JP3657488B2 - 回転規制クランプとそれを利用した燃料配管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジョイントで接続された2つの管の相対回転を規制する技術に関する。特に、自動車のエンジンルーム内で車体側から伸びる燃料配管とエンジン側から伸びる燃料配管の相対回転を規制しながら接続するために好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
2つの管を接続する際に、両管を抜け止めした状態で液密に接続するために、ジョイントを用いる技術が知られている。そのジョイントの一例が、特開平7-317982号公報に開示されている。
通常、一方の管はジョイントの一端側に圧入やかしめ等の手法によって接続されており、その状態のジョイントの他端側に他方の管が挿入されて両管が接続される。そのジョイントには挿入された他方の管が抜けないようにする構造が用意されており、そのために、挿入側が大径となっている。通常、挿入された管の外周とそれを受け入れるジョイントの内周の間にOリング等のシール部材が施されており、それによって両管は液密に接続される。この接続技術は信頼性が高く、現在多用されている。
【0003】
しかし、例えば自動車の配管など、振動や高熱が加わる環境下で長期間に亘って液密を維持するためには、ジョイントによる接続のみでは足りず、さらに回転禁止クランプを用いることによって、両管の相対回転を禁止する必要がある。両管が相対回転すると、Oリング等のシール部材が損傷しやすく、液密状態を維持できる期間が短縮化される恐れがあるからである。
【0004】
そこで、両管の相対回転を禁止するために、回転禁止クランプを用いる技術が種々開発されている。その一例が、特開平9−269088号公報に開示されている。
この技術を図1を用いて説明する。この技術では、一方の管8の先端がジョイント2の小径部6に圧入されて相対回転しないように接続されている。このジョイント2の他端側に他方の管10が挿入される。管10の外周とジョイント2の内周の間にOリングが挿入され、管8と管10が液密に接続される。ジョイント2の管10の挿入側は大径となっており、その内部に管10の抜け止め構造が収容されている。
ジョイント10の外周の一部を切欠いて平行に伸びる二面幅4が形成されている。この二面幅4と一対の側壁16を利用して回転禁止クランプ12をジョイント2に回り止めする。管10はその先端部において曲げられている。回転禁止クランプ12の先端には曲げられた管10が通過するスリット20が設けられている。このスリット20によって管10はジョイント2に対して相対回転することが禁止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この技術は管10が曲がっている場合には有効であるが、管10がストレートに伸びている場合には有効でない。
管10がストレートに伸びている場合には、ジョイント2に設けたのと同様の平行な二面幅を管10の外周に設ける必要がある。しかし、管10の外周に平行な二面幅を形成することは不可能ではないまでも面倒であり、製作コストを増大させる。
また、現在多用されている多くのジョイント2が平行な二面幅を持っておらず、多くのジョイントに対してこの技術は使えない。
【0006】
外周の断面が円形のジョイントないしは管に対して外側から回り止め部材を取付けることで回り止めする技術は、現在のところ、少なくともエンジンルーム内の燃料配管に関する限り実用化されていない。
その理由は、高温にさらされるエンジンルーム内で使用するために、ジョイントも回り止め部材も樹脂等で形成されることは好ましくなく、金属で形成する必要があり、断面円形の金属製の管の回りに金属製の回り止め部材を取付けて回り止めする構造による場合、金属同士の摩擦係数が低いことから、有効に回り止めするためには、強大な押付け荷重が必要とされ、場合によっては管が破壊され、あるいは、その押圧荷重を得るために特殊な動力工具が必要とされるほどの押圧荷重が必要とされると考えられていたからである。
【0007】
しかし、本発明者らは、回り止めする必要性を根本からみなおした結果、従来の考えが正当でないことを認識することができた。従来の考えが正当でないと認識する理由は、以下のとおりである。
【0008】
エンジンルーム内の燃料配管は、車体側から伸びる燃料配管とエンジン側から伸びる燃料配管をジョイントで接続させることで構成されている。エンジンは車体に対してエンジンマウントを介して接続されており、そのエンジンマウントは弾性を有することから、エンジンと車体とは相対的に変位する。この変位が通常は振動となって現れる。
ジョイントにおいて2つの燃料配管を回り止めするというのも、上記の振動に抗して回り止めできれば良く、回転規制クランプによって相対回転を規制することができるトルクに上限があっても、燃料配管についてみれば十分に回り止めしているということができる。その範囲内で相対回転が規制できれば良いことに着目すれば、金属製の管の外周に金属製の部材を押圧する方式によって、管を押しつぶすほどの押圧力を要しないで、エンジンルーム内の燃料配管に必要とされる限度においては回り止めする事が可能であることを認識したからである。
【0009】
本発明は、以上の認識に基づいて、両管がストレートに伸びる場合にも、また、ジョイントないし管の外周に平行な二面幅が確保されていない場合にも、エンジンルーム内で生じる振動により起こる2つの管の相対回転を規制する事を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用と効果】
本発明の燃料配管は、自動車のエンジンルーム内に位置している燃料配管であり、基部が車体側に取付けられた燃料配管と基部がエンジン側に取付けられた燃料配管の先端同士を管状ジョイントで接続したものである。前記のジョイントは一端側が小径で他端側が大径の管状であり、その一端側に一方の燃料配管が接続され、他端側に他方の燃料配管が接続される。この接続構造に対し、本発明の燃料配管では、ジョイントの小径部またはその小径部に接続された燃料配管から他方の燃料配管まで亘って伸びる長さを有する回転規制クランプによって相対回転を規制している。この回転規制クランプは、ジョイントの小径部またはその小径部に接続された燃料配管の外周を押圧する一対のバネ片と他方の燃料配管の外周を挟持する一対のバネ片とを有し、板バネ製である。
この燃料配管は、管の外周を板バネで押圧する単純な構造で回り止めされているにすぎないにもかかわらず、必要な限度において長期間に亘って回り止めでき、燃料配管に高い信頼性を実現する。よって、燃料配管がストレートに伸びていても、あるいは、燃料配管に二面幅が確保されていなくとも、回り止めする事ができ、相対回転を規制することができる。
Oリング等のシール部材が燃料配管間に装着される場合、回転規制クランプによって両管の相対回転を直接的に規制しても良いし、あるいは一方の燃料配管がジョイントに相対回転できない場合には他方の燃料配管とジョイントの相対回転を禁止して間接的に燃料配管同士の相対回転を規制しても良い。
シール部材がジョイントと一方の燃料配管間に装着される場合、他方の燃料配管はジョイントに相対回転不能で液密に接続されている。この場合、一方の燃料配管に対して、ジョイントと他方の燃料配管のいずれを回り止めしても良い。
【0011】
また、この発明の燃料配管の接続方法は、自動車のエンジンルーム内に位置して基部が車体側に固定された燃料配管と、自動車のエンジンルーム内に位置して基部がエンジン側に固定された燃料配管の先端同士を相対回転を規制した状態で接続する方法に関するものであり、管状のジョイントに前記先端同士を反対方向から接続して両配管を接続し、ついで、相対回転を規制する管と管にまたがって伸びる回転規制クランプによって相対回転を規制する管と管のそれぞれの外周を押圧することで両配管の相対回転を規制することを特徴とする。
この接続方法によると、きわめて簡単な操作で、信頼性の高い燃料配管を組み付けることができる。
相対回転を規制する管と管とは、管状のジョイントと一方の燃料配管の場合もあれば、2つの燃料配管であることもある。
【0012】
この発明は、また、回転規制クランプ自体に具現化される。この回転規制クランプは、一端側が小径で他端側が大径の管状ジョイントの小径側に相対回転を規制された状態で接続された第1管またはその管状のジョイントと、その管状ジョイントの大径側に挿入された第2管との相対回転を規制するために用いられるものであって、第1板バネと第2板バネと第3板バネとを備えている。
第1板バネは、第1管の外周に半周以下の範囲で接する第1押圧面と、ジョイントの大径部を収容する膨らみと、第2管の外周に半周以下の範囲で接する第2押圧面を備えている。第2板バネは第1板バネに開閉自在に組み付けられ、閉じられたときに前記第1押圧面が接する外周の半径方向反対側からその外周に接する第3押圧面と、前記第1板バネとの間で閉じられた状態を保持する保持手段を備えている。第3板バネは第1板バネに開閉自在に組み付けられ、閉じられたときに前記第2押圧面が接する外周の半径方向反対側からその外周に接する第4押圧面と、前記第1板バネとの間で閉じられた状態を保持する保持手段を備えている。
この回転規制クランプは、前記第2板バネが前記第3板バネから独立して弾性変形可能に構成されているとともに、前記第3板バネが前記第2板バネから独立して弾性変形可能に構成されていることを特徴とする。
このクランプによると、第1板バネで2つの管が同軸に位置決めされ、その状態で、第1板バネと第2板バネの間で一方の管が回り止めされ、第1板バネと第3板バネの間で他方の管が回り止めされ、結局2管が回り止めされる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る回転規制クランプとそれを利用した燃料配管の実施の形態を実施例に基づき説明する。図2は、燃料配管の接続部分の断面図である。
【0014】
図2に示すように、この接続部分では、第1管22と第2管24がジョイント26によって接続されている。そして、この第1管22と第2管24がジョイント26で接続された後に、相対回転を規制するクランプ32が外側から取付けられている。ジョイント26に挿入される前の第2管24は断面で示され、挿入された後の第2管は外形線で示されている。
【0015】
第1管22は耐熱性樹脂で成形された燃料配管であり、図示されない基部が車体側に固定されている。この第1管22の先端は金属製のジョイント26の小径部28から挿入され、その状態でジョイント26の小径部28が外側からかしめられ、第1管22はジョイント26の小径部28に液密かつ相対回転不能に接続されている。ジョイント26の大径部30の内側には、抜け止めバネ36が挿入されている。この抜け止めバネ36の自由端36a側は円周方向に分割されており、自由端36a同士の中心に開口を持つ。
第2管24は金属製の燃料配管であり、図示されない基部がエンジンに固定されている。第2管24の先端近傍に、第1のリング状の膨出部38、第2のリング状の膨出部40が形成されている。
【0016】
第2管24をジョイント26の大径部30に挿入すると、第1のリング状の膨出部38が抜け止めバネ36の中心開口を押し広げて通過し、通過すると、抜け止めバネ36の自由端36aが第1のリング状の膨出部38に図示右側から当接して第2管24がジョイント26から抜けないようにする。
第1管22の内側には2本のOリング34がセットされており、第2管24が抜け止めバネ36で抜き止めされるまで挿入されると、そのOリング34が第2管24の外周に密着して第1管22と第2管24を液密に接続する。
第1管22と第2管24が相対回転を続けると、Oリング34が損傷し、液密が短時間で破られる可能性がある。あるいは、第1管22と第2管24の同軸度が失われると、Oリング34が不均一に変形し、これも液密が破られる要因となりえる。
上記した様に、第1管22はジョイント26に回り止めされているので、ジョイント26に対して第2管24が回り止めされれば、結局第1管22と第2管24が回り止めされる。また、ジョイント26に対して第2管24が同軸に保持されれば、結局第1管22と第2管24は同軸に保持される。
この実施の形態では、ジョイント26に第2管24を回り止めして同軸に保持するが、第1管22と第2管24を直接的に回り止めして同軸に保持しても良い。
【0017】
回転規制クランプ32について、図3に概略分解斜視図を、図4に平面図を、図5に正面図を示す。具体的な説明は図3を中心に行う。回転規制クランプ32は金属製であり、外形がほぼ長方形の上板42と、外形が凹形状(ほぼコ字型)の下板44からなる。上板42は、第1板バネに相当し、ジョイント26の小径部28の外周に半周以下の範囲で接する第1押圧面52、ジョイント26の大径部30を収容する膨らみ60、第2管24の外周に半周以下の範囲で接する第2押圧面54を備えている。凹形状の下板44は、1枚の板で第2板バネ48と第3板バネ50を形成しており、全体として上板42に開閉自在に組み付けられ、閉じられたときに第1押圧面52が接する外周の半径方向反対側からその外周に接する第3押圧面56と、上板42との間で閉じられた状態を保持する保持手段66を備えた第2板バネ48および、閉じられたときに第2押圧面54が接する外周の半径方向反対側からその外周に接する第4押圧面58と、上板42との間で閉じられた状態を保持する保持手段67を備えた第3板バネ50を形成している。第2板バネ48と第3板バネ50の間には切欠62が設けられており、ここにジョイント26の大径部が位置する。切欠62によって第2板バネ48と第3板バネ50は実質的に独立して弾性変形する。
【0018】
上板42には1辺に沿って2箇所に孔72があけられ、下板44には2個の孔72に対応する位置にヒンジを形成する突起70が形成されている。2個の突起70が2個の孔72に挿入された後に孔72の形が塑性変形され、突起70は孔72から抜け止めされる。この結果、上板42は下板44に対して軸線74のまわりに揺動する。
その軸線74の反対側の上板42の一辺に、一対の係止用突起64、65が形成されている。下板44の対応する位置に、一対の係止用孔66、67が形成されており、各係止用孔66、67の上部に斜め上方に伸びる案内縁68、69が形成されている。この構造を備えていることで、軸線74の回りに上板42を下板44の側に揺動させると、最初は係止用突起64、65が案内縁68、69に当接して案内され、ついで上板42と下板44が相互に弾性変形して一対の係止用突起64、65が一対の孔66、67に入り込み、この段階で上板42と下板44がスプリングバックし一対の係止用突起64、65が一対の孔66、67に抜け止めされる。
【0019】
開放された状態の上板42と下板44間に、ジョイント26で接続された燃料配管22,24を位置させ、この状態で上板42と下板44を閉じ、一対の係止用突起64、65を一対の孔66、67に抜け止めした状態が図2に示されており、第1板バネ42と第2板バネ48がジョイント26の小径部28の外周を押圧し、第1板バネ42と第3板バネ50が第2管24の外周を押圧する。各板バネ42、48、50は管の約半周(正確にはそれよりもわずかに狭い範囲)において管の外周に接する。各板バネ42、48、50は自然形状において、相手側の管の半径よりも大きな曲率半径を持ち、上板42と下板44を閉じて一対の係止用突起64、65を一対の孔66、67に抜け止めする間に、より強く曲げられ、燃料配管22、24の外周を締め付ける。
この締め付け力は燃料配管22、24の強度に比して弱く、燃料配管22、24を破壊することはなく、また、一対の板42,44を閉めるために特殊の動力工具を用いることなく、無動力の手動工具で閉じることができる。
【0020】
この状態で、回転トルクを測定する試験を実施したところ、金属製の管の断面円形の外周を金属製のバネで締め付けるだけで、エンジンルーム内の燃料配管に要求される程度には十分に相対回転を規制できることを確認した。回転トルクを測定した試験の結果を図6および図7に示す。
図6は、回転規制クランプ32で第1管22と第2管24を押圧している場合に、第1管22を固定して第2管24を相対回転させるのに必要な回転トルクの測定結果である。図6の横軸は、第2管24の外径を示し、単位は(mm)である。縦軸は、第2管24を相対回転させるのに必要な回転トルクを示し、単位は(N・cm)である。また、図6の84、86、88は、それぞれ1回目、2回目、3回目の測定結果を示し、82はこれら3回の測定結果の平均値を示す。
本発明者らが多くのテストを行なったところ、燃料配管が5N・cmのトルクに対して回り止めされていれば、エンジンとボディ間の相対振動に抗して十分に回り止めされており、長期間使用しても燃料配管の継ぎ手部から燃料が漏れ出すといった事故の発生を防止できることを確認した。
図6に示すように、第2管24の外径が大きくなるほど、第2管24を相対回転させるのに必要な回転トルクは大きくなっていく。すなわち、管の外径が大きいほど金属製の板バネによって回り止めしやすいことがわかった。実用上、燃料配管は、外径が7.5mm以上であり、それ以上に細い管は通常使われない。図6の測定結果から明らかに、回り止めしにくい最も細い燃料配管でも、金属製の板バネによって6.37N・cmのトルクまで回り止めすることができる。従って、本実施の形態に係る回転規制クランプ32によって、エンジンルーム内の燃料配管に必要な程度に強固に回り止めすることができることが確認された。
通常の第2管24は外径が8.0mmであり、この場合、平均で22.54N・cmのトルクまで回り止めされる。よって、本実施の形態に係る回転規制クランプ32を用いれば十二分に回り止めできることがわかる。この測定結果から明らかなように、回り止めするために必要なトルクを得るために、管を潰すような大きなバネ力を必要としないことが確認された。
【0021】
図7は、回転規制クランプ32で第1管22と第2管24を押圧している場合に、第2管24を固定して第1管22を相対回転させるのに必要な回転トルクの測定結果である。図7の符号の説明は、図6の場合と同様であるので省略する。第1管22の外径が大きくなるほど、第1管22を相対回転させるのに必要な回転トルクが大きくなっていくのは図6に示す第2管24の場合と同様である。
通常の第1管22は外径が12.0mmであり、この場合、3回の試験の平均で49.30N・cmのトルクまで回り止めされる。よって、本実施の形態に係る回転規制クランプ32を用いれば十二分に回り止めできることがわかる。
【0022】
図6および図7の測定結果から明らかに、2つの燃料配管を回り止めするために必要なトルクは、通常の外径を持つ燃料配管であれば、金属製の回り止め部材による押圧力によって十分に確保されることが確認された。
【0023】
また、上板42は1枚板であり、その1枚板に、ジョイント26を締め付ける第1押圧面52と第2管24を締め付ける第2押圧面54が形成されているために、両押圧面52,54の相対的位置関係を一定に維持する事ができ、回り止めした状態で、ジョイント26と第2管24の同軸度を損ねることはない。即ち、回り止めのためにクランプしたときに、Oリング34を不均一に変形させることがなく、液密を損ねることはない。
【0024】
下板44は1枚の板バネで形成されているものの、中間に大きな切欠62が形成されていために、第2板バネ48と第3板バネ50は独立に変形する事ができる。このために、例えば第1板バネ42と第2板バネ48間で外径10mmのジョイント26を挟み込み、第1板バネ42と第3板バネ50間で外径8mmの第2管を挟み込むように予定したときに、たまたまジョイント26の外径が10.1mmであったときでも、第2管24に対する締め付け力が不足する事がなく、それぞれの管に独立して必要な締め付け力を発揮する。
これに対して、下板44にも上板42と同様な大径部収容用の膨らみを設けて第2板バネ48と第3板バネ50が独立に変形できないようにすると、予定していた外径よりも若干太いジョイント26が使われていると第2管24に対する締め付け力が不足し、予定していた外径よりも若干太い第2管24が使われているとジョイント26に対する締め付け力が不足してしまう。本実施形態のクランプ32では、切欠62を設けて第2板バネ48と第3板バネ50が独立に変形するようにしているので、かかる問題が生じない。
なお、下板44を凹形状にして第2板バネ48と第3板バネ50が独立にクランプできるようにしていても、下板44自体は1枚の板であるため、第2板バネ48と第3板バネ50は一体的に成形することができる。
【0025】
この回転規制クランプ32は、ジョイント26に第2管24が抜け止めされるまで挿入されたことを確認する機能をも有している。もしもジョイント26に第2管24が抜け止めされるまで挿入されていない場合には、第1板バネ42の第2押圧面54または第3板バネ50の第4押圧面58が第2管24の第2のリング状の膨出部40の上に乗り上げることになる。この結果、上板42の一対の係止用突起64、65が一対の係止用孔66、67に入り込むことができず、クランプすることができない。このため、回転規制クランプ32が閉じられることによって、ジョイント26に第2管24が抜け止めされるまで挿入されたことを認識することができる。
従来は、ジョイント26に第2管24が抜け止めされるまで挿入されたことを確認するために、第2のリング状の膨出部40の位置にくぼみが形成されたプラスチック板をかぶせる必要があった。しかし、本発明に係る回転規制クランプ32を用いれば、プラスチック板をかぶせることなく、ジョイント26に第2管24が抜け止めされるまで挿入されていることを確認することができる。
【0026】
以上に説明した実施の形態では、ジョイント26の小径部28と第2管24の間で相対回転を規制するクランプ32を用いたが、第1管22と第2管24の間で相対回転を規制するためにクランプ32を用いても良い。この場合、クランプ32の中間部分にジョイント26の小径部28と大径部30の双方を受け入れるだけの膨らみと切込みを設ければよい。
【0027】
以上のように、この燃料配管22、24は、管の外周を第1板バネ42、第2板バネ48、第3板バネ50で固定するという単純な構造で回り止めされているにすぎないにもかかわらず、必要な限度において長期間に亘って回り止めでき、燃料配管22、24に対し高い信頼性を実現する。本実施例によれば、燃料配管22、24がストレートに伸びていても、あるいは、燃料配管22、24に二面幅が確保されていなくとも、回り止めする事ができ、効果的に相対回転を規制することができる。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態になんら限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に係る回転規制クランプの概略分解斜視図。
【図2】本発明に係る燃料配管の管接続部分の断面図。
【図3】本発明に係る回転規制クランプの概略分解斜視図。
【図4】本発明に係る回転規制クランプの平面図。
【図5】本発明に係る回転規制クランプの正面図。
【図6】第2管を相対回転させるのに必要な回転トルクの測定結果。
【図7】第1管を相対回転させるのに必要な回転トルクの測定結果。
【符号の説明】
22…第1管
24…第2管
26…ジョイント
32…回転規制クランプ
42…上板(第1板バネ)
44…下板
48…第2板バネ
50…第3板バネ
Claims (3)
- 一端側が小径で他端側が大径の管状ジョイントの小径側に相対回転を規制された状態で接続された第1管またはその管状のジョイントと、その管状ジョイントの大径側に挿入された第2管との相対回転を規制するために用いられるクランプであって、
ジョイントの小径部または第1管の外周に半周以下の範囲で接する第1押圧面と、ジョイントの大径部を収容する膨らみと、第2管の外周に半周以下の範囲で接する第2押圧面を備えた第1板バネと、
第1板バネに開閉自在に組み付けられ、閉じられたときに前記第1押圧面が接する外周の半径方向反対側からその外周に接する第3押圧面と、前記第1板バネとの間で閉じられた状態を保持する保持手段を備えた第2板バネと、
第1板バネに開閉自在に組み付けられ、閉じられたときに前記第2押圧面が接する外周の半径方向反対側からその外周に接する第4押圧面と、前記第1板バネとの間で閉じられた状態を保持する保持手段を備えた第3板バネとを有し、
前記第2板バネは前記第3板バネから独立して弾性変形可能に構成されているとともに、前記第3板バネは前記第2板バネから独立して弾性変形可能に構成されていることを特徴とする回転規制クランプ。 - 自動車のエンジンルーム内に位置し、基部が車体側に取付けられた燃料配管と基部がエンジン側に取付けられた燃料配管の先端同士を一端側が小径で他端側が大径の管状ジョイントで接続し、且つジョイントの小径部またはその小径部に接続された燃料配管から他方の燃料配管まで亘って伸びるとともにジョイントの小径部またはその小径部に接続された燃料配管と他方の燃料配管の各々の外周を押圧する請求項1の回転規制クランプによって車体側燃料配管とエンジン側燃料配管の相対回転が規制された燃料配管。
- 自動車のエンジンルーム内に位置して基部が車体側に固定された燃料配管と、自動車のエンジンルーム内に位置して基部がエンジン側に固定された燃料配管の先端同士を相対回転を規制した状態で接続する方法であって、
管状のジョイントに前記先端同士を反対方向から接続して両配管を接続し、
ついで、相対回転を規制する管と管にまたがって伸びる請求項1の回転規制クランプによって相対回転を規制する管と管のそれぞれの外周を押圧することで両配管の相対回転を規制する燃料配管の接続方法。
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