JP3658463B2

JP3658463B2 - Deodorant fiber product and its manufacturing method

Info

Publication number: JP3658463B2
Application number: JP15841396A
Authority: JP
Inventors: 昭藤嶋; 和仁橋本; 博史小泉; 直樹金森; 克彦世喜
Original assignee: Asahi Kasei Chemicals Corp
Current assignee: Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date: 1996-06-19
Filing date: 1996-06-19
Publication date: 2005-06-08
Anticipated expiration: 2016-06-19
Also published as: JPH108376A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は消臭繊維製品に係り、特に太陽光線や紫外線を照射することにより、カルボニル基を含有する化合物、酸性化合物、塩基性化合物等の悪臭物質を分解する機能を有し、かつ、タバコ臭が付着せず、さらに付着したタバコやにを分解する機能を有する繊維を含む消臭繊維製品に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、生活環境における快適性への関心が高まり、室内、冷蔵庫内、車内または種々の環境内に存在する悪臭の除去に関して様々な提案がなされている。中でもオフィス、家庭または自動車内におけるタバコ臭の消臭は、禁煙運動の浸透にともないクローズアップされてきている。
ところで、従来の消臭、防臭技術の多くは、活性炭を用いたもの、または積極的に悪臭成分を吸引して消臭するフィルターを用いたものが主流であり、例えば生活環境で発生する各種悪臭成分を除去するフィルターとしては、対象臭気の異なる消臭有効成分が含浸された担体を複数種組み合わせた空気清浄フィルターが開示されている（特開平２−２２６７３号公報）。また、アルデヒド除去用フィルターとしては、タバコフィルターをポリエチレンイミンとカルボン酸を含む処理溶液で処理し、これらの物質で被覆したフィルターが知られている（特開平２−２５７８７０号公報）。
しかしながら、これらの技術はいずれも消臭剤を担体に単に含浸または塗布することにより、消臭成分を繊維表面に付着させたものであるために、繊維製品の風合いが硬く、また洗濯により容易に消臭成分が脱落し、洗濯耐久性またはファッション性が要求される衣料分野またはインテリア分野への応用は不可能であった。
【０００３】
また、アミン系化合物を利用する消臭剤についても提案がなされている。例えば、ポリエチレンイミンと非イオン性の吸水性有機物を保有する消臭剤が特開平３−１４６０６４号公報に示されているが、この提案による消臭剤は洗濯耐久性および加工性において十分満足できるレベルにあるものとはいえなかった。また、セルロース分子に反応性基を導入してポリエチレンイミンを反応させるタバコ喫煙用フィルターのための素材が特開昭５７−１６６８７号公報に示されているが、この提案によるものは反応性基部位を均一にできないため反応したポリエチレンイミンの遍在化が起こりポリエチレンイミンが脱落しやすいものであった。さらに、洗濯耐久性向上の目的でアクリル繊維製造段階の膨潤ゲル繊維にアミノ基を導入した金属ポルフィリンを付着後、乾燥緻密化する消臭性アクリル系合成繊維およびその製造方法が特開昭６２−１４１１２８号公報に示されている。この提案による消臭繊維は、消臭性能の洗濯耐久性においては満足できるレベルにあるが、その染色耐久性は十分満足できるレベルにあるものとはいえなかった。
【０００４】
染色耐久性は、繊維上の付着物を熱による強い熱力学的作用により剥離したときの性能保持率を示すものであり、物理吸着物およびイオン的結合による結合物の脱落を示すものである。従って、染色加工後の消臭繊維製品の悪臭物質に対する消臭性能保持は非常に困難な問題として扱われていた。
また、アミン系化合物を利用した消臭繊維、繊維中にアミノ基を導入した金属ポルフィリンを含有させる方法により得られる消臭繊維は、カルボニル基を含有する化合物および酸性化合物は消臭可能であるが、塩基性化合物を消臭することができず、タバコ臭のようなカルボニル基を有する化合物、酸性化合物、塩基性化合物等を含む悪臭の消臭は十分に達成できていなかった。
【０００５】
また、無機系消臭剤を含有する消臭繊維として、例えば特開平６−１９２９６１号公報、特開平６−２８７３５５号公報、特開平５−１５６５１０号公報等に記載されている消臭繊維が知られている。
特開平６−１９２９６１号公報には、リン酸カルシウム系化合物、二酸化タチン、活性炭、ゼオライト、モレキュラーシーブ、無機系脱臭剤、無機系抗菌剤などの無機系機能性粒子を含有する不織布および繊維が記載されている。この発明の不織布または繊維は、これらの機能性粒子を含む水性分散液を熱可塑性高分子繊維からなる不織布または繊維に含浸し、または該水溶液でコーテイングし、その後繊維の軟化点以上の温度で熱処理して上記機能性粒子を固着して得られる機能性不織布または繊維である。しかし、この不織布または繊維は、酸性化合物を消臭する能力に劣り、十分な消臭機能を有していない。また洗濯、染色により無機系機能性粒子が脱落しやすく、洗濯耐久性、染色耐久性に劣るものである。
【０００６】
また、特開平６−２８７３５５号公報には、銀、金、銅、パラジウム、ロジウム、白金などの金属、酸化銀、酸化銅、酸化チタン、酸化亜鉛などの酸化物の平均粒子径が２００ｎｍ〜１ｎｍの超微粒子が均一に分散している合成繊維、合成樹脂成形物が開示されている。しかし、ここに記載されている超微粒子含有合成繊維または合成樹脂成形物も酸性化合物を消臭する機能に劣り、十分な消臭機能を有していない。また、前記超微粒子を形成する原料を合成繊維原料または合成樹脂成形物の原料中に予め含有させ、該原料中で前記超微粒子を形成することにより製造するものであるが、製造が複雑であり、安定してかつ安価に製造することは困難である。
【０００７】
このように、一般に無機系消臭剤を含有する繊維はカルボニル基を含有する化合物の悪臭を消臭する能力に劣るという欠点があり、無機系消臭剤を含有する上記何れの繊維も、カルボニル基を含有する化合物の悪臭を消臭する機能に劣るものである。
また、光触媒作用を有する物質により有害物質を分解し、または殺菌、消臭する技術としては、特開平５−１５４４７３号公報、特開平５−３０５１２５号公報、特開平６−２０９９８５号公報、特開平７−６０１３２号公報、特開平７−１５５５９８号公報、特開平７−１７１４０８号公報等が知られている。
【０００８】
特開平５−１５４４７３号公報には、酸化剤の存在下にアナターゼ型チタンを光触媒として流体中に含まれる有機物を分解する方法が、特開平５−３０５１２５号公報には、同時にアナターゼ型酸化チタンを光触媒として水中の微生物を殺菌する装置が、特開平６−２０９９８５号公報には、酸化チタン、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ニッケル等の光触媒を建材の表面に担持させ、室内の殺菌処理方法が、特開平７−６０１３２号公報には有機物を分解、浄化するために無機質粒子表面に光触媒作用を有する酸化チタンを担持させた光触媒が、特開平７−１５５５９８号公報にはタイル基板上にアナターゼ型酸化チタンを焼結してなる光触媒が、特開平７−１７１４０８号公報には日常生活で発生する有害物質、悪臭物質、油分等を分解、浄化するために、セラミック、ガラス、金属等の基体上に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム等の金属化合物半導体からなる光触媒機能を発現する物質を接着した光触媒が、それぞれ開示されている。
【０００９】
しかし、上記公報に記載されている光触媒作用を有する物質は、単独で使用されるか、または光触媒作用を有する物質を無機系の物質に担持させたものであり、これらの光触媒作用を有する物質を繊維に結合または付着等の手段により含有させた機能性繊維は知られていない。また、繊維に付着した無機系金属粒子は繊維から脱落しやすく、該粒子の有する機能を長期間にわたって繊維に維持していくのが非常に困難であった。
このように、一般に無機系消臭剤を含有する繊維は酸性化合物の悪臭を消臭する能力に劣るという欠点があり、無機系消臭剤を含有する上記何れの繊維も、酸性化合物の悪臭を消臭する機能に劣るものである。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、タバコ臭のようなカルボニル基を含有する化合物、酸性化合物および塩基性化合物を含有する悪臭に対して優れた吸着性能を有するとともに、太陽光線や紫外線を照射することにより、吸着した悪臭成分を分解し、タバコ臭が付着せず、また付着したタバコやにを分解する機能を有し、その上、取扱い性が容易でかつ安全性、加工性および洗濯耐久性が良好であることに加え、染色耐久性が良好である消臭繊維製品を提供することである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、次の構成をなすことにより、本発明の目的を達成できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本願で特許請求される発明は、以下の通りである。
（１）ビニルアミン単位を少なくとも１０モル％有するビニルアミン重合体を０．１〜１０重量％含有させた繊維であって、該ビニルアミン重合体のアミノ基が非塩型であるか、もしくは前記繊維を形成する重合体が酸性基を有する場合はその酸性基とのみ塩を形成しているか、またはこれらが混在しているかであるアクリル系合成繊維５〜９５重量％と、光触媒作用を有する酸化チタンを０．１〜１０重量％含む繊維９５〜５重量％とを含有することを特徴とする消臭繊維製品。
（２）アクリル系合成繊維が酸性基を０．０１〜２．５モル／ｋｇ繊維含有している（１）に記載の消臭繊維製品。
（３）アクリル系合成繊維がアミノ基を０．０２〜２．５モル／ｋｇ繊維含有している（１）または（２）に記載の消臭繊維製品。
（４）アクリル系合成繊維の酸性基とビニルアミン重合体のアミノ基との結合率が１０〜１００モル％である（１）〜（３）のいずれかに記載の消臭繊維製品。
（５）ビニルアミン重合体の分子量が１，０００〜２００，０００の水溶性ビニルアミン重合体である（１）〜（４）のいずれかに記載の消臭繊維製品。
（６）酸化チタンを含む繊維が湿式紡糸法または乾湿式紡糸法により製造された繊維である（１）に記載の消臭繊維製品。
（７）酸化チタンを含む繊維がアクリル系合成繊維である（１）に記載の消臭繊維製品。
（８）酸化チタンを含む繊維が湿式紡糸後または乾湿式紡糸後、乾燥前のゲル状膨潤繊維に光触媒作用を有する酸化チタンを含有する分散液を接触させ、該酸化チタンを上記繊維に固着させた繊維である（１）に記載の消臭繊維製品。
（９）乾燥前のゲル状膨潤繊維がアクリル系合成繊維である（８）に記載の消臭繊維製品。
（１０）ビニルアミン単位を少なくとも１０モル％有するビニルアミン重合体を０．１〜１０重量％含有させた繊維であって、該ビニルアミン重合体のアミノ基が非塩型であるか、もしくは前記重合体が酸性基を有する場合はその酸性基とのみ塩を形成しているか、またはこれらが混在しているかであるアクリル系合成繊維５〜９５重量％と、光触媒作用を有する酸化チタンを０．１〜１０重量％含む繊維９５〜５重量％とを混合する消臭繊維製品の製法であって、前記酸化チタンを含む繊維は、湿式紡糸法または乾湿式紡糸法により製造され、該紡糸後、乾燥前のゲル状膨潤繊維に前記酸化チタンを含有する分散液を接触させ、該酸化チタンを前記所定量前記繊維に固着させることを特徴とする消臭繊維製品の製法。
【００１２】
以下において、本発明をさらに詳細に説明する。
まず、本発明に用いられるアクリル系合成繊維（以下単に繊維（Ａ）ということがある）について説明する。
繊維（Ａ）に用いられるビニルアミン重合体は、ビニルアミン単位を少なくとも１０モル％有していることが必要であり、好ましい含有量は５０モル％以上である。該重合体中のビニルアミン単位の含有量が１０モル％未満では、該重合体を大量に繊維に含有させても実用的な消臭性能を発現することができない。
【００１３】
ビニルアミン重合体は一般に、ポリＮ−ビニルホルムアミドを酸、例えば塩酸、硫酸、燐酸等により加水分解した加水分解物またはその塩酸塩などの塩として容易に入手することができる。また、ビニルアミン重合体に含まれるビニルアミン単位の割合は、ポリＮ−ビニルホルムアミドの加水分解度を調節することにより広範囲にわたって調整することができる。なお、ポリＮ−ビニルホルムアミドを繊維に含有させた後、水溶液中で上記酸によりｐＨを２〜３に保ってポリＮ−ビニルホルムアミドを加水分解し、ビニルアミン重合体とすることもできる。この場合もビニルアミン重合体中のビニルアミン単位は１０モル％以上とする必要がある。また、ビニルアミン重合体はＮ−ビニルホルアミドとアクリロニトリルなどのＮ−ビニルホルムアミドと共重合可能な単量体との共重合体でもよく、ビニルアミン重合体がこのような共重合体の場合も、該共重合体中に含まれるビニルアミン単位は、上記の範囲である必要がある。Ｎ−ビニルホルムアミドと共重合可能な単量体は、アクリロニトリル以外にアクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、塩化ビニルなどがある。
【００１４】
繊維（Ａ）に対するビニルアミン重合体の含有量は０．１〜１０重量％（以下、％は、特定しない限り重量％を表す）、好ましくは０．１５〜５．０％である。ビニルアミン化合物の含有量が０．１％未満では、目的とするカルボニル基を含有する化合物や酸性化合物の悪臭に対する吸着性能が低く、一方、１０％を超えると繊維に接着が起き、風合の低下、繊維の着色が発生し、さらに紡績工程で繊維が機械へ巻き付きやすくなる。
【００１５】
本発明において、繊維（Ａ）に付着しているかまたは繊維形成重合体の酸性基と結合しているビニルアミンのアミノ基は非塩型である。具体的には、消臭繊維中のアミノ基は非塩型であるか、繊維形成重合体が酸性基を有している場合にはその酸性基とのみ塩を形成しているか、またはこれらが混在しているかのいずれかである。ここで非塩型のアミノ基とは、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸または蟻酸等の有機酸と反応していないアミノ基をいう。塩置換したアミノ基では、カルボニル基を含有する化合物や酸性化合物の悪臭に対する十分に満足できる吸着性能を発現することができない。この非塩型のアミノ基は、アクリル系合成繊維１ｋｇ当たり０．０２〜２．５モル含有されていることが好ましい。
【００１６】
ビニルアミン重合体の分子量は、１，０００〜２００，０００が好ましく、より好ましくは１０，０００〜１００，０００である。該重合体の分子量が１，０００未満では繊維を構成する分子鎖と該重合体の分子鎖１本当たりの結合の割合が低下し、染色処理により酸性基と該重合体との結合が断ち切られることにより該ビニルアミン重合体が脱落しやすくなる。またその分子量が２００，０００を超えるときは繊維の風合いが低下するため好ましくない。
またビニルアミン重合体は水溶性であることが好ましい。水不溶性のビニルアミン重合体を用いると繊維内部への拡散が乏しいため、酸性基との結合率が低くなり、染色により水不溶性の重合体が脱落しやすくなる。
【００１７】
本発明のビニルアミン重合体を含有するアクリル系合成繊維は、４０％以上のアクリロニトリルと６０％以下のアクリロニトリルと共重合可能な単量体とを共重合してなる重合体から製造することができる。アクリロニトリルと共重合可能な単量体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、イタコン酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸塩、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸塩等のビニル単量体である。アクリル系合成繊維は、これらの単量体の少なくとも一種をアクリロニトリルと共重合した重合体から製造することができる。
【００１８】
本発明のアクリル系合成繊維は、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性基を有していることが好ましい。この理由は、繊維中の酸性基がビニルアミン重合体のアミノ基と結合してビニルアミン重合体を繊維に強固に固定させることができるためである。酸性基を含有するアクリル系合成繊維は、アクリロニトリルと酸性基を有する単量体を共重合した重合体から繊維を製造する方法、繊維形成後の繊維に酸性基を有する単量体をグラフト重合する方法等により得ることができる。また、この酸性基はアクリロニトリルおよびそれと共重合可能な単量体とを共重合する際、触媒により重合体の末端に導入することもできる。アクリル系合成繊維の有する酸性基はスルホン酸基が好ましい。酸性基の含有量は、繊維１ｋｇ当たり０．０１〜２．５モル、好ましくは０．０１〜１．５モルである。酸性基の含有量が０．０１モル未満ではビニルアミン重合体と酸性基との結合が不十分となり、ビニルアミン重合体が洗濯や染色処理により脱落しやすく、また、２．５モルを超えると繊維性能が低下するので好ましくない。
【００１９】
ビニルアミン重合体を含むアクリル系合成繊維は、ビニルアミン重合体をアクリル系重合体に混合して繊維を形成する、アクリル系合成繊維をビニルアミン重合体水溶液に浸漬する、または該繊維にビニルアミン重合体水溶液を噴霧する等の手段で製造することができる。本発明において望ましいのは、アクリル系合成繊維をビニルアミン重合体水溶液に浸漬する、または該繊維にビニルアミン重合体水溶液を噴霧する等の手段で酸性基を有する前記アクリル系合成繊維にビニルアミン重合体水溶液を付着させることである。
【００２０】
酸性基を含有するアクリル系合成繊維にビニルアミン重合体を付着させた場合には、該繊維の有する酸性基とビニルアミン重合体とが結合し、該繊維からビニルアミン重合体の脱落が少なくなり、消臭性能の耐久性が非常に向上する。さらにこの繊維を１００〜１８０℃、好ましくは１０５〜１３０℃の加圧水蒸気で処理すると、酸性基とビニルアミン重合体との結合率が向上し、いっそう洗濯耐久性および染色耐久性が改良された消臭繊維を得ることができる。加圧水蒸気で処理する際、その温度が１００℃未満ではビニルアミン重合体とアクリル系合成繊維の酸性基との結合が不十分となり、ビニルアミン重合体が洗濯により脱落しやすくなる。また、加圧水蒸気温度が１８０℃を超える場合は繊維の風合いが低下する。
ビニルアミン重合体を付着するアクリル系合成繊維は、延伸後、乾燥したアクリル系合成繊維であることがビニルアミン重合体の脱落が少なく、最も優れた耐光性、洗濯耐久性、染色耐久性のある消臭性能を得ることができる。また、この繊維は延伸または未延伸の未乾燥のゲル状アクリル系合成繊維でもよい。
【００２１】
本発明において、アクリル系合成繊維の有する酸性基とビニルアミン重合体との結合は、酸性基に対してアミノ基の結合率が１０〜１００モル％であることが好ましい。より好ましくは４０〜１００モル％、さらに好ましくは６０〜１００モル％である。酸性基の結合率が１０モル％未満では染色耐久性が低くなる。
酸性基に対するビニルアミン重合体の結合率は、繊維の総酸性基量およびビニルアミン重合体と結合していない残存酸性基量（以下、残存酸性基量という）により下式から求めることができる。
酸性基の結合率（モル％）
＝［（総酸性基量−残存酸性基量）／総酸性基量］×１００
ただし、総酸性基量および残存酸性基量の単位はモル／ｋｇである。
【００２２】
残存酸性基量の測定は、繊維１ｇを１０％塩化ナトリウム水溶液３００ｍｌにいれ、４０℃の恒温槽中で３０時間振盪した後、精製水で付着している塩化ナトリウムを十分に洗浄し、８０℃で１時間乾燥して残存酸性基ナトリウム置換繊維とした。次いで、該繊維を９６％の硫酸５ｍｌ、６２％の硝酸４０ｍｌ、７０％の過塩素酸２ｍｌの混合溶液中で電熱ヒータ上で５時間湿式分解をおこなう。ここで得られた液体を精製水で１００倍に希釈し、炎光分析によりナトリウムの定量分析をおこない、このナトリウム量より残存酸性基量の測定をおこなう。
【００２３】
アクリル系合成繊維の有する酸性基に対するビニルアミン重合体の結合率は、該繊維が含有する酸性基の結合割合を示すものである。ビニルアミン重合体を含有していない繊維は、総酸性基量と残存酸性基量が同じ値を示し酸性基の結合率は０モル％となるが、ビニルアミン重合体を繊維に含有させた後、乾燥することにより残存酸性基量が低下し、酸性基の結合率が向上する。また、水蒸気処理することでさらに残存酸性基量が低下し、酸性基に対するビニルアミン重合体の結合率が向上する。これは、アクリル系合成繊維が含有する酸性基とビニルアミン重合体のアミノ基のイオン的反応が水蒸気処理により促進されていることに起因しているためである。このイオン的反応の促進により、洗濯耐久性および染色耐久性の向上が認められる。
【００２４】
次に、本発明に用いられる光触媒作用を有する酸化チタンを含む繊維（以下、単に繊維（Ｂ）ということがある）について説明する。
本発明において、光触媒作用を有する酸化チタンとは、太陽光線または紫外線の照射による触媒作用により、有機物質微生物、細菌等を分解し、殺菌する作用を呈する酸化チタンをいう（以下、単に酸化チタンという）。酸化チタンの形態には特に限定はないが、その機能を十分に発揮させる点からは単位重量当たりの表面積が大きいものが好ましい。このような酸化チタンとしては、より微細な粒子径を有するもの、ポーラスな構造を有する酸化チタン粒子等が挙げられる。また、繊維の製造のしやすさからは水分散性に優れたものが好ましい。
【００２５】
本発明において、酸化チタンの含有量は、繊維（Ｂ）に対して０．１〜１０％、好ましくは０．３〜５％である。酸化チタンの含有量が０．１％未満では、有機物、特にカルボニル基を含有する化合物や酸性化合物の悪臭に対する触媒作用による分解性能が低く、一方、１０％を超えると繊維に酸化チタンを含有させるのが困難となり、また繊維物性の低下、風合の低下、さらに紡績工程で繊維が巻き付く、紡績機械の摩耗などの問題が発生する。また、酸化チタンの粒子径は、繊維の製造に支障がない限り特別の制限はないが、繊維の結合力および繊維からの脱落防止の点から０．０７μｍ以下が好ましい。ここで、酸化チタンの粒子径とは、分散液中に存在する酸化チタン粒子径をレーザー回折・散乱式粒度分布計で測定した値をいう。
【００２６】
本発明において、酸化チタンを含有させる繊維には、ポリビニルアルコール系繊維、アクリル系繊維等の合成繊維、酢酸セルロース繊維等の半合成繊維、銅アンモニア人絹、レーヨンのような再生繊維等の湿式紡糸法または乾湿式紡糸により製造することのできる繊維を用いるのが好ましい。湿式紡糸法または乾湿式紡糸法により製造することのできない繊維は、酸化チタンを繊維に強固に固定することが困難な場合があり、この場合には酸化チタンの機能を長期間にわたって繊維に維持することができない場合がある。
ここで、湿式紡糸法とは、繊維の原料となる重合体をその溶剤に溶解し、得られた紡糸原液を紡糸口金を通して溶剤の希薄溶液からなる該紡糸原液の凝固性液体中に押し出すことにより繊維を製造する方法をいう。また、乾湿式紡糸法とは、上記紡糸原液を紡糸口金から一旦空気等の気体媒体中に吐出した後溶剤の希薄溶液からなる該紡糸原液の凝固液体中に導入して繊維を製造する方法をいう。
【００２７】
上記繊維のうちアクリル系合成繊維は特に好ましい繊維である。このアクリル系合成繊維は、４０％以上のアクリロニトリルと６０％以下のアクリロニトリルと共重合可能な単量体とを共重合してなる重合体から製造することができる。アクリロニトリルと共重合可能な単量体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、イタコン酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸塩、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸塩等のビニル単量体である。アクリル系合成繊維は、これらの単量体の少なくとも一種をアクリロニトリルと共重合した重合体またはこれらの重合体の混合物から製造することができる。
【００２８】
本発明における酸化チタンを含む繊維（Ｂ）は、湿式紡糸法または乾湿式紡糸法により紡糸後、未乾燥のゲル状膨潤繊維に酸化チタンの分散液を接触させることにより、繊維に酸化チタンを強固に付着させることができる。
ここでゲル状膨潤繊維とは、繊維の原料となる重合体を溶解した紡糸原液を紡糸口金を通して溶剤の希薄溶液からなる該紡糸原液の凝固媒体中に押し出すか、または該紡糸原液を一旦気体媒体中に押し出した後溶剤の希薄溶液からなる該紡糸原液の凝固媒体中に導入して凝固させることにより得られる水洗前または水洗後の未延伸繊維、またはこの繊維を延伸した延伸繊維であって、酸化チタン付着処理の前に乾燥処理がなされていない繊維をいう。
【００２９】
上記繊維（Ｂ）の製造法について、アクリル系合成繊維の製造を例にして説明する。
アクリル系重合体は前記した通り、４０％以上のアクリロニトリルと６０％以下のアクリロニトリルと共重合可能なビニル単量体とを共重合してなる重合体またはこれらの重合体の混合物である。該重合体を溶解する溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド、エチレンカーボネート等の有機溶剤、硝酸濃厚溶液、塩化亜鉛濃厚溶液、ロダン塩濃厚溶液等の無機酸系または無機塩系溶剤等が挙げられ、これらの溶剤に前記アクリル系重合体を溶解して紡糸原液を製造する。この紡糸原液を紡糸口金を通して溶剤の希薄溶液からなる該紡糸原液の凝固媒体中に押し出すか、または該紡糸原液を一旦空気、窒素ガス等の気体媒体中に押し出す等により凝固繊維を製造する。この溶剤の希薄溶液からなる凝固媒体としては、特に溶剤の希薄水溶液が好ましい。次に、この凝固繊維は、水洗され、さらに熱延伸される。熱延伸は、熱水による延伸、過熱蒸気による延伸であり、熱水による延伸が好ましい。
【００３０】
このようにして得られた繊維は水を多量にを含むゲル状膨潤繊維であり、該繊維に酸化チタン分散液を接触させて、該膨潤繊維に酸化チタンを乾燥繊維に対して０．１〜１０％含有させる。酸化チタン分散液を含有させる際、凝固以後の繊維であれば未水洗繊維、未延伸繊維など何れの繊維であってもよいが、水洗、延伸工程を経たゲル状膨潤繊維が、繊維の製造が容易であり、また酸化チタンを効率的に付与することができるなどの点で好ましい。
【００３１】
酸化チタン分散液をゲル状膨潤繊維に接触させるには、ゲル状膨潤繊維を酸化チタン分散液に浸漬する、または該繊維に酸化チタン分散液を噴霧する等何れの手段でもよい。
次に、酸化チタン分散液と接触したゲル状膨潤繊維は乾燥し、必要に応じて弛緩熱処理される。この際、必要ならば、帯電防止剤、紡績油剤等の仕上げ剤を付与することができる。乾燥温度は４０℃〜１６０℃、好ましくは８０℃〜１３０℃である。また、弛緩熱処理は、乾熱、湿熱の何れでもよいが、湿熱、特に加熱水蒸気が好ましく、温度は１００℃〜１８０℃、好ましくは１００〜１４０℃である。
【００３２】
酸化チタンの分散液の濃度は、浸漬、搾液の操作条件により多少異なるが、通常は０．０１〜２０％含有する水分散液が用いられ、付着量が繊維に対して０．１〜１０％になるようにマングル、セントル等により搾液若しくは水切りにより調整される。また酸化チタンの凝集を防止する分散剤または有機溶剤を含んでいてもよい。
本発明における酸化チタンを含む繊維（Ｂ）は、有機物の分解作用に優れており、そのためカルボニル基含有化合物、塩基性化合物、酸性化合物等全ての悪臭を消臭する機能に極めて優れている。
【００３３】
次に、繊維（Ａ）と繊維（Ｂ）とを含有した本発明における消臭繊維製品について説明する。
繊維（Ａ）と（Ｂ）を含有する繊維製品は、これらの繊維を混合した紡績糸、交撚糸、不織布、またはこれらの紡績糸もしくは交撚糸を含む織物、編物等であり、さらにはこれらの繊維製品を含む衣料製品、寝装製品、産業資材製品等をも包含する。
【００３４】
上記繊維製品における両繊維の構成比は、繊維（Ａ）が５〜９５％、好ましくは１０〜９０％の範囲であり、繊維（Ｂ）は５〜９５％、好ましくは１０〜９０％の範囲である。繊維（Ａ）の含有量が５％未満ではカルボニル基を有する化合物および酸性化合物の悪臭を消臭する効果が弱い。また該繊維（Ａ）の含有量が１０％以上あれば、前記カルボニル基を有する化合物および酸性化合物の消臭効果が顕著となる。また繊維（Ｂ）の含有量が５％未満では塩基性化合物の悪臭を消臭する効果が弱く、５％以上であれば前記塩基性化合物の悪臭に対する消臭効果が顕著となる。繊維（Ａ）および繊維（Ｂ）を組み合わせる方法は、これらの繊維を混紡、交撚、交織、交編するなど、従来より公知の手段を採用することができ、いずれの方法でもよい。
【００３５】
繊維（Ａ）および繊維（Ｂ）をそれぞれ単独で繊維製品に加工して用いると、繊維（Ａ）のみからなる繊維製品では、酸性化合物およびカルボニル化合物の悪臭は消臭できるが、塩基性化合物の悪臭を消臭することが困難であり、また繊維（Ｂ）のみからなる繊維製品では、塩基性化合物の悪臭は消臭できるが、酸性化合物およびカルボニル化合物の消臭効果が弱くなる。
本発明の消臭繊維製品には、本発明の目的を達成できる範囲であれば、繊維（Ａ）または繊維（Ｂ）以外の通常の公知の繊維を併用することができる。
【００３６】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、例中の％は特に限定しない場合は重量％を意味する。
消臭性能およびタバコ臭の官能評価は、外因をなくすため、予め機能性繊維をフェードメーター（カーボンアーク法）により６３℃環境下で４０時間前処理した後、それぞれの試験を行った。また、洗濯試験、悪臭物質の消臭性能の測定、風合いの測定、官能試験、染色処理は下記のようにしておこなった。
【００３７】
（１）洗濯試験：ＪＩＳ−Ｌ−０２１７−１０３法に準拠して、洗剤を中性洗剤（プロクターアンドギャンブルファーイーストインク社製、商品名モノゲンユニ）を用いて試験を行った。
（２）悪臭物質の消臭性能の測定：容量１０００ｍｌのテドラーバック（ジーエムサイエンス社製）中に悪臭成分６００ｍｌとともに繊維１ｇを入れ、１２０分間、紫外線強度０．５ｍＷ／ｃｍ²のブラックライト下に放置後の残存ガス濃度をガステック社製のガス検知管で測定した。悪臭成分の初期濃度は、カルボニル基を含有する化合物としてアセトアルデヒド２０ｐｐｍ、酸性化合物として酢酸１００ｐｐｍ、塩基性化合物としてアンモニア８０ｐｐｍとした。
（３）風合いの評価：次の３段階評価で行った。
○；硬くない、△；やや硬い、×；硬い
【００３８】
（４）官能評価：タバコの煙を用い、容量３０００ｍｌのポリエステル製におい袋（近江オドエアーサービス社製））中に繊維３ｇとともに、１ｍ³アクリル製ボックス内でタバコ（マイルドセブン）を２本５ｃｍ燃焼させた後のボックス内の煙を３００ｍｌおよび無臭空気２７００ｍｌを注入し、２時間、蛍光灯（１３００ＬＵＸ）に放置後、におい袋内の臭いおよび繊維自体の臭いについて１６人のモニターに次の判定を行ってもらい、総合得点で評価した。

（５）ヤニ脱色評価：容量５００００ｍｌのアクリル製デシケーター中で、タバコ（マイルドセブン）を５本（５ｃｍ）を燃焼後、デシケーター中にサンプルを入れ、２時間暴露後、ブラックライト（紫外線強度：０．５ｍＷ／ｃｍ²）下で４８時間照射し、ブラックライト照射前後の黄色度変化（ΔＹＩ）をマクベス測色機で下式により算出した。
ΔＹＩ＝ブラックライト照射後ＹＩ−ブラックライト照射前ＹＩ
【００３９】
（６）染色処理：染料としてアストラゾンブルーＦ２ＲＬ（ＡｓｔｒａｚｏｎＢｌｕｅＦ２ＲＬ：バイエルジャパン社製、染料商品名）を用い、染料濃度を０．５％ｏｗｆとし、ｐＨ調整剤として酢酸を用いてｐＨ４に調整し、浴比１：５０、１００℃で３０分間染色し、十分に水洗した。
（７）絞り率の算出：下式により絞り率の算出をおこなった。
絞り率（％）＝（Ｗ₁−Ｗ₂）／Ｗ₂×１００
ただし、上式において、Ｗ₁は脱水後の繊維秤量値（ｇ）、Ｗ₂は前記繊維を１０５℃で２時間乾燥した繊維の秤量値（ｇ）を示す。
【００４０】
実施例１
アクリロニトリル９４．５％、アクリル酸メチル５．０％およびメタリルスルホン酸ナトリウム０．５％を共重合して得られた重合体を７０％の硝酸に溶解して重合体濃度１５．５％の紡糸原液を調整した。該紡糸原液を０．０６ｍｍの細孔を有する紡糸口金を通して０℃に保った３７％の硝酸系凝固浴に紡出し、水洗後沸水中で９倍に延伸し未乾燥繊維を得た。該繊維のスルホン酸基は乾燥繊維１ｋｇに０．０５６モル含まれていた。
この未乾燥繊維を８０℃で１時間乾燥した。次いで、この乾燥繊維をビニルアミン単体を９５．０モル％有するＮ−ビニルホルムアミドの部分加水分解物（分子量約６０，０００）を１．０％の濃度で含有する２０℃水溶液で１分間浸漬処理し、その後脱水した。この時絞り率は２５％であった。脱水後の繊維を８０℃で１時間乾燥し、オートクレーブで１１０℃の飽和水蒸気で５分間の湿熱処理を行って消臭繊維Ａ₁を製造した。この繊維のビニルアミン重合体の含有量は０．２５％であった。
【００４１】
一方、消臭繊維Ａ₁で製造した未乾燥繊維に、酸化チタン（石原産業社製、活性化酸化チタンゾル、商品名ＳＴＳ−０１）３．７５％の２０℃水溶液に１分間浸漬処理をし、その後脱水した。この時絞り率は８０％であった。脱水後８０℃で１時間乾燥し、オートクレーブで１１０℃の飽和水蒸気で５分間の湿熱処理を行って消臭繊維Ｂ₁を製造した。この繊維の酸化チタンの含有量は３．０％であった。
上記消臭繊維Ａ₁３０％、消臭繊維Ｂ₁３０％ならびにアクリロニトリル９４．５％、アクリル酸メチル５．０％およびメタクリルスルホン酸ナトリウム０．５％の共重合体からなる通常のアクリル系合成繊維４０％を混合し、混紡して紡績糸を製造し、この紡績糸を用いて織物を製造した。
【００４２】
比較例１
実施例１で製造した消臭繊維Ａ₁のみから紡績糸を製造し、この紡績糸を用いて織物を製造した。
比較例２
実施例１で製造した消臭繊維Ｂ₁のみから紡績糸を製造し、この紡績糸を用いて織物を製造した。
【００４３】
【表１】

表１によれば、実施例１は、比較例１および２に比べ、カルボニル基含有化合物および酸性化合物ばかりでなく、塩基性化合物をも消臭し、かつその性能は洗濯１０回後も良好であった。
【００４４】
実施例２〜５および比較例３〜４
アクリロニトリル７４．７％、塩化ビニリデン２５．０％およびメタリルスルホン酸ナトリウム０．３％を共重合して得られた重合体をジメチルホルムアミドに溶解して重合体濃度１８％の紡糸原液を調整した。該紡糸原液を０．１５ｍｍの細孔を有する紡糸口金を通して３０℃に保った７５％のジメチルホルムアミド系凝固浴に紡出し、８０℃に保った７５％のジメチルホルムアミド系延伸浴中で５．０倍に延伸し、水洗後沸騰水中で１．２倍に延伸し、その８０℃の熱風中で乾燥した。該繊維のスルホン酸基は乾燥繊維１ｋｇに０．１０モル含まれていた。
【００４５】
次いで、この乾燥繊維をビニルアミン単体を９５．０モル％有するＮ−ビニルホルムアミドの部分加水分解物（分子量約６０，０００）をそれぞれ２０℃水溶液で１分間浸漬処理し、、表２に示すように、繊維に０．０５〜１５．０％の範囲で含有させ、その後脱水した。この時絞り率は２５％であった。脱水後の繊維を８０℃で１時間乾燥し、オートクレーブで１２０℃の飽和水蒸気で５分間の湿熱処理を行ってそれぞれの消臭繊維Ａ₂〜Ａ₅（実施例２〜５）およびＡ₆、Ａ₇（比較例３、４）を製造した。
次いで、これらの消臭繊維Ａ₂〜Ａ₇３０％、消臭繊維Ｂ₁３０％および通常のアクリル系合成繊維４０％をそれぞれ混紡して紡績糸を製造し、この紡績糸を用いて織物をそれぞれ製造した。これらの織物を実施例１と同様に悪臭に対する消臭性能の評価を行った。各種織物を構成するビニルアミン重合体の含有量および悪臭に対する消臭性能の評価結果を表２に示した。
【００４６】
【表２】

表２によれば、ポリビニルアミン含有量が０．１〜１０重量％の織物（実施例２〜５）は、カルボニル基含有化合物および酸性化合物ばかりでなく、塩基性化合物をも消臭し、かつタバコ消臭性能にも優れ、その風合いは良好であった。
【００４７】
実施例６〜９および比較例５〜６
実施例１で製造した未乾燥繊維に、酸化チタン（石原産業社製、活性化酸化チタンゾル、商品名ＳＴＳ−０１）の２０℃水溶液に浸漬処理をし、表３に示すように繊維に０．０５〜１５．０％の範囲で含有させ、脱水後８０℃で１時間乾燥し、オートクレーブで１１０℃の飽和水蒸気で５分間の湿熱処理を行って消臭繊維Ｂ₂〜Ｂ₅（実施例６〜９）およびＢ₆、Ｂ₇（比較例５、６）を製造した。次いで、これらの消臭繊維Ｂ₂〜Ｂ₇５０％および実施例１で得られた消臭繊維Ａ₁５０％をそれぞれ混紡して紡績糸を製造し、これらの紡績糸を用いて織物を製造した。
得られた各種織物の構成する酸化チタンの含有量および悪臭に対する消臭性能の評価結果を表３に示した。
【００４８】
【表３】

表３によれば、酸化チタン含有量が０．１〜１０重量％である織物（実施例６〜９）は、カルボニル基含有化合物および酸性化合物ばかりでなく、塩基性化合物をも消臭し、かつタバコ消臭性能にも優れ、その風合いは良好であった。
【００４９】
実施例１０および比較例７
アクリロニトリル９４．６％、アクリル酸メチル５．０％およびイタコン酸０．４％を共重合して得られた重合体を７０％の硝酸に溶解して重合体濃度１６％の紡糸原液を調整した。該紡糸原液を０．０６ｍｍの細孔を有する紡糸口金を通して０℃に保った３７％の硝酸系凝固浴に紡出し、水洗後沸水中で９倍に延伸し未乾燥繊維を得た。該繊維のカルボキシル基は乾燥繊維１ｋｇに０．０６モル含まれていた。
この未乾燥繊維を８０℃で１時間乾燥した。次いで、この乾燥繊維をビニルアミン単体を９５．０モル％有するＮ−ビニルホルムアミドの部分加水分解物（分子量約６０，０００）を１．０％の濃度で含有する２０℃水溶液で１分間浸漬処理し、その後脱水した。この時絞り率は２５％であった。脱水後の繊維を８０℃で１時間乾燥し、オートクレーブで１１０℃の飽和水蒸気で５分間の湿熱処理を行って消臭繊維Ａ₈を製造した。この繊維のビニルアミン重合体の含有量は０．２５％であった。
上記消臭繊維Ａ₈４０％、消臭繊維Ｂ₁４０％および通常のアクリル系合成繊維２０％を混紡して紡績糸を製造し、この紡績糸を用いて織物を製造した。
【００５０】
比較例として、上記実施例１０の消臭繊維Ａ₈を製造する際、乾燥繊維をビニルアミン単位を９５．０モル％有するＮ−ビニルホルムアミドの部分加水分解物塩酸塩（分子量約６０，０００）を１．０％の濃度で含有する２０℃水溶液で処理する以外は同様にして製造した繊維Ａ₉を用いて、同様に織物を製造し、比較例７とした。
上記で得られた各織物につき、実施例１と同様に悪臭に対する消臭性能の評価と洗濯１０回後および染色後の悪臭に対する消臭性能の評価を行った。評価結果を表４に示した。
【００５１】
【表４】

表４によれば、アクリル系合成繊維に非塩型のビニルアミン重合体を付与し、酸性基とビニルアミン重合体との結合率を１０モル％以上とした場合には、カルボニル基含有化合物および酸性化合物ばかりでなく、塩基性化合物をも消臭し、かつその性能は洗濯１０回後および染色後においても良好であった。
【００５２】
【発明の効果】
本発明によれば、タバコ臭のようなカルボニル基を含有する化合物、酸性化合物および塩基性化合物を含有する悪臭に対して優れた消臭性能を有し、しかもその消臭性能が洗濯耐久性および染色耐久性を有し、さらにタバコ臭の消臭性能およびヤニの脱色効果に優れた消臭繊維製品が得られる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a deodorized fiber product, and particularly has a function of decomposing malodorous substances such as a compound containing a carbonyl group, an acidic compound, a basic compound, etc. by irradiating with sunlight or ultraviolet rays, and has a tobacco odor. The present invention relates to a deodorized fiber product including a fiber that has a function of decomposing a cigarette that does not adhere to and further adheres to tobacco.
[0002]
[Prior art]
In recent years, interest in comfort in the living environment has increased, and various proposals have been made regarding the removal of odors present indoors, in refrigerators, in cars, or in various environments. In particular, the deodorization of tobacco odors in offices, homes, and automobiles has been highlighted due to the penetration of smoking cessation activities.
By the way, most of the conventional deodorization and deodorization techniques are mainly those using activated carbon or those using a filter that actively sucks off odor components and deodorizes them. For example, various odors generated in the living environment As a filter for removing components, an air purifying filter in which a plurality of carriers impregnated with effective deodorizing components having different target odors is combined is disclosed (Japanese Patent Laid-Open No. 2-26733). Further, as a filter for removing aldehyde, there is known a filter obtained by treating a tobacco filter with a treatment solution containing polyethyleneimine and carboxylic acid and coating with these substances (JP-A-2-257870).
However, since all of these techniques are obtained by simply impregnating or applying a deodorant to a carrier to attach the deodorant component to the fiber surface, the texture of the fiber product is hard and easy to wash. The deodorant component has fallen out, and application to the clothing field or interior field where washing durability or fashionability is required has been impossible.
[0003]
Further, a deodorant using an amine compound has been proposed. For example, a deodorant having polyethyleneimine and a nonionic water-absorbing organic substance is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-146604. The deodorant according to this proposal is sufficiently satisfactory in washing durability and processability. It could not be said that it was in the level. JP-A-57-16687 discloses a material for a tobacco smoking filter in which a reactive group is introduced into a cellulose molecule to react with polyethyleneimine. Since the reaction could not be made uniform, the ubiquitous reaction of polyethyleneimine occurred and the polyethyleneimine was likely to fall off. Furthermore, a deodorant acrylic synthetic fiber which is dried and densified after attaching a metal porphyrin having an amino group to a swollen gel fiber at the acrylic fiber production stage for the purpose of improving the durability of washing and a method for producing the same are disclosed in JP-A-62-2. No. 141128. The deodorant fiber according to this proposal is at a satisfactory level in the washing durability of the deodorant performance, but it cannot be said that the dyeing durability is at a sufficiently satisfactory level.
[0004]
The dyeing durability indicates the performance retention when the deposit on the fiber is peeled off by a strong thermodynamic action by heat, and indicates the physical adsorbate and the detachment of the bound substance due to ionic bonds. Therefore, maintaining the deodorizing performance against malodorous substances in the deodorized fiber product after dyeing has been treated as a very difficult problem.
In addition, deodorant fibers using amine compounds, and deodorant fibers obtained by a method of containing a metal porphyrin having an amino group introduced into the fiber are capable of deodorizing compounds containing carbonyl groups and acidic compounds. The basic compound could not be deodorized, and the deodorization of malodor containing a compound having a carbonyl group such as a tobacco odor, an acidic compound, a basic compound, etc. could not be sufficiently achieved.
[0005]
Further, as deodorant fibers containing an inorganic deodorant, for example, the deodorant fibers described in JP-A-6-192916, JP-A-6-287355, JP-A-5-156510 and the like are known. It has been.
JP-A-6-192961 discloses a nonwoven fabric and fibers containing inorganic functional particles such as calcium phosphate compound, tatin dioxide, activated carbon, zeolite, molecular sieve, inorganic deodorant, and inorganic antibacterial agent. Yes. The nonwoven fabric or fiber of this invention is impregnated with an aqueous dispersion containing these functional particles into a nonwoven fabric or fiber made of thermoplastic polymer fiber, or coated with the aqueous solution, and then heat-treated at a temperature above the softening point of the fiber. And a functional nonwoven fabric or fiber obtained by fixing the functional particles. However, this nonwoven fabric or fiber is inferior in the ability to deodorize acidic compounds and does not have a sufficient deodorizing function. In addition, the inorganic functional particles are likely to fall off by washing and dyeing, and are inferior in washing durability and dyeing durability.
[0006]
JP-A-6-287355 discloses that the average particle diameter of metals such as silver, gold, copper, palladium, rhodium and platinum, and oxides such as silver oxide, copper oxide, titanium oxide and zinc oxide is 200 nm to 1 nm. Synthetic fibers and synthetic resin moldings in which the ultrafine particles are uniformly dispersed are disclosed. However, the ultrafine particle-containing synthetic fiber or synthetic resin molded product described here is also inferior in the function of deodorizing acidic compounds and does not have a sufficient deodorizing function. Further, the raw material for forming the ultrafine particles is preliminarily contained in the raw material of the synthetic fiber raw material or the synthetic resin molded product, and the ultrafine particles are formed in the raw material, but the production is complicated. It is difficult to manufacture stably and inexpensively.
[0007]
As described above, in general, fibers containing an inorganic deodorant have the disadvantage of being inferior in the ability to deodorize the malodor of a compound containing a carbonyl group. It is inferior in the function which deodorizes the malodor of the compound containing group.
Further, as a technique for decomposing, sterilizing, or deodorizing harmful substances with a substance having a photocatalytic action, JP-A-5-154473, JP-A-5-305125, JP-A-6-209985, JP-A-5-209985 JP-A-7-60132, JP-A-7-155598, JP-A-7-171408 and the like are known.
[0008]
JP-A-5-154473 discloses a method for decomposing organic substances contained in a fluid using anatase-type titanium as a photocatalyst in the presence of an oxidizing agent, and JP-A-5-305125 discloses anatase-type titanium oxide at the same time. An apparatus for sterilizing underwater microorganisms as a photocatalyst is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-209985, in which a photocatalyst such as titanium oxide, iron oxide, tungsten oxide, nickel oxide is supported on the surface of a building material, JP-A-7-60132 discloses a photocatalyst in which titanium oxide having a photocatalytic action is supported on the surface of inorganic particles in order to decompose and purify organic substances. JP-A-7-155598 discloses an anatase type oxidation on a tile substrate. A photocatalyst formed by sintering titanium decomposes harmful substances, malodorous substances, oils, etc. generated in daily life in JP-A-7-171408. In order to purify, photocatalysts obtained by adhering a substance that exhibits a photocatalytic function made of a metal compound semiconductor such as titanium oxide, zinc oxide, tungsten oxide, iron oxide, strontium titanate on a substrate such as ceramic, glass, metal, etc. It is disclosed.
[0009]
However, the substance having a photocatalytic action described in the above publication is used alone, or a substance having a photocatalytic action is carried on an inorganic substance. There is no known functional fiber contained in the fiber by means such as bonding or adhesion. Further, the inorganic metal particles adhering to the fiber are easily removed from the fiber, and it has been very difficult to maintain the function of the particle for a long period of time.
Thus, in general, fibers containing inorganic deodorants have the disadvantage of being inferior in their ability to deodorize malodors of acidic compounds, and any of the above-mentioned fibers containing inorganic deodorants can also cause malodors of acidic compounds. It is inferior to the deodorizing function.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to adsorb by irradiating with sunlight or ultraviolet rays while having excellent adsorption performance against malodor containing a carbonyl group-containing compound such as tobacco odor, acidic compound and basic compound. It has the function of decomposing the malodorous component, the cigarette odor does not adhere, the function of decomposing the adhering cigarette, easy handling, and good safety, workability and washing durability In addition, it is to provide a deodorant fiber product having good dyeing durability.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have found that the object of the present invention can be achieved by making the following configurations, and have completed the present invention.
That is, the invention claimed in the present application is as follows.
(1) A fiber containing 0.1 to 10% by weight of a vinylamine polymer having at least 10 mol% of vinylamine units, wherein the amino group of the vinylamine polymer is non-salt type or forms the fiber When the polymer to be treated has an acidic group, only 5% to 95% by weight of acrylic synthetic fiber that forms a salt only with the acidic group or a mixture thereof, and 0 to titanium oxide having a photocatalytic action Deodorant fiber product characterized by containing 95 to 5% by weight of fiber containing 1 to 10% by weight.
(2) The deodorized fiber product according to (1), wherein the acrylic synthetic fiber contains 0.01 to 2.5 mol / kg fiber of acidic groups.
(3) The deodorized fiber product according to (1) or (2), wherein the acrylic synthetic fiber contains an amino group in an amount of 0.02 to 2.5 mol / kg fiber.
(4) The deodorized fiber product according to any one of (1) to (3), wherein the binding ratio between the acidic group of the acrylic synthetic fiber and the amino group of the vinylamine polymer is 10 to 100 mol%.
(5) The deodorized fiber product according to any one of (1) to (4), wherein the vinylamine polymer is a water-soluble vinylamine polymer having a molecular weight of 1,000 to 200,000.
(6) The deodorized fiber product according to (1), wherein the fiber containing titanium oxide is a fiber produced by a wet spinning method or a dry wet spinning method.
(7) The deodorized fiber product according to (1), wherein the fiber containing titanium oxide is an acrylic synthetic fiber.
(8) After the fiber containing titanium oxide is wet-spun or dry-wet-spun, the gel-like swelling fiber before drying is brought into contact with a dispersion containing titanium oxide having a photocatalytic action, and the titanium oxide is fixed to the fiber. The deodorized fiber product according to (1), which is a fresh fiber.
(9) The deodorized fiber product according to (8), wherein the gel-like swelling fiber before drying is an acrylic synthetic fiber.
(10) A fiber containing 0.1 to 10% by weight of a vinylamine polymer having at least 10 mol% of vinylamine units, wherein the amino group of the vinylamine polymer is non-salt type, or the polymer is In the case of having an acidic group, 5 to 95% by weight of an acrylic synthetic fiber that forms a salt only with the acidic group or a mixture thereof, and 0.1 to 10 of titanium oxide having a photocatalytic action. The fiber containing 95% to 5% by weight of the deodorized fiber product is mixed, and the fiber containing titanium oxide is produced by a wet spinning method or a dry wet spinning method, and after the spinning, before the drying. A method for producing a deodorant fiber product, comprising contacting a dispersion containing the titanium oxide with a gel-like swelling fiber, and fixing the titanium oxide to the fiber in a predetermined amount.
[0012]
In the following, the present invention will be described in more detail.
First, the acrylic synthetic fiber (hereinafter sometimes simply referred to as fiber (A)) used in the present invention will be described.
The vinylamine polymer used for the fiber (A) needs to have at least 10 mol% of vinylamine units, and the preferred content is 50 mol% or more. When the content of vinylamine units in the polymer is less than 10 mol%, practical deodorizing performance cannot be exhibited even if the polymer is contained in a large amount of fibers.
[0013]
In general, the vinylamine polymer can be easily obtained as a hydrolyzate obtained by hydrolyzing poly (N-vinylformamide) with an acid such as hydrochloric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, or a salt thereof. The proportion of vinylamine units contained in the vinylamine polymer can be adjusted over a wide range by adjusting the degree of hydrolysis of poly N-vinylformamide. In addition, after making a fiber contain poly N-vinylformamide, it can also be made into a vinylamine polymer by hydrolyzing poly N-vinylformamide, keeping pH at 2-3 with the said acid in aqueous solution. Also in this case, the vinylamine unit in the vinylamine polymer needs to be 10 mol% or more. Further, the vinylamine polymer may be a copolymer of N-vinylformamide and a monomer copolymerizable with N-vinylformamide such as acrylonitrile. When the vinylamine polymer is such a copolymer, The vinylamine unit contained in the copolymer needs to be in the above range. Examples of monomers copolymerizable with N-vinylformamide include acrylic acid, methyl acrylate, methyl methacrylate, vinyl acetate, and vinyl chloride in addition to acrylonitrile.
[0014]
The content of the vinylamine polymer with respect to the fiber (A) is 0.1 to 10% by weight (hereinafter,% represents% by weight unless otherwise specified), preferably 0.15 to 5.0%. If the vinylamine compound content is less than 0.1%, the target carbonyl group-containing compound or acidic compound has poor adsorption performance against bad odors. On the other hand, if it exceeds 10%, the fibers are bonded and the texture is lowered. Further, coloring of the fiber occurs, and the fiber is easily wound around the machine in the spinning process.
[0015]
In the present invention, the amino group of vinylamine attached to the fiber (A) or bonded to the acid group of the fiber-forming polymer is non-salt type. Specifically, the amino group in the deodorant fiber is non-salt type, or when the fiber-forming polymer has an acidic group, it forms a salt only with the acidic group, or these are It is either mixed. Here, the non-salt-type amino group means an amino group that has not reacted with an inorganic acid such as hydrochloric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, or an organic acid such as formic acid. A salt-substituted amino group cannot exhibit sufficiently satisfactory adsorption performance against a bad odor of a compound containing a carbonyl group or an acidic compound. This non-salt amino group is preferably contained in an amount of 0.02 to 2.5 mol per kg of the acrylic synthetic fiber.
[0016]
The molecular weight of the vinylamine polymer is preferably 1,000 to 200,000, more preferably 10,000 to 100,000. When the molecular weight of the polymer is less than 1,000, the ratio of the molecular chain constituting the fiber and the bond per molecular chain of the polymer is lowered, and the bond between the acidic group and the polymer is broken by the dyeing treatment. This makes it easy for the vinylamine polymer to fall off. Further, when the molecular weight exceeds 200,000, the texture of the fiber is lowered, which is not preferable.
The vinylamine polymer is preferably water-soluble. When a water-insoluble vinylamine polymer is used, since the diffusion into the fiber is poor, the binding rate with acidic groups is low, and the water-insoluble polymer is likely to fall off due to dyeing.
[0017]
The acrylic synthetic fiber containing the vinylamine polymer of the present invention can be produced from a polymer obtained by copolymerizing 40% or more of acrylonitrile and 60% or less of a monomer copolymerizable with acrylonitrile. Monomers copolymerizable with acrylonitrile include acrylic acid, methyl acrylate, ethyl acrylate, itaconic acid, methacrylic acid, methyl methacrylate, styrene, acrylamide, methacrylamide, vinyl acetate, vinyl chloride, vinylidene chloride, meta Vinyl monomers such as ryl sulfonic acid, methallyl sulfonate, styrene sulfonic acid, styrene sulfonate, allyl sulfonic acid, and allyl sulfonate. The acrylic synthetic fiber can be produced from a polymer obtained by copolymerizing at least one of these monomers with acrylonitrile.
[0018]
The acrylic synthetic fiber of the present invention preferably has an acidic group such as a carboxyl group or a sulfonic acid group. This is because the acidic group in the fiber is bonded to the amino group of the vinylamine polymer, so that the vinylamine polymer can be firmly fixed to the fiber. Acrylic synthetic fibers containing acidic groups are a method of producing fibers from a polymer obtained by copolymerizing acrylonitrile and monomers having acidic groups, and graft-polymerizing monomers having acidic groups to the fibers after fiber formation. It can be obtained by a method or the like. The acidic group can also be introduced to the end of the polymer by a catalyst when copolymerizing acrylonitrile and a monomer copolymerizable therewith. The acidic group possessed by the acrylic synthetic fiber is preferably a sulfonic acid group. The content of acidic groups is 0.01 to 2.5 mol, preferably 0.01 to 1.5 mol, per kg of fiber. If the content of acidic groups is less than 0.01 mol, the bond between the vinylamine polymer and acidic groups will be insufficient, and the vinylamine polymer will easily fall off by washing or dyeing treatment, and if it exceeds 2.5 mol, the fiber performance Is unfavorable because it decreases.
[0019]
An acrylic synthetic fiber containing a vinylamine polymer is formed by mixing a vinylamine polymer with an acrylic polymer to form a fiber, immersing the acrylic synthetic fiber in an aqueous vinylamine polymer solution, or adding an aqueous vinylamine polymer solution to the fiber. It can be produced by means such as spraying. In the present invention, it is desirable that the acrylic synthetic fiber has an acidic group by immersing the acrylic synthetic fiber in the aqueous vinylamine polymer solution or spraying the aqueous vinylamine polymer solution on the fiber. It is to attach.
[0020]
When a vinylamine polymer is attached to an acrylic synthetic fiber containing an acidic group, the acidic group of the fiber and the vinylamine polymer are bonded to each other, so that the vinylamine polymer is less dropped from the fiber and deodorized. The durability of performance is greatly improved. Further, when this fiber is treated with pressurized steam at 100 to 180 ° C., preferably 105 to 130 ° C., the binding ratio between the acidic group and the vinylamine polymer is improved, and the deodorization with improved washing durability and dyeing durability. Fiber can be obtained. When processing with pressurized steam, if the temperature is less than 100 ° C., the bond between the vinylamine polymer and the acidic group of the acrylic synthetic fiber becomes insufficient, and the vinylamine polymer is easily removed by washing. On the other hand, when the pressurized water vapor temperature exceeds 180 ° C., the texture of the fiber is lowered.
Acrylic synthetic fiber to which vinylamine polymer is attached should be a dry acrylic synthetic fiber after stretching, and the vinylamine polymer is less likely to fall off, and it has the best light resistance, washing durability, and dyeing durability. Performance can be obtained. The fiber may be a stretched or unstretched undried gel-like acrylic synthetic fiber.
[0021]
In this invention, it is preferable that the coupling | bonding rate of the amino group with respect to an acidic group is 10-100 mol% with respect to the acidic group which an acrylic synthetic fiber has, and a vinylamine polymer. More preferably, it is 40-100 mol%, More preferably, it is 60-100 mol%. When the binding rate of the acidic group is less than 10 mol%, the dyeing durability is lowered.
The binding ratio of the vinylamine polymer to the acidic group can be determined from the following equation based on the total acidic group amount of the fiber and the residual acidic group amount not bonded to the vinylamine polymer (hereinafter referred to as the residual acidic group amount).
Acid group bond rate (mol%)
= [(Total acidic group amount-residual acidic group amount) / total acidic group amount] × 100
However, the unit of the total acidic group amount and the residual acidic group amount is mol / kg.
[0022]
The amount of the remaining acidic group was measured by putting 1 g of fiber in 300 ml of 10% sodium chloride aqueous solution, shaking in a constant temperature bath at 40 ° C. for 30 hours, thoroughly washing the sodium chloride attached with purified water, And dried for 1 hour to obtain a residual acid group sodium-substituted fiber. The fiber is then subjected to wet decomposition for 5 hours on an electric heater in a mixed solution of 5 ml of 96% sulfuric acid, 40 ml of 62% nitric acid and 2 ml of 70% perchloric acid. The liquid obtained here is diluted 100 times with purified water, quantitative analysis of sodium is performed by flame analysis, and the amount of residual acidic groups is measured from the amount of sodium.
[0023]
The binding ratio of the vinylamine polymer to the acidic group of the acrylic synthetic fiber indicates the binding ratio of the acidic group contained in the fiber. The fiber not containing the vinylamine polymer has the same total acid group amount and residual acid group amount, and the acid group binding rate is 0 mol%. However, after the vinylamine polymer is contained in the fiber, the fiber is dried. By doing so, the amount of residual acidic groups is reduced, and the binding rate of acidic groups is improved. Moreover, the amount of residual acidic groups is further reduced by steam treatment, and the binding rate of the vinylamine polymer to the acidic groups is improved. This is because the ionic reaction between the acidic group contained in the acrylic synthetic fiber and the amino group of the vinylamine polymer is promoted by steam treatment. By promoting this ionic reaction, improvement in washing durability and dyeing durability is recognized.
[0024]
Next, the fiber containing titanium oxide having a photocatalytic action used in the present invention (hereinafter sometimes simply referred to as fiber (B)) will be described.
In the present invention, the titanium oxide having a photocatalytic action refers to a titanium oxide that has an action of decomposing and sterilizing organic substance microorganisms, bacteria, and the like by catalytic action by irradiation with sunlight or ultraviolet rays (hereinafter simply referred to as titanium oxide). ). The form of titanium oxide is not particularly limited, but a titanium oxide having a large surface area per unit weight is preferable from the viewpoint of sufficiently exerting its function. Examples of such titanium oxide include those having a finer particle diameter and titanium oxide particles having a porous structure. Moreover, the thing excellent in water dispersibility is preferable from the ease of manufacture of a fiber.
[0025]
In the present invention, the content of titanium oxide is 0.1 to 10%, preferably 0.3 to 5%, based on the fiber (B). If the content of titanium oxide is less than 0.1%, the decomposition performance due to the catalytic action of organic substances, particularly compounds containing carbonyl groups and acidic compounds against bad odor is low, while if it exceeds 10%, the fiber contains titanium oxide. In addition, there are problems such as a decrease in physical properties of the fiber, a decrease in feel, and a problem that the fiber is wound in the spinning process and wear of the spinning machine. Further, the particle diameter of titanium oxide is not particularly limited as long as it does not interfere with the production of the fiber, but is preferably 0.07 μm or less from the viewpoint of the binding strength of the fiber and the prevention of falling off from the fiber. Here, the particle diameter of titanium oxide refers to a value obtained by measuring the titanium oxide particle diameter present in the dispersion with a laser diffraction / scattering particle size distribution meter.
[0026]
In the present invention, the fibers containing titanium oxide include wet spinning such as synthetic fibers such as polyvinyl alcohol fibers and acrylic fibers, semi-synthetic fibers such as cellulose acetate fibers, regenerated fibers such as copper ammonia man silk and rayon. It is preferable to use fibers that can be produced by the method or dry-wet spinning. Fibers that cannot be produced by wet spinning or dry-wet spinning may be difficult to firmly fix titanium oxide to the fibers, in which case the function of titanium oxide is maintained in the fibers for a long period of time. It may not be possible.
Here, the wet spinning method is a method in which a polymer as a fiber raw material is dissolved in a solvent, and the obtained spinning stock solution is extruded through a spinneret into a coagulating liquid of the spinning stock solution composed of a dilute solution of the solvent. A method for producing fibers. The dry-wet spinning method is a method for producing a fiber by discharging the spinning stock solution from a spinneret into a gas medium such as air and then introducing the spinning stock solution into a coagulating liquid of the spinning stock solution. Say.
[0027]
Among the above fibers, acrylic synthetic fibers are particularly preferable fibers. This acrylic synthetic fiber can be produced from a polymer obtained by copolymerizing 40% or more of acrylonitrile and a monomer copolymerizable with 60% or less of acrylonitrile. Monomers copolymerizable with acrylonitrile include acrylic acid, methyl acrylate, ethyl acrylate, itaconic acid, methacrylic acid, methyl methacrylate, styrene, acrylamide, methacrylamide, vinyl acetate, vinyl chloride, vinylidene chloride, meta Vinyl monomers such as ryl sulfonic acid, methallyl sulfonate, styrene sulfonic acid, styrene sulfonate, allyl sulfonic acid, and allyl sulfonate. The acrylic synthetic fiber can be produced from a polymer obtained by copolymerizing at least one of these monomers with acrylonitrile or a mixture of these polymers.
[0028]
The fiber (B) containing titanium oxide in the present invention, after spinning by a wet spinning method or a dry-wet spinning method, is made to firmly attach titanium oxide to the fiber by bringing a dispersion of titanium oxide into contact with an undried gel-like swelling fiber. Can be attached to.
Here, the gel-like swollen fiber means that a spinning stock solution in which a polymer as a fiber raw material is dissolved is extruded through a spinneret into a coagulation medium of the spinning stock solution consisting of a dilute solution of a solvent, or the spinning stock solution is temporarily gas medium. Unstretched fiber before or after washing, or drawn fiber obtained by stretching this fiber, which is obtained by introducing into a coagulation medium of the spinning dope consisting of a dilute solution of the solvent after being extruded into the coagulation medium. A fiber that has not been subjected to a drying treatment prior to the titanium oxide adhesion treatment.
[0029]
The manufacturing method of the said fiber (B) is demonstrated taking manufacture of an acrylic synthetic fiber as an example.
As described above, the acrylic polymer is a polymer obtained by copolymerizing 40% or more of acrylonitrile and 60% or less of acrylonitrile and a vinyl monomer copolymerizable with these, or a mixture of these polymers. Solvents for dissolving the polymer include inorganic acids such as dimethylformamide, dimethylacetamide, dimethyl sulfoxide, ethylene carbonate, etc., concentrated nitric acid solution, concentrated zinc chloride solution, concentrated rhodan salt solution, etc. A solvent etc. are mentioned, The said acrylic polymer is melt | dissolved in these solvents, and a spinning dope is manufactured. The spinning solution is extruded through a spinneret into a coagulation medium of the spinning solution consisting of a dilute solution of the solvent, or the coagulated fiber is produced by extruding the spinning solution once into a gas medium such as air or nitrogen gas. As the coagulation medium comprising the dilute solution of the solvent, a dilute aqueous solution of the solvent is particularly preferable. Next, the coagulated fiber is washed with water and further hot drawn. The hot stretching is stretching with hot water or stretching with superheated steam, and stretching with hot water is preferable.
[0030]
The fiber thus obtained is a gel-like swollen fiber containing a large amount of water, and a titanium oxide dispersion is brought into contact with the fiber, so that the swollen fiber contains titanium oxide in an amount of 0.1 to the dry fiber. 10% is contained. When the titanium oxide dispersion is contained, any fiber such as unwashed fiber and unstretched fiber may be used as long as it is a fiber after coagulation. It is preferable in that it is easy and titanium oxide can be efficiently applied.
[0031]
In order to bring the titanium oxide dispersion into contact with the gel-like swelling fiber, any means such as immersing the gel-like swelling fiber in the titanium oxide dispersion or spraying the titanium oxide dispersion onto the fiber may be used.
Next, the gel-like swollen fibers that have come into contact with the titanium oxide dispersion are dried and subjected to a relaxation heat treatment as necessary. At this time, if necessary, a finishing agent such as an antistatic agent or a spinning oil agent can be applied. The drying temperature is 40 ° C to 160 ° C, preferably 80 ° C to 130 ° C. The relaxation heat treatment may be either dry heat or wet heat, but is preferably wet heat, particularly heated steam, and the temperature is 100 ° C to 180 ° C, preferably 100 ° C to 140 ° C.
[0032]
The concentration of the titanium oxide dispersion is somewhat different depending on the operating conditions of dipping and squeezing, but usually an aqueous dispersion containing 0.01 to 20% is used, and the adhesion amount is 0.1 to 10 with respect to the fibers. It is adjusted by squeezing or draining with mangle, centle, etc. so that it becomes%. Moreover, the dispersing agent or organic solvent which prevents aggregation of a titanium oxide may be included.
The fiber (B) containing titanium oxide in the present invention is excellent in the decomposition action of organic matter, and therefore extremely excellent in the function of deodorizing all bad odors such as carbonyl group-containing compounds, basic compounds and acidic compounds.
[0033]
Next, the deodorized fiber product in the present invention containing the fiber (A) and the fiber (B) will be described.
The fiber product containing the fibers (A) and (B) is a spun yarn, a twisted yarn, a non-woven fabric, or a woven fabric, a knitted fabric or the like containing these spun yarns or a spun yarn, and these fibers. It also includes clothing products including textile products, bedding products, and industrial material products.
[0034]
The composition ratio of both fibers in the fiber product is such that the fiber (A) is in the range of 5 to 95%, preferably 10 to 90%, and the fiber (B) is in the range of 5 to 95%, preferably 10 to 90%. It is. When the content of the fiber (A) is less than 5%, the effect of deodorizing the odor of the compound having a carbonyl group and the acidic compound is weak. Moreover, if content of this fiber (A) is 10% or more, the deodorizing effect of the compound and acidic compound which have the said carbonyl group will become remarkable. If the fiber (B) content is less than 5%, the effect of deodorizing the odor of the basic compound is weak, and if it is 5% or more, the effect of deodorizing the odor of the basic compound becomes significant. As a method of combining the fiber (A) and the fiber (B), conventionally known means such as blending, knitting, knitting, and knitting can be adopted, and any method may be used.
[0035]
When the fiber (A) and the fiber (B) are each processed into a fiber product and used alone, the fiber product consisting only of the fiber (A) can deodorize the bad odor of the acidic compound and the carbonyl compound. It is difficult to deodorize bad odors, and in a fiber product made only of the fiber (B), the bad odor of the basic compound can be deodorized, but the deodorizing effect of the acidic compound and the carbonyl compound is weakened.
As long as the object of the present invention can be achieved, the deodorized fiber product of the present invention can be used in combination with ordinary known fibers other than the fiber (A) or the fiber (B).
[0036]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. In addition,% in an example means weight%, when not specifically limited.
In order to eliminate external factors, the functional deodorization performance and the sensory evaluation of tobacco odor were pre-treated for 40 hours in a 63 ° C. environment using a fade meter (carbon arc method), and then each test was performed. Moreover, the washing test, the measurement of the deodorizing performance of malodorous substances, the measurement of the texture, the sensory test, and the dyeing treatment were carried out as follows.
[0037]
(1) Laundry test: Based on the JIS-L-0217-103 method, a detergent was tested using a neutral detergent (product name: Monogen Uni, manufactured by Procter & Gamble Far East Ink).
(2) Measurement of deodorizing performance of malodorous substance: 1 g of fiber together with malodorous component 600 ml in a 1000 ml capacity Tedlar bag (manufactured by GM Science Co., Ltd.), 120 minutes, UV intensity 0.5 mW / cm²The residual gas concentration after being left under the black light was measured with a gas detector manufactured by Gastec. The initial concentration of the malodorous component was 20 ppm acetaldehyde as the compound containing the carbonyl group, 100 ppm acetic acid as the acidic compound, and 80 ppm ammonia as the basic compound.
(3) Evaluation of texture: The following three-step evaluation was performed.
○: Not hard, △; Slightly hard, ×: Hard
[0038]
(4) Sensory evaluation: 1m with 3g fiber in 3000ml polyester odor bag (Omi Odo Air Service Co., Ltd.) using cigarette smoke^ThreeSmoke in the box after burning 2cm 5cm of cigarettes (mild seven) in the acrylic box, inject 300ml of smoke and 2700ml of odorless air, leave it in a fluorescent lamp (1300LUX) for 2 hours, then smell and fiber in the odor bag About the smell of itself, 16 monitors made the following judgment and evaluated it by the total score.

(5) Evaluation of discoloration of spear: After burning five cigarettes (mild seven) (5 cm) in an acrylic desiccator having a capacity of 50000 ml, the sample was placed in the desiccator and exposed to black light (ultraviolet intensity: 0. 0). 5mW / cm²) For 48 hours, and the yellowness change (ΔYI) before and after the black light irradiation was calculated by the following equation using a Macbeth colorimeter.
ΔYI = YI after black light irradiation−YI before black light irradiation
[0039]
(6) Dyeing treatment: Astrazon Blue F2RL (Astrazon Blue F2RL: manufactured by Bayer Japan, dye name) is used as the dye, the dye concentration is adjusted to 0.5% owf, and the pH is adjusted to pH 4 using acetic acid. And dyed at a bath ratio of 1:50 at 100 ° C. for 30 minutes and washed thoroughly with water.
(7) Calculation of aperture ratio: The aperture ratio was calculated according to the following formula.
Aperture ratio (%) = (W₁-W₂) / W₂× 100
However, in the above formula, W₁Is the fiber weighed value after dehydration (g), W₂Indicates the weighed value (g) of the fiber dried at 105 ° C. for 2 hours.
[0040]
Example 1
A polymer obtained by copolymerizing 94.5% acrylonitrile, 5.0% methyl acrylate and 0.5% sodium methallyl sulfonate was dissolved in 70% nitric acid to obtain a polymer concentration of 15.5%. The spinning dope was adjusted. The spinning dope was spun into a 37% nitric acid-based coagulation bath maintained at 0 ° C. through a spinneret having 0.06 mm pores, washed with water and drawn 9 times in boiling water to obtain undried fibers. The sulfonic acid group of the fiber was contained in 0.056 mol in 1 kg of dry fiber.
The undried fiber was dried at 80 ° C. for 1 hour. Next, this dried fiber was immersed in a 20 ° C. aqueous solution containing a partial hydrolyzate of N-vinylformamide (molecular weight of about 60,000) having a vinylamine simple substance of 95.0 mol% at a concentration of 1.0% for 1 minute. And then dehydrated. At this time, the drawing rate was 25%. The dehydrated fiber is dried at 80 ° C. for 1 hour, and subjected to a wet heat treatment with saturated steam at 110 ° C. for 5 minutes in an autoclave to remove deodorized fiber A₁Manufactured. The content of vinylamine polymer in this fiber was 0.25%.
[0041]
On the other hand, deodorant fiber A₁The wet fibers produced in 1) were immersed in a 3.75% aqueous solution of titanium oxide (Ishihara Sangyo Co., Ltd., activated titanium oxide sol, trade name STS-01) for 1 minute, and then dehydrated. At this time, the drawing ratio was 80%. After dehydration, it is dried at 80 ° C. for 1 hour, and then subjected to a wet heat treatment with saturated steam at 110 ° C. for 5 minutes in an autoclave to remove deodorized fiber B₁Manufactured. The titanium oxide content of this fiber was 3.0%.
Deodorant fiber A₁30%, deodorant fiber B₁30% and ordinary acrylic synthetic fiber 40% made of a copolymer of acrylonitrile 94.5%, methyl acrylate 5.0% and sodium methacryl sulfonate 0.5% are mixed and spun to produce a spun yarn. A woven fabric was produced using the spun yarn.
[0042]
Comparative Example 1
Deodorized fiber A manufactured in Example 1₁A spun yarn was produced only from the fabric, and a fabric was produced using the spun yarn.
Comparative Example 2
Deodorant fiber B manufactured in Example 1₁A spun yarn was produced only from the fabric, and a fabric was produced using the spun yarn.
[0043]
[Table 1]

According to Table 1, compared with Comparative Examples 1 and 2, Example 1 deodorized not only carbonyl group-containing compounds and acidic compounds but also basic compounds, and its performance was good after 10 washes. there were.
[0044]
Examples 2-5 and Comparative Examples 3-4
A polymer obtained by copolymerizing 74.7% acrylonitrile, 25.0% vinylidene chloride and 0.3% sodium methallylsulfonate was dissolved in dimethylformamide to prepare a spinning stock solution having a polymer concentration of 18%. . The spinning stock solution was spun into a 75% dimethylformamide-based coagulation bath maintained at 30 ° C. through a spinneret having 0.15 mm pores, and 5.0% in a 75% dimethylformamide-based stretching bath maintained at 80 ° C. The film was stretched twice, washed with water, stretched 1.2 times in boiling water, and dried in hot air at 80 ° C. The sulfonic acid group of the fiber was contained in 0.10 mol of 1 kg of dry fiber.
[0045]
Next, this dried fiber was immersed in an N-vinylformamide partial hydrolyzate (molecular weight of about 60,000) containing 95.0 mol% of vinylamine alone in a 20 ° C. aqueous solution for 1 minute, and as shown in Table 2. The fiber was contained in the range of 0.05 to 15.0% and then dehydrated. At this time, the drawing rate was 25%. The dehydrated fiber is dried at 80 ° C. for 1 hour, and subjected to wet heat treatment with saturated steam at 120 ° C. for 5 minutes in an autoclave to obtain each deodorant fiber A₂~ A_Five(Examples 2 to 5) and A₆, A₇(Comparative Examples 3 and 4) were produced.
Next, these deodorizing fibers A₂~ A₇30%, deodorant fiber B₁30% and 40% of ordinary acrylic synthetic fibers were mixed to produce spun yarns, and woven fabrics were produced using the spun yarns. These fabrics were evaluated for deodorizing performance against bad odor in the same manner as in Example 1. Table 2 shows the content of the vinylamine polymer constituting various fabrics and the evaluation results of the deodorizing performance against bad odor.
[0046]
[Table 2]

According to Table 2, the woven fabric (Examples 2 to 5) having a polyvinylamine content of 0.1 to 10% by weight deodorizes not only carbonyl group-containing compounds and acidic compounds but also basic compounds, and The tobacco deodorant performance was excellent and the texture was good.
[0047]
Examples 6-9 and Comparative Examples 5-6
The undried fiber produced in Example 1 was immersed in a 20 ° C. aqueous solution of titanium oxide (manufactured by Ishihara Sangyo Co., Ltd., activated titanium oxide sol, trade name STS-01). Deodorized fiber B after containing dehydrated, dried at 80 ° C. for 1 hour, and wet-heat treated with saturated steam at 110 ° C. for 5 minutes in an autoclave.₂~ B_Five(Examples 6 to 9) and B₆, B₇(Comparative Examples 5 and 6) were produced. Next, these deodorant fibers B₂~ B₇50% and the deodorizing fiber A obtained in Example 1₁50% of each was spun to produce spun yarns, and woven fabrics were produced using these spun yarns.
Table 3 shows the evaluation results of the content of titanium oxide and the deodorizing performance against bad odors of the various woven fabrics obtained.
[0048]
[Table 3]

According to Table 3, the woven fabric (Examples 6 to 9) having a titanium oxide content of 0.1 to 10% by weight deodorizes not only carbonyl group-containing compounds and acidic compounds but also basic compounds, Moreover, the tobacco deodorizing performance was excellent and the texture was good.
[0049]
Example 10 and Comparative Example 7
A polymer obtained by copolymerizing 94.6% acrylonitrile, 5.0% methyl acrylate and 0.4% itaconic acid was dissolved in 70% nitric acid to prepare a spinning stock solution having a polymer concentration of 16%. . The spinning dope was spun into a 37% nitric acid-based coagulation bath maintained at 0 ° C. through a spinneret having 0.06 mm pores, washed with water and drawn 9 times in boiling water to obtain undried fibers. The carboxyl group of the fiber was contained by 0.06 mol in 1 kg of dry fiber.
The undried fiber was dried at 80 ° C. for 1 hour. Next, this dried fiber was immersed in a 20 ° C. aqueous solution containing a partial hydrolyzate of N-vinylformamide (molecular weight of about 60,000) having a vinylamine simple substance of 95.0 mol% at a concentration of 1.0% for 1 minute. And then dehydrated. At this time, the drawing rate was 25%. The dehydrated fiber is dried at 80 ° C. for 1 hour, and subjected to a wet heat treatment with saturated steam at 110 ° C. for 5 minutes in an autoclave to remove deodorized fiber A₈Manufactured. The content of vinylamine polymer in this fiber was 0.25%.
Deodorant fiber A₈40%, deodorant fiber B₁A spun yarn was produced by blending 40% and 20% of ordinary acrylic synthetic fiber, and a woven fabric was produced using the spun yarn.
[0050]
As a comparative example, the deodorizing fiber A of Example 10 above₈In manufacturing a dry fiber, a dry fiber was treated with an aqueous solution of 20 ° C. containing a partial hydrolyzate hydrochloride (molecular weight of about 60,000) of N-vinylformamide having 95.0 mol% of vinylamine units at a concentration of 1.0%. Fiber A produced in the same manner except₉A woven fabric was produced in the same manner as Comparative Example 7.
About each textile fabric obtained above, evaluation of the deodorizing performance with respect to malodor and evaluation of the deodorizing performance with respect to the malodor after 10 times of washing and after dyeing were performed in the same manner as in Example 1. The evaluation results are shown in Table 4.
[0051]
[Table 4]

According to Table 4, when a non-salt-type vinylamine polymer is imparted to the acrylic synthetic fiber and the bond ratio between the acidic group and the vinylamine polymer is 10 mol% or more, the carbonyl group-containing compound and the acidic compound Not only the basic compound was deodorized, but its performance was good after 10 washes and after dyeing.
[0052]
【The invention's effect】
According to the present invention, it has excellent deodorizing performance against malodor containing a compound containing a carbonyl group, such as a tobacco odor, an acidic compound and a basic compound. It is possible to obtain a deodorized fiber product that has dyeing durability and is excellent in the deodorizing performance of tobacco odor and the decoloring effect of the spear.

Claims

A fiber containing 0.1 to 10% by weight of a vinylamine polymer having at least 10 mol% of vinylamine units, wherein the amino group of the vinylamine polymer is non-salt type or forms the fiber In the case of having an acidic group, a salt is formed only with the acidic group, or 5 to 95% by weight of an acrylic synthetic fiber which is a mixture of these, and 0.1 to 0.1% of titanium oxide having a photocatalytic action. A deodorant fiber product comprising 95 to 5% by weight of a fiber containing 10% by weight.

The deodorant fiber product according to claim 1, wherein the acrylic synthetic fiber contains 0.01 to 2.5 mol / kg fiber of acidic groups.

The deodorant fiber product according to claim 1 or 2, wherein the acrylic synthetic fiber contains an amino group in an amount of 0.02 to 2.5 mol / kg fiber.

The deodorant fiber product according to any one of claims 1 to 3, wherein a binding ratio between an acidic group of the acrylic synthetic fiber and an amino group of the vinylamine polymer is 10 to 100 mol%.

The deodorant fiber product according to any one of claims 1 to 4, wherein the vinylamine polymer is a water-soluble vinylamine polymer having a molecular weight of 1,000 to 200,000.

The deodorized fiber product according to claim 1, wherein the fiber containing titanium oxide is a fiber produced by a wet spinning method or a dry and wet spinning method.

The deodorant fiber product according to claim 1, wherein the fiber containing titanium oxide is an acrylic synthetic fiber.

A fiber in which a titanium oxide-containing fiber is brought into contact with a dispersion liquid containing titanium oxide having a photocatalytic action after the wet spinning or after the wet-wet spinning and before the drying, and the gel-like swelling fiber is brought into contact with the fiber. The deodorized fiber product according to claim 1.

The deodorized fiber product according to claim 8, wherein the gel-like swelling fiber before drying is an acrylic synthetic fiber.

A fiber containing 0.1 to 10% by weight of a vinylamine polymer having at least 10 mol% of vinylamine units, wherein the amino group of the vinylamine polymer is non-salt type, or the polymer has an acidic group. When it has, it contains only 0.1 to 10% by weight of titanium oxide having 5 to 95% by weight of acrylic synthetic fiber which forms a salt only with the acidic group or is mixed with these, and photocatalytic action A method for producing a deodorant fiber product in which 95 to 5% by weight of a fiber is mixed, and the fiber containing titanium oxide is produced by a wet spinning method or a dry and wet spinning method, and after the spinning, a gel-like swelling before drying A method for producing a deodorized fiber product, wherein a dispersion containing the titanium oxide is brought into contact with a fiber, and the predetermined amount of the titanium oxide is fixed to the fiber.