JP3655365B2 - モップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙や不織布等からなる薄手の払拭シートを使用するモップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙や不織布等からなる薄手の払拭シートを使用するモップとして、合成樹脂からなる扁平な取付ヘッドに上記払拭シートを巻き付けて装着するタイプのものが知られている。この種のモップにおいては、巻き付けた払拭シートを取付ヘッドに止着する手段として、該取付ヘッドの複数箇所にギザギザの切り込みを設け、これらの切り込み内に払拭シートの端部を押し込んで係止させるようにしていた。
ところが、上記従来のモップは、払拭シートを複数箇所(通常は4箇所)において取付ヘッドに止着するようにしていたため、止着点の近くだけが緊張した状態となって払拭シートに皺が生じ易く、皺が生じると、該払拭シートが薄く且つ取付ヘッドが固いことから、払拭シート全体が床面に均等に接触しなくなって清掃しづらいという欠点があった。しかも、上記取付ヘッドが固いために清掃時の使用感も悪かった。
【0003】
一方、実公平6−39630号公報には、下面及び側面に緩衝材を接着し且つ上面の幅方向両端部に溝を備えた台板と、該台板の溝と対応する位置に突壁を備えた柄棒付きの押え板とを、それらの一端部において開閉自在に連結し、上記台板に巻き付けた払拭シートの両端部を該台板の上面において押え板との間に挟持すると共に、上記突壁で溝内に押し込むことにより、該払拭シートを緊張状態に装着できるようにしたモップが開示されている。
しかしながら、上記公報記載のモップは、合成樹脂や金属のような硬質で滑り易い素材からなる台板と押え板との間に払拭シートを挟持するものであるため、払拭シートが厚手のクロスであるような場合にはそれほど問題にならないが、ティッシュぺーパーのような薄手のシートである場合には、上記溝と突壁との寸法によってはこれらの溝と突壁によって払拭シートを確実に係止させることが困難で、他に適当な係止手段を設けなければ該シートが滑って外れ易いという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の技術的課題は、薄手の払拭シートであってもヘッドに皺を生じることなく簡単且つ確実に止着状態に装着することができ、且つ清掃時の使用感にも優れたモップを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明によれば、着塵用の払拭シートと、該払拭シートを着脱自在に巻着するためのヘッドと、該ヘッドに連結された握持用の柄とからなり、上記ヘッドが、圧縮性のある弾性素材で形成された柱状の基体部と、該基体部の内部に軸方向に埋設された補強用の芯材と、該芯材の一端の上記基体部から突出する部分に回動自在に連結され、上記基体部の外面に巻かれた払拭シートの自由端を該基体部に押し付けることにより該基体部との間に弾力的に挟持して止着する細長い止着棒と、該止着棒の先端部を芯材に係止させるための係止手段とを有することを特徴とするモップが提供される。
【0006】
上記構成のモップにおいては、ヘッドの基体部を圧縮性ある弾性素材により形成し、巻き付けた払拭シートを止着棒で該基体部に押し付けることにより、該基体部の弾力を利用して挟持、止着するようにしているから、該払拭シートが薄手のものであっても、基体部の弾力によって常に適度の力で確実に挟持、固定することができ、このため払拭シートが不用意に外れることがない。
しかも、上記払拭シートが、止着棒によって基体部の内部に部分的に押し込まれる分だけ全体が緊張するため、皺や弛み等を生じることなく、全体として適度に緊張した状態で基体部の回りに装着されることになる。
また、基体部の弾力性により清掃時の使用感が良く、ごつごつした感じが手に伝わらない。
【0007】
また、本発明によれば、着塵用の払拭シートと、該払拭シートを着脱自在に巻着するためのヘッドと、該ヘッドに連結された握持用の柄とからなり、上記ヘッドが、圧縮性のある弾性素材で略U字形の断面を有する柱状に形成された基体部と、該基体部の内部に軸方向に埋設された平板状の芯材と、該芯材の一端の上記基体部から突出する部分に個別に回動自在なるように連結されて上記基体部の扁平な上面の幅方向両端部に位置するように配設され、上記基体部の外面に巻かれた払拭シートの自由端を該基体部上面に押し付けることにより該基体部との間に弾力的に挟持して止着する2本の細長い止着棒と、これらの止着棒の先端部を芯材に係止させるための係止手段とを有することを特徴とするモップが提供される。
上記モップにおいては、上記基体部の扁平な上面の中央部に、上記芯材から突出する軸受部が設けられ、この軸受部に上記柄が傾動自在に連結されている。
また、本発明に係るモップは、上記基体部における上記止着棒が当接する位置に、軸線方向の窪みが形成されていることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。図1乃至図5は本発明の第1実施例を示すもので、図1乃至図3が払拭シートを取り付けていない状態を示し、図4及び図5が払拭シートを取り付けた状態を示している。
【0009】
上記第1実施例のモップ1Aは、紙や不織布等の薄手の素材からなる払拭シート2aと、該払拭シート2aを着脱自在に巻着するためのヘッド3aと、該ヘッド3aに連結された握持用の柄4aとからなっている。
上記ヘッド3aは、主として、合成樹脂発泡体のような圧縮性のある弾性素材で形成された円柱状の基体部6aからなっていて、該基体部6aの中心部には補強用の芯材7aが軸線方向に埋設され、円柱状をなす該芯材7aの一端に上記柄4aが一体に連設されている。
【0010】
上記芯材7aにおける柄4aが取り付けられた基端部側には、細長い止着棒8aの基端部が回動自在に連結されている。該止着棒8aは、上記基体部6aの外面に巻かれて上面で重ね合わされた払拭シート2aの自由端を、該基体部6aに押し付けることにより該基体部6aとの間に弾力的に挟持して止着するもので、払拭シート2aを押し付けたとき基体部6aを圧縮し、少なくとも一部が該基体部6a内に埋入するようになっている。好ましくは、図5に示すように止着棒8a全体が完全に基体部6a内に埋入することである。
【0011】
上記芯材7aの先端部側の端部には、上記止着棒8aの先端部を止着位置に係止させるための係止手段9aが設けられている。この係止手段9aは、芯材7aと止着棒8aとに設けたフック同士が相互に係止し合うものや、芯材7a及び止着棒8aのいずれか一方に設けたフックが他方に設けた穴に係止するものなど、どのような構成のものであっても良いが、図示した実施例では、弾力的に開閉する一対の弾性部材10,10を芯材7aに取り付け、これらの弾性部材間に止着棒8aの先端部を弾力的に挟持するものとして構成されている。この場合、基体部6aの上記弾性部材10,10が位置する部分は切り欠いて空間部12としておくことが望ましい。
【0012】
上記構成を有するモップ1Aにおいて、ヘッド3aに払拭シート2aを装着するときは、図1に示すように止着棒8aを開放した状態で、基体部6aの外周に払拭シート2aを一巻きし、その自由端を基体部6aの上面において重ね合わせる。
そして、図4及び図5に示すように、上記止着棒8aを閉じてその先端部を係止手段9aに係止させると、該止着棒8aが払拭シート2aを基体部6aに押し付けると共に、該基体部6aを圧縮して該基体部6a内に埋入し、上記払拭シート2aを基体部6aとの間に弾力的に挟持する。このため、該払拭シート2aは基体部6aの弾性力によってしっかりと固定され、不用意に外れることがない。しかも、上記払拭シート2aは、止着棒8aで基体部6a内に部分的に押し込まれた分だけ全体が緊張するため、皺や弛み等を生じることがなく、全体として適度の緊張状態を保って装着されることになる。
【0013】
従って、上記払拭シート2aが薄手のものであっても、基体部6aの弾力によって常に適度の力で挟持、固定することができる。
なお、上記基体部6aにおける止着棒8aが食い込む位置には、予め窪みを軸線方向に切設しておいても良い。
【0014】
かくして払拭シート2aを取り付けたモップ1Aは、該払拭シート2aを被清掃部位に押し当てて清掃するが、基体部6aが全体として弾性素材で形成されているため、その弾力性によって清掃時の使用感が良く、ごつごつした感じが手に伝わらない。しかも、基体部6aが円柱状をなしているため、その円周方向に少しずつ位置を変えながら清掃することにより、払拭シート2aの全周をもれなく清掃に使用することができて使用効率が非常に良い。
【0015】
図6及び図7は本発明の第2実施例を示すもので、この第2実施例のモップ1Bは、箒のように動かして清掃するのに適した構成を有するものである。即ち、該モップ1Bのヘッド3bを構成する基体部6bは、扁平な上面15bを有する略U字形の断面をなしていて、その内部の比較的上面15bに近い位置に平板状の芯材7bが埋設されている。そして、該芯材7bの一端には、2本の止着棒8b,8bが回動自在に連結され、これらの止着棒8b,8bが、基体部6bの扁平な上面15bにおける幅方向両端部にそれぞれ個別に開閉自在なるように配設され、基体部6bの上面15bの中央部には、上記芯材7bから突出する軸受部16bに柄4bが傾動自在なるように取り付けられている。
【0016】
なお、芯材7bに各止着棒8b,8b毎の係止手段9b,9bを設けること、及び基体部6bにおける各止着棒8b,8bが食い込む位置に予め窪みを切設しておいても良いこと等については、上記第1実施例と同じである。
上記第2実施例のモップ1Bに払拭シート2bを取り付けるには、図7に鎖線で示すように、基体部6bの回りに払拭シート2bを巻き付けた後、各止着棒8b,8bを閉じて該払拭シート2bの自由端を基体部6bに押し付けることにより、該基体部6bとの間に弾力的に挟持させるようにする。
上記第2実施例のモップ1Bにおいて、基体部6bの上面に傾動自在の柄4bを設ける代りに、第1実施例と同様に、基体部6bの一端に柄を固定的に連設することもできる。
【0017】
図8及び図9は本発明の第3実施例を示すもので、この第3実施例に示すモップ1Cは、公知の扁平柄付きモップのようにヘッド3cを扁平化しものである。即ち、該ヘッド3cを構成する基体部6cは、扁平なプレート状をなしていて、その内部に平板状の芯材7cが埋設されている。そして、該芯材7cの一端には2本の止着棒8c,8cが回動自在に連結され、これらの止着棒8c,8cが、基体部6cの扁平な上面15cにおける幅方向両端部にそれぞれ個別に開閉自在なるように配設され、基体部6cの上面15cの中央部には、上記芯材7cから突出する軸受部16cに柄4cが傾動自在なるように取り付けられている。
【0018】
なお、芯材7cに止着棒8c,8c毎の係止手段9cを設けること、及び基体部6cにおける各止着棒8c,8cが食い込む位置に予め窪みを切設しておいても良いこと等については、上記第1実施例と同じである。
上記第3実施例のモップ1Cに払拭シート2cを取り付けるには、図9に鎖線で示すように、基体部6cの回りに払拭シート2cを巻き付けた後、各止着棒8c,8cを閉じて該払拭シート2cの自由端を基体部6cに押し付けることにより、該基体部6cとの間に弾力的に挟持させるようにする。
【0019】
【発明の効果】
本発明のモップによれば、ヘッドの基体部を圧縮性ある弾性素材で形成し、巻き付けた払拭シートを止着棒で該基体部に押し付けることにより、該基体部の弾力を利用して挟持、固定するようにしているから、該払拭シートが薄手のものであっても、基体部の弾力によって常に適度の力で確実に挟持、固定することができ、該払拭シートが不用意に外れることがない。
しかも、上記払拭シートを、止着棒で基体部内に部分的に押し込むことにより全体として緊張させ、皺や弛み等を生じることなく適度の緊張状態に装着することができる。
また、ヘッドの基体部を圧縮性ある弾性素材で形成したから、清掃時の使用感が良く、ごつごつした感じが手に伝わることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモップの第1実施例を示す、払拭シートを装着していない状態での側面図である。
【図2】図1の拡大正面図である。
【図3】図1におけるA−A線での拡大断面図である。
【図4】第1実施例のモップの払拭シートを装着した状態での要部拡大縦断側面図である。
【図5】図4におけるB−B線での断面図である。
【図6】本発明のモップの第2実施例を示す、払拭シートを装着していない状態での要部側面図である。
【図7】図6におけるC−C線での拡大断面図である。
【図8】本発明のモップの第3実施例を示す、払拭シートを装着していない状態での要部正面図である。
【図9】図8におけるD−D線での拡大断面図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C モップ 2a,2b,2c 払拭シート
3a,3b,3c ヘッド 4a,4b,4c 柄
6a,6b,6c 基体部 7a,7b,7c 芯材
8a,8b,8c 止着棒 9a,9b,9c 係止手段
15b,15c 上面 16b,16c 軸受部
Claims (4)
- 着塵用の払拭シートと、該払拭シートを着脱自在に巻着するためのヘッドと、該ヘッドに連結された握持用の柄とからなり、
上記ヘッドが、圧縮性のある弾性素材で形成された柱状の基体部と、該基体部の内部に軸方向に埋設された補強用の芯材と、該芯材の一端の上記基体部から突出する部分に回動自在に連結され、上記基体部の外面に巻かれた払拭シートの自由端を該基体部に押し付けることにより該基体部との間に弾力的に挟持して止着する細長い止着棒と、該止着棒の先端部を芯材に係止させるための係止手段とを有する、
ことを特徴とするモップ。 - 着塵用の払拭シートと、該払拭シートを着脱自在に巻着するためのヘッドと、該ヘッドに連結された握持用の柄とからなり、
上記ヘッドが、圧縮性のある弾性素材で略U字形の断面を有する柱状に形成された基体部と、該基体部の内部に軸方向に埋設された平板状の芯材と、該芯材の一端の上記基体部から突出する部分に個別に回動自在なるように連結されて上記基体部の扁平な上面の幅方向両端部に位置するように配設され、上記基体部の外面に巻かれた払拭シートの自由端を該基体部上面に押し付けることにより該基体部との間に弾力的に挟持して止着する2本の細長い止着棒と、これらの止着棒の先端部を芯材に係止させるための係止手段とを有する、
ことを特徴とするモップ。 - 請求項2に記載のモップにおいて、上記基体部の扁平な上面の中央部に、上記芯材から突出する軸受部が設けられ、この軸受部に上記柄が傾動自在に連結されていることを特徴とするモップ。
- 請求項1から3のいずれかに記載のモップにおいて、上記基体部における上記止着棒が当接する位置に、軸線方向の窪みが形成されていることを特徴とするモップ。
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Families Citing this family (1)
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1995
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