JP3659628B2 - 電極板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、純水等を電気分解して水素および酸素を発生させる水素酸素発生装置の電解セルに使用される電極板に関する。
【0002】
【従来の技術】
水等を電気分解して水素および酸素を発生させる水素酸素発生装置(以下、単に「装置」ともいう)において使用される電解セルとしては、電解質の役割を果たす固体電解質膜と、これを挟む電極等によって構成されたもの(以下、「固体電解質膜ユニット」という)を所定組積層されたものが知られている。
【0003】
かかる電解セルを、図9を参照しつつ説明すると、前記固体電解質膜ユニット5は、固体電解質膜30と、この固体電解質膜30を挟持すべく設けられた一対の電極板10(陽極側および陰極側電極板)と、前記固体電解質膜30と前記電極板10との間に設けられた給電体6(陽極側および陰極側給電体)、さらに必要に応じてスペーサーやOリング等(図示せず)により構成されている(以下、これらを総称して「構成要素」ともいう)。前記固体電解質膜30としては、固体高分子電解質膜31の両面に電極触媒層32を設けたもの等が使用される。
また、かかる固体電解質膜ユニット5を並べ合わせ、電解セル1として組み立てる際には、該固体電解質膜ユニット5の構成要素を互いに密着させるように加圧すべく、前記電解セル1の両端に端板2、2と、該端板2、2を連結する複数のボルト3、3…が設けられる。
【0004】
そして、前記装置を運転する際には、前記ボルト3、3…を締めつけることによって前記端板2、2を介して該端板2、2の間に挟まれた電解セル1に所定の圧力をかけることによって電極板10、給電体6及び固体電解質膜30を所定の面圧で圧接させ、その状態で陽極側に純水等を供給し、さらに固体電解質膜ユニットの両端より電圧を印加することにより、主に陽極側給電体6aに接する電極触媒層32aにおいて酸素ガスを発生させ、陰極側給電体6bに接する電極触媒層32bにおいて水素ガスを発生させるものである。
【0005】
このような電解セル1においては、両端の端板2、2より各構成要素に加えられる圧力を各構成要素に均一に作用させ、特に給電体6a、6bと固体電解質膜30との接触面圧を均一にして接触電気抵抗を下げることにより、電気分解のエネルギー効率を向上させることが求められる。
【0006】
従来、このような要求を満たすベく、前記給電体6に弾性を付与することによって上記課題を解決することも図られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、給電体は、本来電気の導通、固体電解質膜への水の供給、発生した気体の導出、固体電解質膜の保持といった多岐にわたる機能を果たすベく設けられるものであり、その材料及び構造の選択の範囲も制限されている。即ち、該給電体は、電気を導通させるために導電性材料で形成され、水の供給および気体の排出の機能を付与するために多孔質構造となっており、さらに内部の空孔を保持するために変形しにくいように構成されている。
これらの機能に加えて、さらに接触面圧の均一化を図るための機能を付与することは、給電体の作製を困難なものとし、また、このような機能を有した給電体を作製するにはコストの高いものとなるという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、電解セルに好適に使用することができる電極板を提供することを課題とし、より詳しくは、電解セル中において積層して使用された場合に、構成要素間の接触状態を良好に保つことができる電極板を提供することを課題とするものである。
また、上記課題に加え、供給された水および発生した気体等を好適に流通させることができる電極板を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成するに至った。
【0012】
本発明の手段は、固体電解質膜および給電体とともに積層されて電解セルを構成する電極板であって、導電性部材によって構成され且つ互いに導通された一対の積層面を有し、さらに前記積層面間には積層面間の全体にわたる単一の弾性部材が設けられており、該弾性部材の積層方向の厚みが前記積層面間の全域において均一であることを特徴とする電極板にある。
【0013】
電極板の積層面間に積層面間の全体にわたる単一の弾性部材が設けられ、該弾性部材の積層方向の厚みが前記積層面間の全域において均一であることにより、導電板に加えられた積層方向の圧縮力によって該弾性部材が弾性変形されるため、電極板全体として積層方向に弾性変形するものとなり、各構成要素間の接触状態が良好にすることができる。
【0014】
また、好ましくは前記弾性部材が導電性を有し、該弾性部材によって前記一対の積層面が導通された前記電極板にある。かかる構成の電極板によれば、別途導通手段を設けなくとも積層面を導通させることが可能となり、電極板の構造を簡易なものとすることができる。
【0015】
また、好ましくは前記一対の積層面が単一の部材からなる前記電極板にあり、一対の積層面が単一部材より構成されていれば、複数の部材を接合する必要がなく、電極板の電気抵抗をより小さいものとすることができる。
【0016】
さらに、前記導電性部材によって構成された積層面に凸部が形成されていれば、該電極板に隣接される構成要素(例えば給電体)との間に間隙を有するものとなり、水および気体の流通に好ましいものとなる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電極板の実施形態について、以下、図面に基づき説明する。
【0026】
図1に示したように、本発明の電極板10は、例えば固体電解質膜30と、該固体電解質膜30の両面に隣接される一対の給電体6a、6bと、該給電体の上下に隣接されるスペーサー40とともに積層され、一つの固体電解質膜ユニット5を構成するものであり、さら該固体電解質膜ユニット5が所定組積層されて電解セルを構成するものである。
固体電解質膜ユニット5が積層される際には、前記電極板10は隣接する固体電解質膜ユニット5の電極板をも兼ねるものであり、即ち、電極板の表裏両面が陽極及び陰極の電極面として機能する、いわゆる複極式の電極板である。
【0027】
前記固体電解質膜30としては、固体高分子電解質膜31と、該固体高分子電解質膜31の両面に形成した貴金属からなる多孔質層(電極触媒層)32より構成されたものが好適に使用され、隣接する陽極側の給電体6より供給される水を該電極触媒層32表面にて電気分解して酸素を発生させると共に、水素イオンを該固体電解質膜30の反対面側へ移動させ、陰極側の電極触媒層32において水素ガスを発生させるものである。
【0028】
また、前記給電体6は、供給される水を前記固体電解質膜30へ供給するとともに、発生した前記気体を排出するものであり、耐腐食性の高い金属性の繊維又は粉末が焼結されて構成されたものが好ましい。耐腐食性の高い金属としては、例えば陽極側にはチタン、ニオブ、チタンパラジウム合金等、陰極側にはステンレス、グラファイト、カーボン等を例示することができる。
【0029】
また、前記スペーサー40は、前記給電体6と略同じ厚みをもって形成された樹脂成形体であり、固体電解質膜30と電極板10との隙間をうめると共に、導通孔より供給される水や発生した気体をスムーズに供給、排出させるものである。
【0030】
このような電解セルにおいて使用される本発明の第1実施形態の電極板10aは、図2に示したように、板状の絶縁部材からなる基体11と、該基体11の中央部に設けた導電板12とが一体的に成形されて構成されたものである。
より詳細に説明すると、前記導電板12は、幅1.0〜10mmを有する断面視コの字状に連続して屈曲され、基体の表裏両面から高さ1.0〜20mmの長状の凸部13が突出するよう前記基体11に埋め込まれたものであり、両面より突出した長状の凸部13がそれぞれ陽極側および陰極側の電極面として機能し、且つ凸部13、13の間の間隙は水および気体の流通路として機能すベく構成されたものである。また、前記板状の絶縁部材からなる基体11は、前記導電板12の陽極側と陰極側とを仕切るものであり、電解セルに供給された水や発生した気体を導通させるための導通孔4と、積層されて電解セルを構成する際に内部と外部とを遮断するための弾性枠部14とが形成されてなるものである。
【0031】
基体11は、電解セル中で圧縮された際に強度不足による変形が生じることがなく、且つ積層された際にも電解セルの積層方向の長さが不必要に長くすることのないものが好ましく、具体的には1.0〜50mmの厚みに形成されていることが好ましい。
また、該電極板に形成された長状の凸部13、13の間の間隙は水および気体の流通路として機能するものであるため、これらを少ない圧損で流通させるべく、前記凸部は、幅1.0mm以上、高さ1.0mm以上に形成されていることが好ましい。また、給電体に対して水を均一に供給するためには、幅10mm以下とすることが好ましく、強度を考慮すると高さ20mm以下が好ましい。
【0032】
ここで、前記導電板12の凹凸部には、その拡大断面図である図3に示したように、凸部と凹部との間において、該凹凸部を積層方向に弾性変形可能とする保有弾性部15が形成されている。
該保有弾性部15は、該凹凸部を積層方向に弾性変形可能とすべく、前記導電板12自体が屈曲されて形成されたものであり、その屈曲形状は任意のものとすることができる。例えば、図3(a)に示したように、波状に屈曲されたものや、図3(b)のように半円弧状に屈曲されたものを例示することができる。また、該保有弾性部15を形成する位置についても特に限定されるものではなく、例えば、図3(b)のように前記基体11に埋め込んだ状態で設けたものや、図3(c)のように基体11より外側に突出した部分に設けたものを例示することができる。
【0033】
このように、陽極および陰極となる両電極面の間に保有弾性部15が形成されたことにより、該電極板10aは積層方向に弾性変形可能なものとなる。
【0034】
上記のような構成による電極板10aを使用すれば、電解セルにおいて加えられた面圧が前記のような種々の原因によって不均一となった場合にも、該電極板10aがその面圧の強弱に応じて適宜弾性変形するため、面全体として均一な圧力となりやすく、即ち接触電気抵抗の少ない高効率の電解セルを構成することが可能となる。
【0035】
また、該電極板10aに形成された長状の凸部13によって、所望の流通路を形成することができるため、該流通路を通して水および気体の供給、排出を好適に行うことが可能となる。
【0036】
さらに、該電極板10aが使用される電解セルは、前述のように給電体と固体電解質膜等との接触面において電気分解を行うものであるため、その接触面における接触電気抵抗を下げ、電解効率を上げるべく所定の接触面圧以上に保持され、さらに固体電解質膜が損傷しない程度の範囲内で保持されるにものである。具体的には、4〜40kg/cm2、より好ましくは5〜15kg/cm2の接触面圧となるように、例えば図9に示したような電解セルの両端に設けた端板2と、該端板同士2を締め付ける複数のボルト3からなる加圧手段によって両端より加圧された状態で運転される。
また、このような構成の電解セルは、運転中に電気分解による発熱によって装置全体が高温となるため、前記端板同士を締めつけていたボルト3が熱膨張し電解セルに加えられた圧力が低下する虞もある。
【0037】
従って、このような電解セルにおいて使用されることを考慮すれば、圧縮された際に各構成要素間に加えられる面圧を均一にすべく弾性変形(圧縮)されると共に、電解セルが熱等により膨張した際に、これに応じて柔軟に圧縮を復元させるものが好ましい。即ち、このような圧縮性と圧縮復元性を具備する電極板としては、前記保有弾性部の圧縮弾性率が5〜50MPaであることが好ましい。50MPa以上であれば、電解セルの所定圧力では弾性変形されにくいために好ましくない。また、5MPa以下とすれば、弾性変形によって給電体6等が位置ずれし易くなり好ましくない。
【0038】
また、前記導電板12としては、保有弾性部15が形成されたことによって弾性力を付与することが可能となるため、平面形状の部分では弾性を発揮しにくいような材料をも使用することができ、部材の選択の幅が広いものとなる。従って、発生した酸素ガスおよび水素ガスに対する耐性を有するものを使用することが好ましく、中でもチタン製の板材を使用することが好ましい。
【0039】
次に、図1に示した電解セルを構成する第2実施形態の電極板10bは、図4に示したように、前記第1実施形態と略同様の基体11と、該基体11の両面中央部に設けられた一対の板状の導電性部材(以下、導電板という)16と、該一対の導電板16を電気的に導通するとともに両者を積層方向に弾性変形可能に支持すべく前記基体11を貫通して設けられた金属製の板状の弾性部材(以下、金属弾性板という)17からなるものである。
【0040】
ここで、一対の導電板16は、電極板10bの表裏両面においてそれぞれ陽極および陰極となる電極面として機能するものであり、導電性の板材が幅1.0〜10mmの断面視コの字状に連続して屈曲され、厚み1.0〜20mmの長状の凹凸溝を有する電極面を構成すベく形成されている。さらに好ましくは、図4(b)に示したように、基体11の両面が該導電板16の裏面形状と同様の凹凸状を有して形成され、基体11と導電板16の間への水の侵入を防止すべく、両者が密着されて構成されている。
【0041】
また、該導電板16、16間に設けられた複数の金属弾性板17は、前記一対の導電板16に対して略垂直に設けられ、等間隔をおいて両積層面を支持すべく抵抗溶接(スポット溶接、シーム溶接)、拡散接合、ろう付け等の公知の方法で設けられている。個々の金属弾性板17は、積層方向に対して弾性変形可能な保有弾性部を形成すべく波状に屈曲されてなるものであり、好ましくは該保有弾性部は5〜50MPaの圧縮弾性率を有すべく構成されたものである。
【0042】
本実施形態による電極板10bによれば、前記長状の凹凸溝は、前記第1実施形態と同様に水および気体をスムーズに供給、排出することができるという点で好適である。さらに、導電板16が基体11を貫通して構成されるものでないため、前記第1実施形態と比べて該凹凸溝を細かくすることが容易であり、給電体に対する水の供給等をより一層均一に行うことができる。
【0043】
また、一対の導電板16及び金属弾性板17をそれぞれ別体で構成することができるため、その材質や設置枚数を適宜設計変更することが容易となり、所望の圧縮弾性率を得やすいものとなる。
陽極側の導電板16としては、チタン製のものを使用することが好ましく、陰極側の導電板としては、チタン製又はステンレス製のものを使用することが好ましい。該電極板(導電性部材)は、板状であることには限定されず、電極面として機能するものであれば任意の形状とすることも可能である。
また、金属弾性板17としては、水に接しない場合には金属イオンの溶出の虞がないので、導電性の良い銅製のものを使用することが好ましいが、もちろんチタン製やステンレス製のものを使用することも可能である。導電板と同質の部材からなる金属弾性板を使用すれば、接合が容易となり、該接合部分の電気抵抗を低減することが可能となる。
さらに、金属弾性板17の設置枚数を増やすと共に、これを等間隔に設けることにより、弾性が均等に作用するのみならず、電圧の偏りが生じにくいものとなるという利点を有する。
【0044】
このように、前記第1および第2の実施形態においては、絶縁部材からなる基体11を具備して構成されたものであるが、本発明は該基体11を構成要件とするものではなく、以下に示す実施形態のように、該基体を具備しない電極板を例示することができる。
【0045】
例えば、第3実施形態の電極板10cとして、図5に示したように、一対の積層面を構成すべく導電性を有する単一の板状の導電性部材が側面視U字状に湾曲されてなる第1導電板18と、該第1導電板18によって挟持された弾性部材20と、該第1導電板18の一対の積層面上に着設される一対の板状の導電性部材(以下、第2導電板という)19とを具備してなるものを挙げることができる。
【0046】
弾性部材20は、該電極板10cに弾性力を付与すべく、好ましくは5〜50MPaの圧縮弾性率を有してなるものであり、積層方向の厚みが積層面間の全域において均一であるように、各種合成樹脂や合成ゴム等によって形成されたものである。また、第1導電板18は、U字状に湾曲されることによって一対の積層面が電気的に導通され、両面が陽極および陰極となるものであり、U字部分には前記弾性部材20が弾性変形した際に、これに合わせて変形可能となるように、導電板18が波状に屈曲されて構成されている。さらに、前記第1導電板18の積層面(陽極面および陰極面)には、水および気体の供給、排出を行う流通路を構成する複数の凸部として、波状に屈曲された第2導電板19が着設されてなる。
【0047】
かかる第3実施形態の電極板10cは、陽極および陰極となる前記第1導電板の平面部(積層面)上にOリング等(図示せず)を設けることによって内部と外部とを遮断した状態で積層され、電解セルを構成するものである。
【0048】
かかる構成の電極板によれば、導電性部材と弾性部材とを別体によって構成することができるため、それぞれに最適な部材を使用することができるという利点を有する。
【0049】
また、積層面間の全域において前記弾性部材の厚みが均一であれば、積層面間に作用する弾性力が均一なものとなるため、構成要素の接触面圧に偏りを生じる虞がない。
【0050】
さらに、図6に示したように、前記弾性部材20に導電性の部材を使用し、これによって積層面を構成する一対の導電板18’、18’を導通させることも可能であり、この場合には前記第1導電板18はU字状に形成したり、別途導通手段を設ける必要はない。ここで、導電性のある弾性部材20’としては、例えばグラファイト積層シート等を使用することができる。
【0051】
さらに、本発明の電極板は、例えば図7に示した第4実施形態の電極板10dのように、電極板を構成するチタン製の導電板21が、積層方向に弾性変形可能な保有弾性部となる円錐台状の凸部23を等間隔に複数形成されるべく変形されてなるものが例示できる。
該凸部23は、積層方向に加圧された際に所定の弾性力を有する、いわゆる皿バネ効果を奏するものである。
【0052】
かかる構成の電極板10dによれば、導電板21の凸部23が弾性変形するために、別途弾性部材を設ける必要がなく、また、円錐台状の凸部は例えばプレス機等によって容易に成形することが可能であり、生産性に優れた電極板となる。
【0053】
さらに、導電性部材と弾性部材とを別部材で構成する本発明の第5実施例として、例えば図8に示したように、一対の積層面が導電性を有する弾性部材によって構成された電極板10eを挙げることができる。
【0054】
ここで、前記弾性部材としては、コイル体を使用することが好ましく、本実施形態ではコイルスプリング22が使用されている。また、該コイルスプリング22は、その中心軸が積層面と平行となるように所定間隔をおいて配されていることが好ましい。さらに、該中心軸の方向は、水および気体の流通方向を考慮して、導通孔4に向かって配されていることが好ましい。
【0055】
該コイルスプリング22としては、例えば線径0.2〜5mm程度のチタン製コイルスプリングを好適に使用することができ、抵抗溶接、拡散接合又はろう付け等の手段によって電気的に前記導電板21に接合され、厚み1.0〜20mmに構成したものが好ましい。特に、抵抗溶接による接合方法は拡散接合に比べて低コストであり、ロウ付けに比べてロウ材等の不純物がないために好適である。
【0056】
かかる構成の電極板10eによれば、導電板21自体に凹凸を加工する必要はなく、コイルスプリング22によって電極面としての機能及び積層方向の弾力性付与という機能をもたせることが可能となる。また、該コイルスプリング22のように、方向性と十分な空隙率を有するコイル体を使用することにより、水および気体の導通を好適なものとすることができる。
【0057】
尚、本発明に係る電極板は、上記1〜5の実施形態に限定されるものではなく、使用する材料や寸法、あるいは電解セルの構造等に応じて適宜設計変更することが可能である。
【0058】
また、圧縮弾性率とは、設定荷重(設計面圧×面積)におけるバネ定数(=荷重/変位[kN/mm])を求め、さらに以下の式
圧縮弾性率 [MPa] =(バネ定数)×(初期厚み/断面積)
を適用することにより、求めたものである。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る電極板によれば、電解セルにおいて所定の加圧状態で使用された際に、構成要素にかかる面圧を均一にすべく圧縮され、また熱等による膨張の際にもこれに応じて復元されるために、所定の面圧を維持しやすいものとなる。従って、該電極板を使用することにより、電気分解の際の電流分布に偏りによって生じる接触電気抵抗を小さいものとすることができ、よってエネルギー効率の高い電解セルを構成することができる。
【0060】
また、弾性を付与した電極板を使用することにより、これまで種々の機能が求められていた給電体については、弾性を考慮しない高剛性のものを使用することができ、給電体として求められる他の機能をさらに高度化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電極板を使用した固体電解質膜ユニットの実施形態を示す分解斜視図。
【図2】(a)本発明に係る電極板の第1実施形態を示す正面図。
(b)(a)におけるA−A視断面図。
【図3】(a)〜(c)図2(b)におけるX部拡大図の一例を示した図。
【図4】(a)本発明に係る電極板の第2実施形態を示す正面図。
(b)(a)におけるB−B視断面図。
【図5】本発明に係る電極板の第3実施形態を示す分解斜視図。
【図6】本発明に係る電極板の第3実施形態の他の例を示す分解斜視図。
【図7】(a)本発明に係る電極板の第4実施形態を示す正面図。
(b)(a)におけるC−C視断面図。
【図8】(a)本発明に係る電極板の第5実施形態を示す正面図。
(b)(a)におけるD−D視断面図。
【図9】電解セルの構成を示す一部断面分解図。
【符号の説明】
1…電解セル、2…端板、3…ボルト、4…導通孔、5…固体電解質膜ユニット、6…給電体、10…電極板、11…基体、12、16、21…導電板、13、23…凸部、14…弾性枠部、15…保有弾性部、17…金属弾性板、18…第1導電板、19…第2導電板、20、20’…弾性部材、22…コイルスプリング、30…固体電解質膜、31…固体高分子電解質膜、32…電極触媒層
Claims (4)
- 固体電解質膜および給電体とともに積層されて電解セルを構成する電極板であって、導電性部材によって構成され且つ互いに導通された一対の積層面を有し、さらに前記積層面間には、積層面間の全体にわたる単一の弾性部材が設けられており、該弾性部材の積層方向の厚みが前記積層面間の全域において均一であることを特徴とする電極板。
- 前記弾性部材が導電性を有し、該弾性部材によって前記一対の積層面が導通されている請求項1記載の電極板。
- 前記一対の積層面が単一の部材からなる請求項1又は2に記載の電極板。
- 前記導電性部材によって構成された積層面に、凸部が形成された請求項1〜3のいずれかに記載の電極板。
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