源が左眼の内側にあるように認識する。
【0090】
このように、左右のスピーカ5a,5bから出力される音声の大きさ、および音色をそれぞれ調節することにより、視標呈示角度に対応する方向の所定の位置に音源が存在するような音場を構築することによって、患者は、仮想現実的に音場を知覚することができ、視標が表示されている表示パネル13a上の位置(視標呈示角度)を音声により認識することが可能となる。したがって、視標が外側から内側に移動し、所定の視標呈示角度において、患者の眼に抑制がかかったとしても、患者は視標呈示角度に対応する方向からの音声を聞くことができるので、患者はどの視標呈示角度において抑制がかかったかを認識することが可能である。
【0091】
これにより、患者が抑制がかかるまでにどの音場までを知覚することができたかを自覚することにより、訓練の進捗度を患者自身および医師等の訓練監督者が把握することができる。また、患者の眼に抑制がかかり、視標が見えなくなった場合でも、視標の動きに合わせて音源の位置、すなわち音場が変化するので、実際には視標が動いていることを患者に知らせることができる。
【0092】
上記実施例においては、左右のスピーカ5a,5bから、異なる大きさ、および音色の音声を出力し、視標呈示角度に対応する方向の所定の位置に音源が存在するようにしたが、視標呈示角度に対応して、左右のスピーカ5a,5bから所定の音色の同一の音のみが出力されるようにすることができる。この場合、立体音を構成する必要がないので、左右のいずれか一方のスピーカからだけ音を出力させるようにしてもよい。
【0093】
すなわち、視標呈示処理演算部31は、視標呈示角度に対応する音色の音を出力するように指示する所定の制御信号を発生し、音声制御部43に供給する。音声制御部43は、視標呈示処理演算部31からの制御信号に基づいて、音声信号記憶部30より所定の音色の音声を読み出し、音声出力部46に供給する。その結果、音声出力部46の左用音声出力部46aおよび右用音声出力部46bから所定の音色に対応する音声信号が出力される。この音声信号は、スピーカ5aおよび5bに供給され、対応する音色の音声が出力される。
【0094】
このように、左右のスピーカ5a,5bから出力される音声の音色を、視標呈示角度に対応して変化させることにより、患者は、視標が表示されている表示パネル13a上の位置(視標呈示角度)を音色の変化(例えば、音の周波数の変化や、音の間隔の変化など)によって認識することが可能となる。したがって、視標が外側から内側に移動し、所定の視標呈示角度において、患者の眼に抑制がかかったとしても、患者は視標呈示角度に対応する音色の音声を聞くことができるので、患者はどの視標呈示角度において抑制がかかったかを認識することが可能となる。
【0095】
これにより、患者が抑制がかかるまでにどの音色の音までを知覚することができたかを自覚することにより、訓練の進捗度を患者自身および医師等の訓練監督者が把握することができる。また、患者の眼に抑制がかかり、視標が見えなくなった場合でも、視標の動きに合わせて音色が変化するので、実際には視標が動いていることを患者に知らせることができる。
【0096】
また、視標呈示角度に対応して、左右のスピーカ5a、5bより出力される音声の大きさおよび音色を変化させることにより、音源の位置を変化させるとともに、音声の音色を変化させるようにすることも可能である。
【0097】
患者自身がジョイスティック12を操作して、視標を移動させる場合にも、上述した場合と同様にして、音声の音場や音色によって、視標の位置を認識するようにすることができる。また、患者の眼に抑制がかかり、視標が見えなくなった場合でも、視標の動きに合わせて音場や音色が変化するので、実際には視標が動いていることを患者に知らせることができる。
【0098】
次に、患者が単独で訓練することができるように設けられた「使用ガイド機能」について簡単に説明する。この「使用ガイド機能」は、患者に対して、訓練の実施説明を行ったり、動機づけを行うためのものである。訓練記憶部22のガイド用記憶部27には、訓練の実施説明を行う際に用いられる所定の画像データ、および音声データが記憶されている。
【0099】
患者が、患者入力部42に接続された患者入力装置11の所定の釦を操作することにより、訓練記憶部22に実施説明を行うように指令すると、訓練記憶部22のガイド用記憶部27より、実施説明用の画像データ、若しくは音声データ、またはその両方が読み出され、訓練の手順が、所定の画像、若しくは音声、またはその両方により説明される。この画像は表示部1の表示パネル13a,13bに表示させたり、あるいは画像出力部41より出力し、そこに接続された、例えば、モニタ8、眼観察モニタ9、あるいはファンクションモニタ10等に表示させることが可能である。
【0100】
なお、上記実施例において、患眼側の表示パネル13a(または13b)にだけ表示を行い、健眼側の表示パネル13b(または13a)への表示を行わないようにし、アイパッチ(眼帯)を用いた斜視弱視の視機能訓練を行うようにすることもできる。
【0101】
次に、モニタ機能について簡単に説明する。図3に示したように、上記実施例は、信号出力部34、および画像出力部41を備えており、これらを介して、外部に接続された眼観察モニタ9、またはファンクションモニタ10に、所定の画像データを出力し、表示させることができる。例えば、眼観察モニタ9、またはファンクションモニタ10に、訓練視標を表示させ、それを確認することができる。あるいは、訓練の概要を表示させ、それを確認することができる。
【0102】
また、訓練者が訓練モード設定部21を介して設定した設定データ、即ち、抑制眼が左であるか右であるかの別、訓練法、表示パネル13a,13bに表示する視標の大きさ、患者の患眼の斜視角、および、視標の点滅の有無(視標を点滅させるか否か)、点滅させる場合、点滅時間、点滅間隔、さらには、視標の輝度、視標の動き(視標の移動範囲、移動速度)、訓練の繰り返し回数等に対応する信号を、信号出力部34、または画像出力部41を介して、そこに接続された外部機器、例えば眼観察モニタ9、またはファンクションモニタ10に出力し、対応する画像、またはグラフを表示させることができる。したがって、これらの設定データを事前に確認したり、あるいは、訓練中にリアルタイムで確認することができる。
【0103】
また、視標呈示処理演算部31には、患者の眼球に対する視標の呈示角度を確認するためのスケールを表示するスケール呈示処理演算部33が設けられている。このスケール呈示処理演算部33は、例えば眼観察用モニタ9の画面に所定のスケールを表示し、それに重ねるようにして視標を表示する。これにより、視標の動きをスケールとの相対的な位置関係により確認することができる。
【0104】
また、表示パネル制御部38は、左右の表示パネル13a,13bに表示された画面を重ね合わせた合成画像に対応する画像信号を構築し、画像出力部41に出力するようにすることができる。画像出力部41に出力されたこの画像信号は、そこに接続された例えばモニタ8に供給され、図1に示すように、対応する合成画像が表示される。このようにして、モニタ8に表示された画像から、左右の表示パネル13a,13bに表示されている視標の位置関係を確認することができる。
【0105】
図6は、本発明を応用した頭部装着型訓練装置の一実施例の構成を示す外観図である。この実施例は、図1に示した実施例において、頭部装着部61(装着手段)を新たに設け、表示部1を頭部に装着することができるようにした点を除いては、図1に示した実施例の場合と基本的に同様の構成、および動作であるので、その詳細な説明は省略するが、この場合において、頭部装着部61によって表示部1を頭部に装着するようにしたので、装置をさらに小型化し、携帯性を促進することができる。その結果、人ひとり分のスペースがあれば、どこででも使用することができる。また、小型であるにも拘らず、大画面を実現することができる。
【0106】
なお、上記実施例においては、抑制除去訓練を行う場合の例に沿って説明したが、訓練モード設定部21により設定する設定モードを変えることにより、異常網膜対応訓練や輻輳訓練等、その他の斜視訓練を行うことが可能であることは言うまでもない。
【0107】
また、上記実施例においては、光学系15a,15bをハーフミラー14a,14bと、患者の眼の間に設置するようにしたが、表示パネル13a,13bと、ハーフミラー14a,14bの間に設置するようにしてもよい。
【0108】
また、上記実施例においては、ハーフミラー14a,14bを用いるようにしたが、鏡を用いるようにすることも可能である。
【0109】
また、上記実施例においては、ジョイスティック12を用いて、表示パネル13a,13bに表示された画像を移動させるようにしたが、マウス等を用いるようにすることもできる。
【0110】
さらに、上記実施例においては、視標呈示角度に対応して変化させる視標の絵を十二支の動物としたが、他の絵、写真、または図形とすることも可能である。
【0113】
【発明の効果】
請求項に記載の両眼視訓練装置によれば、制御手段の制御により、複数の表示手段のそれぞれに互いに異なる画像が表示され、変化手段の制御により、表示手段に表示された画像の表示位置に基づいて、出力手段から出力される音の音色が変化するようにしたので、表示手段に表示された画像の表示位置に対応する所定の音色の音を出力させることができる。これにより、単調な視標の動きの持続になりやすい訓練を、飽きの来ないものにすることができ、患者の興味や集中力を持続させることが可能となる。また、抑制がかかる場合においても、訓練の進捗度を把握することが可能となる。
【0114】
請求項に記載の両眼視訓練装置によれば、制御手段の制御により、複数の表示手段のそれぞれに互いに異なる画像が表示され、変化手段の制御により、表示手段に表示された画像の表示位置に基づいて、音場構築手段により構築される音場が変化するようにしたので、表示手段に表示された画像の表示位置に対応する所定の音場を構築することができる。これにより、単調な視標の動きの持続になりやすい訓練を、飽きの来ないものにすることができ、患者の興味や集中力を持続させることが可能となる。また、抑制がかかる場合においても、訓練の進捗度を把握することが可能となる。
【0115】
請求項2に記載の両眼視訓練装置、および請求項に記載の両眼視訓練装置によれば、装着手段により、表示手段を頭部に装着させるようにしたので、携帯性に優れ、どこでも訓練を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を応用した据え置き型訓練装置の一実施例の構成を示す外観図である。
【図2】図1の表示部1の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の本体50の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図4】図1の表示部1に表示される視標の例を示す図である。
【図5】図1のスピーカ5a,5bによって構築された音場における音源の位置を示す図である。
【図6】本発明を応用した頭部装着型訓練装置の一実施例の構成を示す外観図である。
【符号の説明】
1 表示部(表示手段)
2 額パッド
3 顎パッド
4a,4b アイキャップ
5a,5b スピーカ(音場構築手段)
6 スピーカ
7 支持部
8 モニタ
9 眼観察モニタ
10 ファンクションモニタ
11 患者入力装置
12 ジョイスティック
13a,13b 表示パネル
14a,14b ハーフミラー
15a,15b 光学系
16a,16b 覗き窓
21 訓練モード設定部
22 訓練記憶部
23 視標記憶部(記憶手段)
24 患眼用視標記憶部
25 健眼用視標記憶部
26 訓練モード記憶部
27 ガイド用記憶部
28 訓練結果記憶部
29 時計
30 音声信号記憶部
31 視標呈示処理演算部(選択手段、変化手段)
32 比較部
33 スケール呈示処理演算部
34 信号出力部
35 画像構築部
36 患眼用画像構築部
37 健眼用画像構築部
38 表示パネル制御部(制御手段)
39 画像入出力部
40 外部画像入力部
41 画像出力部
42 患者入力部
43 音声制御部
44 音声入出力部
45 外部音声入力部
46 音声出力部
46a 左用音声出力部
46b 右用音声出力部
47 電源部
61 頭部装着部(装着手段)
100 据え置き型訓練装置
200 頭部装着型訓練装置

Claims (4)

  1. 所定の画像を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記画像の所定のものを選択する選択手段と、
    電気的に制御され、前記画像を表示する複数の表示手段と、
    前記表示手段のそれぞれに互いに異なる前記画像を表示させる制御手段と、
    所定の音色の音を出力する出力手段と、
    前記表示手段に表示された前記画像の表示位置に基づいて、前記出力手段から出力される前記音の音色を変化させる変化手段と
    を備えることを特徴とする両眼視訓練装置。
  2. 前記表示手段を頭部に装着させる装着手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の両眼視訓練装置。
  3. 所定の画像を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記画像の所定のものを選択する選択手段と、
    電気的に制御され、前記画像を表示する複数の表示手段と、
    前記表示手段のそれぞれに互いに異なる前記画像を表示させる制御手段と、
    所定の音場を構築する音場構築手段と、
    前記表示手段に表示された前記画像の表示位置に基づいて、前記音場構築手段によって構築される前記音場を変化させる変化手段と
    を備えることを特徴とする両眼視訓練装置。
  4. 前記表示手段を頭部に装着させる装着手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の両眼視訓練装置。
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