JP3660787B2 - 異方導電性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は異方導電性組成物に関し、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等のパネル、携帯電話、パーソナルコンピュータ、テレビ、モニター、カーナビゲーションシステム、PCMCIA、ICカード、フォトダイオードやMCM、プリント基板、フレキシブル基板へのLSI実装などに利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来から、多くの異方導電性フィルムが開示されてきた。例えば、特開平7−197001号公報、特開平4−242001号公報には、樹脂ボール上に金属メッキを施した導電性粒子を用いた異方導電性フィルムが開示されている。また、例えば、特開昭61ー55809号公報、特開平5−40402号公報、特開平7−73740号公報、特開平7−65028号などには、ニッケル粉、はんだ粉、金メッキニッケル粉などの金属粉を用いた異方導電性フィルムが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
樹脂ボール上に金属メッキを施した導電粒子を用いた場合には、熱応力の緩和に対して効果は発揮されるが、加圧接続時に圧力が数百本はある接続端子に均一にかかるものではなく、端子によっては、導電粒子に過度に圧力がかかることがあり、このために、圧力がかかりすぎた端子においては樹脂ボールが破壊してしまい接続が安定して得られず、環境性は悪くなる。
【0004】
ニッケル粉や金メッキニッケル粉の場合には、硬すぎて、変形しずらく、十分な接触面積が得られない。そのため、ガラス基板への接続などにもちいた場合には、かなりの圧力が必要であり、ガラス基板が壊れてしまうことがしばしばあった。
接続する条件としては、これまでは180℃以上を必要としていたが、最近のファインピッチ接続の流れの中では熱膨張差によるピッチずれの問題が顕在化してきており、低温度化が叫ばれている。また、圧力に関しては、パネルの大型化の流れの中で、従来のNi紛のような30kg/cm2以上の圧力ではロードセルが大きくなりすぎて限界にきている。そのため低圧化が必要とされている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、有機バインダーと0.2〜25体積%の導電性金属粒子とからなり、該導電性粒子は、3〜9μ粒子の加重1gfにおける変形率(変位量/変形前の粒径)が8〜60%であることを特徴とする異方導電性組成物を提供するものである。
【0006】
本発明で用いることのできる導電性金属粒子は有機バインダーに対して0.3〜25体積%含有するが、0.2未満であると、接続に寄与する導電性粒子の数が少なすぎて安定した接続抵抗が得られない。また、25体積%を越える場合には、導電金属粒子の数が多すぎて、隣接電極間での絶縁性が低下する。好ましくは、0.2〜15体積%である。
【0007】
本発明で用いる導電性金属粒子は、3〜9μの大きさの粒子において、加重1gfをかけて押しつぶしたときの粒子の変位量/変形前の粒径が8〜60%であることを特徴とする。このときの加重としては、島津製作所製微小圧縮試験機MCTMを用いて平面圧子50ミクロン径を用いて速度0.79g/sでガラス板上に分散させた導電性金属粒子の一つを圧縮変形させたときの変形量を圧縮前の粒子径の変形率、すなわち圧縮で変形した粒径の変形量/圧縮前の粒子径を測定したものである。このとき、加重1gfでの変形率が8%未満であると、10〜20kgf/cm2の低圧力においても導電粒子の十分な変形が得られず、電極との接触面積が不足する。
【0008】
逆に、変形率が60%を越える場合には、異方導電性組成物の仮圧着時に導電性金属粒子の変形が起こり、仮付け後の本圧着時に、有機バインダーの排除性不足や電極との接続面が不安定になりやすくなる。好ましくは、9〜40%であり、さらに好ましくは、12〜35%である。このとき用いる導電性金属粒子としては、接続に最も寄与しやすい3〜9μの範囲の導電性粒子に関するものであるが、好ましくは3〜8μ、さらに好ましくは、4〜8μである。最も好ましくは、4.5〜7μ粒子に関する値である。
【0009】
また、導電性金属粒子も粒子分布を有していることが好ましい。つまり、圧接時には、圧接ヘッドの平衡度にバラツキが有り、粒度分布が有るとヘッドの平衡度がずれても、かならず端子に接続できるため、端子間のバラツキが無くなり、且つ、圧接されていく過程で、小粒子径の粉末でヘッドのクッションになりヘッドのバラツキ性が押さえられる利点がある。粒度分布としては、平均粒子径±2μの範囲のものが30%以上存在する場合が好ましい。さらに好ましくは、最小粒子径/最大粒子径比が0.001〜0.49で有ることが好ましい。ここで言う最大粒子径とは、体積積算粒度分布において3%積算値時の粒子径を最小粒子径、97%積算値時の粒子径を最大粒子径と言う。ここで言う平均粒子径とは、体積積算平均粒子径であり、測定は、レーザー回折型測定装置RODOS SR型(SYMPATEC HEROS&RODOS)を用いた。
【0010】
また、本発明で用いる導電性金属粒子は、十分な導電性を確保するために金属銀、金、銅、はんだ、すず、鉛、インジウムより選ばれた1種類以上の成分を有する金属粉(合金を含む)が好ましい。この場合には、アトマイズ粉、電解メッキ粉、無電解メッキ粉、化学還元粉、蒸着粉、メカニカルアロイニング粉、CVD粉及び熱処理などを組み合わせ調製される金属粉が好ましい。
【0011】
さらに、導電性金属粉としては、固溶体層、金属間化合物層を含んでいても構わない。
本発明で用いる導電性金属粒子により、適度の加圧力で変形性を有するために、圧接時に適度に変形して電極との接触面積が充分にとれる。そのため、ガラス基板の破壊が起こらなく、また、柔らかい有機基板などを用いる場合、硬い粒子でおこる基板を変形するなどの問題が少ない利点がある。特に大型のパネルにおける接続では、ロードセルの負担を少なくすることができ、圧着ずれや基板ダメージを少なくできる。
【0012】
また、本発明で用いる導電性金属粒子の場合には、導電粒子内に結晶粒界を有している状態が好ましく、すなわち圧接時に粒界に沿ってスムーズに変形しやすくなるためである。結晶粒の大きさは、80〜5000Å程度であるのが好ましい。さらに、80〜3000Å、100〜2000Åがより好ましい。結晶粒の大きさは、導電性金属粒子の断面の電子顕微鏡観察においての観察によって得られるものである。結晶粒径は最大結晶ピークについてのX線回折による結晶ピークの高さと半値幅の関係から求めた。
【0013】
80Å未満であると、結晶粒界が少なく加圧時の変形性が悪い。5000Åを越える場合には、粒界が大きすぎて変形性のスムーズ性が無くなる。
本発明で用いる導電性金属粉末の調製法としては、例えば、前記の様に、所定量組成の金属成分を混合して、高温度(融点より100℃以上)で溶解する。溶融金属をヘリウム、窒素、水素、アルゴンガスを吹き付けて微粉末化しながら急冷凝固する。急冷凝固をさせすぎると、結晶の成長が抑制されるため、適度な急冷速度を選ぶことが需要である。これは、融液と冷却ガスとの供給速度量でコントロールし、さらに、急冷凝固後に熱処理するのが好ましい。本発明で用いる急冷凝固の好ましい条件としては、融液の噴出速度に対して、冷却ガス噴出速度が0.05〜10重量比であることが好ましい。あまり冷却しすぎると結晶径が小さくなりすぎる。冷却ガスは、融液との衝突前に150℃以下でコントロールしていると、冷却能力を充分にとれることになる。
【0014】
また、急冷凝固後に熱処理するのがさらに好ましい。得られた導電性金属粉末を凝固後に不活性ガス雰囲気中(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン中で)50℃まで1〜5時間かけて徐冷させて結晶をある程度成長させることが必要である。そのために、冷却ガスを凝固後にすぐに新鮮な不活性ガスでパージすることなく、粉末との熱交換で暖まった不活性ガスを系内に封入しておくことが大事である。このとき、凝固粉末を捕集容器中で堆積させて、熱を保存しながら徐冷すると均一な結晶性を持つ導電性粒子が得られる。あまり、早く冷却しすぎると結晶内のひずみが残留したままであり、異方導電性組成物として加熱圧縮接続したときに、スムーズな変形が得られない。
【0015】
熱処理後に導電性金属粉末の表面にメッキをかけても構わない。
メッキとしては、無電解、電解メッキなどの組み合わせを用いることができる。メッキ成分としては、金、スズ、はんだ、ニッケル、銀、インジウムを用いることができる。メッキ層の厚みとしては、10〜3000Å程度が好ましい。
また、本発明で用いる導電性金属粉末は、粒子表面に酸化性が少ない成分を多く含んでいることが好ましい。例えば、金、銀などが好ましく、これらの成分が平均組成より高濃度に粒子表面に存在するとさらに、マイグレーション性、耐環境性を向上できる。たとえば、銅銀合金系で粒子表面に銀濃度が高い粉末や、金濃度が高い銅合金粉末などである。粒子表面の銀濃度や金濃度は、XPS(X線光電子分光分析法)で各元素の最も高強度が得られるピークで測定される値で構わない。仕込みの濃度は、ICP(高周波誘導結合型プラズマ分析計)で粉末を完全に溶解して測定されるのが好ましい。
【0016】
本発明で用いることができる有機バインダーとしては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂から選ばれた1種類以上の樹脂を含むものである。これらの樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、SBR、SBS、NBR、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエーテルテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルオキシド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、スチレンブタジエン樹脂、カルボキシル変性ニトリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等又はそれらの変性樹脂が挙げられる。特に基板との接着性を必要とする場合には、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂を用いる場合には、必要に応じてリペアー性を持たせるために、フェノキ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルゴム、SBR、NBR、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、SBS、シアノアクリレート、カルボキシル基、ヒドロシキシル基、ビニル基、アミノ基などの官能基を含有するゴム、エラストマー類を混合して用いることが好ましい。
【0017】
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ノボラック型、脂環式、複素環式、アルキル多価フェノール型、フェニルグリシジルエーテル型、多官能ポリエーテル型、臭素化フェノールノボラック型、ナフタレン型、変性ビスフェノールS型、ジグリシジルアニリン型、ジグリシジルオルソトルイジン型、ウレタン変性型、ゴム変性型、シリコーン変性型、鎖状変性タイプなどのエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0018】
本発明の異方導電性組成物は、有機バインダーに対して導電性粒子0.1〜25体積%含有することを特徴とするが、好ましくは0.2〜15体積%、さらに好ましくは0.2〜10体積%である。0.1体積%未満の場合には、接続に寄与する導電粒子の数が足りなくて、端子のバラツキが生じる。25体積%を越える場合には、端子間での電流リークの問題が発生する。
【0019】
有機バインダーとしてエポキシ樹脂を用いる場合には、硬化剤として潜在性硬化剤を用いるのが好ましい。潜在性硬化剤としては、ホウ素化合物、ヒドラジド、3級アミン、イミダゾール、ジシアンジアミド、無機酸、カルボン酸無水物、チオール、イソシアネート、ホウ素錯塩及びそれらの誘導体が好ましい。潜在性硬化剤の中でも、マイクロカプセル型の硬化剤が好ましい。マイクロカプセル型硬化剤は、前記硬化剤の表面を熱可塑性樹脂などでコーテイングしたもので、接続作業時の温度や圧力でマイクロカプセルが破壊され、硬化剤が有機バインダー中に急速に拡散して硬化促進する。マイクロカプセル型潜在性硬化剤の中でもマイクロカプセル型イミダゾール誘導体エポキシ化合物がより好ましい。
【0020】
マイクロカプセル型イミダゾール誘導体エポキシ化合物としては、イミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物を粉砕等により微粉末としたものをさらに、例えばイソシアネート化合物などと反応してカプセル化し、常温での安定性を高めたものである。イミダゾール誘導体としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル−5−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
【0021】
また、これらの硬化剤を用いる場合には、エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、臭化ビスフェノールA等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレン型等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂を用いる場合には、マイクロカプセル型硬化剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して、5〜250重量部の量で用いることができる。マイクロカプセル型硬化剤が5重量部未満であると硬化不足になりやすく、250重量部を越える場合には、保存安定性が不足する。
【0022】
マイクロカプセル型硬化剤の粒子径は、平均粒子径で1〜10μで有ることが好ましい。平均粒子径が10μを越える場合には、異方導電性組成物のフィルム化した場合(異方導電性フィルムと呼ぶ)、塗膜の厚みムラを生じる。
本発明の異方導電性組成物を塗布する場合には、必要に応じて適当な溶剤を用いることができる。マイクロカプセル型硬化剤に損傷を与えない溶剤が好ましい。例えば、MEK、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、芳香族系炭化水素、エーテル、ケトン、エステルなどが好ましい。
【0023】
本発明の異方導電性組成物には、導電粒子の分散性と接続後の耐湿度性を向上させるために、公知のシランカプリング剤、チタンカップリング剤、アルミカップリング剤等を配合することができる。
カップリング剤を用いるときには、導電粒子100重量部に対して、5重量部まで添加することができる。好ましくは、導電粒子を予めカップリング剤で処理しておくことが好ましい。
【0024】
本発明の異方導電性組成物は以下のように作成される。導電粒子及び有機バインダ−(必要に応じて溶剤に溶解させた状態)、必要に応じて硬化剤を適量混合する。混合には、プラネタリーミキサー、三本ロール、ニーダー、脱泡機、羽根付き撹拌機、ボールミルなど公知の装置を用いて混合する。このとき導電粒子を充分分散させることが好ましい。こうして得られた異方導電性組成物は、粘度1000CPS〜20万CPS程度であるのが好ましいが、必ずしもこの範囲である必要はない。得られた異方導電性組成物は、このまま接続基板上の電極や端子上にディスペンサーやスクリーン印刷等の印刷法で塗布することもできる。また、異方導電性組成物をベ−スフィルム上にコートした状態のフィルム状(異方導電性フィルムという)のものでも構わない。ベースフィルム上にコートする場合には、ブレード、ダイコーター等の公知の方法を用いることができる。塗布された異方導電性フィルムが溶剤を含んでいる場合には、充分に乾燥するのが好ましい。乾燥温度とては室温から80℃までの範囲で調整されるのが好ましい。 異方導電性フィルムの厚みとしては、5〜500μ程度であり、幅は特に制限はない。異方導電性フィルムを接続に用いる場合には、これをスリッテイングして用いることができる。例えば、0.2〜200mm幅程度の異方導電性フィルムをリール巻きにした状態から引き出して基板の接続端子上に貼り付けて用いるのが好ましい。
【0025】
本発明の異方導電性組成物は、これまでに硬すぎて圧接時の導電性粒子が変形しづらく、導通面積が充分とれなかったことで、大型パネルへの応用ができなかった問題や、樹脂粒子のように、変形性は良いが、金属配線等の酸化皮膜を破壊できなかった問題が無く、適度な硬度を有し、圧接過程でうまく圧力を緩和でき、ガラスなどの破壊を防止でき充分な接触面積を有し、金属配線上の酸化皮膜を塑性変形時に削り取り、配線の金属成分との安定なコンタクトを有する利点を持つものである。また、さらに平均粒子径が2〜15μであり、粒度分布を有していると、圧力の緩衝性が良好で圧力の偏りがある時でも緩衝効果を有する。さらに、最大粒子径と最小粒子径が少なくとも1μ以上差が有ることが電極間ギャップ(圧力の変位)をうまく埋め合わせることができ好ましい。
【0026】
本発明の異方導電性組成物及び異方導電性フィルムは、基板上端子同士の接続や、チップ電極と基板端子との接続にも用いることができる。接続基板としては、液晶ディスプレイ(アモルファスシリコン、高温ポリシリコン、低温ポリシリコン)、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッサンス等のパネル、プリント基板、ICカード基板、ビルドアップ基板(絶縁層、導体回路層を交互あるいは一括して多層化した基板)、低温焼成用基板の電気配線が施されている基板などを用いることができる。被接続基板または被接続チップとしては、フレキシブルまたは硬質な配線基板、コンデンサー、磁気センサー、抵抗器、LSIチップ、コイルや、LSIパッケージ(QFP、DIP、SOP、BGA、CSP等)などが挙げられる。
【0027】
接続基板又は被接続基板の材質は特に制限はなく、材質としては例えば、ポリイミド、ガラスエポキシ、感光性エポキシ、紙フェノール、ポリエステル、ガラス、シリコン、石英、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフォン、アルミナ、窒化アルミナ、ポリアミドイミド、テトラフルオロエチレン、ポリフェニレンテレフタレート、BTレジンや、それらに誘導体、単層、積層板(ビルドアップ基板)、セラミックス基板等が挙げられる。
【0028】
接続基板あるいは被接続基板上に形成されている接続用電極(端子)の導体は特に制限はなく、その例としては、ITO、IO、銅、銀、銅銀合金、銀パラジウム、金、白金、ニッケル、アルミニウム、銀白金、すず鉛はんだ、すず銀はんだ、スズ、クロム、インジウム合金及びこれらに導体上に金メッキ、すずメッキ、ニッケルメッキ、スズ鉛メッキ、クロムメッキなどのメッキを施した導体等の公知の導体が挙げられる。導体の形成は、公知の方法により作成する事ができる。例えば、導体はメッキ、蒸着、リフロー、導体ペースト、ワイヤーボンデイング、フォトリソグラフで作製される。
【0029】
本発明の異方導電性組成物及び異方導電性フィルムは、リペアーする場合には、不良の接続基板(例えばTAB等)やチップを機械的にはがし、基板上に残存する異方導電性組成物又は異方導電性フィルムの一部を溶剤を用いて繰り返し剥ぎ取る。接続端子上の異方導電性組成物又は異方導電性フィルムがある程度除去さるまで繰り返し行う。
【0030】
接続条件は、従来では、温度に関しては、180℃を越えることが多く、熱膨張率の差により接続ムラが生じたりして低温度化が必要であった。圧力もNi紛を導電性粉末とする場合などには30kg/cm2以上の圧力を必要とし、今後期待されている大型パネルなどの接続にはロードセルの限界を越えるようになってきたため、低圧化に対応できる異方導電性フィルムが必要になってきている。これに対して、本発明の異方導電性組成物及び異方導電子フィルムは、適度な変形性と、硬さを合わせ持つために、低圧でも充分な高導電性接続可能な優れて特性を発揮できるものであり、且つ酸化皮膜を有する導体の酸化皮膜も充分に破ることで、接続信頼性にも優れる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の異方導電性組成物及び異方導電性フィルムの実施例を示し、更に詳細に本発明を説明する。
【0032】
【実施例】
実施例及び比較例で用いる導電性金属粉末を表1に示す。
また、表2の異方導電性組成物及び異方導電性フィルムを示す。常温で固形の樹脂については、溶剤を加えて酢酸エチル、トルエン混合溶液で調製した。
異方導電性フィルムについては、ベースフィルムとしてはPETフィルム上に塗工した。塗工後、60℃で連続炉で乾燥した。表3に異方導電性組成物及びフィルムの評価結果を示す。導通性については、4端子抵抗測定し、接続抵抗値が200mオーム以下を○とした。200〜500mオームを△、それを越える場合を×とした。
【0033】
バラツキについては、接続抵抗値が10端子測定して接続抵抗の平均値に対して3倍以上の値が無い場合を○とし、3倍を越える端子がある場合を×とした。環境性については、−55〜125℃(各30分)1000ヒートサイクルで抵抗値が5倍を越える場合を×、2〜5倍を△、2倍未満を○とした。
絶縁性については、端子と端子間で絶縁抵抗1015オーム以上を○とし、それ以下を×とした。表4に比較例に用いた異方導電性組成物を示す。表5に比較例の評価例を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【発明の効果】
本発明の異方導電性組成物は、これまでに硬すぎて圧接時の導電性粒子が変形しづらく、導通面積が充分とれなかったことで、大型パネルへの応用ができなかった問題や、樹脂粒子のように、変形性は良いが、金属配線等の酸化皮膜を破壊できなかった問題がなく、適度な硬度を有し、圧接過程でうまく圧力を緩和でき、ガラスなどの破壊を防止でき充分な接触面積を有し、金属配線上の酸化皮膜を塑性変形時に削り取り、配線の金属成分との安定なコンタクトを有する利点を持つものである。さらに、適度の結晶粒子、粒界を含むために、圧接時に低圧でもうまく粒径に沿って変形が進み、圧接ムラが少ないものである。
Claims (5)
- 有機バインダーと0.1〜25体積%の導電性金属粒子とからなり、該導電性金属粒子は、3〜9μの範囲の粒子1個の加重1gfにおける変形率(変位量/変形前の粒径)が8〜60%であることを特徴とする異方導電性組成物。
- 導電性金属粒子が結晶性粒子であり、導電性金属粒子内部に存在する結晶粒の大きさが80〜5000Åであることを特徴とする請求項1記載の異方導電性組成物。
- 導電性金属粒子が、銅、銀、金、スズから選ばれた1種類以上の成分を有する金属粉末であることを特徴とする請求項1又は2記載の異方導電性組成物。
- 導電性金属粒子の平均粒子径が2〜15μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の異方導電性組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の異方導電性組成物よりなる異方導電性フィルム。
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