JP3655288B2 - 架空送配電線の検相装置の使用方法 - Google Patents

架空送配電線の検相装置の使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は架空送配電線路の工事終了後の検相に用いる検相装置及びその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の架空送配電線の検相は、架線工事終了後に電源からみて工事区間より遠方の所で、ジャンパ線を切離しておき、まず1相のみを接続して電源を3相投入してOKならば一旦電源を切り、次に2相目を接続して電源投入とこれを順次繰返していく。この時電源側から電源を投入し接地のはずし忘れがあれば、地絡事故になるし、そうでなければ所定の相に電圧が発生されるから、これを負荷側変電所の分圧器から確認するという方法がとられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の方法では、接地のはずし忘れがあれば地絡事故になり、変電所の機器に障害を与える可能性があり、たとえ事故にならなくても、工事をした場所を確認できないという問題があった。
【0004】
又上述の方法では、変電所から実際の送電機器を繰作して送電を行って検相をする必要があるばかりでなく、途中でジャンパ線を切離すので、後でジャンパ部のクランプのボルトの締付け忘れ等のトラブルの発生のおそれがあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の問題点を解消し、実際に検相を行う対象となる架空送配電線に送電電圧を印加することなく検相が実施でき、かつその手間を省くことができる検相装置を提供するもので、その特徴は、ダイオードを直列及び並列に接続し、並列にした一方に直列に電池、ブザー及びブザー用スイッチを接続し、さらにこれらに並列にメインスイッチを設けた回路を接地棒に組込んだ検相装置使用方法にある。
【0006】
【実施例】
図1は本発明の検相装置の具体例の通常接地状態の回路構成図、図2は測定状態(検相状態)の回路構成図である。
図面に示すように、ダイオード3が直列及び並列に接続されており、上記並列にした一方には、直列に電池6、ブザー5及びブザー用スイッチ4が接続されており、さらに、これらに並列にメインスイッチ7が接続されている。そして、このように構成された回路が先端に架空送配電線Aへの取付け金具2を具えた接地棒1に組込まれて検相装置を構成している。
【0007】
上記ダイオード3は電磁誘導電流で誘導される電圧に耐えるものを使用する。但し、電磁誘導電流が大きく、長時間接地状態で放置しておくと、ダイオード3が加熱されるため、加熱防止としてメインスイッチ7を設け、装置を架空送配電線Aに接続する際には、図1に示すようにメインスイッチ7をON、ブザー用スイッチ4をOFFにしておく。又ブザー用スイッチ4は通常はOFF状態にしておき、測定するときは図2のようにONにすることで、長時間ダイオード3に通電することなく保護することができる。
【0008】
【作用】
図1の回路の両端が抵抗を介して別の交流電源に接続された状態を考える。この時にはダイオードは負の半サイクルにおいては導通状態になるから、電流を流し、同時にこの電源の内部抵抗が小さい場合には、電池の電圧による電圧も流れることになるからブザーが鳴ることになる。又逆に正の半サイクルでは、ダイオードに逆電圧が加わるため、ダイオードは非導通状態となり、電流は流れず電池及びブザーに過大な電圧及び電流を流すことがない。これは他の回線の電力線から当該電力線に誘導される電磁誘導電流が流れて、電力線部分が電源となった場合を表わす等価回路であるから、電力線にこの回路を接続した場合にも同じ作用が得られる。
【0009】
本発明においては、図1に示すように、前述の回路を接地棒に組込んで、工事場所において一端を電力線に取付け、他端を鉄塔に接地することにより、当該電力線が別地点で接地棒11により接地されていれば、図2に示すような電気回路が構成され、ブザーが鳴ることで地絡状況が確認される。又電力線が接地状態でなければ、別地点で電力線の各相を順次接地棒で接地をとることで、どの相がテスト用の機器を接続して導通を確認している相かを確認することができる。即ち検相を行うことができる。
【0010】
本発明において、使用するダイオードの数は、電磁誘導電流で誘導される電圧に耐えられるように、又使用するダイオードの逆耐電圧によって決まる。さらに、ダイオードの電流容量が小さければ、これを確保するため、図3に示すように並列に複数使用してもよい。
又直列に接続されたダイオードは、工事中の電力線に反対回線等から誘導される電流の整流を行うためのもので、逆方向の電流が流れるのを防止する。
【0011】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の検相装置を使用した架空送配電線の検相は、実際に送電を行って電圧を印加することなく実施でき、従来要していた手間、例えばジャンパ部の切離しや、電圧を印加するための変電所への連絡等を省略できるのみならず、接地をはずし忘れているような場合に生ずる地絡事故等を回避でき、ひいては送配電機器の損傷を防止する等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検相装置の具体例の通常接地状態の回路構成図である。
【図2】本発明の検相装置の具体例の検相状態の回路構成図である。
【図3】本発明の検相装置の他の具体例の回路構成図である。
【符号の説明】
1 接地棒
2 取付け金具
3 ダイオード
4 ブザー用スイッチ
5 ブザー
6 電池
7 メインスイッチ

Claims (1)

  1. ダイオードを直列及び並列に接続し、並列にした一方に直列に電池、ブザー及びブザー用スイッチを接続し、さらにこれらに並列にメインスイッチを設けた回路を接地棒に組込んだ検相装置の一端を架空送配電線に取付け、他端を鉄塔に接地することにより地絡の有無を確認し、その後検相装置を取付けた状態で別地点で他の相を順次接地することにより検相を行うことを特徴とする検相装置の使用方法。
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