JP3658023B2 - 環境付着菌検出用器材および方法 - Google Patents
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- C12M—APPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12M—APPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
- C12M33/00—Means for introduction, transport, positioning, extraction, harvesting, peeling or sampling of biological material in or from the apparatus
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- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、菌管理を必要とされる医薬品や食品の製造工場、病院等における環境付着菌の簡便かつ迅速な検出用器材及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、環境付着菌の検出には、各メーカーより多種の検出キットが発売されているが、これらは、次の2種類の方法に大きく分類される。
1)拭き取り法−被検部を布で拭って菌を捕集し、培養する方法。
2)スタンプ法(プリンティング法)−被検部に寒天平板培地を押しつけて菌を補集し、培養する方法。
【0003】
上記2種類の方法をその時の環境に合わせて使い分けることにより、環境付着菌の調査が行われているが、各方法とも問題点を有しており、測定条件及び、測定場所によっては、測定困難なものもある。即ち、拭き取り法においては、滅菌操作等器具の取り扱いに手間が掛かること、操作法が複雑であり、試験操作に熟練を要すること、又、一定面積についての付着菌数測定を実施する場合、平面のみ測定が可能であり、曲面の測定が出来ないことが挙げられる。スタンプ法については、菌捕集率が拭き取り法より若干劣ること、又寒天平板を直接検体に押し当てるため、被検物へ培地成分が付着すること、及び圧力の掛け方によっては寒天平板が壊れることもある。更には、プラスチック平板に寒天培地が流し込んである為、平面の測定は可能であるが、曲面の測定が不可能であり、又、寒天培地の乾燥が早く、長期保存が出来ないというデメリットもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は環境付着菌検出の為の従来の方法、即ち拭き取り法、及びスタンプ法における共通の問題点である曲面に付着する菌の測定を可能にするとともにスタンプ法において発生する被検物に対しての二次汚染の起因(培地の残留等)を防ぎ、かつ寒天培地の長期保存を可能にしようとするものである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、(1)片面に粘着性が付与された透明フィルムよりなるシートの粘着性面で寒天培地の開放面を蔽い、かつ該粘着性面が該開放面に密着できるようにしてなる環境付着菌検出用器材キット、(2)片面に粘着性が付与された滅菌透明フィルムよりなる環境付着菌採取用シート、および(3)片面に粘着性が付与された滅菌透明フィルムよりなるシートの粘着性面を環境の被検出部に押し当てたのち剥がし、次いでそのシートの粘着性面を寒天培地の開放面に密着させたのち培養条件に保って、生育する菌を検出することを特徴とする環境付着菌の検出方法に関する。
【0006】
透明フィルムのシートとしては種々のプラスチックフィルムのシートを用いることができるが、フィルムの材質は加熱滅菌に耐えうるものが望ましく、また菌の補集操作を正確にするために引張り伸びや伸縮性のなるべく少いものが望ましい。その例としては、ポリスチレンやアセテートのフィルム、セロファンなどが挙げられる。好ましいのはポリスチレンフィルムである。またフィルムで寒天培地を蔽って保存するとき培地の乾燥を防ぐにはフィルムが水蒸気非透過性であることが望ましいのでアセテートフィルムやセロファンは防湿加工されたものがよい。
フィルムのシートはその片面に粘着性の付与されたものを用いられるが、粘着性は一般にアクリル系、ゴム系などの粘着剤のエマルジョンをフィルムに塗付して付与される。粘着面はアルコールその他の有機溶剤や防腐剤を含まないのが好ましい。
【0007】
寒天培地は通常寒天平板の形で用いられ、その開放面を上記のシートの粘着性面で蔽って培地を保存することができる。その際シートも培地も予め滅菌しておくことは言うまでもない。
また、シートと培地開放面を密着できるように平板容器の上縁と培地表面の差を少くすれば培地の乾燥防止にも菌を培地に転移接種するにも好都合である。
【0008】
環境付着菌を検出するにはシートを培地から分離してその粘着性面を被検出部に押し当てる。それによって、被検出部に付着している菌はフィルムの粘着面に捕集されるからその粘着面で培地の開放面を蔽って密着させたのち、培養温度等の条件を適当に保って培養し菌を生育させる。菌の生育状況は透明なシートの外部から観察でき、コロニーの数を計数することもできる。
【0009】
【作用】
本発明において、透明フィルムのシートで寒天培地の開放面を蔽うことにより培地の乾燥および外部からの菌の侵入が防がれ、シートの粘着面は環境付着菌の粘着捕集、培地は捕集菌の培養に働きシートの透明性は培地上の菌の生育状況を外部より直視可能とする。
【0010】
【実施例】
以下に実施例および実験例により本発明をさらに説明する。但し本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0011】
実施例1
ポリスチレンフィルムシートの片面に、アクリル糊を隙間なく塗って粘着面を形成したものを滅菌バッグに入れ、ポリシーラーで密閉後、121℃ 20分間高温滅菌した後本シートを無菌環境下でシートの粘着面をガラスシャーレに充填した寒天培地(SCDA:日本製薬)の表面に接するように密着させて、検出用培地キットを調整する。環境菌測定にあたっては、検出用培地より、シートを剥し、被検体に粘着面を張り付け、その後、シートを被検体より剥し、被検体に接した粘着面を寒天培地表面と接するように再び張り付け、通常の培養条件(31℃ 24時間 室温36〜48時間)で培養する。
【0012】
実施例2
粘着面を有するポリスチレンフィルム(プレートシーラ:三光純薬)のシートをエチレンオキサイドガスで滅菌処理し、その後本シートを無菌環境下で粘着面をプラスチックシャーレに充填した寒天培地(SCDA:日本製薬)の表面に接するように密着させ検出用培地キットを調製した(図1、図2参照)。環境菌測定方法は実施例1に同じである。図面に示された態様においてはフイルム脱着を容易にするためにシャーレの上縁に外側に向けた突起が設けられ、フィルムの形状もそれに合うように突起を有している。
【0013】
実験例1 拭き取り法との菌回収率比較
特定面積の床を水道水を染み込ませた雑巾で拭き、菌をその床面に均一的に付着させ、一晩放置し乾燥させる。乾燥させた床の環境付着菌を従来法である拭き取り法、及び実施例1で調製したキットによって菌を検出した。検出は異なる2ケ所についてそれぞれ行った。測定菌回収率を下表に示す。
【0014】
【0015】
実験例2 スタンプ法との菌回収率比較
スタンプ法と本法の菌回収率を比較する為に代表一般環境菌としてmicroccus sp、pseudomonus sp、bacillus subtilis、及びstapylococcus aureusを準備し、客菌種を各々菌数約103 /mlの菌液に調製した。調製菌液を直径15cmのシャーレに流し込み均等に延ばした後一晩放置して水分を完全に乾燥蒸発させた。乾燥後スタンプ法(コンタクトスライド:グンゼ産業)及び実施例2で調製したキットによってシャーレ内の付着菌を検出した。
【0016】
【0017】
この結果はスタンプ法と本法の菌回収率は同等であることを示す。
【0018】
実験例3 無菌エリアの3ケ所において、拭き取り法、スタンプ法(コンタクトスライド)及び実施例2により調製したキットにより環境菌試験を実施した。
【0019】
【0020】
以上無菌エリアにおける菌検出率は、拭き取り法、スタンプ法及び本法とも同等であった。
【0021】
実験例4 スタンプ法用培地と本法の保存期間比較
スタンプ法用培地(コンタクトスライド:グンゼ産業)と実施例2により調製した本品を5℃及び室温で保存し寒天培地の寒天の厚さを検討した。寒天の厚さは寒天に含まれる水分揮発の指標であり寒天の保水量変動は、寒天培地の培養能力に影響を及ぼす。
【0022】
【0023】
以上の結果からスタンプ法用培地では室温において1ケ月でその寒天の保水量が変動するが実施例2のキットでは3ケ月まで室温でも寒天に変化を認めず、長期保存の可能であることが判る。
【0024】
【発明の効果】
本発明の環境菌検出用シート及び該シートを取り付け、滅菌をほどこした環境菌検出用培地器材キットは、付着菌測定検体が例えば机の角、ドアのノブ、又は支柱等の曲面部分であっても検出用シートが自由に当該被検体に密着し、被検体に付着する菌をその粘着面に確保することができる。被検体よりシートを剥離後、シート粘着面を寒天培地に再度密着させ、シートを密着させたままで菌を培養することができ、またシートが透明なので、菌の培養状況を直視し、測定することができる。また、本発明の環境菌検出用培地キットは、培地に密着する検出用シートが寒天培地の水分乾燥を抑えるので、従来、長期保存が難しく室温では実質的に使用面から1ケ月位が期限とされている寒天培地の寿命を3ケ月と飛躍的に伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキットの一態様の斜視図である。
【図2】図1のキットでフィルムをプラスチック容器から脱着するところを示す。
【図3】図1のX−Y線における断面矢視図である。
【符号の説明】
1 プラスチック容器
2 片面粘着性透明フィルム
3 培地
4 フィルム脱着用突起
【産業上の利用分野】
本発明は、菌管理を必要とされる医薬品や食品の製造工場、病院等における環境付着菌の簡便かつ迅速な検出用器材及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、環境付着菌の検出には、各メーカーより多種の検出キットが発売されているが、これらは、次の2種類の方法に大きく分類される。
1)拭き取り法−被検部を布で拭って菌を捕集し、培養する方法。
2)スタンプ法(プリンティング法)−被検部に寒天平板培地を押しつけて菌を補集し、培養する方法。
【0003】
上記2種類の方法をその時の環境に合わせて使い分けることにより、環境付着菌の調査が行われているが、各方法とも問題点を有しており、測定条件及び、測定場所によっては、測定困難なものもある。即ち、拭き取り法においては、滅菌操作等器具の取り扱いに手間が掛かること、操作法が複雑であり、試験操作に熟練を要すること、又、一定面積についての付着菌数測定を実施する場合、平面のみ測定が可能であり、曲面の測定が出来ないことが挙げられる。スタンプ法については、菌捕集率が拭き取り法より若干劣ること、又寒天平板を直接検体に押し当てるため、被検物へ培地成分が付着すること、及び圧力の掛け方によっては寒天平板が壊れることもある。更には、プラスチック平板に寒天培地が流し込んである為、平面の測定は可能であるが、曲面の測定が不可能であり、又、寒天培地の乾燥が早く、長期保存が出来ないというデメリットもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は環境付着菌検出の為の従来の方法、即ち拭き取り法、及びスタンプ法における共通の問題点である曲面に付着する菌の測定を可能にするとともにスタンプ法において発生する被検物に対しての二次汚染の起因(培地の残留等)を防ぎ、かつ寒天培地の長期保存を可能にしようとするものである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、(1)片面に粘着性が付与された透明フィルムよりなるシートの粘着性面で寒天培地の開放面を蔽い、かつ該粘着性面が該開放面に密着できるようにしてなる環境付着菌検出用器材キット、(2)片面に粘着性が付与された滅菌透明フィルムよりなる環境付着菌採取用シート、および(3)片面に粘着性が付与された滅菌透明フィルムよりなるシートの粘着性面を環境の被検出部に押し当てたのち剥がし、次いでそのシートの粘着性面を寒天培地の開放面に密着させたのち培養条件に保って、生育する菌を検出することを特徴とする環境付着菌の検出方法に関する。
【0006】
透明フィルムのシートとしては種々のプラスチックフィルムのシートを用いることができるが、フィルムの材質は加熱滅菌に耐えうるものが望ましく、また菌の補集操作を正確にするために引張り伸びや伸縮性のなるべく少いものが望ましい。その例としては、ポリスチレンやアセテートのフィルム、セロファンなどが挙げられる。好ましいのはポリスチレンフィルムである。またフィルムで寒天培地を蔽って保存するとき培地の乾燥を防ぐにはフィルムが水蒸気非透過性であることが望ましいのでアセテートフィルムやセロファンは防湿加工されたものがよい。
フィルムのシートはその片面に粘着性の付与されたものを用いられるが、粘着性は一般にアクリル系、ゴム系などの粘着剤のエマルジョンをフィルムに塗付して付与される。粘着面はアルコールその他の有機溶剤や防腐剤を含まないのが好ましい。
【0007】
寒天培地は通常寒天平板の形で用いられ、その開放面を上記のシートの粘着性面で蔽って培地を保存することができる。その際シートも培地も予め滅菌しておくことは言うまでもない。
また、シートと培地開放面を密着できるように平板容器の上縁と培地表面の差を少くすれば培地の乾燥防止にも菌を培地に転移接種するにも好都合である。
【0008】
環境付着菌を検出するにはシートを培地から分離してその粘着性面を被検出部に押し当てる。それによって、被検出部に付着している菌はフィルムの粘着面に捕集されるからその粘着面で培地の開放面を蔽って密着させたのち、培養温度等の条件を適当に保って培養し菌を生育させる。菌の生育状況は透明なシートの外部から観察でき、コロニーの数を計数することもできる。
【0009】
【作用】
本発明において、透明フィルムのシートで寒天培地の開放面を蔽うことにより培地の乾燥および外部からの菌の侵入が防がれ、シートの粘着面は環境付着菌の粘着捕集、培地は捕集菌の培養に働きシートの透明性は培地上の菌の生育状況を外部より直視可能とする。
【0010】
【実施例】
以下に実施例および実験例により本発明をさらに説明する。但し本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0011】
実施例1
ポリスチレンフィルムシートの片面に、アクリル糊を隙間なく塗って粘着面を形成したものを滅菌バッグに入れ、ポリシーラーで密閉後、121℃ 20分間高温滅菌した後本シートを無菌環境下でシートの粘着面をガラスシャーレに充填した寒天培地(SCDA:日本製薬)の表面に接するように密着させて、検出用培地キットを調整する。環境菌測定にあたっては、検出用培地より、シートを剥し、被検体に粘着面を張り付け、その後、シートを被検体より剥し、被検体に接した粘着面を寒天培地表面と接するように再び張り付け、通常の培養条件(31℃ 24時間 室温36〜48時間)で培養する。
【0012】
実施例2
粘着面を有するポリスチレンフィルム(プレートシーラ:三光純薬)のシートをエチレンオキサイドガスで滅菌処理し、その後本シートを無菌環境下で粘着面をプラスチックシャーレに充填した寒天培地(SCDA:日本製薬)の表面に接するように密着させ検出用培地キットを調製した(図1、図2参照)。環境菌測定方法は実施例1に同じである。図面に示された態様においてはフイルム脱着を容易にするためにシャーレの上縁に外側に向けた突起が設けられ、フィルムの形状もそれに合うように突起を有している。
【0013】
実験例1 拭き取り法との菌回収率比較
特定面積の床を水道水を染み込ませた雑巾で拭き、菌をその床面に均一的に付着させ、一晩放置し乾燥させる。乾燥させた床の環境付着菌を従来法である拭き取り法、及び実施例1で調製したキットによって菌を検出した。検出は異なる2ケ所についてそれぞれ行った。測定菌回収率を下表に示す。
【0014】
【0015】
実験例2 スタンプ法との菌回収率比較
スタンプ法と本法の菌回収率を比較する為に代表一般環境菌としてmicroccus sp、pseudomonus sp、bacillus subtilis、及びstapylococcus aureusを準備し、客菌種を各々菌数約103 /mlの菌液に調製した。調製菌液を直径15cmのシャーレに流し込み均等に延ばした後一晩放置して水分を完全に乾燥蒸発させた。乾燥後スタンプ法(コンタクトスライド:グンゼ産業)及び実施例2で調製したキットによってシャーレ内の付着菌を検出した。
【0016】
【0017】
この結果はスタンプ法と本法の菌回収率は同等であることを示す。
【0018】
実験例3 無菌エリアの3ケ所において、拭き取り法、スタンプ法(コンタクトスライド)及び実施例2により調製したキットにより環境菌試験を実施した。
【0019】
【0020】
以上無菌エリアにおける菌検出率は、拭き取り法、スタンプ法及び本法とも同等であった。
【0021】
実験例4 スタンプ法用培地と本法の保存期間比較
スタンプ法用培地(コンタクトスライド:グンゼ産業)と実施例2により調製した本品を5℃及び室温で保存し寒天培地の寒天の厚さを検討した。寒天の厚さは寒天に含まれる水分揮発の指標であり寒天の保水量変動は、寒天培地の培養能力に影響を及ぼす。
【0022】
【0023】
以上の結果からスタンプ法用培地では室温において1ケ月でその寒天の保水量が変動するが実施例2のキットでは3ケ月まで室温でも寒天に変化を認めず、長期保存の可能であることが判る。
【0024】
【発明の効果】
本発明の環境菌検出用シート及び該シートを取り付け、滅菌をほどこした環境菌検出用培地器材キットは、付着菌測定検体が例えば机の角、ドアのノブ、又は支柱等の曲面部分であっても検出用シートが自由に当該被検体に密着し、被検体に付着する菌をその粘着面に確保することができる。被検体よりシートを剥離後、シート粘着面を寒天培地に再度密着させ、シートを密着させたままで菌を培養することができ、またシートが透明なので、菌の培養状況を直視し、測定することができる。また、本発明の環境菌検出用培地キットは、培地に密着する検出用シートが寒天培地の水分乾燥を抑えるので、従来、長期保存が難しく室温では実質的に使用面から1ケ月位が期限とされている寒天培地の寿命を3ケ月と飛躍的に伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキットの一態様の斜視図である。
【図2】図1のキットでフィルムをプラスチック容器から脱着するところを示す。
【図3】図1のX−Y線における断面矢視図である。
【符号の説明】
1 プラスチック容器
2 片面粘着性透明フィルム
3 培地
4 フィルム脱着用突起
Claims (9)
- 片面に粘着性が付与された透明フィルムよりなるシートの粘着性面で寒天培地の開放面を蔽い、かつ、該粘着性面が該開放面に密着できるようにしてなる環境付着菌検出用器材キット。
- シートおよび培地が滅菌されている請求項1記載のキット。
- シートが耐熱性で加熱滅菌されている請求項1記載のキット。
- シートが非伸縮性である請求項1記載のキット。
- フィルムの粘着面に含有される成分によって微生物の生育が妨げられない請求項1記載のキット。
- シートの粘着面が防腐剤または有機溶媒を含有しない請求項1記載のキット。
- 片面に粘着性が付与された滅菌透明フィルムよりなる環境付着菌捕集用シート。
- フィルムが耐熱性および非伸縮性である請求項8記載のシート。
- 片面に粘着性が付与された滅菌透明フィルムよりなるシートの粘着性面を環境の被検出部に押し当てたのち剥がし、次いでそのシートの粘着性面を寒天培地の開放面に密着させたのち培養条件に保って、生育する菌を検出することを特徴とする環境付着菌の検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26628894A JP3658023B2 (ja) | 1994-10-04 | 1994-10-04 | 環境付着菌検出用器材および方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26628894A JP3658023B2 (ja) | 1994-10-04 | 1994-10-04 | 環境付着菌検出用器材および方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08103294A JPH08103294A (ja) | 1996-04-23 |
JP3658023B2 true JP3658023B2 (ja) | 2005-06-08 |
Family
ID=17428872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26628894A Expired - Fee Related JP3658023B2 (ja) | 1994-10-04 | 1994-10-04 | 環境付着菌検出用器材および方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3658023B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003225083A (ja) * | 2002-02-05 | 2003-08-12 | Sony Corp | 円盤状培養媒体 |
-
1994
- 1994-10-04 JP JP26628894A patent/JP3658023B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08103294A (ja) | 1996-04-23 |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
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