JP3660995B2 - マイクロストリップアンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロストリップアンテナの構成に関わる。
【0002】
【従来の技術】
従来のピン給電型のマイクロストリップアンテナは、接地導体上に、給電ケーブルである同軸ケーブルと接続可能な給電コネクタである同軸コネクタを設け、同軸コネクタの内導体である芯線が、接地導体を非接触挿通し、かつ誘電体基板を貫挿し、該芯線の端部が放射導体に固着された構造を有している。
【0003】
このような構造とする理由はマイクロストリップアンテナの電波放射特性にある。つまり、マイクロストリップアンテナは、給電装置から同軸ケーブル及び同軸コネクタを介して給電を受けることによって、放射導体の縁部付近に励起される漏れ電界から電波を放射導体側空間に放射するので、放射導体に同軸コネクタを配設すると、同軸コネクタに接続した同軸ケーブルなどの機器類によって放射電波がブロッキングされ、アンテナ利得の低下とサイドローブの上昇が引き起こされてしまうことによる。そこで、放射導体とは誘電体基板を介して反対側の接地導体に同軸コネクタを配設するようにしている。また、一般的に、マイクロストリップアンテナは、多数配列して高い利得を得るようにしたアレーアンテナのアンテナ素子として用いられることが多いので、アンテナ素子である各マイクロストリップアンテナに給電する同軸ケーブルを接続する同軸コネクタは、なおさら、放射導体側空間に放射される電波に影響を及ぼさないように、マイクロストリップアンテナの接地導体に配設されることが要求されるのである。
【0004】
しかし、従来のような構造のマイクロストリップアンテナでは、例えば、マイクロストリップアンテナをパラボラアンテナの1次放射器(給電装置から給電を受けるアンテナ、つまり、給電アンテナである。)として用いる場合に、マイクロストリップアンテナをパラボラ反射鏡の焦点位置に支持するための支持部材とマイクロストリップアンテナに給電するための同軸ケーブルなどが、パラボラ反射鏡によって放射された電波をブロッキングしてしまうという問題が生じる。
【0005】
マイクロストリップアンテナをパラボラアンテナの1次放射器として用いるという要請は、近年の衛星通信網の発達などに伴う、できるだけ軽量で高いアンテナ利得を有する可搬局用アンテナの必要性に基づくものである。
【0006】
マイクロストリップアンテナの特徴としては、(1)アンテナの厚さが薄い、(2)軽量である、(3)構成が簡単である、(4)円偏波を得やすい、(5)利得が比較的高いなどが挙げられる。
このような特徴から、マイクロストリップアンテナは、自動車などに搭載する移動体局用アンテナ、衛星放送受信用アンテナおよび衛星搭載用アンテナなどに幅広く使われている。
【0007】
ところで、マイクロストリップアンテナを衛星放送受信用アンテナなどに用いる場合に、アンテナ利得を上げるために、マイクロストリップアンテナを多数配列してアレーアンテナとすることがある。これによって、利得を上げることができるが、アンテナ全体の重量・容積がともに増大する。この点において、可搬局用アンテナとして要求される軽量性・コンパクト性・収納性・携帯性などに反することになる。
【0008】
そこで、アレーアンテナではなく、可搬局用アンテナとして要求される軽量性・コンパクト性・収納性・携帯性をできるだけ削ぐことがなく、高いアンテナ利得が得られ、比較的簡易なアンテナ構造である、パラボラアンテナとすることが好まれる。
【0009】
本出願人は、既に、薄型ケースに収納可能な折り畳み式曲面体を特許出願している(特願2001−194047号)。そして、特願2001−194047号に記載の発明によれば、該折り畳み式曲面体は、曲面形状を放物面とし、面状体を導電性のメッシュ素材にすることで、パラボラ反射鏡としての役割を果たすことになる。また、該薄型ケースには、該放物面の焦点に配置される1次放射器が該1次放射器を支える支持部材とともに収納可能となっている。
【0010】
ところで、マイクロストリップアンテナは、上述した特徴の通り軽量で厚さが薄いので、上記薄型ケースに収納可能である。
従って、上記薄型ケースに収納可能な折り畳み式曲面体であるパラボラアンテナの1次放射器に、上述の通り軽量で厚さが薄いことを特徴とするマイクロストリップアンテナを用いることによって、軽量性・コンパクト性・収納性・携帯性に優れ、なおかつ、簡易な構造で高いアンテナ利得を得られる可搬局用アンテナとすることができる。
【0011】
ここで、パラボラアンテナの仕組みについて簡略的に説明すると、放物曲面であるパラボラ反射鏡の焦点に配された1次放射器から放射された球面波の電波が、該電波を受けたパラボラ反射鏡表面に電界を誘起し、該電界によって発生する電波がパラボラ反射鏡から平面波となって1次放射器方向に放射されるのである。つまり、1次放射器として用いられたマイクロストリップアンテナの放射導体は、アンテナ反射鏡に向かうように配される必要があるのである。従って、従来のマイクロストリップアンテナであって、マイクロストリップアンテナの接地導体に配設された同軸コネクタに接続してマイクロストリップアンテナに給電する同軸ケーブル及び給電装置などの機器類を、パラボラ反射鏡から放射される平面波をブロッキングすることなく配するには、平面波を遮る1次放射器であるマイクロストリップアンテナの接地導体側空間しかない。しかし、該空間に同軸ケーブル及び給電装置などの機器類を設置するのは容易なことではない。というのも、該機器類を該空間に何の支持部材を用いることなく設置するのは不可能なので、該機器類を支持部材を介してマイクロストリップアンテナの接地導体部に設置することになるが、一般的に、給電装置などの機器類は相当の容積と重量を有するので、マイクロストリップアンテナの設置導体部への設置は容易なことではないのである。仮に、給電装置等をマイクロストリップアンテナの接地導体部に設置したとしても、給電装置の出力調整などが容易になしえなくなるという問題が生じてしまう。
【0012】
これらの問題は、マイクロストリップアンテナが小型可搬局用パラボラアンテナの1次放射器として用いられる場合に顕著となる。
【0013】
これらの問題を解決する方法として、カセグレンアンテナ、オフセットアンテナ、オフセットカセグレンアンテナにするなどの方法があるが、構造部材が増える、構造が簡易でないなどの問題から可搬局用アンテナに適しない。
【0014】
【本発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑み、マイクロストリップアンテナに接続された給電ケーブルや給電装置などの機器類及びマイクロストリップアンテナを支持する支持部材が、反射鏡からの電波をブロッキングすることのないマイクロストリップアンテナを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題の解決を図るため、次の手段を用いる。
【0016】
すなわち、放射導体と、該放射導体よりも面積の広い接地導体を、誘電体基板を介して一体形成してなるマイクロストリップアンテナにおいて、誘電体基板とは反対側の放射導体に、給電ケーブルと接続可能な給電コネクタを付設し、給電コネクタの外導体を通電可能に、放射導体に付着させ、給電コネクタの内導体である芯線を、放射導体を非接触挿通し、かつ誘電体基板を貫挿させ、該芯線の端部が接地導体に付着された給電点を少なくとも1つ有するように構成する。
【0017】
上記のマイクロストリップアンテナが、パラボラアンテナの1次放射器であるマイクロストリップアンテナとしてもよい。
【0018】
上記のマイクロストリップアンテナが、開閉展開または折り畳み可能なパラボラアンテナの1次放射器であるマイクロストリップアンテナとしてもよい。
【0019】
上記のマイクロストリップアンテナを、パラボラアンテナあるいは開閉展開または折り畳み可能なパラボラアンテナの1次放射器として支持する支持部材の内部に、該マイクロストリップアンテナに付設された給電コネクタに接続する給電ケーブルを収納可能であるマイクロストリップアンテナとしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面に示した実施例に基づいて説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。実施形態は、本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更可能なものである。
図1(イ)に、本発明であるマイクロストリップアンテナの正面断面図、図1(ロ)に、本発明であるマイクロストリップアンテナの上面図、図2に同軸ケーブルの構造を示す説明図、図3に、薄型ケースに収納可能な折り畳み式パラボラアンテナの開蓋時において本発明のマイクロストリップアンテナを設置した場合の概略を示す側面図、図4に、薄型ケースに収納可能な折り畳み式パラボラアンテナの閉蓋時において本発明であるマイクロストリップアンテナが収納されている概略を示す斜視透視図、図5に、検証実験に用いた本発明であるマイクロストリップアンテナのH面パターン図を示す。
【0021】
放射導体である金属板(3)の大きさは、接地導体である金属板(1)よりも小さいものである。
また、接地導体である金属板(1)と誘電体基板(2)は、通常同じ大きさで同じ形状であるが、必ずしも同じ大きさで同じ形状にしなければならないものではない。
接地導体である金属板(1)、誘電体基板(2)と放射導体である金属板(3)の形状は、それぞれ円形とするが、方形ないしその他の形状でもよく円形に限定されるものではない。円形の接地導体である金属板(1)および誘電体基板(2)に、方形の放射導体である金属板(3)を組み合わせてもよいし、方形の接地導体である金属板(1)および誘電体基板(2)に円形の放射導体である金属板(3)を組み合わせたりしてもよいし、方形の接地導体である金属板(1)および誘電体基板(2)に、方形の放射導体である金属板(3)を組み合わせるようにしてもよい。
【0022】
接地導体である金属板(1)と誘電体基板(2)を一致するように接着し、放射導体である金属板(3)は、誘電体基板(2)からはみ出さないように、通常は誘電体基板(2)の中央部に接着する。
【0023】
接着方法は、所謂接着剤を用いる方法もあるが、接着剤による比誘電率の変化が生じるので、誘電体基板(2)の両面に接地導体及および放射導体に用いる金属板によるエッチング処理を施し、放射導体側の金属板の一部を剥離する方法が用いられる。結果的には、誘電体基板(2)に接地導体および放射導体である金属板を接着したのと同じことになる。また、エッチング処理を施す方法によれば、剥離後に残った金属板部分が放射導体になり、該放射導体の大きさによって、アンテナ周波数(マイクロストリップアンテナにおける共振周波数)が左右されるので、剥離する金属板部分を調整することでアンテナ周波数を設定できることになる。
誘電体基板と放射導体である金属板および接地導体である金属板との接着方法は、本発明の要部ではないので、必ずしも上記の方法による必要はなく、従来公知の方法を適宜用いてもよい。
【0024】
金属板は、電気抵抗の小さい金属が好ましいが、通常、比較的安価で電気抵抗が十分に小さい銅が用いられる。また、接地導体である金属板(1)および放射導体である金属板(3)は、異なる金属を用いてもよいが、通常は同じ金属を用いる。
【0025】
誘電体基板としては、テフロン(登録商標)、ガラスエポキシ、ポリエチレン、セラミック誘電体などがあるが、比誘電率が大きいほど誘電体内部での電波の波長が短縮されるので、マイクロストリップアンテナの小型化に資することになる。
但し、誘電体基板として、比誘電率の十分小さい絶縁体を用いることを排除するものではない。
【0026】
接地導体である金属板(1)及び放射導体である金属板(3)を接着した誘電体基板(2)に、ドリルや錐など適宜工作機を用いて、細い貫通孔(7)を1つ設ける。
なお、接地導体である金属板(1)、放射導体である金属板(3)および誘電体基板(2)の貫通孔(7)は、それぞれの孔軸が一致するものであって、接地導体である金属板(1)、放射導体である金属板(3)および誘電体基板(2)に対し垂直に設けられる。
【0027】
貫通孔(7)は、給電コネクタである同軸コネクタ(5)の内導体である芯線(4)を通すためのものであり、貫通孔(7)の位置は、マイクロストリップアンテナにおける給電点(9)となる。
【0028】
貫通孔(7)の位置は、給電点インピーダンスが約50Ωになる位置が好ましい。なぜなら、一般的に、マイクロストリップアンテナは50Ωの同軸ケーブルから給電されることが多いので、同軸ケーブルのインピーダンスと給電点(9)におけるマイクロストリップアンテナのインピーダンスとを整合させるためである。
該位置は、円形放射導体の場合、該円形放射導体の中心から半径の約1/3にあたる位置に設けられるのが一般的で、従来のマイクロストリップアンテナにおける給電点の位置と同じで差し支えない。
勿論、同軸ケーブルのインピーダンスに合わせて、給電点の位置を適宜調節してよい。
【0029】
放射導体である金属板(3)の貫通孔(7)の周辺の金属部分(6)は剥離する。
これは、芯線(4)が放射導体である金属板(3)に接触してショートしないようにするためである。従って、剥離する放射導体である金属板(3)の貫通孔(7)の周辺は、芯線(4)と放射導体である金属板(3)が接触しないような範囲であれば足りる。
【0030】
続いて、芯線(4)が突出する給電コネクタである同軸コネクタ(5)を、芯線(4)を貫通孔(7)に通すようにして、給電コネクタの外導体である、同軸コネクタ(5)の台座部(5a)で放射導体である金属板(3)に接着させる。貫通孔(7)において誘電体基板(2)および接地導体である金属板(1)の部分と芯線(4)とは接触してもかまわない。また、接着方法は、はんだ付けによる。
【0031】
芯線(4)の長さは、同軸コネクタ(5)を放射導体である金属板(3)に接着させたときに、芯線(4)の端部(8)が、接地導体である金属板(1)から少し突出する位の長さが好ましいが、長すぎた場合は適宜切断すればよい。そして、少し突出した芯線(4)の端部(8)および貫通孔(7)の接地導体側開口部(8a)を被覆するようにはんだ付けする。
芯線(4)と接地導体である金属板(1)とが通電可能な状態で接続するならば、はんだ付け以外の方法、例えば、接地導体と同じ材質の金属でできた蓋状被覆物を、該蓋状被覆物が芯線(4)の端部(8)および接地導体である金属板(1)に接触するように取り付けるなどの固着方法を用いてもよい。
【0032】
このようにすることによって、同軸コネクタ(5)に給電ケーブルである同軸ケーブル(10)を接続すると、同軸ケーブル(10)の内導体(11)は、芯線(4)の端部(8)において接地導体である金属板(1)にはんだ付けされた芯線(4)を通して、接地導体である金属板(1)に接続されることになり、一方、同軸ケーブル(10)の外導体(12)は、同軸コネクタ(5)の台座部(5a)を通して、放射導体である金属板(3)に接続することになる。従って、同軸ケーブル(10)によって給電することで、放射導体である金属板(3)と接地導体である金属板(1)との間に電圧をかけることができるようになる。因みに、同軸ケーブル(10)の内導体(11)と外導体(12)は、絶縁体(11a)で仕切られていてショートしないようになっている。
そして、放射導体である金属板(3)と接地導体である金属板(1)との間に電圧がかけられることで、放射導体の金属板(3)の縁部付近に励起される漏れ電界が生じ、該漏れ電界から、放射導体側空間に向けて球面波の電波が放射されることになる。
【0033】
ここで、本発明であるマイクロストリップアンテナが、薄型ケースに収納可能な折り畳み式パラボラアンテナ(20)の1次放射器として用いられた場合の実施形態および効果を、図3、4を参照して簡略的に説述する。
【0034】
薄型ケースには、少なくとも、折り畳み式パラボラ反射鏡(15)、該パラボラ反射鏡の導電性メッシュ素材の面状体を張架するワイヤ(16)、本発明によるマイクロストリップアンテナ(17)、マイクロストリップアンテナ支持するマイクロストリップアンテナ支持部材(13)が収納される。マイクロストリップアンテナに給電する給電装置を含む送受信機である機器部(18)は、薄型ケースに収納可能であれば収納し、収納が困難であれば薄型ケースに外付けで付属するようにしてもよい。
【0035】
マイクロストリップアンテナ支持部材(13)は、上記同軸ケーブル(10)を挿通することの可能な管体である。
マイクロストリップアンテナ支持部材(13)は、該マイクロストリップアンテナ支持部材(13)の一端が薄型ケースに付属する機器部(18)に接続可能となっている。該接続方法は、例えば、支持部材(13)の一端にネジ溝を設け、機器部(18)の一部に該ネジ溝と嵌合可能な嵌合部を設けて嵌合させることにしてもよく、接続することによって固定されるものとする。
マイクロストリップアンテナ支持部材(13)は、必ずしも機器部(18)に接続可能なものでなくてもよく、例えば、マイクロストリップアンテナ支持部材(13)を接続可能な部材を設けて、該部材に接続して固定するようにしてもよい。その場合においても、マイクロストリップアンテナ支持部材(13)に挿通された同軸ケーブル(10)は、マイクロストリップアンテナ支持部材(13)から引き出されて機器部(18)に接続される。
また、マイクロストリップアンテナ支持部材(13)は、折り畳み式パラボラ反射鏡の焦点にマイクロストリップアンテナ(17)が配置されるように所定の長さを有するものとする。勿論、マイクロストリップアンテナ支持部材(13)に可変長機構を設けることで、マイクロストリップアンテナ(17)の配置位置を調節可能なものとしてもよい。
【0036】
なお、同軸ケーブルの被覆部(14)を、剛性の高い素材とし、被覆部(14)の機器部接続側端部に上記と同様のネジ溝等を設けることによってもよい。
【0037】
薄型ケースを開蓋すると、折り畳み式パラボラ反射鏡(15)が展開し、ワイヤ(16)によってパラボラ面が形成される。
続いて、薄型ケースに収納されているマイクロストリップアンテナ(17)に同軸ケーブル(10)を接続し、該同軸ケーブル(10)をマイクロストリップアンテナ支持部材(13)に挿通する。そして、同軸ケーブル(10)および同軸ケーブル(10)が挿通されたマイクロストリップアンテナ支持部材(13)を、折り畳み式パラボラ反射鏡(15)の中心部に開けられた孔(19)に挿通して、機器部(18)に接続する。
【0038】
これによって、折り畳み式パラボラ反射鏡(15)から放射される平面波の電波が、マイクロストリップアンテナ(17)に接続した同軸ケーブル(10)やマイクロストリップアンテナ支持部材(13)にブロッキングされることがなくなる。
【0039】
また、マイクロストリップアンテナは軽量かつ小型なので、薄型ケースに収納可能となり、折り畳み式パラボラアンテナを可搬局用アンテナとすることができる。
【0040】
<検証実験>
本発明者は、本発明であるマイクロストリップアンテナについて検証実験を行っている。
【0041】
検証実験に用いられたマイクロストリップアンテナは、直線偏波マイクロストリップアンテナであり、該マイクロストリップアンテナのアンテナパターンを測定した。
【0042】
検証実験用マイクロストリップアンテナのアンテナ周波数は、2.5GHzとした。放射導体である金属板の材質は銅とし、形状は直径45.9mmの円形とした。接地導体である金属板の材質も銅とし、形状は直径70mmの円形とした。使用した誘電体基板は、比誘電率が2.17、厚さ1.524mmで、形状が直径70mmの円形のものを用いた。給電点は、放射導体の中心から7.95mmの位置に設けた。同軸コネクタは、SMA型同軸コネクタを用いた。測定のためのケーブルは、長さ600mmのセミリジットケーブルを中央部からU字形状に折り曲げたものを用いた。
【0043】
測定の結果、励振した直線偏波の磁界ベクトルを含む面で測定した指向性であるH面パターン(図5に示す。縦軸は、マイクロストリップアンテナの絶対利得を、横軸は、マイクロストリップアンテナに対し放射導体側垂直方向を0°として、扇状展開方向へ開いた角度を表す。)から、絶対利得が約6.5dBi、電力半値幅(ビーム幅)が約80°と得られた。
【0044】
該結果は、本発明であるマイクロストリップアンテナが十分実用性を有するものであることを示している。
【0045】
【発明の効果】
請求項1に記載のマイクロストリップアンテナとすることで、(1)アンテナの厚さが薄い、(2)軽量である、(3)構成が簡単である、(4)円偏波を得やすい、(5)利得が比較的高いなどの特徴を有するマイクロストリップアンテナを、アレーアンテナやフェーズドアレーアンテナのアンテナ素子として以外にも反射鏡アンテナの1次放射器として用いることができるようになるので、その活用範囲が広がる。
【0046】
請求項2に記載のマイクロストリップアンテナとすることで、パラボラ反射鏡から1次放射器方向に放射される平面波の電波を、マイクロストリップアンテナに接続された給電ケーブルやマイクロストリップアンテナを支持する支持部材などによってブロッキングすることがなくなり、アンテナ利得の低下とサイドローブの上昇を防ぐことができる。
【0047】
請求項3に記載のマイクロストリップアンテナとすることで、パラボラ反射鏡から1次放射器方向に放射される平面波の電波を、マイクロストリップアンテナに接続された給電ケーブルやマイクロストリップアンテナを支持する支持部材などによってブロッキングすることがなくなり、アンテナ利得の低下とサイドローブの上昇を防ぐことができるとともに、マイクロストリップアンテナの(1)アンテナの厚さが薄い、(2)軽量である、(3)構成が簡単である、(4)円偏波を得やすい、(5)利得が比較的高いなどの特徴を生かして、小型で軽量な可搬局用アンテナとすることができる。
【0048】
請求項4に記載のマイクロストリップアンテナとすることで、マイクロストリップアンテナに付設された給電コネクタに接続する給電ケーブルを、該マイクロストリップアンテナを支持する支持部材の内部に収納できるので、給電ケーブルの撓みによって、パラボラ反射鏡から放射される平面波である電波をブロッキングするなどの虞が無くなり、かつ、マイクロストリップアンテナをパラボラ反射鏡の焦点に簡易に安定して配置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (イ)は、本発明であるマイクロストリップアンテナの正面断面図
(ロ)は、本発明であるマイクロストリップアンテナの上面図
【図2】 同軸ケーブルの構造を示す説明図
【図3】 薄型ケースに収納可能な折り畳み式パラボラアンテナの開蓋時において本発明のマイクロストリップアンテナを設置した場合の概略を示す側面図
【図4】 薄型ケースに収納可能な折り畳み式パラボラアンテナの閉蓋時において本発明であるマイクロストリップアンテナが収納されている概略を示す斜視透視図
【図5】 検証実験に用いた本発明であるマイクロストリップアンテナのH面パターン図
【符号の説明】
1 接地導体である金属板
2 誘電体基板
3 放射導体である金属板
4 芯線
5 同軸コネクタ
9 給電点
10 同軸ケーブル
13 マイクロストリップアンテナ支持部材
17 マイクロストリップアンテナ
20 薄型ケースに収納可能な折り畳み式パラボラアンテナ
Claims (4)
- 放射導体と、該放射導体よりも面積の広い接地導体を、誘電体基板を介して一体形成してなるマイクロストリップアンテナであって、
誘電体基板とは反対側の放射導体に、給電ケーブルと接続可能な給電コネクタが付設され、
給電コネクタの外導体が通電可能に、放射導体に付着し、
給電コネクタの内導体である芯線が、放射導体を非接触挿通し、かつ誘電体基板を貫挿し、
該芯線の端部が接地導体に付着された給電点を少なくとも1つ有することを特徴とするマイクロストリップアンテナ。 - 上記のマイクロストリップアンテナが、パラボラアンテナの1次放射器である請求項1に記載のマイクロストリップアンテナ。
- 上記のマイクロストリップアンテナが、開閉展開または折り畳み可能なパラボラアンテナの1次放射器である請求項1に記載のマイクロストリップアンテナ。
- 上記のマイクロストリップアンテナを、パラボラアンテナあるいは開閉展開または折り畳み可能なパラボラアンテナの1次放射器として支持する支持部材の内部に、
該マイクロストリップアンテナに付設された給電コネクタに接続する給電ケーブルを収納可能である
請求項2または請求項3に記載するマイクロストリップアンテナ。
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