JP3657359B2 - 漏洩検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジェーター等の中空の産業用機器や電子機器の漏洩を検知する漏洩検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図1に示したように、この種の漏洩検知装置aは、中空の漏洩検知対象物bを取り付けるテストポートcに連なる排気管dに接続して設けられ、該漏洩検知対象物bの内部を該排気管dに接続したターボ分子ポンプやメカニカルブースターポンプ等の真空ポンプe、eで真空に排気したのちヘリウムガス等のプローブガスを該検知対象物bの周囲に吹き付け、該漏洩検知対象物bに漏洩箇所があった場合にはその内部へプローブガスが侵入し、該漏洩検知装置aでその侵入ガスを検出して漏洩の判断をしている。
【0003】
該漏洩検知装置aは、一般にイオン化室fと磁場偏向型分析管g及び検出室hを備え、排気管dを介して侵入するガスを該イオン化室fに於いてイオン化して磁場偏向型分析管gに向けて帯状若しくはテープ状に引き出し、該分析管gで選別した特定のイオンを検出室hへ導いて漏洩を検知する。これを更に説明すると、該イオン化室fは、グリッド(エレクトロンコレクター)i、フィラメント電源jにより加熱されて熱電子を放出するフィラメントk、該グリッドiとフィラメントkとの間の電圧を調整する電子加速電源l、調整可能なイオン加速電源mに接続されたグリッドiとの電位差をもつイオン引出電極nにて構成され、排気管dを介して侵入するガスはグリッドiの付近でフィラメントkからの電子照射によりイオン化され、静電レンズ系やイオン加速電圧の力でイオン引出電極nにより磁場偏向型分析管gに向けて帯状若しくはテープ状に引き出す。該磁場偏向型分析管gには、通常、永久磁石が使用され、イオン化室fから引き出された帯状若しくはテープ状のガス物質の各種イオンは、質量数により各種イオンの回転半径が異なることを利用して該永久磁石により特定のイオンを選別し、その特定のイオンを検出室hのイオンコレクターoへコレクタースリットqを介して到達させ、イオン電流測定器pでイオン電流を測定することにより漏洩の程度が判断できる。該帯状若しくはテープ状に引き出されたイオンは、その帯状の軌道面が該分析管gの永久磁石の漏洩有効磁界端面sに対して垂直になるように入射する。
【0004】
永久磁石を使用した該磁場偏向型分析管gには、60度偏向、90度偏向、180度偏向などがあるが、その原理はいずれも r=(1.44×10-4√Mu×V)/Bの基本式に基づくものである(r:回転半径、Mu:質量数、B:磁束密度)。イオン加速電源mによりある一定の加速電圧にグリッドiの電圧を調整すると、前式のBは一定であるので、質量数Muの相違により回転半径rが異なり、ある特定のイオンをイオンコレクターoへ導ける。漏洩検知装置aは、一般にヘリウムのプローブガスを集めることができる電圧にグリッドiの電圧を調整し、漏洩の有無を検査する。60°の磁場偏向型分析管gの具体的配置は図2の如くである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の漏洩検知装置aでは、イオン化室fから引き出されたイオンが発散し、そのうちのイオンコレクターoを見込む角度で引き出されたもののみがイオンコレクターoに到達し、イオン電流としてイオン電流測定器pで計測される。しかし、イオンコレクターoに到達するイオンは、引き出された特定のイオンの1/10程度であり、該測定器pで計測されるイオン強度の低下が甚だしい。そのため、漏洩検知対象物bにわずかな漏れしかなく、その中空内にわずかしかプローブガスが侵入しないときには、プローブガスのイオン電流が検出できず、漏洩を検知できない欠点があった。
【0006】
本発明は、イオン化室から引き出されたイオンを効率よくイオンコレクターに導いてイオン強度を増大できる漏洩検知装置を提供し、微小な漏洩を検出を可能にすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の漏洩検知装置では、真空に排気した中空の漏洩検知対象物の内部へ漏洩箇所から侵入するプローブガス等のガス物質を電子衝撃によりイオン化するイオン化室と、該イオン化室のイオン引出電極により引き出された該ガス物質のイオンのうちの特定のイオンを選別する永久磁石を有する磁場偏向型の分析管と、選別された特定のイオンのイオン量を検出する検出室とを備え、上記特定のイオンの軌道面に対して上記永久磁石に設けたポールピースのイオン出入口の端面を内方へ斜めにカットしたことにより、上記目的を達成するようにした。
本発明の漏洩検知装置は、上記永久磁石の有効漏洩磁場端面をイオン化室から分析管に入射する上記特定のイオンの軌道面に対して斜めに設けることが好ましい。
【0008】
本発明の漏洩検知装置において、内部を真空に排気した該漏洩検知対象物にプローブガスを吹き付け、該対象物に漏洩箇所が存在すると、プローブガスが該対象物の内部へ侵入する。侵入したガスはイオン化室でイオン化され、引出電極により帯状若しくはテープ状に分析管に向けて引き出され、分析管に設けた永久磁石の磁場により選別された特定のイオンのみが検知室に導かれて漏洩が判定されるが、該分析管に入射するイオンを選別されたイオンの軌道面に対して永久磁石に設けたポールピースのイオン出入口の端面を斜めにカットしたことで、イオンコレクターに到達する特定のイオン強度が増大し、漏洩検知対象物のわずかな漏洩でも検知できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図3乃至図5に基づき説明すると、図3に於いて、符号1は直列に接続したターボ分子ポンプやメカニカルブースタポンプ等の真空ポンプ2、3で真空に排気される排気管4の端部のテストポート5に接続した中空の漏洩検知対象物、符号7は該排気管4に接続した漏洩検知装置を示す。該排気管4には制御バルブ8を介在させ、該真空ポンプ2、3により該漏洩検知装置7の内部及び該対象物1の内部が所定の真空に排気されたとき、該制御バルブ8により該対象物1の内部を気密容器9で囲まれた漏洩検知装置7の内部に接続し、該対象物1の周面にヘリウムガス等のプローブガスを吹き付ける。該対象物1に漏洩箇所が存在すると、プローブガスが該対象物1の内部へ侵入し、その侵入ガスが該漏洩検知装置7により検知される。
【0010】
該漏洩検知装置7は、グリッド(エレクトロンコレクター)10と熱電子を放出するフィラメント11及びイオン引出電極12を備えたイオン化室13、筒状の管壁14aとコ字状断面の永久磁石14bからなる磁場偏向型の分析管14、及び、コレクタースリット15とイオンコレクター16を備えた検出室17とで構成され、該フィラメント11にはこれを加熱するためのフィラメント電源18、該グリッド10及びフィラメント11には該グリッド10へ電子を集めるための電子加速電源19が夫々接続され、更に該グリッド10にはイオン加速電源20が接続される。21はイオンコレクター16へのイオンの入射により生じる電流を測定するイオン電流測定器、22は標準リークである。尚、イオン引出電極12は、図3の紙面と直角方向に長いスリットを有し、該紙面と直角方向に幅のある帯状若しくはテープ状にイオンを引き出す。
【0011】
以上の構成は従来のものと特に変わりがなく、漏洩検知対象物1の中空内へ漏洩箇所から侵入したプローブガスは、漏洩検知装置7のイオン化室13に於いてフィラメント11からの電子照射を受けてその他のガスと共にイオン化され、引出電極12で帯状若しくはテープ状に引き出された各種ガスのイオンの一部が分析管14に入射し、そのうちのイオンコレクター16を見込む角度で入射した特定の質量数のイオンのみがイオンコレクター16に到達するが、本発明では、該分析管14のイオン入射口付近から出射口付近までの永久磁石14bの磁界により選択される特定のイオンの軌道に対し幅方向にイオンを収束させ、イオンコレクター16に到達する永久磁石14bにより選択された特定のイオンのイオン強度が増大するようにした。その模式図は図6に示す如くであり、イオンは引出電極12から多少の拡がり状態で引出され、該永久磁石14bで選択された特定のイオンは前記式の回転半径で旋回し、このときイオンの軌道の幅方向にイオンが分散しがちとなるが、図3或いは図4に示すように、帯状或いはテープ状のイオンが該分析管14に入射する角度を、該永久磁石14bの有効漏洩磁場端面23に対して例えば20〜25°程度にイオンの軌道面24を斜めとしてイオンが前記回転半径の外方側へ向かうようにし、イオンがその軌道の幅方向に収束するようにした。従来は、分析管へのイオン入射角度は、図2のように有効漏洩磁場端面sに対して垂直であったが、本発明の一態様のように斜めに入射させると、イオンは該永久磁石14bの端部に生ずる漏洩磁場の該磁石14bの端面に対して垂直な磁界成分の作用を受け、イオンはイオン軌道の幅方向に収束する。
【0012】
本発明における永久磁石14bは、例えばコ字状のサマリウムコバルトマグネットをポールピース14cで覆って形成され、該ポールピース14cのイオン入射口側の端面14dを図5に示すように例えば30°内方へ傾斜させたカットを施しているので、該端面14dに生ずる漏洩磁場の該端面14dに対して垂直な磁界成分が高まり、入射するイオンはその軌道の幅方向にその高い垂直な磁界成分により更に良好に収束し、多くのイオンを永久磁石14b内へ導ける。尚、図示の例では、イオン出射口側に於いても有効漏洩磁場端面23とイオン軌道面24とが斜めになるようにし、出射口側のポールピース14cの端面も内方へ30°のカットを設けるようにした。
【0013】
永久磁石14bの有効漏洩磁場端面23に対してイオンの軌道面24が25°の角度になるようにし、イオン入射口側のポールピース14cの端面を30°カットした構成の漏洩検知装置7を使用して漏洩箇所のある漏洩検知対象物1にヘリウムガスのプローブガスを吹き付けて漏洩検知を行ったところ、図7に示したような大きなイオン強度がイオン電流測定器21で検出された。漏洩検知装置が図2に示す従来の垂直入射型のものでは、同条件で漏洩検知したとき図8に示したようなイオン強度であり、本発明の漏洩検知装置では漏洩条件が同じでも従来の4倍の高感度で検出でき、従って、従来の漏洩検知装置では検出できなかった微少な漏洩でも検出することができる。
【0014】
【発明の効果】
以上のように本発明の漏洩検知装置では、分析管の永久磁石のイオン入射口の端面を内方へ斜めにカットしたので、検出されるイオン強度が大きくなって検出感度が高感度になり、上記永久磁石の有効漏洩磁界端面とイオン軌道面とが斜めになるように構成することでイオンがその幅方向に収束して一層高感度なものとなる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の漏洩検知装置の説明図
【図2】図1の分析管の具体的平面図
【図3】本発明の実施の1形態を示す平面図
【図4】図3の分析管の永久磁石の変形例の拡大平面図
【図5】図4の5−5線部分の拡大断面図
【図6】イオンの軌道面の説明図
【図7】本発明の分析管を使用した装置でヘリウムのプローブガスの漏洩を検知したときのイオン強度の線図
【図8】従来の分析管を使用した装置でヘリウムのプローブガスの漏洩を検知したときのイオン強度の線図
【符号の説明】
1 漏洩検知対象物、2・3 真空ポンプ、7 漏洩検知装置、12 イオン引出電極、13 イオン化室、14 分析管、14b 永久磁石、14c ポールピース、17 検出室、23 有効漏洩磁場端面、24 イオンの軌道。
Claims (2)
- 真空に排気した中空の漏洩検知対象物の内部へ漏洩箇所から侵入するプローブガス等のガス物質を電子衝撃によりイオン化するイオン化室と、該イオン化室のイオン引出電極により引き出された該ガス物質のイオンのうちの特定のイオンを選別する永久磁石を有する磁場偏向型の分析管と、選別された特定のイオンのイオン量を検出する検出室とを備え、上記特定のイオンの軌道面に対して上記永久磁石に設けたポールピースのイオン出入口の端面を内方へ斜めにカットしたことを特徴とする漏洩検知装置。
- 前記永久磁石の有効漏洩磁場端面をイオン化室から分析管に入射する前記特定のイオンの軌道面に対して斜めに設けることを特徴とする請求項1記載の漏洩検知装置。
Priority Applications (1)
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JP16461496A JP3657359B2 (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 漏洩検知装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16461496A JP3657359B2 (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 漏洩検知装置 |
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JPH109992A JPH109992A (ja) | 1998-01-16 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP16461496A Expired - Fee Related JP3657359B2 (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 漏洩検知装置 |
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JP (1) | JP3657359B2 (ja) |
-
1996
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