JP3658411B2 - 新規ヒトシトメガロウイルスdna配列 - Google Patents

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Description

ヒトシトメガロウイルス(HCMV)は、ヒト個体群に偏在する物質である。感染は一般に無症候であるが、免疫無防備状態の人や先天的に感染した新生児では重い医療後遺症を引き起こし得る。免疫無防備状態の人では、HCMV感染は間質性肺炎、盲目へと進行する網膜炎、および散在性感染を生じる場合がある。新生児における感染は、中枢神経系を含む多数の器官を巻き込んだ深刻な障害となり、また聴覚障害を引き起こすこともある。発病のメカニズムは解明されていないが、細胞性および/または体液性免疫応答といった宿主の因子が関係しているかもしれないと考えられている。AlfordおよびBritt,“The Human Herpesviruses",Roizman,B.,R.J.WhitleyおよびC.Lopez編,Raven Press,New York,1993,227〜255頁を参照のこと。HCMVの異なる株間の遺伝的変異(構造的か抗原的のいずれかまたは両方)が、観察される臨床的徴候の相違の原因であることも推測されている。Pritchett,J.Virol.36:152−61(1980);Lehner,J.Clin.Microbio l.29:2494−2502(1991);Fries,J.Infect.Dis.169:769−74(1994)。
最近、HCMV分離株の株間変異の分析に相当な注目が集まっている。20数種類の異なるHCMV株が単離され、PCR増幅DNA断片の制限分析により区別された。Chou,J.Infec t.Dis.162:738−42(1990)。
Towne株という1つの株が弱毒化生ワクチンへと開発され、そして肝臓移植患者において幾らか成功して投与された。Quinnan,Annals of Int.Med.101:478−83(1984);Plotkin,Lancet 1:528−30(1984)。しかしながら、ある実験において低継代Toledo株野性型ウイルスにより直接チャレンジされたTowne株ワクチンは、10プラーク形成単位(pfu)以下のチャレンジ用量しか抵抗しないことがわかった。Plotkin,J.Infect.Dis.159:860−65(1989)。従って、Towne株は弱毒化され過ぎているようであり、即ち、細胞培養での連続継代の結果としてあまりに広範囲に遺伝的変更されたので、おそらく細胞継代の間の遺伝情報の損失によって有意な免疫原性を失ってしまったと思われる。しかしながら、有利である点は、Towne株が今まで再活性化を示したことがないことである。
Towne株と別のHCMV株であるAD169の間にDNA配列の不均質性が観察されている。Pritchett,J.Virol.36:152−61(1980)。(AD169 HCMVゲノムの制限地図は米国特許第4,762,780号明細書に開示されている。)HCMVの別の分離株間のDNA含量の相違も検出されている。Huang,Yale J.Biol.and Med.49:29−43(1976)。様々な株のHCMV DNAの制限酵素消化の開裂パターンが分析されている。Kilpatrick,J.Virol.18:1095−1105(1976);LaFemina,“Structural Organization of the DNA Molecules from Human Cytomegalovirus",Animal Virus Genetics,Field,BNおよびR.Jaenish編,Academic Press,NY(1980);Chandler,J.Gen.Virol.67:2179−91(1986);Zaia,J.Cli n.Microbiol.28:2602−07(1990)。しかしながら、HCMVゲノムの大まかな構造編成が決定され、多数の株について株間の制限部位多形性がマッピングされたけれども、HCMVゲノムのDNA配列の株間相違は決定されていない。部分的配列だけが推定され、比較されている。例えば、Towne株とAD169株の両方のエンベロープ糖タンパク質B〔gpUL55(gB)〕のDNA配列とアミノ酸配列が推定され〔Spaete,Virology 167:207−25(1988)参照〕、そして様々な臨床分離株と比較され〔Chou,J.Infect.Di s.163:1229−34(1991)参照〕、保存性領域と多様性領域が同定されている。加えて、gp58/116遺伝子〔gpUL55(gB)〕、IMP遺伝子およびIE−1/2エンハンサー/プロモーターの幾つかの領域のDNA配列分析が行われている。Lehner,J.Clin.Microbiol29:2494−2502(1991)。
HCMVのAD169株の完全DNA配列が推定された(EMBL受入れ番号X17403)けれども、我々の知る限りTowne株の完全DNA配列は推定されていない。ただし、AD169株および別の実験株であるDavis株は、Towne株に比較して両方の反復配列のごく内部部分のところの2〜4キロ塩基対(kb)のDNA配列を欠いていると推定されている。LeFemina,前掲,52〜53頁。
HCMV感染の公衆衛生への影響は、現行の治療法または利用可能な抗ウイルス化学療法により完全には抑制されてない。血清反応陽性の腎同種移植片受容者が重いHCMV病から保護され、そして母性免疫が子宮内感染後の病気から胎児を保護するという観察結果が得られたため、予防ワクチン療法が有効であるようだ。MarshallおよびPlotkin,“Cytomegalovirus Vaccines",The Human Herpesviruses中,Roizman,B.,R.J.WhitleyおよびC.Lopez編,Raven Press,New York,1993,381〜95頁。しかしながら、HCMV用ワクチンを開発する時に更に障害となるものは、ワクチン候補の安全性と効能を試験するのに用いることができる動物モデル系が無いことである。従って、依然としてヒトにおけるHCMVの予防処置のための有効なワクチンが要望されている。
ある面では、本発明は、今まで当業界で知られていない新規HCMV DNA配列を提供する。それらの新規HCMV配列はHCMVのToledo株とTowne株から単離され、そしてHCMVのAD169参考株により共有されないDNAを含んで成る。従って、この面では本発明は新規の単離されたToledo株HCMV DNA配列を提供する。本明細書中で用いるとき、「単離された」とは、典型的には目的のDNAがそれの生来の(即ち内因性の)状態では一緒に見つかる別のウイルスDNA配列を実質的に含有しないことを意味する。それらの新規Toledo HCMV DNA配列は、図1(配列番号6)に示されるのと同じもしくは実質的に同じヌクレオチド配列、またはそれの活性断片を含んで成ることにより特徴づけられる。該DNA配列はコード配列に隣接する5′および3′非コード配列を含んでもよい。該DNA配列は図1に示される方向に関して逆の方向であってもよい。図1(配列番号6)に示されるDNA配列のセグメントまたは断片は再配列されてもよくまたは内部が逆転してもよい。本発明のDNA配列は、図1の配列に相当する配列に緊縮条件下でハイブリダイズすることのできるヌクレオチド配列を含んで成り、または遺伝暗号の縮重がなければ前記条件下でハイブリダイズすることができるであろうヌクレオチド配列を含んで成ることもできる。図1(配列番号6)は、新規Toledo株HCMVのDNA配列を表す。この配列中に21個の転写解読枠(ORF)が同定された。それらの新規Toledo株HCMVのORFの推定アミノ酸配列は、後述の配列表の配列番号7〜27のもとに列挙される。図1では、21個のORFの始まりと終わりが矢印と“UL133",“UL134"などの符号により表示される。本発明の再配列された配列中では、新規転写解読枠が構築または破壊され得る。
別の面では、本発明は以前に認識されていないかまたは当業界で知られていない追加の新規HCMV DNA配列を提供する。それらの追加の配列はHCMVのTowne株から単離され、そしてHCMVのAD169株やToledo株により共有されないDNAを含んで成る。従って、この面では本発明は新規Towne株HCMV配列を提供する。それらの新規Towne HCMV DNA配列は、図2(配列番号1)に示されるのと同じもしくは実質的に同じヌクレオチド配列、またはそれの活性断片を含んで成ることにより特徴づけられる。該DNA配列はコード配列に隣接する5′および3′非コード配列を含んでもよい。本発明のDNA配列は、図2の配列に相当する配列に、緊縮条件下でハイブリダイズすることができるかまたは遺伝暗号の縮重がなければ前記条件下でハイブリダイズすることができるであろうヌクレオチド配列を含んで成ることもできる。図2(配列番号1)は、新規Towne株HCMVのDNA配列を表す。この配列中に4つのORF(転写解読枠)が同定された。それらの新規ORFの推定アミノ酸配列は後述の配列表の配列番号2〜5(第59〜63頁)のもとに列挙される。図2では、4つのORFの始まりと終わりが矢印と符号UL147,UL152,UL153およびUL154により表示される。
本発明のDNA配列はシグナル配列および/または隣接配列の一部もしくは全部を排除することができると理解される。加えて、本発明のDNA配列は、図1または図2(配列番号6および1)の単離されたDNA配列に、緊縮条件下でハイブリダイズすることができるか、または遺伝暗号の縮重がなければそのような条件下でハイブリダイズすることができるだろうDNAを含むこともできる。本明細書中で使用する「緊縮条件」とは、高緊縮性の条件、例えば68℃における6×SSC、0.2%ポリビニルピロリドン、0.2%フィコール、0.2%ウシ血清アルブミン、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、100μg/mlのサケ精子DNAおよび15%ホルムアミドを意味する。(下記の「材料および方法、パートC」を参照のこと。)
従って、本発明のDNA配列は、対立遺伝子変異、種もしくは臨床分離株間変異または計画的変異に基づいて、非コード配列、シグナル配列またはコード配列中に変異を含んでもよい。図1と2(配列番号6と1)の配列を使って、別の変異DNA配列を得ることは当業者の技術の範囲内である。即ち、それらの配列を3′末端および/または5′末端で切り取ることができ、元のアミノ酸を維持しながら個々のヌクレオチドを変更するか、またはアミノ酸を変更するようにヌクレオチドを変更することによって、遺伝子を操作することができる。既知の技術により、例えば試験管内突然変異誘発およびプライマー修復を包含する技術により、ヌクレオチドを置換、挿入または削除することができる。加えて、不完全アミノ酸保存領域に由来する短い高縮重オリゴヌクレオチドを使って、類縁ウイルスおよび細胞ファミリーの新規メンバーを同定することができる。本発明の追加の面は、上述の本発明のDNAから転写されるRNA分子である。
別の面では、本発明は、典型的には生来の状態では一緒に見つかる別のHCMVタンパク質を実質的に含まない、新規HCMVタンパク質を提供する。それらの新規HCMVタンパク質は、新規Toledo株DNA配列中に同定された転写解読枠(ORF)UL133(配列番号7)、UL134(配列番号8)、UL135(配列番号9)、UL136(配列番号10)、UL137(配列番号11)、UL138(配列番号12)、UL139(配列番号13)、UL140(配列番号14)、UL141(配列番号15)、UL142(配列番号16)、UL143(配列番号17)、UL144(配列番号18)、UL145(配列番号19)、UL146(配列番号20)、UL147(配列番号21)、UL148(配列番号22)、UL149(配列番号24)、UL150(配列番号25)および/またはUL151(配列番号26)、並びに新規Towne株DNA配列中に同定されたUL147(配列番号2)、UL152(配列番号3)、UL153(配列番号4)および/またはUL154(配列番号5)を含んで成る。新規Toledo株DNA配列中に2つの追加のHCMV ORF、UL130とUL132(配列番号23と27)が同定された。これらの2つの配列はAD169中にも存在する(図5参照)。タンパク質は組換え遺伝子工学技術により生産することができる。それらはHCMVで感染した細胞源から精製することもできる。それらは化学技術により合成することもできる。当業者は、上述の方法論の組合せを適用してタンパク質を合成することができる。その上、本発明のHCMVタンパク質の類似体が提供され、その類似体としては、先端が切り取られたポリペプチド、例えば下記に定義するように生物活性を維持しており且つ好ましくはHCMV TowneまたはToledoアミノ酸配列の対応する領域(配列番号2,3,4,5,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26および27)と少なくとも80%、より好ましくは90%、最も好ましくは95%の相同性を有する、アミノ酸配列変異を含む変異体が挙げられる。例としては、HCMV ToledoまたはTowneアミノ酸配列の生来のアミノ酸配列(配列番号2,3,4,5,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26および27)からの重要でないアミノ酸変異、特に保存的アミノ酸置換を有するポリペプチドが挙げられる。保存的置換は、側鎖が同族であるアミノ酸のグループ内で起こるものである。遺伝的にコードされるアミノ酸は次の4つのファミリーに分けられる:(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性=リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)無極性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;および(4)非帯電極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、シスチン、セリン、スレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンはしばしば芳香族アミノ酸として一緒に分類される。例えば、イソロイシンもしくはバリンによるロイシンの置換、グルタミン酸によるアスパラギン酸の置換、セリンによるスレオニンの置換、または同様な構造的に類似したアミノ酸によるアミノ酸の保存的置換は、活性または機能性に対して有意な影響を与えないだろう。
ToledoまたはTowneアミノ酸配列(配列番号2,3,4,5,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26および27)を使って、HCMVの臨床分離株からHCMV ToledoまたはTowneタンパク質をコードする別のDNA配列または別のポリペプチドを得ることは当業者の技術の範囲内である。例えば、正しいアミノ酸を維持しながら個々のヌクレオチドを変更するか、または活性の損失を伴わずにアミノ酸を変更するようにヌクレオチドを変更することによって、構造遺伝子を操作することができる。既知の技術により、例えば試験管内突然変異誘発およびプライマー修復を包含する技術により、ヌクレオチドを置換、挿入または削除することができる。構造遺伝子は、それの活性を保持したままでそれの3′末端および/または5′末端のところで先端を切り取ることができる。シグナル配列をコードする領域を除去すること、および/またはそれを非相同配列で置き換えることも望ましいかもしれない。HCMV ToledoまたはTowneアミノ酸配列(配列番号2,3,4,5,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26および27)の一部分、特にアミノ末端領域を含むものを、非相同コード配列に連結せしめ、かくしてHCMV ToledoまたはTowneの融合ペプチドを作製することも望ましい場合がある。
そのような変更をデザインする場合、HCMV ToledoまたはTowneアミノ酸配列(配列番号2,3,4,5,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26および27)の非保存領域に対する変更が活性に比較的小さい影響を与えるだろうと予想される。それに対して、保存領域における変更、特にアミノ末端領域の中またはその近くにおける変更は大きな影響を生じると予想される。HCMV TolodoまたはTowneアミノ酸配列(配列番号2,3,4,5,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26および27)と例えばHCMV臨床分離株からの少なくとも2つの別の配列との間で保存されるアミノ酸残基は、置換の候補ではないと思われる。HCMV配列と少なくとも2つの別の配列との間で保存的変異を示す残基は、同様なHCMV配列の保存的置換が可能であると予想される。同じように、HCMV配列と少なくとも3つの別の配列との間で非保存的に変異する残基は、保存的かまたは非保存的置換のいずれかが可能であると予想される。HCMV配列に対する置換をデザインする時、別の配列のうちの1つの同等の整列位置に見つかるアミノ酸による置換が特に好ましい。
本発明により更に提供されるのは、HCMV ToledoポリペプチドまたはHCMV TowneポリペプチドをコードするDNA配列とベクターDNAとを含んで成る組換えDNAベクターである。このベクターは、特定の宿主細胞におけるHCMV ToledoまたはTowneタンパク質の複製および発現を指令することができる調節配列に作用可能に連結された形でHCMV ToledoまたはTowne DNAを提供する。組換えHCMV ToledoまたはTowneタンパク質を発現させるために使われる、そのようなベクターにより形質転換された宿主細胞もまた、本発明により提供される。組換えHCMV ToledoもしくはTowneタンパク質またはそれの活性断片の新規生産方法も提供される。この方法では、HCMV ToledoまたはTowneタンパク質の複製を指令し且つ該タンパク質の発現を調節することができる適当な調節配列に作用可能に連結されたHCMV ToledoまたはTowneタンパク質の発現をコードするDNA配列(配列番号1および6)を含有する上述のようなベクターにより形質転換された宿主細胞系を、該組換えDNAの発現を許容する適当な条件下で培養する。次いで発現されたタンパク質を適当な常用手段を使って宿主細胞からまたは培地から収穫する。この新規方法は、タンパク質の発現用の宿主細胞系として様々な既知細胞を使うことができる。現在のところ好ましい細胞は哺乳類細胞系、酵母、昆虫および細菌細胞である。特に好ましいのは哺乳類細胞系である。
本発明の実施は、特に別記しない限り、当業者の技術範囲内である分子生物学、微生物学、組換えDNA操作および生産性、並びに免疫学の常用技術を使うだろう。そういった技術は文献中に詳しく説明されている。例えば、Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版(1989);DNA Cloning,第IおよびII巻(D.N.Glover編,1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編,1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編,1984);Transcription and Transl ation(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編,1984);Animal Cell Culture(R.I.Freshney編,1986);Immobilized Cells and Enzymes(IRL Press,1986);B.Perbal,A Pra ctical Guide to Molecular Cloning(1984);Methods in Enzymology双書(Academic Press,Inc.);Gene Tr ansfer Vectors for Mammalian Cells(J.H.MillerおよびM.P.Calos編,1987,Cold Spring Harbor Laboratory);Methods in Enzymology,第154および155巻(それぞれWu & Grossman編およびWu編)(MayerおよびWalker編)(1987);Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology(Academic Press,London),Scopes(1987);Protein Purification:Principles and Prac tice,第2版(Springer−Verlag,N.Y.);並びにHandbo ok of Experimental Immunology,第I〜IV巻(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編,1986)を参照のこと
ヒトにおいてHCMV感染を検出するための組成物もまた本発明により提供される。それらの組成物は、新規Toledo配列の少なくとも長さ10塩基、より好ましくは長さ15塩基の少なくとも1つの一本鎖断片、および緊縮条件下でそれらの一本鎖断片にハイブリダイズし且つヒトDNAと交差ハイブリダイズしない断片を有するプローブを含んで成る。その上、それらの組成物は、新規Towne配列の少なくとも長さ10塩基、より好ましくは長さ15塩基の少なくとも1つの一本鎖断片、および緊縮条件下でそれらの一本鎖断片にハイブリダイズし且つヒトDNAと交差ハイブリダイズしない断片を含んで成る。そのようなプローブ組成物は、更に、検出可能なシグナルを提供するために、前記断片に取りつけられた標識(米国特許第4,762,780号明細書に教示されるような)を更に含んでもよい。
本発明により更に提供されるのは、ヒト宿主においてHCMV感染を検出するための方法である。そのような方法は、予め決められた緊縮条件下で、HCMV DNAを含む疑いのある臨床試料を、少なくとも10塩基の、より好ましくは15塩基を有し且つヒトDNAと交差ハイブリダイズしないHCMVの新規ToledoまたはTowne株の少なくとも1つの一本鎖DNA断片と接触せしめ、そして前記一本鎖ToledoまたはTowne株HCMV断片と試料DNAとの間での二重鎖形成を検出することを含んで成る。あるいは、感染した個体におけるHCMVの同定を容易にするために、PCRを使った増幅によりウイルス核酸コピー数を増加させてもよい。その場合、本発明の一本鎖ToledoまたはTowne株DNA配列断片を使って、HCMVの診断用のPCR増幅系に使われるPCRプライマーを作製することができる。そのような系は当業界で周知である。例えば、米国特許第5,008,182号明細書(PCRによるAIDS関連ウイルスの検出)およびHedrum,PCR Methods and Applications 2:167−71(1992)(PCRによるトラコーマクラミジアの検出および免疫磁気回収法)を参照のこと。
本発明のDNA配列を使って免疫処置用組成物を調製することもできる。新規Toledo DNA配列をHCMVのTowne株またはAD169株中に組換え、それらの組換えウイルスを内皮細胞またはSCIDマウス中に移植したヒト組織における増殖特性について試験し、またはラットアイモデルにおいて試験する。Mocarski,Proc.Nat.Acad.Sci.90:104−108(1993)。そのような組換え体は、現在ヒトに使われているTowne−125株により示されるものを上回る増加された免疫原性を示すが、Toledo−1株により示される完全なビルレンスを示さないだろう。従って、本発明の他の面は、新規Toledo DNA配列またはそれの類似体もしくは断片が加えられているHCMVのTowne株またはAD169参考株のいずれかを含んで成る免疫処置用組成物である。本発明はまた、ヒトにおけるHCMVの予防処置方法であって、適当な医薬担体中の本発明の免疫処置用組成物の免疫学的誘発有効量をヒト患者に投与することを含んで成る方法も包含する。本発明の更に別の面は、CMVに対する免疫応答を刺激する方法であって、適当な医薬ビヒクル中の本発明の免疫処置用組成物の免疫学的誘発有効量を患者に投与することを含んで成る方法である。
本発明の他の面および利点は下記の具体的説明において記載される。
図1は、HCMVのToledo株から単離された本発明の新規Toledo DNA配列を表す。矢印は同定された21個の推定アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列の始まりと終わりを示す。
図2は、HCMVのTowne株から単離された本発明の新規Towne DNA配列を表す。矢印は同定された4つの推定アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列の始まりと終わりを示す。
図3は、実施例1に詳述するような制限酵素消化したTowneおよびToledo HCMV株DNAのサザンブロットの図解である。矢印は、Towne DNA中に欠けており、追加のToledo DNA配列の存在を意味する、BamH I消化物中のToledo DNAの5kbp(キロ塩基対)バンドを示す。
図4は、実施例3に記載するようなHCMVのAD169株、Towne株、Toledo株および5つの臨床分離株からの制限酵素消化DNAの合成オートラジオグラフである。
図5は、新規ToledoおよびTowne DNA配列中に同定された新規転写解読枠を表す略図である。
図6は、AD169株ゲノムDNAと比較した、ToledoゲノムDNAおよびTowneゲノムDNA中に同定された新規配列の相対位置を表す図解である。
具体的説明
A.序論
本発明は、Toledo配列およびTowne配列と命名された、今までに認識されていないかまたは当業界で知られていない2つの新規HCMV DNA配列を提供する。本発明はまた、本発明の新規HCMV DNA配列を使った免疫処置用組成物および方法も提供し、また前記配列およびそれらのタンパク質生成物の別の診断的および療法的利用も提供する。これらの新規DNA配列は、HCMVのToledo株とTowne株において最初に発見された。それらの配列の詳細および構造的特徴は下記の実施例に与えられる。
最も望ましくは、過度に弱毒化された株の免疫原性を高めるために新規Toledo DNA配列またはそれの類似体もしくは断片が添加されている参考株AD169またはTowneを含んで成るHCMV免疫原性組成物が提供される。よって、本発明の一面は、図1および2(配列番号6および1)に開示されたような単離されたDNAおよび対応するRNA配列に関する。本明細書中で使用する時の「単離された」という語は、典型的には目的のヌクレオチド配列またはポリペプチド配列がそれの生来の(即ち内因性の)状態では一緒に見つかる別のヌクレオチドまたはポリペプチド配列を実質的に含有しないことを意味する。別の面では、本発明はHCMV TowneまたはToledo DNA配列(配列番号2,3,4,5,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26および27)によりそれぞれコードされる単離されたHCMV TowneまたはToledoタンパク質に関する。
本発明の別の面は、HCMV株変異体の検出のための診断アッセイに関する。簡単に言えば、そのような診断アッセイは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)においてHCMV関連核酸を増幅せしめるためのプライマーとしての本発明のDNA断片の使用またはハイブリダイゼーションによる直接検出による本発明のDNA断片の使用を含んで成る。本発明の診断アッセイは、本明細書中に開示されるToledoまたはTowne DNA配列によりコードされる新規ORFに対する特異抗体の使用を含んで成ってもよい。本発明の更に別の面は、ワクチンマーカーとして機能するための、ユニーク制限部位を使って変更された新規DNA配列の使用である。
本発明は、過度に弱毒化されており従って免疫応答を惹起せしめるのに一貫して効果的ではない現在のHCMVワクチンを上回る利点を提供するワクチンの生産を可能にするだろうと予想される。より詳しくは、Towne株またはAD169株への本発明の新規Toledo株配列の導入または挿入は、細胞継代ワクチンを使ってできないHCMV Toledoゲノム中への特異的DNA配列の導入をもたらすだろう。ワクチン生産にとって重要なのは、この結果、本発明のDNA配列の種々の断片により導入される弱毒化の程度の正確な測定が可能になり、それによって過度に弱毒化された性質のTowne株を修正しそして免疫原性組成物としてのそれの機能を改善するために技術の現状において必要であるTowne株の弱毒化の管理修正が可能になることである。
B.組換えAD169またはTowne HCMV
組換えAD169またはTowne DNAは、初代繊維芽細胞またはCMVの増殖を許すことが知られている他の細胞系において、新規Toledo配列またはそれの類似体もしくは断片を含有するプラスミドと、選択マーカー(例えばgptまたはβ−ガラクトシダーゼ)を同時移入せしめることにより誘導される。組換えウイルスはミコフェノール酸を含む培地中での増殖により選別されるか、またはX−galのような色素産生基質を適用した後での青色プラーク表現型により同定される。組換えウイルスはプラーク精製され、制限酵素分析とサザンブロッティング法により特徴付けられる。新規HCMV Toledo配列またはそれの類似体もしくは断片は、内因性プロモーターおよび転写終結シグナルに関して未変更のまま使用することができる。あるいは、本明細書中に記載されるように、HCMV Toledo株DNAコード領域を、CMV(シトメガロウイルス)主要中間初期プロモーター、SV40初期プロモーターまたは適切な発現レベルを生じる他のウイルス性もしくは細胞性プロモーターのようなプロモーターの転写調節下に置くことができる。変更されたTowneまたはAD169株HCMVを組織培養細胞中で増殖させる。哺乳類(ヒトを除く)を使った実験の場合、ヒト包皮繊維芽細胞(HF)またはMRC−5細胞のような細胞を使ってウイルスを繁殖させる。それらの細胞の培養物からウイルスを捕集し、次いで単離された組換えウイルスを、免疫応答を惹起せしめそしてHCMVに対する保護を提供する能力について更に調べる。
ヒトに使う場合、組換えウイルスは大規模生産量でFDA承認細胞系から生産される。そのような細胞としてはMRC−5またはWI−38細胞が挙げられる(両方とも初代ヒト二倍体繊維芽細胞である)。別の細胞系から単離した組換えウイルスによって調製されたウイルスDNAまたはカプシドのトランスフェクションにより生産細胞系において組換えウイルスを生産せしめる。トランスフェクション法は、FDA承認細胞が外来性物質や不適任の細胞系からの夾雑物により汚染されるのを防ぐべきである。上記細胞系から生産されたHCMVウイルスは、累進的に大きくなる組織培養フラスコ中の細胞を感染せしめるのに使われるだろう。感染細胞がその次の接種材料として使われる。トリプシンを使って組織培養フラスコから生存可能な感染組織培養細胞を取り出し、1〜100倍(またはそれ以上)過剰の未感染細胞に添加し、累進的に大きくなる接種を行う。最適収量が得られたら、組織培養細胞からウイルスを捕集する。大規模生産が得られるまでこの工程を繰り返す。組織培養容器から感染細胞を取り出し、例えば超音波処理、ダウンスホモジナイゼーションまたは前記の組合せを使って細胞を破壊する。次いで当業界で既知の遠心技術を使って細胞性材料からウイルスを単離する。ウイルスが単離されたら、炭水化物または炭水化物誘導体のような安定化剤を添加し、次いでウイルスをアリコートに分け、そして凍結乾燥する。
C.免疫原性組成物
HCMV感染を予防するために被検者に免疫原性組成物を投与することができる。免疫原性組成物は、完全に病気を発病することができない弱毒化ウイルスを使って免疫系を感作することによりHCMV感染を防止する。本発明により提供されるHCMV免疫原性組成物の主な利点は、該組成物の免疫原性の程度がより増加されることで集団でのHCMV感染の一層有効な予防が得られるだろうという点である。
HCMVのTowne株は、再活性化しないことが証明されているため好ましくは親株として働くだろう。HCMV免疫原性組成物を作製するために、本明細書中に記載されるように、全長形、先端が切り取られた形および/または変更された形の新規Toledo DNA配列がHCMV AD169またはTowne株ウイルス中に導入される。HCMV感染を予防する上での免疫原性組成物の有効性がヒトについて測定されるだろう。まず、ヒトに接種1回あたり100〜20,000PFUの範囲に及ぶPFUの変異のウイルスを接種する。ここでPFUは本明細書中に記載の通り測定される。第1回接種の後、一般に同じまたは増加された用量の第2回のブースター注射を行うことができる。第1または第2回接種の後、被検者は野生型HCMVに暴露され、そしてCMV感染の発生が観察される。今までCMV感染を発生したことのない被検者に接種する前に、以前にCMVに暴露された成人志願者において、起こる可能性のあるワクチンの副作用がモニタリングされるだろう。弱毒化ワクチンはアジュバント無しでそして生理学的に許容される担体と共に使われる。
当業者に既知であり本明細書中で記載されるように、新規DNAは、例えば相同組換え技術を使ってTowneまたはAD169ウイルスゲノム中に挿入される。この挿入は、通常、本来は必須でない遺伝子中に行われる。組換えウイルスの構築を大きく促進するプラスミドシャトルベクターが記載されている。例えば、SpaeteとMocarski,Proc. Nat.Acad.Sci.84:7213−17(1987)を参照のこと。次いで組換え生ウイルスを使って免疫処置された細胞または個体において、新規Toledo DNAによりコードされるポリペプチドの発現が起こる。
あるいは、HCMV関連状態を予防および治療するための治療用および/またはサブユニット免疫原性組成物において、精製された新規HCMVタンパク質を使うことができる。そのような医薬組成物は、医薬上許容される担体、例えばアジュバント/抗原提示系、例えばミョウバンと共に、1または複数の本発明のタンパク質の免疫学的誘発有効量を含んで成る。別のアジュバント/抗原提示系、例えば、MF59(Chiron Corp.),QS−21(Cambridge Biotech Corp.),3−DMPL(3−デアシルモノホスホリルリピドA)(RibiImmunoChem Research,Inc.)、臨床用不完全フロイントアジュバント(IFA)、フゾゲニックリポソーム、水溶性ポリマーまたはIscoms(免疫刺激性複合体)を使ってもよい。他の典型的な医薬上許容される担体または溶液は、水酸化アルミニウム、食塩水およびリン酸塩緩衝食塩水である。組成物は全身投与することができ、好ましくは許容される皮下または筋肉内溶液の形で皮下または筋肉内投与することができる。表面乱切によりまたは体腔接種により接種を行うこともできる。pH、等張性、安定性などを十分考慮したそのような溶液の調製は当業者の技術の範囲内である。投薬スケジュールは、薬剤の作用を変更することが知られている様々な要因、例えば身体状態、体重、性別、食事、症状の重さ、投与期間および他の臨床要因を考慮して担当の医師により決定されるだろう。典型的な用量範囲は約1μg〜約1000μgのタンパク質を含んで成る。
本発明の処置方法を実施する際、治療または予防処置が必要であるヒト患者に免疫学的誘発有効量のタンパク質が投与される。本発明の組成物の免疫学的誘発有効量は、投与1回あたり約1μg〜約1mgの範囲内であると予想される。投与回数は上述の要因によって異なり得る。
D.診断アッセイおよびワクチンマーカーとしての利用
本発明の新規ToledoおよびTowne DNA配列は、化学合成されたまたは組換えToledoもしくはTowne DNA断片のいずれかを使って、試料中のHCMVを検出するため、ToledoおよびTowne様配列を検出するため、並びにHCMVの臨床分離株における株間変異を検出するための診断アッセイにおいて利用することができる。その上、新規配列は、野性型HCMVを含有するかまたはそれに感染した個体もしくは試料と、HCMVワクチン(即ち、Towneワクチンのような現在使われている弱毒化生ワクチン)を含有するかまたはそれに感染した固体もしくは試料とを区別するためのワクチンマーカーとして使用することができる。更に別の態様では、該DNA配列の断片を、個体支持体と結合するかまたは診断アッセイに使われる別の検出プローブと結合する配列を使って第二の核酸に連結せしめることもできる。
本発明の1つの面では、少なくとも10〜20ヌクレオチドを含んで成る新規ToledoまたはTowne DNA配列(配列番号1と3)の断片は、当業界で周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を使って核酸を増幅せしめるためのプライマーとして、および臨床試料の中のHCMV DNAのような標的遺伝物質を検出するための核酸ハイブリダイゼーションアッセイ(PCRを使うかまたは使わない)においてプローブとして、用いることができる。例えば、米国特許第4,683,202号、同第4,683,195号、同第5,091,310号、同第5,008,182号および同第5,168,039号明細書を参照のこと。模範的なアッセイでは、ウイルス変異体間の新規DNA配列の保存領域を、増幅すべき配列として選択し、そして診断アッセイにおいて検出する。増幅すべき配列に少なくとも実質的に相補的である(好ましくはそれと同一である)オリゴヌクレオチドプライマーを作製し、そして検出しようとするHCMV核酸配列を含む疑いのある試料を、適当なハイブリダイゼーション条件下で、検出しようとするHCMV核酸配列の各鎖のためのプライマー、4種類のデオキシヌクレオチド三リン酸および重合剤で処理する。ここで適当なハイブリダイゼーション条件とは、試料中にあると疑われるHCMV核酸配列に相補的である各プライマーの伸長生成物が合成され、一方のプライマーから合成された伸長生成物がそれの相補物から分離された時にポリメラーゼ連鎖反応において他方のプライマーの伸長生成物の合成のための鋳型として働くことができるような条件である。増幅後、PCRの生成物は、当業界で周知のようにして新規DNA配列から同様に作製された、増幅配列とハイブリダイズすることができる標識プローブの添加により、検出することができる。例えば米国特許第5,008,182号明細書を参照のこと。
別の態様では、プローブまたはプライマーをワクチンまたは野性型感染を検出するためのワクチンマーカーアッセイにおいて使用することができる。あるいは、新規DNA配列中への制限部位の導入が、PCR断片と共に制限消化物中のそういった相違を検出するために使うことができるワクチンマーカーを提供するだろう。配列変異体、例えば所望の変異の場所または形状を有する点変異体を検出するためのそのような手法および技術は、当業界で周知であり、そして米国特許第5,137,806号明細書に開示されるように鎌状赤血球貧血、ヘモグロビンC症、糖尿病並びに他の疾患および状態の検出に応用されている。当業者は、野性型HCMV感染とワクチン感染を検出しそして両者を区別するためにそれらの方法を容易に適用することができる。
別の態様では、新規ToledoまたはTowne DNA配列は、当業界で既知のハイブリダイゼーションプローブ技術を使って、または本明細書中に記載される方法の1つと組み合わせて、完全な形でまたは断片として、細胞、組織、試料などの中のDNA配列、関連配列または転写産物の存在を検出するために用いることができる。ハイブリダイゼーションプローブとして使う時、本発明の新規DNA配列の断片は好ましくは長さ50〜200ヌクレオチドであり、より好ましくは長さ100〜300ヌクレオチドであり、最も好ましくは長さ300ヌクレオチド以上である。
E.ベクターおよびキメラウイルスの生産
本発明の新規DNA配列は、キメラウイルスの生成をもたらす当業界で既知の様々な技術を使って様々なベクター中で発現させることができる。有用な既知技術としては、マーカートランスファーまたは相同組換え、直接試験管内連結、欠陥ベクター技術、およびアンプリコン生成が挙げられる〔例えば、Frenkel,N.他,Gene Transfe r and Cancer,M.L.PearsonおよびN.L.Sternberg編(1984);Kwong,A.D.およびFrenkel,Virology 142:421−425(1985);米国特許(Poizmanによる出願番号第07/923,015号)明細書を参照のこと〕。そのような技術において使われているベクターとしては、コスミド、プラスミド、および感染性または欠陥ウイルスが挙げられる。そのようなベクターは当業界で既知である。ここで使われるコスミドはラムダバクテリオファージcos部位を含有するプラスミドである。cos部位は、ラムダDNAをパッケージングするためのcisシグナルである。従ってコスミドはプラスミドと異なり、ラムダヘッド中に高い効率で試験管内パッケージングすることができる。この技術は非常に大きな(30〜45kbp)DNA断片のクローニングを可能にする。重複したコスミドの同時トランスフェクションは、Kemble,J.Virology 70:2044−48の手順に従ってヒトシトメガロウイルス変異体を作製するのに使うことができる。ベクターは一本鎖であっても二本鎖であってもよく、DNAかRNAのいずれかから構成されてもよい。
一般に、DNA配列は単独でまたは別のHCMVゲノムDNAに連結せしめてベクター中に挿入される。直接試験管内連結法では、単離された配列のみが使われる。相同組換えまたはマーカートランスファーでは、該配列をHCMVウイルスゲノムにトランスファーさせるために隣接核酸配列が要求される。コスミドおよび本明細書中に記載の別のベクターを使ったウイルス相補性に使うために、ベクター中の配列(またはその断片)は好ましくは少なくとも1kbのHCMVゲノム核酸に連結され、より好ましくは少なくとも5kbのHCMVゲノム核酸に連結される。HCMVゲノム核酸は転写解読枠の片側または両側にあることができる。転写解読枠の特定領域のみを変異体ウイルスの作製に使おうとする場合、転写解読枠またはその断片がベクター中に挿入される。
F.新規ToledoおよびTowneタンパク質
本発明の別の面は、本明細書中に教示されるようなToledoまたはTowne DNA配列によりコードされる単離されたタンパク質に関する。該タンパク質はHCMVの生活環を研究しそして変更するために使うことができる。というのは、それらは免疫原性がありそして組織向性の原因であるかまたは感染個体における免疫応答に影響を及ぼす表面糖タンパク質をコードするかもしれないからである。そのようなタンパク質は、従って、CMVに対するサブユニットワクチンの製造に用いることができる。そういったCMVサブユニットワクチン候補の作製は当業界で周知である。例えば、Spaete,Virology 167:207−25(1988)を参照のこと。
ORF分析により、21個の新規Toledoタンパク質と4個の新規Towneタンパク質が同定された。新規Toledoタンパク質としては、UL130(配列番号23)、UL132(配列番号27)、UL133(配列番号7)、UL134(配列番号8)、UL135(配列番号9)、UL136(配列番号10)、UL137(配列番号11)、UL138(配列番号12)、UL139(配列番号13)、UL140(配列番号14)、UL141(配列番号15)、UL142(配列番号16)、UL143(配列番号17)、UL144(配列番号18)、UL145(配列番号19)、UL146(配列番号20)、UL147(配列番号21)、UL148(配列番号22)、UL149(配列番号24)、UL150(配列番号25)および/またはUL151(配列番号26)が挙げられる。UL130は図1に示される通りヌクレオチド13109〜13753によりコードされる。UL132は図1に示される通りヌクレオチド11673〜12485によりコードされる。UL133は図1に示される通りヌクレオチド51〜824によりコードされる。UL134は図1に示される通りヌクレオチド541〜1068によりコードされる。UL135は図1に示される通りヌクレオチド941〜1927によりコードされる。UL136は図1に示される通りヌクレオチド2018〜2740によりコードされる。UL137は図1に示される通りヌクレオチド2599〜2890によりコードされる。UL138は図1に示される通りヌクレオチド2823〜3332によりコードされる。UL139は図1に示される通りヌクレオチド3895〜4302によりコードされる。UL140は図1に示される通りヌクレオチド4484〜4828によりコードされる。UL121は図1に示される通りヌクレオチド5098〜6375によりコードされる。UL142は図1に示される通りヌクレオチド6448〜7368によりコードされる。UL143は図1に示される通りヌクレオチド7353〜7631によりコードされる。UL144は図1に示される通りヌクレオチド8008〜8538によりコードされる。UL145は図1に示される通りヌクレオチド8867〜9169によりコードされる。UL146は図1に示される通りヌクレオチド9450〜9803によりコードされる。UL147は図1に示される通りヌクレオチド9868〜10347によりコードされる。UL148は図1に示される通りヌクレオチド10646〜11596によりコードされる。UL149は図1に示される通りヌクレオチド15756〜16124によりコードされる。UL150は図1に示される通りヌクレオチド15874〜17802によりコードされる。UL151は図1に示される通りヌクレオチド17289〜18299によりコードされる。
新規Towneタンパク質としては、UL147,UL152,UL153およびUL154(それぞれ配列番号2,3,4および5)が挙げられる。UL147は図2に示される通りヌクレオチド841〜1321によりコードされる。UL152は図2に示される通りヌクレオチド1365〜1721によりコードされる。UL153は図2に示される通りヌクレオチド2501〜3337によりコードされる。UL154は図2に示される通りヌクレオチド3512〜4711によりコードされる。
本明細書中で使用する「Toledoおよび/またはTowneタンパク質」とは上記配列を指し、そして配列表中にも列挙されている。
「Toledoおよび/またはTowneタンパク質」は、HCMVのいずれかの株または臨床分離株からの相同タンパク質も指し、ToledoまたはTowneアミノ酸配列(配列番号2,3,4,5,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26および27)に対して少なくとも90%相同であるHCMVタンパク質を包含する。本明細書中に記載されるようなDNA配列中への欠失、挿入および置換により、または異なるアミノ酸配列の化学合成により、または化学修飾により、HCMVの生活環に影響を及ぼすようにToledoまたはTowneタンパク質を変更することができる。DNA配列の一部分の削除により、またはDNA配列中への終結シグナルの導入により、先端が切り取られたタンパク質を作ることができる。タンパク質にとって好ましい削除は、Glu,Asp,Arg,Lys,CysおよびProから成る群より選ばれた少なくとも1つのアミノ酸を含有する1または複数の削除されるアミノ酸配列に相当する。より好ましくは、削除されるアミノ酸配列がGlu,Asp,Arg,Lys,CysおよびProから成る群より選ばれた少なくとも2つのアミノ酸を含有する。より好ましくは、削除されるアミノ酸配列が少なくとも2つのプロリンを含有する。
HCMV生活環を変更するのに有用である該タンパク質の別の変異としては、cAMPリン酸化(Arg/Lys−Arg/Lys−X−X−Asp/Glu)および/またはミリスチル化部位(Gly−X1−X2−X3−Ser/Thr−X−X−Asp/Glu;ここでX1はGlu,Asp,Arg,Lys,His,Pro,Phe,Tyr,Trpではなく、X2は任意アミノ酸であり、そしてX3はProではない)の変更、あるいはPKCリン酸化部位(Ser/Thr−X−Arg/Lys)および/またはN結合グリコシル化部位(Asn−X−Ser/Thr;ここでXはProではない)の変更が挙げられるが、それに限定されない。
ToledoまたはTowne DNA配列、それの類似体または断片は、哺乳類、昆虫または微生物宿主中で発現させることができる。使用する宿主細胞のタイプと適合できる適当な発現ベクターにポリヌクレオチドを挿入し、そしてそのベクター内部の調節要素に作用可能に連結せしめる。ベクターの作製は当業界で既知の技術を使用する。そのような作製に含まれる部位特異的DNA開裂は、通常は市販の制限酵素の製造業者により明記されている条件下で、適当な制限酵素で処理することにより行われる。適当な発現ベクターは、所望の機能(例えば、一過性発現、長期発現、組込み、複製、増幅)に適合し且つその中の調節要素が宿主細胞と適合性であるものである。
G.哺乳類細胞発現
哺乳類細胞中での複製に適するベクターは当業界で既知であり、それらはウイルスのレプリコン、または宿主ゲノム中へのToledoもしくはTowne DNAをコードする配列の組込みを保証する配列を含むことができる。代表的なベクターとしては、SV40、レトロウイルス、ウシ乳頭腫ウイルス、ワクシニアウイルス、他のヘルペスウイルスおよびアデノウイルスが挙げられる。
そのような適当な哺乳類発現ベクターは、外来DNA配列の転写を媒介するプロモーター、および任意にエンハンサーを含有する。適当なプロモーターは既知であり、例えばウイルスプロモーター、例えばSV40、シトメガロウイルス(CMV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、アデノウイルス(ADV)およびウシ乳頭腫ウイルス(BPV)由来のプロモーターが挙げられる。
上述のプロモーターと組み合わせたエンハンサーの任意の存在は、典型的には発現レベルを増加するであろう。エンハンサーは、内因性のまたは非相同の(外因性の)プロモーターに連結せしめた時に1000倍まで転写を刺激することができる任意の調節DNA配列であり、合成は通常のmRNA開始部位のところで始まる。エンハンサーは、正常のもしくは裏返した配向で転写開始部位の上流もしくは下流に置かれた時またはプロモーターから1000ヌクレオチド以上の距離のところに置かれた時にも活性である。Maniatis,Science 236:1237(1987);Alberts,Mole cular Biology of the Cell,第2版(1989)を参照のこと。ウイルス由来のエンハンサーは典型的にはより広域の宿主範囲を有するので、特に有用であるかもしれない。例としてはSV40初期遺伝子エンハンサー〔Dijkema,EMBO J.4:761(1985)参照〕、RSVのLTR(long terminal repeat)由来のエンハンサー/プロモーター〔Gorman,Proc.Natl.Acad.Sci.79:6777(1982b)参照〕およびヒトシトメガロウイルス由来のエンハンサー/プロモーター〔Boshart,Cell 41:521(1985)参照〕が挙げられる。更に、ある種のエンハンサーは、インデューサー(誘導因子)、例えばホルモンまたは金属イオンの存在下でのみ調節可能であり且つ活性になる〔Sassone−CorsiおよびBorelli,Trends Genet.2:215(1986);Maniatis,Science 236:1237(1987)参照〕。その上、発現ベクターは、ToledoまたはTowneコード配列に作用可能に連結された終結配列およびポリ(A)付加配列も含んで成ることができ、典型的にはそれらを含んで成るだろう。
遺伝子の増幅を引き起こす配列も、望ましくは発現ベクター中にまたはToledoもしくはTowne DNA配列を含有する発現ベクターと同時翻訳される別のベクター中に含まれてもよく、そのような配列は選択マーカーをコードする配列である。哺乳類細胞用の選択マーカーは当業界で既知であり、そのような選択マーカーとしては、例えばチミジンキナーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR増幅因子としてのメトトレキセートと一緒に使う)、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、ヒグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ、アスパラギンシンセターゼ、アデノシンデアミナーゼ、メタロチオネイン、およびネオマイシンのような抗生物質耐性遺伝子が挙げられる。
本発明の新規ToledoもしくはTowneタンパク質またはポリペプチドをコードするベクターは、適当な哺乳類宿主細胞の形質転換に用いることができる。形質転換は、例えばウイルス中にポリヌクレオチドをパッケージングしそして該ウイルスを使って宿主細胞を形質導入することを含む、ポリヌクレオチドを宿主細胞中に導入する任意の既知の方法により行うことができる。使われる形質転換法は形質転換させようとする宿主に依存する。哺乳類細胞に非相同ポリヌクレオチドを導入する方法は当業界で既知であり、例えばデキストラン媒介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈澱、ポリブレン媒介トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム中へのポリヌクレオチドの封入、および核内へのDNAの直接マイクロインジェクションが挙げられる。
発現用宿主として利用できる哺乳類細胞系は当業界で既知であり、例えば限定的でなくチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞性癌細胞(例えばHep G2)および多数の他の細胞系を始めとする、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から入手可能な多数の不死化細胞系が挙げられる。
昆虫細胞発現
昆虫細胞発現系の成分は、バキュロウイルスゲノムの断片と発現させようとする1または複数の非相同(異種)遺伝子の挿入のための便利な制限部位の両方を含有する伝達ベクター、通常は細菌プラスミド;伝達ベクター中のバキュロウイルス特異的断片に相同の配列を有する野性型バキュロウイルス(これはバキュロウイルスゲノム中への非相同遺伝子の相同組換えを考慮に入れる);並びに適当な昆虫宿主細胞および増殖培地を含んで成る。昆虫細胞に外来遺伝子を導入するための模範的な伝達ベクターとしては、pAc373およびpVL985が挙げられる。LuckowおよびSummers,Virology 17:31(1989)を参照のこと。
プラスミドは、多角体ポリアデニル化シグナル、並びにE.コリ中での選択および増殖のために原核生物のアンピシリン耐性(amp)遺伝子および複製開始点を含有することもできる。Miller,Ann.Rev.Microbiol.42:177(1988)を参照のこと。
バキュロウイルス伝達ベクターは普通、バキュロウイルスプロモーター、すなわちバキュロウイルスRNAを結合することができ且つmRNAへのコード配列(例えば構造遺伝子)の下流(5′→3′)転写を開始させることができるDNA配列を含有する。プロモーターは、通常はコード配列の5′末端の近位に置かれそして典型的にはRNAポリメラーゼ結合部位と転写開始部位を含有する転写開始領域を有するだろう。バキュロウイルス伝達ベクターはエンハンサーを有することもでき、エンハンサーは存在する場合には構造遺伝子に対して遠位である。発現は調節性かまたは構成性(非調節性)のいずれかであることができる。
酵母および細菌発現
酵母発現系は、典型的には次のうちの1つまたは複数を含んで成ることができる:プロモーター配列、融合相手配列、リーダー配列、転写終結配列。酵母RNAポリメラーゼを結合しそしてmRNAへのコード配列(例えば構造遺伝子)の下流(3′)転写を開始させることができる酵母プロモーターは、通常はコード配列の5′末端の近位に置かれた転写開始領域を有するだろう。この転写開始領域は、典型的にはRNAポリメラーゼ結合部位(“TATAボックス”)と転写開始部位を含む。酵母プロモーターは、通常は構造遺伝子に対して遠位に置かれた上流活性化配列を有することもできる。この活性化配列は、所望の非相同DNA配列の誘導性発現を可能にする。活性化配列の不在下では構成性発現が起こる。調節性発現は正または負の調節であり、それによって転写を増強するかまたは減少させるかのいずれでもよい。
特に有用な酵母プロモーターとしては、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)(欧州特許出願公開第284 044号)、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPまたはGAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、およびピルビン酸キナーゼ(PyK)(欧州特許出願公開第329 203号)プロモーターが挙げられる。酸性ホスファターゼをコードする酵母PHO5遺伝子も有用なプロモーター配列を提供する。Myanohara,Proc.Natl. Acad.Sci.USA 80:1(1983)を参照のこと。
ToledoもしくはTowne DNA配列、それの類似体または活性断片は酵母において細胞内発現させることができる。プロモーター配列を前記配列または断片と直接連結せしめ、この場合組換えタンパク質のN末端の第一アミノ酸が常にATG開始コドンによりコードされるメチオニンとなるだろう。所望であれば、N末端のところのメチオニンを臭化シアンとの試験管内インキュベーションによりタンパク質から開裂させることができる。
細胞内発現された融合タンパク質は、ある配列の直接発現に代わる代替法を提供する。典型的には、融合相手である安定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA配列を、所望のポリペプチドをコードする非相同DNAの5′末端に融合せしめる。発現されると、この構成物は2つのアミノ酸配列の融合体を提供するだろう。例えば、酵母またはヒトスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)遺伝子を或る配列の5′末端に連結せしめ、そして酵母中で発現させることができる。2つのアミノ酸配列の接合部のDNA配列は開裂可能な部位をコードしてもいてもいなくてもよい。例えば、欧州特許出願公開第196 056号を参照のこと。あるいは、ポリペプチドの酵母または細菌内分泌に備えるリーダー配列断片を含んで成る融合タンパク質を作製することにより、ポリペプチドを細胞から増殖培地中に分泌させることもできる。好ましくは、リーダー断片と配列との間にコードされるプロセシング部位であり、該部位は生体内または試験管内のいずれかで開裂させることができる。リーダー配列断片は、典型的には、細胞からのタンパク質の分泌を指令する疎水性アミノ酸から構成されるシグナルペプチドをコードする。適当なシグナル配列をコードするDNAは、分泌型酵母タンパク質、例えば酵母インベルターゼ遺伝子(欧州特許出願公開第12 873号)およびA因子遺伝子(米国特許第4,588,684号)から誘導することができる。あるいは、非酵母起源のリーダー、例えばインターフェロンリーダーを使って酵母中への分泌に備えることもできる(欧州特許出願公開第60057号)。酵母により認識される転写終結配列は、翻訳終止コドンの3′側に置かれる調節領域である。プロモーターと一緒に、それらは所望の非相同コード配列を隣接する。それらの隣接配列はDNAによりコードされるポリペプチドへと翻訳することができるmRNAの転写を指令する。
典型的には、プロモーター、リーダー(所望により)、着目のコード配列および転写終結配列を含んで成る上述の成分は、宿主(例えば酵母または細菌)中で安定して維持することができるプラスミド中に一緒に配置される。このプラスミドは、例えば発現用の酵母中でそしてクローニングと増幅用の原核生物中で、それがシャトルベクターとして維持できるように、2つの複製系を有することができる。そのような酵母−細菌シャトルベクターの例としてはYEp24〔Botstein,Gene 8:17−24(1979)参照〕、pCl/1〔Brake,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:4642−4646(1984)参照〕およびYRp17〔Stinchcomb,J. Mol.Biol.158:157(1982)参照〕が挙げられる。加えて、プラスミドは高コピー数または低コピー数プラスミドであることができる。高コピー数プラスミドは通常約5〜約200、典型的には約10〜約150の範囲のコピー数を有するだろう。高コピー数プラスミドを含有する宿主は、好ましくは少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約20のプラスミドを有するだろう。ベクターおよびポリペプチドの宿主に対する効果によって、高または低コピー数ベクターのいずれかを選択することができる。例えばBrake他(前掲)を参照のこと。
あるいは、組込みベクターを使って、発現構成物を酵母ゲノム中に組込むことができる。組込みベクターは、典型的には、ベクターの組込みを許容する酵母染色体に相同である少なくとも1つの配列を含み、そして好ましくは発現構成物を隣接する2つの相同配列を含むだろう。OrrWeaver,Methods in Enzymol.101:228−245(1983)およびRine,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:6750(1983)を参照のこと。
典型的には、染色体外維持型および組込み型発現ベクターは、形質転換されている酵母株の選択を考慮に入れた選択マーカーを含むことができる。選択マーカーは、酵母宿主中で発現させることができる生合成遺伝子、例えばADE2HIS4LEU2TRP1およびALG7、並びにG418耐性遺伝子(これらはそれぞれツニカマイシンとG418に対する耐性を酵母細胞に付与する)を含んで成ることができる。加えて、適当な選択マーカーは酵母に毒性化合物(例えば金属)の存在下で増殖する能力を提供することもできる。例えば、CUP1の存在は酵母が銅イオンの存在下で増殖できるようにする。Butt,Microbiol.Rev.51:351(1987)を参照のこと。
あるいは、上述の成分のうちの幾つかを形質転換ベクター中に一緒に置くことができる。形質転換ベクターは、典型的には、レプリコン中に維持されるかまたは上述のような組込みベクターに開発される選択マーカーを含む。染色体外維持型または組込み型のいずれかの発現および形質転換ベクターは、多数の酵母の形質転換用に開発されている。代表的な酵母細胞系は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)〔Kurtz,Mol.Cell Biol. 6:142(1986)〕、カンジダ・マルトーサ(Candida mal tosa)〔Kunze,J.Basic Microbiol.25:141(1985)〕、ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)〔Gleeson,J.Gen.Microbiol.132:3459(1986);Roggenkamp,Mol.Gen.Genet.202:302(1986)〕、クルイベロミセス・フラギリス(kluyveromyces fragilis)〔Das,J. Bacteriol.158:1165(1984)〕、クルイベロミセス・ラクティス(kluyveromyces lactis)〔De Louvencourt,J.Bacteriol.154:737(1983)およびVan den Berg,Bio/ Technology 8:135(1990)〕、ピキア・ギレリモンディ(Pichia guillermondii)〔Kunze,J.Basic Microbiol. 25:141(1985)〕、ピキア・パストリス(Pichia pasto ris)〔Cregg,Mol.Cell Biol 5:3376(1985)〕、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)〔Hinnen,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:1929(1978)およびIto,J.Bacteriol.153:163(1983)〕、シゾサッカロミセス・ポンベ(Shizosaccharomyces pombe)〔BeachおよびNurse,Nature 300:706(1981)〕およびヤロウィア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)〔Davidow,C urr.Genet.10:380471(1985)およびGaillardin,Curr.G enet.10:49(1985)〕である。
酵母宿主中に外因性DNAを導入する方法は当業界で周知であり、典型的にはアルカリカチオンで処理した完全な酵母細胞のまたはスフェロプラストの形質転換を含む。形質転換方法は一般に形質転換せしめようとする酵母宿主によって異なる。適当な形質転換技術については前の段落に列挙した刊行物を参照のこと。
更に、遺伝子またはその断片は細菌系において発現させることができる。そのような系では、細菌プロモーターは、細菌RNAポリメラーゼを結合しそしてコード配列(例えば所望の非相同遺伝子)からmRNAへの下流(3′)転写を開始させることができる任意のDNA配列である。プロモーターは、通常はコード配列の5′末端の近位に置かれる転写開始領域を有するだろう。この転写開始領域は典型的にはRNAポリメラーゼ結合部位と転写開始部位を含む。細菌プロモーターは、オペレーターと呼ばれる第二の領域(これはRNA合成が始まる隣接のRNAポリメラーゼ結合部位と重複することができる)を有することもできる。該オペレーターは、遺伝子リプレッサータンパク質が該オペレーターに結合し、それによって特定の遺伝子の転写を抑制することができる時、負の調節(誘導性)転写を可能にする。負の調節要素、例えばオペレーターの不在下では構成性発現が起こり得る。加えて、遺伝子活性化タンパク質結合配列〔これは存在するならば通常RNAポリメラーゼ結合配列に対して近位(5′側)である〕によって正の調節を達成することもできる。遺伝子活性化タンパク質の例は、エシェリキア・コリ(Escherichia coli;E.コリ)中でのlacオペロンの転写の開始を助けるカタボライト活性化タンパク質(CAP)である。Raibaud,Ann.Rev.Genet.18:173(1984)を参照のこと。従って、調節性発現は正負のいずれかであることができ、それによって転写を増強または減少させることができる。
代謝経路酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例としては、糖類代謝酵素由来のプロモーター配列、例えばガラクトース、ラクトース(lac)〔Chang,Nature 198:1056(1977)参照〕およびマルトースプロモーター配列が挙げられる。追加の例としては、生合成酵素由来のプロモーター配列、例えばトリプトファン(trp)〔Goeddel,Nuc.Acids Res.8:4057(1981);Yelverton,Nuc.Acids Res.9:731(1981);米国特許第4,738,921号並びに欧州特許出願公開第36 776号および同第121 775号参照〕プロモーターが挙げられる。ラクタマーゼ(bla)プロモーター系〔Weissmann,I nterferon 3(I.Gresser編)参照〕、バクテリオフォージラムダPLプロモーター系〔Shimatake,Nature 292:128(128)参照〕およびT5プロモーター系(米国特許第4,689,406号)も有用なプロモーター配列を提供する。
加えて、天然に存在しない合成プロモーターも細菌プロモーターとして機能する。例えば、ある細菌またはバクテリオファージプロモーターの転写活性化配列を別の細菌またはバクテリオファージプロモーターのオペロン配列と組み合わせて、合成ハイブリッドプロモーター、例えばtacプロモーター〔米国特許第4,551,433号、Amann,Gene 25:167(1983)およびde Boer,Proc.Natl.Acad.Sc i.80:21(1983)〕を作製することができる。細菌プロモーターは、細菌性RNAポリメラーゼを結合しそして転写を開始させる能力を有する非細菌起源の天然プロモーターを含むことができる。非細菌起源の天然プロモーターは適合性のRNAポリメラーゼと結合すると原核生物中の或る遺伝子の高レベル発現を誘導することができる。バクテリオファージT7のRNAポリメラーゼ/プロモーター系がその例である。〔Studier,J.Mol.Biol.189:113(1986)およびTabor,Proc.Natl.Acad.Sci.82:1074(1985)を参照のこと。〕
機能性のプロモーター配列に加えて、効率的なリボソーム結合部位も原核生物中でのDNA配列またはその断片の発現に有用である。E.コリ中では、リボソーム結合部位はシャイン−ダルガルノ(SD)配列と呼ばれ、開始コドン(ATG)と、その開始コドンの3〜11ヌクレオチド上流に置かれた長さ3〜9ヌクレオチドの配列を含む。SD配列は、SD配列とE.コリ16S rRNAの3′末端との間の塩基対合により、リボソームへのmRNAの結合を促進すると思われる〔Steitz,Biological Regulation and Develop ment:Gene Expression(R.F.Goldberger編)(1979)参照〕。
本発明の新規ToledoまたはTowneタンパク質は細胞内発現させることができる。プロモーター配列を新規ToledoもしくはTowne DNA配列、それの類似体または断片と直接連結せしめることができ、その場合にN末端の第一アミノ酸は常にATG開始コドンによりコードされるメチオニンであろう。所望であれば、N末端のところのメチオニンを臭化シアンとの試験管内インキュベーションによりまたは細菌性メチオニンN−ターミナルペプチダーゼとの試験管内もしくは生体内インキュベーションにより、タンパク質から開裂させることができる。
融合タンパク質は直接発現に代わる代替法を提供する。典型的には、内因性細菌タンパク質または別の安定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA配列を、非相同(異種)コード配列の5′末端に融合せしめる。発現されると、この構成物は2つのアミノ酸配列の融合体を提供するだろう。例えば、バクテリオファージλ細胞遺伝子を或る配列またはその断片の5′末端に連結せしめ、そして細菌中で発現させることができる。得られた融合タンパク質は、好ましくは、前記配列またはその断片からバクテリオファージタンパク質を開裂せしめるためのプロセシング酵素(第X a因子)認識部位を保持している〔Nagai,Nature 309:810(1984)参照〕。融合タンパク質はlacZ遺伝子〔Jia,Gene 60:197(1987)〕、trpE遺伝子〔Allen,J.Biotechnol.5:93(1987)およびMakoff,J.Gen.Microbiol.135:11(1989)〕およびChey遺伝子(欧州特許出願公開第324 647号)からの配列を使って作製することもできる。2つのアミノ酸配列の接合部のDNA配列は開裂可能な部位をコードしてもいてもいなくてもよい。別の例はユビキチン融合タンパク質である。そのような融合タンパク質は、好ましくはポリペプチドからユビキチンを開裂させるためのプロセシング酵素(例えばユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ)認識部位を保持しているユビキチン領域を使って作製される。この方法を使って、成熟形のTowneまたはToledoポリペプチドを単離することができる。Miller,Bio/Tec hnology 7:698(1989)を参照のこと。
あるいは、タンパク質またはポリペプチドの細菌内分泌に備えるシグナルペプチド配列断片を含んで成る融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を作製することにより、タンパク質またはポリペプチドを細胞から分泌させることもできる(例えば、米国特許第4,336,336号明細書を参照のこと)。シグナル配列断片は典型的には細胞からのタンパク質の分泌を指令する疎水性アミノ酸から構成されるシグナルペプチドをコードする。タンパク質は増殖培地中に(グラム陽性菌)または細胞の内膜と外膜との間にある細胞周辺腔中に(グラム陰性菌)分泌される。好ましくは、シグナルペプチド断片とタンパク質またはポリペプチドとの間にコードされる、生体内または試験管内のいずれかで開裂させることができるプロセシング部位が存在する。
適当なシグナル配列をコードするDNAは、分泌型細菌タンパク質の遺伝子、例えばE.コリ外膜タンパク質遺伝子(ompA)〔Masui,Experimental Manipulation of Gene Expression(1983)およびGhrayeb,EMBO J.3:2437(1984)〕、E.コリのアルカリホスファターゼシグナル配列(phoA)〔Oka,Proc.Natl.Acad.Sci.82:7212(1985)〕から誘導することができる。様々なバシラス菌株由来のα−アミラーゼ遺伝子のシグナル配列を使ってB.サチリス(B.subtilis;枯草菌)から非相同タンパク質を分泌させることができる〔Palva,Proc.Natl.Acad.Sci.79:5582(1982)および欧州特許出願公開第244 042号を参照のこと〕。
細菌により認識される転写終結配列は、翻訳終止コドンの3′側に置かれる調節領域である。プロモーターと一緒に、それらはコード配列を隣接する。それらの配列は、DNA配列によりコードされるTowneまたはToledoタンパク質もしくはポリペプチドへと翻訳することができるmRNAの転写を指令する。転写終結配列はしばしば、転写の終結を助けるステムループ構造を形成することができる約50ヌクレオチドのDNA配列を含む。例としては強力プロモーターを有する遺伝子、例えばE.コリ中のtrp遺伝子並びに他の生合成遺伝子からの転写終結配列が挙げられる。
典型的には、プロモーター、シグナル配列(所望により)、着目のコード配列および転写終結配列が、細菌宿主中で安定して維持存続できる染色体外要素(例えばプラスミド)の中に維持される。このプラスミドは、発現用かまたはクローニングと増幅用のいずれかの細菌宿主中でプラスミドを維持できるようにする複製系を有するだろう。加えて、プラスミドは高コピー数または低コピー数プラスミドであることができる。高コピー数プラスミドは通常は約5〜約200、典型的には約10〜約150の範囲のコピー数を有するだろう。高コピー数プラスミドを含有する宿主は、好ましくは少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約20のプラスミドを含むだろう。
あるいは、組込み型ベクターを使って発現構成物を細菌ゲノム中に組込むことができる。組込み型ベクターは、典型的には、ベクターの組込みを許容する細菌染色体に相同である少なくとも1つの配列を含む。組込みはベクター中の相同DNAと細菌染色体との間の組換えの結果として起こると思われる。例えば欧州特許出願公開第127 328号を参照のこと。
典型的には、染色体外維持型および組込み型発現構成物は、形質転換されている酵母株の選択を考慮に入れた選択マーカーを含むことができる。選択マーカーは、細菌宿主中で発現させることができ且つ細菌をアンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン(ネオマイシン)およびテトラサイクリンといった薬剤に対して耐性にする遺伝子を含むことができる〔Davies,Ann.Rev.Microbiol.32:469(1978)参照〕。適当な選択マーカーとしては生合成遺伝子、例えばヒスチジン、トリプトファン、およびロイシン生合成経路にあるものであってもよい。
あるいは、上述の成分のうちの幾つかを形質転換ベクター中に一緒に置くことができる。形質転換ベクターは、典型的には、染色体外維持型ベクター中または上述のような組込み型ベクター中に維持される選択マーカーを含む。
染色体外維持型または組込み型のいずれかの発現および形質転換ベクターは、多数の細菌の形質転換用に開発されている。代表的なものは、Palva,Proc.Natl.Acad.Sc i.79:5582(1982)、欧州特許出願公開第036 259号および同第063 953号並びにPCT特許出願公開第WO 84/04541号(B.サチリスについて);Shimatake,Nature 292:128(1981),Amann,Gene 40:183(1985),Studier,J.Mol.B iol.189:113(1986)並びに欧州特許出願公開第036 776号、同第136 829号および同第136 907号(E.コリについて);Powell,Appl.Environ.Microbiol.54:655(1988)および米国特許第4,745,056号(ストレプトコッカスについて)中に開示された発現ベクターである。
細菌宿主中に外因性DNAを導入する方法は当業界で周知であり、典型的にはCaCl2または他の剤(例えば二価カチオンとDMSO)で処理した細菌の形質転換を含む。エレクトロポレーションによって細菌細胞中にDNAを導入することもできる。代表的な方法は、バシラス菌形質転換については、Masson,FEMS Microbiol.Let.60:273(1989)、Palva,Proc.Natl.Acad.Sci.79:5585(1982)、欧州特許出願公開第036 259号および同第063 953号並びにPCT特許出願公開第WO 84/04541号に見つけることができる。カンピロバクター形質転換については、例えばMiller,Proc.Natl.Acad.Sci.85:856(1988)およびWang,J.B acteriol.172:949(1990)を参照のこと。E.コリについては、例えばCohen,Proc.Natl.Acad.Sci.69:2110(1973);Dower,Nuc.Acids Res.16:6127(1988);Kushner,Ge netic Engineering:Proceedings of the International Symposium on Genetic Engineering(H.W.BoyerおよびS.Nicosia編);Mandel,J.Mol.Biol.53:159(1970)およびTaketo,Biochem.Biophys.Acta 949:318(1988)を参照のこと。ラクトバシラスとシュードモナスについては、例えばそれぞれChassy,FEMS Microbiol.Let.44:173(1987)およびFiedler,Anal.Biochem.170:38(1988)を参照のこと。ストレプトコッカスについては、例えばAugustin,FEMS Microbiol.Let.66:203(1990);Barany,J.Bacteriol.144:698(1980);Harlander,Streptococca l Genetics(J.FerrettiおよびR.Curtiss編,III)(1987);Perry,Infec.Immun.32:1295(1981);Powell,Appl. Environ.Microbiol.54:655(1988)およびSomkuti,Pro c.4th Evr.Cong.Biotechnology 1:412(1987)を参照のこと。
本発明を下記実施例により例証する。
材料および方法
A.細胞およびウイルス
ヒトCMV株AD169,TowneおよびToledoはE.S.Mocarski(スタンフォード大学)から入手し、全ての実験に使った。それらの株のうちの2つはATCC,受入れ番号VR−538(AD169)およびVR−977(Towne)からも入手可能である。以前にSpaeteおよびMocarski,J.Virol.56:135−43(1985)に記載された通りであるがただし10%ウシ胎児血清(FCS)(JRH Biosciences,Lenexa,KS)、L−グルタミン(2mM)、ペニシリン(100単位/ml)、ストレプトマイシン(0.1mg/ml)およびピルビン酸塩(1mM)が補足されたダルベッコ改良イーグル培地(DME)(JRH Biosciences,Lenexa,KS)を使って、ヒト包皮繊維芽細胞(HF)の培養物中でウイルスを増殖させた。SpaeteおよびMocarski,J.Virol.54:817−24(1985)に記載された通りのNaI勾配上での平衡遠心分離によりAD169,TowneおよびToledo株CMV DNAを調製するために、欠陥ウイルス粒子の生産を最少にするために0.001プラーク形成単位(pfu)/細胞の感染多重度(MOI)でCMV株をローラーボトルに接種した。感染した細胞に感染後4日目に培地を再補給した。感染後8日目に単層が十分に感染された時、細胞をローラーボトル1本あたり10mlの培地を使って50mlの円錐形試験管の中に掻き取り、1000回毎分(rpm)で10分間遠心してペレット化した。ペレットを、1%NP40、1%デオキシコール酸塩を含む2.0mlの0.01M Tris+0.01M EDTA(TE)中に再懸濁し、そして顕微鏡下で検査した時に全ての細胞核が溶解されるまで氷上でインキュベートした。細胞溶解物を2059試験管(Falcon)に移し、4℃で2600rpmで5分間遠心した。上清を別の2059試験管に移し、50μg/mlの濃度でRNアーゼ(Worthington−DNase free)を添加し、その直後にプロテイナーゼK(200μg/ml)と1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を添加した。上清を65℃の湯浴中で60分間インキュベートし、TE,pH7.4を使って16mlに調整し、24mlの飽和NaIと0.15mlの臭化エチジウム(5mg/ml)に添加した。試料をBeckman Ti70ローター中で20℃にて55,000rpmで24時間平衡遠心した。ウイルスDNAを含む画分を、穏やかに揺らしながらTEで平衡化したブタノールで抽出し、次いで20℃で3,000rpmで10分間遠心し、そして更に2〜3回ブタノールで抽出して量を減らした。試料を同容量のTEで平衡化したイソアミルアルコールで抽出し、遠心しそして再抽出した。3回交換する1%フェノールと1M NaClを含むTEに対してDNAを透析した。OD260とOD280を読み取り、AD169,ToledoおよびTowne DNAの純度を決定した。
臨床分離株はM.Fiala(Rancho Mirage,CA)およびS.Chou(Oregon Health Sciences University)から入手した。HCMV感染細胞のウイルスDNAの迅速な単離は、DNAを精製前に放射性標識しなかったこと以外はSpaeteおよびFrenkel,Cell 30:295−304(1982)中に以前に記載された通りに行った。簡単に言えば、感染細胞の単層培養物(25cm2フラスコ)をリン酸塩緩衝食塩水(PBS)で2回すすぎ、0.1M NaCl,TE,pH8.0,0.05%SDSおよび0.1mg/mlプロテイナーゼKの1.0ml溶液中で溶解せしめた。細胞溶解物を37℃で2〜24時間インキュベートし、1容のフェノール、1容のクロロホルムで2回抽出し、次いで2500rpmで5分間遠心して相を分離した。水性相を1容のエーテルで抽出し、そして0.1容の3M NaOAcと2容のエタノールまたはイソプロパノールでDNAを沈澱させた。DNAを冷却し、遠心により収集するかまたはガラス棒に巻付け、乾燥し、TE中に再懸濁した。
B.プラスミドDNA
Towne株地図単位0.69〜0.8を表すプラスミドpXba I E,pXba I TおよびpXba I Q(ThomsenおよびStinski,1981)をM.Stinski(アイオワ大学)から入手した。
クローン65は、ゲル抽出したBamH I消化ToledoDNA断片をプラスミドpGEM▲R▼−3Zf+(Promega,Madison,WI)中にクローニングすることにより得られた。簡単に言えば、5μgのToledo DNAを40単位のBamH Iで消化し、そして分取用1%低融点アガロースゲル上で1×TAE緩衝液中で490ボルト時間電気泳動した。約5キロ塩基対(kbp)において移動するToledo DNAを切り出し、2単位のβ−アガラーゼI(New England BioLabs,Beverly,MA)を使ってアガロースを消化した。このDNA断片を2容のイソプロパノールで沈澱させ、−20℃に冷却し、エッペンドルフ遠心機で15分間遠心分離し、乾燥させ、そして50μlのTE中に再懸濁した。ゲル抽出した断片を、T4 DNAリガーゼ(New England BioLabs,Beverly,MA)を使ってBamH I消化済pGEM▲R▼−3Zf+に連結せしめ、そして連結混合物のアリコートを用いて、カルシウムショック法(MandelおよびHiga,1970)により、またはBioRad(Richmond,CA)により出版されたthe Pulse Controller Guideの中に書かれた方法を使ったエレクトロポレーションにより、コンピテントE.コリXL−1 Blue(Stratagene,La Jolla,CA)を形質転換せしめた。
コスミド1は、E.S.Mocarski(スタンフォード大学)から得られたコスミドpHC79(HohnおよびCollins,1980)中にクローニングされた、0.69〜0.87地図単位に及ぶToledo DNAの約53kbpの部分消化Hind III断片である。下記はコスミド1からサブクローニングされたものである:
クローン4およびC1300は、コスミド1からのBamH I消化断片をBluescript M13+プラスミドベクター中にクローニングすることにより得られた。それ自体で、それらのクローンはコスミド1のToledoDNA配列に及ぶ部分を表す。
クローンC23Kは、コスミド1DNAの完全BamH I消化断片として得られそして連結により環化せしめた。
C.放射性標識プローブの調製およびハイブリダイゼーション
プラスミドまたはウイルスDNAは、キット(Boehringer Mannheim)を使いそして〔α32P〕dCTP(Amersham Corp.)を使ったニックトランスレーション(Rigby他,1977)により試験管内で放射性標識した。固定化CMV DNAへのハイブリダイゼーションは、本質的にはSpaeteおよびMocarski,J.Virol.54:817−24(1985)に記載された通りであったが、ただし6×SSC(1×SSCは0.15M NaCl+0.015Mクエン酸ナトリウムである),0.2%ポリビニルピロリドン,0.2%フィコール,0.2%ウシ血清アルブミンおよび0.1%ドデシル硫酸ナトリウムの溶液中で68℃において、サケ精子DNAの量を25μg/mlから100μg/mlに変更しそして30%ホルミアミドを15%に減らして行った。
制限酵素消化と1%アガロースゲル中での電気泳動後、標準技術(Maniatis他,1982)によりDNAをHybond−N+ナイロン移行膜(Amersham Corp.)に移行せしめた。UV Crosslinker 1000(Hoefer Scientific Instruments,San Francisco,CA)を使って120,000マイクロジュール/cm2のUV照射によりDNAを膜に架橋結合せしめた。膜を溶液A(6×SSC,0.2%ポリビニルピロリドン,0.2%フィコール,0.2%ウシ血清アルブミン,0.1%ドデシル硫酸ナトリウム,100μg/mlサケ精子DNAおよび15%ホルムアミド)中で68℃にて1時間予備ハイブリダイズせしめた。次いで100μg/mlのサケ精子DNAを含む溶液中のニックトランスレート〔α32P〕標識プローブを、5分間の煮沸により変性させ、氷上で急冷し、前記膜に添加し、そして68℃で一晩ハイブリダイズせしめた。ハイブリダイゼーション後、3×と2×SSCで膜を濯いだ後でサケ精子DNAを含まない溶液Aの中で68℃にて15分間再インキュベーションすることにより、アニールしなかったプローブを除去した。洗浄操作を繰り返し、ブロットを大量の2×SSC中で室温で濯ぎ、膜を風乾し、そしてKodak X−ARフィルムを使ってオートラジオグラフィー処理した。
D.ヌクレオチド配列決定および分析
全ての核酸配列はジデオキシヌクレオチドチェーンターミネーション法(Sanger他,1977)により決定した。配列決定用に様々な鋳型を調製した:例えば一本鎖ファージDNA、二本鎖プラスミドおよびコスミドDNA、ウイルスゲノムDNA、並びにPCR生成物を含む。手動および自動配列決定(ABI 373A装置を使う)を使用した。ワンサイクル(1回)およびマルチサイクル(多回)配列決定プロトコールの両者を使った。配列は両方の鎖について決定した。曖昧な領域はプルーフリーディング後の追加の配列決定により修正した。配列決定に使用するプライマーはABI 392装置(Applied Biosystems)上で合成した。配列の連続(contig)および分析はMacDNASIS(日立)を使って行った。相同性検索はNCBIサービスを通してBLASTプログラムを使って行った。
実施例1:CMV TowneおよびToledo分離株のゲノム中の新規配列の同定
CMVのTowne株とToledo株のDNA配列の交差表示を決定するために、各株からのウイルスDNAをXba I,Cla I,BamH I,Bgl II,EcoR IおよびHind IIIで完全消化した。1%アガロースゲルを通した電気泳動後、CMV DNAを0.2M NaCl/0.6M NaOH中で変性させ、その場で0.6M NaCl/1M Tris,pH7.5中で中和し、そしてゲルを20×SSC中に30分間浸漬した。同等にサイジングしたHybond−N+ナイロン膜(Amersham Corp.)をゲルのどちらか一方の側の上に置き、そしてペーパータオルの毛管作用を利用して両方向においてDNAを膜へと移行せしめた。20×SSC中で一晩ブロッティングした後、2×SSC中で膜を洗浄し、そして上述したようなUV照射によりDNAを膜の上に固定した。
500bpの平均サイズを有するTowneおよびToledo DNAのDNAプローブは、10μgの各DNAを2063チューブ(Falcon Plastics)中で、Heat Systems,Inc.音波装置(Farmingdale,NY)上の設定値3において各10秒の4回のパルスで音波処理することにより調製した。音波処理後、ウイルスDNAを制限酵素Ava I,Ban IおよびBfa Iで消化してプローブDNAのサイズ複雑さを更に減らした。それらの酵素は、AD169 DNAデータベース配列(EMBL受入れ番号X17403)の検索により豊富な切断部位(それぞれ326,386および341)が明らかになったため;それらの制限酵素消化緩衝液が一致しているため;およびそれらの部位が重複しないために選ばれた。こうして調製した切断されたウイルスDNAの臭化エチジウム染色ゲルは、DNAサイズが1300bpから100bp未満までの範囲であり、Hae IIIで消化したφX174 DNA標準マーカー(New England BioLabs,Beverly,MA)との同時移動により判断すると、DNAの大部分が約300bpで移動することを明らかにした。TowneおよびToledo切断プローブDNAを次いで〔α32P〕dCTP(Amersham Corp.)を使って上記と同様にニックトランスレーションにより標識し、各プローブを制限酵素消化され固定化されたTowneおよびToledo DNAのステレオブロットに適用した。ハイブリダイゼーションとオートラジオグラフィーの後、ハイブリダイゼーションパターンを分析して、非相同株のプローブとはハイブリダイズしないが相同株のプローブとはハイブリダイズする各DNAプロフィール上の断片を決定した。例えば、Towneプローブを使った時にToledo DNAのBamH I消化物上に顕著な5kbpバンド(Toledo DNAを使ってそれを探査した時には存在した)のシグナルの欠失は、2つの分離株間の配列多様化(sequence divergence)領域を明らかにした(図3参照)。
この5kbp断片を上述したようなゲル抽出によりクローニングし、これをクローン65と命名した。クローン65 Toledo DNAをそのまま前部配列決定し、そしてAD169 DNA配列から分化していることが示されたpXba I Tクローンから調製したTowne DNA配列と比較した(下記実施例2を参照のこと)。クローン65の完全配列を図1に示す。図1中、クローン65はヌクレオチド4664で始まり、そしてヌクレオチド9327で終わる。驚くべきことに、Towne DNAのpXba I TクローンからのDNA(1,856bp)とToledo DNAのクローン65(4,668bp)は、104bpの配列一致を共有した。この小さな配列相同性部分は、AD169およびTowne DNA地図上での、UL(Unique Long)成分と逆方向反復塩基配列(別名IRLまたはb′配列)の境界部に対するToledo DNA多様性領域のマッピングを可能にした。それらの新たに単離されたToledo株ヌクレオチド配列は、Cheeと共同研究者により完全に配列決定された参考実験株AD169(EMBL受入れ番号X17403)中には見られなかった。
実施例2:参考株AD169中に見られないCMV Towneのゲノム中の新規配列の同定
Towne株とAD169株の間にはDNA配列不均質性が認められている。Pritchett,J.Virol.36:152−61(1980)を参照のこと。しかしながら、CMVゲノムの大まかな構造編成は決定されておりそして多数の株についての株間制限部位多形性はマッピングされているけれども、ヌクレオチドレベルでの株間変異は決定されていない。実験株AD169は配列決定すべき最初のCMV分離株であり、これをCMVゲノムの遺伝的多形性(複雑さ)を明らかにするための参考株として使った。
Towne株とAD169株とのヌクレオチド配列の相違を調べるために、我々はToledo株において多様性であると示された領域、即ち実施例1において詳しく説明したようなUL成分とb′配列の間の境界部に注目した。プラスミドpXba I TをNEBlotTMPhototopeTM検出キット(New England Biolabs,Beverly,MA)を使って標識し、それを制限酵素消化した固定化Towne,ToledoおよびAD169 DNAのブロットにおいてプローブとして使った。簡単に言うと、pXba I TをPvu IIで直鎖状にし、エタノール沈澱させ、34μlのヌクレアーゼ不含有精製水中に再懸濁した。5分間沸騰水中でプラスミドを変性させ、氷上で5分間急冷し、そして4℃で手短に遠心分離した。次の試薬を列挙する順に試験管に添加した:10μlの5×標識用混合物、5μlのdNTP混合物、1μlのDNAポリメラーゼI(クレノウ断片)。それらの混合物を37℃で6時間インキュベートし、5μlの0.2M EDTA,pH8.0の添加により反応を停止させた。5μlの4M LiClと150μlのエタノールを添加して−80℃に30分間冷却することによりプローブを沈澱させ、エッペンドルフ遠心機中でペレット化し、70%エタノールで洗浄し、そしてキットにより供給されるような再懸濁用緩衝液(Resuspension Buffer)20μl中に再懸濁した。ハイブリダイゼーション反応は本質的に上述したものと同じであったが、ただしハイブリダイゼーション後に膜を2×SSC,0.1%SDS中で室温にて5分間ずつ2回洗浄し、次いで0.1×SSC,0.1%SDS中で68℃にて15分間ずつ2回洗浄した。検出反応は、ビオチン化プローブをストレプトアビジンブリッジを介してアルカリホスファターゼに結合させた。ハイブリダイズしたプローブをLumigen−PPD基質の開裂により可視化した。ブロッキング段階、ストレプトアビジンインキュベーション、アルカリホスファターゼインキュベーションおよびLumigen−PPD反応は、キットマニュアル中に記載された通りに実施した。Kodak XARフィルムへのブロットの暴露は、予想通り、(i)サイズが1.85kbpのXba I消化断片(Xba I T)がTowne DNA上でpXba I Tプローブとハイブリダイズすること、および(ii)同時移動するXba I消化断片がToledo DNA上に存在することを明らかにした。AD169 DNAは、いずれの制限酵素消化パターン上にも何らハイブリダイゼーションシグナルを示すことができなかった。pXba I Tのヌクレオチド配列は、Towne DNAとAD169 DNAの同一性が完全に無いことを確証した。
Toledoからのコスミド1DNAのヌクレオチド配列決定(上記の「材料および方法」の中の「B.プラスミドDNA」の項目を参照のこと)は、この領域においてコスミド1のToledo DNAと新たに同定されたTowne DNAとの間に広範囲な配列同一性があることを明らかにした。驚くべきことに、該配列の配向はTowneに関してToledoでは逆であった。
実施例3:最近の臨床分離株のゲノム中に存在し且つ参考株AD169株中には見られない新規Toledo DNA配列の同定
最近の臨床分離株におけるクローン65により表される配列の浸透を調べるために、5つの代表的な臨床分離株(HCMVF,C128,C354,C793およびC980)を、上記の「材料および方法」の項目に記載した通りに調製したToledo,TowneおよびAD169 DNAと一緒に制限酵素BamH IとXba Iで消化し、アガロースを通して電気泳動し、Hybond−N+ナイロン移行膜に移行させ、そして「材料および方法」の項目に概説した手順に従ってニックトランスレーションにより〔α32P〕で標識したクローン65をプローブとして使って探査した。図4に見られるように、オートラジオグラフは全ての臨床分離株に相同性があることを示した。図4において、約5kbpのバンドはレーン1(Toledo DNA)に検出され、Towne DNA(レーン2)にも表れるが、レーン3(AD169 DNA)からは欠けており、そしてレーン4〜8(臨床分離株HCMVF,C128,C354,C793およびC980)には検出される。これらの結果は、HCMVのToledo株中に見られる新たに単離された配列が最近の臨床分離株中にも存在し、しかしAD169参考株には存在しないことを証明した。ヌクレオチド配列分析は、Towne DNA断片に対するハイブリダイゼーションシグナルが弱い理由がTowne DNAとの配列同一性が151ヌクレオチドしか存在しないためであることを明らかにした。実施例1での共有の104bp配列同一性は、Xba I消化物に見られるTowne DNAとToledo DNA(レーン9と10)の両方からのXba I“T"サイズ断片に対する弱いハイブリダイゼーションシグナルの原因である。臨床分離株(レーン12〜16)のXba I消化物も、多数の高分子量バンドへのハイブリダイゼーションを示す。別のプローブを使ったこれらと他の臨床分離株のゲノムの分析は、共有する配列が幾つかの分離株ではToledo株中の配向と逆の配向であるかもしれないことを示した。
図6は、AD169株ゲノムDNAと比較した、ToledoゲノムDNAおよびTowneゲノムDNA中に同定された新規配列の相対位置の図解である。点線は相同および多様性(相違)配列が見つかるゲノムの領域を定める。最上段は、ヌクレオチド175068と188843(ヌクレオチド番号はAD169 DNA配列−EMBL受入れ番号X17403に関して番号付けた)のところの逆三角形(▼)で示した相同性区切り点の間にあるBamH I(“B"で示す)およびXba I(“X"で示す)制限酵素部位を示したToledo DNA制限地図を表す。Toledo DNA配列のサブクローン4,1300,C23Kおよび65がこの地図の上のボックス中に示される。Towneに関して逆方向の相同性領域は、ヌクレオチド178221と175082の間に逆三角形(▼)により示される。ユニーク配列は細線で示され、そして逆方向反復塩基配列は太線b′a′c′により表される。c′反復配列の終点はヌクレオチド191412のところに矢印
Figure 0003658411
で示される。中段は、Toledoについて上述したようにBamH I(B)およびXba I(X)制限酵素部位を示しそして下のボックスの中にXba IクローンE,TおよびQを示したTowne DNA制限地図を表す。共有領域は、Toledo DNAと共有するのがその配向が逆である相同性領域を指す。記載したヌクレオチド番号はAD169 DNA配列を参照したものである。Towne株中のb′反復配列の未決定領域はAD169株ヌクレオチド参照番号180034のところに細線で示される。下の段は原型配向において示したAD169ゲノムを表す。ユニーク配列は細線で示され、長(UL)および短(US)成分の逆方向反復塩基配列はボックスab−b′a′、およびa′c′−caにより示される。a配列は、UL成分とUS成分の接合部のところの逆向きコピー(a′)を含む、末端の同方向反復塩基配列である。AD169 DNA配列の長さは229354ヌクレオチドと指摘され、中間部の反復配列の地図位置はヌクレオチド参照番号と矢印により示される。
実施例4:新規ToledoおよびTowne DNA配列の転写解読枠分析
新規ToledoおよびTowne DNA配列は潜在的な転写解読枠(ORF)をコードした。最少計算タンパク質分子量として10キロダルトンの任意選択パラメーターを使って、新規Toledo配列中に合計36個のORFが同定され、そして新規Towne配列中に合計4個のORFが同定された。これらのORFの推定アミノ酸配列を配列表に記載する(配列番号2,3,4,5,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26および27)。図5は、以前に報告されたAD169の対応領域のORFと一緒に、新規ToledoおよびTowne DNA配列中のそれらのORFの図解を示す。それらのORFに、Toledo配列中のULの左側にある最初のORFとしてUL133から始まる名称を与えた。新規Towne配列中の最初のORFはUL147とした。このORFは本明細書中に開示される新規Toledo配列中に存在することが決定された。AD169中のUL130およびUL132は新規Toledo配列中に存在することが決定された。更に、UL153とUL154はそれぞれIRL14とIRL12に対する相同性領域を示した。全てのORFをBLASTPプログラムを使ってNCBIの非重複データベース中の相同配列について検索した。検索した全ORFのうち、UL132だけがデーターベース中にアミノ酸レベルで76%の一致を示す相同物を同定した。この相同物はHCMV mtr III(GenBank受入れ番号X75606)であった。ベタ塗りの丸(●)は、潜在的N結合グリコシル化部位配列、N−X(−P)−S/Tを含むことが確認されたORFを示す。それらの潜在的糖タンパク質は抗原性または免疫原性分子として生物学的に重要である可能性がある。
配列表
(1) 一般情報
(i) 出願人:Spaete,Richard
Cha,Tai−An
(ii) 発明の名称:新規ヒトシトメガロウイルスDNA配列
(iii) 配列の数:27
(iv) 連絡先:
(A)あて名:Luann Cserr,Attorney at Law
(B)通り:750 Arimo Avenue
(C)市名:オークランド
(D)州名:カリフォルニア
(E)国名:アメリカ合衆国
(F)ZIP:94610
(v) コンピューター読み取り形式
(A)媒体型:フロッピーディスク
(B)コンピューター:IBM PC互換型
(C)駆動システム:PC−DOS/MS−DOS
(D)ソフトウエア:PatentIn Release #1.0、Version #1.25
(vi) 当該出願データ
(A)出願番号:08/414,926
(B)出願日:1995年3月31日
(C)整理番号:AVIR 11 WO
(2) 配列番号1に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:4711塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル:No
(iv) アンチセンス:No
(vi) 起源:
(A)生物名:ヒトCMV
(B)株名:Towne
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:845..1321(相補鎖)
(D)他の情報:生成物=“UL147"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:1368..1721(相補鎖)
(D)他の情報:生成物=“UL152"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:2504..3337(相補鎖)
(D)他の情報:生成物=“UL153"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:3515..4711(相補鎖)
(D)他の情報:生成物=“UL154"
(xi) 配列の記載:配列番号1:
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
(2) 配列番号2に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:159アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(xi) 配列の記載:配列番号2:
Figure 0003658411
(2) 配列番号3に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:118アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(xi) 配列の記載:配列番号3:
Figure 0003658411
(2) 配列番号4に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:278アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(xi) 配列の記載:配列番号4:
Figure 0003658411
(2) 配列番号5に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:399アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(xi) 配列の記載:配列番号5:
Figure 0003658411
Figure 0003658411
(2) 配列番号6に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:18318塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル:No
(iv) アンチセンス:No
(vi) 起源:
(A)生物名:ヒトCMV
(B)株名:Toledo
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:511..1281
(D)他の情報:生成物=“UL133"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:1401..2384
(D)他の情報:生成物=“UL135"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:2478..3197
(D)他の情報:生成物=“UL136"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:3283..3789
(D)他の情報:生成物=“UL138"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:4355..4759
(D)他の情報:生成物=“UL139"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:4944..5285
(D)他の情報:生成物=“UL140"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:5558..6832
(D)他の情報:生成物=“UL141"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:6908..7825
(D)他の情報:生成物=“UL142"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:7813..8088
(D)他の情報:生成物=“UL143"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:8468..8995
(D)他の情報:生成物=“UL144"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:9327..9626
(D)他の情報:生成物=“UL145"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:9910..10260
(D)他の情報:生成物=“UL146"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:10328..10804
(D)他の情報:生成物=“UL147"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:11106..12053
(D)他の情報:生成物=“UL148"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:12133..12942
(D)他の情報:生成物=“UL132"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:13569..14210
(D)他の情報:生成物=“UL130"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:16216..16581
(D)他の情報:生成物=“UL149"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:1004..1528
(D)他の情報:生成物=“UL134"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:3063..3350
(D)他の情報:生成物=“UL137"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:16337..18262
(D)他の情報:生成物=“UL150"
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:17752..18759
(D)他の情報:生成物=“UL151"
(xi) 配列の記載:配列番号6:
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
(2) 配列番号7に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:257アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 起源:
(B)クローン名:to1.01
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..257
(D)他の情報:符号=UL133
(xi) 配列の記載:配列番号7:
Figure 0003658411
(2) 配列番号8に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:175アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.02
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..175
(D)他の情報:符号=UL134
(xi) 配列の記載:配列番号8:
Figure 0003658411
(2) 配列番号9に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:328アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.03
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..328
(D)他の情報:符号=UL135
(xi) 配列の記載:配列番号9:
Figure 0003658411
Figure 0003658411
(2) 配列番号10に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:240アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.04
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..240
(D)他の情報:符号=UL136
(xi) 配列の記載:配列番号10:
Figure 0003658411
(2) 配列番号11に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:96アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.05
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..96
(D)他の情報:符号=UL137
(xi) 配列の記載:配列番号11:
Figure 0003658411
(2) 配列番号12に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:169アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.06
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..169
(D)他の情報:符号=UL138
(xi) 配列の記載:配列番号12:
Figure 0003658411
(2) 配列番号13に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:135アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.07
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..135
(D)他の情報:符号=UL139
(xi) 配列の記載:配列番号13:
Figure 0003658411
(2) 配列番号14に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:114アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.08
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..114
(D)他の情報:符号=UL140
(xi) 配列の記載:配列番号14:
Figure 0003658411
(2) 配列番号15に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:425アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.09
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..425
(D)他の情報:符号=UL141
(xi) 配列の記載:配列番号15:
Figure 0003658411
Figure 0003658411
(2) 配列番号16に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:306アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.10
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..306
(D)他の情報:符号=UL142
(xi) 配列の記載:配列番号16:
Figure 0003658411
Figure 0003658411
(2) 配列番号17に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:92アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.11
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..92
(D)他の情報:符号=UL143
(xi) 配列の記載:配列番号17:
Figure 0003658411
(2) 配列番号18に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:176アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.12
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..176
(D)他の情報:符号=UL144
(xi) 配列の記載:配列番号18:
Figure 0003658411
(2) 配列番号19に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:100アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.13
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..100
(D)他の情報:符号=UL145
(xi) 配列の記載:配列番号19:
Figure 0003658411
(2) 配列番号20に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:117アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.14
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Ptotein
(B)存在位置:1..117
(D)他の情報:符号=UL146
(xi) 配列の記載:配列番号20:
Figure 0003658411
(2) 配列番号21に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:159アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.15
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..159
(D)他の情報:符号=UL147
(xi) 配列の記載:配列番号21:
Figure 0003658411
(2) 配列番号22に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:316アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.16
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..316
(D)他の情報:符号=UL148
(xi) 配列の記載:配列番号22:
Figure 0003658411
Figure 0003658411
(2) 配列番号23に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:214アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.19
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..214
(D)他の情報:符号=UL130
(xi) 配列の記載:配列番号23:
Figure 0003658411
(2) 配列番号24に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:122アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.20
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..122
(D)他の情報:符号=UL149
(xi) 配列の記載:配列番号24:
Figure 0003658411
(2) 配列番号25に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:642アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.21
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..642
(D)他の情報:符号=UL150
(xi) 配列の記載:配列番号25:
Figure 0003658411
Figure 0003658411
Figure 0003658411
(2) 配列番号26に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:336アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.22
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..336
(D)他の情報:符号=UL151
(xi) 配列の記載:配列番号26:
Figure 0003658411
Figure 0003658411
(2) 配列番号27に関する情報
(i) 配列の特徴:
(A)配列の長さ:270アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:タンパク質
(vii) 直接の起源:
(B)クローン名:to1.23
(ix) 特徴:
(A)特徴を表す記号:Protein
(B)存在位置:1..270
(D)他の情報:符号=UL132
(xi) 配列の記載:配列番号27:
Figure 0003658411

Claims (6)

  1. 次のDNA:
    a.配列番号6のヌクレオチド配列のDNA;
    b.逆向きの配列番号6のヌクレオチド配列のDNA;および
    c.配列番号6のヌクレオチド配列に、緊縮条件下でハイブリダイズすることができ、少なくとも1のHCMVタンパク質をコードするDNA;
    から成る群より選ばれるDNA。
  2. 請求項1に記載のDNAから転写されるRNA分子。
  3. 請求項1に記載のDNAを含んで成るベクター。
  4. 請求項1に記載のDNAにより形質転換された宿主細胞。
  5. 組換えHCMVの生産方法であって、
    a. CMVの増殖を許容する細胞系に、請求項1のDNA配列を含有するプラスミドを移入せしめ、そして(i)AD169もしくはTowne株HCMVを含むウイルスDNAを移入せしめるかまたは(ii)AD169もしくはTowne株HCMVを重感染せしめ;そして
    b. 前記細胞系から前記組換えHCMVを単離する;
    ことを含んで成る方法。
  6. ヒトにおいてHCMV感染を検出する方法であって、
    (i)予め決められた緊縮条件下で、HCMV DNAを含む疑いのある臨床試料を、少なくとも15塩基を有し且つヒトDNAと交差ハイブリダイズしない請求項1のDNA配列の少なくとも1つの一本鎖DNA断片と接触せしめ;そして
    (ii)前記一本鎖DNA断片と試料DNAとの間の二重鎖形成を検出する;
    ことを含んで成る方法。
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