JP3660200B2 - 複数センサの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、製造業、流通業、および経営管理などで問題となる、多数の供給源から多数の消費対象に消費資源を最適に配分するための資源配分に関するものであり、ここでは特に、複数のセンサにより対象の観測を行う場合に、各センサに観測の役割を指示する複数センサの制御装置について述べる。また、これらの発明は、妨害リソース配分問題などにも適用することが可能である。
【0002】
【従来の技術】
図16は例えば「多目標追尾のためのセンサ群協調管理方法(野本弘平、木瀬若桜、白石將、日本ファジィ学会関東支部特別ワークショップ、1999.1.21.22)」で説明されている従来の複数センサの制御装置を示すブロック図であり、図において、1は目標航跡情報を格納する目標航跡情報ファイル、2はセンサの性能情報を格納するセンサ情報ファイルである。3はそれら目標航跡情報、およびセンサの性能情報に応じて、センサから目標を観測した場合の観測効果を算出する観測効果算出器、4はその観測効果に応じて、センサから目標に対する観測割当て結果を算出するセンサ対目標割当て器、5はそのセンサ対目標割当て器4での割当て手順を示すルール、6はその観測割当て結果を格納する割当て結果ファイルである。
【0003】
次に動作について説明する。
目標航跡情報ファイル1には、予めレーダ、パッシブセンサ、または赤外線撮像装置などのセンサにより得られる目標の位置、進行方向、および速度を含む目標航跡情報を格納しておく。また、センサ情報ファイル2には、予めセンサの探知範囲などを記録したセンサの性能情報を格納しておく。
観測効果算出器3は、それら目標航跡情報およびセンサの性能情報を入力し、各センサが各目標の観測に対する効果を算出する。効果の算出は、例えば、各センサと目標の位置関係、あるいは目標の予測位置の範囲などから行う。これらの効果の算出を各センサから各目標に対して行い、その結果を観測効果行列として出力する。図6は観測効果行列を示す説明図であり、図において、センサはM個、目標はN個存在し、例えば、センサiから目標jに対する観測効果行列はEijとなる。
【0004】
センサ対目標割当て器4は、その観測効果行列を入力し、ルール5で与えられる割当て手順に従って、各センサからの各目標の観測の効果が高くなるように割当てを実施する。
図17はルール5で与えられる割当て手順を示すフローチャートであり、図において、まず、観測効果行列の中から最も大きい要素を選択し、その選択された要素に応じてセンサiから目標jに割当てを行う(ステップST1)。他に利用可能なセンサもしくは割当てるべき目標が存在するか判定し(ステップST2)、存在する場合は、観測効果行列の中から次に大きい要素を選択するようにステップST1に処理を進め(ステップST3)、存在しない場合は割当てを終了する。
これらの処理により、センサ対目標割当て器4は、各センサから各目標への割当て結果を割当て行列として出力し、割当て結果ファイル6は、その割当て行列を格納する。図18は割当て行列を示す説明図であり、図において、割当て行列は、図6に示した観測効果行列と同様に、センサはM個、目標はN個存在し、例えば、センサiから目標jに対する割当て行列はXijとなる。この割当て行列の各要素は、初期値として0が与えられ、例えば、センサiから目標jに対する割当ての決定に応じて値が与えられる。
なお、従来の複数のセンサの制御装置では、このような割当て規則を、ヒューリスティックな方法により記述し実施している。従って、この場合、ルール5はヒューリスティックアルゴリズムということになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の複数のセンサの制御装置は以上のように構成されているので、目標およびセンサの数と、現在の観測効果のみを利用して割当てを行っていた。従って、観測時に、センサから目標が観測範囲外の位置に存在するか否かということを考慮しておらず、センサから目標が観測範囲外の位置に存在する場合は、それらの目標に対して実際に観測を行うことができなくなるという課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、目標がセンサの観測範囲内に出現する度合いを考慮し、センサの制御を行う複数センサの制御装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る複数センサの制御装置は、遮蔽物情報を格納する遮蔽物データベースと、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、目標が出現している比率を考慮して観測優先度を、観測優先度ベクトルとして評価する出現比率考慮観測優先度ベクトル評価器と、観測優先度ベクトル、および観測効果に応じて、センサから目標に対する観測割当て結果を算出する出現比率考慮センサ対目標割当て器と、その観測割当て結果を格納する割当て結果ファイルと、出現比率考慮観測優先度ベクトル評価器に、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、センサの覆域を算出するセンサ覆域算出器と、それらセンサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、目標が見通し外に入る位置を予測する目標見通し外位置予測器と、それらセンサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、目標の出現位置を予測する目標出現位置予測器と、それら目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報に応じて、各目標に対して見通し内に出現している時間の比率を、目標見通し内出現比率として算出する目標見通し内出現比率計算器と、その目標見通し内出現比率を目標観測優先度ベクトルに変換する目標観測優先度ベクトル変換器とを備えたものである。
【0009】
この発明に係る複数センサの制御装置は、目標見通し外位置予測器に、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、各目標が見通し外に入る位置を直線予測する直線目標見通し外位置予測器を備え、目標出現位置予測器に、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、各目標の出現位置を直線予測する直線目標出現位置予測器を備えたものである。
【0010】
この発明に係る複数センサの制御装置は、目標見通し外位置予測器に、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、遮蔽物を考慮して各目標が見通し外に入る位置を予測する遮蔽物考慮目標見通し外位置予測器を備え、目標出現位置予測器に、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、遮蔽物を考慮して各目標の出現位置を予測する遮蔽物考慮目標出現位置予測器を備えたものである。
【0011】
この発明に係る複数センサの制御装置は、遮蔽物考慮目標出現位置予測器に、センサの覆域、遮蔽物情報、および目標航跡情報に応じて、見通し外地域における目標の分岐点を予測する見通し外目標分岐予測位置計算器と、見通し外地域における目標の分岐点、センサの覆域、目標航跡情報、およびセンサの性能情報に応じて、目標の出現可能性が最も大きい位置を、目標の出現位置として予測する最大可能性目標位置計算器を備えたものである。
【0012】
この発明に係る複数センサの制御装置は、遮蔽物考慮目標出現位置予測器に、センサの覆域、遮蔽物情報、および目標航跡情報に応じて、見通し外地域における目標の分岐点を予測する見通し外目標分岐予測位置計算器と、見通し外地域における目標の分岐点、センサの覆域、目標航跡情報、およびセンサの性能情報に応じて、目標の出現位置を分布として算出する目標出現分布計算器を備えたものである。
【0013】
この発明に係る複数センサの制御装置は、目標見通し内出現比率計算器に、目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報に応じて、センサ毎に目標が見通し内に出現している比率を算出するセンサ毎見通し内比率計算器を備えたものである。
【0014】
この発明に係る複数センサの制御装置は、目標見通し内出現比率計算器に、目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報に応じて、センサクラスタ毎に目標が見通し内に出現している比率を算出するクラスタ毎見通し内比率計算器を備えたものである。
【0015】
この発明に係る複数センサの制御装置は、目標観測優先度ベクトル変換器に、目標見通し内出現比率に応じて、目標見通し内出現比率のみを考慮して目標観測優先度ベクトルを算出する出現比率考慮目標観測優先度ベクトル変換器を備えたものである。
【0016】
この発明に係る複数センサの制御装置は、目標観測優先度ベクトル変換器に、目標類別情報を格納する目標類別情報ファイルと、目標類別情報、および目標見通し内出現比率に応じて、目標見通し内出現比率のみならずその目標類別情報も考慮して目標観測優先度ベクトルを算出する出現比率と類別情報考慮目標観測優先度ベクトル変換器を備えたものである。
【0017】
この発明に係る複数センサの制御装置は、目標観測優先度ベクトル変換器に、目標を観測した時刻情報を格納する観測時刻情報ファイルと、観測時刻情報、および目標見通し内出現比率に応じて、目標見通し内時間比率のみならずその観測時刻情報も考慮して目標観測優先度ベクトルを算出する出現比率と観測時刻考慮目標観測優先度ベクトル変換器を備えたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による複数センサの制御装置を示すブロック図であり、図において、1は目標航跡情報を格納する目標航跡情報ファイル、2はセンサの性能情報を格納するセンサ情報ファイル、11は遮蔽物情報を格納する遮蔽物データベースである。12はそれら目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、目標が出現している比率を考慮して観測優先度を、観測優先度ベクトルとして評価する出現比率考慮観測優先度ベクトル評価器、3はそれら目標航跡情報、およびセンサの性能情報に応じて、センサから目標を観測した場合の観測効果を算出する観測効果算出器である。13はそれら観測優先度ベクトル、および観測効果に応じて、センサから目標に対する観測割当て結果を算出する出現比率考慮センサ対目標割当て器、14はその出現比率考慮センサ対目標割当て器13での割当て手順を示すルール、15はその観測割当て結果を格納する割当て結果ファイルである。
【0019】
また、出現比率考慮観測優先度ベクトル評価器12において、21はセンサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、センサの覆域を算出するセンサ覆域算出器、22はそれらセンサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、目標が見通し外に入る位置を予測する目標見通し外位置予測器、23はそれらセンサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、目標の出現位置を予測する目標出現位置予測器、24はそれら目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報に応じて、各目標に対して見通し内に出現している時間の比率を、目標見通し内出現比率として算出する目標見通し内出現比率計算器、25はその目標見通し内出現比率を目標観測優先度ベクトルに変換する目標観測優先度ベクトル変換器である。
【0020】
さらに、目標見通し外位置予測器22において、26はセンサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、各目標が見通し外に入る位置を直線予測する直線目標見通し外位置予測器である。
さらに、目標出現位置予測器23において、27はそれらセンサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、各目標の出現位置を直線予測する直線目標出現位置予測器である。
さらに、目標見通し内出現比率計算器24において、28は目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報に応じて、センサ毎に目標が見通し内に出現している比率を算出するセンサ毎見通し内比率計算器である。
さらに、目標観測優先度ベクトル変換器25において、29は目標見通し内出現比率に応じて、その目標見通し内出現比率のみを考慮して目標観測優先度ベクトルを算出する出現比率考慮目標観測優先度ベクトル変換器である。
【0021】
次に動作について説明する。
目標航跡情報ファイル1には、予めレーダ、パッシブセンサ、および赤外線撮像装置などのセンサにより得られる目標の位置、進行方向、および速度を含む目標航跡情報を格納しておく。センサ情報ファイル2には、予めセンサの探知範囲などを記録したセンサの性能情報を格納しておく。これらは従来技術と同様の公知のものである。
【0022】
遮蔽物データベース11には、建物などをはじめとする構造物の高さの情報、および山岳の標高などの地形による高さの情報などを含む遮蔽物情報を予め格納しておく。
出現比率考慮観測優先度ベクトル評価器12は、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報を入力し、目標が一度見通し外領域に突入した後再度見通し内領域に出現する可能性が1回もしくは複数回に渡って存在する場合、見通し内領域に存在する時間と見通し外領域に存在する時間との割合を表す目標の出現比率を考慮して、どの目標を優先的に観測するかを示す観測優先度を評価する。さらに、その評価結果を観測優先度ベクトルとして、出現比率考慮センサ対目標割当て器13に対して出力する。
以下、この出現比率考慮観測優先度ベクトル評価器12の詳細な動作について説明する。
【0023】
センサ覆域算出器21は、センサの性能情報、および遮蔽物情報を入力し、それらの情報からセンサの探知範囲を示すセンサの覆域を計算する。これらのセンサ覆域は、センサの性能により変化する。
図2はセンサの覆域を示す説明図であり、図において、斜線部がセンサ覆域である。図に示すように、遮蔽物情報により建物のような障害物、あるいは山岳のような標高が高い領域が存在するような場合には、その領域はセンサの探知範囲外となり、覆域とならないことがある。これらのセンサ覆域は、例えば、座標のスカラー値の範囲で指定される。算出されたセンサの覆域は、遮蔽物情報と共に、目標見通し外位置予測器22ならびに目標出現位置予測器23に対して出力される。
【0024】
目標見通し外位置予測器22は、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報を入力し、目標航跡情報に基づいて、目標が見通し外領域に入る位置を予測する。さらに、その予測された位置を、目標が見通し外に入る位置として、目標航跡情報と共に目標見通し内時間比率計算器24に対して出力する。
図1では、目標見通し外位置予測器22は、直線目標見通し外位置予測器26により構成されている。直線目標見通し外位置算出器26は、目標航跡情報に基づいて、各目標の運動方向を直線予測し、目標が見通し外領域に入る領域を算出する。図3は観測可能な限界位置の算出例を示す説明図であり、図において、以降の運動方向を予測すると点線のようになる。すなわち、目標の直線運動方向とセンサの覆域の交点から、目標が見通し外領域に入る位置P1を算出している。
【0025】
目標出現位置予測器23は、目標航跡情報、センサの性能情報、センサの覆域、および遮蔽物情報を入力し、目標航跡情報に基づいて、見通し外領域に突入し、かつその後再出現する可能性が高い目標の出現位置を予測する。さらに、その予測された位置を目標の出現位置として、目標見通し内出現比率計算器24に対して出力する。
図1では、目標出現位置予測器23は、直線目標出現位置予測器27により構成されている。直線目標出現位置予測器27は、目標航跡情報、センサの性能情報、センサの覆域、および遮蔽物情報を入力し、目標の運動方向を直線予測し、目標が見通し内領域に再出現すると予測される位置を算出する。例えば、図3においては、直線目標見通し外位置算出器26の場合と同様にして、その点線とセンサ覆域の交点P2が再出現予測点となる。
【0026】
目標見通し内出現比率計算器24は、目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報を入力し、ある一定の時間単位において、例えば、式(1)を用いて各目標に対して目標がどの位の割合で見通し内領域に存在しているかを示す目標見通し内出現比率を算出する。
tij=(rj−r0ij)/rj (1)
但し、tijはセンサiから見た、目標jの見通し内出現比率、rjは目標jにおいて、現在位置から単位時間後までの移動距離、r0ijはセンサiから見て、目標jが見通し外領域に入っている領域における総移動距離である。
さらに、算出された目標見通し内出現比率を、目標観測優先度ベクトル変換器25に対して出力する。
【0027】
また、図1では、目標見通し内出現比率計算器24は、センサ毎見通し内比率計算器28により構成されている。
センサ毎見通し内比率計算器28は、それぞれのセンサ毎に、各目標が単位時間後にどの位置に存在するかを予測し、それまでに目標がどの割合で見通し内領域に存在するかを示す見通し内出現比率を算出する。図4および図5は見通し内出現比率の算出例を示す説明図であり、図4では、センサ1から目標1、目標2に対して見通し内領域に出現する比率を算出している。まず、目標1が現在P10の位置に存在し、目標が見通し外に入る位置がP11、再出現位置がP12であるとする。この時、例えば単位時間後の目標の予測位置がP13であるとすれば、例えば、式(2)のように目標1の見通し内出現比率を算出する。
t11=(rP1+rP2)/r1 (2)
但し、t11はセンサ1から見た、目標1の見通し内出現比率、rP1はP10からP11までの距離、rP2はP12からP13までの距離、r1はP10からP13までの距離である。
一方、目標2に対しても、同様に現在P20の位置に存在し、見通し外に入る位置がP21で、再出現位置は存在しない。この時、単位時間後の目標2の予測位置がP22であるとすれば、式(3)のように目標2の見通し内出現比率を算出する。
t12=rP3/r2 (3)
但し、t12はセンサ1から見た、目標2の見通し内出現比率、rP3はP20からP21までの距離、r2はP20からP22までの距離である。
【0028】
次に、図5では、センサ2から目標1は覆域外であるため、目標2に対してのみ見通し内出現比率を算出する。センサ1の場合と同様に、目標2には現在P20の位置に存在し、単位時間後の目標2の予測位置はP22であるとする。この時、センサ1の場合と異なり、覆域の関係によりセンサ2から見通し外になる位置はP23となる。よって、式(4)のように目標2の見通し内出現比率を算出する。
t22=rP4/r2 (4)
但し、t22はセンサ2から見た、目標2の見通し内出現比率、rP4はP20からP23までの距離、r2はP20からP22までの距離である。
【0029】
目標観測優先度ベクトル変換器25は、目標見通し内出現比率を入力し、それに基づいて、全ての目標について、どの目標を優先的に観測するかを示す観測優先度を算出する。さらに、全ての目標について算出された観測優先度を、目標観測優先度ベクトルとして、出現比率考慮センサ対目標割当て器13に対して出力する。
図1では、目標観測優先度ベクトル変換器25は、出現比率考慮目標観測優先度ベクトル変換器29により構成されている。出現比率考慮目標観測優先度ベクトル変換器29は、目標見通し内出現比率を入力し、例えば、式(5)により、目標見通し内出現比率のみを利用して、目標観測優先度を算出する。
【数1】
但し、Ojは目標jの観測優先度、Cは予め与えられた定数、Mはセンサの数、tijはセンサiから見た、目標jの見通し内出現比率である。
この場合、見通し内出現比率の少ない目標、すなわち観測する機会の少ない目標の観測を優先的に実施することになる。
【0030】
観測効果算出器3は、目標航跡情報ならびにセンサの性能情報を入力し、各センサが各目標の観測に対する効果を算出する。効果の算出は、例えば、各センサと目標の位置関係、あるいは目標の予測位置の範囲などから行う。これらの効果の算出を各センサから各目標に対して行い、その結果を観測効果行列として出力する。図6は観測効果行列を示す説明図であり、図において、センサはM個、目標はN個存在し、例えば、センサiから目標jに対する観測効果行列はEijとなる。
【0031】
出現比率考慮センサ対目標割当て器13は、目標観測優先度ベクトル、および観測効果を入力し、センサから目標に対する観測効果行列を作成する。
図7は観測効果行列を示す説明図であり、図では既に目標観測優先度に応じて観測効果行列の各列の要素が並びかえられた後を示している。
さらに、ルール14で与えられる割当て手順に従って、目標観測優先度ベクトルに示される各目標の観測優先度を考慮し、各センサからの各目標の観測の効果が高くなるように、割当てを実施する。
図8はルールで与えられる割当て手順を示すフローチャートであり、図において、目標観測優先度ベクトル内の各要素Ojを、その大きさを基準に並びかえる(ステップST11)。ここでは、図7で示したように目標観測優先度ベクトルの大きい順に、O1,O2,…,ONであったとして、この時に並びかえられた目標観測優先度ベクトルに応じて、観測効果行列の各列についても並びかえる。
次に、目標観測優先度ベクトルが最も高いものに対応する目標O1に対し、観測効果行列E11〜EM1の中で最も大きいセンサを割当てる(ステップST12)。
他に利用可能なセンサもしくは割当てるべき目標が存在するか判定し(ステップST13)、存在する場合は、目標観測優先度ベクトルの中から次に大きい目標O2を選択するようにステップST12に処理を進め(ステップST14)、存在しない場合は割当てを終了する。
これらの処理により、出現比率考慮センサ対目標割当て器13は、各センサから各目標への割当て結果を割当て行列として出力し、割当て結果ファイル15は、その割当て行列を格納する。図9は割当て行列を示す説明図であり、図において、割当て行列は、図6に示した観測効果行列と同様に、センサはM個、目標はN個存在し、例えば、センサiから目標jに対する割当て行列はXijとなる。この割当て行列の各要素は、初期値として0が与えられ、例えば、センサiから目標jに対する割当ての決定に応じて値が与えられる。
なお、ルール14には、図8で示されるようなルールを格納したが、ここでは、観測優先度と観測効果を利用したヒューリスティックアルゴリズムを利用しているため、格納されているルールはヒューリスティックアルゴリズムということになるが、他のルールも利用可能であることは言うまでもない。
【0032】
以上のように、この実施の形態1によれば、以下の効果を奏する。
(1)目標が見通し内領域に存在する可能性を考慮して、センサから目標への観測割当てを行うことができる。
(2)目標が見通し内領域に存在する可能性を考慮して、センサから目標に対して精度の高い観測割当てを行うことができる。
(3)直線予測により、目標が見通し内領域に再出現すると予測される位置を算出するので、単純な減算、および除算で算出することができ、迅速にセンサから目標への観測割当てを行うことができる。
(4)センサ毎に見通し内出現比率を算出するので、各センサの状態を考慮して、目標への観測割当てを行うことができる。
(5)目標の出現比率を最優先にした、センサから目標への観測割当てを行うことができる。
【0033】
実施の形態2.
図10はこの発明の実施の形態2による複数センサの制御装置を示すブロック図であり、目標見通し外位置予測器22において、31はセンサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、遮蔽物を考慮して各目標が見通し外に入る位置を予測する遮蔽物考慮目標見通し外位置予測器である。
また、目標出現位置予測器23において、32はそれらセンサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、遮蔽物を考慮して各目標の出現位置を予測する遮蔽物考慮目標出現位置予測器である。
さらに、遮蔽物考慮目標出現位置予測器32において、33はセンサの覆域、遮蔽物情報、および目標航跡情報に応じて、見通し外地域における目標の分岐点を予測する見通し外目標分岐予測位置計算器、34はそれら見通し外地域における目標の分岐点、センサの覆域、目標航跡情報、およびセンサの性能情報に応じて、目標の出現位置を分布として算出する目標出現分布計算器である。
さらに、目標見通し内時間比率計算器24において、35は目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報に応じて、センサクラスタ毎に目標が見通し内に出現している比率を算出するクラスタ毎見通し内比率計算器である。
さらに、目標観測優先度ベクトル変換器25において、36は目標類別情報を格納する目標類別情報ファイル、37はそれら目標類別情報、および目標見通し内出現比率に応じて、目標見通し内出現比率のみならずその目標類別情報も考慮して目標観測優先度ベクトルを算出する出現比率と類別情報考慮目標観測優先度ベクトル変換器である。
その他、図1と同一符号で示す構成は、図1と同一な構成であるのでその重複する説明を省略する。
【0034】
次に動作について説明する。
遮蔽物考慮目標見通し外位置予測器31は、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報を入力し、遮蔽物を考慮して各目標の運動方向を予測する。図11は遮蔽物を考慮した予測例を示す説明図であり、図において、矢印点線で示した直線運動方向には、建物などの遮蔽物が存在するため、例えば、実線で示されるような方向に目標が運動するというような予測を行う。予測された目標の運動方向を用いて目標が見通し外に入る位置Pを算出する。
【0035】
遮蔽物考慮目標出現位置予測器32は、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報を入力し、遮蔽物情報に基づいて、そのセンサの覆域外となる見通し外領域において目標が運動する方向を予測する。さらに、予測結果に基づいて、目標が見通し内領域に再出現すると予測される位置を算出する。
図10では、遮蔽物考慮目標出現位置予測器32は、見通し外目標分岐予測位置計算器33と、目標出現分布計算器34とから構成されているため、この動作について説明する。
見通し外目標分岐予測位置計算器33は、センサの覆域、目標航跡情報、および遮蔽物情報を入力し、これらに基づいて、各目標がセンサの覆域外となる見通し外領域において、目標が複数方向に分岐する可能性のある目標の分岐点を予測する。図12は目標の分岐点の予測例を示す説明図であり、図において、遮蔽物の高さなどの関係により、見通し外領域の地点Dにおいて目標が2方向に進むことを予測している。この場合、地点Dを目標の分岐点として出力する。
目標出現分布計算器34は、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および目標の分岐点を入力し、その目標の分岐点以降における目標の運動方向を予測し、目標の出現が予測される複数個の位置と、その出現可能性を計算する。図13は分布の計算例を示す説明図であり、図において、分岐点D以降の目標の進行方向とその可能性を予測し、地点P1でセンサの覆域内に再出現する可能性が70%、地点P2でセンサの覆域内に再出現する可能性が30%であると予測している。従って、これらの情報を目標の出現位置の分布として出力する。
【0036】
クラスタ毎見通し内比率計算器35は、目標の見通し外位置、目標の出現位置、および目標航跡情報を入力し、センサを複数個まとめたセンサクラスタ(以降これをクラスタと言う)毎に、利用可能なセンサからの目標見通し内出現時間比率を算出する。図14は目標見通し内出現時間比率の算出例を示す説明図であり、図において、目標が現在P0の位置に存在し、目標が見通し外に入る位置がP1と予測されたとする。また、目標が分岐点Dで分岐し、70%の可能性で地点P2に再出現し、30%の可能性で地点P4の入力が得られたものとする。この時、クラスタ毎見通し内比率計算器35は、単位時間後の目標予測位置をそれぞれ70%の可能性でP3、30%の可能性でP5と予測する。このため、位置P3については、式(6)のように目標出現比率を算出する。
t101=(rP5+rP6)/r01 (6)
但し、t101は(予測位置をP3と仮定した場合の)センサ1から見た、目標の見通し内出現比率、rP5はP0からP1までの距離、rP6はP2からP3までの距離、r01はP0からP3までの距離(P0→P1→D→P2→P3という経路の道のり)である。
【0037】
一方、位置P5に関しては、センサ1の覆域外であるが、センサ2からは覆域内であるため、クラスタ全体では覆域内であるとみなすことができる。従ってこの場合、式(7)のように目標見通し内出現比率を算出する。
t102=(rP5+rP7)/r02 (7)
但し、t102は(予測位置をP5と仮定した場合の)センサ1から見た、目標の見通し内出現比率、rP5はP0からP1までの距離、rP7はP4からP5までの距離、r02はP0からP5までの距離(P0→P1→D→P4→P5という経路の道のり)である。
よって、これらの値から、例えば、式(8)のように、全体の目標見通し内出現比率を算出する。
t10=0.7×t101+0.3×t102 (8)
但し、t10は全体の目標見通し内出現比率であり、0.7ならびに0.3はそれぞれP3への出現可能性70%と、P5への出現可能性30%に対応した値である。
【0038】
目標類別情報ファイル36には、予め目標の種別や脅威、あるいは移動速度といった尺度に基づく目標類別情報を格納しておく。
出現比率と類別情報考慮目標観測優先度ベクトル変換器37は、目標類別情報、および目標見通し内時間を入力し、これらの入力に基づいて、例えば、式(9)により目標観測優先度ベクトルを算出する。
【数2】
但し、Ojは目標jの観測優先度、Cは予め与えられた定数、Mはクラスタの数、tijはクラスタiから見た、目標jの見通し内出現比率、ujは目標jの類別結果により値が与えられる変数であり、観測の重要度が高ければ値を高くし、低ければ値を低くする。例えば、航空機などを観測する場合において、民間航空機よりも戦闘機の方が観測優先度を高くしたい場合には、これらの値を変化させ優先度に差をつける。
以降の処理は、実施の形態1と同様である。
【0039】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、以下の効果を奏する。
(1)目標が見通し内領域に存在する可能性を考慮して、センサから目標への観測割当てを行うことができる。
(2)目標が見通し内領域に存在する可能性を考慮して、センサから目標に対して精度の高い観測割当てを行うことができる。
(3)遮蔽物が複雑に入り組んでいるような領域においても、観測すべき目標が見通し内領域に存在する可能性を精度よく予測し、センサから目標への観測割当てを行うことができる。
(4)遮蔽物が複雑に入り組んでいるような領域において、目標の観測を効果的に行うことができる。
(5)複数のセンサを統制したクラスタにおいても、効率良く目標へのセンサ割当てを行うことができる。
(6)目標の属性、種類を考慮した、センサから目標への割当てを行うことができる。
【0040】
実施の形態3.
図15はこの発明の実施の形態3による複数センサの制御装置を示すブロック図であり、遮蔽物考慮目標出現位置予測器32において、41は見通し外地域における目標の分岐点、センサの覆域、目標航跡情報、およびセンサの性能情報に応じて、目標の出現可能性が最も大きい位置を、目標の出現位置として予測する最大可能性目標位置計算器である。
また、目標観測優先度ベクトル変換器25において、42は目標を観測した時刻情報を格納する観測時刻情報ファイル、43はそれら観測時刻情報、および目標見通し内出現比率に応じて、目標見通し内時間比率のみならずその観測時刻情報も考慮して目標観測優先度ベクトルを算出する出現比率と観測時刻考慮目標観測優先度ベクトル変換器である。
その他、図1および図10と同一符号で示す構成は、図1および図10と同一な構成であるのでその重複する説明を省略する。
【0041】
次に動作について説明する。
最大可能性目標位置計算器41は、見通し外地域における目標の分岐点、センサの覆域、目標航跡情報、およびセンサの性能情報を入力し、これらに基づいて、目標の分岐点以降における目標の運動方向を予測し、目標の出現可能性が最も大きい位置を計算する。
図13を例にして説明すると、地点P1でセンサの覆域内に再出現する可能性が70%、地点P2でセンサの覆域内に再出現する可能性が30%であると予測しているため、出現可能性が最も高い地点P1のみを目標の出現位置として出力する。
【0042】
観測時刻情報ファイル42には、現在把握している各目標について、どの時刻に観測を実施したかという観測時刻情報を格納しておく。
出現比率と観測時刻考慮目標観測優先度ベクトル変換器43は、観測時刻情報、目標見通し内出現比率を入力し、これらの入力に基づいて、例えば、式(10)により、目標観測優先度ベクトルを算出する。
【数3】
但し、Ojは目標jの観測優先度、Cは予め与えられた定数、Mはセンサの数、tijはセンサiから見た、目標jの見通し内出現比率、ljは目標jを最後に観測した時刻、l0は現在の時刻である。
この場合、最後に観測した時刻が遅い目標ほど観測優先度を低く与える。
以降の処理は、実施の形態1と同様する。
【0043】
以上のように、この実施の形態3によれば、以下の効果を奏する。
(1)目標が見通し内領域に存在する可能性を考慮して、センサから目標への観測割当てを行うことができる。
(2)目標が見通し内領域に存在する可能性を考慮して、センサから目標に対して精度の高い観測割当てを行うことができる。
(3)遮蔽物が複雑に入り組んでいるような領域においても、観測すべき目標が見通し内領域に存在する可能性を精度よく予測し、センサから目標への観測割当てを行うことができる。
(4)遮蔽物が複雑に入り組んでいるような領域において、センサを効率良く利用し目標の観測を精度良く行うことができる。
(5)各センサの状態を考慮して、目標への観測割当てを行うことができる。
(6)目標の観測頻度を考慮した、センサから目標への観測割当てを行うことができる。
【0044】
なお、上記実施の形態1から上記実施の形態3における各構成要素は、他の実施の形態における構成要素を適宜組み合せて構成しても良く、その場合は、その組み合せた構成要素による効果を奏することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、遮蔽物情報を格納する遮蔽物データベースと、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、目標が出現している比率を考慮して観測優先度を、観測優先度ベクトルとして評価する出現比率考慮観測優先度ベクトル評価器と、観測優先度ベクトル、および観測効果に応じて、センサから目標に対する観測割当て結果を算出する出現比率考慮センサ対目標割当て器と、その観測割当て結果を格納する割当て結果ファイルと、出現比率考慮観測優先度ベクトル評価器に、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、センサの覆域を算出するセンサ覆域算出器と、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、目標が見通し外に入る位置を予測する目標見通し外位置予測器と、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、目標の出現位置を予測する目標出現位置予測器と、目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報に応じて、各目標に対して見通し内に出現している時間の比率を、目標見通し内出現比率として算出する目標見通し内出現比率計算器と、目標見通し内出現比率を目標観測優先度ベクトルに変換する目標観測優先度ベクトル変換器とを備えるように構成したので、目標が見通し内領域に存在する可能性を考慮して、センサから目標に対して精度の高い観測割当てを行うことができる効果が得られる。
【0047】
さらに、この発明によれば、目標見通し外位置予測器に、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、各目標が見通し外に入る位置を直線予測する直線目標見通し外位置予測器を備え、目標出現位置予測器に、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、各目標の出現位置を直線予測する直線目標出現位置予測器を備えるように構成したので、目標が見通し内領域に存在する可能性を考慮して、迅速にセンサから目標への観測割当てを行うことができる効果が得られる。
【0048】
さらに、この発明によれば、目標見通し外位置予測器に、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、遮蔽物を考慮して各目標が見通し外に入る位置を予測する遮蔽物考慮目標見通し外位置予測器を備え、目標出現位置予測器に、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、遮蔽物を考慮して各目標の出現位置を予測する遮蔽物考慮目標出現位置予測器を備えるように構成したので、遮蔽物が複雑に入り組んでいるような領域においても、観測すべき目標が見通し内領域に存在する可能性を精度良く予測し、センサから目標への観測割当てを行うことができる効果が得られる。
【0049】
さらに、この発明によれば、遮蔽物考慮目標出現位置予測器に、センサの覆域、遮蔽物情報、および目標航跡情報に応じて、見通し外地域における目標の分岐点を予測する見通し外目標分岐予測位置計算器と、見通し外地域における目標の分岐点、センサの覆域、目標航跡情報、およびセンサの性能情報に応じて、目標の出現可能性が最も大きい位置を、目標の出現位置として予測する最大可能性目標位置計算器を備えるように構成したので、遮蔽物が複雑に入り組んでいるような領域において、センサを効率良く利用し目標の観測割当てを行うことができる効果が得られる。
【0050】
さらに、この発明によれば、遮蔽物考慮目標出現位置予測器に、センサの覆域、遮蔽物情報、および目標航跡情報に応じて、見通し外地域における目標の分岐点を予測する見通し外目標分岐予測位置計算器と、見通し外地域における目標の分岐点、センサの覆域、目標航跡情報、およびセンサの性能情報に応じて、目標の出現位置を分布として算出する目標出現分布計算器を備えるように構成したので、遮蔽物が複雑に入り組んでいるような領域において、目標の観測を効果的に行うことができる効果が得られる。
【0051】
さらに、この発明によれば、目標見通し内出現比率計算器に、目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報に応じて、センサ毎に目標が見通し内に出現している比率を算出するセンサ毎見通し内比率計算器を備えるように構成したので、各センサの状態を考慮して、目標への観測割当てを行うことができる効果が得られる。
【0052】
さらに、この発明によれば、目標見通し内出現比率計算器に、目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報に応じて、センサクラスタ毎に目標が見通し内に出現している比率を算出するクラスタ毎見通し内比率計算器を備えるように構成したので、複数のセンサを統制したクラスタにおいても、効率良く目標へのセンサの観測割当てを行うことができる効果が得られる。
【0053】
さらに、この発明によれば、目標観測優先度ベクトル変換器に、目標見通し内出現比率に応じて、目標見通し内出現比率のみを考慮して目標観測優先度ベクトルを算出する出現比率考慮目標観測優先度ベクトル変換器を備えるように構成したので、目標の出現比率を最優先にしたセンサから目標への観測割当てを行うことができる効果が得られる。
【0054】
さらに、この発明によれば、目標観測優先度ベクトル変換器に、目標類別情報を格納する目標類別情報ファイルと、目標類別情報、および目標見通し内出現比率に応じて、目標見通し内出現比率のみならずその目標類別情報も考慮して目標観測優先度ベクトルを算出する出現比率と類別情報考慮目標観測優先度ベクトル変換器を備えるように構成したので、目標の属性、種類を考慮した、センサから目標への観測割当てを行うことができる効果が得られる。
【0055】
さらに、この発明によれば、目標観測優先度ベクトル変換器に、目標を観測した時刻情報を格納する観測時刻情報ファイルと、観測時刻情報、および目標見通し内出現比率に応じて、目標見通し内時間比率のみならずその観測時刻情報も考慮して目標観測優先度ベクトルを算出する出現比率と観測時刻考慮目標観測優先度ベクトル変換器を備えるように構成したので、目標の観測頻度を考慮したセンサから目標への観測割当てを行うことができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による複数センサの制御装置を示すブロック図である。
【図2】 センサの覆域を示す説明図である。
【図3】 観測可能な限界位置の算出例を示す説明図である。
【図4】 見通し内出現比率の算出例を示す説明図である。
【図5】 見通し内出現比率の算出例を示す説明図である。
【図6】 観測効果行列を示す説明図である。
【図7】 観測効果行列を示す説明図である。
【図8】 ルールで与えられる割当て手順を示すフローチャートである。
【図9】 割当て行列を示す説明図である。
【図10】 この発明の実施の形態2による複数センサの制御装置を示すブロック図である。
【図11】 遮蔽物を考慮した予測例を示す説明図である。
【図12】 目標の分岐点の予測例を示す説明図である。
【図13】 分布の計算例を示す説明図である。
【図14】 目標見直し内出現時間比率の算出例を示す説明図である。
【図15】 この発明の実施の形態3による複数センサの制御装置を示すブロック図である。
【図16】 従来の複数センサの制御装置を示すブロック図である。
【図17】 ルールで与えられる割当て手順を示すフローチャートである。
【図18】 割当て行列を示す説明図である。
【符号の説明】
1 目標航跡情報ファイル、2 センサ情報ファイル、3 観測効果算出器、11 遮蔽物データベース、12 出現比率考慮観測優先度ベクトル評価器、13 出現比率考慮センサ対目標割当て器、14 ルール、15 割当て結果ファイル、21 センサ覆域算出器、22 目標見通し外位置予測器、23 目標出現位置予測器、24 目標見通し内出現比率計算器、25 目標観測優先度ベクトル変換器、26 直線目標見通し外位置予測器、27 直線目標出現位置予測器、28 センサ毎見通し内比率計算機、29 出現比率考慮目標観測優先度ベクトル変換器、31 遮蔽物考慮目標見通し外位置予測器、32 遮蔽物考慮目標出現位置予測器、33 見通し外目標分岐予測位置計算器、34 目標出現分布計算器、35 クラスタ毎見通し内比率計算器、36 目標類別情報ファイル、37 出現比率と類別情報考慮目標観測優先度ベクトル変換器、41 最大可能性目標位置計算器、42 観測時刻情報ファイル、43 出現比率と観測時刻考慮目標観測優先度ベクトル変換器。
Claims (10)
- 目標航跡情報を格納する目標航跡情報ファイルと、センサの性能情報を格納するセンサ情報ファイルと、遮蔽物情報を格納する遮蔽物データベースと、それら目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、目標が出現している比率を考慮して観測優先度を、観測優先度ベクトルとして評価する出現比率考慮観測優先度ベクトル評価器と、それら目標航跡情報、およびセンサの性能情報に応じて、センサから目標を観測した場合の観測効果を算出する観測効果算出器と、それら観測優先度ベクトル、および観測効果に応じて、センサから目標に対する観測割当て結果を算出する出現比率考慮センサ対目標割当て器と、その観測割当て結果を格納する割当て結果ファイルと、前記出現比率考慮観測優先度ベクトル評価器に、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、センサの覆域を算出するセンサ覆域算出器と、それらセンサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、目標が見通し外に入る位置を予測する目標見通し外位置予測器と、それらセンサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、目標の出現位置を予測する目標出現位置予測器と、それら目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報に応じて、各目標に対して見通し内に出現している時間の比率を、目標見通し内出現比率として算出する目標見通し内出現比率計算器と、その目標見通し内出現比率を目標観測優先度ベクトルに変換する目標観測優先度ベクトル変換器とを備えたことを特徴とする複数センサの制御装置。
- 目標見通し外位置予測器に、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、各目標が見通し外に入る位置を直線予測する直線目標見通し外位置予測器を備え、目標出現位置予測器に、それらセンサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、各目標の出現位置を直線予測する直線目標出現位置予測器を備えたことを特徴とする請求項1記載の複数センサの制御装置。
- 目標見通し外位置予測器に、センサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、遮蔽物を考慮して各目標が見通し外に入る位置を予測する遮蔽物考慮目標見通し外位置予測器を備え、目標出現位置予測器に、それらセンサの覆域、目標航跡情報、センサの性能情報、および遮蔽物情報に応じて、遮蔽物を考慮して各目標の出現位置を予測する遮蔽物考慮目標出現位置予測器を備えたことを特徴とする請求項1記載の複数センサの制御装置。
- 遮蔽物考慮目標出現位置予測器に、センサの覆域、遮蔽物情報、および目標航跡情報に応じて、見通し外地域における目標の分岐点を予測する見通し外目標分岐予測位置計算器と、それら見通し外地域における目標の分岐点、センサの覆域、目標航跡情報、およびセンサの性能情報に応じて、目標の出現可能性が最も大きい位置を、目標の出現位置として予測する最大可能性目標位置計算器を備えたことを特徴とする請求項3記載の複数センサの制御装置。
- 遮蔽物考慮目標出現位置予測器に、センサの覆域、遮蔽物情報、および目標航跡情報に応じて、見通し外地域における目標の分岐点を予測する見通し外目標分岐予測位置計算器と、それら見通し外地域における目標の分岐点、センサの覆域、目標航跡情報、およびセンサの性能情報に応じて、目標の出現位置を分布として算出する目標出現分布計算器を備えたことを特徴とする請求項3記載の複数センサの制御装置。
- 目標見通し内出現比率計算器に、目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報に応じて、センサ毎に目標が見通し内に出現している比率を算出するセンサ毎見通し内比率計算器を備えたことを特徴とする請求項2から請求項5のうちのいずれか1項記載の複数センサの制御装置。
- 目標見通し内出現比率計算器に、目標の出現位置、目標が見通し外に入る位置、および目標航跡情報に応じて、センサクラスタ毎に目標が見通し内に出現している比率を算出するクラスタ毎見通し内比率計算器を備えたことを特徴とする請求項2から請求項5のうちのいずれか1項記載の複数センサの制御装置。
- 目標観測優先度ベクトル変換器に、目標見通し内出現比率に応じて、その目標見通し内出現比率のみを考慮して目標観測優先度ベクトルを算出する出現比率考慮目標観測優先度ベクトル変換器を備えたことを特徴とする請求項6または請求項7記載の複数センサの制御装置。
- 目標観測優先度ベクトル変換器に、目標類別情報を格納する目標類別情報ファイルと、それら目標類別情報、および目標見通し内出現比率に応じて、目標見通し内出現比率のみならずその目標類別情報も考慮して目標観測優先度ベクトルを算出する出現比率と類別情報考慮目標観測優先度ベクトル変換器を備えたことを特徴とする請求項6または請求項7記載の複数センサの制御装置。
- 目標観測優先度ベクトル変換器に、目標を観測した時刻情報を格納する観測時刻情報ファイルと、それら観測時刻情報、および目標見通し内出現比率に応じて、目標見通し内時間比率のみならずその観測時刻情報も考慮して目標観測優先度ベクトルを算出する出現比率と観測時刻考慮目標観測優先度ベクトル変換器を備えたことを特徴とする請求項6または請求項7記載の複数センサの制御装置。
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